JP2013180813A - 湯切り用蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】開封に当ってタブを間違える可能性が低く、開封の途中で蓋材が破れたり、千切れたりすることもなく、容易に湯切り孔を形成することができ、さらに熱の影響によるシーラントの接着力の異常な上昇の生じない湯切り用蓋材を提案するもの。
【解決手段】上層と下層の2層からなり、上層は最下層に紙層を有し、紙層の下面には剥離ニス層を有し、下層は最上面にポリエチレン樹脂層を有し、最下面に低温シール性シーラントと接着性樹脂層を含む多層シーラント層を有し、蓋材を容器本体のフランジ部から剥離するための開封用プルタブと、上層を下層から剥離するための湯切り用プルタブを隣接して有し、湯切り用プルタブの付け根部分を横断し下層を貫通する下層ハーフカット線を有し、蓋材の二つのプルタブと対向する位置に、湯切り孔を形成するための、下層を貫通する閉じた形状の複数の湯切り孔ハーフカットを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は容器の蓋材に関し、特に即席麺等を収納するカップ型容器の開口部にシールして使用する蓋材であって、湯切り操作を伴う用途に好適に用いられる蓋材に関する。
乾燥麺の入った容器に湯を注いで麺を湯戻しし、一定時間経過後に余った湯を捨てる、いわゆる湯切り操作を行ってから喫食する形式の即席麺類が市販されている。
これらの即席麺類を収納する容器としては、発泡スチロール製や紙製の断熱性容器が用いられることが多い。これらの容器に、調味料等を収納した小袋と共に、乾燥麺を裸の状態で直接収納し、容器本体のフランジ部に対して、蓋材を加熱シールして密封する。
喫食に当っては、まず蓋材を一部剥離して開封し、調味料の小袋等を取り出した後、一定量の湯を乾燥麺に注いで蓋材を再封止する。次に所定時間が経過した段階で余分の湯を捨てる湯切り操作を行い、しかる後に調味料を添加してよく混ぜ合わせた上で喫食する。
この湯切り操作を伴う容器の設計に当っては、熱湯を使用する関係で火傷などを誘発しないように特に安全性に配慮する必要があり、湯切り操作を円滑に行うために、容器の蓋材に対しても従来からさまざまな工夫がなされて来た経緯がある。
特許文献1に記載された排湯機能を有する即席麺容器用蓋材は、図10に示したように、蓋材(101)を、層間で剥離可能な剥離領域(A)と層間剥離しない非剥離領域(B)とに区分し、それぞれの領域に排湯口開口用つまみ(103)と開封用つまみ(102)を設け、剥離領域には排湯口開口部形成用ハーフカット(104)によって形成される湯切り孔を配置し、剥離領域と非剥離領域の境界には剥離用ハーフカット(105)を設けたものである。
この例のように、湯切り用のタブ(つまみ)と開封用のタブとが、離れて設置されていると、間違えて先に湯切り用のタブを開いてしまう可能性があるという基本的な問題があった。
特許文献2に記載された湯切り口付き蓋材は、生麺等の麺も個別に包装されており、容器から一旦取り出して外装材を除去した後、再び容器に収納して湯を注いで麺をほぐすタイプの容器に使用する蓋材である。この蓋材の場合、個包装された麺を取り出したり、移しかえた麺をほぐしたりするための開口部を大きく取る必要から図11に示したように、蓋材(201)を層間剥離することはせずに、剥離される部分(A’)と残存する部分(B’)とに大きく区分し、それぞれにプルタブ(205)、(205A)を配置したものである。この例では、二つのタブが並んで設置されているので、前記のような間違いは生じ難い。
特許文献2に記載された湯切り口付き蓋材は、湯切り孔を形成する手段として層間剥離の手法を用いることができないため、残存する部分(B’)に湯切り口形成用ハーフカット(211)を設け、この部分を指で押して湯切り口を開くようにしたものであるが、特許文献1に記載された蓋材に比較して、湯切り孔をあけるのに、非常に手間がかかるという問題がある。
特開2000-109141号公報 特開2003-246368号公報
特許文献1に記載された排湯機能を有する即席麺容器用蓋材も、特許文献2に記載された湯切り口付き蓋材も、いずれも二つの領域の境界として、長いハーフカット線を必要とするが、ハーフカット加工を長い距離に対して均一に行うことは容易ではなく、しばしば部分的に切り過ぎたり、切り足らなかったりする、加工の深さのむらが生じる。
