JP2013190333A - X線撮像装置およびx線撮像方法 - Google Patents

X線撮像装置およびx線撮像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
撮像装置によって生じた画像の歪み(画像検出器による像のぼけなど)を低減した空間分解能の高い断面像を得ることができるX線撮像装置およびX線撮像方法を提供する。
【解決手段】
X線源と、該X線源から発生したX線を被写体に照射する照射機構と、前記X線源または前記被写体を相対的に回転させる回転機構と、回転の各角度において前記被写体を透過したX線の空間的な強度分布を表す投影像を取得する検出器と、該検出器で得られた各角度の投影像から被写体の断面像を算出して表示する演算表示部とを有し、前記演算表示部は、断面像の再構成とデコンボリューション処理とを繰り返し計算により行い、前記検出器によって生じた像のぼけを低減した断面像を求めて表示する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線撮像装置およびX線撮像方法に係わり、特に、物体の内部を非破壊に高い空間分解能で検査するのに適したX線撮像装置およびX線撮像方法に関する。
(一般的なCTの数値処理の説明)
被写体内部を非破壊で観察する方法として、X線CT(Computed Tomography)が医療診断や製品の検査等に広く利用されている。X線CTはX線の物質に対する非常に高い透過能を利用した撮像方法で、X線を被写体に対して相対的に回転させながら照射し、透過してきたX線の空間的な強度分布像(投影像、あるいは透過像と呼ぶ。)を各角度毎に取得し、取得した投影像から再構成と呼ばれる計算により被写体の断面像を再生する方法である。
図14に示したようにy軸方向(x−y座標系は原点を中心に角度θだけx−y座標系を回転した系)からX線を照射した場合、試料を透過したX線の強度分布Iθ(xr)は、y軸に沿った線積分として
Figure 2013190333
で与えられる。ここで、Ioは入射するX線の強度、f(xr, yr)は試料内部の各位置(xr, yr)における吸収率である。数1に対数変換を施し、さらに両辺をIoで除算すると、ln(Iθ(xr)/Io)で定義される投影データpθ(xr)は、
Figure 2013190333
となる。この式は、f(xr, yr)のラドン変換、あるいはθ方向へのプロジェクション(投影)と呼ばれている。したがって、θを0から2πまで回転して得られた投影データ群をラドン逆変換(再構成計算)することによって、f(xr, yr)の分布像、すなわち被写体の断面像を求めることができる。
−y座標系の位置(xr, yr)は、x−y座標系の位置(x, y)を用いて
Figure 2013190333
と表すことができるので、数2はx−y座標系では
Figure 2013190333
となる。
上述したラドン逆変換(再構成計算)は、そのアルゴリズムの違いにより以下の「解析的な方法」と「代数的な方法」に大きく分類することができる(非特許文献1)。解析的な方法は、各投影角θで得られた投影データpθ(xr )に適当なフィルタ関数をコンボリューション(畳み込み積分)した後に、図15に示したように全てのθ方向から加算する「バックプロジェクション(逆投影)」によって再生像を求める方法である。しかし、離散系において、投影データの単純な逆投影では中心部分のデータ量が周辺領域に比べてより多くなり、定量性が失われるため、これを補正するためにフィルタ関数のコンボリューションを行った後に、逆投影を行っている。このため、一般に「フィルタード・バックプロジェクション法(Filtered Back Projection Method; FBP法)」と呼ばれる。フィルタ関数にはRL(Ramachandran-Lakshminarayuran)フィルタや、RLフィルタにsinc関数を乗算したSL(Shepp-Logan)フィルタと呼ばれる高域強調関数が一般に使用されている。
FBP法ではフィルタ関数のコンボリューションと逆投影の2回の計算で断面像を再生できるために、後述する代数的な方法に比べて処理が高速である。このため、医療診断装置などをはじめとしたX線CT装置に広く採用され、現在の主流となっている。しかし、フィルタ関数によって再生された断面像の見え方(像質)が大きく異なるため、試料の形状や分布によって関数を最適化する必要があることや、繰り返し計算ではないために試料サイズや非負など既知の制約条件を反映させることができないという問題がある。
代数学的な方法は、投影と逆投影を繰り返して、解となる断面像を再生する方法である。ラドン変換及び同逆変換は線形変換であり、行列として表すことができる。被写体を離散的にサンプリングし、その要素を1次元に並べたベクトルをs、投影データを同様に1次元に並べたベクトルをfとしたとき、ラドン変換(プロジェクション)は
Figure 2013190333
で与えられる。ここで、 [H]はプロジェクション(投影)行列で、ノイズの混入はないものと仮定している。行列[H]が正方で、逆行列を持つときは
Figure 2013190333
により、再生像gを一意に求めることができる。しかし、現実にはgのサイズはfのサイズより大きいオーバーディターミンド系であり、[H]は逆行列を持たない。このため
Figure 2013190333
で定義される誤差eの最小値を与えるg’が近似解になる。数7の各要素の偏微分が0になるときeは最小値をとるので、g’は
Figure 2013190333
から求めることができる。ここで、[H]tは[H]の転置行列であり、バックプロジェクション(逆投影)の操作を表す行列である。
行列[H]の要素数は試料の要素数の2乗になるため、例えば試料の画素サイズが1k×1kの場合、[H]の要素数は1M個に、[H] t [H]の要素数は1T(1M×1M)個になる。このため、 [H] t [H]の逆行列を直接的に計算することは現在の計算機では不可能である。そこで、g’を求める方法として、関数の最適化などに広く利用されているJacobi法や最急勾配法など反復計算の手法を応用し、逆投影([H] t)と投影([H])を複数回(一般に100回以上)繰り返す方法が開発されている。
一般に繰り返し計算における推定解の修正処理は
Figure 2013190333
で表される。ここで、gk、gk+1、αk、およびqkはそれぞれk回目の繰り返し計算における推定解、k+1回目の繰り返し計算における推定解、k回目の繰り返し計算における加速係数、およびk回目の繰り返し計算における修正ベクトルである。上記修正ベクトルqkの決め方として、たとえば、Jacobi法ではαkを定数として、
Figure 2013190333
のように計算する。
