JP2013178959A - 超電導ケーブルシステム - Google Patents

超電導ケーブルシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2013178959A
JP2013178959A JP2012042269A JP2012042269A JP2013178959A JP 2013178959 A JP2013178959 A JP 2013178959A JP 2012042269 A JP2012042269 A JP 2012042269A JP 2012042269 A JP2012042269 A JP 2012042269A JP 2013178959 A JP2013178959 A JP 2013178959A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
cable
individual
core
path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012042269A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5811405B2 (ja
Inventor
Masayuki Hirose
正幸 廣瀬
Kazuaki Tatamiya
和晃 畳谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2012042269A priority Critical patent/JP5811405B2/ja
Publication of JP2013178959A publication Critical patent/JP2013178959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5811405B2 publication Critical patent/JP5811405B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

Landscapes

  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)

Abstract

【課題】冷媒の循環路が集合流路から複数の個別流路に分岐しないように構成された超電導ケーブルシステムを提供する。
【解決手段】超電導ケーブル線路の中間部において、複数心のコアを一括して一つの断熱管α内に収納した集束ケーブル部100Aと、同ケーブル線路の両端部において、各コアを分岐させて個別の断熱管β内に収納した分岐ケーブル部100Bと、コアを極低温に維持する冷媒を冷却し、その冷媒を両ケーブル部100A,100Bとを通る循環路に循環させる冷却機構200とを備えるシステムS1である。循環路は、集束ケーブル部110Aに形成された集合流路ACと、各分岐ケーブル部110Bに形成された個別流路BCとを備え、個別流路BCの少なくとも一つから集合流路ACに冷媒の流通を許容する流路移行部T1,T2と、集合流路ACから複数の個別流路BCに冷媒が分流されることを阻止する流路区画部300とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数心のケーブルコアを一つの断熱管内に収納する超電導ケーブルを備える超電導ケーブルシステムに関する。特に、本発明は、超電導ケーブルシステムに備わる冷媒の循環路において冷媒の流れが一つから複数に分岐しないように構成された超電導ケーブルシステムに関するものである。
一般に、超電導ケーブルは、フォーマの外周に超電導導体層を形成したケーブルコアと、ケーブルコアを内部に収納するケーブル断熱管とを備え、ケーブルコアを液体窒素などの冷媒で極低温に冷却した状態で使用される(例えば、特許文献1参照)。
このような超電導ケーブルとして、図10に示すように、複数心のケーブルコア110を一つのケーブル断熱管120内に収納した超電導ケーブル100が知られている。
代表的なケーブルコア110は、中心から順に、フォーマ111、超電導導体層112、内部半導電層(図示せず)、ケーブル絶縁層113、外部半導電層(図示せず)、ケーブル遮蔽層114、保護層115を有している。また、代表的なケーブル断熱管120は、内管121と外管122とを備え、両管121,122の間が真空引きされている。さらに、外管122の外周には防食層123が形成されている。通常、各ケーブルコア110と断熱管120の間の空間が冷媒の流路として利用される。
