JP2013186024A - 非球面形状計測方法、非球面形状計測装置、光学素子加工装置および光学素子 - Google Patents

非球面形状計測方法、非球面形状計測装置、光学素子加工装置および光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】光学系の誤差を校正し、被検面の形状を精度良く計測する。
【解決手段】非球面計測方法は、非球面である被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導く。該方法は、受光センサとセンサ共役面との間での位置倍率分布および角度倍率分布を演算し、基準面での反射光の受光センサ上での第1の波面をセンサ出力を用いて計測し、光学系のパラメータを用いて、基準面で反射した光の受光センサ上での第2の波面を演算し、第1および第2の波面間の回転対称成分の差が小さくなるように光学系のパラメータを変更する。変更したパラメータを用いて演算したセンサ共役面上での位置倍率分布または角度倍率分布と、基準面および被検面でそれぞれ反射した光線の角度分布の計測値と、基準面の形状とを用いて被検面の形状を演算する。
【選択図】図2

Description

本発明は、非球面を有した光学素子(例えば、非球面レンズ)の面形状の計測技術に関する。
非球面レンズの面形状を非接触にて、かつ高速に計測する方法として、光学系を介して非球面である被検面に球面波の光を照射し、該被検面での反射光を受光部のシャック・ハルトマンセンサを用いて計測する方法が非特許文献1にて提案されている。この計測方法は、特許文献1に開示されたようなヌルレンズを用いた干渉計と比較して、多様な設計値の被検面の形状を計測可能であるという利点がある。また、特許文献2にて開示された計測時にサンプルを移動させるスティッチング干渉計や特許文献3にて開示された走査干渉計と比較して、高精度に移動させるステージや測長機、さらには複雑な解析プログラムが不要であるという利点がある。
非特許文献1にて提案されたシャック・ハルトマンセンサを用いた計測方法では、被検面が非球面である場合、計測光が被検面に対して垂直に照射されず、反射光の光線角度は入射光線の角度と異なる。このため、反射光は受光部で平行光にならず、平面波面から大きくずれた波面として検出される。したがって、受光部で被検面からの反射光の波面を計測したとしても、フィゾー干渉計のように波面がそのまま被検面の形状を表わさない。
計測波面から被検面の形状を求めるには、センサ横座標と被検面の横座標の比である位置倍率(いわゆるディストーションで、座標倍率ともいう)と、センサ面での光線角度と被検面での光線角度の比である角度倍率とが必要となる。
ただし、これらの位置倍率および角度倍率は、光軸からの距離に対して一定ではなく、分布を持つ。これらの分布は、特に光学系に含まれるレンズの曲率半径の誤差、光軸方向の位置の誤差(いわゆるアライメントエラー)および球面収差等によって敏感に変化するので、これら分布の校正が必須である。特許文献4,5,6,7には、位置倍率分布の校正方法が開示されている。
特開平09−329427号公報 特開2004−125768号公報 特許第3971747号公報 特開2000−97663号公報 特開平10−281736号公報 特開2006−133059号公報 特開2009−180554号公報
Jahannes Pfund,Norbert Lindlein and Johannes Schwider,"NonNull testing of rotationally symmetric aspheres:a systematic error assessment,"App.Opt.40(2001)p.439
特許文献4,5,6にて開示された校正方法は、被検面を既知量だけ移動させ、そのときの受光部による計測値の変化量を検出することで位置倍率分布の校正を行う。このため、高精度に移動させるステージと高精度に移動距離を計測する計測機が必要であるとともに、位置倍率と角度倍率を同時に高精度に校正することが困難である。
また、特許文献7にて開示された校正方法は、干渉計の光学系の一部を移動させて位置倍率分布の校正を行う。しかし、受光面での干渉縞の径の大きさを指標として校正を行うため、被検面が非球面である場合は、干渉縞のピッチが細かくなりすぎて干渉縞の径が正確に把握できない。さらに、角度倍率分布を高精度に校正することは困難である。
本発明は、光学系の誤差によって位置倍率分布や角度倍率分布が演算(設計)した倍率分布とは異なっても、その校正を容易に行うことができる非球面形状計測方法、非球面形状計測装置、光学素子加工装置および光学素子を提供する。
本発明の一側面としての非球面計測方法は、非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて被検面の形状を計測する。該方法は、形状の計測が行われた非球面としての基準面を用意するステップと、基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第1の波面を、受光センサからの出力を用いて計測するステップと、光学系のパラメータを用いて、基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第2の波面を演算するステップと、第1の波面と第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように光学系のパラメータを演算上において変更するパラメータ変更ステップと、変更されたパラメータを用いて、光学系によって該受光センサに対して共役な関係にあるセンサ共役面上における、基準面で反射した光線の位置関係および角度関係をそれぞれ示す位置倍率分布および角度倍率分布のうち少なくとも一方である倍率分布を演算するステップと、基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布を、受光センサからの出力を用いて計測するステップと、被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、受光センサからの出力を用いて計測するステップと、基準面の形状、第1の光線角度分布、第2の光線角度分布および倍率分布を用いて、被検面の形状を演算するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての非球面計測方法は、非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて被検面の形状を計測する。