本法の計算量は解析的な方法に比べて2桁以上多いという問題があるが、フィルタ関数が不要であること、反復計算過程で既知の制約条件を付加できること、さらに反復計算に実績のある高度なアルゴリズムを利用できること、など解析的な方法にはない大きな特徴がある。このため、医療診断装置や検査装置への適用が近年積極的に試みられている。
(一般的なデコンボリューション処理に関する説明)
計測器で測定したデータは、計測装置固有の特性(装置関数)による歪みを必ず受けることになる。たとえば、検出器が画像検出器の場合、検出器による像のぼけが加わることになるし、集光したビームを試料上で走査して試料情報を得る走査型の場合には、ビームサイズが有限なことによるぼけが加わることになる。装置関数h(検出器による歪み、すなわち「ぼけ」を生じるために「ぼけ関数」とも呼ばれる。)の影響を受ける前の真のデータをyo(x)(xは位置)としたとき、検出器で測定されたデータy(x)は
Figure 2013190333
で与えられる。この式は一般にyoとhの畳み込み積分(コンボリューション)と呼ばれる。数11において、装置関数hが既知であれば、yoについて解くことによって、歪み(ぼけ)を取り除いた真のデータを再生することができる。この方法がデコンボリューションと呼ばれる方法である。また、数11の両辺をフーリエ変換すると、畳み込み積分は周波数空間における単なる積に変換されるので、yo、y、およびhのフーリエ変換をそれぞれYo、Y、Hしたとき、数11は
Figure 2013190333
となる。従って、周波数領域でYをHで除算し、さらに逆フーリエ変換することによって真のデータを求めることができる。
しかし、一般に測定時に雑音nが加わるために、数11は
Figure 2013190333
となり、数12は雑音nのフーリエ変換をNとしたとき
Figure 2013190333
となるので、数12をそのまま直接的に解いたのでは雑音が増幅されて、真のデータを求めることができない。これは、雑音が一般にはホワイトノイズで周波数空間では全帯域でスペクトル成分を持ち、装置関数のスペクトル成分が小さくなる高周波領域において0除算となるためである。このため、雑音の影響を抑えて真のデータを復元する様々なデコンボリューション処理法が提案されている。
デコンボリューション処理は主に、ペナルティー関数を導入する方法と、先験的な情報を導入する方法に分類することができる。前者の方法としては、情報のエントロピーが統計的に矛盾のない範囲で最大となるようなデータを求める最大エントロピー法や、最も滑らかな像を再生できる2次微分最小法などがある。一方、後者の方法では、計測装置の特性から、再生されるデータの最小値や最大値を予測し、再生データがその範囲内になるように制限を計算の過程に付加する方法で、物理的に矛盾のない像が得られる。ただ、いずれの方法でも繰り返し計算を用いて「ぼけ」を低減した像を求めるものであり、違いは繰り返し計算における束縛条件をどのように設定するかと言うことにつきる。
いずれのデコンボリューション処理においても繰り返し計算に、一般的な数値解析手法が応用されている。たとえば、Jacobi法では、以下のような計算手順によって、像の再生を行う。
1.計算の初期化(y(0)として、測定データyを代入。k=0とする繰り返し回数を示す変数を定義)
2.y(k)とhの畳み込み積分h* y(k)を求める。
3.k+1回目の繰り返し計算におけるデータを
Figure 2013190333
として求める。
4.制約条件を付加
5.y(k)とy(k+1) の差eを計算する
6.eが設定値以下であれば終了し、超えていればy(k+1) を新たなy(k)として、手順2に戻る。
このデコンボリューション処理によってどこまで真に近い像が再生できるかどうかは、混入した雑音と信号との強度比に大きく依存し、当然のことながら雑音の少ない条件ほど、真の像により近い像を再生することができる。
特開2004−24659号公報
科学計測のための画像データ処理、河田聡、CQ出版(1994年)、pp.221〜258
CTによる測定においても、当然のことながら装置関数による歪みが混入する。たとえば、一般的なCT装置の場合、被写体を透過した像を画像検出器で検出しているが、画像検出器のぼけ(ポイントスプレットファンクション)が混入する。これは、図16に示すようにある画素AにX線が入射した際、X線の高い透過能により隣の画素Bにも散乱X線が一部漏れ、あたかも画素Bにもビームが入射したように検出し、見かけ上の像が広がることが原因であり、この広がりにより、検出された画像はぼけることになってしまう。CTでは全ての角度で測定した投影像にこのようなぼけが加わることになるので、再生された断面像もやはりぼけてしまうことになる。
CTにおけるこの「ぼけ」を低減する方法として、特許文献1に記載された方法がある。この方法では、各角度で取得した投影像や、投影像から再構成計算の対象となるライン強度データを抽出して角度順に並べたサイノグラムについて、デコンボリューション処理を施し、その後に通常の再構成計算により断面像を再生している(図17)。この方法でも装置関数によるぼけが小さく、かつ、雑音の少ない系であれば、ある程度のぼけを改善することが期待される。しかし、ぼけが大きいときや雑音が大きい場合、デコンボリューション処理により再生された各像は、たとえば図18のラインプロファイルに示すように値がかなり急激に変化したり、疑似ピークが発生した像となる。このような形状を持った投影像群やサイノグラム像から断面像を再構成すると、その影響により断面像には図19に示すよう大きな線状や円状のアーチファクト(疑似像)が発生してしまい、正確な像を再生できなくなる。一方で、デコンボリューション処理が不十分な場合には、像のぼけを十分に取り除くことができず、空間分解能を向上することができない。
上記アーチファクトの発生を抑制するためには、デコンボリューション処理で得られた像を参考にして、束縛条件やペナルティー関数の最適化を行う必要がある。投影像(いわゆるレントゲン像)だけを対象とした通常のデコンボリューション処理であれば、処理で得られた投影像を参考にして条件の最適化を容易に行うことができる。しかし、CTによる断面像の再構成と組み合わせた場合には、デコンボリューション処理で得られた投影像からサイノグラムを作成し、このサイノグラムを用いて再構成計算により断面像を求め、そしてこの断面像を参考にして条件の最適化を行うことが必要になる。しかし、断面像の再構成計算は計算量が非常に多く、長い計算時間を要する。このため、デコンボリューション処理とCTによる再構成を単に直列的に組み合わせる処理では、デコンボリューション処理の条件最適化に非常に長い時間が必要であり、「ぼけ」を取り除いた最適な断面像を求めることは難しかった。さらに、最適化の条件は一般に被写体の内部構造や、信号対雑音比によって異なるため、その都度上記の最適化を行う必要があるが、全ての被写体について最適条件を見つけることは上記理由によりほぼ不可能であった。
