JP2013182771A - 色素増感型光電変換素子およびその製造方法、ならびに太陽電池 - Google Patents

色素増感型光電変換素子およびその製造方法、ならびに太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い光電変換効率および高い耐久性を有する色素増感型光電変換素子を提供する。
【解決手段】導電性基材上に、半導体層、電荷輸送層、および対向電極を順次有する、色素増感型光電変換素子であって、前記半導体層は、増感色素およびケイ素化合物が担持された半導体粒子を有する、色素増感型光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型光電変換素子およびその製造方法、ならびに太陽電池に関する。
近年、無限で有害物質を発生しない太陽光の利用が精力的に検討されている。このクリーンエネルギー源である太陽光利用として現在実用化されているものは、住宅用の単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びテルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の無機系太陽電池が挙げられる。
しかしながら、これらの無機系太陽電池の欠点としては、例えば、シリコン系では、非常に純度の高いものが要求され、当然精製の工程は複雑でプロセス数が多く、製造コストが高いことが挙げられる。
その一方で、有機材料を使う太陽電池も多く提案されている。有機太陽電池としては、p型有機半導体と仕事関数の小さい金属を接合させるショットキー型光電変換素子、p型有機半導体とn型無機半導体、あるいはp型有機半導体と電子受容性有機化合物を接合させるヘテロ接合型光電変換素子等があり、利用される有機半導体は、クロロフィル、ペリレン等の合成色素や顔料、ポリアセチレン等の導電性高分子材料、またはそれらの複合材料等である。
これらを真空蒸着法、キャスト法、またはディッピング法等により、薄膜化し電池材料が構成されている。有機材料は低コスト、大面積化が容易等の長所もあるが、変換効率は1%以下と低いものが多く、また耐久性も悪いという問題もあった。
こうした状況の中で、良好な特性を示す太陽電池がスイスのグレッツェル博士らによって報告された(例えば、非特許文献1参照。)。
非特許文献1において提案された電池は色素増感型太陽電池であり、ルテニウム錯体で分光増感された酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池である。この方式の利点は酸化チタン等の安価な金属化合物半導体を高純度まで精製する必要がないことから安価であり、また、利用可能な光は広い可視光領域にまでわたっており、可視光成分の多い太陽光を有効に電気へ変換できることである。
しかし、二酸化チタン多孔質薄膜を作成するのに400℃を越えるような高温を用いており、ポリマー等を用いたフレキシブルな支持体を用いることができないため、用途が限定される問題があった。また、高温を使用することは、エネルギーの使用量も多く、環境に対する影響も大きくなり問題であった。
そこで、二酸化チタン等の半導体微粒子と半導体微粒子プレカーサーの共存下に400nm以下の波長の紫外光を照射することで半導体薄膜層を作製し、フレキシブルな支持体での光電変換素子が報告されている(例えば、特許文献1参照)。
また、半導体プレカーサーと発泡剤の有機高分子の共存化で紫外線を照射して半導体薄膜層を形成した例も報告されている(例えば、特許文献2参照)。これは、発泡剤の有機高分子が紫外線照射により分解され、ガスとして半導体薄膜内部から抜ける際に微小な孔を作製し、薄膜の多孔質化を促進するものである。
特開2001−357896号公報 特開2002−231326号公報
Nature,353,737(1991),B.O’Regan and M.Gratzel
しかしながら、特許文献1に記載の方法で作製した半導体薄膜層の場合、親水性が高く、疎水性の高い色素が二酸化チタン粒子表面に十分に吸着できなかったり、親水性を付与した色素の選択が必要になったりと、十分な効率が発揮できていないという問題があった。
また、特許文献2に記載の方法では、薄膜を多孔質化して色素の吸着を増加させ効率を向上させているものの、色素の吸着は十分でなく、経時で効率が低下してしまい、耐久性が十分でなかった。
そこで、本発明は、高い光電変換効率および高い耐久性を有する色素増感型光電変換素子を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、該色素増感型光電変換素子の製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、該色素増感型光電変換素子を用いた太陽電池を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を積み重ねた。その結果、ケイ素化合物および色素が担持されている半導体粒子を含む半導体層を有する色素増感型光電変換素子により、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.導電性基材上に、半導体層、電荷輸送層、および対向電極を順次有する、色素増感型光電変換素子であって、前記半導体層は、増感色素およびケイ素化合物が担持された半導体粒子を有する、色素増感型光電変換素子。
2.前記ケイ素化合物は、ポリシラザンおよびシルセスキオキサンからなる群より選択される少なくとも1種に真空紫外線を照射して形成される化合物である、上記1.に記載の色素増感型光電変換素子。
3.導電性基材上に、半導体層、電荷輸送層、および対向電極を順次有する、色素増感型光電変換素子の製造方法であって、半導体粒子および半導体粒子前駆体からなる群より選択される少なくとも1種と、ケイ素化合物とを含む混合液を調製する工程と、前記混合液を塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、前記塗膜に、波長200nm以下の真空紫外線を照射する工程と、前記真空紫外線を照射した後の前記塗膜を増感処理する工程と、を含む、色素増感型光電変換素子の製造方法。
4.前記ケイ素化合物は、ポリシラザンおよびシルセスキオキサンからなる群より選択される少なくとも1種である、上記3.に記載の製造方法。
5.上記1.もしくは2.に記載の色素増感型光電変換素子、または上記3.もしくは4.に記載の製造方法により得られる色素増感型光電変換素子を有する、太陽電池。
本発明によれば、高い光電変換効率および高い耐久性を有する色素増感型光電変換素子が提供される。
本発明の色素増感型光電変換素子の一例を示す断面概略図である。
本発明は、導電性基材上に、半導体層、電荷輸送層、および対向電極を順次有する、色素増感型光電変換素子であって、前記半導体層は、増感色素およびケイ素化合物が担持された半導体粒子を有する、色素増感型光電変換素子である。
本発明の色素増感型光電変換素子が高い光電変換効率および高い耐久性を有する詳細な理由は不明であるが、半導体粒子表面に担持されたケイ素化合物が色素の吸着に良好な疎水性と親水性とのバランスを取っており、これにより高い色素吸着が可能になっていること、さらには、ケイ素化合物の担持により半導体粒子の光触媒性が弱められ、色素の分解が抑制されていることで、高い光電変換効率と高い耐久性とを有する色素増感型光電変換素子を実現していると考えられる。なお、このメカニズムは推測によるものであり、本発明は上記メカニズムに何ら制限されるものではない。
以下、本発明の構成要素および実施形態について詳細に説明する。
《色素増感型光電変換素子》
本発明の色素増感型光電変換素子(以下、単に光電変換素子とも称する)の構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本発明の色素増感型光電変換素子の一例を示す断面概略図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態による色素増感型光電変換素子は、紫外線吸収層1、導電性基材2(光入射面側に設置される)、透明導電膜3、半導体層4、電荷輸送層5、触媒層6、導電層7および導電性基材8から構成されている。