該方法は、形状の計測が行われた非球面としての基準面を用意するステップと、基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第1の波面を、受光センサからの出力を用いて計測するステップと、光学系のパラメータを用いて、基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第2の波面を演算するステップと、第1の波面と第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように光学系のパラメータを演算上において変更するパラメータ変更ステップと、基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布を、受光センサからの出力を用いて計測するステップと、被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、受光センサからの出力を用いて計測するステップと、変更されたパラメータ、第1の光線角度分布および第2の光線角度分布を用いて光線の追跡演算を行い、該光線の基準面との交点および該交点での光線角度を求めるステップと、基準面の形状、交点および該交点での光線角度を用いて、被検面の形状を演算するステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の一側面としての非球面計測装置は、非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて被検面の形状を計測する。該装置は、形状の計測が行われた非球面としての基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第1の波面を、受光センサからの出力を用いて計測する波面計測部と、光学系のパラメータを用いて、基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第2の波面を演算する波面演算部と、第1の波面と第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように光学系の前記パラメータを演算上において変更するパラメータ変更部と、被検面の形状を演算する形状演算部とを有する。形状演算部は、パラメータ変更部により変更されたパラメータを用いて、光学系によって該受光センサに対して共役な関係にあるセンサ共役面上における、基準面で反射した光線の位置関係および角度関係をそれぞれ示す位置倍率分布および角度倍率分布のうち少なくとも一方である倍率分布を演算し、基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布および被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、受光センサからの出力を用いて計測し、基準面の形状、第1の光線角度分布、第2の光線角度分布および倍率分布を用いて、被検面の形状を演算することを特徴とする。
さらに、本発明の一側面としての非球面計測装置は、非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて被検面の形状を計測する。該装置は、形状の計測が行われた非球面としての基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第1の波面を、受光センサからの出力を用いて計測する波面計測部と、光学系のパラメータを用いて、基準面で反射した光の受光センサ上での波面である第2の波面を演算する波面演算部と、第1の波面と第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように光学系のパラメータを演算上において変更するパラメータ変更部と、被検面の形状を演算する形状演算部とを有する。形状演算部は、基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布および被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、受光センサからの出力を用いて計測し、パラメータ変更部により変更されたパラメータ、第1の光線角度分布および第2の光線角度分布を用いて光線の追跡演算を行い、該光線の基準面との交点および該交点での光線角度を求め、基準面の前記形状、交点および該交点での光線角度を用いて、被検面の形状を演算することを特徴とする。
なお、光学素子を加工する加工部と、上記非球面計測方法により光学素子における被検面の形状を計測する計測部とを有することを光学素子加工装置、さらに該加工装置を用いて製造された光学素子も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、光学系の誤差によって位置倍率分布や角度倍率分布が演算(設計)した倍率分布と異なっても、それを容易に校正することができ、被検面の形状を高精度に計測することができる。
