JP2013187376A - 半導体装置用接着フィルム、半導体装置の製造方法及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】反りが大きい半導体チップを被着体に接合する場合でも、フィルムのはみ出し(ブリード)状態を良好に維持することが可能な半導体装置用接着フィルムを提供する。
【解決手段】回路保護層の厚みが、回路保護層を含む半導体ウェハ60全体の厚みに対して、10〜50%である半導体ウェハ60を接着するための半導体装置用接着フィルム40であって、厚みが3〜30μmであり、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有し、混合物は、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有する、半導体装置用接着フィルム40。
【選択図】図4
【解決手段】回路保護層の厚みが、回路保護層を含む半導体ウェハ60全体の厚みに対して、10〜50%である半導体ウェハ60を接着するための半導体装置用接着フィルム40であって、厚みが3〜30μmであり、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有し、混合物は、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有する、半導体装置用接着フィルム40。
【選択図】図4
Description
本発明は、半導体装置用接着フィルム、半導体装置の製造方法及びそれを用いた半導体装置に関する。
従来、半導体チップと半導体チップ搭載用支持部材の接合には、銀ペーストが主に使用されていた。ところが、近年の半導体チップの小型化及び高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化、細密化が要求されるようになってきた。さらに、携帯機器等の小型化、高密度化の要求に伴って、内部に複数の半導体チップを積層した半導体装置が開発、量産されており、上記銀ペーストでは、はみ出しや半導体チップの傾きに起因するワイヤボンディング時における不具合の発生、接着層の膜厚の制御困難性、および接着層のボイド発生などにより上記要求に対処しきれなくなってきている。そのため、近年、フィルム状の接着剤(接着フィルム)が使用されるようになってきている。
接着フィルムは下記(1)又は(2)のいずれかの方法において用いられる。特に、近年は半導体装置作製工程の簡略化を目的とし、(2)の方法において主に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
(1)接着フィルムを任意のサイズに切り出して配線付基材、または半導体チップ上に貼り付け、半導体チップを熱圧着する。
(2)接着フィルムを半導体ウェハ全体に貼り付けた後に回転刃にて個片化し、接着フィルム付きの半導体チップを得て、それを配線付基材、半導体チップに熱圧着する。
(1)接着フィルムを任意のサイズに切り出して配線付基材、または半導体チップ上に貼り付け、半導体チップを熱圧着する。
(2)接着フィルムを半導体ウェハ全体に貼り付けた後に回転刃にて個片化し、接着フィルム付きの半導体チップを得て、それを配線付基材、半導体チップに熱圧着する。
ところで、近年では半導体チップの薄肉化が進行し、仕上げ厚み50μm以下の半導体チップが使用されるようになってきている。このような薄い半導体チップは、表面に形成された回路保護層(バッファーコート層)起因で半導体チップの反りが増大する傾向にある。一方、このような半導体チップを多段積層する半導体装置においては、配線付き基板の表面段差を圧着工程で充填することが可能な、流動性の高い接着フィルムが用いられるようになってきている。そのため、反りが大きい半導体チップと、流動性が高い接着フィルムとを組み合わせて使用する場合があり、圧着工程、またはフィルムの硬化工程においてフィルムのはみ出し(ブリード)状態に不具合が発生するようになってきた。
具体的には、本来半導体チップ端部より接着フィルムがはみ出す状態が正常であるのに対し、半導体チップが下に凸(スマイル方向)に反っているため、圧着ではみ出した部分がチップ端部より内側まで引けてしまい、窪んだ形状になってしまう。ところが、この状態で封止樹脂を封入すると、窪みに空気を閉じ込めることになり、半導体装置の信頼性が低下してしまったり、窪んだ部分に封止樹脂が侵入しチップ表面へダメージを及ぼしてしまったりすることが分かった。
本発明は、上記した従来技術の問題に鑑み、反りが大きい半導体チップを被着体に接合する場合でも、フィルムのはみ出し(ブリード)状態を良好に維持することが可能な半導体装置用接着フィルム、半導体装置の製造方法、及びそれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、回路保護層の厚みが、回路保護層を含む半導体ウェハ全体の厚みに対して、10〜50%である半導体ウェハを接着するための半導体装置用接着フィルムであって、厚みが3〜30μmであり、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有し、混合物は、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有する、半導体装置用接着フィルムを提供する。
このような接着フィルムであれば、反りが大きい半導体チップを被着体に接合する場合でも、フィルムのはみ出し(ブリード)状態を良好に維持することが可能である。すなわち、回路保護層の厚みが、回路保護層を含む半導体ウェハ全体の厚みに対して、10〜50%であるような半導体ウェハを用いた場合でも、圧着工程、またはフィルムの硬化工程において、半導体チップ端部より接着フィルムがはみ出す正常な状態を維持することが可能である。
なお、本発明において、100〜200℃の範囲の発熱ピークのうちの最大ピーク値Aと、200〜250℃の範囲の発熱ピークのうちの最大ピーク値Bとの比A/Bが0.75以上であることが好ましい。これによりフィルムのはみ出し(ブリード)状態をより好適に維持することができる。
また、本発明は、上記半導体装置用接着フィルムに貼り付けられた半導体ウェハを切断し、接着フィルム付き半導体チップを得る工程と、接着フィルム付き半導体チップと配線付き基板又は他の半導体チップとを、接着フィルム付き半導体チップの接着フィルムを介して、60〜120℃の熱板上で加熱圧着して圧着体を得る工程と、圧着体を加熱し、接着フィルムを硬化させる工程と、を備える、半導体装置の製造方法を提供する。
このような製造方法であれば、半導体チップの接着用に本発明の半導体装置用接着フィルムを用いているため、反りが大きい半導体チップを多段積層するような場合においても、フィルムのはみ出し(ブリード)状態を良好に維持しながら、半導体装置を製造することが可能である。
なお、上記製造方法において、接着フィルムを硬化させる工程が、室温(25℃)から80〜120℃に、15〜60分かけて昇温する工程と、80〜120℃の範囲に30分以上にわたって温度を保持する工程と、150〜180℃の範囲に10分以上にわたって温度を保持する工程と、をこの順序で備えることが好ましい。これによりフィルムのはみ出し(ブリード)状態をより好適に維持することができる。