また、デコンボリューション処理と再構成計算が完全に独立しているために、デコンボリューション処理でサイノグラムに過度な補正が生じてしまっていても、再構成計算で修正するには限度があり、適正な画像を求めることができなかった。
本発明は、デコンボリューション処理の条件の最適化を容易に行うことができ、より精度が高く空間分解能が高い断面像を再生することを目的とする。
本発明では、断面像の再構成とデコンボリューション処理とを繰り返し計算により行い、ぼけを低減した断面像を得ることにより、上記問題を解決する。
本発明の1つの態様では、k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像と、当該k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像に装置関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像から、k+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラム像を求め、さらに、このサイノグラム像を逆投影した像と、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算における断面像を求めることにより被写体の断面像を得るものである。
具体的には図1のフローに示すように、以下のような手順により計算する。なお、soは取得した試料の各回転角度における投影データから算出したサイノグラム(オリジナルのサイノグラム)、hは撮像系のもつ装置関数(ぼけ関数)、s’はデコンボリューション処理を施したサイノグラム、tは逆投影により求めた断面像、α1およびα2はそれぞれデコンボリューション処理および再構成計算における繰り返し計算の加速係数である。
1.各角度で測定された投影像から再構成の対象とするラインの強度分布データを抽出し、オリジナルとなるサイノグラムsoを作成する。(S102)
2.soを逆投影してオリジナルとなる断面像toを計算する。(S103)
3.繰り返しを示す変数kを0に設定し、サイノグラムs(0)の初期値として、オリジナルのサイノグラムsoを、断面像t(0)の初期値としてtoを設定する。(S104)
4.k回目の繰り返し計算におけるサイノグラムs(k)に対して装置関数hをコンボリューションしたデータh* s(k)と、オリジナルのサイノグラムsoと、k回目の繰り返し計算におけるサイノグラムs(k)から、
Figure 2013190333
によりk+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラムs(k+1)を求める。(S105)
5.4.で得られたk回目のサイノグラムとk+1回目のサイノグラムとの差eを
Figure 2013190333
により計算する。(S106)
6.5.で計算した差eがあらかじめ設定した値より大きければ、4.〜10.の手順を繰り返し行い、小さければt(k)を最終的に得られた断面像として計算を打ち切る。(S107)
7.4.で得られたサイノグラムs(k+1)に対して束縛条件1を加える。(S108)
8.7.で得られたサイノグラムs’(k+1) の逆投影像、k回目の繰り返し計算における断面像t(k) を用いて、k+1回目の繰り返し計算における断面像t(k+1)
Figure 2013190333
から計算で求める。(S109)
9.8.で得られた断面像t(k+1)に対して束縛条件2を加える。(S110)
10.9.で得られた断面像t’(k+1)について投影を計算し、サイノグラムを求め、新たにs(k)とする。(S111)
このような計算手順により、サイノグラムに対する束縛条件1の妥当性は、上記手順8.の再構成計算によって得られる断面像t(k+1)ですぐに確認することができる。このため、従来のデコンボリューション処理と再構成処理を順次個別に行った場合に比べて、より少ない計算量でいろいろな条件を試しながら束縛条件1を最適化することができ、ぼけを低減したより分解能の高い像を再生することが可能になる。
また、束縛条件1が強く、仮に再生像のアーチファクトになって現れたとしても、断面像に対する束縛条件2によりある程度補正することができる。たとえば、束縛条件1として非負を設定し、この条件により断面像に直線状のアーチファクトが発生した場合、束縛条件2として最大値以下など束縛条件1に対応した条件を課すことによってアーチファクトを低減できる。したがって、従来の方法に比べてアーチファクトの少ない像を再生することが可能になる。
さらに、デコンボリューション処理と再構成計算を統合したことにより、束縛条件1および2を固定せず、計算過程で随時変更していくような計算を行うことも可能で、この場合はより強い束縛条件を課すことができるので、より空間分解能の高い断面像を再生することができる。
回転刻みの細かいより多くのデータが得られており、収束に時間を要する場合は、上記手順の7.と8.の過程の間に解析的な手法で利用するフィルタ関数のコンボリューションを挿入してもよい。この処理により、逆投影によって得られる断面像が急速に収束するために、束縛条件を徐々に変化させることは難しくなるが、繰り返し計算の回数を大幅に低減することができる。さらに、4.から7.までのデコンボリューション処理に相当する処理を周波数空間で行う場合、各繰り返し計算ではフーリエ・逆フーリエ変換を1回ずつ行えばよいので、従来のように各処理を個別に行っていた場合に比べて、変換に要する時間を半分に低減することができる。また、フーリエ変換時に発生する誤差の混入を抑えることもできる。
上記の手順とは異なり、デコンボリューション処理をサイノグラムではなく断面像に対して行うことも可能である。
この場合の本発明の1つの態様は、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、当該k回目の繰り返し計算で得られた断面像の投影・逆投影した像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算におけるぼけ処理前の断面像を求め、さらに、k+1回目の繰り返し計算で得られたぼけ処理前の断面像と、k+1回目の繰り返し計算で得られたぼけ処理前の断面像に装置関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影して求めた断面像を用いて、k+1回目の繰り返し計算におけるぼけを取り除いた断面像を得るものである。
具体的には、図2のフローに示すように、以下のような手順により計算する。
1.各角度で測定された投影像から再構成の対象とするラインの強度分布データを抽出し、オリジナルとなるサイノグラムsoを作成する。(S202)