図11は、図10に示す3心一括型の超電導ケーブル100を用いた従来の超電導ケーブルシステムの構成を示す概略図である。この超電導ケーブルシステムScは、一つのケーブル断熱管α内に複数心のケーブルコアを収納した集束ケーブル部100Aと、集束ケーブル部100Aの両端の分岐箱150で各ケーブルコア110を分岐させ、個別の断熱管β内に収納する分岐ケーブル部100Bとを備える。分岐されたケーブルコア110の各々は個別断熱管β内に収納され、電気的に端末部100Eに接続される。各ケーブルコア110の端部に個別に端末部100Eを設けることで、個々の端末部100Eをコンパクト化し、かつ各端末部100Eの設置場所に関して高い自由度を確保できる。
上記超電導ケーブルシステムScには、各ケーブルコアを極低温に冷却する冷媒の循環路が形成されている(例えば、特許文献2参照)。
このシステムScの循環路は、次の順序で冷媒が流通される単一の循環路として構成される。まず、リザーバタンク210、ポンプ220及び冷凍機230を有する冷却機構200から供給管Cg及び超電導ケーブル100の一端側(図11の左側)の端末部100Eを介して各分岐ケーブル部100Bに冷媒が送り出される。各分岐ケーブル部100B内の個別往路Bg(個別流路BC)を通った冷媒は、一方の分岐箱150を経て集束ケーブル部100A内で集合されて集合流路ACを構成して超電導ケーブル100の他端側(図11の右側)に流通される。さらに、集合流路ACを通った冷媒は、超電導ケーブル100の他端側において、他方の分岐箱150を経て各分岐ケーブル部100B内の個別往路Br(個別流路BC)に分岐して流通された後、他方の端末部100E及び排出管Crを経て冷却機構200に戻される。
特開2011-28936号公報 特開2003-297161号公報
しかし、本発明者らの検討の結果、図11に示す従来の超電導ケーブルシステムScでは、分岐ケーブル部100Bにおける各ケーブルコア110の冷却程度にバラツキが生じる虞のあることがわかった。この原因の一つとしては、集合流路ACの他端側(図11の右側)から複数の個別復路Brに分岐する箇所で、冷媒が個別復路Brの各々に十分に分流しないため、分岐ケーブル部100Bにおける各ケーブルコア110の冷却程度にバラツキが生じてしまうことが挙げられる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、冷媒の循環路が集合流路から複数の個別流路に分岐しないように構成された超電導ケーブルシステムを提供することにある。
本発明者らは、少なくとも一つの個別流路から集合流路への冷媒の流通は許容するが、集合流路から複数の個別流路に分流することは阻止するように一つの循環路を構成すれば、上記の目的を達成できるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
本発明の超電導ケーブルシステムは、集束ケーブル部と、分岐ケーブル部と、冷却機構とを備える。集束ケーブル部は、超電導ケーブル線路の中間部において、複数心のケーブルコアが一括して一つの断熱管α内に収納される。分岐ケーブル部は、超電導ケーブル線路の両端部において、上記各ケーブルコアを分岐させて個別の断熱管β内に収納する。冷却機構は、ケーブルコアを極低温に維持する冷媒を冷却し、その冷媒を集束ケーブル部と分岐ケーブル部とを通る循環路に循環させる。このようなシステムにおいて、上記循環路は、集束ケーブル部に形成された集合流路と、各分岐ケーブル部に形成された個別流路とを備える。そして、この循環路は、個別流路の少なくとも一つから集合流路に冷媒の流通を許容する流路移行部と、集合流路から複数の個別流路に冷媒が分流されることを阻止する流路区画部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、流路移行部により、集合流路から個別流路への冷媒の流通を許容することで、集束ケーブル部から分岐ケーブル部への冷媒の流路を確保できる。一方、流路区画部により、集合流路から複数の個別流路に冷媒が分流されることを阻止することで、各分岐ケーブル部のケーブルコアの冷却程度にバラツキが生じることを抑制できる。特に、個々の分岐ケーブル部の個別流路に冷媒流量の制御手段を設けなくても、各個別流路の冷媒を均一に流通させ易い。
なお、上記断熱管αと断熱管βの間でなされるケーブルコアの分岐には、集束ケーブル部のコアと分岐ケーブル部のコアが一連のコアで、超電導ケーブル線路の端部側に分岐箱を設け、複数のコア同士が分岐箱内で互いに離間される場合の他、集束ケーブル部のコアと分岐ケーブル部のコアとが別のコアで、両コアを接続箱内で接続することにより、接続箱よりも超電導ケーブル線路の端部側で分岐ケーブル部のコア同士を離間させる場合を含む。