さらに、本発明は、上記半導体装置の製造方法により製造された半導体装置を提供する。この半導体装置は、上記本発明の半導体装置用接着フィルムを用いた半導体装置の製造方法により製造されるものであるため、フィルムのはみ出し(ブリード)状態が良好に維持され、窪み等の形状不具合が抑制されている。
本発明によれば、反りが大きい半導体チップを被着体に接合する場合でも、フィルムのはみ出し(ブリード)状態を良好に維持することが可能であり、フィルムの窪み等の形状不具合を抑制することができる半導体装置用接着フィルム、半導体装置の製造方法、及びそれを用いた半導体装置を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について必要により図面を参照して詳細に説明する。図中、同一又は同等の構成要素については同一符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
[半導体装置用接着フィルム]
本実施形態の半導体装置用接着フィルムは、回路保護層の厚みが、回路保護層を含む半導体ウェハ全体の厚みに対して、10〜50%である半導体ウェハを接着するための半導体装置用接着フィルムであって、厚みが3〜30μmであり、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有し、混合物は、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有する。
本実施形態の半導体装置用接着フィルムは、回路保護層の厚みが、回路保護層を含む半導体ウェハ全体の厚みに対して、10〜50%である半導体ウェハを接着するための半導体装置用接着フィルムであって、厚みが3〜30μmであり、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有し、混合物は、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有する。
図1は、半導体ウェハ60の模式断面図である。半導体ウェハ60は回路保護層(バッファーコート層)61及び回路層62を備えており、回路保護層61及び回路層62を含む半導体ウェハ60全体の厚みに対して、回路保護層61の厚みは10〜50%である。本実施形態の半導体装置用接着フィルムは、このような半導体ウェハ60を接着する際に好適に用いることができる。なお、回路保護層61の厚みは、好ましくは1〜15μmであり、より好ましくは3〜10μmであり、さらに好ましくは4〜7μmである。1μm未満では回路保護の機能が乏しく、一方15μmより厚いとウェハ反り、コスト等の増大に繋がり、好ましくない。このことから、本実施形態の半導体装置用接着フィルムをより好適に用いるためには、回路保護層61の厚みが、回路保護層61を含む半導体ウェハ60全体の厚みに対して、好ましくは10〜30%であり、より好ましくは10〜20%である半導体ウェハを用いるとよい。
半導体装置用接着フィルムは、構成成分として、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有するが、これに加え、ベース樹脂及びフィラーを含有してもよい。
エポキシ樹脂は、2個以上のエポキシ基を有する化合物が好ましい。エポキシ樹脂としては、硬化性や硬化物特性の点から、フェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂が好ましい。フェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールF又はハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル及びビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテルが挙げられる。これらの中でも、ノボラック型エポキシ樹脂(クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル及びフェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル等)は、硬化物の架橋密度が高く、フィルム加熱時の接着強度を高くすることができる点で好ましい。これらは1種単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、フェノール系化合物、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類及び第3級アミンが挙げられる。これらの中でもフェノール系化合物が好ましく、その中でも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物が特に好ましい。より具体的には、ナフトールノボラック樹脂及びトリスフェノールノボラック樹脂が好ましい。これらのフェノール系化合物をエポキシ樹脂硬化剤として用いると、パッケージ組み立てのための加熱の際のチップ表面及び装置の汚染や、臭気の原因となるアウトガスの発生を有効に低減できる。
エポキシ樹脂硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール類やホスフィン系化合物が挙げられる。これらの中でも、イミダゾールやTPPK(テトラフェニルホスフォニウムテトラフェニルボレート)が好ましく用いられる。
ベース樹脂は、エポキシ樹脂との相溶性に優れていれば特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリウレタン及びアクリルゴムが好ましく用いられる。
フィラーは、他の成分に悪影響を及ぼさなければ特に限定はされないが、無機フィラーであることが好ましい。より具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ホウ素、結晶性シリカ、非晶性シリカ及びアンチモン酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機材料を含む無機フィラーが好ましい。これらの中でも、熱伝導性向上のためには、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、結晶性シリカ及び非晶性シリカが好ましい。溶融粘度の調整やチクソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミナ、結晶性シリカ及び非晶性シリカが好ましい。また、耐湿性を向上させるためには、アルミナ、シリカ、水酸化アルミニウム及びアンチモン酸化物が好ましい。これらは1種単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
