JP2013181809A - 距離測定方法及び距離測定システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】送信器2と、受信器3と、信号処理装置4と、距離測定装置5とを備えた距離測定システム1において、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法であって、参照波及び測定波を作成するとき、正位相の波形データ、逆位相の波形データ及び正位相の波形データを連続して送信器2に送信することにより、振幅の大小がはっきりした波形を作成する。
【選択図】図2
Description
そのため、誤差が生じた相関値の最大値に基づいて距離を測定するため、正確な距離を測定することが困難であった。
前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データ(例えば、後述の標本データF[i])を作成する準備工程(例えば、後述の工程S1)と、
前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データ(例えば、後述の測定データg[m])を作成する測定工程(例えば、後述の工程S2)と、
前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定するピーク検索工程(例えば、後述の工程S32)と、
前記ピーク検索工程で特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出する距離算出工程(例えば、後述の工程S33)と、を含み、
前記準備工程及び前記測定工程は、いずれも前記送信器に対して、
最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信する超音波生成工程(例えば、後述の工程S111、112、113、114、115)を含むことを特徴とする距離測定方法。
次にピーク検索工程では、測定データと標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、相互相関値が最大となる標本データの相対位置を特定し、次の距離算出工程では、ピーク検索工程で特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出する。
送信器に対して1つ目の正位相の送信波形データを送信し、続けて2つ目の逆位相の送信波形データを送信するため、送信器の超音波素子に残留している振動は逆向きの振動によって急激に抑制される。これにより、1つ目の超音波の波形はピーク後急激に振幅を小さくし、1つ目の超音波波形と2つ目の超音波波形との間にくびれを形成する。その後、更に正位相の(2つ目の逆位相の信号に対しては逆位相に相当する)3つ目の送信波形データを送信するため、送信器の超音波素子に残留している2つ目の波形の振動は、逆向きの振動によって急激に抑制される。これにより、同様に、2つ目の波形はピーク後急激に振幅を小さくし、2つ目の超音波波形と3つ目の超音波波形との間にくびれを形成する。
このように2つ目の波形は、ピークの前後にくびれを有し、波形の振幅の大小がはっきりと表れている。これによって、受信する超音波の波形に大小が強く出るため、相互相関時の相関値に差が出やすくなり、ノイズの影響を受け難くなり、距離測定の精度を高めることができる。
前記距離測定システムは、更に、前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データ(例えば、後述の標本データF[i])を作成すると共に、前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データ(例えば、後述の測定データg[m])を作成する信号処理装置(例えば、後述の信号処理装置4)を備え、
前記距離測定装置は、前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定し、特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出するものであり、
前記距離測定装置は、更に、前記参照波及び前記測定波を生成するために、前記送信器に対して、最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信するものであることを特徴とする距離測定システム。
図1は、本実施形態に係る距離測定方法が適用された距離測定システム1の構成を示す模式図である。距離測定システム1は、超音波を送信する送信器2と、送信器2から送信された超音波を受信する受信器3と、波形データと電気信号の変換を行う信号処理装置4と、送信された波形データに基づいて各種演算を行う距離測定装置5と、を含んで構成される。この距離測定システム1は、送信器2から所定のタイミングで送信された超音波を受信器3で受信すると共に、距離測定装置5により受信器3における超音波の到達時刻を相互相関値の計算に基づいて特定し、この到達時刻と既知の超音波の伝播速度から送信器2と受信器3との間の距離を測定する。
送信器2は、超音波素子を含み、信号処理装置4からの電気信号(送信波形データ信号)の入力を受け付けたことに応じて、電気信号を超音波に変換して、超音波を受信器3へ向けて送信する。
距離測定装置5は、信号処理装置4から入力を受け付けた波形データに基づいて、後述の各種演算処理を行うことにより距離を算出する。