本発明の色素増感型光電変換素子は、一対の電極間に電荷輸送層5を有するが、一方の電極は、導電性基材2、透明導電膜3(透明導電層3ともいう)および半導体層4から構成される半導体電極10であり、他方の電極は、触媒層6、導電層7および導電性基材8から構成される対向電極9である。
以下、本発明の色素増感型光電変換素子の各構成について、さらに詳細に説明する。
[半導体電極]
本発明に係る半導体電極10は、図1に示すように、導電性基材2(以下、光入射面側の基板2とも称する)、透明導電膜3(以下、透明導電層3とも称する)、および半導体層4から構成される。
<導電性基材>
半導体電極10を構成する導電性基材2は、光入射11の側(光入射面側とも称する)に設けられるが、本発明の色素増感型光電変換素子の光電変換効率向上の観点から、光平均透過率が80%以上であることが好ましい。なお、光平均透過率は、例えば、HAZEメータ(日本電色工業株式会社製、NDH2000)を用いて測定することができる。
上記のような光平均透過率を有する、本発明に適用可能なプラスチック基材としては、例えば、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリスチレン(PS)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィン、セルロースエステル等のフィルムや、ガラスクロスやセルロースナノファイバーに樹脂を含浸したフィルム、アクリルモノマーにシルセスキオキサン等の無機モノマーや無機粒子を配合させて硬化させたフィルム等を挙げることができる。コストや入手の容易性、さらに耐熱性や耐候性の観点から、紫外線吸収剤が配合されたポリカーボネート(PC)や、加水分解性が抑制されたポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが好ましく用いられる。これらの材料は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
該基材の厚さは、5〜200μm程度が好ましく、より好ましくは15〜150μmである。
<透明導電膜(透明導電層)>
半導体電極10を構成する透明導電膜3は、後述する紫外線吸収層が導電性基材2に設けられる面とは異なるもう一方の面上に設けられる。
透明導電膜3を形成する材料としては、透明導電性金属酸化物を用いることが好ましく、例えば、SnO、CdO、ZnO、CTO系(CdSnO、CdSnO、CdSnO)、In、CdIn等が挙げられる。なお、該透明導電性金属酸化物は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。
好ましくは、上記の金属酸化物に、Sn、Sb、FおよびAlから選ばれる1種または2種以上を添加した複合(ドープ)材料が挙げられる。
中でも好ましいのは、Sn(スズ)をドープしたIn(ITO)、Sb(アンチモン)をドープしたSnO、F(フッ素)をドープしたSnO等の導電性金属酸化物であり、耐熱性向上の観点から、FをドープしたSnOがより好ましく用いられる。
<透明導電性支持体(導電性基板)>
上記の導電性基材2と透明導電膜3とから透明導電性支持体(導電性基板)が形成される。
透明導電性支持体(導電性基材2と透明導電層3とからなる)の膜厚としては、0.3mm〜5mmの範囲が好ましい。また、導電性支持体の表面抵抗は、50Ω/cm以下であることが好ましく、10Ω/cm以下であることがより好ましい。
なお、透明導電性支持体の光平均透過率の好ましい範囲は、上記基板2の光平均透過率の好ましい範囲と同様であるため、ここでは省略する。
<半導体層>
本発明に係る半導体層4は、ケイ素化合物および増感色素が表面に担持(吸着)されている半導体粒子を含む。
前記半導体粒子としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムのような単体、周期表(元素周期表とも称する)の第3族〜第5族および第13族〜第15族の元素を有する化合物、金属のカルコゲニド(例えば、酸化物、硫化物、セレン化物等)、金属窒化物等が挙げられる。
好ましい金属のカルコゲニドとしては、例えば、チタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、またはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。他の半導体粒子としては、亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム等のリン化物、ガリウム−ヒ素または銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物、チタンの窒化物等の化合物半導体粒子が挙げられる。
前記半導体粒子のさらに具体的な例としては、例えば、TiO、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CdSe、CdTe、GaP、InP、GaAs、CuInS、CuInSe、Ti等が挙げられる。好ましくは、TiO、ZnO、SnO、Fe、WO、Nb、CdS、PbSであり、より好ましくは、TiO、WO、またはNbであり、中でも特に好ましく用いられるのはTiO(酸化チタン)である。
前記半導体粒子は、単独でもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。例えば、上述した金属酸化物もしくは金属硫化物の数種類を併用することもできる。また、酸化チタン対して、1〜30質量%の窒化チタン(Ti)を混合して使用してもよい。また、窒化チタン以外に酸化チタンと組み合わせることができる他の金属酸化物または金属硫化物としては、例えば、SnO、Fe、WO、ZnO、Nb、CdS、ZnS、PbS、Bi、CuInS等が挙げられる。
また、本発明に係る半導体粒子は、有機塩基を用いて表面処理してもよい。前記有機塩基としては、例えば、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジン、キノリン、ピペリジン、アミジン等が挙げられるが、中でもピリジン、4−t−ブチルピリジン、ポリビニルピリジンが好ましい。
本発明に係る半導体粒子は、単結晶でも多結晶でもよい。変換効率の観点からは単結晶が好ましく、製造コスト、原材料確保、エネルギーペイバックタイム等の観点からは多結晶が好ましく、半導体粒子からなる多孔質膜がより好ましい。
前記半導体粒子の粒径は、一般にnm〜μmのオーダーのものを便宜選択することができる。色素の吸着性を向上させるために、粒子の高次構造的に多孔質化にすることが好ましく、種々の粒径の粒子を組み合わせることが好ましい。
半導体粒子の作製方法としては、作花済夫著の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技術情報協会著の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技術」(1995年)等に記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫著の「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイズ形態制御、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018頁(1996年)」に記載のゲル−ゾル法が好ましい。また、Degussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解により酸化物を作製する方法も好ましい。