2.soを逆投影してオリジナルとなる断面像toを計算する。(S203)
3.繰り返しを示す変数kを0に設定し、断面像t(0)の初期値としてtoを設定する。(S204)
4.k回目の繰り返し計算における断面像t(k)の投影・逆投影した像と、toを用いて、k+1回目の繰り返し計算における断面像t(k+1)
Figure 2013190333
から計算で求める。(S205)
5.4.で得られたk+1回目の断面像t(k+1)とk回目の断面像t(k)との差eを
Figure 2013190333
により計算する。(S206)
6.計算した差eがあらかじめ設定した値より大きければ、4.〜8.の手順を繰り返し行い、小さければt(k+1)を最終的に得られた断面像として計算を打ち切る。(S207)
7.断面像t(k+1)に対して装置関数hを2次元的にコンボリューションしたデータh* t(k+1)と、オリジナルの断面像toと、断面像t(k+1)から、
Figure 2013190333
によりぼけを取り除いたk+1回目の繰り返し計算における断面像t’(k+1)を求める。(S208)
8.6.で得られた断面像t’(k+1)に対して束縛条件2を加える。(S209)
9.7.で得られた断面像t’(k+1)を新たにt(k)とする。(S210)
この手順では、デコンボリューション処理を2次元で行う必要があるが、最終的に必要な断面像に対して直接的に作用するために、その効果をより確認しやすいという特徴がある。
本発明によれば、デコンボリューション処理と断面像を再構成とを繰り返し計算により行うことで、束縛条件の最適化が容易になり、より精度が高く空間分解能が高い断面像を再生することが可能となる。
サイノグラムにデコンボリューション処理を行う本発明のフローを示す図である。 断面像にデコンボリューション処理を行う本発明のフローを示す図である。 本発明の実施例1によるX線撮像装置の構成を示す図である。 実施例1の変形構成を示す図である。 実施例1において、設定画面および繰り返しの計算回数と誤差の一例を示す図である。 本発明の実施例2によるX線撮像装置の構成を示す図である。 本発明の実施例3によるX線撮像装置の構成を示す図である。 実施例3の変形構成を示す図である。 実施例3において、検出した蛍光X線のエネルギーと元素の対応例、および元素マップを示す図である。 本発明実施例4によるX線撮像装置の構成を示す図である。 実施例4におけるX線干渉計位置決め機構の構成を示す図である。 実施例4における位相シフタの設置場所を示す図である。 実施例4における分離型X線干渉計の構成を示す図である。 X線CTの原理を示す図である。 逆投影の原理を示す図である。 画像検出器による、像のぼけが発生する原理を示す図である。 従来法の処理手順を示す図である。 デコンボリューション処理における、疑似ピークや急激な値の変化を模式的に示す図である。 図18によって生じた断面像のアーチファクトを模式的に表す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。以下に示す図において、同じ機能を有する部分には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図3は、本発明で使用するX線撮像装置の一例の構成図である。同図に示すように本X線撮像装置は、X線源1、被写体ホルダー2、被写体回転位置決め機構3、画像検出器4、制御部5、演算処理部6、および表示部7から構成される。
X線源1から放射されたX線8は、被写体ホルダー2で保持され、被写体回転位置決め機構3によって位置決めされた被写体9に照射される。被写体を透過したX線10は、X線検出器4で検出される。制御部5では、被写体回転位置決め機構3を制御して、被写体9をX線8に対して回転させ、各角度における投影像をX線検出器4で取得する。そして、演算処理部6において、取得した投影像についてデコンボリューション処理および再構成像の計算を行い、被写体の断面像や、三次元像を表示部7で表示する。
本装置において被写体の測定は、以下の手順により行う。
1.被写体回転位置決め機構3により被写体9をX線8の光路から待避させた状態で、背景となる投影像を撮影する。
2.被写体回転位置決め機構3により、被写体9を光路に設置し、投影像を撮像する。
3.被写体回転位置決め機構3により、被写体9をX線8に対して回転させる。
4.2.から3.の手順を回転角度が180度、あるいは360度になるまで繰り返す。また、この間に、適当な間隔で被写体を光路から待避させ、背景となる投影像の撮影を複数回行う。
なお、3.の手順において、図4に示すように、被写体ではなく、X線源1およびX線検出器4を回転機構11に取り付けて同時に回転させて投影する角度を変更してもよい。この場合、被写体9は回転しないために、遠心力による被写体の変形を抑えることができ、より高速な撮像を行うことが可能になる。
上記の測定によって得られた各角度における投影像について、デコンボリューション処理および再構成像の計算を以下の手順により行い、被写体9の断面像及び三次元像を求める。
1.各角度で取得した投影像Itについて、背景投影像で除算し、規格化した投影像It’を求める。なお、この計算に使用する背景像として、計算対象とする投影像の前後で取得した背景像の補間から求める。すなわち、計算対象とする投影像It(θ,x,y)(投影角度θ)、角度θより浅い角度の背景投影像IBK1(x,y)(投影角度θ1)、深い角度の背景投影像IBK2(x,y) (投影角度θ2)としたとき、
Figure 2013190333
より求める。
2.1.で得られた規格化した投影像It’から計算の対象とするラインの強度分布データを抽出し、オリジナルとなるサイノグラムsoを作成する。また、デコンボリューション処理および再構成計算における繰り返し計算の加速係数であるα1およびα2の値を入力する。
3.soを逆投影してオリジナルとなる断面像toを計算する。
4.繰り返しを示す変数kを0に設定し、サイノグラムs(0)の初期値として、オリジナルのサイノグラムsoを、断面像t(0)の初期値としてtoを設定する。
5.k回目の繰り返し計算におけるサイノグラムs(k)に対して装置関数hをコンボリューションしたデータh* s(k)と、オリジナルのサイノグラムsoと、k回目の繰り返し計算におけるサイノグラムs(k)から、前述の(数16)によりk+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラムs(k+1)を求める。
6.5.で得られたk回目のサイノグラムとk+1回目のサイノグラムとの差eを(数17)により計算する。
7.6.で計算した差eがあらかじめ設定した値より大きければ、5.〜11.の手順を繰り返し行い、小さければt(k) を最終的に得られた断面像として計算を打ち切る。