図2(a)に示す従来の波形は、振幅が最大になる点を中心とした所定の幅の区間にわたってデータを切り出したウィンドウ内において、振幅の大小がはっきりしないため、ノイズの影響を受けやすい波形形状である。
これに対して、図2(b)に示す本実施形態の超音波波形は、連続した3つのピークを有しており、それぞれのピークの間には、はっきりとした「くびれ」が形成されている。特に、中央のピークにおいて、波形形状の振幅の大小がはっきりと表れている。
後述の通り、中央のピーク、すなわち振幅が最大になる点を中心とした所定の幅の区間にわたってデータを切り出したウィンドウ内のデータを、準備工程に用いる参照波において標本データF[i]として、測定工程に用いる測定波において測定データg[m]として、それぞれ用いる。
図2(b)に示す本実施形態の波形は、仮にノイズが混入した場合であっても、波形形状の振幅の大小がはっきりと表れているため、ノイズの影響を受け難く、相関関係を判断しやすい。
前述の通り、距離測定装置5は、先ず所定の波形形状の波形データを変調信号として所定の周波数のキャリア波データを振幅変調して送信波形データを生成して、生成した送信波形データを信号処理装置4に入力する。信号処理装置4は、入力を受け付けた波形形状信号を電気信号に変換し、電気信号を送信器2に入力する。従って、送信器2に入力される波形データは、所定の波形形状の波形データに等しい。送信器2は、その電気信号(送信波形データに基づく)に従って超音波素子を振動させて超音波を送信する。
一方、キャリア波データの周波数は、受信機3の超音波センサの特性に合わせて設定してよく、本実施形態では40kHzとしている。
これは、送信器2の超音波素子の慣性の影響により振動が入力された波形データの急な変化に追従できないことが原因と考えられる。
2つ目の超音波は、1つ目の超音波とは逆位相であるため、送信器2の超音波素子に逆の振動が与えられて1つ目の超音波の振動は急激に抑制される。これにより、1つ目の波形はピーク後急激に振幅を小さくし、くびれを形成する。2つ目の波形は、ピーク後の波形において、図3(a)の波形と同様に、振幅が残っている。
2つ目の超音波は、1つ目の超音波とは逆位相であるため、送信器2の超音波素子は逆の振動が与えられて1つ目の超音波の振動(h1、h2、h3)は急激に抑制される。これにより、1つ目の波形はピーク(h2)後急激に振幅を小さくし、くびれ(h3)を形成する。その後、2つ目の波形は、速やかに波形の振幅を増大し、ピーク(h4)に達する。ここで、3つ目の超音波は、2つ目の超音波とは逆位相であるため、送信器2の超音波素子に逆の振動が与えられて2つ目の超音波の振動は急激に抑制される。従って、同様に、2つ目の超音波(h3、h4、h5)は、ピーク(h4)後急激に振幅を小さくし、くびれ(h5)を形成する。このように2つ目の波形は、ピーク(h4)の前後にくびれ(h3、h5)を有し、波形の振幅の大小がはっきりと表れている。
先ずS1では、S2及びS3に示す測定工程に先立つ準備工程として、相関用データを生成する。より具体的には、送信器2及び受信器3により超音波である参照波を送受信し、受信器3で受信した参照波に基づいて相関用データを生成する。ここで参照波を生成するために送信器2に送信する送信波形データとしては、図2(b)に示すものを用いる。なお、相関用データ生成の詳細な手順については、図5及び図6を参照して後述する。
S11では、相関用データの元となる参照波を送信し、S12に移る。このS11では、具体的には、前述の通り、図3(b)に示す略正弦波形状の波形の正位相の送信波形データ、逆位相の送信波形データ及び正位相の送信波形データを連続して信号処理装置4に入力し、信号処理装置4によって電気信号に変換して送信器2に入力する。送信器2は、入力された電気信号に基づき、参照波である超音波を送信する。
送信器2が送信する超音波の周波数は、用いられるキャリア波データの周波数に等しく、前述の通り、本実施形態においては40kHzである。
以下、この処理(超音波生成工程)の手順について具体的に説明する。
S111では、距離測定装置5は、記憶部から送信しようとする所定の波形形状の波形データを読み出し、読み出された所定の波形形状の波形データを変調信号として所定の周波数のキャリア波データを振幅変調して送信波形データを作成する。作成された送信波形データは、図3(b)に示すように中央にピークを有する形状になっている。
ここで、記憶部から送信しようとする所定の波形形状の波形データを読み出し、その波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調して送信波形データを作成する代わりに、予め送信しようとする所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調して送信波形データを作成して記憶部に保存しておき、S111で記憶部から読み出すように構成してもよい。
以下、S111で作成した、または読み出した送信波形データを正位相送信波形データという。
本実施形態では、S11で生成した波形データから500点のデータを切り出すことにより、標本データF[i](i=0〜499)を生成する。
S21では、信号処理装置4から電気信号を送信器2に送信し、送信器2から測定波を送信させ、S22に移る。