半導体粒子が酸化チタンの場合、上記ゾル−ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高温加水分解法はいずれも好ましいが、さらに清野学著の「酸化チタン 物性と応用技術 技報堂出版(1997年)」に記載の硫酸法および塩素法を用いることもできる。さらにゾル−ゲル法として、Barbeらのジャーナル・オブ・アメリカン・セラミック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157〜3171頁(1997年)に記載の方法や、Burnsideらのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
酸化チタンは、主としてアナターゼ型とルチル型の2種類の結晶型があるが、本発明ではアナターゼ型が好ましい。両者の混合物の場合は、アナターゼ型の含率が高い方が好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。なお、アナターゼ含率は、X線回折法に
より求めることができ、アナターゼおよびルチルに由来する回折ピーク強度の比率から求めることができる。
<ケイ素化合物>
本発明の半導体粒子に担持されているケイ素化合物は、特に制限されないが、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン、ポリシラン、ポリシラザン、シルセスキオキサン、ポリシロキサン等の化合物が挙げられる。これらケイ素化合物は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
これらケイ素化合物は、半導体粒子とケイ素化合物とを含む塗膜を、200〜1000℃、好ましくは300〜800℃の温度範囲で焼成処理したり、波長が200nmを超え400nm以下の紫外線または波長200nm以下の真空紫外線などの活性エネルギー線を照射する処理を行ったりすることにより、半導体粒子上に担持される。ケイ素化合物として、アルコキシシラン、ポリシラン、ポリシラザン、シルセスキオキサン、ポリシロキサンなどの化合物を用いた場合、このような処理を行うことにより、該ケイ素化合物の少なくとも一部が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などに変換される。よって、本発明の半導体粒子に担持されるケイ素化合物は、上記のような処理により形成された化合物であってもよい。特に、色素との吸着性の観点から、ポリシラザンおよびシルセスキオキサンからなる群より選択される少なくとも1種に真空紫外線照射処理して形成された化合物であることが好ましい。
以下、好ましいケイ素化合物であるポリシラザンおよびシルセスキオキサンについて説明する。
[ポリシラザン]
ポリシラザンとは、ケイ素−窒素結合を有するポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等の結合を有する。
本発明で用いられるポリシラザンとしては、下記一般式Aで示されるものが好ましい。
前記一般式A中、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、またはアルコキシ基である。
ポリシラザンのさらに具体的な例としては、例えば、前記一般式A中のR、R、およびRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン、Siと結合する水素原子が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザン等が好ましく挙げられ、半導体粒子への担持性、色素の構造との適合性や吸着性等から、適宜置換基を選択することができる。前記パーヒドロポリシラザンおよびオルガノポリシラザンは、混合して使用することもできる。
その他のポリシラザンとしては、例えば、ケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報参照)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報参照)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報参照)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報参照)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報参照)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報参照)等が挙げられる。
[シルセスキオキサン]
シルセスキオキサン(Silsesqui oxane)はTレジンとも呼ばれるもので、通常のシリカが一般式〔SiO〕で表されるのに対し、シルセスキオキサン(ポリシルセスキオキサンとも称する)は一般式〔RSiO1.5〕で表される化合物である。通常はテトラエトキシシランに代表されるテトラアルコキシシラン(Si(OR’)4)の1つのアルコキシ基をアルキル基またはアリール基に置き換えた(RSi(OR’)3)化合物の加水分解−重縮合で合成されるポリシロキサンであり、分子配列の形状として、代表的には無定形、ラダー状、かご状(完全縮合ケージ状)がある。本発明においては、半導体粒子への担持性、色素の構造や吸着から適宜、形状を選択することができるが、好ましくはかご状シルセスキオキサンである。
本発明で用いられるかご状シルセスキオキサンとしては、具体的には〔RSiO1.5の化学式で表されるタイプ(下記一般式(1))、〔RSiO1.510の化学式で表されるタイプ(下記一般式(2))、〔RSiO1.512の化学式で表されるタイプ(下記一般式(3))、〔RSiO1.514の化学式で表されるタイプ(下記一般式(4)、下記一般式(5))、および〔RSiO1.516の化学式で表されるタイプ(下記一般式(6)、下記一般式(7))が知られている。
これらの中で、好ましいものは、上記一般式(1)で表される立方体構造のもの(T8−シルセスキオキサンとも呼ばれる)である。
より具体的には、「高分子学会誌 第47巻12月号(1998年)第899ページ」やチッソ株式会社/アズマックス株式会社発行のカタログ「特殊シリコン試薬第7版(平成10年11月3日発行)」の第351ページに詳しい説明が記載されている。
本発明で用いられる上記一般式(1)〜(7)で表される化合物において、Rで表される置換基としては、水素原子、置換されているかもしくは非置換のアルキル基、置換されているかもしくは非置換のアルケニル基、または置換されているかもしくは非置換のアリール基等が挙げられる。これらの中から、半導体粒子への担持性、色素の構造、吸着性などから、適宜置換基を選択することができる。好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基、2−クロロエチル基、メタクリロキシプロピル基、アリル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−グリシドキシプロピル基、3−メタクリロイルオキシプロピル基、ビニル基、またはフェニル基である。
かご状シルセスキオキサンは、対応する化合物(RSi(OR’))の加水分解および重縮合で合成される。本発明で用いられるかご状シルセスキオキサンのさらに具体的な例を、以下に示す。
<増感色素>
半導体粒子に担持(吸着)されている増感色素(以下、単に色素とも称する)としては、公知のものを使用できるが、ケイ素化合物や半導体粒子との吸着率を高めて効率を高めるという観点から、カルボキシ基を有することが好ましい。
本発明で用いられる色素の具体例としては、下記化学式(1)〜(38)で表される化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記に限らず、本発明に係る半導体粒子を分光増感しうるものならば、いずれの色素も本発明で用いることができる。光電変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げるため、2種以上の色素を混合して用いてもよい。また、目的とする光源の波長域および強度分布に合わせるように、混合する色素の種類とその割合とを適宜選択することができる。