なお、半導体装置用接着フィルムは、上述の各構成成分を含有するワニス(混合物)を調合し、これを剥離処理済のフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム)上に塗布して加熱処理することにより得ることが可能である。このとき、ガラス転移温度の異なる2種類のワニスを重ねて塗工及び乾燥してフィルムを得てもよい。この場合、ワニスを重ねて塗工する際のワニスの上下は特に制約はない。また、ワニス厚みにも特に制約はないが、高タック用ワニスの塗布量を低タック用ワニスの塗布量より少なくすることが好ましい。例えば、総厚20μmの半導体装置用接着フィルムを得る場合、高タック用ワニスの塗布量を1〜8μm程度に、低タック用ワニスの塗布量を19〜12μm程度に設定することが好ましい。これにより、ダイシング時にバリが発生した場合、バリのタック強度が増大し、隣チップ同士の融着や、ピックアップミスといったピックアップ性の低下を十分に抑制することができる。なお、ダイボンディングフィルムとしての使用に際しては、例えば、円形状のフィルムとして用いることができる。
本実施形態において、半導体装置用接着フィルムの厚みは3〜30μmであるが、5〜25μmであることが好ましく、7〜20μmであることがより好ましい。厚みを3μm以上とすることによりダイボンディングフィルムを均一に塗布できることから、被着体との良好な密着性を発現することができ、一方30μm以下とすることにより半導体装置全体の厚みを薄くすることができる。
なお、混合物は、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有するが、接着フィルムの圧着時流動性、硬化時の粘度上昇速度、及び保存安定性という観点から、150〜200℃の範囲及び210〜230℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有することが好ましい。この時、100〜200℃の範囲の発熱ピークのうちの最大ピーク値Aと、200〜250℃の範囲の発熱ピークのうちの最大ピーク値Bとの比、A/Bの値が0.75以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。ピークの比率がこのような範囲であることで、圧着時の流動性と硬化時の引け抑制とを両立し易い傾向にある。なお、A/Bが大き過ぎるとフィルム保存安定性が低下することから、A/Bの値は5.0以下であることが好ましい。
なお、本明細書において「発熱ピーク」及び「最大ピーク値」は、次のようにして測定される値をいう。まず、上述の各構成成分を含有するワニス(混合物)を10mg精秤し、示差走査熱量計(TAINSTRUMENTS製 DSC Q200)を用いて、昇温速度:10℃/min、測定温度:40〜300℃、窒素流量:20mL/minの条件で試料の硬化発熱挙動を調べる。得られた吸熱、発熱ピーク値の最も低い点を基準とし、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲において最も高い値を各温度範囲における最大ピークとする。また、最大ピーク値は、最大ピーク時の発熱量から基準の発熱量を減ずることで求める。
[半導体装置製造用接着シート]
次に、本実施形態の上記半導体装置用接着フィルムの好適な使用例として、半導体装置製造用接着シートについて説明をする。
次に、本実施形態の上記半導体装置用接着フィルムの好適な使用例として、半導体装置製造用接着シートについて説明をする。
図2は、実施形態に係る半導体装置用接着フィルムを備える半導体装置製造用接着シートを模式的に示す平面図であり、図3は、実施形態に係る半導体装置用接着フィルムを備える半導体装置製造用接着シートの、図2のIII−III線に沿った模式断面図である。図4は、実施形態に係る半導体装置の製造方法を模式的に示す工程断面図であり、具体的には、半導体装置製造用接着シートに半導体ウェハ及びリングフレームを貼付けた積層物を示す模式断面図である。
図2に示す半導体装置製造用の半導体装置製造用接着シート1は、長尺の基材フィルム10と、長尺の粘着層(第1の粘着層)20と、粘着層(第2の粘着層)30と、半導体装置用接着フィルム(ダイボンディングフィルム)40とを備える。半導体装置製造用の半導体装置製造用接着シート1上には、図4に示すように、リングフレーム(ダイシングリング)50と、半導体ウェハ60とが配置される。
基材フィルム10としては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム及びアイオノマー樹脂フィルムが用いられる。基材フィルム10の厚さは、例えば、15〜200μm程度が好ましく、20〜150μmがより好ましく、30〜120μmがさらに好ましい。
粘着層20は、基材フィルム10の一方の主面全体を覆うように配置されている。粘着層20の厚さは、例えば5〜50μm程度が好ましい。粘着層20を構成する粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤及びシリコーン系粘着剤が用いられる。
粘着層20は、ピックアップ工程において半導体装置用接着フィルム40から容易に剥離可能な弱粘着性の感圧粘着層である。粘着層20と半導体装置用接着フィルム40との密着力は、0.6N/25mm以下が好ましく、0.5N/25mm以下がより好ましく、0.4N/25mm以下がさらに好ましい。両者の密着力がこの程度であれば、ピックアップ工程において粘着層20及び半導体装置用接着フィルム40間で容易に剥離可能となる傾向がある。一方、粘着層20と半導体装置用接着フィルム40との密着力は、0.01N/25mm以上が好ましく、0.03N/25mm以上がより好ましく、0.05N/25mm以上がさらに好ましい。両者の密着力がこの程度であれば、ダイシング時に半導体装置用接着フィルム40が粘着層20から剥離することを、十分に抑制可能となる傾向がある。粘着層20と半導体装置用接着フィルム40との密着力は、例えば、オリエンテック製「テンシロン引張強度試験機 RTA−100型」又はこれに類似した試験機を用いて垂直方向に200mm/minの速度で剥離(90°剥離)したときの剥離力を測定することで求めることができる。
粘着層30は、基材フィルム10の長手方向に沿って所定の間隔をおいて粘着層20上に複数配置されている。粘着層30は、粘着層20におけるリングフレーム50の貼り付け予定領域に配置されている。
各粘着層30は、例えば、円環状をなしており、各粘着層30の中央部には、断面円形状の開口30aが粘着層30を貫通するように設けられている。粘着層20における開口30aから露出する部分25は、半導体装置用接着フィルム40の貼り付け予定領域となる。粘着層30の開口30aの直径は、半導体装置用接着フィルム40上に貼り付けられることになる半導体ウェハ60のウェハ径よりも大きく、半導体ウェハ60のウェハ径の1.2倍の長さであることが好ましく、1.1倍の長さであることがより好ましい。開口30aの直径と半導体ウェハ60のウェハ径とがこのような関係にあることで、後述する、半導体装置用接着フィルム40と粘着層30との重なり部分上に、半導体ウェハ60が貼り付けられることを確実に防止できる。また、開口30aの直径は、リングフレーム50の開口50aの内径寸法以下であることが好ましく、リングフレーム50の開口50aの内径寸法よりも小さいことがより好ましい。粘着層30の開口30aの直径は、例えば、半導体ウェハ60のウェハ径(直径)が8インチ(約200mm)の場合、210mm〜240mm程度が好ましく、粘着層30の厚さは、例えば、5〜30μm程度が好ましい。
