JP2013181799A - 物理量検出デバイス、電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】過負荷が加わっても破壊されにくい物理量検出デバイスを提供する。
【解決手段】物理量検出デバイス1は、パッケージベース21と、パッケージベース21に設けられる段部23aに固定されるベース部10と、ベース部10に支持されており物理量の変化に応じて変位する可動部12と、ベース部10に連続し可動部12の周縁に沿って延在される支持枠部14と、を有する平板状のカンチレバー9と、ベース部10と可動部12とに掛け渡されて固定される物理量検出素子13と、可動部12の主面に、配置される質量部15と、支持枠部14に対し、平面視で支持枠部14と重なっており、且つ支持枠部14の側面及び表裏両面との間で隙間をもってパッケージベース21に備えられている制動部材40,50と、を備えている
【選択図】図1

Description

本発明は、物理量検出デバイス、及び物理量検出デバイスを備えた電子機器に関する。
従来から、検知軸に沿った振動性の動きによって与えられる負荷が加えられる力検出素子の共振周波数の変化を検出する加速度計がある。このような加速度計では、支持体と、支持体とヒンジによって接続された可動質量部を有し、この可動質量部の動きに応じて力検出素子に力が加わるように、ヒンジを跨いで支持体と可動質量部とに、比較的大きな表面積で力検出素子を接着固定されているものが知られている。
また、可動質量部に想定以上の力が作用する場合には、スクイーズ・フィルム・ガス・制動によって可動質量部の過大な動きを制限している(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−54411号公報
特許文献1による加速度計は、力検出素子を可動質量部に比較的大きな面積で接着固定しており、接着固定の過程では180℃〜200℃で加熱される。この際、例え、力検出素子と支持体及び可動質量部の線膨張係数が同じであっても、力検出素子よりもサイズが大きい支持体及び可動質量部の伸縮が力検出素子の伸縮よりも大きくなることから、力検出素子に歪が発生して、その歪の影響が加速度として現れることがある。
また、可動質量部に想定以上の力が作用する場合には、可動質量部の正逆方向の動きをスクイーズ・フィルム・ガス・制動を用いて制限しているが、可動質量部の正方向と逆方向とで動き量を同じように制御することは非常に困難である。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る物理量検出デバイスは、パッケージベースと、前記パッケージベースに設けられる段部に固定されるベース部と、前記ベース部に支持されており物理量の変化に応じて変位する可動部と、前記ベース部に連続し前記可動部の周縁に沿って延在される支持枠部と、を有する平板状のカンチレバーと、前記ベース部と前記可動部とに掛け渡されて固定される物理量検出素子と、前記可動部の主面に、配置される質量部と、前記支持枠部に対し、平面視で前記支持枠部と重なっており、且つ前記支持枠部の側面及び表裏両面との間で隙間をもって前記パッケージベースに備えられている制動部材と、を備えていることを特徴とする。
カンチレバーは、物理量検出素子を固定した状態で、パッケージベースに接着固定されるが、接着固定の過程で180℃〜200℃の加熱が行われることがある。この際、物理量検出素子とカンチレバーの線膨張係数が同じであっても、物理量検出素子よりもサイズが大きいカンチレバーの伸縮が物理量検出素子の伸縮よりも大きくなることから、物理量検出素子に歪が生じて、発生した歪の共振周波数への影響は無視できない。従って、カンチレバーのベース部を固定部とし、支持枠部のベース部とは反対側を自由端とすることが望ましい。しかしながら、支持枠部を自由端とすれば、想定以上の負荷(例えば、加速度)が加わった場合には、カンチレバーが破壊されることが考えられる。
本適用例によれば、支持枠部の想定以上の動きを制限するための制動部材を設けている。制動部材は、支持枠部の側面及び表裏両面との間で隙間をもっていることから温度変化による支持枠部の伸縮を妨げない。従って、高温加熱した際に支持枠部が伸長することによる物理量検出素子の歪の発生を抑制し、この歪に起因する共振周波数への影響を排除することができる。
また、支持枠部の自由端が、制動部材との厚み方向の隙間分変位したところで制動部材と接触することによって、支持枠部の変位をその隙間分の範囲に規制することができ、カンチレバーの破壊を防止することができる。なお、質量部と支持枠部の一部が隙間を有して交差している。従って、質量部がその隙間分変位したところで支持枠部と接触する。支持枠部の動き量は、制動部材によって規制されていることから、可動部の動き量を支持枠部と制動部材との隙間分の範囲に規制することができる。
従って、本適用例の物理量検出デバイスは、温度変化による共振周波数への影響や、外部から強度の限界を超える変位によるカンチレバーの破損を回避することができる。
さらに、質量部に想定以上の力が作用する場合にスクイーズ・フィルム・ガス・制動を用いて動き量を制御する従来技術に比べて、制動部材の支持枠部に対する寸法管理で支持枠部、結果的に可動部の動き量を容易に制御できるという効果がある。
[適用例2]上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記制動部材が、前記支持枠部の前記ベース部とは反対側の先端部、または前記先端部の幅方向両側に配置されていること、が好ましい。
このように、支持枠部の先端部(つまり、固定されていない自由端部)に制動部材を配置しているので、ベース部に近い部分に配置する場合よりも、可動部の動き量を小さく、かつ高精度に管理することができる。