本発明の実施例1である非球面計測装置の構成を示す概略図。 実施例1(および実施例2)での非球面計測方法を示すフローチャート。 実施例1での前処理ステップを示すフローチャート。 倍率分布演算のステップを示すフローチャート。 光線の位置と角度を説明するための図。 実施例1での計測ステップを示すフローチャート。 実施例1での解析ステップを示すフローチャート。 本発明の実施例3である非球面計測装置の構成を示す概略図。 本発明の実施例4である光学素子加工装置の構成を示す概略図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例1である非球面計測方法による計測を行う非球面計測装置100の構成を示している。以下の説明においては、図1中に示したxyz直交座標系を用いる。
同図において、1は光源であり、2は集光レンズである。3はピンホールであり、4はハーフミラーである。5は投光レンズである。10は基準レンズであり、その一方の面は後述する被検非球面の形状の計測基準となる基準非球面(以下、単に基準面という)10aである。11は被検光学素子としての被検レンズであり、その一方の面は被検非球面(以下、単に被検面という)11aである。図1では、基準面10aおよび被検面11aは凸面である。
6はレンズ移動機構であり、基準レンズ10および被検レンズ11のz方向(光軸方向)での位置、x方向およびy方向(つまりは光軸方向に直交する面内)での位置、さらに光軸方向に直交する面に対する傾き(姿勢)を調節するようこれらを移動させる。
7は結像レンズである。8は受光センサ(以下、単にセンサという)であり、受光面(検出面)8aを有する。9はコンピュータにより構成される解析演算部である。解析演算部9は、波面計測部、波面演算部、パラメータ変更部および形状演算部として機能する。
光源1からの光は、集光レンズ2によってピンホール3に向けて集光される。ピンホール3からの球面波は、ハーフミラー4で反射され、投光レンズ5により収束光に変換される。収束光は、基準面10aまたは被検面11aで反射し、投光レンズ5、ハーフミラー4および結像レンズ7を透過してセンサ8の受光面8aに入射する。投光レンズ5、ハーフミラー4および結像レンズ7により、光源1からの光を基準面10aまたは被検面11aに照射し、基準面10aまたは被検面11aで反射した光をセンサ8に導く光学系が構成される。このうち、ハーフミラー4および投光レンズ5は、光源1からの光を基準面10aまたは被検面11aに照射する第1の光学系に相当し、結像レンズ7は、基準面10aまたは被検面11aで反射した光をセンサ8に導く第2の光学系に相当する。
光源1は、単色のレーザ光を発するレーザ光源あるいはレーザダイオードである。ピンホール3は、収差が小さい球面波を生成するために設けられている。このため、ピンホール3に代えて、シングルモードファイバを用いてもよい。
投光レンズ5および結像レンズ7はそれぞれ、複数のレンズエレメントにより構成されている。投光レンズ5および結像レンズ7の焦点距離、曲率半径および直径や、投光レンズ5と結像レンズ7を組み合わせた光学系の倍率は、被検面11aの直径(有効径)および曲率半径と、およびセンサ8の受光面8aの大きさに基づいて決定される。
1つの光学系のみでは計測可能な非球面形状の範囲が限定される。このため、被検面11aのパラメータ(設計値)である有効径、曲率半径および非球面量に応じて、該光学系に含まれる光学素子である投光レンズ5および結像レンズ7のうち少なくとも一方を、焦点距離が異なるものに変更(交換)可能としている。
被検面11aへは収束球面波としての光が照射される。その光の反射角度は、被検面11aへ照射された光の反射角度は非球面量(球面からの偏差)と形状誤差に依存し、特に非球面量が大きい場合は被検面11aへの入射角度とは大きく異なる角度となる。その結果、センサ8で計測される光線角度も大きな値となる。
基準レンズ10は、被検レンズ11と同じパラメータ(設計値)を用いて製作されたレンズであり、基準面10aと被検面11aとの形状の差は数μm以下である。また、基準面10aの形状は、本装置100とは別の装置、例えばプローブ式(触針式)の計測装置によって精度良く計測され、その形状のデータが解析演算部9に格納されている。
センサ8は、多数の微小集光レンズがマトリックス状に配置されたマイクロレンズアレイと、CCD等の撮像素子とにより構成され、一般的にはシャック・ハルトマンセンサと称される。センサ8において、マイクロレンズアレイを透過した光線(光束)は、微小集光レンズごとに撮像素子上に集光される。撮像素子は、微小集光レンズからの光線により形成された光学像を光電変換して電気信号を出力する。撮像素子に入射する光線の角度Ψは、微小集光レンズにより集光されるスポットの位置と、予め校正された位置、例えば平行光を入射させたときのスポット位置との差Δpを検出することで求められる。ここで、光線の角度Ψとスポット位置の差Δpは、マイクロレンズアレイと撮像素子との距離をfとすると、
Ψ=atan(Δp/f)
という関係が成り立つ。全ての微小集光レンズに対して上記処理を行うことで、センサ(撮像素子)8に入射する光線の角度分布を、該センサ8からの出力を用いて計測することができる。
なお、センサ8は、波面あるいは光線の角度分布が計測できればよいので、シャック・ハルトマンセンサに限らず、回折格子と撮像素子とにより構成されるシアリング干渉計やTalbot干渉計を用いてもよい。また、ハルトマンプレートとCCDセンサを用いたハルトマン法を行うようにしてもよい。Talbot干渉計については、以下の文献に詳細が説明されている。
M.Takeda,S.Kobayashi,“Lateral Aberration Measurements with a digital Talbot Interferometer,”App.Opt.23,pp1760-1764,1984