ここにおいても、S11と同様に、図3(b)に示す略正弦波形状の波形データの正位相の送信波形データ、逆位相の送信波形データ及び正位相の送信波形データを連続して信号処理装置4に入力し、信号処理装置4によって電気信号に変換して送信器2に入力する。送信器2は、入力された電気信号に基づき、測定波である超音波を送信する。送信器2が送信する超音波の周波数は、同様に40kHzである。
S31では、測定データg[m]のうち振幅最大となる時刻位置を抽出する。測定データg[m]の振幅最大となる時刻位置を予め抽出しておくことにより、振幅が最大となる中心付近においてのみ測定データと相関用データとの相互相関値の計算を行うことができるのでピークの検索にかかる計算回数を減らすことができる。
図中P2は、図2(a)に示す超音波波形を参照波及び測定波に用いたときの相互相関値の波形を示す。図から明らかなように、相互相関値が最大となるピークはなだらかであり、ノイズによって相互相関値が最大となる伝播時刻位置に誤差が含まれ易い。
これに対して、P1は、図2(a)に示す本実施形態に係る超音波波形を参照波及び測定波に用いたときの相互相関値の波形を示す。相互相関値が最大となるピークは峻険であり、ノイズによっても互相関値が最大となる伝播時刻位置に誤差が含まれ難い。従って、本実施形態に係る超音波波形を参照波及び測定波に用いることにより距離測定の精度を高めることができる。
例えば、上記実施形態で挙げたキャリア波データの周波数やサンプリングデータ数などの具体的な値は一例であり、本発明はこれに限るものではない。
2・・・送信器
3・・・受信器
4・・・信号処理装置
5・・・距離測定装置
Claims (4)
- 超音波を送信する送信器と、当該送信器から送信された超音波を受信する受信器と、前記送信器から超音波を前記受信器に向けて送信するために、所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データを生成する距離測定装置と、を備えた距離測定システムにおいて、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法であって、
前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データを作成する準備工程と、
前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データを作成する測定工程と、
前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定するピーク検索工程と、
前記ピーク検索工程で特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出する距離算出工程と、を含み、
前記準備工程及び前記測定工程は、いずれも前記送信器に対して、
最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信する超音波生成工程を含むことを特徴とする距離測定方法。 - 前記超音波生成工程において送信される1つ目の正位相の送信波形データと、2つ目の逆位相の送信波形データと、3つ目の正位相の送信波形データは、いずれも略正弦波形状の波形データであることを特徴とする請求項1に記載の距離測定方法。
- 前記超音波生成工程において、前記1つ目の正位相の送信波形データを振幅最大部まで送信した時点で前記2つ目の逆位相の送信波形データの送信を開始し、前記2つ目の逆位相の送信波形データを振幅最大部まで送信した時点で前記3つ目の正位相の送信波形データの送信を開始することを特長とする請求項2に記載の距離測定方法。
- 超音波を送信する送信器と、当該送信器から送信された超音波を受信する受信器と、前記送信器から超音波を前記受信器に向けて送信するために、所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データを生成すると共に、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定装置とを、備えた距離測定システムにおいて、
前記距離測定システムは、更に、前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データを作成すると共に、前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データを作成する信号処理装置を備え、
前記距離測定装置は、前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定し、特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出するものであり、
前記距離測定装置は、更に、前記参照波及び前記測定波を生成するために、前記送信器に対して、最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信するものであることを特徴とする距離測定システム。
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JP2010217046A (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-30 | Toyama Prefecture | 超音波を用いた温度測定方法及び温度測定装置 |
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