8.5.で得られたサイノグラムs(k+1)に対して束縛条件1を加える。
9.8.で得られたサイノグラムs’(k+1)、k回目の繰り返し計算における断面像t(k) を用いて、k+1回目の繰り返し計算における断面像t(k+1)を(数18)から求める。
10.9.で得られた断面像t(k+1)に対して束縛条件2を加える。
11.10.で得られた断面像t’(k+1)について投影を計算し、サイノグラムを求め、新たにs(k)とする。
最後に上記処理手順によって得られた被写体の断面像や、三次元像を表示部7で表示する。
なお、計算の過程で得られるトモグラムを表示部7で図5(a)の例のように逐次表示してもよい。この場合、束縛条件によって生じたアーチファクトをその場で確認することができる。そして、上記繰り返し計算の8.の束縛条件1を随時変更できるようにしておけば、その場で束縛条件の最適化を行い、高精度なトモグラムを得ることができる。また、同時に10.の束縛条件2も変更できるようにしておけば、8.の条件との最適な組み合わせもその場で検討することが可能になり、より高精度なトモグラムを得ることができる。なお、8.の束縛条件1として、先験的な情報を導入する方法として既知の情報を用いてもよいし、ペナルティー関数を導入する方法として最大エントロピー法や、2次微分最小法などを用いてもよい。
加速度係数α1およびα2の値は、通常は1程度を用いるとよい。また、断面像が発散しないような場合は、計算の過程を表示部7でモニターしながら徐々に大きくするとよく、この場合は少ない計算回数で収束解を得ることができる。
上記の計算手順では、デコンボリューション処理の後に再構成計算を行っているが、この順番を入れ替えて、図2に示したような手順で断面像を計算した後に、断面像に関してデコンボリューションを行ってもよい。この場合、デコンボリューション処理は2次元になり、より多くの計算時間を要するが、最終的な出力である断面像に処理を施すために、より最らしい断面像が得られるように束縛条件を最適化することができる。
上記の計算は、繰り返し計算となるために、非常に大きな計算量になる。図5(b)に示すように収束解を得るためには通常は1000回以上の繰り返し計算が必要である。このため、GPGPU(General-purpose computing on graphics processing units)を用いて上記繰り返し計算を行うとよい。GPUは数100以上の演算ユニットから構成されており、各ユニットが単純な計算に対してはCPUと同程度の計算能力を持つので、上記の計算を並列化してGPUで計算を行うことにより、計算時間を1/100程度に短縮することができる。
上記手順で利用する装置関数は、形状が既知の被写体を測定して得られた投影像から以下の手順によって求めることができる。なお、被写体としては、X線チャートなどを用いるとよい。得られた投影像y、既知の形状をx、求める装置関数をhとしたとき、yはxとhのコンボリューションで与えられることから、上述した手順の類似な処理となり、
1.初期装置関数h(0)として、ガウス関数などを想定し値を設定する。また、繰り返し回数を示す変数kを0に設定する。また、繰り返し計算の加速係数であるaの値を入力する。
2.装置関数h(k)に束縛条件を作用させh’(k)を求める。(規定値より大きい値は規定最大値に、小さい値は規定最小値に置き換えるなど)
3.2.で得られたk回目のh’(k)にxをコンボリューションした像h’(k)*xとyの差eを
Figure 2013190333
により計算し、予め設定した既定値より小さければ、h’(k)を装置関数として計算を終了する。
4.h’(k) に既知の形状xをコンボリューションした像h’(k)*x、オリジナルの投影像y、およびh’(k)からk+1回目の繰り返し計算における装置関数h(k+1)
Figure 2013190333
から計算し、 h(k+1)を新たにh(k)として、手順の2.に戻る。
X線画像検出器としては、入射X線を蛍光板により可視光に変換した後にレンズ系によりCCDやCMOSなどの撮像素子上に集光するものを用いてもよいし、撮像素子に直接X線を入射する背面照射型のものを用いてもよい。前者ではX線照射によって劣化した蛍光板やレンズ系を簡単に取り替えることが可能で、かつX線のエネルギーによって蛍光板を最適化することができる。一方、後者は検出感度が高いために、撮像時間を短縮することができる。測定の条件などによって両者を使い分ければよい。
以上、本実施例によれば、検出器によって生じた画像のぼけを低減した断面像を求めることができる。このため、高い空間分解能で被写体内部を非破壊で観察することできる。
実施例1では、空間分解能が画像検出器の空間分解能に大きく依存し、画像検出器の画素サイズ(一般に数〜数10ミクロン)より向上することはできなかった。本実施例では、画像検出器の代わりに集光したX線を被写体上で走査して画像を取得することで、空間分解能がサブミクロンの撮像装置の実施例を示す。図6は本発明によるX線撮像装置の構成で、実施例1の構成にX線集光素子12と、被写体を高速に走査する被写体走査機構13が加わり、画像検出器4の代わりに強度検出器14を用いる構成になっている。
本実施例において、X線源1から出射されたX線8はX線集光素子12によってビーム径がサブミクロンに集光された集光X線15となり被写体9を走査する。被写体9を透過したX線10は強度検出器14で検出される。制御部5では、被写体走査機構13及び被写体回転位置決め機構3を制御して、集光X線15に対して走査及び回転させ、各角度における投影像を取得する。そして、演算処理部6において、取得した投影像を用いてデコンボリューション処理および再構成像の計算を行い、被写体の断面像や、三次元像を表示部7で表示する。
本実施例において、測定は以下の手順で行う。
1.X線源1から出射したX線の集光状態を調整する。この調整は、集光素子12のX線ビームに対する相対的な位置や角度などをX線集光素子位置調整機構16により適宜変化させ、被写***置における集光X線のビーム径が最小となるようにする。なお、集光状態(ビーム形状)の確認は、鉛やタンタルの刃などで構成されたナイフエッジを被写***置で走査し、得られた透過X線ビームの強度変化などを用いて行えばよい。
2.被写体回転位置決め機構3により、被写体9を光路に設置する。
3.被写体走査機構13を用いて、被写体9を集光X線15に対して走査し、各位置におけるX線強度を強度検出器14で測定する。これにより、被写体9の投影像が得られる。
4.被写体回転位置決め機構3により、被写体9を集光X線15に対して回転させる。
5.3.から4.の手順を回転角度が180度、あるいは360度になるまで繰り返す。
得られた投影像から断面像の再構成計算は実施例1と同様の手順により行う。なお、この際に装置関数として、上記手順1で得られたビーム形状を用いる。また、ビーム形状の雑音が大きい場合は、ガウス関数、ローレンツ関数、フォークト関数などに近似してこれを用いればよい。