また、センサ8が受光する光線の大きさ(径)が該センサ8(受光部8a)の受光面積より大きい場合は、センサ8をその受光面8aに平行な面(xy面)内で移動させて光線の角度分布を計測し、計測された光線角度分布のデータをつなぎ合わせればよい。
被検面11aを目標の形状に仕上げるために、本計測装置100により得られた形状の計測データと目標データとの差から、被検面11aに対する修正加工を行う横座標と修正量を計算し、後に実施例4で説明する加工装置の加工部によって修正加工を行う。
しかし、計測した光線角度分布の位置分布(横座標)は、センサ8の受光面8a上での位置分布であるため、修正加工を行うためには被検面11aの座標に変換する必要がある。また、基準面10aと被検面11aとのセンサ8による計測角度差は、基準面10aと被検面11aとの光の反射角度差とは異なっているため、角度差に対しても変換が必要となる。
本実施例では、センサ8により計測した光線位置分布と光線角度分布を、センサ共役面での光線位置分布と光線角度分布に、それぞれ以下に説明する位置倍率分布と角度倍率分布のデータテーブルを用いて変換する。そして、センサ共役面から光線追跡(トレース)演算を行うことで、被検面11aでの光線位置分布と光線角度分布を求める。
次に、以上のように構成された計測装置100を用いた計測シーケンス(非球面計測方法)を、図2のフローチャートを用いて説明する。この計測シーケンスは、コンピュータとしての解析演算部9により、コンピュータプログラム(解析ソフトウェア)に従って実行される。また、以下の説明において、計測装置100に設置された基準面10a(基準レンズ10)の光軸に直交する面の絶対座標(絶対位置)を(x,y)とする。
計測シーケンスは、前処理ステップA、倍率分布演算ステップB、形状計測ステップCおよび解析ステップDの4つを含む。
まず、前処理ステップAについて、図3のフローチャートを用いて説明する。
ステップA−1では、高精度に形状計測が可能な別の計測装置、例えば、触針(プローブ)式の計測装置によって、基準面10aの形状(面形状)を計測する。すなわち、形状の計測が行われた基準面10aを用意する。
ステップA−2では、ステップA−1での計測により得られた基準面10aの形状データ(計測値)と装置100の光学系のパラメータとを用いて、センサ8の受光面8a(つまりは受光センサ上:以下、センサ面ともいう)での波面(第2の波面)Wcalを演算する。波面Wcalを、以下の説明では演算波面という。
ここにいう光学系のパラメータ(以下、光学系パラメータという)とは、主に光学系を構成するレンズやミラー等の光学素子の曲率半径や屈折率およびそれら光学素子の間隔等を含み、光学系の設計値(設計値データ)と言い換えることもできる。また、この光学系パラメータは、上記のものに限定されず、光学系で発生する波面収差等の情報であってもよいし、その他これに類するものでもよい。光学系の収差や組立誤差およびレンズの面形状が既知または計測できる場合は、それらの値を光学系の設計値に反映させて波面Wcalを演算する。また、光学系の保持に用いる鏡筒やセンサ8等の温度を計測し、その温度から鏡筒の伸びや光学素子の間隔、センサ8と光学系の間隔を演算し、その値を光学系の設計値に反映させて波面Wcalを演算してもよい。波面は、直交関数であるZernike関数で表現するとよい。
次に、倍率分布演算ステップBについて、図4のフローチャートを用いて説明する。倍率分布には、位置倍率分布(座標倍率分布ともいう)αと角度倍率分布βとがある。位置倍率分布αおよび角度倍率分布βはそれぞれ、センサ面とセンサ共役面との間での基準面(図1中の10a)で反射した光線の位置関係および角度関係を示す。具体的には、図5(a)に示すように、位置倍率分布αは、センサ面上での光線の入射位置の光軸からの距離をR′とし、センサ共役面上での該光線の入射位置の光軸からの距離をr′とするとき、
r′/R′
で表わされる。また、角度倍率分布βは、基準面を微小角度だけ傾けたときにセンサ共役面上でのメリジオナル面における光線反射角度がΔvだけ変化し、センサ面上でのメリジオナル面における光線入射角度がΔVだけ変化したとき、
ΔV/Δv
で表される。
位置倍率分布αおよび角度倍率分布βは、光学系パラメータ(設計値)あるいは光学系の面形状や透過波面の計測値を用いて、光線追跡ソフトウェアで演算して求める。なお、本実施例の倍率分布演算フローでは、装置100の組立て初期のアライメント時、環境変動(空気圧、湿度、温度等の変化)によって光学系に誤差が発生し、設計値からのずれが大きくなったときや計測対象を形状の異なる被検面に変更したときに行う。光学系のアライメントは、反射面を光学系の中に適宜配置してセンサ8で波面を計測しながら行ったり測長機を用いて行ったりするため、誤差は数10μm以下である。また、環境変動による誤差も10μm以下である。
さらに、本実施例では、後述するように基準面で反射した光の波面を計測することで光学系の誤差の大きさを判定する。本実施例では、位置倍率分布αと角度倍率分布βの両方を用いている。ただし、位置倍率分布αが一定であるとみなせる場合は角度倍率分布βのみを用い、角度倍率分布βが一定であるとみなせる場合は位置倍率分布αのみを用いるというように位置倍率分布αと角度倍率分布βのうち少なくとも一方を用いればよい。
ステップB−1では、基準レンズ10を移動機構6上に設置する。
ステップB−2では、センサ8により、基準面10aで反射した光の波面(第1の波面)Wを計測する。以下、この計測された波面Wを計測波面という。センサ8は、その受光面(センサ面)8a上の複数の座標(X,Y)のそれぞれで光線角度分布(Vx,Vy)を検出する。ここで、Vは、図5(a)に示すように、センサ面で検出される光線角度である。また、VxとVyはそれぞれ、図5(b)に示す角度であり、センサ面で計測される光線角度Vのx方向の成分とy方向の成分である。センサ面上の座標(X,Y)は、マイクロレンズの中心位置に相当する。センサ面上での光軸からの距離R′は、
