JP2013181809A - 距離測定方法及び距離測定システム - Google Patents

距離測定方法及び距離測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法において、送信する超音波の波形形状を相互相関時の相関値に相違点が表れやすい波形とし、距離測定の精度を高める。
【解決手段】送信器2と、受信器3と、信号処理装置4と、距離測定装置5とを備えた距離測定システム1において、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法であって、参照波及び測定波を作成するとき、正位相の波形データ、逆位相の波形データ及び正位相の波形データを連続して送信器2に送信することにより、振幅の大小がはっきりした波形を作成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、距離測定方法及び距離測定システムに関し、より詳しくは相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法及び距離測定システムに関する。
従来より、超音波を用いた距離測定方法が知られている。この方法では、既知の超音波の伝播速度と、距離を測定するために送受信した超音波の受信器における到達時刻とに基づいて、送信器と受信器との間の距離を測定する。すなわち、送受信器との間の超音波の伝搬時間により距離を測定するため、この方法において距離の測定精度を高めるには、受信器における超音波の到達時刻を高精度で特定することが必要となる。
超音波の到達時刻を精度良く特定するための方法の1つとして、相互相関値の計算に基づく方法が知られている。この方法では、測定のために送受信した測定波の形状と、予め測定しておいた参照波の形状とを比較し、これら測定波と参照波の位相が一致する時刻から、測定波の到達時刻を特定する。ここで、2つの波の位相が一致する時刻は、測定波の波形形状と参照波の波形形状との相関値の最大値を検索することにより特定される(特許文献1参照)。この方法によれば、波形形状のみにより到達時刻を特定できるため、送信器や受信器などの特性による位相遅延の影響が小さい、という利点がある。
国際公開第2008/091012号公報
しかしながら、ノイズ等の影響によって波形形状に乱れが生じた場合に、測定波の波形形状の振幅の大小が少ないと、測定波の波形形状と参照波の波形形状との相関値の最大値を検索することが困難になるため、測定波の波形形状と参照波の波形形状との相関値の最大値に誤差が生じ易くなる。具体的には、例えば、図2の(a)に示すような測定波の波形形状の場合、ノイズが発生すると振幅が最大となる時間的位置が明確ではなく、振幅が最大となる時間的位置の相関を正しく算出することは容易でない。
そのため、誤差が生じた相関値の最大値に基づいて距離を測定するため、正確な距離を測定することが困難であった。
そこで、本発明は、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法及び距離測定システムであって、送信する超音波の波形形状を相互相関時の相関値に相違点が表れやすい波形とし、距離測定の精度を高める距離測定方法及び距離測定システムを提供することを目的とする。
(1)超音波を送信する送信器(例えば、後述の送信器2)と、当該送信器から送信された超音波を受信する受信器(例えば、後述の受信機3)と、前記送信器から超音波を前記受信器に向けて送信するために、所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データを生成する距離測定装置(例えば、後述の距離測定装置5)と、を備えた距離測定システムにおいて、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法であって、
前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データ(例えば、後述の標本データF[i])を作成する準備工程(例えば、後述の工程S1)と、
前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データ(例えば、後述の測定データg[m])を作成する測定工程(例えば、後述の工程S2)と、
前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定するピーク検索工程(例えば、後述の工程S32)と、
前記ピーク検索工程で特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出する距離算出工程(例えば、後述の工程S33)と、を含み、
前記準備工程及び前記測定工程は、いずれも前記送信器に対して、
最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信する超音波生成工程(例えば、後述の工程S111、112、113、114、115)を含むことを特徴とする距離測定方法。