[適用例3]上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記制動部材が、前記パッケージベースに前記制動部材を固定する固定部と、前記支持枠部の厚み方向を表裏両面から挟む前記支持枠部材側が開口した斜面からなる規制部と、を備えていること、が好ましい。
このようにすれば、規制部によって支持枠部の伸縮を妨げない隙間と、支持枠部の主面と交差する方向の隙間と、を確保できる。規制部は斜面によって形成されているので、制動部材をパッケージベースに固定した後に、支持枠部の先端部を規制部の斜面を利用して装着することが可能である。
[適用例4]上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記パッケージベースの一部を前記支持枠部の厚み方向両側に隙間を有して挟むように突設される上部規制部と下部規制部とからなること、が好ましい。
このように、パッケージベースの一部を支持枠部側に突設させれば、構成要素を増やさずに制動部材を構成することができる。例えば、パッケージベースがセラミックのグリーンシートの積層体であれば、グリーンシートの一部を突設すればよい。
[適用例5]上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記制動部材が、前記パッケージベースの一部を前記支持枠部の厚み方向の下部に突設させた下部規制部と、前記支持枠部の厚み方向の上部に配置された上部規制部材と、からなること、が好ましい。
このようにすれば、支持枠部が下部規制部または上部規制部に所定の隙間分変位したところで接触することによって、可動部の変位をその隙間の範囲に規制することができる。
また、質量部及び物理量検出素子を取付けた状態で支持枠部を下部規制部に載置した後に、上部規制部材をパッケージベースに固定すれば、容易に物理量検出デバイスを組み立てることができる。
[適用例6]上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記制動部材が、前記パッケージベースに前記制動部材を固定する固定部と、前記固定部に対して略直交する立上部と、前記立上部から前記支持枠部の厚み方向両側を隙間を有して挟むように略平行に延在される上部規制部と下部規制部と、からなること、が好ましい。
このような構成によっても、支持枠部が上部規制部または下部規制部との隙間分変位したところで支持枠部が制動部材に接触することによって、可動部の変位をその隙間の範囲に規制することができる。
また、このような構成では、制動部材を質量部及び物理量検出素子を取付けた状態の支持枠部に仮装着した後に、パッケージベースに制動部材を固定すればよい。
[適用例7]上記適用例に係る物理量検出デバイスにおいて、前記パッケージベースの開口部を封止するリッドがさらに備えられ、前記制動部材が、前記パッケージベースの一部を前記支持枠部の厚み方向の下部に突設させた下部規制部と、前記リッドから前記支持枠部に向かって突設される上部規制部材と、からなること、が好ましい。
上記適用例は、パッケージベースに設けられる下部規制部と、リッドに設けられる上部規制部とで支持枠部の厚み方向両側を挟む構造である。このようにしても、支持枠部が下部規制部または上部規制部に所定の隙間分変位したところで接触することによって、支持枠部の変位をその隙間の範囲に規制することができる。
また、パッケージベース内に、質量部及び物理量検出素子を取付けた状態の支持枠部を装着した後、リッドをパッケージベースに固定すれば、制動部材を構成することができる。
[適用例8]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれかに記載の物理量検出デバイスと、少なくとも物理量検出回路と、を備えていることを特徴とする
本適用例によれば、上記適用例のいずれかに記載の物理量検出デバイスを用いることによって、上記適用例に記載の効果を奏する電子機器を提供することができる。
実施形態1に係る物理量検出デバイスを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A切断面を示す断面図。 実施形態1に係る制動部材を示し、(a)は斜視図、(b)は制動部材を制動部材側から視認した側面図。 実施形態1に係る物理量検出デバイスの動作を模式的に示す断面図であり、(a)は、可動部が−Z方向に変位した状態を示し、(b)は、可動部が+Z方向に変位した状態を示す。 実施形態1の変形例に係る物理量検出デバイスを示す平面図。 実施形態2に係る物理量検出デバイスを示す断面図。 実施形態3に係る物理量検出デバイスを示し、(a)は実施例1を示す断面図、(b)は実施例2を示す部分断面図。 実施形態4に係る物理量検出素子を示し、(a)は支持枠部の先端方向から視認した断面図、(b)は制動部材を示す斜視図。 実施形態5に係る物理量検出デバイスを示す断面図。 実施形態6に係る物理量検出デバイスを示す平面図。 電子機器の1例としての傾斜計を例示する模式斜視図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
なお、以下の説明で参照する図は、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
(物理量検出デバイス)
まず、物理量検出デバイスについて具体的な実施形態をあげ説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る物理量検出デバイスを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A切断面を示す断面図である。図1(a),(b)に示すように、本実施形態の物理量検出デバイス1は、物理量検出器2がパッケージ20の内部に格納されて構成されている。物理量検出器2は、ベース部10と、ベース部10に継手部11を介して延在され物理量の変化に応じて変位する可動部12と、ベース部10に連続し、可動部12の周縁に沿って延在される支持枠部14と、を有する平板状のカンチレバー9と、ベース部10と可動部12とに掛け渡されて接着剤16によって固定され、可動部12の変位に応じて共振周波数が変化する物理量検出素子13と、可動部12の第1主面12aに、一部が支持枠部14と隙間cを有して重なるように配置される質量部15と、から構成されている。第1主面12aに対向する第2主面12bにも、第1主面12a側に配置された質量部15との対称位置に質量部15が配置されている。さらに、質量部15と第1主面12a、第2主面12bそれぞれは所定の厚みを有する接着剤30によって接着固定されている。