R′=√(X+Y
である。
ステップB−3では、計測波面WとステップA−2で得た演算波面Wcalとの差ΔWを演算し、その差ΔWが所定値(閾値)THより小さいか否かを判定する。差ΔWが所定値THより小さければステップB−5に進み、大きければステップB−4に進む。所定値THは、光学系の誤差の大きさにも依存するが、波面のチルトやコマ等、球面成分以外については約50nm、球面成分については約1μmである。なお、所定値THを、後述するステップB−5を行った後に設定し直してもよい。
ステップB−4では、移動機構6により基準レンズ10(基準面10a)の位置と傾きを調整する。ハーフミラー4やレンズ5,7を含む光学系に誤差があるとき、基準面10aの光軸方向での位置調整だけでは波面の球面成分の差は十分小さくはならない。このとき、xy面内での位置と該xy面に対する傾きを、計測波面Wと演算波面Wcalとのチルト成分およびコマ成分の差が小さくなるように、移動機構6によって調整する。基準面10aの光軸方向での位置に関しては、計測波面Wと演算波面Wcalの球面成分、Zernike関数ではZ項、Z項、Z16項、Z25項・・・の差が小さくなるように調整する。ここで、Zは以下の式1で表わされるZernike関数である。
ただし、hはセンサ面の光軸からの規格化された距離である。
ステップB−5(パラメータ変更ステップ)では、計測波面Wと演算波面Wcalとの差ΔWのうち、球面成分の差がより小さく(望ましくは最小に)なるように、演算上において光学系パラメータを変更する。計測波面Wcalが演算波面Wcalと一致することにより、装置100の位置倍率分布αおよび角度倍率分布βが演算した倍率分布と一致する。
以下に光学系パラメータの変更方法について説明する。
まず、計測波面Wと演算波面Wcalとの回転対称成分としての球面成分の差ΔWは、以下の式2で表わされる。
ただし、nは2以上の整数であり、値が大きいほど高次の球面成分を表わす。また、sはZ(i+1) 項の係数である。
変更することで演算波面Wcalの球面成分が変化する光学系パラメータを、N個選択する。Nは、後述するように、2以上の整数が好ましい。変更により演算波面Wcalの球面成分が変化する光学系パラメータには、光学系に含まれる光学素子の面の間隔、曲率半径および形状と、光学素子で発生する収差と、光学素子の材料の屈折率と、光学素子のホモジニティ(内部歪み)のうち少なくとも1つが含まれる。また、基準面10aやセンサ面8aの光軸方向での位置も含まれる。ホモジニティの演算には、まずその光学素子の光軸からの距離を変数とした偶数次数の分布を与える。
次に、変更する光学系パラメータの値D(jはjは1以上N以下の整数)を演算する。選択したN個の光学系パラメータのうちj番目の光学系パラメータを単位量だけ変更したときのセンサ面8a上での波面の変化量ΔWjを演算する。ΔWjは、以下の式3により表わされる。
ただし、aijはj番目の光学系パラメータを単位量だけ変更したときのセンサ面8a上でのZ(i+1) の波面成分の変化量である。
j=1〜Nにおいて、Dの値だけj番目の光学系パラメータを変更した後にセンサ8を用いて得られる計測波面Wと演算波面Wcalとの球面成分の差ΔW′は、以下の式4で表わされる。
Zernike関数は直交関数であるので、ΔW′を零、つまりは計測波面Wと演算波面とを一致させるには、n≦NのときZernikeの各項が零になるDを求めればよい。その条件は、i=1〜nにおいて以下の式5を満たすことである。
またn>Nのとき、ΔW′を最小にするには、以下の式6に示したΔW′のZernike関数の各項の係数の二乗和Qが最小になればよい。
Qが最小になるときの条件は、DでQを微分した値が零になることである。したがって、j=1〜Nにおいて、以下の式7を満たすDを演算すればよい。
以上の演算によって光学系パラメータを変更すべき量Dが求められる。なお、光学系パラメータの変更による波面の変化は、高次のZernike関数になるほど(Znのnが大きくなるほど)小さくなるので、適当な次数で打ち切って演算してもよい。光学系にも依存するが、Z項、Z項およびZ16項までの計測波面と演算波面が一致すれば十分であることが多い。
ここで、変更する光学系パラメータの数Nが1であるとき、計測波面と演算波面の差が十分に小さくならない場合があるため、Nは2以上とすることが好ましい。また、Nをnより大きい数にすると、光学系パラメータの変化による波面の変化にクロストークが発生するため、式5を演算して計測波面Wと演算波面Wcalとが一致しても、設計値からは大きくずれてしまうことがあるので、Nはn以下が望ましい。
また、光学系パラメータの変更後の光学系は、設計された光学系になるべく近い方が望ましいので、光学系パラメータの変更量は小さい方がよい。このためには、例えば、単位変更量あたりの変更前後における計測波面Wmの球面成分の差(変化量)が他の光学系パラメータを変更した場合よりも大きい光学系パラメータを選択するとよい。また、変更前後における計測波面Wの球面成分の差(変化量)の周波数成分が異なるもの、換言するとZernike関数で球面項であるZ項、Z項、Z16項,・・・のそれぞれの変更前後の係数の差が1次独立に近いものを選択するとよい。
さらに、予め光学系の一部を、上記式5,7を満たすように設計し、目的の光学系パラメータを変化させることで、同様に光学系パラメータの変更量を小さくすることができる。また、変更する光学系パラメータの1つを投光レンズ5と基準レンズ10との間の距離(面間隔)として、式5または式7で得られた変更量だけ基準レンズ10を移動機構6によって移動させてもよい。この方法によれば、演算で用いた光学系と実際の光学系とがより近くなるため、より高精度に面形状を計測できる。
ステップB−6では、演算上での光学系パラメータの変更後の光学系を用いて、光線追跡ソフトウェアを用いて、センサ面8aとセンサ共役面との間の位置倍率分布αおよび角度倍率分布βを演算する。