ハーフカット加工に部分的なむらがあると、切り過ぎた場合には気密性が失われて、内容物が変質することがある。また切り足らない場合には、円滑に剥離することができず、途中で蓋材が破れたり、千切れたりする問題が生じる。
一方、別の問題として、湯を注いだ時に熱の影響で容器本体と蓋材を接着しているシーラントの接着力が上がり、蓋材を剥離しにくくなるという問題もあった。
本発明の解決しようとする課題は、開封に当ってタブを間違える可能性が低く、開封の途中で蓋材が破れたり、千切れたりすることもなく、容易に湯切り孔を形成することができ、さらに熱の影響によるシーラントの接着力の異常な上昇の生じない湯切り用蓋材を提案するものである。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、容器本体のフランジ部に熱シールして使用する蓋材であって、上層と下層の2層からなり、上層は最下面に紙層を有し、紙層の下面には剥離ニス層が設けられており、下層は、上層の前記剥離ニス層に接する最上面にポリエチレン樹脂層を有し、最下面に低温シール性シーラントと接着性樹脂層を含む多層シーラント層を有し、蓋材を容器本体のフランジ部から剥離するための開封用プルタブと、上層を下層から剥離するための湯切り用プルタブの二つのプルタブを隣接して有し、湯切り用プルタブの付け根部分を横断し下層を貫通する下層ハーフカット線を有し、さらに蓋材の二つのプルタブと対向する位置に、湯切り孔を形成するための、下層を貫通する閉じた形状の複数の湯切り孔ハーフカットを有することを特徴とする湯切り用蓋材である。
本発明に係る湯切り用蓋材は、上層と下層とを剥離可能に積層し、湯切り孔の形成に当ってはタブ部分以外のほぼすべての上層を剥離除去するようにしたので、従来のように長いハーフカット線を必要とせず、プルタブの付け根部分を横断するだけのごく短いハーフカット線でこと足りるため、ハーフカット線の深さのばらつきに起因する剥離トラブルを生じにくい。
また、二つのプルタブを隣接して設けたので、開封する順序を間違える可能性が低くなる。またさらに、シーラント層を低温シール性シーラントと接着性樹脂層を含む多層シーラント層としたことにより、低温シール性シーラントの厚さを薄くすることが可能となり、湯の熱によってシール強度が不必要に上昇して剥離性が悪くなることを防ぐことができる。
また、請求項2に記載の発明は、下層のポリエチレン樹脂層と多層シーラント層との間に二軸延伸フィルム層を有することを特徴とする請求項1に記載の湯切り用蓋材である。
また、請求項3に記載の発明は、蓋材の二つのプルタブの表面に、剥離する順序を示す表示を有することを特徴とする請求項1または2に記載の湯切り用蓋材である。
また、請求項4に記載の発明は、開封用プルタブの付け根部分を横断し上層を貫通する上層ハーフカット線を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の湯切り用蓋材である。
また、請求項5に記載の発明は、前記閉じた形状の湯切り孔ハーフカットの内部に、剥離ニス層が存在しないかまたは剥離ニス層が作用しない部分を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の湯切り用蓋材である。
本発明に係る湯切り用蓋材は、前述の通り、上層と下層を剥離可能に積層し、湯切り孔の形成に当ってはタブ部分以外のほぼすべての上層を剥離除去するようにしたので、長いハーフカット線を必要とせず、プルタブの付け根部分を横断するだけのごく短いハーフカット線でこと足りる。このため、ハーフカット線を形成する工程が簡単で済み、生産効率が上がる他、ハーフカット線の深さのばらつきも少なくて済むので、上層が剥離途中に破れたり、千切れたりするハーフカット線の深さのばらつきに起因する剥離トラブルを生じにくい。
また開封用プルタブと湯切り用プルタブの二つのプルタブを隣接して設けたので、消費者がどちらを先に開封するか間違える可能性が低い。二つのプルタブに剥離する順序を示す表示を行った場合には、さらにその効果が高まる。
また、シーラント層を低温シール性シーラントと接着性樹脂層を含む多層シーラント層としたことにより、低温シール性シーラントの厚さを薄くすることが可能となり、湯の熱によってシール強度が不必要に上昇して剥離性が悪くなることを防ぐことができる。このため、蓋材を最終的にすべて剥離除去する際に接着力が強すぎて蓋材が破れたり千切れたりする剥離トラブルを防止することができる。