カンチレバー9は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて一体で略平板状に形成されている。ベース部10、継手部11、可動部12、支持枠部14の外形形状は、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。可動部12と支持枠部14との間には、両者を分割するスリット状の孔が設けられている。
図2(b)に示すように、継手部11は、第1主面12a、第2主面12bの両方からのハーフエッチングによって、X方向に沿う溝部によってベース部10と可動部12とを区切るように形成されている。継手部11の断面形状は略H字形状を有している。
この継手部11により、可動部12は、第1主面12aと交差する方向(Z方向)に加わる物理量(例えば、加速度)に応じて、継手部11を支点(回転軸)にして第1主面12aと交差する方向(Z方向)に変位する。よって、継手部11はヒンジの機能を有する。
質量部15には、例えば、Cu、Auなどの金属に代表される比較的比重の大きい材料が用いられている。本実施形態では、図1(a)に示すように、質量部15はカンチレバー9の平面サイズ内において、質量を極力大きくするために、可動部12の継手部11側とは反対側の自由端側から、物理量検出素子13と重ならない範囲で継手部11の近くまで延び、平面視において、略U字形状を有している。
図1(a)の斜線で示す質量部15と支持枠部14とが重なる領域Bでは、図1(b)に示すように、質量部15と支持枠部14との間に隙間Cが設けられている。本実施形態では、隙間cを接着剤30の厚みで管理している。
物理量検出素子13は、図1(a)に示すように、ベース部10と可動部12とを結ぶ方向(Y方向)に延在され、X方向に屈曲振動をする振動梁部13a,13bと、振動梁部13a,13bの両端部を接続する第1基部13dと第2基部13eと、を備えている。物理量検出素子13は、2本の振動梁部13a,13bと、第1基部13dと第2基部13eとで二組の音叉を構成することから、双音叉素子(双音叉型振動片)とも呼ばれている。
物理量検出素子13は、例えば、水晶の原石などから所定の角度で切り出された水晶基板を用いて、フォトリソグラフィー、エッチングなどの技術を用いて精度よく形成されている。
なお、物理量検出素子13の材質は、水晶に限定されるものではなく、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料、または酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体を皮膜として備えたシリコンなどの半導体材料であってもよい。ただし、物理量検出素子13は、カンチレバー9(可動部12)との線膨張係数の差を小さくすることを考慮すればカンチレバー9と同質にすることが望ましい。
なお、物理量検出素子13及びカンチレバー9は、中心軸Pに対して対称形となるように形成されると共に配置されることがより好ましい。
図1(a)に示すように、物理量検出素子13は、振動梁部13a,13bの図示しない励振電極(駆動電極)から第2基部13eに形成された引き出し電極13f,13gが、Au、Alなどの金属ワイヤー18によって、ベース部10の第1主面10aに設けられた接続端子10c,10dと接続されている。詳述すると、引き出し電極13fは、接続端子10dと接続され、引き出し電極13gは、接続端子10cと接続されている。
ベース部10の接続端子10c,10dは、図示しない配線によってベース部10の第2主面10bにおいて接続端子10e,10fと接続されている。詳述すると、接続端子10dは接続端子10eと接続され、接続端子10cは、接続端子10fと接続されている。
なお、励振電極、引き出し電極13f,13g、接続端子10c,10d,10e,10fは、例えば、Crを下地層とし、その上にAuが積層された構成となっている。
さらに、図1(a)に示すように、カンチレバー9は、ベース部10においてパッケージベース21の段部23aに固定される。
パッケージベース21には、内底面(凹部の内側の底面)23の外周部分から凹部の内壁に沿って突出した段部23aに、内部端子24,25が設けられている。
内部端子24,25は、カンチレバー9のベース部10に設けられた接続端子10e,10fと対向する位置(平面視において重なる位置)に設けられている。なお、図示は省略するが、接続端子10eは、ベース部10の接続端子10dと接続され、接続端子10fは、ベース部10の接続端子10cと接続されている。
パッケージ20は、平面形状が略四角形の凹部を有したパッケージベース21と、パッケージベース21の凹部を封止する平板状のリッド22と、を有し、外形が略直方体形状を有している。なお、図1(a)では、リッド22の図示を省略している。
パッケージベース21には、セラミックのグリーンシートを複数枚積層し焼成した酸化アルミニウム焼結体、水晶、ガラス、シリコンなどが用いられている。
リッド22には、パッケージベース21と同材質、または、コバール、42アロイ、ステンレス鋼などの金属が用いられている。
パッケージベース21の外底面(内底面23の反対側の面、つまり外側の底面)26には、電子機器などの外部部材に実装される際に用いられる一対の外部端子27,28が形成されている。
外部端子27,28は、図示しない内部配線によって内部端子24,25と接続されている。例えば、外部端子27は、内部端子24と接続され、外部端子28は、内部端子25と接続される。