次に、形状計測ステップCについて、図6のフローチャートを用いて説明する。
ステップC−1では、ステップB−4と同様に、基準レンズ10の位置と傾きを移動機構6により調整する。
ステップC−2では、基準面10aでの反射光線の角度分布(第1の光線角度分布)をセンサ8により計測し、そのデータ(光線角度分布V1)を解析演算部9に格納する。このとき、光線角度分布から後述する積分処理によって計測波面Wを演算し、該計測波面Wと演算波面Wcalとの差が大きい場合は光学系の誤差が大きくなったと判断して、再度、倍率分布演算ステップBを行う。
ステップC−3では、基準レンズ10を移動機構6から退避させ、移動機構6上に被検レンズ11を設置する。被検面11aは基準面10aとなるべく一致する必要があるため、被検面11aでの反射光の波面と基準面10aでの反射光の波面との差が小さくなるように移動機構6により被検レンズ11の位置と傾きを調整する。このとき、光軸方向の位置に関しては、別途、測長機や変位計等の外部測定器を用いて基準面10aと被検面11aのそれぞれの中心位置を計測し、基準面10aの位置と一致するように被検面11aの位置を調整してもよい。
ステップC−4では、被検面11aでの反射光線の角度分布(第2の光線角度分布)を計測し、そのデータ(光線角度分布V2)を解析演算部9に格納する。
なお、装置100においてドリフトや温度変化等の外乱によって発生した光学系の誤差(いわゆる経時変化)が小さい場合は、ステップC−1とステップC−2を毎回行う必要はない。例えば、ステップC−1とステップC−2を1度行った後に、同じ設計値の複数の被検レンズ11を連続して計測してもよい。
次に、解析ステップ(形状演算ステップ)Dについて、図7のフローチャートを用いて説明する。
ステップD−1では、以下の式8により、基準面10aと被検面11aの計測された光線角度分布V,Vを角度倍率分布βで除算し、さらに主光線角度分布ηを加算することで、センサ共役面上での基準面10aと被検面11aの光線角度分布v,vを算出する。主光線角度分布ηとは、光学系の設計パラメータを用いてセンサ面8aから光軸方向に平行に(つまりは光線角度が零で)光線追跡演算したときの基準面10aに入射する光線の角度分布である。
次に式9により、センサ面8aで計測された光線位置分布(光線座標分布)Rcに位置倍率分布αを乗算することで、センサ共役面上の光線位置分布(光線座標分布)rを算出する。ここで、センサ面8aでの光線位置分布とは、シャック・ハルトマンセンサでは、CCD上での各マイクロレンズの中心位置に相当する。また、センサ面8aでの光線位置分布Rとセンサ共役面上での光線位置分布rは、xy面上での位置(座標)で表される光軸からの距離であり、
r=√(x+y
である。
ステップD−2では、センサ共役面上での光線位置分布rおよびセンサ共役面上での基準面10aと被検面11aの光線角度分布v,vを用いて光線追跡演算を行い、光線の基準面10aとの交点rb1,rb2を演算する。交点rb1,rb2は、xy面上での位置(座標)で表される光軸からの距離である。
次にステップD−3では、被検面11aにおける交点rb2での光線角度分布(光線角度)vに対する補間演算等により、交点rb1における光線角度分布(光線角度)v′を演算する。そして、以下の式10により、基準面10aにおける光線角度分布vと被検面11aでの光線角度分布v′とのスロープの差Δsを演算する。
ステップD−4では、スロープの差Δsは、基準面10aと被検面11aとの形状差を微分した値となっているので、差Δsを積分することで基準面10aと被検面11aとの形状差を算出できる。積分のアルゴリズムに関しては、交点rb1のサンプリングを持つ基底関数の微分関数を用いて、スロープの差Δsに対してフィッティングを行い、得られた係数と基底関数を掛け合わせる方法(modal法)を用いることができる。また、スロープの差Δsを加算していく方法(zonal法)を用いることもできる。詳しくは、以下の文献に記載されている。
W.H.Southwell,“Wave-front estimation from wave-front slope measurement” J.Opt.Soc.Amr.70,pp998-1006,1980
ステップD−5では、ステップA−1で計測した基準面10aのデータと、ステップD−4で演算した形状差とを加算することで、被検面11aの形状を演算する。
以上の処理を行うことにより、光学系に誤差があっても、被検面11aの形状を非接触で高速かつ高精度に計測することができる。
なお、本実施例では、被検物をレンズとした(被検面をレンズ面とした)場合について説明したが、ミラーや金型等の他の光学素子を被検物とすることも可能である。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2の非球面計測方法による計測を行う非球面計測装置の構成は、図1に示した実施例1の非球面計測装置100と同様である。ただし、本実施例では、実施例1で演算した位置倍率分布αと角度倍率分布βのデータテーブルを用いず、光線追跡演算によって被検面11aの形状を演算する。本実施例では、実施例1と比較して、図4に示したステップB−6が不要であり、図7に示したステップD−1とステップD−2に代えて、以下に説明する光線追跡演算ステップとしてのステップD′−1およびステップD′−2を設ける。
ステップD′−1では、設計された光学系からステップB−5で光学系パラメータを変更した光学系と、基準面10aと被検面11aのそれぞれの光線角度分布(第1および第2の光線角度分布)V,Vとを用いて光線追跡演算を行う。これにより、光線の基準面10aとの交点rb1,rb2を演算する。
ステップD′−2では、基準面10aにおける交点rb1での光線角度分布(光線角度)vと、基準面10aにおける交点rb2での光線角度分布(光線角度)vとを光線追跡演算により求める。