被写体走査機構13として、モーター駆動によるステージを用いてもよいが、モーター駆動の場合、移動の立ち上がりと立ち下がりに時間を要し、高速な動作を行うことが難しい。このため、被写体9が小さく走査範囲が狭い場合は圧電素子を採用したステージを用いてもよい。圧電素子はモーターよりも高速な駆動が可能なために測定時間を短縮することができる。一方、搭載できる重量が限られているために、上部に回転ステージを搭載することができない。このため、被写***置決め機構の上部に設置することが必須である。この場合、回転角度毎に走査の方向や範囲が異なることになるので、制御部5で角度毎に逐次計算し、その結果に基づいて駆動させる。
X線の集光素子12として、回折を利用したフレネルゾーンプレート(FZP)や、X線の全反射を利用したミラーなどを用いることができる。FZPは、X線の光路に設置するだけで集光したX線ビームが簡単に得られるので、調整を非常に簡便にすることができる。しかし、X線の利用効率が低いために長い測定時間が必要で、また、使用するX線のエネルギーによって集光位置が変化するために、エネルギーを変更する都度、再調整を行う必要がある。一方、全反射ミラーは、一般には複数枚の球面或いは楕円面ミラーで構成されているため、複雑な角度及び位置調整が必要であるが、集光位置がX線のエネルギーに依存せず、また、X線の利用効率が高いために測定時間を短縮できるという特徴がある。したがって、X線エネルギーの変更頻度やエネルギースキャンの有無、及び測定時間との兼ね合いから、適した集光素子を選択すればよい。
以上、本実施例によれば、計算により集光X線ビームの広がりの影響を低減した断面像を求めることができる。このため、高い空間分解能で被写体内部を非破壊で観察することできる。
実施例2では、被写体を透過した集光X線ビームの強度変化だけを検出しているために、被写体の密度分布像しか取得することができなかった。ここでは、密度分布像に加えて、高分解能な元素分布像も同時に取得可能な実施例を示す。図7は本発明によるX線撮像装置の構成を示す図で、実施例2に加えて、被写体から放出された散乱及び蛍光X線17を検出するエネルギー分解能を有した第2X線検出器18を加えた構成となっている。本実施例において、集光X線15が照射される被写体9の領域は極小さく、散乱X線や蛍光X線も照射された領域から放出される。このために、放出されたX線の強度やエネルギーを同時に検出及び分析することによって、X線が照射されている小さな領域の元素情報などを同時に取得することができる。
第2X線検出器18として液体窒素冷却のGe半導体検出器(Solid State Detector, SSD)、或いはシリコンドリフト検出器(SDD)などを用いる。SSDの検出効率はそれほど高くないが、エネルギー分解能が高く、かつ高エネルギーのX線に対しても感度が高いという特徴があるので、利用するX線のエネルギーが比較的高い場合に利用する。また、SDDは検出効率が高く、かつ冷却がペルテェ素子で行えるために取り扱いが安易という特徴がある。このため、比較的エネルギーの低い蛍光X線を検出する場合に利用する。また、これら半導体型の検出器でより高い検出効率が必要な場合は、半導体検出素子が複数の多素子型の検出器を用いればよい。
被写体に重元素等が含まれたり、検出対象となる散乱及び蛍光X線のエネルギーが低い場合、被写体によって散乱及び蛍光X線が吸収されてしまい、疑似像(アーチファクト)が発生する場合がある。このため、第3X線検出器19を設け、図8に示すように被写体の吸収がより少ないと考えられるX線の入射方向か、或いは吸収が等方的と考えられる被写体上部に設置するとよい。
測定は実施例2と同様に、集光素子12の調整を行った後に被写体9を設置し、被写体走査機構13を用いて照射位置を走査しながら、強度検出器14、及び第2X線検出器18でそれぞれのX線強度を検出するという手順で、ある角度における投影像と元素分布像(元素マップ)を取得する。そして、被写体回転位置決め機構3を用いて被写体9に対して集光X線15を回転させながらこの手順を繰り返し、CTに必要なすべての角度における投影データを取得する。なお、元素分布像は、各照射位置において第2X線検出器18で得られた各エネルギーのX線強度(スペクトル)と各元素固有の蛍光X線エネルギーを対応して求めた各元素の濃度をコントラストとして算出する(図9)。
得られた投影像から高精細な断面像の計算は実施例1と同様の手順により行う。なお、この際に装置関数として、得られたビーム形状を用いてもよし、ビーム形状の雑音が大きい場合には、ガウス関数、ローレンツ関数、フォークト関数などに近似してこれを用いてもよい。また、同様の計算方法により得られた元素マップから、被写体に含まれる元素の空間的な分布を示す断面像を算出することができる。算出された像は、操作者の指示等により、単独に或いは密度分布像や他の元素分布像と合成して表示部7で表示する。
以上、本実施例によれば、集光したX線ビームの屈折角を高い角度分解能で検出することができ、かつ同時に被写体から放出された散乱及び蛍光X線も同時に測定することができる。このため、高い空間分解能、かつ高い密度分解能で被写体内部の密度分布及び元素分布を非破壊で観察することできる。
実施例1から3では、被写体を透過したX線の強度を検出しているために、X線の吸収が小さい軽元素で構成された生体軟部組織や有機材料を観察することは難しかった。本実施例では強度変化の代わりに、被写体によって生じた位相の変化(位相シフト)を検出し、画像化する実施例を示す。硬X線領域において、位相の変化を与える散乱断面積は、強度変化を与える断面積に比べて1000倍程度大きいという特徴がある。このため、本実施例ではより高い感度で被写体の観察を行うことができる。
図10は本実施例における装置の構成を示す図で、実施例1の図にX線干渉計20が加わった構成となっている。X線源1から放射されたX線8はX線干渉計20を構成する1枚目の歯21で2つのビームに分割され、2枚目の歯22で反射により向きを変え、3枚目の歯23で再び重ね合わされて2本の干渉X線ビーム24を形成する。被写体9は被写体回転位置決め機構3を用いて、X線干渉計内の分割された一方のビーム経路25に設置する。その結果、被写体9によって生じた位相の変化は、X線の重ね合わせにより、X線干渉ビーム24の強度変化となって現れる。したがって、画像検出器4で検出した干渉ビーム像の強度変化から位相シフトの空間分布像(位相マップ)を得ることができる。
本実施例において、CTデータの取得及び断面像の検出は実施例1と同様の手順により行う。ただし、装置関数は、画像検出器によるぼけに、X線干渉計の3枚目の歯23で生じるぼけを加えた形になる。回折条件を満たしながらX線が干渉計の歯に入射すると、歯の中でX線は扇状に広がる。この広がりはボルマンファンと呼ばれるもので、その最大広がりxはブラッグ角度をθB、歯の厚さをtとしたとき、近似的に