下層のポリエチレン樹脂層と多層シーラント層との間に二軸延伸フィルム層を設けた場合には、下層の破断強度が向上し、さらに安定した剥離性を確保することができる。
また、開封用プルタブの付け根部分を横断し上層を貫通する上層ハーフカット線を設けた場合には、上層の剥離がより円滑になり、プルタブの形状についても自由度が高まる。
湯切り孔ハーフカットの内部に、剥離ニス層の存在しないかまたは剥離ニス層が作用しない部分を設けた場合には、湯切り孔部分の上層と下層の接着力が高まる。このため、湯切り孔を形成するために上層を剥離除去する際に、湯切り孔部分の下層が除去されずに残ってしまうトラブルを未然に防ぐことができる。
図1は、本発明に係る湯切り用蓋材の一実施態様を示した平面模式図である。 図2は、本発明に係る湯切り用蓋材の他の実施態様を示した平面模式図である。 図3は、図2の蓋材の上層を剥離除去して、湯切り孔を現出させた状態を示した平面模式図である。 図4は、本発明に係る湯切り用蓋材の一実施態様における層構成を示した断面模式図である。 図5は、本発明に係る湯切り用蓋材の他の実施態様における層構成を示した断面模式図である。 図6は、本発明に係る湯切り用蓋材の他の実施態様における層構成を示した断面模式図である。 図7は、本発明に係る湯切り用蓋材の他の実施態様における層構成を示した断面模式図である。 図8は、本発明に係る湯切り用蓋材の他の実施態様を示した平面模式図である。 図9は、本発明に係る湯切り用蓋材の他の実施態様を示した平面模式図である。 図10は、特許文献1に記載された従来の湯切り用蓋材の平面模式図である。 図11は、特許文献2に記載された従来の湯切り用蓋材の平面模式図である。
以下図面を参照しながら、本発明に係る湯切り用蓋材について詳細に説明する。
図1、2は、本発明に係る湯切り用蓋材(1)の実施態様を示した平面模式図である。また図3は、図2の蓋材の上層(4)を剥離除去して、湯切り孔(8)を現出させた状態を示した平面模式図である。また図4は、本発明に係る湯切り用蓋材(1)の一実施態様における層構成を示した断面模式図である。
本発明に係る湯切り用蓋材(1)は、容器本体(6)のフランジ部(7)に熱シールして使用する蓋材であって、上層(4)と下層(5)の2層からなる。
上層(4)は最下層に紙層(14)を有し、紙層(14)の下面には剥離ニス層(15)が設けられている。
下層(5)は、上層(4)の剥離ニス層(15)に接する最上面にポリエチレン樹脂層(16)を有し、最下面に低温シール性シーラント(21)と接着性樹脂層(20)を含む多層シーラント層(19)を有する。
このように、上層(4)の紙層(14)の下面の剥離ニス層(15)と、下層(5)の最上面のポリエチレン樹脂層(16)とが積層されているため、上層(4)と下層(5)とは、剥離可能に積層されていることになる。この層間の剥離性の程度は、剥離ニス層(15)とポリエチレン樹脂層(16)のそれぞれの材質を選択することによって調節することができる。
本発明に係る湯切り用蓋材(1)は、さらに蓋材を容器本体(6)のフランジ部(7)から剥離するための開封用プルタブ(2)と、上層(4)を下層(5)から剥離するための湯切り用プルタブ(3)の二つのプルタブを隣接して有していることを特徴とする。
二つのプルタブが隣接して設けられていると、ユーザーはどちらのプルタブを先に開くべきか極く自然に意識するため、誤って先に湯切り用タブを開いてしまうといった事故を未然に防止する効果がある。
図1に示した実施態様においては、開封用プルタブ(2)と湯切り用プルタブ(3)にそれぞれ開封の順番を示すアルファベットを表示してある。また図2に示した実施態様においては、開封用プルタブ(2)と湯切り用プルタブ(3)にそれぞれ開封の順番を示す番号を表示してある。このように、二つのプルタブに開封の順序を示す表示を行うことにより、さらに分り易いものとなっている。この開封の順番を示す表示としては、アルファベットや数字に限らず、順番を暗示する絵などでも良い。
次に、本発明に係る湯切り用蓋材(1)は、湯切り用プルタブ(3)の付け根部分を横断し下層(5)を貫通する下層ハーフカット線(5h)を有している。