この後は、図7に示したステップD−3〜D−5を行って、被検面11aの形状を演算する。
本実施例によれば、実施例1と比較して、光線追跡ソフトウェアを装置100に内蔵するとともに、光線追跡ソフトウェアと解析ソフトウェアとのインターフェースを設ける必要がある。しかし、倍率分布を用いないため、解析プログラム作成の負荷を低減できる。
次に、本発明の実施例3について、図8を用いて説明する。本実施例では、被検面が凹面であるときに用いる非球面計測方法および非球面計測装置について説明する。装置101によって実施例1,2と同様に、非球面であり凹面である被検面11a′の形状を計測することができる。
10′は基準レンズであり、その一方の面10a′は基準面である。11′は被検レンズであり、その一方の面は被検面11a′である。
装置101の他の構成は図1に示した実施例1の装置100と同じである。実施例1,2と同様に、投光レンズ5からの発散光の曲率中心と被検面11a′における近軸領域の曲率中心とが一致する位置に被検レンズ11′を配置する。
本実施例でも、実施例1,2で説明した前処理ステップA、倍率分布演算ステップB、形状計測ステップCおよび解析ステップDと同様の処理を行って、被検面11a′の形状を非接触で高速かつ高精度に計測することができる。
図9には、本発明の実施例4として、実施例1にて説明した非球面計測装置100を用いた光学素子加工装置200の構成を示している。なお、実施例1にて説明した計測装置100に代えて、実施例2,3で説明した装置を用いることもできる。
図9において、20は被検レンズ11の材料(素材)であり、201は該材料20に対して切削、研磨等の加工を行って光学素子としての被検レンズ11を製造する加工部である。
加工部201で加工された被検レンズ11の被検面11aの面形状は、計測部としての非球面計測装置100において、実施例1にて説明した非球面計測方法を用いて計測される。そして、実施例1でも説明したように、計測装置100は、被検面11aを目標の面形状に仕上げるために、被検面11aの面形状の計測データと目標データとの差に基づいて被検面11aに対する修正加工量を計算し、これを加工部201に出力する。これにより、加工部201による被検面11aに対する修正加工が行われ、目標の面形状に至った被検面11aを有する被検レンズ11が完成する。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
被検面の形状を高精度に計測することが可能な計測方法および計測装置を提供することができる。
1 光源
5 投光レンズ
7 結像レンズ
8 センサ
9 解析演算部
10 基準レンズ
11 被検レンズ

Claims (11)

  1. 非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて前記被検面の形状を計測する非球面計測方法であって、
    形状の計測が行われた非球面としての基準面を用意するステップと、
    前記基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第1の波面を、前記受光センサからの出力を用いて計測するステップと、
    前記光学系のパラメータを用いて、前記基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第2の波面を演算するステップと、
    前記第1の波面と前記第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように前記光学系の前記パラメータを演算上において変更するパラメータ変更ステップと、
    変更された前記パラメータを用いて、前記光学系によって該受光センサに対して共役な関係にあるセンサ共役面上における、前記基準面で反射した光線の位置関係および角度関係をそれぞれ示す位置倍率分布および角度倍率分布のうち少なくとも一方である倍率分布を演算するステップと、
    前記基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布を、前記受光センサからの出力を用いて計測するステップと、
    前記被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、前記受光センサからの出力を用いて計測するステップと、
    前記基準面の前記形状、前記第1の光線角度分布、前記第2の光線角度分布および前記倍率分布を用いて、前記被検面の形状を演算するステップとを有することを特徴とする非球面計測方法。
  2. 非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて前記被検面の形状を計測する非球面計測方法であって、
    形状の計測が行われた非球面としての基準面を用意するステップと、
    前記基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第1の波面を、前記受光センサからの出力を用いて計測するステップと、
    前記光学系のパラメータを用いて、前記基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第2の波面を演算するステップと、
    前記第1の波面と前記第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように前記光学系の前記パラメータを演算上において変更するパラメータ変更ステップと、
    前記基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布を、前記受光センサからの出力を用いて計測するステップと、
    前記被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、前記受光センサからの出力を用いて計測するステップと、