内部端子24,25及び外部端子27,28は、Wなどのメタライズ層にNi、Auなどの各被膜をメッキなどの方法により積層した金属膜からなる。
パッケージベース21には、凹部の底部にパッケージ20の内部を封止する封止部29が設けられている。
封止部29は、パッケージベース21に形成された、外底面26側の孔径が内底面23側の孔径より大きい段付きの貫通孔29aに、Au/Ge合金、はんだなどからなる封止材29bを投入し、加熱溶融後、固化させることでパッケージ20の内部を気密に封止する構成となっている。
本実施形態の物理量検出デバイス1は、支持枠部14の先端部の動き量を規制する制動部材40,50を備えている。制動部材40は支持枠部14の先端部の−X方向端部に配置されており、固定部40aにおいてパッケージベース21の段部23aに接着剤30によって固定されており、固定部40aに対して直交する方向に延在される立上部40bと、支持枠部14の厚み方向を表裏両面から挟むように支持枠部14側が開口した斜面を有する規制部とを備えている。規制部のうち、下方側斜面を第1規制部40c、上方側斜面を第2規制部40dとする。
制動部材50は支持枠部14の先端部の+X方向端部に配置されており、固定部50aにおいてパッケージベース21の段部23aに接着剤30によって固定されており、固定部50aに対して直交する方向に延在される立上部50bと、支持枠部14の厚み方向を表裏両面から挟むように支持枠部14側が開口した斜面からなる規制部とを備えている。規制部のうち、下方側斜面を第1規制部50c、上方側斜面を第2規制部50dとする。
制動部材40,50の詳細については、図2を参照して説明する。
図2は、実施形態1に係る制動部材40,50を示し、(a)は斜視図、(b)は制動部材40を制動部材50側から視認した側面図である。図2(a)に示すように、制動部材40は、固定部40aと、立上部40bと、立上部40bの一部を斜面で切欠いた規制部とを有している。規制部は、支持枠部14の下面側の第1規制部40cと、上面側の第2規制部40dとから構成されている。制動部材50は、固定部50aと、立上部50bと、立上部50bの一部を斜面で切欠いた規制部とを有している。規制部は、支持枠部14の下面側の第1規制部50cと、上面側の第2規制部50dとから構成されている。なお、制動部材40,50は、図1(a)に示すように、それぞれの規制部が中心軸Pから同じ位置になるように配置されている。
次に、制動部材40,50と支持枠部14との関係について図2(b)を参照して説明する。なお、制動部材40を例示して説明する。制動部材40は、支持枠部14の厚み方向を表裏両面から挟む斜面からなる規制部としての第1規制部40c及び第2規制部40dを有する。第1規制部40c及び第2規制部40dのそれぞれと支持枠部14とは、Z方向(厚み方向)で隙間d、Y方向で隙間eを有している。隙間dは、支持枠部14の自由端が隙間d分変位したところで第1規制部40cまたは第2規制部40dと接触することによって、支持枠部14の変位をその隙間分の範囲に規制する。隙間eは、高温加熱した際に支持枠部14が伸長する長さ分を吸収可能な大きさを有し、支持枠部14が伸長することに起因する物理量検出素子13の歪の発生を抑制する。
次に、本実施形態の物理量検出デバイス1の製造方法を図1(a),(b)を参照して説明する。
まず、パッケージベース21の支持枠部14先端側の段部23aに制動部材40,50を接着剤30によって固定する。そして、物理量検出素子13と質量部15とを固定したカンチレバー9を、支持枠部14の先端部を制動部材40,50の斜面を利用して斜め上方から挿入する。そして、ベース部10をパッケージベース21(段部23a)に接着固定する。続いて、前述したような構成で配線接続を行った後に、リッド22を接合部材20aによってパッケージベース21の開口部を封止する。
なお、図2(a)に示すように、制動部材40,50を、固定部40aと固定部50aとを接続部60で接続して一体化する構成としてもよい。制動部材40,50または一体化した制動部材は、金属のプレス加工等で容易に、しかも高精度で製造することが可能である。
続いて、物理量検出デバイス1の動作について説明する。
図3は、実施形態1に係る物理量検出デバイス1の動作を模式的に示す断面図であり、(a)は、可動部12が−Z方向に変位した状態を示し、(b)は、可動部12が+Z方向に変位した状態を示す。
図3(a)に示すように、物理量検出器2に、+Z方向の加速度が加えられると、可動部12には−Z方向に力が作用し、可動部12は継手部11を支点として−Z方向に変位する。すると、物理量検出素子13には、Y方向に第1基部13dと第2基部13eとが互いに離される方向の力が加わり、振動梁部13a,13bには引っ張り応力が生じる。そのため、振動梁部13a,13bの共振周波数(振動周波数)は、高くなる。
一方、図3(b)に示すように、物理量検出器2に、−Z方向の加速度が加えられると、可動部12には+Z方向に力が作用し、可動部12は、継手部11を支点として+Z方向に変位する。これにより、物理量検出素子13には、Y方向に第1基部13dと第2基部13eとが互いに近づく方向に力が加わり、振動梁部13a,13bには圧縮応力が生じる。そのため、振動梁部13a,13bの共振周波数は、低くなる。
物理量検出器2では、物理量を上記のような物理量検出素子13の共振周波数の変化として検出している。より具体的には、物理量検出器2に加わる加速度は、上記の検出された共振周波数の変化の割合に応じて、ルックアップテーブルなどによって定められた数値に変換することで導出される。
なお、物理量検出器2を傾斜計に用いた場合には、傾斜の姿勢(傾斜角度)の変化に応じて、傾斜計に対する重力加速度が加わる方向が変化し、振動梁部13a,13bに引っ張り応力や圧縮応力が生じる。従って、振動梁部13a,13bの共振周波数が変化する。