この超電導ケーブルシステムでは、冷媒の循環路は、単一であっても複数であっても構わない。また、超電導ケーブル線路の冷媒の流路は、集束ケーブル部の断熱管αとケーブルコア群との間の空間や分岐ケーブル部の断熱管βと各ケーブルコアとの間の空間の他、複数心の少なくとも一部のコアのフォーマを中空パイプとし、そのパイプ内の空間を利用する場合がある。
また、この超電導ケーブルシステムでは、冷媒を冷却・循環させるための冷却機構が用いられる。その冷却機構の代表例としては、リザーバタンク、ポンプ及び冷凍機を備える構成が挙げられる。但し、リザーバタンク、ポンプ及び冷凍機の具体的な組み合わせ方には種々の形態が利用できる。例えば、冷媒の下流側から上流側に向かってリザーバタンク→ポンプ→冷凍機の順に各部材を直列に配列する場合(独立型)や、リザーバタンク内の冷媒を冷凍機で冷却する冷凍機付きリザーバタンク→ポンプの順に各部材を直列に配置する場合(複合型)が挙げられる。いずれにおいても、原則として、ポンプはリザーバタンクの下流側に位置される。この配置により、循環される冷媒の圧力は、リザーバタンクつまりポンプの直前で最小となる。
また、ポンプと冷凍機の各々は、各個別流路の数(ケーブルコアの数)と同じ数だけ用いても良いし、各個別流路の数(ケーブルコアの数)と異なる数としても良い。より具体的には、次の構成が挙げられる。
(A)リザーバから各個別流路の数に対応する数の配管を伸ばし、その各配管にポンプ、冷凍機を直列に配置する(ポンプの数=冷凍機の数=個別流路の数)。
(B)リザーバから各個別流路の数より少ない数の配管を伸ばし、その配管にポンプを設け、さらにポンプの下流を各個別流路の数に応じた数の分岐配管に接続し、この各分岐配管に冷凍機を設ける(ポンプの数<個別流路の数、冷凍機の数=個別流路の数)。
さらに、超電導ケーブルシステムが冷媒の循環路を複数系統備える場合、各循環路の冷媒の冷却機構は同じ構成であっても異なる構成であっても構わない。例えば、2つの循環路を備える場合、一方の循環路の冷却機構は上記独立型であり、他方の循環路の冷却機構は上記複合型であっても良い。
本発明の超電導ケーブルシステムの一形態として、上記循環路は、互いに独立した第一循環路と第二循環路とを備える形態が挙げられる。その場合、第一循環路は、超電導ケーブル線路の一端側に設けられた第一個別流路と、この第一個別流路に第一流路移行部を介してつながる第一集合流路とを有する。第二循環路は、超電導ケーブル線路の他端側に設けられた第二個別流路と、この第二個別流路に第二流路移行部を介してつながる第二集合流路とを有する。そして、上記流路区画部は、第一集合流路と第二集合流路とを区画する集合流路区画部を有する。
この構成によれば、集束ケーブル部と分岐ケーブル部とを有する超電導ケーブルシステムを、少なくとも2系統の冷媒の循環路を用いて循環することができる。その際、いずれの系統の循環路も各系統の流路移行部により、各系統の個別流路から各系統の集合流路への冷媒の流通は許容される。一方、集合流路区画部により、第一集合流路と第二集合流路とは区画されるため、各系統の集合流路から各系統の個別流路へと冷媒が分流されることはない。そのため、各分岐ケーブル部のケーブルコアの冷却程度にバラツキが生じることを抑制できる。
上記第一循環路と第二循環路とを備える本発明の超電導ケーブルシステムの一形態として、上記第一個別流路と第二個別流路の少なくとも一方は、各ケーブルコアごとに並列して構成されている形態が挙げられる。その場合、並列される個別流路のいずれもが、第一流路移行部と第二流路移行部の少なくとも一方を介して第一集合流路と第二集合流路の少なくとも一方につながれている。
この構成によれば、複数の分岐ケーブル部における各個別流路を並列した循環路を構成することができる。そのため、基本的には、各個別流路ごとに冷媒を圧送するポンプを要するが、個々のポンプの出力は比較的小さなものを利用することができる。
本発明の超電導ケーブルシステムの一形態として、第一個別流路と第二個別流路の少なくとも一方は、全ケーブルコアに沿った一連に構成され、各ケーブルコアに沿った個別流路のいずれか一つのみが流路移行部を介して第一集合流路と第二集合流路の少なくとも一方につながれた形態が挙げられる。その場合、流路区画部は、上記集合流路につながれる一つの個別流路を除く残りの個別流路を集合流路と区画する個別流路区画部を有する。