<電荷輸送層>
本発明に係る電荷輸送層は、半導体層に含有される半導体粒子が担持している色素の酸化体を迅速に還元し、色素との界面で注入された正孔を対極に輸送する機能を担う層である。
本発明に係る電荷輸送層は、レドックス電解質の分散物や正孔輸送材料としてのp型化合物半導体(電荷輸送剤)を主成分として構成されている。
レドックス電解質としては、I/I3−系、Br/Br3−系、キノン/ハイドロキノン系等が挙げられる。このようなレドックス電解質は従来公知の方法によって得ることができ、例えば、I/I3−系の電解質は、ヨウ素のアンモニウム塩とヨウ素とを混合することによって得ることができる。
これらの分散物は、溶液である場合には液体電解質、常温において固体である高分子中に分散させた場合には固体高分子電解質、ゲル状物質に分散された場合にはゲル電解質と呼ばれる。
電荷輸送層として液体電解質が用いられる場合、その溶媒としては電気化学的に不活性なものが用いられ、例えば、アセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネート、3−メトキシプロピオニトリル等が用いられる。固体高分子電解質の例としては特開2001−160427号公報記載の電解質が、ゲル電解質の例としては「表面科学」21巻、第5号288〜293頁に記載の電解質等が、それぞれ挙げられる。
電荷輸送剤としては、色素吸収を妨げないために大きいバンドギャップを有することが好ましい。本発明で使用する電荷輸送剤のバンドギャップは、2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましい。
また、電荷輸送剤のイオン化ポテンシャルは、色素ホールを還元するために、色素吸着電極イオン化ポテンシャルより小さいことが必要である。使用する色素によって電荷輸送層に使用する電荷輸送剤のイオン化ポテンシャルの好ましい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV〜5.5eVの範囲が好ましく、4.7eV〜5.3eVの範囲がより好ましい。
電荷輸送剤としては、正孔の輸送能力が優れている芳香族アミン誘導体が好ましい。このため、電荷輸送層を主として芳香族アミン誘導体で構成することにより、光電変換効率をより向上させることができる。
芳香族アミン誘導体としては、特に、トリフェニルジアミン誘導体を用いるのが好ましい。トリフェニルジアミン誘導体は、芳香族アミン誘導体の中でも、特に正孔の輸送能力が優れている。
また、このような芳香族アミン誘導体は、モノマー、オリゴマー、プレポリマー、ポリマーのいずれを用いてもよく、これらを混合して用いてもよい。
<半導体電極に対向する電極(対向電極)>
図1の半導体電極10(基板2、透明導電膜3、半導体層4からなる)に対向する対向電極9は、導電性を有するものであればよく、任意の導電性材料から構成されうる。I3−イオンの還元や他のレドックスイオンの還元反応を充分な速さで行わせる観点から、図1に記載の対向電極9に示す構成(触媒層6、導電層7、導電性基材8)のように、触媒能を持った物質で表面が覆われている触媒層6を構成として有することが好ましい。
触媒層の形成材料としては、白金、導電材料表面に白金めっきや白金蒸着を施したもの、ロジウム金属、ルテニウム金属、酸化ルテニウム、カーボン等が挙げられる。
なお、導電性基材8および導電層7については、上記の半導体電極10を構成する基板2および透明導電膜3に係る材料を同様に用いることができる。よって、ここでは詳細な説明は省略する。
ただし、対向電極9を構成する導電層7については、半導体電極10を構成する透明導電膜3のように必ずしも透明である必要はなく、透明でも不透明でもよく、導電性を有する材料から形成されていればよい。
ここで、不透明の材料としては、例えば、金属(白金、金、銀、銅、アルミニウム、ロジウム、インジウム、クロム)、炭素等が挙げられる。
また、透明な材料ならば、上記の半導体電極10を構成する透明導電膜3で記載の透明導電性金属酸化物を用いることができる。
<導電性支持体>
上記の透明導電性支持体と同様に、導電性基材8と導電層7とから導電性支持体が構成されるが、導電性支持体の膜厚および表面抵抗の好ましい範囲については、上記の透明性導電性支持体と同様であるため、ここでは説明は省略する。
<紫外線吸収層>
本発明の色素増感型光電変換素子は、紫外線吸収層を有していてもよい。該紫外線吸収層は、紫外線を吸収し、370nm〜410nmの間に吸収端を有することが好ましく、無機紫外線吸収剤を含有することが好ましい。
前記無機紫外線吸収剤の例としては、例えば、酸化チタン、酸化セリウム、酸化錫、酸化モリブデン、酸化亜鉛、窒化バリウム、シリカ、アルミナ、酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の金属酸化物、硫化亜鉛、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、硫酸バリウム等の無機化合物が挙げられ、これらは単独でも、または2種以上組み合わせても用いることができる。これらの材料を無機紫外線吸収剤として用いることにより、紫外線吸収層が370nm〜410nmの間に吸収端を有するように調整することができる。
これら無機紫外線吸収剤の中でも金属酸化物が好ましく、低毒性であり、光に対しても非常に安定であり、且つ、紫外線吸収層の可視光領域での光平均透過率を90%以上に調整する観点から、酸化チタンまたは酸化亜鉛が特に好ましく用いられる。
≪色素増感型光電変換素子の製造方法≫
本発明の色素増感型光電変換素子の製造方法は、特に制限されないが、例えば、半導体粒子および半導体粒子前駆体からなる群より選択される少なくとも1種と、ケイ素化合物とを含む混合液を調製する工程と、前記混合液を塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を処理する工程と、前記処理後の塗膜を増感処理する工程と、を含む製造方法が挙げられる。
前記塗膜を処理する工程において行われる処理方法としては、例えば、200〜1000℃での焼成処理、波長が200nmを超え400nm以下の紫外線を照射する処理、波長200nm以下の真空紫外線を照射する処理等が挙げられる。これらの処理方法の中でも、真空紫外線照射処理が好ましい。これにより、半導体粒子表面にケイ素化合物を効率的に担持することができ、色素の吸着性が向上し、効率や耐久性が向上する。また、ケイ素化合物の少なくとも一部は酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などに転化され、半導体粒子とケイ素化合物との密着性、すなわち担持性が向上し、耐久性が向上する。さらに、波長200nm以下の真空紫外光を照射することにより半導体粒子前駆体の半導体粒子への転化や、半導体粒子の結晶化の促進、すなわち導電性の向上を行うことができ、低温条件下やフレキシブルな支持体を用いた場合などにおいても、効率の高い色素増感型光電変換素子を得ることができる。
すなわち、本発明の色素増感型光電変換素子のより好ましい製造方法は、半導体粒子および半導体粒子前駆体からなる群より選択される少なくとも1種と、ケイ素化合物とを含む混合液を調製する工程と、前記混合液を塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、前記塗膜に、波長200nm以下の真空紫外線を照射する工程と、前記真空紫外線を照射した後の前記塗膜を増感処理する工程と、を含む製造方法である。
以下、本発明のより好ましい製造方法について、工程順に説明する。
<混合液を調製する工程>
本工程では、半導体粒子および半導体粒子前駆体からなる群より選択される少なくとも1種と、ケイ素化合物と、を含む混合液を調製する。
前記半導体粒子の具体例は、上記と同様であるので、ここでは説明を省略する。