また、上記の例では、物理量検出素子13として、いわゆる双音叉素子を用いた例について説明したが、可動部12の変位に応じて共振周波数が変化すれば、物理量検出素子13の形態は、特に限定されない。
図3(a)に示すように、物理量検出器2は、+Z方向に加わる加速度が所定の大きさより大きい場合、支持枠部14の先端部が制動部材40,50の第1規制部40c,50cに接触することで、支持枠部14の動き量が規制される。なお、加速度が所定の大きさよりも大きい場合に、可動部12に固定された質量部15が支持枠部14の交差する部分(図1(a)のB領域)に接触する場合がある。物理量検出デバイス1は、制動部材40,50によって、−Z方向に変位する支持枠部14の動き量を規制し、その結果、可動部12の変位を、所定の範囲内に規制することができる。
一方、図3(b)に示すように、物理量検出器2は、−Z方向に加わる加速度が所定の大きさより大きい場合、支持枠部14の先端部が制動部材40,50の第2規制部40d,50dに接触することで、支持枠部14の動き量が規制される。なお、可動部12に固定された質量部15に、支持枠部14の交差する部分(図1(a)のB領域)が接触する場合がある。物理量検出デバイス1は、制動部材40,50によって、+Z方向に変位する支持枠部14の動き量を規制し、その結果、可動部12の変位を、所定の範囲内(隙間dに相当する範囲)に規制することができる。
以上のことから、隙間cと隙間dでは、ほぼ同じ大きさに設定するか、隙間c<隙間dに設定することがより好ましい。
また、制動部材40,50のどちらかを中心軸P上に一つ配置する構成としてもよい。
以上説明した実施形態1に係る物理量検出デバイス1は、支持枠部14の動き量を規制する制動部材40,50を設けている。制動部材40,50は、温度変化による支持枠部14の伸縮を妨げない隙間eを有していることから、高温加熱した際に支持枠部14が伸長することによる物理量検出素子13の歪の発生を抑制し、この歪に起因する共振周波数への影響を排除することができる。
また、支持枠部14の先端部(自由端)が制動部材40,50との厚み方向の隙間分(隙間d)変位したところで制動部材40,50と接触することによって、支持枠部14の変位をその隙間分の範囲に規制することができ、カンチレバー9の破壊を防止することができる。なお、質量部15と支持枠部14との間にも隙間cを設けており、可動部12がその隙間分変位したところで支持枠部14と接触し、その際、支持枠部14が制動部材40,50に接触することによって、質量部(可動部も含む)の動き量をその隙間分、または支持枠部14と制動部材40,50との隙間分の範囲に規制することができる。
従って、本実施形態による物理量検出デバイス1は、温度変化による支持枠部14の伸縮に起因する共振周波数への影響や、外部から強度の限界を超える変位による可動部12、物理量検出素子13の破損を回避することができる。
さらに、前述した従来技術のように、質量部15に想定以上の力が作用する場合にスクイーズ・フィルム・ガス・制動を用いて動き量を制御する方法に比べて、制動部材40,50の支持枠部14に対する寸法管理で、支持枠部14及び可動部12の動き量を容易に制御できるという効果がある。
また、制動部材40,50を、ベース部10とは反対側の支持枠部14の先端部に配置しているので、ベース部10に近い部分に配置する場合よりも、質量部15及び支持枠部14の動き量を小さく、しかも高精度に管理することができる。
また、規制部は、斜面からなる第1規制部40c,50c及び第2規制部40d,50dによって形成されているので、制動部材40,50をパッケージベース21の段部23aに固定した後に、支持枠部14の先端部を斜面を利用して容易に装着することが可能である。
(実施形態1・変形例)
なお、制動部材40,50の支持枠部14に対する位置は、前述したような支持枠部14の先端方向に限らない。例えば、支持枠部14の先端部の幅方向両側に配置してもよい。
図4は、実施形態1の変形例に係る物理量検出デバイス1を示す平面図である。図4は、リッド22を省略して図示している。なお、実施形態1との共通部分には同じ符号を付し、詳しい説明を省略する。図4に示すように、制動部材40は支持枠部14の先端部の幅方向(+X方向)に配置され、制動部材50は制動部材40とは反対側の支持枠部14の先端部の幅方向(−X方向)に配置されている。制動部材40,50は実施形態1(図2(a),(b)、参照)と同じものを用いることできる。
上記変形例においても、実施形態1に比べて制動部材40,50の配置位置が異なるだけで、実施形態1と同様な効果が得られる。なお、制動部材40,50それぞれの規制部(第1規制部40c,50cと第2規制部40d,40e)とを対向するように配置して一体化させることも可能である。
(実施形態2)
続いて、実施形態2に係る物理量検出デバイス1について説明する。実施形態2は、前述した実施形態1に対して制動部材の構成が異なり、他の構成は実施形態1と共通であるため、相違箇所を中心に説明する。なお、共通部分には実施形態1と同じ符号を付している。
図5は、実施形態2に係る物理量検出デバイス1を示す断面図である。本実施形態は、制動部材が、パッケージベース21の一部を支持枠部14の厚み方向両側に隙間を有して挟むように突設され構成されていることに特徴を有する。
パッケージベース21は、セラミックのグリーンシートを複数枚積層、焼成することによって形成されている。図5に示すように、複数枚のグリーンシートの内の支持枠部14の下部位置のグリーンシート21aを支持枠部14に向かって突設し、グリーンシート21aの上部のグリーンシート21bを支持枠部14の先端部と隙間eを有して突設している。なお、グリーンシート21bは、必ずしも支持枠部14方向に突設させなくてもよい。