(1)の距離測定システムによれば、先ず準備工程では、所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データに基づき送信器により超音波である参照波を送信し、受信器で受信した参照波について標本データを作成し、次に測定工程では、同じく所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データに基づき送信器により超音波である測定波を送信し、受信器で受信した測定波について測定データを作成する。
次にピーク検索工程では、測定データと標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、相互相関値が最大となる標本データの相対位置を特定し、次の距離算出工程では、ピーク検索工程で特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出する。
ここで、本発明では、準備工程において参照波、及び測定工程において測定波として、それぞれ送信器によって発信される超音波は、いずれも送信器に対して、最初に送信波形データを正位相で送信し、続けて送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて送信波形データを正位相で送信する超音波生成工程によって形成されている。
送信器に対して1つ目の正位相の送信波形データを送信し、続けて2つ目の逆位相の送信波形データを送信するため、送信器の超音波素子に残留している振動は逆向きの振動によって急激に抑制される。これにより、1つ目の超音波の波形はピーク後急激に振幅を小さくし、1つ目の超音波波形と2つ目の超音波波形との間にくびれを形成する。その後、更に正位相の(2つ目の逆位相の信号に対しては逆位相に相当する)3つ目の送信波形データを送信するため、送信器の超音波素子に残留している2つ目の波形の振動は、逆向きの振動によって急激に抑制される。これにより、同様に、2つ目の波形はピーク後急激に振幅を小さくし、2つ目の超音波波形と3つ目の超音波波形との間にくびれを形成する。
このように2つ目の波形は、ピークの前後にくびれを有し、波形の振幅の大小がはっきりと表れている。これによって、受信する超音波の波形に大小が強く出るため、相互相関時の相関値に差が出やすくなり、ノイズの影響を受け難くなり、距離測定の精度を高めることができる。
(2)前記超音波生成工程において送信される1つ目の正位相の送信波形データと、2つ目の逆位相の送信波形データと、3つ目の正位相の送信波形データは、いずれも略正弦波形状の波形データであることを特徴とする請求項1に記載の距離測定方法。
(2)の距離測定方法によれば、送受信する超音波を生成する「基礎波形」として安定性が高いので送信器から送信される超音波波形の形状が安定し、距離測定の精度を高めることができる。
(3)前記超音波生成工程において、前記1つ目の正位相の送信波形データを振幅最大部まで送信した時点で前記2つ目の逆位相の送信波形データの送信を開始し、前記2つ目の逆位相の送信波形データを振幅最大部まで送信した時点で前記3つ目の正位相の送信波形データの送信を開始することを特長とする請求項2に記載の距離測定方法。
(3)の距離測定方法によれば、超音波生成工程において、超音波の振幅が最大となった時点からそのときの超音波の振動と逆位相の送信波形データにより送信器の超音波素子の振動が強制的に抑制されるため、振幅が急激に小さくなり、くびれを有する超音波波形を効果的に形成することができる。これによって、距離測定の精度を更に高めることができる。
(4)超音波を送信する送信器(例えば、後述の送信器2)と、当該送信器から送信された超音波を受信する受信器(例えば、後述の受信機3)と、前記送信器から超音波を前記受信器に向けて送信するために、所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データを生成すると共に、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定装置(例えば、後述の距離測定装置5)とを、備えた距離測定システム(例えば、後述の距離測定システム1)において、
前記距離測定システムは、更に、前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データ(例えば、後述の標本データF[i])を作成すると共に、前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データ(例えば、後述の測定データg[m])を作成する信号処理装置(例えば、後述の信号処理装置4)を備え、
前記距離測定装置は、前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定し、特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出するものであり、
前記距離測定装置は、更に、前記参照波及び前記測定波を生成するために、前記送信器に対して、最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信するものであることを特徴とする距離測定システム。