粘着層30を構成する粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤及びシリコーン系粘着剤が用いられる。
粘着層30は、ダイシング工程においてリングフレーム50を確実に保持することが可能な粘着性を有するリングフレーム固定用の強粘着性層である。粘着層30とリングフレーム50との密着力は、粘着層20と粘着層30との密着力よりも小さい。このとき、粘着層30とリングフレーム50との密着力は、0.6N/25mm以上が好ましく、0.8N/25mm以上がより好ましく、1.0N/25mm以上がさらに好ましい。両者の密着力がこの程度であれば、ダイシング工程において粘着層30からリングフレーム50が剥離してしまうことを、十分に抑制可能となる傾向がある。粘着層30とリングフレーム50との密着力は、上記と同様にして求めることができる。
粘着層30の粘着力は、粘着層20の粘着力よりも大きくなるように調整される。すなわち、粘着層20と半導体装置用接着フィルム40との密着力は、粘着層30と半導体装置用接着フィルム40との密着力よりも小さい。なお、粘着層の粘着力を高くするには、粘着層を構成するベースポリマーの分子量を低くする、オリゴマーやモノマーを添加する、タッキーファイアに代表される粘着付与剤を添加する、等の方法を用いることができる。このとき、粘着層を構成する粘着剤として、架橋性のアクリル酸エステル共重合体を用いる場合は、任意の架橋剤の添加量を減じることでタック力を高くすることができる。一方、粘着層の粘着力を低くするには、粘着層を構成するベースポリマーの分子量を高くする、オリゴマーやモノマーを除く、等の方法を用いることができる。このとき、粘着層を構成する粘着剤として、架橋性のアクリル酸エステル共重合体を用いる場合は、任意の架橋剤の添加量を増量することでタック力を低くすることができる。
粘着層20及び粘着層30を構成する粘着剤は、放射線硬化成分を含まないことが好ましい。これにより、さらにダイシング工程前後における放射線照射工程を省略可能であり、安定したピックアップ性確保が可能となる。なお、放射線硬化成分とは、紫外線、電子線、X線、β線、γ線等の放射線により硬化しうる成分のことをいう。
なお、粘着層20の短手方向の両端部には、粘着層30の形状に沿うように粘着層30と離れて粘着層32が配置されている。粘着層32は、粘着層30と同様の粘着剤により構成されている。
半導体装置用接着フィルム40は、開口30aと同心をなすように粘着層30の開口30a内に配置されており、粘着層20における開口30aから露出する部分25の全体を覆っている。また、半導体装置用接着フィルム40の外周部分40aは、開口30aからせり出しており、粘着層30の表面における内周側の縁部に接した状態で粘着層30に重なっている。すなわち、半導体装置用接着フィルム40は、粘着層30に重なっている外周部分40aと、粘着層30に重ならない中央部分40bとを有している。ダイシング工程における半導体装置用接着フィルム40の剥離を十分に抑制する観点から、外周部分40aの全てが半導体装置用接着フィルム40の外周に沿って粘着層30に重なっている。なお、本実施形態では、半導体装置用接着フィルム40の外周部分40aが粘着層30に重なっているが、半導体装置用接着フィルムの外周部分は粘着層に重なっていなくてもよい。
粘着層30と半導体装置用接着フィルム40との重なり範囲(幅)は、0.1〜25mmが好ましく、0.5〜15mmがより好ましく、1.0〜10mmがさらに好ましい。重なり範囲がこのような範囲であれば、ラミネート工程において、半導体装置用接着フィルム40の粘着層20に接している部分(上記中央部分40b)のみを半導体ウェハ60に貼り付け可能であり、かつ、ダイシング工程において半導体装置用接着フィルム40の外周部分40aが粘着層30から剥離する剥離起点となることがさらに抑制されるため、半導体チップが飛散することがさらに抑制される。
粘着層30と半導体装置用接着フィルム40との密着力は、0.8N/25mm以上が好ましく、1.0N/25mm以上がより好ましく、1.2N/25mm以上がさらに好ましい。両者の密着力がこの程度であれば、ダイシング時に半導体装置用接着フィルム40が粘着層30から剥離することを、十分に抑制可能となる傾向がある。粘着層30と半導体装置用接着フィルム40との密着力は、上記と同様にして求めることができる。
リングフレーム50は、通常は金属製又はプラスチック製の成形体である。リングフレーム50は、例えば、略円環状をなしており、リングフレーム50の外周の一部には、ガイド用の平坦切欠部(図示せず)が形成されている。リングフレーム50は、中央部に開口50aを有している。リングフレーム50の開口50aの内径寸法(直径)は、ダイシングされる半導体ウェハ60のウェハ径よりも幾分大きいことは言うまでもなく、粘着層30の開口30aの直径以上となるように調整されている。なお、リングフレーム50の形状は、円環状のものに限定されず、従来用いられている種々の形状(例えば、矩形環状)のものが用いられる。
リングフレーム50は、開口50aが開口30aと同心をなすように粘着層30上に配置されている。リングフレーム50は、半導体装置用接着フィルム40における粘着層30との重なり部分(外周部分40a)に重なることなく配置されている。
半導体ウェハ60は、粘着層30、半導体装置用接着フィルム40の外周部分40a、及び中央部分40bの端部において半導体装置用接着フィルム40がせり上がる部分に重なることなく、半導体装置用接着フィルム40の中央部分40bに配置される。半導体ウェハ60には、所要の前処理を経て回路が形成されている。ダイシング工程において、半導体ウェハ60が回路毎に個片化されて、半導体チップが得られる。
本実施形態における半導体装置製造用接着シート1は、ダイシング加工及びダイボンディング加工に用いられる。半導体装置製造用接着シート1では、当該シートが粘着層20とは別に粘着層30を備えていることにより、粘着層20の粘着力と粘着層30の粘着力とを個別に調整することができる。これにより、ピックアップ工程において半導体装置用接着フィルム40及びダイシングシートの粘着層20の間の剥離が容易となるように粘着層20の粘着力を調整しつつ、ダイシング工程においてリングフレーム50が粘着層30から剥離しないように粘着層30の粘着力を調整することができる。さらに、半導体装置製造用接着シート1では、半導体装置用接着フィルム40の外周部分40aが粘着層30に重なっていることにより、粘着力が調整された粘着層30に外周部分40aが接着することとなる。これにより、ダイシング工程において半導体装置用接着フィルム40の外周部分40aが剥離起点となって半導体装置用接着フィルム40が剥離することが抑制されるため、チップの飛散を抑制することができる。本実施形態の半導体装置製造用接着シート1は、100μm厚以下の極薄半導体ウェハを用いた場合でも、半導体チップの歩留まり向上が可能である。
[半導体装置の製造方法]
次に、本実施形態の半導体装置用接着フィルムを備える半導体装置製造用接着シートを用いた、半導体装置の製造方法について説明する。
次に、本実施形態の半導体装置用接着フィルムを備える半導体装置製造用接着シートを用いた、半導体装置の製造方法について説明する。