さらに、グリーンシート21bの上部のグリーンシート21cを支持枠部14の上部位置に突設している。グリーンシート21a,21cの突設量は、支持枠部14のZ方向への動きを規制できる範囲で、できるだけ小さく設定する。そして、グリーンシート21a,21c各々と支持枠部14との間隔は隙間dとする。ここで、グリーンシート21aが下部規制部であって、グリーンシート21cが上部規制部である。
このような構成における物理量検出デバイス1は、物理量検出素子13と質量部15とを固定したカンチレバー9を、支持枠部14の先端部を下部規制部であるグリーンシート21aと上部規制部であるグリーンシート21cにより形成される隙間に斜め上方から挿入し、ベース部10をパッケージベース21(段部23a)に接着固定する。続いて、前述したような構成で配線接続を行った後に、リッド22を接合部材20aを用いてパッケージベース21の開口部を封止することで製造できる。
このようにすれば、グリーンシートのうちの2枚(グリーンシート21a,21c)を支持枠部14の表裏を所定の隙間dを有して挟むように突設させれば、構成要素を増やさずに制動部材を構成することができる。
なお、下部規制部であるグリーンシート21a及び上部規制部であるグリーンシート21cの形成範囲は、支持枠部14の先端部の幅(X方向全体)にわたって形成しても、実施形態1の制動部材40,50と同様に2箇所でもよい。
(実施形態3)
続いて、実施形態3に係る物理量検出デバイス1について説明する。実施形態3は、前述した実施形態1に対して制動部材の構成が異なり、他の構成は実施形態1と共通であるため、相違箇所を中心に説明する。なお、共通部分には実施形態1と同じ符号を付している。
図6は、実施形態3に係る物理量検出デバイス1を示し、(a)は実施例1を示す断面図、(b)は実施例2を示す部分断面図である。まず、図6(a)を参照して実施例1について説明する。パッケージベース21は、前述したように、セラミックのグリーンシートを複数枚積層し焼成することによって形成されている。図6に示すように、複数枚のグリーンシートの内の支持枠部14の下部位置のグリーンシート21aを支持枠部14に向かって突出させ、グリーンシート21aの上部のグリーンシート21bを支持枠部14の先端部と少なくとも隙間eを有し、かつ上部規制部材51が固定可能な面積の範囲に突出させる。
グリーンシート21aと上部規制部材51の突出量は、支持枠部14のZ方向への動きを規制できる範囲で、できるだけ小さく設定する。そして、グリーンシート21aと上部規制部材51のそれぞれと支持枠部14との間隔は隙間dとする。従って、グリーンシート21aは、下部規制部に相当する。
このような構成における物理量検出デバイス1の製造は、物理量検出素子13と質量部15とを固定したカンチレバー9を、支持枠部14の先端部を下部規制部であるグリーンシート21a上に、ベース部10を段部23a上に載置し、ベース部10をパッケージベース21(段部23a)に接着固定する。次に、上部規制部材51をグリーンシート21b上に接着固定し、前述したような構成で配線接続を行った後に、リッド22を接合部材20aによってパッケージベース21の開口部を封止することで成し得る。なお、予め、上部規制部材51をグリーンシート21bに接着固定しておき、物理量検出素子13と質量部15とを固定したカンチレバー9をパッケージベース21に装着することもできる。
このようにすれば、支持枠部14が下部規制部であるグリーンシート21a、または上部規制部材51に所定の隙間d分変位したところで接触することによって、支持枠部14の変位をその隙間の範囲に規制することができ、その結果、可動部12の動き量を規制することができる。
なお、図6(b)に示す実施例2は、実施例1に対して上部規制部材の構成が異なることに特徴を有している。他の構成は、実施例1と同じであるため相違箇所を説明する。図6(b)に示すように、下部規制部であるグリーンシート21aが支持枠部14に向かって突設され、グリーンシート21aの上部に上部規制部材52が固定されている。上部規制部材52は、支持枠部14との隙間e及び隙間dを確保するための立上部52aと、支持枠部14の上部に突設される上部規制部52bを有している。
下部規制部であるグリーンシート21aと上部規制部52bの突出量は、支持枠部14のZ方向への動きを規制できる範囲で、できるだけ小さく設定することが望ましい。
なお、実施例2による物理量検出デバイス1の製造は、前述した実施例1と同様な製造方法を適用できる。
このような実施例2においても、前述した実施例1と同様な効果が得られる。
(実施形態4)
続いて、実施形態4に係る物理量検出デバイス1について説明する。実施形態4は、前述した実施形態1に対して制動部材の構成及び配置が異なり、他の構成は実施形態1と共通であるため、相違箇所を中心に説明する。なお、共通部分には実施形態1と同じ符号を付している。
図7は、実施形態4に係る物理量検出デバイス1を示し、(a)は支持枠部14の先端方向から視認した断面図、(b)は制動部材を示す斜視図である。なお、図7(a)はリッドの図示を省略している。図7(a)に示すように、物理量検出デバイス1は、支持枠部14のX方向両側に一対の制動部材70が配置されている。
制動部材70は、パッケージベース21の段部23aに制動部材70を固定する固定部と、固定部に対して直交する方向に延在される立上部70cと、立上部70cから支持枠部14の厚み方向両側を隙間dを有して挟むように略平行に延在される下部規制部70aと上部規制部70bと、から構成されている。なお、下部規制部70aの段部23a側下面が固定部に相当する。下部規制部70aと支持枠部14、上部規制部70bと支持枠部14の間には隙間dが形成されている。また、立上部70cと支持枠部14との間には、隙間eが形成される。
制動部材70は、図7(b)に示すように、実施形態1(図1(a)、図4、参照)の制動部材40,50の位置と同様に支持枠部14の先端部のみに配置する形状でもよく、支持枠部14の自由端の長さ(先端部からベース部10直前まで)にわたって形成される長尺形状(図示70’で表す)であってもよい。