(4)の距離測定システムによれば、(1)と同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法及び距離測定システムであって、送信する超音波の波形形状を相互相関時の相関値に相違点が表れやすい波形とし、距離測定の精度を高める距離測定方法及び距離測定システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る距離測定方法が適用された距離測定システムの構成を示す模式図である。 受信器で受信した送信超音波波形を示す図であり、aは従来の送信超音波波形であり、bは送信超音波波形を示す。 本実施形態に係る送信超音波波形の生成原理を説明する図である。 本実施形態に係る距離測定方法の手順を示すフローチャートの図である。 本実施形態に係る相関用データ生成の手順を示すフローチャートの図である。 本実施形態に係る送信超音波波形を生成させる手順を示すフローチャートの図である。 本実施形態に係る測定データ生成の手順を示すフローチャートの図である。 本実施形態に係る送受信器間距離算出の手順を示すフローチャートの図である。 本実施形態に係る相互相関値を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る距離測定方法が適用された距離測定システム1の構成を示す模式図である。距離測定システム1は、超音波を送信する送信器2と、送信器2から送信された超音波を受信する受信器3と、波形データと電気信号の変換を行う信号処理装置4と、送信された波形データに基づいて各種演算を行う距離測定装置5と、を含んで構成される。この距離測定システム1は、送信器2から所定のタイミングで送信された超音波を受信器3で受信すると共に、距離測定装置5により受信器3における超音波の到達時刻を相互相関値の計算に基づいて特定し、この到達時刻と既知の超音波の伝播速度から送信器2と受信器3との間の距離を測定する。
距離測定装置5は、所定のタイミングで所定の波形形状の波形データを記憶部から取り出し、その波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調し送信波形データを生成し、生成された送信波形データを信号処理装置4に入力する。信号処理装置4は、入力を受け付けた波形形状信号を電気信号に変換して、電気信号を送信器2に入力する。
送信器2は、超音波素子を含み、信号処理装置4からの電気信号(送信波形データ信号)の入力を受け付けたことに応じて、電気信号を超音波に変換して、超音波を受信器3へ向けて送信する。
受信器3は、超音波センサであってよく、送信器2から送信された超音波を受信し、電気信号に変換し、電気信号を信号処理装置4に入力する。信号処理装置4は、入力を受け付けた電気信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングすることによって当該電気信号に基づいて数値化した波形データを生成し、距離測定装置5に入力する。
距離測定装置5は、信号処理装置4から入力を受け付けた波形データに基づいて、後述の各種演算処理を行うことにより距離を算出する。
図2は、受信器で受信した超音波波形を示す図であり、図2(a)は従来の超音波波形であり、図2(b)は本実施形態の超音波波形を示す。これらは、それぞれ、受信機3で受信した超音波から生成した波形データ(後述)をプロットしたものである。
図2(a)に示す従来の波形は、振幅が最大になる点を中心とした所定の幅の区間にわたってデータを切り出したウィンドウ内において、振幅の大小がはっきりしないため、ノイズの影響を受けやすい波形形状である。
これに対して、図2(b)に示す本実施形態の超音波波形は、連続した3つのピークを有しており、それぞれのピークの間には、はっきりとした「くびれ」が形成されている。特に、中央のピークにおいて、波形形状の振幅の大小がはっきりと表れている。
後述の通り、中央のピーク、すなわち振幅が最大になる点を中心とした所定の幅の区間にわたってデータを切り出したウィンドウ内のデータを、準備工程に用いる参照波において標本データF[i]として、測定工程に用いる測定波において測定データg[m]として、それぞれ用いる。
図2(b)に示す本実施形態の波形は、仮にノイズが混入した場合であっても、波形形状の振幅の大小がはっきりと表れているため、ノイズの影響を受け難く、相関関係を判断しやすい。
図3は、本実施形態に係る送信超音波波形の生成原理を説明する図である。
前述の通り、距離測定装置5は、先ず所定の波形形状の波形データを変調信号として所定の周波数のキャリア波データを振幅変調して送信波形データを生成して、生成した送信波形データを信号処理装置4に入力する。信号処理装置4は、入力を受け付けた波形形状信号を電気信号に変換し、電気信号を送信器2に入力する。従って、送信器2に入力される波形データは、所定の波形形状の波形データに等しい。送信器2は、その電気信号(送信波形データに基づく)に従って超音波素子を振動させて超音波を送信する。
所定の波形形状の波形データは、送受信する超音波を生成するための「基礎波形」に相当する。この所定の波形形状の波形データとしては、図3(b)に示すような略正弦波形状の波形データであることが好ましい。
一方、キャリア波データの周波数は、受信機3の超音波センサの特性に合わせて設定してよく、本実施形態では40kHzとしている。