下層ハーフカット線(5h)は、湯切り孔(8)を現出させるために上層(4)を剥離除去する際に、必要となるものである。すなわち、湯切り用プルタブ(3)を持ち上げると付け根部分を横断する下層ハーフカット線(5h)の働きにより、下層(5)を容器本体のフランジ部(7)に残したまま上層(4)のみが下層から剥離を開始する。下層ハーフカット線(5h)の位置としては、容器本体(6)のフランジ部外周(7b)の直近の外側が最も好ましい。
図2に示した実施態様においては、下層ハーフカット線(5h)に加えて、開封用プルタブ(2)の付け根部分を横断し上層(4)を貫通する上層ハーフカット線(4h)を備えている。湯切り用プルタブ(3)から上層の剥離を開始した時に、隣接する開封用プルタブ(2)の付け根部分に上層ハーフカット線(4h)が設けてあると、開封用プルタブの部分の上層をプルタブ上に残したまま、上層のみの剥離が円滑に進行する。
図3は、図2の蓋材の上層(4)を剥離除去して、湯切り孔(8)を形成した状態を示した平面模式図である。このように、本発明に係る湯切り用蓋材(1)は、湯切り孔(8)を現出させるために従来のような長いハーフカット線を必要とせず、プルタブの付け根を横断する程度の短いハーフカット線でこと足りるため、従来ハーフカット線の深さのばらつきによって生じていたさまざまな問題を解消することができたものである。
なお開封用プルタブ(2)の形状によっては、上層ハーフカット線(4h)がなくても良い場合もある。それは、開封用プルタブ(2)の形状が図1のように、容器の外周からなだらかに少し盛り上がる程度である場合であって、そのような場合には、湯切り用プルタブ(3)から始まった上層(4)の剥離が開封用プルタブ(2)の表面にも自然に波及して剥離が進行するためである。
次に、本発明に係る湯切り用蓋材(1)は、さらに蓋材の二つのプルタブと対向する位置に、湯切り孔(8)を形成するための、下層(5)を貫通する閉じた形状の複数の湯切り孔ハーフカット(8h)を有することを特徴とする。
図1に示した実施態様においては、18個の小円形の湯切り孔ハーフカット(8h)が、円形の湯切り用蓋材(1)の開封用プルタブ(2)と湯切り用プルタブ(3)に対向する位置に配置されている。
湯切り用蓋材(1)の形状については、図1に示したような円形や、図8に示したような角が丸い四角形などが一般的であるが、特に制約されるものではない。
本発明に係る湯切り用蓋材(1)の使用に当っては、まず開封用プルタブ(2)を持って容器本体(6)のフランジ部(7)から蓋材を一部剥離して開封する。容器内の調味料の小袋などを取り出した後、容器内の乾燥麺に所定量の熱湯を注ぎ、蓋材を再封止して、麺を湯戻しする。所定時間経過後に湯切り用プルタブ(2)を持って上層(4)のみを剥
離除去すると湯切り孔(8)が現出する。湯切り孔から余分な湯を排出する湯切り操作を行った後、再度開封用プルタブを持って蓋材全部を剥離除去する。取り出しておいた調味料等を混ぜ合わせて調理した後、喫食に供する。
図4〜7は、本発明に係る湯切り用蓋材(1)のそれぞれの実施態様における層構成を示した断面模式図である。図4に示した実施態様においては、上層(4)が紙層(14)と紙層の表面に印刷した印刷インキ(13)と、紙層の下面に形成した剥離ニス層(15)とからなっている。
紙層(14)の下面に剥離ニス層(15)を設けるに当っては、剥離ニスの吸い込みを少なくして、剥離性を十分に発揮させるために予め目止めニスを塗布することが好ましいが、目止めニスと剥離ニスの両方の効果を兼ね備えた目止め剥離ニスを塗布してもよい。
紙としては、片面アート紙、両面アート紙、コート紙、上質紙、合成紙等が使用できる。剥離ニスとしては、例えば、ワックス系、ポリアミド系、シリコン系、アクリル系の樹脂系のものが好適に用いられる。また、剥離ニスの紙への含浸を防止するために、剥離ニス層と紙層との間に目止めニス層を設ける場合、目止めニスとしては、例えば、硝化綿系、ウレタン系、ワックス系、ポリアミド系、シリコン系、アクリル系の樹脂系のものが好適に用いられる。
剥離ニス層(15)と次に説明するポリエチレン樹脂層(16)との界面が上層(4)と下層(5)が剥離する剥離位置(H)となる。
図4に示した実施態様において、下層(5)は、上から順に、ポリエチレン樹脂層(16)、二軸延伸フィルム層(17)、接着剤層(12b)、アルミニウム箔(18)が積層されており、最下面に接着性樹脂層(20)と低温シール性シーラント(21)からなる多層シーラント層(19)を有している。