この構成によれば、複数の分岐ケーブル部における各個別流路を一連の流路として循環路を構成することができる。換言すれば、各個別流路の冷媒は複数の分岐ケーブル部を一筆書きするように直列に流通される。そのため、基本的には、複数の分岐ケーブル部に一連に形成された個別流路に対して一つのポンプを用いることで冷媒の流通を行うことができる。
本発明の超電導ケーブルシステムの一形態として、循環路は、単一の循環路で構成され、個別流路は、超電導ケーブル線路の一端側の全ケーブルコアに沿って一連に形成される一端側個別流路と、超電導ケーブル線路の他端側の全ケーブルコアに沿って一連に形成される他端側個別流路とを有する形態が挙げられる。この場合、集合流路は、一端側個別流路と他端側個別流路とをつなぐように構成される。
この構成によれば、一端側個別流路、集合流路、他端側個別流路をつなぐ単一の循環路を構成しながら、集合流路から他端側個別流路への冷媒の流通は、複数の個別流路に分岐されるのではなく、一連に形成された個別流路に対して行われるため、各分岐ケーブル部のケーブルコアの冷却程度にバラツキが生じることを抑制できる。
本発明の超電導ケーブルシステムの一形態として、第一個別流路及び第二個別流路は断熱管βと各コアとの間の空間に形成され、第一集合流路及び第二集合流路は断熱管αと各コアとの間の空間に形成されていることが挙げられる。
この構成によれば、各ケーブルコアの外側に冷媒の流路が形成されるため、分岐ケーブル部・集束ケーブル部のいずれに対しても冷媒を供給・排出し易い。
本発明の超電導ケーブルシステムの一形態として、超電導ケーブルは、断熱管α及び断熱管βと各ケーブルコアとの間の空間に冷媒が流通される外側流路と、各ケーブルコアが備える中空フォーマの内部空間に冷媒が流通される内側流路とを備える形態が挙げられる。その場合、上記循環路は、冷却機構→超電導ケーブル線路の一端側における分岐ケーブル部内の外側流路→超電導ケーブル線路の一端側における分岐ケーブル部内の内側流路→集束ケーブル部における各コア内の内側流路→超電導ケーブル線路の他端側における分岐ケーブル部内の内側流路→超電導ケーブル線路の他端側における分岐ケーブル部内の外側流路→集束ケーブル部における外側流路→冷却機構の順で循環される単一の循環路で構成される。そして、上記流路区画部は、超電導ケーブル線路の一端側における分岐ケーブル部内の外側流路と集束ケーブル部における外側流路とを区画する。
この構成によれば、冷媒の流路として、各コアと断熱管との間の空間だけではなく、フォーマの内部空間も利用することで、単一の循環路を有する超電導ケーブルシステムを構築できる。
本発明の超電導ケーブルシステムの一形態として、超電導ケーブルは、断熱管α及び断熱管βと各ケーブルコアとの間の空間に冷媒が流通される外側流路と、各ケーブルコアが備える中空フォーマの内部空間に冷媒が流通される内側流路とを備える形態が挙げられる。その場合、循環路は、互いに独立した主循環路と副循環路とを備える。主循環路は、冷却機構→超電導ケーブル線路の一端側における分岐ケーブル部内の内側流路→集束ケーブル部における各コア内の内側流路→超電導ケーブル線路の他端側における分岐ケーブル部内の内側流路→超電導ケーブル線路の他端側における分岐ケーブル部内の外側流路→集束ケーブル部における外側流路→冷却機構の順で冷媒が循環される。副循環路は、冷却機構→超電導ケーブル線路の一端側における分岐ケーブル部内の外側流路→集束ケーブル部における外側流路→冷却機構の順で冷媒が循環される。そして、流路区画部は、主循環路と副循環路の集束ケーブル部における外側流路同士を区画する。
この構成によれば、冷媒の流路として、各コアと断熱管との間の空間だけではなく、フォーマの内部空間も利用することで、複数の循環路を有する超電導ケーブルシステムを構築できる。
本発明超電導ケーブルシステムは、冷媒の流れが一つから複数に分岐する箇所を有しないため、各分岐ケーブル部における冷媒の流量を調整し易く、そのケーブルコアの冷却のバラツキを抑制できる。
(A)は実施形態1に係る超電導ケーブルシステムにおける冷媒の循環路の概略図、(B)は(A)に示す循環路の一部拡大図である。 実施形態2に係る超電導ケーブルシステムにおける冷媒の循環路の概略図である。 実施形態3に係る超電導ケーブルシステムにおける冷媒の循環路の概略図である。 (A)は実施形態4に係る超電導ケーブルシステムにおける冷媒の循環路の概略図、(B)は(A)に示す循環路の一端側の部分拡大図、(C)は(A)に示す循環路の他端側の部分拡大図である。 (A)は実施形態5に係る超電導ケーブルシステムにおける冷媒の循環路の概略図、(B)は(A)に示す循環路の一端側の部分拡大図、(C)は(A)に示す循環路の他端側の部分拡大図である。 実施形態1、2、3に係るシステムに利用できる端末の部分概略構成図である。 実施形態4、5に係るシステムに利用できる端末の部分概略構成図である。 実施形態2、3に係るシステムに利用できる接続部の概略構成図である。 実施形態5に係るシステムに利用できる接続部で、超電導ケーブルと常電導ケーブルとの接続部を示す概略構成図である。 3心のケーブルコアを備える超電導ケーブルの概略横断面図である。 従来の超電導ケーブルシステムの概略図である。