    変更された前記パラメータ、前記第1の光線角度分布および前記第2の光線角度分布を用いて前記光線の追跡演算を行い、該光線の前記基準面との交点および該交点での光線角度を求めるステップと、
    前記基準面の前記形状、前記交点および該交点での光線角度を用いて、前記被検面の形状を演算するステップとを有することを特徴とする非球面計測方法。
  3. 前記パラメータは、前記光学系に含まれる光学素子の面の間隔、該面の曲率半径、該面の形状、該光学素子で発生する収差、該光学素子の材料の屈折率、該光学素子のホモジニティのうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の非球面計測方法。
  4. 前記パラメータ変更ステップにおいて、2つ以上の前記パラメータを変更することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の非球面計測方法。
  5. 前記パラメータ変更ステップにおいて、変更する前記パラメータとして、該パラメータの変更の前後における前記第1の波面の前記回転対称成分の差の周波数成分が異なるものを選択することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の非球面計測方法。
  6. 前記パラメータ変更ステップにおいて、変更する前記パラメータとして、該パラメータの変更の前後における前記第1の波面の前記回転対称成分の差が他の前記パラメータを変更した場合よりも大きいものを選択することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の非球面計測方法。
  7. 前記被検面の曲率半径に応じて、前記光学系に含まれる光学素子を、該光学素子とは焦点距離が異なる光学素子に交換することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の非球面計測方法。
  8. 非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて前記被検面の形状を計測する非球面計測装置であって、
    形状の計測が行われた非球面としての基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第1の波面を、前記受光センサからの出力を用いて計測する波面計測部と、
    前記光学系のパラメータを用いて、前記基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第2の波面を演算する波面演算部と、
    前記第1の波面と前記第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように前記光学系の前記パラメータを演算上において変更するパラメータ変更部と、
    前記被検面の形状を演算する形状演算部とを有し、
    前記形状演算部は、
    前記パラメータ変更部により変更された前記パラメータを用いて、前記光学系によって該受光センサに対して共役な関係にあるセンサ共役面上における、前記基準面で反射した光線の位置関係および角度関係をそれぞれ示す位置倍率分布および角度倍率分布のうち少なくとも一方である倍率分布を演算し、
    前記基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布および前記被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、前記受光センサからの出力を用いて計測し、
    前記基準面の前記形状、前記第1の光線角度分布、前記第2の光線角度分布および前記倍率分布を用いて、前記被検面の形状を演算することを特徴とする非球面計測装置。
  9. 非球面である被検面に光を照射し、該被検面で反射した光を光学系を介して受光センサに導き、該受光センサからの出力を用いて前記被検面の形状を計測する非球面計測装置であって、
    形状の計測が行われた非球面としての基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第1の波面を、前記受光センサからの出力を用いて計測する波面計測部と、
    前記光学系のパラメータを用いて、前記基準面で反射した光の前記受光センサ上での波面である第2の波面を演算する波面演算部と、
    前記第1の波面と前記第2の波面との回転対称成分の差がより小さくなるように前記光学系の前記パラメータを演算上において変更するパラメータ変更部と、
    前記被検面の形状を演算する形状演算部とを有し、
    前記形状演算部は、
    前記基準面で反射した光線の角度分布である第1の光線角度分布および前記被検面で反射した光線の角度分布である第2の光線角度分布を、前記受光センサからの出力を用いて計測し、
    前記パラメータ変更部により変更された前記パラメータ、前記第1の光線角度分布および前記第2の光線角度分布を用いて前記光線の追跡演算を行い、該光線の前記基準面との交点および該交点での光線角度を求め、
    前記基準面の前記形状、前記交点および該交点での光線角度を用いて、前記被検面の形状を演算することを特徴とする非球面計測装置。
  10. 光学素子を加工する加工部と、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の非球面計測方法により前記光学素子における前記被検面の形状を計測する計測部とを有することを特徴する光学素子加工装置。
  11. 請求項10に記載の光学素子加工装置を用いて製造されたことを特徴とする光学素子。
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