ポリエチレン樹脂層(16)としては、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)等が使用できる。
二軸延伸フィルム層(17)としては、延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂フィルム、延伸ナイロンフィルム(ONY)、延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(OPP)、延伸ポリエチレン樹脂フィルム(OPE)等の一般的な二軸延伸フィルムが使用できる。
下層(5)に二軸延伸フィルム層(17)を用いた場合、下層の引裂強度が向上し、蓋材が剥離時に破れたり、千切れたりすることが生じにくくなる。またアルミニウム箔(18)を用いることにより、蓋材のガスバリア性と遮光性が向上し、内容物の変質を防止する効果が高まる。
最下面のシーラント層を多層シーラント層(19)とすることにより、低温シール性シーラント(21)の厚さを薄くすることができる。低温シール性シーラント(21)は、容器に湯を注いだ時に加熱されることにより、内部に含まれる粘着付与剤(タッキファイヤー)がシール面に集まり、接着強度が上がって剥離性が悪くなり蓋材が千切れる要因となっていたが、薄くすることにより、接着強度の上昇を防ぎ、初期の接着強度自体も低くすることができる。
低温シール性シーラント(21)としては、一般的にLTSと称される樹脂材料が使用
できる。容器がポリスチレン(PS)樹脂やハイインパクトポリスチレン(HIPS)樹脂の場合であれば、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステルの三元共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが使用できる。容器が紙/PE樹脂の場合であれば、PE+ポリブテン−1や、PE+エチレン−ブテン共重合体あるいはプロピレン−ブテン共重合体や、PE+エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体などのブレンド樹脂が使用できる。
接着性樹脂層(20)としては、アンカーコート層を用いた場合は、LDPE、LLDPEなどのポリエチレン樹脂が、アンカーコート層を用いない場合は、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)などのエチレン−酸コポリマーが使用できる。
図4に示した蓋材を製造する方法の一例を示せば、まず紙の表面に印刷を施し、裏面に目止め剤と剥離ニスを塗布する。次に二軸延伸フィルムとアルミニウム箔を接着剤によって貼り合せて積層する。次に先程の紙の剥離ニス面と、積層体の二軸延伸フィルム面とを加熱溶融してTダイから押し出したポリエチレン樹脂を介して貼り合せる。最後にアルミニウム箔面に接着性樹脂層と低温シール性シーラントを共押出しして蓋材の原反とする。この蓋材の原反にハーフカット加工を施し、所定の形状に打抜くと湯切り用蓋材が完成する。
下層ハーフカット線(5h)と湯切り孔ハーフカット(8h)は、下層(5)を貫通し、上層(4)の紙層(14)に少し食い込む程度の深さとするのが良い。また上層ハーフカット線(4h)は、上層(4)を貫通し、下層(5)のポリエチレン樹脂層(16)に少し食い込む程度の深さとするのが良い。
ハーフカットの加工方法としては、切り刃による機械的な方法とレーザーを用いた方法がある。本発明に係る湯切り用蓋材においては、ハーフカット線の長さが短いので、どちらの方法でも安定したハーフカット加工を行うことができる。
図5に示した実施態様においては、紙層(14)の印刷インキ(13)の上に透明フィルム層(11)が接着剤層(12a)を介して積層されている以外は、図4に示した実施態様と同様である。透明フィルム層(11)が存在することにより、印刷インキが保護されると共に、上層(4)の強度が高まり、上層の剥離性が安定する。
図6に示した実施態様においては、図4に示した構成からアルミニウム箔が省略されている。蓋材に高度のガスバリア性や遮光性が必要とされない場合には、このようにアルミニウム箔を省略することもできる。図6に示した構成では、さらに接着性樹脂に替えてポリエチレン樹脂を用い、アンカー剤(12c)を介して2軸延伸フィルムと多層シーラント層(19)を貼り合せている。それなりの機械設備を用いれば、紙層(14)と二軸延伸フィルム層(17)と多層シーラント層(19)とを一度にラミネートすることも可能である。