本実施形態の半導体装置の製造方法は、半導体装置製造用接着シートに半導体ウェハが積層された積層体を作製する工程と、上記半導体装置用接着フィルムに貼り付けられた半導体ウェハを切断し、接着フィルム付き半導体チップを得る工程と、接着フィルム付き半導体チップと配線付き基板又は他の半導体チップとを、接着フィルム付き半導体チップの接着フィルムを介して、60〜120℃で加熱圧着して圧着体を得る工程と、圧着体を加熱し、接着フィルムを硬化させる工程と、を備えるものである。
図5〜7は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法を模式的に示す工程断面図である。具体的には、図5は、半導体ウェハをダイシングブレードでダイシングする工程を示す模式断面図であり、図6は、個片化した(半導体装置用)接着フィルム付き半導体チップをピックアップする工程を示す模式断面図であり、図7は、ピックアップした接着フィルム付き半導体チップを用いた半導体装置を示す模式断面図である。
(積層体を作製する工程)
半導体装置製造用接着シート1に半導体ウェハ60が積層された積層体は、基材層と上記各成分を含む半導体装置用接着フィルム40とがこの順に積層された接着フィルム、又は、基材フィルム10と粘着層(粘着層20及び粘着層30)と半導体装置用接着フィルム40とがこの順に積層された接着フィルムのいずれを用いても得ることができる。
半導体装置製造用接着シート1に半導体ウェハ60が積層された積層体は、基材層と上記各成分を含む半導体装置用接着フィルム40とがこの順に積層された接着フィルム、又は、基材フィルム10と粘着層(粘着層20及び粘着層30)と半導体装置用接着フィルム40とがこの順に積層された接着フィルムのいずれを用いても得ることができる。
基材層と半導体装置用接着フィルム40とが積層された接着フィルムを用いる場合、例えば、以下の(1)又は(2)に示す方法により、半導体装置製造用接着シート1に半導体ウェハ60が積層された積層体を得ることができる。
(1)まず、接着フィルムである半導体装置用接着フィルム40と、半導体ウェハ60とを貼り合わせる。次に、接着フィルムの基材層をはく離し、基材フィルム10と粘着層(粘着層20及び粘着層30)とが積層されたダイシングテープの粘着層と半導体装置用接着フィルム40とを貼り合わせる。
(2)まず、接着フィルムである半導体装置用接着フィルム40と、基材フィルム10と粘着層(粘着層20及び粘着層30)とが積層されたダイシングテープの粘着層とを貼り合わせる。次に、接着フィルムの基材層をはく離し、半導体装置用接着フィルム40と半導体ウェハ60とを貼り合わせる。
(1)まず、接着フィルムである半導体装置用接着フィルム40と、半導体ウェハ60とを貼り合わせる。次に、接着フィルムの基材層をはく離し、基材フィルム10と粘着層(粘着層20及び粘着層30)とが積層されたダイシングテープの粘着層と半導体装置用接着フィルム40とを貼り合わせる。
(2)まず、接着フィルムである半導体装置用接着フィルム40と、基材フィルム10と粘着層(粘着層20及び粘着層30)とが積層されたダイシングテープの粘着層とを貼り合わせる。次に、接着フィルムの基材層をはく離し、半導体装置用接着フィルム40と半導体ウェハ60とを貼り合わせる。
基材フィルム10と粘着層と半導体装置用接着フィルム40とがこの順に積層された接着フィルムを用いる場合は、接着フィルムの半導体装置用接着フィルム40と半導体ウェハ60とを貼り合わせることにより、半導体装置製造用接着シート1に半導体ウェハ60が積層された積層体を得ることができる。
なお、上記のいずれの方法においても、粘着層と半導体装置用接着フィルム40とは、半導体装置用接着フィルム40の外周部分40aの全てが半導体装置用接着フィルム40の外周に沿って粘着層30に重なるように積層される。
このような方法にて、半導体装置製造用接着シート1に半導体ウェハ60が積層された積層体を得た後に、半導体装置製造用接着シート1の粘着層30上にリングフレーム50が配置される。
(半導体チップを得る工程)
次に、図5に示すように、上記積層体を切断装置(ダイサー)の回転刃70で切断し、半導体装置用接着フィルム45が半導体チップ65に接着してなる所望の大きさの接着フィルム付半導体チップ80を得る。ダイシング工程では、接着フィルムを完全に切断するフルカット工法や、接着フィルムを完全に切断せず一部を残す工法(ハーフカット工法)を用いることも可能である。
次に、図5に示すように、上記積層体を切断装置(ダイサー)の回転刃70で切断し、半導体装置用接着フィルム45が半導体チップ65に接着してなる所望の大きさの接着フィルム付半導体チップ80を得る。ダイシング工程では、接着フィルムを完全に切断するフルカット工法や、接着フィルムを完全に切断せず一部を残す工法(ハーフカット工法)を用いることも可能である。
半導体ウェハ60を切断する際に使用するダイサーや回転刃(ブレード)は、一般に市販されているものを使用することができる。ダイサーとしては、例えば、株式会社ディスコ社製のフルオートマチックダイシングソー6000シリーズやセミオートマチックダイシングソー3000シリーズなどが使用できる。ブレードとしては、例えば、株式会社ディスコ社製のダイシングブレードNBC−ZH05シリーズやNBC−ZHシリーズなどが使用できる。
また、半導体装置製造用接着シート1と半導体ウェハ60との積層物を切断する工程において、例えば、株式会社ディスコ社製のフルオートマチックダイシングソー6000シリーズなどの回転刃だけではなく、株式会社ディスコ社製のフルオートマチックレーザソー7000シリーズ等のレーザを用いることもできる。
ダイシング工程の後、図6に示すように、粘着層20と半導体装置用接着フィルム45との界面で剥離し、接着フィルム付半導体チップ80がピックアップされる。そして、ピックアップされた接着フィルム付半導体チップ80は、図7に示すように、支持基材(配線付き基板)85や他の半導体チップ(図示せず)にマウントされる。
(圧着体を得る工程)
次に、接着フィルム付き半導体チップ80と支持基材85や他の半導体チップとを、接着フィルム付き半導体チップ80の接着フィルム45を介して、60〜120℃で加熱圧着して圧着体を得る。加熱圧着には、例えば、ゴム製、金属製の圧着冶具を用いることができる。なお、加熱温度が60℃以上であれば、被着体との良好な密着性を確保することができ、一方、120℃以下であれば、圧着時のダイボンディング材のブリードアウト過多を抑制することが可能である。このような観点から、本工程における加熱温度は70〜110℃であることが好ましく、80〜100℃であることがより好ましい。なお、製造にかかる時間短縮と被着体との密着性両立の観点から、加熱圧着時間は0.5〜2.0秒であることが好ましい。
次に、接着フィルム付き半導体チップ80と支持基材85や他の半導体チップとを、接着フィルム付き半導体チップ80の接着フィルム45を介して、60〜120℃で加熱圧着して圧着体を得る。加熱圧着には、例えば、ゴム製、金属製の圧着冶具を用いることができる。なお、加熱温度が60℃以上であれば、被着体との良好な密着性を確保することができ、一方、120℃以下であれば、圧着時のダイボンディング材のブリードアウト過多を抑制することが可能である。このような観点から、本工程における加熱温度は70〜110℃であることが好ましく、80〜100℃であることがより好ましい。なお、製造にかかる時間短縮と被着体との密着性両立の観点から、加熱圧着時間は0.5〜2.0秒であることが好ましい。