前記半導体粒子前駆体は、加熱や光照射により半導体粒子に変換される前駆体であれば特に制限されない。半導体粒子が金属酸化物である場合、半導体粒子前駆体の例としては、例えば、金属アルコキシド、金属ハロゲン化物、加水分解可能な基を有する金属化合物等が挙げられる。ここで加水分解可能な基とは、プロトンあるいは水酸基により置換可能な基であれば何でも良いが、好ましくはアシルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アセチルアセトニル基などを挙げることができる。また、上記の金属化合物の前駆体を一部または全部加水分解したもの、その加水分解物を重合したもの、またはそれらの混合物も、前駆体として有効である。特に、金属アルコキシドまたは金属ハロゲン化物を、酸またはアルカリ条件下で、部分的に加水分解し、さらに部分的に重合した混合物は、低温での反応性にとみ、有効である。その場合の好ましい酸としては、塩酸、硝酸が挙げられるが、塩酸が最も好ましい。
前記半導体粒子前駆体のさらに具体的な例としては、例えば、テトラエトキシチタン、テトラ−iso−プロポキシチタン(チタンイソプロポキシド)、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テトラステアロキシチタン、ジ−iso−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナート)チタン等のチタンアルコキシド、オキソチタンビス(モノアンモニウムオキサレート)、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、iso−プロポキシチタンジメタクリレート−iso−ステアレート、iso−プロポキシチタントリス(4−アミノベンゾエート)、iso−プロポキシチタントリス(ジオクチルフォスフェート)等のチタンアシレート、ジヒドロキシ・ビス(ラクタート)チタン、ジヒドロキシ・ビス(アンモニウムラクタート)チタン、(エチレングリコラート)チタンビス(ジオクチルフォスフェート)等のチタンキレート、ポリ(ジ−iso−プロピルチタネート)、ポリ(ジ−n−ブチルチタネート)、ポリ(オクチレングリコールチタネート)等のチタンポリマー等の有機チタネート類;四臭化チタン、四塩化チタン等のチタンハロゲン化物;アセチルアセトナートスズなどが挙げられる。
前記半導体粒子および前記半導体粒子前駆体は併用してもよい。併用することで導電性を向上させたり、ポリシラザンやシルセスキオキサンなどのケイ素化合物の担持性、色素との吸着性などを向上させたりすることができるため好ましい。また、半導体粒子および半導体粒子前駆体は、それぞれ2種以上の化合物を併用しても良い。
また、ポリシラザンとシルセスキオキサンとは併用してもよい。併用することで半導体粒子への担持性が複合的になり、色素との吸着性が向上し好ましい。また、ポリシラザンやシルセスキオキサンは、それぞれ2種以上の化合物を併用してもよい。
前記溶媒としては、半導体粒子が分散可能なもの、または半導体粒子前駆体やポリシラザン、シルセスキオキサンが溶解可能なもの等を適宜選択して用いることができる。有機溶媒としては、水、メタノールやエタノール等のアルコール、メチルエチルケトン、アセトン、アセチルアセトン等のケトン、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸n−ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶剤は、分散する半導体粒子、溶解する半導体粒子前駆体やポリシラザンやシルセスキオキサンの種類、さらには塗布・乾燥の条件等に影響する溶剤の蒸発速度等、目的にあわせて選択し、複数の溶剤を混合しても良い。
また、後述の波長200nm以下の真空紫外光を照射する工程における半導体粒子へのケイ素化合物の担持を促進するために、前記混合液にはアミンや金属触媒を添加することができる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、アクアミカ(登録商標)NAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140などが挙げられる。
前記混合液には必要に応じて、例えば、界面活性剤、酸、またはキレート剤等を添加することができる。
<塗膜を形成する工程>
本工程では、上記工程で得られた混合液を導電性支持体上に塗布し、乾燥する。これにより、混合液中の固形分からなる塗膜が得られる。
塗布方法は、特に制限されず、例えば、ナチュラルコーター、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ロールコート、エアーナイフコート、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット、スプレー、ディップ、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、カーテンフローコーター、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、スピンコーター、ベーカーアプリケーターおよびグラビアコーター、スクリーン印刷機等の装置を用いる種々の塗布方法が挙げられる。
本発明に係る半導体層は、単層でもよいし、粒径および/または種類が異なる半導体粒子を含有する複数の層(多層構造)であってもよい。多層構造の場合、塗布方法の例としては、例えば、エクストルージョン法またはスライドホッパー法等の多層塗布法が挙げられる。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効である。また、多層塗布をする場合は同時に多層を塗布しても良く、数回から十数回重ね塗りしてもよい。重ね塗りであれば、スクリーン印刷法も好ましく使用できる。
塗布後の乾燥の条件も特に制限されず、主に溶媒の沸点等を考慮して適宜選択することができる。また、導電性基材への熱ダメージが少なくなるように、短時間で乾燥を行うことができる。乾燥温度は好ましくは200℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは100℃以下である。また、乾燥時間は、好ましくは1〜120分、より好ましくは1〜30分、さらに好ましくは1〜10分である。
<波長200nm以下の真空紫外線を照射する工程>
本工程では、上記のようにして得られた塗膜に対して、波長200nm以下の真空紫外線を照射する処理を行う。
真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
エキシマ光とは、希ガスエキシマーまたはヘテロエキシマーを動作媒質とするレーザー光である。Xe、Kr、Ar、Neなどの希ガスの原子は、化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電などによりエネルギーを得た希ガスの原子(励起原子)は、他の原子と結合して分子を作ることができる。希ガスがキセノンの場合には、
e+Xe→e+Xe
Xe+Xe+Xe→Xe +Xe
となり、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに172nmのエキシマ光を発光する。エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので効率が高いことが挙げられる。
また、余分な光が放射されないので、対象物の温度を低く保つことができる。さらには始動・再始動に時間を要さないので、瞬時の点灯点滅が可能である。
放電の形態は、誘電体バリア放電でも無電極電界放電でもいずれも使用できる。電極の形状は、ランプに接する面が平面であっても良いが、ランプの曲面に合わせた形状にすればランプをしっかり固定できるとともに、電極がランプに密着することにより放電がより安定する。また、アルミで曲面を鏡面にすれば光の反射板にもなる。
Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラディカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは、能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、転化、結晶化、担持等を実現できる。したがって、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板などへの照射を可能としている。
エキシマランプは、光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で、単一波長でエネルギーを照射するため、解射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を持っている。このため、熱の影響を受けやすいとされるPETなどのフレシキブルフィルム材料に適している。
真空紫外光の照射は、照射される塗膜を担持している基材がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定すべきである。基材としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、例えば、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、基材表面の強度が好ましくは20〜300mW/cm、より好ましくは50〜200mW/cmになるように基材−ランプ間距離を設定し、好ましくは0.1秒〜10分間の照射を行うことができる。
真空紫外線照射の雰囲気は特に制限されず、空気、N、アンモニア等、適宜選択することができる。
<増感処理する工程>
本工程では、真空紫外線照射された塗膜を増感処理する。具体的には、色素を適切な溶媒に溶解させ色素溶液を調製し、その色素溶液に真空紫外線照射された塗膜を有する導電性支持体(導電性基材2および透明導電膜3)を浸漬する。
この際、真空紫外線照射した塗膜を有する導電性支持体に対して、予め減圧処理したり加熱処理したりして半導体層中の気泡を除去しておくことが好ましい。このような処理により、色素が半導体層の内部に深く進入できるようになる。半導体層が多孔質である場合には、このような気泡除去の処理はさらに有効となる。
塗膜を備えた導電性支持体を、色素を含む溶液に浸漬させる時間は、色素が塗膜に深く進入して吸着等を充分に進行させ、半導体粒子を十分に増感させ、且つ、溶液中での色素の分解等により生成して分解物が色素の吸着を妨害することを抑制するという観点から、25℃条件下では3時間〜48時間の浸漬時間が好ましく、より好ましくは4時間〜24時間である。浸漬を行うことにより得られる効果は、特に半導体膜が多孔質構造膜である場合において顕著である。ただし、上記浸漬時間については25℃条件での値であり、温度条件を変化させた場合には、上記の限りではない。
浸漬にあたり、色素を含む溶液は、前記色素が分解しない限りにおいて、沸騰しない温度にまで加熱して用いてもよく、好ましい温度範囲は5℃〜100℃であり、より好ましくは25℃〜80℃である。溶媒が前記温度範囲で沸騰する場合には、別途調整が必要である。
色素を溶解するために用いる溶媒は、色素を溶解することができ、かつ半導体粒子を溶解したり半導体粒子と反応したりすることがないものであれば、格別の制限はない。溶媒に溶解している水分および気体が半導体膜に進入して、色素の吸着等の増感処理を妨げることを防ぐために、溶媒は予め脱気処理および蒸留精製しておくことが好ましい。
好ましく用いられる溶媒としては、例えば、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロパノール、t−ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、1,1,2−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒等が挙げられる。これら溶媒は、単独でもまたは2種以上混合しても用いることができる。より好ましくは、アセトニトリル、アセトニトリル/メタノール混合溶媒、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、または塩化メチレンである。
一般に、半導体層の厚さが厚くなるほど、単位投影面積当たりの担持色素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大きくなる。したがって、半導体層の好ましい厚さは0.5〜100μmである。本発明の色素増感型光電変換素子を太陽電池に用いる場合、半導体層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好ましい。半導体粒子の導電性基材1m当たりの塗布量は1.0〜100gが好ましく、4〜50gがより好ましい。半導体層の含有率で換算すると、40%〜98%、好ましくは50%〜95%である。
半導体層はどのような構造を有していてもよいが、多孔質構造膜(空隙を有する層、ポーラスな層ともいう)であることが好ましい。
半導体層の空隙率は10体積%以下が好ましく、より好ましくは8体積%以下であり、さらに好ましくは0.01〜5体積%である。なお、半導体層の空隙率は誘電体の厚み方向に貫通性のある空隙率を意味し、水銀ポロシメーター(島津ポアライザー9220型)等の市販の装置を用いて測定する。
この後、対向電極を積層することにより、本発明の色素増感型光電変換素子が得られる。
≪太陽電池≫
本発明は、本発明の色素増感型光電変換素子を有する太陽電池を提供する。本発明の太陽電池の一例としては、例えば、図1に示す本発明の色素増感型光電変換素子の半導体電極10の構成層である透明導電層3と、対向電極9の構成層である導電層7とに、各々端子をつけて回路を形成し、光電流を取り出す形態が挙げられる。
本発明の太陽電池は、太陽光に最適の設計および回路設計が行われ、太陽光を光源として用いたときに最適な光電変換が行われるような構造を有することが好ましい。即ち、色素増感された半導体粒子に太陽光が照射される構造となっていることが好ましい。
本発明の太陽電池に太陽光または太陽光と同等の電磁波を照射すると、半導体粒子に担持された色素は、照射された光または電磁波を吸収して励起する。
励起によって発生した電子は、半導体粒子に移動し、次いで透明導電層3および太陽電池に接続された回路を経由して、対向電極9に移動して、電荷輸送層のレドックス電解質を還元する。なお、触媒層6には白金層、導電材料に白金メッキや白金蒸着を施したもの、ロジウム、ルテニウム、酸化ルテニウム、カーボン等の材料が用いられ、例えば、電荷輸送層5中のI3−イオンの還元や、その他のレドックスイオンの還元反応を十分な速度で行わせる触媒能を有する材料が好ましく用いられる。
一方、半導体粒子に電子を移動させた色素は酸化体となっているが、対向電極9から電荷輸送層5のレドックス電解質を経由して電子が供給されることにより、還元されて元の状態に戻り、同時に電荷輸送層5のレドックス電解質は酸化されて、再び対向電極9から供給される電子により還元されうる状態に戻る。
このようにして電子が流れ、本発明の色素増感型光電変換素子を用いて本発明の太陽電池を構成することができる。
本発明の太陽電池を構成する際には、図1に記載の半導体電極10、電荷輸送層5および対向電極9をケース内に収納して封止するか、あるいはそれら全体を樹脂封止することが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
《色素増感型光電変換素子1の作製》
<半導体電極10(導電性基材2、透明導電膜3、半導体層4)の形成>
酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次粒子の平均粒径18nm、以下単にペーストAとも称する)に、パーヒドロポリシラザン(PHPS)の20質量%ジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、アクアミカ(登録商標)NN320、以下単にPHPS溶液とも称する)を、ペーストA:PHPS溶液=3:2(質量比)の割合で混合し混合液を調製し、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)薄膜を有するポリエチレンナフタレート(PEN)基材(図1の導電性基材2および透明導電膜3に相当)へスクリーン印刷法(塗布面積:5mm×5mm)により該混合液を塗布した。