図3(a)に示す波形は、送信器2に図3(b)に示す略正弦波形状の波形を1つ送信した場合に受信器3が受信する超音波の波形データを示す。前述の通り、送信器2に入力される波形データは、所定の波形形状の波形データ、すなわち、図3(b)に示す略正弦波形状の波形データであるが、図3(a)に示す受信器3が受信する超音波の波形データは、図3(b)に示す送信器2に入力された波形データと異なる波形になっている。すなわち、図3(a)の超音波の波形データの中央部において振幅の差が顕著に表れておらず、また、ピーク後の波形において振幅が残っている。
これは、送信器2の超音波素子の慣性の影響により振動が入力された波形データの急な変化に追従できないことが原因と考えられる。
一方、図3(c)に示す波形は、送信器2に図3(b)に示す略正弦波形状の波形の送信波形データを2つ連続して送信したとき受信器3が受信する超音波の波形データを示す。1つ目の超音波が最大の振幅を示す時点で新たに同じ位相の送信波形データを送信器2に送信している。そのため、超音波素子の振動が増幅され2つ目の波形はさらに大きな振幅を示している。
図3(d)に示す波形は、送信器2に図3(b)に示す略正弦波形状の波形の送信波形データを最初に正位相、次に逆位相と位相を変えて2つ連続して送信したとき受信器3が受信する超音波の波形データを示す。1つ目の正位相の送信波形データによって超音波が最大の振幅を示す時点で新たに逆位相の送信波形データを送信器2に送信している。
2つ目の超音波は、1つ目の超音波とは逆位相であるため、送信器2の超音波素子に逆の振動が与えられて1つ目の超音波の振動は急激に抑制される。これにより、1つ目の波形はピーク後急激に振幅を小さくし、くびれを形成する。2つ目の波形は、ピーク後の波形において、図3(a)の波形と同様に、振幅が残っている。
図3(e)に示す波形は、送信器2に図3(b)に示す略正弦波形状の波形の送信波形データを、最初に正位相、次に逆位相、更に次に正位相と位相を変えて3つ連続して送信したとき受信器3が受信する超音波の波形データを示す。1つ目の正位相の送信波形データによって超音波が最大の振幅を示す時点h2で新たに逆位相の2つ目の送信波形データを送信器2に送信する。2つ目の逆位相の送信波形データによって超音波が最大の振幅を示す時点h4で新たに正位相(2つ目の送信波形データとは逆の位相)の3つ目の送信波形データを送信器2に送信する。
2つ目の超音波は、1つ目の超音波とは逆位相であるため、送信器2の超音波素子は逆の振動が与えられて1つ目の超音波の振動(h1、h2、h3)は急激に抑制される。これにより、1つ目の波形はピーク(h2)後急激に振幅を小さくし、くびれ(h3)を形成する。その後、2つ目の波形は、速やかに波形の振幅を増大し、ピーク(h4)に達する。ここで、3つ目の超音波は、2つ目の超音波とは逆位相であるため、送信器2の超音波素子に逆の振動が与えられて2つ目の超音波の振動は急激に抑制される。従って、同様に、2つ目の超音波(h3、h4、h5)は、ピーク(h4)後急激に振幅を小さくし、くびれ(h5)を形成する。このように2つ目の波形は、ピーク(h4)の前後にくびれ(h3、h5)を有し、波形の振幅の大小がはっきりと表れている。
図4は、本実施形態に係る距離測定方法の手順を示すフローチャートの図である。
先ずS1では、S2及びS3に示す測定工程に先立つ準備工程として、相関用データを生成する。より具体的には、送信器2及び受信器3により超音波である参照波を送受信し、受信器3で受信した参照波に基づいて相関用データを生成する。ここで参照波を生成するために送信器2に送信する送信波形データとしては、図2(b)に示すものを用いる。なお、相関用データ生成の詳細な手順については、図5及び図6を参照して後述する。
S2では、送信器2及び受信器3により超音波である測定波を送受信し、受信器3で受信した測定波に基づいて測定データを生成する。ここで測定波を生成するために送信器2に送信する送信波形データとしては、S1において送受信される参照波を生成するために送信器2に送信する送信波形データと同じく、図2(b)に示すものを用いる。なお、測定データ生成の詳細な手順については、図7を参照して後述する。
S3では、S1で生成した相関用データ及びS2で生成した測定データに基づいて、送受信器間の距離を算出する。なお、送受信器間の距離算出の詳細な手順については、図8を参照して後述する。
図5は、本実施形態に係る相関用データ生成の手順を示すフローチャートの図である。
S11では、相関用データの元となる参照波を送信し、S12に移る。このS11では、具体的には、前述の通り、図3(b)に示す略正弦波形状の波形の正位相の送信波形データ、逆位相の送信波形データ及び正位相の送信波形データを連続して信号処理装置4に入力し、信号処理装置4によって電気信号に変換して送信器2に入力する。送信器2は、入力された電気信号に基づき、参照波である超音波を送信する。
送信器2が送信する超音波の周波数は、用いられるキャリア波データの周波数に等しく、前述の通り、本実施形態においては40kHzである。
以下、この処理(超音波生成工程)の手順について具体的に説明する。
図6は、本実施形態に係る送信超音波波形を生成させる手順を示すフローチャートの図である。