Figure 2013190333
で与えられる。したがって、本実施例における装置関数hは、画像検出器のぼけと上記ボルマンファンとのコンボリューションとなり、この関数を用いて、実施例1と同様の計算手順により、高精細な断面像を求める。
X線干渉計の各歯におけるX線ビームの分割、反射、結合にはラウエケースのX線回折を用いる。このため、各歯は単結晶であることが必要で、かつ、安定して干渉させるためには各歯の相対的な位置がX線の波長オーダーで安定している必要がある。このため、X線干渉計20はシリコンインゴットなどから一体で切り出した一体型X線干渉計を用いるとよい。X線干渉計に対するX線の入射角が数角度秒でも異なると、形成されるX線の干渉縞が変化してしまい、位相の変化を正確に求めることができなくなってしまう。このため、図11に示すように、X線干渉計20を搭載し位置決めを行うX線干渉計位置決め機構には、1/100角度秒以上の位置決め精度および安定性を持った回転ステージ27と、X線の入射位置を調整するX,Zステージ28と、チルト角を調整するチルトステージ29から構成されたものを用いる。
1枚の干渉ビーム像からは、位相の変化を定量的に検出することができない。このため、図12に示すように、被写体を設置した光路とは異なる光路26(参照波)に、位相シフタ30を設置し、位相シフタ調整機構31で位相を走査しながら測定した複数の干渉像から位相を定量的に求める。位相を定間隔でn枚変化させたとき、各位相kで得られた位相像Ikを用いて位相シフトφは
Figure 2013190333
から求める。位相をシフトする方法として、位相シフタ30をくさび型のアクリル等とし、位相シフタ調整機構31で上下に移動させてもよいし、平板アクリルとし、位相シフタ調整機構31で回転させてもよい。
一体型X線干渉計では、観察視野が母材となるインゴットの大きさで制限され、高々数cmであり、大きな観察視野を確保することができない。また、被写体と歯の間隔が狭く、被写体と歯の温度が異なると、歯の格子面が変動して干渉縞がドリフトしてしまうという問題がある。このため、一体型干渉計の代わりに図13に示すような干渉計を複数の結晶ブロックに分割した干渉計(分離型干渉計)を用いてもよい。この干渉計では、観察視野を一体型に比べて2倍以上大きな視野を確保できることに加えて、被写体と歯を離すことができるので、温度差によるドリフトを低減できるというメリットがある。しかし、安定した干渉を実現するためには分離した結晶ブロック間をサブnradで安定に位置決めする必要がある。このため、干渉計を搭載するステージには、一体型干渉計ステージの軸に加えて、ブロック間の角度を調整する位置決め精度の高いステージ32を新たに設ける。nradの位置決めを実現するために、このステージの駆動機構33には圧電素子などを用いればよい。また、長時間にわたるドリフトを抑制するために、干渉ビーム像に現れている縞の位置を常時監視し、位置の変動を打ち消すように圧電素子の電圧を制御するフィードバック機構などを設ければよい。
以上、本実施例によれば、被写体によって生じた位相の変化をコントラストとする断面像を得ることができる。このため、高い密度分解能で被写体内部を非破壊で観察することできる。
1 X線源
2 被写体ホルダー
3 被写体回転位置決め機構
4 X線検出器
5 制御部
6 演算処理部
7 表示部
8 X線
9 被写体
10 透過したX線
11 回転機構
12 X線集光素子
13 被写体走査機構
14 強度検出器
15 集光X線
16 X線集光素子位置調整機構
17 蛍光X線
18 第2X線検出器
19 第3X線検出器
20 X線干渉計
21 1枚目の歯
22 2枚目の歯
23 3枚目の歯
24 干渉X線ビーム
25 ビーム経路
26 光路
27 回転ステージ
28 X,Zステージ
29 チルトステージ
30 位相シフタ
31 位相シフタ調整機構
32 ステージ
33 駆動機構

Claims (16)

  1. X線源と、該X線源から発生したX線を被写体に照射する照射機構と、前記X線源または前記被写体を相対的に回転させる回転機構と、回転の各角度において前記被写体を透過したX線の空間的な強度分布を表す投影像を取得する検出器と、該検出器で得られた各角度の投影像から被写体の断面像を算出して表示する演算表示部とを有し、
    前記演算表示部は、断面像の再構成とデコンボリューション処理とを繰り返し計算により行い断面像を求めて表示するX線撮像装置。
  2. 請求項1に記載のX線撮像装置において、
    前記演算表示部は、k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像と、当該k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像に前記検出器の装置関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像から、k+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラム像を求め、さらに、このサイノグラム像を逆投影した像と、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算における断面像を求めることにより被写体の断面像を得ることを特徴とするX線撮像装置。
  3. 請求項1に記載のX線撮像装置において、
    前記演算表示部は、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、当該k回目の繰り返し計算で得られた断面像の投影・逆投影した像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算におけるぼけ処理前の断面像を求め、さらに、このぼけ処理前の断面像に対して前記検出器によって生じたぼけを低減する処理を施した断面像をk+1回目の繰り返し計算における断面像とすることにより被写体の断面像を得ることを特徴とするX線撮像装置。
  4. 請求項3に記載のX線撮像装置において、
    前記検出器によって生じたぼけを低減する処理が、k+1回目の繰り返し計算で得られたぼけ処理前の断面像と、k+1回目の繰り返し計算で得られたぼけ処理前の断面像に前記検出器の装置関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影して求めた断面像を用いて、k+1回目の繰り返し計算におけるぼけを取り除いた断面像を得ることを特徴とするX線撮像装置。
  5. 請求項2〜4の何れか一つに記載のX線撮像装置において、