塗布および乾燥(120℃で3分間)を3回繰り返し、下記の条件でエキシマ照射し、厚さ15μmの半導体層を得た。
この半導体層上に重ねて、酸化チタンペースト(アナターゼ型、1次平均粒径400nm)を同様の方法で塗布し、厚さ5μmの酸化チタン薄膜を重ね塗りした。
色素として、シス−ビス(イソチオシアナト)ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボキシラト)−ルテニウム(II)ビステトラブチルアンモニウム色素(N719色素:ペクセルテクノロジーズ社製、上記化学式(37)で表される化合物)をアセトニトリル:t−ブチルアルコール=1:1の混合溶媒に溶解させ、5×10−4モル/lの溶液を調製した。
酸化チタンを塗布焼結させたFTO薄膜を有するPEN基板を、この溶液に室温(25℃)で20時間浸漬させて、色素の吸着処理を行って半導体層4を形成させ、半導体電極10を作製した。
<エキシマ照射装置>
株式会社エム・ディ・コム製、エキシマ照射装置(MODEL:MECL−M−1−200、波長 172nm、ランプ封入ガス Xe)の稼動ステージ上に試料を固定し、以下の条件で試料の改質処理を行った。
<エキシマ照射処理>
得られた塗布試料を、温度85℃、湿度55%RHの雰囲気下で1分間処理し、乾燥試料を得た。この乾燥試料をさらに温度25℃、湿度10%RH(露点温度−8℃)の雰囲気下に10分間保持し、除湿処理を行い、下記の条件でエキシマ照射処理を行った。エキシマ照射時の露点温度は−8℃で実施した。
<処理条件>
エキシマ光強度 130mW/cm(172nm)
試料と光源の距離 1mm
ステージ加熱温度 70℃
照射装置内の酸素濃度 1%
エキシマ照射時間 3秒
<電荷輸送層5および対向電極9(導電性基材8、導電層7、触媒層6)の形成>
触媒層6として白金を蒸着し、導電層7としてクロムを蒸着した注入口のあるガラス板(導電性基材8に相当)を対向電極9(導電性基材8、導電層7、触媒層6)として用い、上記の半導体電極10と熱硬化樹脂フィルムとを貼合、接着した後、下記の電解液を注入口から注入後、封止した。
<電解液の調製>
ヨウ化1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウム 0.6モル/l、ヨウ化リチウム 0.1モル/l、ヨウ素 0.05モル/l、および4−(t−ブチル)ピリジン 0.5モル/lをそれぞれ含む3−メトキシプロピオニトリル溶液を電解液として調製した。
<紫外線吸収層の形成>
酸化亜鉛ナノ粒子を、アクリル樹脂およびエポキシ基含有シランカップリング剤(質量比19:1)の酢酸エチル溶液に超音波を用いて単分散させた。得られた分散液を、半導体電極10を構成するPEN基材(図1の2)の半導体層とは反対側の表面に、バーコーターを用いて塗布した。その後、80℃で1時間熱処理することにより溶媒の乾燥および膜の硬化を行い、膜厚1μmの紫外線吸収層1をPEN基材(図1の2)の半導体層とは反対側の表面に形成し、色素増感型光電変換素子(試料番号:色素増感型光電変換素子1)を作製した。
(実施例2)
《色素増感型光電変換素子2の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、ペーストAおよび上記化学式S−25で表されるシルセスキオキサンを、ペーストA:シルセスキオキサン=3:0.4(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感型光電変換素子2を作製した。
(実施例3)
《色素増感型光電変換素子3の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、ペーストA、PHPS溶液、およびチタンイソプロポキシドと1Nの塩酸とを1:5(質量比)の割合で混合した前駆体混合液X(以下、単に前駆体混合液Xとも称する)を、ペーストA:PHPS溶液:前駆体混合液X=3:2:1(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして色素増感型光電変換素子3を作製した。
(実施例4)
《色素増感型光電変換素子4の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、ペーストA、上記化学式S−25で表されるシルセスキオキサン、および前駆体混合液Xを、ペーストA:シルセスキオキサン:前駆体混合液X=3:0.4:1(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子4を作製した。
(実施例5)
《色素増感型光電変換素子5の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、ペーストA、PHPS溶液、上記化学式S−25で表されるシルセスキオキサン、および前駆体混合液Xを、ペーストA:PHPS溶液:シルセスキオキサン:前駆体混合液X=3:1:0.2:1(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子5を作製した。
(実施例6)
《色素増感型光電変換素子6の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、ペーストA、PHPS溶液、上記化学式S−25で表されるシルセスキオキサン、前駆体混合液X、およびアセチルアセトナートスズと酢酸n−ブチルとを1:5の割合で混合した前駆体混合液Y(以下、単に前駆体混合液Yとも称する)を、ペーストA:PHPS溶液:シルセスキオキサン:前駆体混合液X:前駆体混合液Y=3:1:0.2:0.5:0.5(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子6を作製した。
(実施例7)
《色素増感型光電変換素子7の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、ペーストA、PHPS溶液、前駆体混合液X、および前駆体混合液Yを、ペーストA:PHPS溶液:前駆体混合液X:前駆体混合液Y=3:1:0.5:0.5(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子7を作製した。
(実施例8)
《色素増感型光電変換素子8の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、PHPS溶液および前駆体混合液Xを、PHPS溶液:前駆体混合液X=1:4(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、同様にして色素増感型光電変換素子8を作製した。
(実施例9)
《色素増感型光電変換素子9の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、上記化学式S−25で表されるシルセスキオキサンおよび前駆体混合液Xをシルセスキオキサン:前駆体混合液X=0.4:4(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子9を作製した。
(実施例10)
《色素増感型光電変換素子10の作製》
前駆体混合液Xの代わりに、前駆体混合液Yを用いたこと以外は、実施例3と同様にして、色素増感型光電変換素子10を作製した。
(実施例11)
《色素増感型光電変換素子11の作製》
ペーストAの代わりに、酸化タングステンペースト(1次平均粒径35nm、以下、単にペーストCとも称する)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、色素増感型光電変換素子11を作製した。