以下、本発明の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。各実施形態で共通の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
<各実施形態の基本構成>
いずれの実施形態においても、図10に示した超電導ケーブルなどの公知の低温絶縁型超電導ケーブルが利用できる。また、各実施形態に係るシステムが、(1)大径で一つの断熱管α内に複数心のケーブルコア(以下の説明において、単にコアということがある。)を一括して収納した集束ケーブル部と、集束ケーブル部の両端部で各ケーブルコアを分岐させ、分岐されたコアの各々を小径の個別の断熱管β内に収納する分岐ケーブル部とを備える点や、(2)リザーバタンク、ポンプ及び冷凍機を有する冷却機構を用いて集束ケーブル部と分岐ケーブル部を通る循環路に冷媒が循環される点、(3)超電導ケーブルで構成される集束ケーブル部の両端部に分岐箱を有し、その分岐箱内で各コアが分離されている点、或いは(4)分岐ケーブル部の端部に端末部が形成されている点は、図11に示す超電導ケーブルシステムと同様である。但し、集束ケーブル部の両端部に接続箱を設け、その接続箱内で集束ケーブル部のコアを別のコアに接続して分岐ケーブル部を構成する場合もある(実施形態2、3)。以下の各実施形態の説明に際し、図1〜図5は、図の左側を超電導ケーブルシステムの一端側(一方)、右側を他端側(他方)とし、主に冷媒の循環路に関連する構成を示し、超電導ケーブルシステムの他の構成は簡略化している箇所がある。
いずれの実施形態においても、分岐箱としては、例えば特開2005-12925号公報の構成など、各種公知の構成が利用できるため、その具体的な構成については説明を省略する。また、端末部には、例えば特開2006-196628号公報に記載の構成など、公知の構成を応用することもできるが、各実施形態1〜5において冷媒を分岐ケーブル部に導入、又は分岐ケーブル部から排出するために好適な端末部の構成は実施形態6、7、9で、実施形態2、3において隣接するコアのフォーマ内に形成された冷媒流路同士をつなぐための接続箱(接続ユニット)は実施形態8で説明する。
<実施形態1>
図1を参照して、冷媒の循環路が第一循環路と第二循環路の二系統から構成され、各分岐ケーブル部100B内の個別流路(個別往路)が並列された構成を備える超電導ケーブルシステムS1を説明する。本例ではいずれの循環路も、冷凍機210とポンプ220を含む冷却機構200から順に、第一・第二個別往路B1、B2(個別流路BC)、集合流路AC、第一・第二復路C1,C2(復路CC)、冷却機構200の順に冷媒が循環される。このシステムS1に用いられる超電導ケーブル100は、図10と同様の3心一括型の超電導ケーブルで、各ケーブルコアは素線絶縁された複数の銅線を撚り合わせた撚り線構造のフォーマを備える。そのため、冷媒の流路は、断熱管αと3心のコア群の間の空間に形成される集合流路ACと、断熱管βと各コア110の間の空間に形成される個別流路BCとを有する。
第一循環路は、冷却機構200から一方の端末部100Eにつながる供給管Cg1、この端末部100Eにつながる断熱管β内に形成される第一個別往路B1(第一個別流路)、第一個別往路B1から第一流路移行部T1を介して断熱管α内に形成される第一集合流路A1、第一集合流路A1につながる第一復路C1とを有する。第一個別往路B1はケーブルコア110の各々に対応して合計3つが並列して設けられ、第一集合流路A1と第一復路C1の各々は一つ設けられている。各ケーブルコア110を構成する超電導導体層と端末部100Eを構成する常電導リードとの電気的接続を行う接続構造自体は、公知の構成が利用できる。これら接続構造に関する点は、後述する第二個別往路B2においても同様である。
第一流路移行部T1は、3つの細い第一個別往路B1が分岐箱150で一括されて太い第一集合流路A1に移行される箇所である。一方、太い第一集合流路A1から細い第一復路C1への移行部は、流路の数の変化は伴わず、流路の径のサイズが変化するだけである。これらの点は、後述する第二流路移行部T2及び第二集合流路A2から細い第二復路C2への移行部についても同様である。