このような構成の物理量検出デバイス1の製造は、物理量検出素子13と質量部15とを固定したカンチレバー9のX方向両側に一対の制動部材70を仮装着した状態でパッケージベース21の段部23aに載置し、ベース部10をパッケージベース21(段部23a)に接着固定すると共に、制動部材70をパッケージベース21に接着固定する。続いて、前述したような構成で配線接続を行った後に、リッド22を接合部材20aを用いてパッケージベース21の開口部を封止することで成し得る。
このようにすれば、支持枠部14が下部規制部70aまたは上部規制部70bの隙間d分変位したところで支持枠部14が制動部材70に接触することによって、支持枠部14の変位をその隙間の範囲に規制することができる。
(実施形態5)
続いて、実施形態5に係る物理量検出デバイス1について説明する。前述した実施形態1〜実施形態4では、制動部材をパッケージベース21側に設けているが、実施形態5では、制動部材の一部をリッド22側に設けたことを特徴としている。よって、相違箇所を中心に、実施形態1と共通部分には同じ符号を付して説明する。
図8は、実施形態5に係る物理量検出デバイス1を示す断面図である。物理量検出デバイス1は、パッケージベース21の内部に物理量検出器2が収容されており、パッケージベース21の開口部がリッド22によって封止されている。
前述したように、パッケージベース21は、セラミックのグリーンシートを複数枚積層し焼成して形成されている。本実施形態では、制動部材は、パッケージベース21のグリーンシート21aを支持枠部14の厚み方向の下部に突設させた下部規制部と、リッド22から支持枠部14に向かって突設した上部規制部材80と、で構成されている。グリーンシート21aからなる下部規制部は、前述した実施形態2(図5、参照)または実施形態3(図6、参照)に記載のグリーンシート21aと同じ形状を適用できる。また、上部規制部材80は、支持枠部14の先端部に配置されており、その配置位置、数は特に限定されないが、例えば、実施形態1(図1、図4、参照)、のように同様な位置に2箇所設ける構成、実施形態2〜実施形態4(図5、図6、図7、参照)のように面として配置する構成としても良い。そして、上部規制部材80の下部端面80aと支持枠部14との間には、隙間dが設けられている。
このような構成によっても、前述した各実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、リッド22に上部規制部材80を突設させる構造では、上部規制部材の配置、数などの自由度が増すという効果もある。
(実施形態6)
続いて、実施形態6に係る物理量検出デバイスについて説明する。実施形態6は、カンチレバーの支持枠部が、自由端側で2分割されていること、カンチレバーの可動部に2分割された質量部が固定されていること、物理量検出素子がカンチレバーの自由端部まで延在されていること、を特徴としている。
図9は、実施形態6に係る物理量検出デバイス3を示す平面図である。なお、配線及びリッドの図示は省略し、前述した実施形態1との共通部分には、同一符号を付している。
本実施形態の物理量検出デバイス3は、物理量検出器4が容器状のパッケージベース121内に収容されている。物理量検出器4の主要構成は前述した各実施形態と同じであるが、物理量検出素子113は、カンチレバー109のベース部110と可動部112に継手部111を跨いで固定されており、質量部115が物理量検出素子113を挟んで+X側と−X側とに配置されている。なお、質量部115は、可動部112の第2主面112b側にも第1主面112a側と同様な位置に配置されている。
質量部115の一部は、支持枠部114の突出部114aと一部が重なっている(図9の斜線部分:領域B)。しかし、質量部115と突出部114aとが重なる領域Bでは、図1(b)と同様に、質量部115と支持枠部114との間に隙間cが設けられている。
カンチレバー109(可動部112)と質量部115との接合は接着剤16を用いて実施形態1と同様に行われる。
また、物理量検出素子113は、ベース部110の端部から可動部112の自由端部にまで延在されている。
カンチレバー109は、ベース部110において、接続端子10e,10fがパッケージベース121の段部123aに設けられている内部端子24,25に接続固定されている。この固定構造は、実施形態1と同様である。支持枠部114の先端部において、+X側には制動部材40が配設され、−X側には制動部材50が配設されている。制動部材40,50は、実施形態1の変形例(図4、参照)を例示しているが、実施形態1(図1、参照)、実施形態2(図5、参照)、実施形態3(図6、参照)、実施形態4(図7、参照)、及び実施形態5(図8、参照)の構成も適用可能である。
上述した実施形態6による物理量検出デバイス3は、物理量検出素子113の第2基部113eを第1実施形態と同じ位置に配置し、第1基部113dを可動部112の自由端側の端部に移動させて配置し、振動梁部113a,113bを実施形態1よりも長くしたものである。よって、加速度が加えられることによる可動部112の僅かな変位でも振動梁部113a,113bが伸縮しやすくなり、検出感度を高めることを目的とする構成である。
このような構成であっても、前述した各実施形態と同様に、制動部材40,50を用いること、及び制動部材40,50と支持枠部114との伸縮方向の隙間eを適切に設定することによって、高温加熱した際に支持枠部114が伸長することによる物理量検出素子113の歪の発生を抑制し、この歪に起因する共振周波数への影響を排除することができる。
また、支持枠部114の制動部材40,50との厚み方向の隙間dを適切に設定することで、自由端が隙間d分変位したところで制動部材40,50と接触することによって、支持枠部114の変位をその隙間分の範囲に規制することができ、カンチレバー109の破壊を防止することができる。なお、質量部115と支持枠部114との間にも隙間cを設けており、可動部112がその隙間分変位したところで支持枠部114と接触することによって、可動部112の動き量をその隙間分、または支持枠部114と制動部材40,50との隙間分の範囲に規制することができる。