(実施例12)
《色素増感型光電変換素子12の作製》
ペーストA、PHPS溶液、および前駆体混合液Xの混合液の代わりに、ペーストA、ペーストC、PHPS溶液、および前駆体混合液Xを、ペーストA:ペーストC:PHPS溶液:前駆体混合液X=1.5:1.5:2:1(質量比)の割合で混合した混合物を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、色素増感型光電変換素子12を作製した。
(実施例13)
《色素増感型光電変換素子13の作製》
PHPS溶液の代わりに、アクアミカ(登録商標)MHPS−20DB(オルガノポリシラザン、AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製、20質量%ジブチルエーテル溶液)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、色素増感型光電変換素子13を作製した。
(実施例14)
《色素増感型光電変換素子14の作製》
上記化学式S−25で表されるシルセスキオキサンの代わりに、上記化学式S−41で表されるシルセスキオキサンを用いたこと以外は、実施例4と同様にして、色素増感型光電変換素子14を作製した。
(実施例15)
《色素増感型光電変換素子15の作製》
PHPS溶液の代わりに、テトラエトキシシラン(信越化学工業株式会社製、KBE−04、20質量%ジブチルエーテル溶液)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、色素増感型光電変換素子15を作製した。
(実施例16)
《色素増感型光電変換素子16の作製》
エキシマ照射処理を行わずに、200℃で10分間の焼成処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子16を作製した。
(実施例17)
《色素増感型光電変換素子17の作製》
エキシマ照射処理を行わずに、空気下、高圧水銀ランプを使用して1.0J/cmの積算光量で紫外線照射処理を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子17を作製した。
(実施例18)
《色素増感型光電変換素子18の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりに、ペーストAおよび上記化学式S−25で表されるシルセスキオキサンを、ペーストA:シルセスキオキサンをペーストA:シルセスキオキサン=3:0.4(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、実施例17と同様にして、色素増感型光電変換素子18を作製した。
(比較例1)
《色素増感型光電変換素子19の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりにペーストAのみを用い、さらにエキシマ照射処理を行わずに、500℃で15分間の焼成処理を行ったこと以外は、実施李1と同様にして、色素増感型光電変換素子18を作製した。
(比較例2)
《色素増感型光電変換素子20の作製》
ペーストAとPHPS溶液との混合液の代わりにペーストAのみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、色素増感型光電変換素子20を作製した。
(比較例3)
《色素増感型光電変換素子21の作製》
ペーストAの代わりに、ペーストAと前駆体混合液Xとをペースト:前駆体混合液X=3:1(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、比較例2と同様にして、色素増感型光電変換素子21を作製した。
(比較例4)
《色素増感型光電変換素子22の作製》
ペーストAと前駆体混合液Xとの混合液の代わりに、ペーストA、前駆体混合液X、および分子量20000のポリエチレングリコール(PEG)を、ペースト:前駆体混合液X:PEG=3:1:0.1(質量比)の割合で混合した混合液を用いたこと以外は、比較例3と同様にして、色素増感型光電変換素子22を作製した。
《太陽電池1〜22の作製》
色素増感型光電変換素子1〜22の透明導電膜3および導電層7に、各々端子を付けて光電流を取り出すようにして、太陽電池1〜22を作製した。
得られた太陽電池1〜22について、下記のようにして発電特性を評価した。
(発電特性)
ソーラーシミュレータ(英弘精機株式会社製)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから100mW/cmの擬似太陽光を照射し、各光電変換素子について、I−Vテスターを用いて、室温(25℃)にて電流−電圧特性を測定して、太陽電池1〜22が具備する色素増感型光電変換素子1〜22の光電変換効率を求めた。
(耐候性の評価)
初期発電特性としての変換効率を測定し、性能の経時的低下の度合いを、メタルハライドランプ方式の耐候性試験機(ダイプラ・ウィンテス社製)を使用し、試料面放射強度:2.16MJ/m以下、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%RH、照射時間500時間の条件で耐候性試験を行い、その後、温度85℃、湿度85%RH環境で3000時間保存した加速試験後の変換効率残存率(加速試験後の変換効率/初期変換効率×100(%))を求め、下記の基準に従って、光、熱、および湿度に対する耐候性を評価した。
5:加速試験後の変換効率残存率が、90%以上である
4:加速試験後の変換効率残存率が、70%以上、90%未満である
3:加速試験後の変換効率残存率が、40%以上、70%未満である
2:加速試験後の変換効率残存率が、20%以上、40%未満である
1:加速試験後の変換効率残存率が、20%未満である
評価結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本発明の色素増感型有機光電変換素子を用いた太陽電池は、比較例の色素増感型有機光電変換素子と比べて、高いエネルギー変換効率を有し、耐候性に優れている。
1 紫外線吸収層、
2 導電性基材(光入射面側)、
3 透明導電膜(透明導電層)、
4 半導体層、
5 電荷輸送層、
6 触媒層、
7 導電層、
8 導電性基材、
9 対向電極、
10 半導体電極、
11 光入射。

Claims (5)

  1. 導電性基材上に、半導体層、電荷輸送層、および対向電極を順次有する、色素増感型光電変換素子であって、
    前記半導体層は、増感色素およびケイ素化合物が担持された半導体粒子を有する、色素増感型光電変換素子。
  2. 前記ケイ素化合物は、ポリシラザンおよびシルセスキオキサンからなる群より選択される少なくとも1種に真空紫外線を照射して形成される化合物である、請求項1に記載の色素増感型光電変換素子。
  3. 導電性基材上に、半導体層、電荷輸送層、および対向電極を順次有する、色素増感型光電変換素子の製造方法であって、
    半導体粒子および半導体粒子前駆体からなる群より選択される少なくとも1種と、ケイ素化合物とを含む混合液を調製する工程と、
    前記混合液を塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、
    前記塗膜に、波長200nm以下の真空紫外線を照射する工程と、
    前記真空紫外線を照射した後の前記塗膜を増感処理する工程と、
    を含む、色素増感型光電変換素子の製造方法。
  4. 前記ケイ素化合物は、ポリシラザンおよびシルセスキオキサンからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の色素増感型光電変換素子の製造方法。
  5. 請求項1もしくは2に記載の色素増感型光電変換素子、または請求項3もしくは4に記載の製造方法により得られる色素増感型光電変換素子を有する、太陽電池。
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