図7に示した実施態様は、図6に示した構成に、透明フィルム層(11)を加えたものである。
図9は、本発明に係る湯切り用蓋材(1)の他の実施態様を示した平面模式図である。図9に示した実施態様においては、閉じた形状の湯切り孔ハーフカット(8h)の内部に、剥離ニス層が存在しないかまたは、剥離ニス層が作用しない部分すなわち剥離しない部分(9)を設けたことを特徴とする。このようにすることにより、湯切り孔部分の上層(4)と下層(5)の剥離性が失われ、上層と下層の接着性が高まるため、湯切り孔部分の下層が着実に上層に付着して除去されるため、湯切り孔(8)が確実に形成される。
この剥離しない部分(9)を形成する方法としては、剥離ニスを全面べたで印刷せずに、この部分だけ抜き版にして、剥離ニス層が存在しないようにする方法と、べた状に設けた剥離ニス面のこの部分だけに後から接着ニス等を印刷する方法がある。いずれの方法を用いる場合も、湯切り孔ハーフカット(8h)と位置合せをする必要があるので、多少ずれたとしても問題がないように、剥離しない部分(9)の大きさは湯切り孔ハーフカットの大きさよりも少し小さくしておくことが好ましい。
1・・・湯切り用蓋材
2・・・開封用プルタブ
3・・・湯切り用プルタブ
4・・・上層
4h・・・上層ハーフカット線
5・・・下層
5h・・・下層ハーフカット線
6・・・容器本体
7・・・フランジ部
7a・・・フランジ部内周
7b・・・フランジ部外周
8・・・湯切り孔
8h・・・湯切り孔ハーフカット
9・・・剥離しない部分
11・・・透明フィルム層
12a、12b・・・接着剤層
13・・・印刷インキ
14・・・紙層
15・・・剥離ニス層
H・・・剥離位置
16・・・ポリエチレン樹脂層
17・・・二軸延伸フィルム層
18・・・アルミニウム箔
19・・・多層シーラント層
20・・・接着性樹脂層
21・・・低温シール性シーラント
101・・・蓋材
102・・・開封用つまみ
103・・・排湯口開口用つまみ
104・・・排湯口開口部形成用ハーフカット
105・・・剥離用ハーフカット
106・・・つまみ部剥離用ハーフカット
A・・・剥離領域
B、C・・・非剥離領域
201・・・蓋材
204・・・周縁部
205、205A・・・プルタブ
209・・・簡易切断線
211・・・湯切り口形成用ハーフカット
212・・・表面側ハーフカット
213・・・裏面側ハーフカット
A’・・・剥離される部分
B’・・・残存する部分
C’・・・部分ハーフカットに囲まれた部位

Claims (5)

  1. 容器本体のフランジ部に熱シールして使用する蓋材であって、上層と下層の2層からなり、
    上層は最下層に紙層を有し、紙層の下面には剥離ニス層が設けられており、
    下層は、上層の前記剥離ニス層に接する最上面にポリエチレン樹脂層を有し、最下面に低温シール性シーラントと接着性樹脂層を含む多層シーラント層を有し、
    蓋材を容器本体のフランジ部から剥離するための開封用プルタブと、上層を下層から剥離するための湯切り用プルタブの二つのプルタブを隣接して有し、
    湯切り用プルタブの付け根部分を横断し下層を貫通する下層ハーフカット線を有し、
    さらに蓋材の二つのプルタブと対向する位置に、湯切り孔を形成するための、下層を貫通する閉じた形状の複数の湯切り孔ハーフカットを有する
    ことを特徴とする湯切り用蓋材。
  2. 下層のポリエチレン樹脂層と多層シーラント層との間に二軸延伸フィルム層を有することを特徴とする請求項1に記載の湯切り用蓋材。
  3. 蓋材の二つのプルタブの表面に、剥離する順序を示す表示を有することを特徴とする請求項1または2に記載の湯切り用蓋材。
  4. 開封用プルタブの付け根部分を横断し上層を貫通する上層ハーフカット線を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の湯切り用蓋材。
  5. 前記閉じた形状の湯切り孔ハーフカットの内部に、剥離ニス層が存在しないかまたは、剥離ニス層が作用しない部分を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の湯切り用蓋材。
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