従って、本実施形態の物理量検出デバイス3は、温度変化による影響や、外部から強度の限界を超える変位によるカンチレバー109や物理量検出素子113の破損を回避することができる。
(電子機器)
次に、前述した実施形態1〜実施形態6に記載した物理量検出デバイス1または物理量検出デバイス3を備えた電子機器について説明する。
図10は、電子機器の1例として傾斜計を例示した模式斜視図である。傾斜計5は、実施形態1〜実施形態6のいずれかに記載の物理量検出デバイス1または物理量検出デバイス3を、傾斜センサーとして備えている。
傾斜計5は、例えば、山の斜面、道路の法面、盛土の擁壁面などの被計測場所に設置される。傾斜計5は、外部からケーブル90を介して電源が供給され、または電源を内蔵し、図示しない駆動回路によって物理量検出デバイス1または物理量検出デバイス3(傾斜センサー)に駆動信号が送られている。
傾斜計5は、図示しない物理量検出回路によって、傾斜センサーに加わる重力加速度に応じて変化する共振周波数から、傾斜計5の姿勢の変化(傾斜計5に対する重力加速度が加わる方向の変化)を検出し、それを角度に換算して、例えば、無線などで基地局にデータ転送する。従って、傾斜計5は、被計測場所における異常の早期発見に貢献することができる。
前述した物理量検出デバイス1,3は、上記傾斜計に限らず、振動計や地震計、ナビゲーション装置、姿勢制御装置、ゲームコントローラー、携帯電話などに用いる加速度センサー、鉱物資源調査等に用いる重力センサーなどに好適である。いずれの場合にも前述した各実施形態に記載の効果を奏する電子機器を提供することができる。
なお、上記各実施形態において、カンチレバー9またはカンチレバー109の材料は、水晶に限定するものではなく、ガラス、またはシリコンなどの半導体材料であってもよい。
また、物理量検出素子13,113の基材は、水晶に限定するものではなく、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、四ホウ酸リチウム(Li247)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電材料、または酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)などの圧電体を被膜として備えたシリコンなどの半導体材料であってもよい。
1…物理量検出デバイス、9…カンチレバー、10…ベース部、11…継手部、12…可動部、13…物理量検出素子、14…支持枠部、15…質量部、21…パッケージベース、23a…パッケージベースの段部、40,50…制動部材。

Claims (8)

  1. パッケージベースと、
    前記パッケージベースに設けられる段部に固定されるベース部と、前記ベース部に支持されており物理量の変化に応じて変位する可動部と、前記ベース部に連続し前記可動部の周縁に沿って延在される支持枠部と、を有する平板状のカンチレバーと、
    前記ベース部と前記可動部とに掛け渡されて固定される物理量検出素子と、
    前記可動部の主面に、配置される質量部と、
    前記支持枠部に対し、平面視で前記支持枠部と重なっており、且つ前記支持枠部の側面及び表裏両面との間で隙間をもって前記パッケージベースに備えられている制動部材と、を備えていることを特徴とする物理量検出デバイス。
  2. 前記制動部材が、
    前記支持枠部の前記ベース部とは反対側の先端部、または前記先端部の幅方向両側に配置されていること、
    を特徴とする請求項1に記載の物理量検出デバイス。
  3. 前記制動部材が、
    前記パッケージベースに前記制動部材を固定する固定部と、
    前記支持枠部の厚み方向を表裏両面から挟む前記支持枠部材側が開口した斜面からなる規制部と、を備えていること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  4. 前記制動部材が、
    前記パッケージベースの一部を前記支持枠部の厚み方向両側に隙間を有して挟むように突設される上部規制部と下部規制部とからなること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  5. 前記制動部材が、
    前記パッケージベースの一部を前記支持枠部の厚み方向の下部に突設させた下部規制部と、前記支持枠部の厚み方向の上部に配置された上部規制部材と、からなること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  6. 前記制動部材が、
    前記パッケージベースに前記制動部材を固定する固定部と、
    前記固定部に対して略直交する立上部と、
    前記立上部から前記支持枠部の厚み方向両側を隙間を有して挟むように略平行に延在される上部規制部と下部規制部と、からなること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  7. 前記パッケージベースの開口部を封止するリッドがさらに備えられ、
    前記制動部材が、
    前記パッケージベースの一部を前記支持枠部の厚み方向の下部に突設させた下部規制部と、前記リッドから前記支持枠部に向かって突設される上部規制部材と、からなること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の物理量検出デバイス。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の物理量検出デバイスと、
    少なくとも物理量検出回路と、
    を備えていることを特徴とする電子機器。
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