    前記演算表示部は、k+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラム像または断面像を計算する過程に束縛条件を付加することを特徴とするX線撮像装置。
  6. 請求項1記載のX線撮像装置において、
    前記演算処理部におけるデコンボリューション処理と断面像の再構成を周波数空間で行うことを特徴とするX線撮像装置
  7. X線源と、該X線源から発生したX線を集光する集光光学系と、集光したX線を被写体上で走査する走査機構と、集光したX線に対して被写体を回転させる回転機構と、被写体を透過したX線の強度を検出する検出器と、該検出器で得られた各角度および各位置におけるX線の強度から被写体の断面像を算出して表示する演算表示部とを有し、
    前記演算表示部は、断面像の再構成とデコンボリューション処理とを繰り返し計算により行い、前記集光したX線のサイズが有限であることによって生じた像のぼけを低減した断面像を求めて表示するX線撮像装置。
  8. 請求項7に記載のX線撮像装置において、
    前記演算表示部は、k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像と、当該k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像に前記集光ビームの広がりを表す関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像から、k+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラム像を求め、さらに、このサイノグラム像を逆投影した像と、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算における断面像を求めることにより被写体の断面像を得ることを特徴とするX線撮像装置。
  9. 請求項7に記載のX線撮像装置において、
    前記演算表示部は、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、当該k回目の繰り返し計算で得られた断面像の投影・逆投影した像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算におけるぼけ処理前の断面像を求め、さらに、k+1回目の繰り返し計算で得られたぼけ処理前の断面像と、k+1回目の繰り返し計算で得られたぼけ処理前の断面像に前記集光ビームの広がりを表す関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影して求めた断面像を用いて、k+1回目の繰り返し計算におけるぼけを取り除いた断面像を得ることを特徴とするX線撮像装置。
  10. X線源と、該X線源から発生したX線を集光する集光光学系と、集光したX線を被写体上で走査する走査機構と、集光したX線に対して被写体を回転させる回転機構と、被写体から発生した蛍光X線の強度を検出する検出器と、該検出器で得られた各角度および各位置における蛍光X線のエネルギーと強度から被写体の元素の濃度をコントラストとする断面像を算出して表示する演算表示部とを有し、
    前記演算表示部は、断面像の再構成とデコンボリューション処理とを繰り返し計算により行い、前記集光したX線のサイズが有限であることによって生じた像のぼけを低減した断面像を求めて表示するX線撮像装置。
  11. 請求項10記載のX線撮像装置において、
    前記演算表示部は、k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像と、当該k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像に前記集光ビームの広がりを表す関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像から、k+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラム像を求め、さらに、このサイノグラム像を逆投影した像と、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算における断面像を求めることにより被写体の断面像を得ることを特徴とするX線撮像装置。
  12. X線源と、該X線源から発生したX線を分割・反射・結合する光学素子から構成されたX線干渉計と、該X線干渉計の分割された一方の光路に被写体を設置して位置決めと回転を行う回転位置決め機構と、前記X線干渉計から出射した干渉X線像を検出する検出器と、該検出器で得られた各角度におけるX線干渉像から被写体によって生じた位相シフトをコントラストとする被写体の断面像を算出して表示する演算表示部とを有し、
    前記演算表示部は、断面像の再構成とデコンボリューション処理とを繰り返し計算により行い、前記X線干渉計の結合素子および検出器によって生じた像のぼけを低減した断面像を求めて表示するX線撮像装置。
  13. 請求項12記載のX線撮像装置において、
    前記演算表示部は、k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像と、当該k回目の繰り返し計算で得られたサイノグラム像に前記X線干渉計の結合素子および検出器によって生じた像のぼけを表す関数を畳み込み積分した像と、測定で得られたサイノグラム像から、k+1回目の繰り返し計算におけるサイノグラム像を求め、さらに、このサイノグラム像を逆投影した像と、k回目の繰り返し計算で得られた断面像と、測定で得られたサイノグラム像を逆投影した像から、k+1回目の繰り返し計算における断面像を求めることにより被写体の断面像を得ることを特徴とするX線撮像装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載のX線撮像装置において、
    前記X線干渉計の光路に位相シフタを設置し、該位相シフタを走査して得られた複数のX線干渉像から被写体によって生じた位相シフトを求めることを特徴とするX線撮像装置。
  15. 請求項12〜14の何れか一つに記載のX線撮像装置において、
    前記X線干渉計が、分割した複数の光学素子で構成されていることを特徴とするX線撮像装置。
  16. X線源と被写体とを相対的に回転させてX線源から発生したX線を被写体に照射し、回転の各角度において検出器で取得した被写体の透過X線像から、演算によって被写体の断面像を非破壊で求めるX線撮像方法であって、
    断面像の再構成とデコンボリューション処理とを繰り返し計算により行い、像のぼけを低減した断面像を求めるX線撮像方法。
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