第二循環路は、第一循環路とほぼ対称な構成である。具体的には、冷却機構200から他方の端末部100Eにつながる供給管Cg2、この端末部100Eにつながる断熱管β内に形成される第二個別往路B2(第二個別流路)、第二個別往路B2から第二流路移行部T2を介して断熱管α内に形成される第二集合流路A2、第二集合流路A2につながる第二復路C2とを有する。第二個別往路B1はケーブルコアの各々に対応して合計3つ設けられ、第二集合流路A2と第二復路C2の各々は一つ設けられている。
そして、第一集合流路A1と第二集合流路A2とは、断熱管α内で集合流路区画部310により一端側と他端側とに区画されている(図1(A)、(B))。この集合流路区画部310により第一循環路と第二循環路とが独立した系統の循環路として構成される。集合流路区画部310には各コア110が貫通する貫通孔が形成され、その貫通孔の内周面と各コア110との間、及び集合流路区画部310の外周面と断熱管αの内周面との間は、液体の冷媒に対して水密にシールされている。本例では、集合流路区画部310の位置は、集束ケーブル部100Aの他端側の分岐箱150内に設けられているが、集束ケーブル部100A、各分岐箱150の長手方向の位置が限定されるわけではなく、集束ケーブル部100Aの中央や一端側の分岐箱150内に設けられても良い。この点は、集合流路ACを一端側と他端側の2つに区画する後述の実施形態2、5においても同様である。
なお、本例のシステムS1では、冷却機構200として、第一循環路に複合型の冷却機構200を用い、第二循環路に独立型の冷却機構200を用いている。つまり、第一循環路では、第一復路C1に冷凍機230付きリザーバタンク210を接続し、そのタンク210から3本の供給管Cg1を伸ばして、個々の供給管Cg1にポンプ220を設けている。一方、第二循環路では、第二復路C2にリザーバタン210クを接続し、そのタンク210から3本の供給管Cg2を伸ばして、個々の供給管Cg2にポンプ220を設けている。これら合計6つのポンプ220を用いることにより、各個別往路B1、B2への冷媒の流量を個別に制御できる。勿論、両循環路の冷却機構を独立型又は複合型のいずれかで同一としたり、第一循環路の冷却機構を独立型、第二循環路の冷却機構を複合型としても良い。これら冷却機構の形態に種々の選択肢が採り得ることは、後述する他の実施形態においても同様である。
このような2つの循環路を形成することで、複数の第一(第二)個別往路B1、B2から第一(第二)集合往路A1、A2への冷媒の流通は許容されても、第一(第二)集合往路A1、A2の各々から冷却機構200への復路は第一(第二)復路C1、C2の各々である。つまり、第一(第二)集合往路A1、A2から複数の個別流路に冷媒が分流される箇所がない。そのため、各分岐ケーブル部100B内のコアの各々の冷却程度がばらつくことを抑制できる。
<実施形態2>
次に、図2を参照して、冷媒の循環路が第一循環路と第二循環路の二系統から構成され、各分岐ケーブル部内の個別流路が一連に構成された超電導ケーブルシステムS2を説明する。
このシステムS2も第一・第二循環路を備え、各循環路が第一・第二個別往路B1u,B1v,B1w,B2u,B2v,B2wを有し、3心一括型の超電導ケーブルを備える点で実施形態1と共通である。但し、本例では、超電導ケーブルの両端部に分岐箱ではなく接続箱(接続ユニット400:実施形態8参照)を備え、中間に位置する超電導ケーブル100Xの両端部に接続ユニット400を介して別の超電導ケーブル100Yが接続される。これら各超電導ケーブル100X、100Yのコアのうち、第一個別往路B1uを持つ1心と、第二個別往路B2uを持つ1心の各コアは、撚り線からなるフォーマを用いた実施形態1と同様の構成であるが、第一個別往路B1v,B1wを持つ他の2心と、第二個別往路B2v,B2wを持つ他の2心の各コアは、中空パイプのフォーマを用い、そのフォーマ内部も冷媒の流路としている点で実施形態1とは異なる。前者の1心は、断熱管βとコアとの間の外側流路OCのみを備えるが、後者の他の2心は、外側流路OCに加え、中空パイプのフォーマ内の内側流路ICも備える。図2において、後者の他の2心のコア110を示す細管の内部はフォーマ111(図10)内の内側流路ICをも示している(後述する図3も同様)。