(接着フィルムを硬化させる工程)
次に、上記の工程により得られた圧着体を加熱し、接着フィルム45を硬化する。なお、本工程は、室温(25℃)から80〜120℃に、15〜60分かけて昇温する工程と、80〜120℃の範囲で30分以上にわたって保温する第一加熱工程と、その後さらに150〜180℃の範囲で10分以上にわたって保温する第二加熱工程と、をこの順序で備えていてもよい。すなわち、室温(25℃)から80〜120℃への昇温後、2段階以上の温度範囲で保温加熱する工程を備えていてもよく、このように多段階で保温加熱することにより、ダイボンディングフィルムの粘度が低下しすぎるのを抑制し良好なブリード状態を保つことが可能である。なお、製造にかかる時間短縮と良好なブリード状態確保の両立の観点から、第一加熱工程における加熱時間は、20〜50分であることが好ましく、30〜45分であることがより好ましい。また、第二加熱工程における加熱時間は、10〜30分であることが好ましく、10〜20分であることがより好ましい。なお、昇温及び保温には、例えば、クリーンオーブンのようなオーブンを用いることができる。
次に、上記の工程により得られた圧着体を加熱し、接着フィルム45を硬化する。なお、本工程は、室温(25℃)から80〜120℃に、15〜60分かけて昇温する工程と、80〜120℃の範囲で30分以上にわたって保温する第一加熱工程と、その後さらに150〜180℃の範囲で10分以上にわたって保温する第二加熱工程と、をこの順序で備えていてもよい。すなわち、室温(25℃)から80〜120℃への昇温後、2段階以上の温度範囲で保温加熱する工程を備えていてもよく、このように多段階で保温加熱することにより、ダイボンディングフィルムの粘度が低下しすぎるのを抑制し良好なブリード状態を保つことが可能である。なお、製造にかかる時間短縮と良好なブリード状態確保の両立の観点から、第一加熱工程における加熱時間は、20〜50分であることが好ましく、30〜45分であることがより好ましい。また、第二加熱工程における加熱時間は、10〜30分であることが好ましく、10〜20分であることがより好ましい。なお、昇温及び保温には、例えば、クリーンオーブンのようなオーブンを用いることができる。
なお、フィルム硬化後、接着フィルム付半導体チップ80の半導体チップ65は、ワイヤ90を介して支持基材85上の外部接続端子(図示せず)と接続される。そして、半導体チップ65を含む積層体を封止樹脂層95によって封止して、図7に示す半導体装置100が得られる。
(半導体装置)
このようにして得られる半導体装置としては、携帯型音楽プレーヤー(MP3プレーヤー)やSDカードに用いられるフラッシュメモリ等が挙げられる。本実施形態の半導体装置用接着フィルムを用いて製造された半導体装置であれば、フィルムのはみ出し(ブリード)状態が良好に維持され、窪み等の形状不具合が抑制されている。これにより、上記のとおり封止樹脂を封入しても、空気が窪みに閉じ込められることはなく、半導体装置の信頼性が低下してしまったり、窪んだ部分に封止樹脂が侵入しチップ表面へダメージを及ぼしてしまったりするといった問題を好適に抑制することができる。
このようにして得られる半導体装置としては、携帯型音楽プレーヤー(MP3プレーヤー)やSDカードに用いられるフラッシュメモリ等が挙げられる。本実施形態の半導体装置用接着フィルムを用いて製造された半導体装置であれば、フィルムのはみ出し(ブリード)状態が良好に維持され、窪み等の形状不具合が抑制されている。これにより、上記のとおり封止樹脂を封入しても、空気が窪みに閉じ込められることはなく、半導体装置の信頼性が低下してしまったり、窪んだ部分に封止樹脂が侵入しチップ表面へダメージを及ぼしてしまったりするといった問題を好適に抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、粘着層30は、円環状であることに限られるものではなく、矩形環状であってもよい。この場合、通常、矩形環状を有するリングフレームが用いられ、矩形状の半導体装置用接着フィルムが用いられる。また、粘着層30は、粘着層20上に複数配置されていることに限られるものではなく、半導体装置100の製造個数に応じて粘着層20上に少なくとも一つ配置されていればよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これらに制限されるものではない。
1.半導体装置用接着フィルムの作製
半導体装置用接着フィルムを作製するための各材料を以下のとおり準備した。
(a)ベース樹脂(熱可塑性成分)
温度計、攪拌機、冷却管及び窒素流入管を装着した300mLフラスコ中に、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック社製ODPA−M)7.6g(0.7mol)、デカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成社製 6.5g(0.3mol))、 1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社製BY16−871EG)5g(0.5mol)及びN−メチル−2−ピロリドン30gを仕込んだ反応液を攪拌し、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱することにより、水と共にN−メチル−2−ピロリドンを50%と共沸除去し、ポリイミド樹脂(ベース樹脂)を得た。得られたポリイミド樹脂のGPCを測定したところ、ポリスチレン換算で、Mw=52800であった。また、得られたポリイミド樹脂のTgは、72℃であった。
(b)エポキシ樹脂
2−[4−(2,3エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン (VG3101L:(株)プリンテック製)
(c)硬化剤
4,4’−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)−フェニル)−エチリデン)−ビスフェノ−ル (TrisP−PA−MF:本州化学工業(株)製)
(d)硬化促進剤
2−フェニル−4−メチルイミダゾ−ル (2P4MZ:四国化成工業(株)製)
TPPK(テトラフェニルホスフォニウムテトラフェニルボレート)
(e)フィラー
シリカ (H26、H27:CIKナノテック(株)製)
(f)その他成分
(f−1)ナジイミド樹脂
4,7−メタノ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン, 2,2’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス[3a,4,7,7a−テトラヒドロ(2−プロペン−1−イル) (BANI−X:丸善石油化学(株)製)
(f−2)アクリレート
alpha−フェニル−omega−アクリロイオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物(R−712:日本化薬製)