S111では、距離測定装置5は、記憶部から送信しようとする所定の波形形状の波形データを読み出し、読み出された所定の波形形状の波形データを変調信号として所定の周波数のキャリア波データを振幅変調して送信波形データを作成する。作成された送信波形データは、図3(b)に示すように中央にピークを有する形状になっている。
ここで、記憶部から送信しようとする所定の波形形状の波形データを読み出し、その波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調して送信波形データを作成する代わりに、予め送信しようとする所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調して送信波形データを作成して記憶部に保存しておき、S111で記憶部から読み出すように構成してもよい。
以下、S111で作成した、または読み出した送信波形データを正位相送信波形データという。
次に、S112では、距離測定装置5は、正位相送信波形データの逆位相である送信波形データを生成する。以下、生成した送信波形データを逆位相送信波形データという。
次に、S113では、距離測定装置5は、正位相送信波形データを信号処理装置4に入力する。信号処理装置4は、入力を受け付けた正位相送信波形データを電気信号に変換して、送信器2に入力する。送信器2は、入力を受け付けた電気信号に基づいて、超音波を送信する。
次に、S114では、距離測定装置5は、逆位相送信波形データを信号処理装置4に入力する。信号処理装置4は、入力を受け付けた逆位相送信波形データを電気信号に変換して、送信器2に入力する。送信器2は、入力を受け付けた電気信号に基づいて、超音波を送信する。この際、逆位相送信波形データに対応する超音波は、S113で送信した正位相送信波形データに対応する超音波の振幅が最大となるタイミングで送信するように設定されている。
次に、S115では、距離測定装置5は、正位相送信波形データを信号処理装置4に入力する。信号処理装置4は、入力を受け付けた正位相送信波形データを電気信号に変換して、送信器2に入力する。送信器2は、受信した電気信号に基づいて、超音波を送信する。この際、正位相送信波形データに対応する超音波は、S114で送信した逆位相送信波形データに対応する超音波の振幅がピークに達するタイミングで送信するように設定されている。
図5に戻って、S12では、受信器3が、S11で送信した参照波を受信する。受信器3は受信した参照波を電気信号に変換して信号処理装置4に送信する。信号処理装置4は、受信した電気信号を波形データに変換して、距離測定装置5に送信する。
S13では、S12で受信した3つのピークを有する波形データのうち、2つ目の波形データを切り出すことにより標本データを生成し、S13に移る。より具体的には、図2(b)に示すように、S12で受信した波形データに対し、3つのピークを有する波形データのうち、最も波形形状の大小が出ている2つ目の波形を、1つ目の波形のピークと2つ目の波形のピークとの間のくびれの部分から2つ目の波形のピークと3つ目の波形のピークとの間のくびれの部分までをウィンドウとしてデータを切り出し、これを標本データにする。なお、標本データは、標本データF[i]とし、“i”は、所定のサンプリング周波数下で離散化した時間におけるサンプリング時刻を示し、所定のサンプリング時刻における振幅値を格納する。
本実施形態では、S11で生成した波形データから500点のデータを切り出すことにより、標本データF[i](i=0〜499)を生成する。
S14では、S13で生成した標本データF[i]に含まれるノイズを除去した後、S15に移る。
S15では、標本データF[i]から相関用データを生成した後、図4のS2に移る。
図7は、本実施形態に係る測定データ生成の手順を示すフローチャートの図である。
S21では、信号処理装置4から電気信号を送信器2に送信し、送信器2から測定波を送信させ、S22に移る。
ここにおいても、S11と同様に、図3(b)に示す略正弦波形状の波形データの正位相の送信波形データ、逆位相の送信波形データ及び正位相の送信波形データを連続して信号処理装置4に入力し、信号処理装置4によって電気信号に変換して送信器2に入力する。送信器2は、入力された電気信号に基づき、測定波である超音波を送信する。送信器2が送信する超音波の周波数は、同様に40kHzである。
S22では、受信器3により測定波を受信し、受信した測定波について、前述の相関用データのサンプリング周波数と同じ周波数のサンプリング周波数でサンプリングし、測定データg[m]を生成し、図4のS3に移る。ここで“m”は、所定のサンプリング周波数の下で離散化した時間におけるサンプリング時刻を示す。本実施形態では、測定波の振幅最大となる中心を含むように、500点にわたって測定データg[m](m=0〜499)を生成する。
図8は、本実施形態に係る送受信器間距離算出の手順を示すフローチャートの図である。
S31では、測定データg[m]のうち振幅最大となる時刻位置を抽出する。測定データg[m]の振幅最大となる時刻位置を予め抽出しておくことにより、振幅が最大となる中心付近においてのみ測定データと相関用データとの相互相関値の計算を行うことができるのでピークの検索にかかる計算回数を減らすことができる。