また、本例の第一・第二個別往路B1u,B1v,B1w,B2u,B2v,B2wは、実施形態1とは異なり、各分岐ケーブル部100Bの流路を直列につないでいる。つまり、u相の第一個別往路B1uの冷却機構200側→u相の第一個別往路B1uの第一集合流路A1側→v相の第一個別往路B1vの第一集合流路A1側→v相の第一個別往路B1vの冷却機構200側→w相の第一個別往路B1wの冷却機構200側→w相の第一個別往路B1wの第一集合流路A1側の順で冷媒を一筆書きに流通させる。第二個別往路B2u,B2v,B2wにおいても同様である。
なお、第一循環路に複合型の冷却機構200を用い、第二循環路に独立型の冷却機構200を用いている点は実施形態1と同様である。
本例において、第一集合流路A1と第二集合流路A2とが集合流路区画部310で区画されている点は実施形態1と同様である。但し、本例では、u相の第一個別流路B1uの第一集合流路A1側端部と第一集合流路A1の境界、v相の第一個別流路B1vの第一集合流路A1側端部と第一集合流路A1の境界の各々に第一個別流路区画部320が形成され、w相の第一個別流路B1wの第一集合流路A1側端部のみが第一集合流路A1に連通するように構成されている。この点は、第二個別流路B2u,B2v,B2wにおいても同様である。さらに、図示していないが、この個別流路区画部320には、対応する各ケーブルコアが貫通される貫通孔が形成され、その貫通孔の内周面とケーブルコアの外周面との間、及び個別流路区画部320の外周面と断熱管βの内周面との間は、液体の冷媒に対して水密にシールされている。
この構成により、より具体的には、次のように冷媒は循環される。まず、第一個別往路B1uでは、供給管Cg1から端末部100Eを経て導入された冷媒が、外側流路OCを通って端末部側から接続ユニット400側に流通される。次に、第一個別往路B1vでは、第一個別往路B1uを流れてきた冷媒が、外側流路OCを通って一旦端末部100E側に向かって流通され、端末部100Eで折り返して内側流路ICを通って接続ユニット400側に流通される。この第一個別往路B1uから第一個別往路B1vに流通される冷媒は、個別流路区画部320により集合流路ACの冷媒とは隔てられて混合されることはない。さらに第一個別往路B1vの内側流路ICを通ってきた冷媒は、第一個別往路B1wの内側流路ICを通って接続ユニット400側から端末部100E側に流通され、端末部100Eで折り返して第一個別往路B1wの外側流路OCを通って接続ユニット400側に流通され、集合流路ACに導入される。このような冷媒の流路の具体的な形成手段は、後述する実施形態8において説明する。
この構成のシステムS2によれば、単一の個別流路BCから集合流路ACに冷媒の流通を許容する箇所は存在しても、集合流路ACから複数の個別流路BCに冷媒を分流される箇所がない。そのため、各分岐ケーブル部100B内のコアの各々の冷却程度がばらつくことを抑制できる。また、各循環路の個別流路BCが一連の流路で構成されているため、各循環路ごとに一つのポンプ(合計2つ)を用いることで、冷媒を循環させることができる。
この構成では、隣接する個別流路間での冷媒の移行は、その個別流路の根元側(接続ユニット400側)でのみ行われている。そのため、簡易な構成にて、ある個別流路の端末部側から根元側→隣接する個別流路の根元側から端末部側→ある個別流路の端末部側への循環電流の通電を防止することができる。図2と同様の冷媒流路は、隣接する個別流路の端末部側同士をバイパス管で連結することで形成できる。しかし、その場合、隣接する個別流路同士は、その根元側とバイパス管とで環状に連結されることになるため、隣接する個別流路に循環電流が流れることを防止するには、バイパス管に絶縁継手が必要になる。これに対し、図2の構成では、絶縁継手を用いなくても、循環電流の通電を防止することができる。
<実施形態3>
次に、分岐ケーブル部に形成される第一(第二)個別流路が一連の流路である点で実施形態2のシステムと類似するが、単一の循環路を有する超電導ケーブルシステムS3を図3に基づいて説明する。以下の説明は、実施形態2との相違点を中心に行う。
このシステムS3の循環路は、端的に言えば、実施形態2の冷却機構200を独立型に置換し、集合流路区画部310と第一(第二)復路C1、C2とを取り外して第一・第二集合流路A1,A2を単一の集合流路ACとし、一端側の第一個別往路B1はそのまま個別往路Bg(一端側個別流路)とし、他端側の第二個別往路B2を個別復路Br(他端側個別流路)とした構成といえる。