(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジン−1,3,5(2H,4H,6H)−トリイル)トリ−2,1−エタンジイルトリアクリラ−ト (A9300:新中村化学工業(株)製)
(f−3)開始剤
1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン (トリゴノックス22−70E:化薬アクゾ(株)製)
(f−4)ビスマレイミド
2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン (BMI−80:ケイ・アイ化成(株)製)
半導体装置用接着フィルムを作製するための各材料を以下のとおり準備した。
(a)ベース樹脂(熱可塑性成分)
温度計、攪拌機、冷却管及び窒素流入管を装着した300mLフラスコ中に、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(マナック社製ODPA−M)7.6g(0.7mol)、デカメチレンビストリメリテート二無水物(黒金化成社製 6.5g(0.3mol))、 1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(東レダウコーニングシリコーン社製BY16−871EG)5g(0.5mol)及びN−メチル−2−ピロリドン30gを仕込んだ反応液を攪拌し、窒素ガスを吹き込みながら180℃で加熱することにより、水と共にN−メチル−2−ピロリドンを50%と共沸除去し、ポリイミド樹脂(ベース樹脂)を得た。得られたポリイミド樹脂のGPCを測定したところ、ポリスチレン換算で、Mw=52800であった。また、得られたポリイミド樹脂のTgは、72℃であった。
(b)エポキシ樹脂
2−[4−(2,3エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−([2,3エポキシプロポキシ]フェニル)]エチル]フェニル]プロパン (VG3101L:(株)プリンテック製)
(c)硬化剤
4,4’−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)−フェニル)−エチリデン)−ビスフェノ−ル (TrisP−PA−MF:本州化学工業(株)製)
(d)硬化促進剤
2−フェニル−4−メチルイミダゾ−ル (2P4MZ:四国化成工業(株)製)
TPPK(テトラフェニルホスフォニウムテトラフェニルボレート)
(e)フィラー
シリカ (H26、H27:CIKナノテック(株)製)
(f)その他成分
(f−1)ナジイミド樹脂
4,7−メタノ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン, 2,2’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ビス[3a,4,7,7a−テトラヒドロ(2−プロペン−1−イル) (BANI−X:丸善石油化学(株)製)
(f−2)アクリレート
alpha−フェニル−omega−アクリロイオキシポリオキシエチレンホルムアルデヒド重縮合物(R−712:日本化薬製)
(2,4,6−トリオキソ−1,3,5−トリアジン−1,3,5(2H,4H,6H)−トリイル)トリ−2,1−エタンジイルトリアクリラ−ト (A9300:新中村化学工業(株)製)
(f−3)開始剤
1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン (トリゴノックス22−70E:化薬アクゾ(株)製)
(f−4)ビスマレイミド
2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン (BMI−80:ケイ・アイ化成(株)製)
(実施例1)
エポキシ樹脂13質量部、硬化促進剤(イミダゾール)2質量部、ナジイミド樹脂15質量部、アクリレート15質量部(R−712及びA9300を半量ずつ使用)、硬化剤5質量部、ビスマレイミド20質量部及び開始剤適量をベース樹脂100質量部に加えた後、フィラーを全質量に対して40質量%となるよう加え、フィルム塗工ワニスを調合した。
エポキシ樹脂13質量部、硬化促進剤(イミダゾール)2質量部、ナジイミド樹脂15質量部、アクリレート15質量部(R−712及びA9300を半量ずつ使用)、硬化剤5質量部、ビスマレイミド20質量部及び開始剤適量をベース樹脂100質量部に加えた後、フィラーを全質量に対して40質量%となるよう加え、フィルム塗工ワニスを調合した。
このフィルム塗工ワニスを、剥離処理済みのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に塗布し、120℃で8分間加熱した。これにより、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ20μmの半導体装置用接着フィルム(ダイボンディングフィルム)を得た。
(実施例2〜6、比較例1〜4)
表1に示す配合割合(質量部)で各成分を添加し、フィルム塗工ワニスを調製した以外は、実施例1と同様に操作して半導体装置用接着フィルムを作製した。
表1に示す配合割合(質量部)で各成分を添加し、フィルム塗工ワニスを調製した以外は、実施例1と同様に操作して半導体装置用接着フィルムを作製した。
なお、各実施例及び比較例のフィルム塗工ワニス(混合物)が有する発熱ピーク及び発熱ピーク値を、示差走査熱量計を用いて測定した。また、そのときの発熱ピークの、100〜200℃の範囲における最大ピーク値をA、及び200〜250℃の範囲における最大ピーク値をBとしたときの、A/Bの値を測定した。測定結果はそれぞれ表2のとおりであった。
2.評価用ウェハの作製
半導体ウェハ表面に、回路保護層として日立化成デュポンマイクロシステムズ社製「HD−8820」を製膜した。まず、直径8インチの半導体ウェハ表面に「HD−8820」含有ワニスを10g滴下し、800rpmで20秒、続いて2500rpmで30秒回転させ、ウェハ表面全体にワニスを塗布した。次に、100℃のホットプレート上で塗布ウェハを30秒処理し、さらに125℃のホットプレート上で30秒処理した。処理済ウェハを250℃のオーブンで30分、320℃のオーブンで30分処理し、厚さ7μmの回路保護層付き半導体ウェハを得た。次に、裏面仕上げをドライポリッシュとし、回路保護層を含めた半導体ウェハを40μmまで研削し、評価用ウェハとした。このとき、回路保護層の厚みは、評価用ウェハ全体の厚みに対して、17.5%であった。
半導体ウェハ表面に、回路保護層として日立化成デュポンマイクロシステムズ社製「HD−8820」を製膜した。まず、直径8インチの半導体ウェハ表面に「HD−8820」含有ワニスを10g滴下し、800rpmで20秒、続いて2500rpmで30秒回転させ、ウェハ表面全体にワニスを塗布した。次に、100℃のホットプレート上で塗布ウェハを30秒処理し、さらに125℃のホットプレート上で30秒処理した。処理済ウェハを250℃のオーブンで30分、320℃のオーブンで30分処理し、厚さ7μmの回路保護層付き半導体ウェハを得た。次に、裏面仕上げをドライポリッシュとし、回路保護層を含めた半導体ウェハを40μmまで研削し、評価用ウェハとした。このとき、回路保護層の厚みは、評価用ウェハ全体の厚みに対して、17.5%であった。