S32では、これら測定データg[m]及び相関用データF[i]の相互相関値のピークを検索する。具体的には、測定データと相関用データとの相対位置をずらしながら、これら相関用データと測定データとの相互相関値を計算し、その相互相関値が最大となるピークを検索する。この場合に、測定データの時刻位置は、振幅最大となる時刻位置から所定の範囲遡った時刻位置を基準値とすることが望ましい。
次に、S33では、測定データの測定を開始してから相互相関値のピークを示すまでの時間と測定波の伝播速度とを積算することにより、送信器2と受信器3との間の距離を算出する。
図9は、本実施形態に係る相互相関値を示す図である。
図中P2は、図2(a)に示す超音波波形を参照波及び測定波に用いたときの相互相関値の波形を示す。図から明らかなように、相互相関値が最大となるピークはなだらかであり、ノイズによって相互相関値が最大となる伝播時刻位置に誤差が含まれ易い。
これに対して、P1は、図2(a)に示す本実施形態に係る超音波波形を参照波及び測定波に用いたときの相互相関値の波形を示す。相互相関値が最大となるピークは峻険であり、ノイズによっても互相関値が最大となる伝播時刻位置に誤差が含まれ難い。従って、本実施形態に係る超音波波形を参照波及び測定波に用いることにより距離測定の精度を高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態で挙げたキャリア波データの周波数やサンプリングデータ数などの具体的な値は一例であり、本発明はこれに限るものではない。
1・・・距離測定システム
2・・・送信器
3・・・受信器
4・・・信号処理装置
5・・・距離測定装置

Claims (4)

  1. 超音波を送信する送信器と、当該送信器から送信された超音波を受信する受信器と、前記送信器から超音波を前記受信器に向けて送信するために、所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データを生成する距離測定装置と、を備えた距離測定システムにおいて、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定方法であって、
    前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データを作成する準備工程と、
    前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データを作成する測定工程と、
    前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定するピーク検索工程と、
    前記ピーク検索工程で特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出する距離算出工程と、を含み、
    前記準備工程及び前記測定工程は、いずれも前記送信器に対して、
    最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信する超音波生成工程を含むことを特徴とする距離測定方法。
  2. 前記超音波生成工程において送信される1つ目の正位相の送信波形データと、2つ目の逆位相の送信波形データと、3つ目の正位相の送信波形データは、いずれも略正弦波形状の波形データであることを特徴とする請求項1に記載の距離測定方法。
  3. 前記超音波生成工程において、前記1つ目の正位相の送信波形データを振幅最大部まで送信した時点で前記2つ目の逆位相の送信波形データの送信を開始し、前記2つ目の逆位相の送信波形データを振幅最大部まで送信した時点で前記3つ目の正位相の送信波形データの送信を開始することを特長とする請求項2に記載の距離測定方法。
  4. 超音波を送信する送信器と、当該送信器から送信された超音波を受信する受信器と、前記送信器から超音波を前記受信器に向けて送信するために、所定の波形形状の波形データを変調信号としてキャリア波データを振幅変調した送信波形データを生成すると共に、相互相関値の計算に基づいて距離を測定する距離測定装置とを、備えた距離測定システムにおいて、
    前記距離測定システムは、更に、前記送信器及び前記受信器により超音波である参照波を送受信し、前記受信器で受信した参照波について標本データを作成すると共に、前記送信器及び前記受信器により超音波である測定波を送受信し、前記受信器で受信した測定波について測定データを作成する信号処理装置を備え、
    前記距離測定装置は、前記測定データと前記標本データの相対位置をずらしながら、これらのデータの相互相関値のピークを検索し、当該相互相関値が最大となる前記標本データの相対位置を特定し、特定された相対位置に基づいて算出される時間に基づいて距離を算出するものであり、
    前記距離測定装置は、更に、前記参照波及び前記測定波を生成するために、前記送信器に対して、最初に前記送信波形データを正位相で送信し、続けて前記送信波形データを逆位相で送信し、更に続けて前記送信波形データを正位相で送信するものであることを特徴とする距離測定システム。
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