3.接着フィルム付き半導体チップの作製
上記のようにして得られた各半導体装置用接着フィルムと評価用ウェハとを、株式会社JCM社製DM−300−Hを用いて70℃で貼り合わせた。そして、接着フィルムのPETフィルムを剥離し、接着フィルムと基材フィルム及び粘着層が積層されたダイシングテープの粘着層とを貼り合わせ、サンプル(半導体装置製造用接着シート付き半導体ウェハ)を得た。
上記のようにして得られた各半導体装置用接着フィルムと評価用ウェハとを、株式会社JCM社製DM−300−Hを用いて70℃で貼り合わせた。そして、接着フィルムのPETフィルムを剥離し、接着フィルムと基材フィルム及び粘着層が積層されたダイシングテープの粘着層とを貼り合わせ、サンプル(半導体装置製造用接着シート付き半導体ウェハ)を得た。
(ダイシング工程)
次に、株式会社ディスコ社製のフルオートダイサー「DFD−6361」を用いて、各サンプルを切断した。サンプルの切断では、直径250mmの開口を有する円環状のリングフレームを用いた。また、ブレード1枚で加工が完了するシングルカット方式を採用し、株式会社ディスコ社製のダイシングブレード「NBC−ZH104F−SE 27HDBB」をブレードとして用いた。切断条件は、ブレード回転数45,000rpm、切断速度50mm/sにて行った。切断時のブレードハイトは、ダイシング基材を20μm切り込む設定(80μm)とした。半導体ウェハは10×10mmのサイズに切断し、接着フィルム付き半導体チップを得た。
次に、株式会社ディスコ社製のフルオートダイサー「DFD−6361」を用いて、各サンプルを切断した。サンプルの切断では、直径250mmの開口を有する円環状のリングフレームを用いた。また、ブレード1枚で加工が完了するシングルカット方式を採用し、株式会社ディスコ社製のダイシングブレード「NBC−ZH104F−SE 27HDBB」をブレードとして用いた。切断条件は、ブレード回転数45,000rpm、切断速度50mm/sにて行った。切断時のブレードハイトは、ダイシング基材を20μm切り込む設定(80μm)とした。半導体ウェハは10×10mmのサイズに切断し、接着フィルム付き半導体チップを得た。
4.チップ積層体の作製
上記方法で作製した各接着フィルム付き半導体チップを、ルネサス東日本セミコンダクタ社製「フレキシブルダイボンダーDB−730」を使用して4枚積層し、チップ積層体を得た。
上記方法で作製した各接着フィルム付き半導体チップを、ルネサス東日本セミコンダクタ社製「フレキシブルダイボンダーDB−730」を使用して4枚積層し、チップ積層体を得た。
具体的には、ピックアップ用コレットにはマイクロメカニクス社製「RUBBER TIP 13−087E−33(サイズ:10×10mm)」、突上げピンにマイクロメカニクス社製「EJECTOR NEEDLE SEN2−83−05(直径:0.7mm、先端形状:直径350μmの半円)」を用いた。突上げピンは、ピン中心間隔4.2mmで9本配置した。ピックアップ時のピンの突上げ速度:10mm/s、突上げ高さ:1000μmの条件でピックアップした。このようにしてピックアップしたチップを、温度120℃(熱版表面温度)、荷重5N、時間1秒の条件にて、それぞれ300μmずつずらしながら4枚積層し、圧着体を得た。そして、この圧着体を室温(25℃)から100℃に、30分かけて昇温して、その温度で60分保温した後、さらに120℃で60分保温することで、接着フィルムを硬化させ、ブリード状態評価用のチップ積層体を得た。
5.ブリード状態評価
上記のとおり得られた各チップ積層体のブリード状態を評価した。評価には、フィリップス社製「E−SEM」を用いて行ない、加速電圧10kV、倍率200〜1000倍で観察した。半導体チップ端部より接着フィルムがはみ出している状態をA評価:良好、はみ出さずに内側にへこんでいる状態をB評価:不良とした。
上記のとおり得られた各チップ積層体のブリード状態を評価した。評価には、フィリップス社製「E−SEM」を用いて行ない、加速電圧10kV、倍率200〜1000倍で観察した。半導体チップ端部より接着フィルムがはみ出している状態をA評価:良好、はみ出さずに内側にへこんでいる状態をB評価:不良とした。
比較例1〜4はいずれもブリードが見られず、接着フィルム端部が半導体チップ内側までへこんでいた。
以上の結果から、厚みが3〜30μmであり、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有し、混合物が有する発熱ピークが、100〜200℃及び200〜250℃にそれぞれ1箇所以上存在する、本発明の半導体装置用接着フィルムを用いることで、回路保護層の厚みが、回路保護層を含む半導体ウェハ全体の厚みに対して10〜50%である半導体ウェハを接着する場合において、チップと配線付き基板、又はチップ同士を接合するときに良好なブリード形状を維持できることが分かった。
以上、本発明によれば、接着フィルムを介して反りが大きい半導体チップを被着体に接合する構造において、接着フィルムの窪み等の形状不具合抑制が可能な半導体装置用接着フィルム、半導体装置の製造方法、及びそれを用いた半導体装置を提供することが可能となる。
1…半導体装置製造用接着シート1、40…半導体装置用接着フィルム、60…半導体ウェハ、65…半導体チップ、80…接着フィルム付半導体チップ、100…半導体装置。
Claims (5)
- 回路保護層の厚みが、該回路保護層を含む半導体ウェハ全体の厚みに対して、10〜50%である半導体ウェハを接着するための半導体装置用接着フィルムであって、
厚みが3〜30μmであり、
エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤を含む混合物を含有し、
前記混合物は、100〜200℃の範囲及び200〜250℃の範囲にそれぞれ1つ又は複数の発熱ピークを有する、半導体装置用接着フィルム。 - 100〜200℃の範囲の発熱ピークのうちの最大ピーク値Aと、200〜250℃の範囲の発熱ピークのうちの最大ピーク値Bとの比A/Bが0.75以上である、請求項1に記載の半導体装置用接着フィルム。
- 請求項1又は2に記載の半導体装置用接着フィルムに貼り付けられた半導体ウェハを切断し、接着フィルム付き半導体チップを得る工程と、
前記接着フィルム付き半導体チップと配線付き基板又は他の半導体チップとを、前記接着フィルム付き半導体チップの接着フィルムを介して、60〜120℃で加熱圧着して圧着体を得る工程と、
前記圧着体を加熱し、前記接着フィルムを硬化させる工程と、
を備える、半導体装置の製造方法。 - 前記接着フィルムを硬化させる工程が、
室温から80〜120℃に、15〜60分かけて昇温する工程と、
80〜120℃の範囲に30分以上にわたって温度を保持する工程と、
150〜180℃の範囲に10分以上にわたって温度を保持する工程と、
をこの順序で備える、請求項3に記載の半導体装置の製造方法。 - 請求項3又は4に記載の方法により製造された半導体装置。
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