この構成では、冷凍機210からポンプ220を経て個別往路Bg→単一の集合流路AC→個別復路Brの順に冷媒が流通されて再度冷凍機210に復帰される単一の循環路が形成される。具体的には、u相の個別往路Bguの冷凍機210側→u相の個別往路Bguの集合流路AC側→v相の個別往路Bgvの集合流路AC側→v相の個別往路Bgvの冷凍機210側→w相の個別往路Bgwの冷凍機210側→w相の個別往路Bgwの集合流路AC側の順で冷媒を一筆書きに流通させる。各個別往路のうち、u相の個別往路Bguのみが外側流路OCのみを備え、v相の個別往路Bgvとw相の個別往路Bgwの各々は、外側流路OCと内側流路ICを備える点や、接続ユニット400を介して超電導ケーブル100X、100Yが接続されている点は実施形態2と同様である。個別往路Bru,Brv,Brwにおいても冷媒の流れる方向が個別往路Bgとは逆転する以外は同様である。
この構成によれば、単一の個別流路BC(個別往路Bg)から集合流路ACに冷媒の流通を許容する箇所や集合流路ACから単一の個別流路BC(個別復路Br)に冷媒の流通を許容する箇所は存在しても、集合流路ACから複数の個別流路に冷媒を分流される箇所がない。そのため、各分岐ケーブル部100B内のコアの各々の冷却程度がばらつくことを抑制できる。また、循環路が単一で、かつ並列箇所のない一連であるため、冷媒の循環に用いるポンプも一つでよい。
<実施形態4>
次に、中空パイプのフォーマを備える超電導ケーブルを用いて、フォーマ内の空間も冷媒の流路として利用し、単一の冷媒流路を構成する超電導ケーブルシステムS4を図4に基づいて説明する。
このシステムS4は、3心のコアを収納する断熱管α(個々のコアを収納する断熱管β)とコアとの間の空間、及びフォーマ内の空間の両空間のうち、その一方を冷媒の往路、他方を冷媒の復路として利用し、単一の循環路を形成する。図4において、コア110を示す細管の内部はフォーマ111(図10)内の内側流路ICをも示し、分岐ケーブル部100Bにおけるコア110の外側は断熱管βとコア110との間の外側流路OCを示している(後述する図5も同様)。
超電導ケーブルの一端側の各分岐ケーブル部100Bにおいて、各分岐ケーブル部100Bを構成する個別の断熱管βは、集束ケーブル部100Aを構成する断熱管αに分岐箱150を介して接続されているが、各外側流路OCは、分岐箱150の一端面に設けられた個別流路区画部320により集合流路ACと区画されている。また、内側流路ICを構成するフォーマ111の一端側は、断熱管α側から個別流路区画部320を貫通して断熱管βの一端側の内部に開口している。この個別流路区画部周辺の実際の構成としては、ケーブルコアが個別流路区画部320を貫通し、個別流路区画部320の内周面とケーブルコアの外周面との間、及び個別流路区画部320の外周面と断熱管βの内周面との間が液体の冷媒に対して水密にシールされている。
超電導ケーブルの中間部の集束ケーブル部100Aにおいて、各内側流路ICを構成するフォーマ111は、断熱管α内を通って、同ケーブルの一端側から他端側へと続いている。
一方、超電導ケーブルの他端側の各分岐ケーブル部100Bにおいて、各分岐ケーブル部100Bを構成する個別の断熱管βは集束ケーブル部100Aを構成する断熱管αに分岐箱150を介して接続され、かつ外側流路OCが集合流路ACと連通されている。また、内側流路ICを構成するフォーマ111の他端は、断熱管βの他端側の内部に開口されている。
ここで、冷却機構200から供給管Cgを介して個別の断熱管βの集合流路AC側(根元側)に冷媒を供給して、外側流路OCに冷媒を導入する。本例の場合、断熱管βの分岐箱側に供給管Cgを連結している。また、供給管Cgのルートの数に対応して、冷媒の循環用のポンプの数は、合計3つとすることが好ましい。外側流路OCに導入された冷媒は、外側流路OCを通って各分岐ケーブル部100Bの先端側(端末側)に流通し、その先端側で外側流路OCの内部に開口する内側流路ICに導入されて折り返される。内側流路ICに導入された冷媒は、そのまま内側流路ICを通って分岐部150を経て集束ケーブル部AC側に流通され、さらに断熱管α内を集合流路ACと分離された状態で超電導ケーブルの他端側に流通される。超電導ケーブルの他端側では、断熱管α内を通ってきた内側流路ICは分岐部150を経てそのまま分岐ケーブル部100B内の内側流路ICとして冷媒が流通される。この冷媒は、各分岐ケーブル部100Bの先端側(端末側)で断熱管β内に開口される内側流路ICから外側流路OCに導入されて折り返される(図4(A))。超電導ケーブルの他端側で折り返された冷媒は、各断熱管β内の外側流路OCを通って分岐部150を経て断熱管α内の集合流路ACに流通される。そして、集合流路ACの一端側の分岐部150から排出管Crを介して冷却機構200に冷媒を戻す(図4(B))。この冷却機構200は、複合型としている。本例では、排出管Crの数は単数としているが、複数であっても構わない。
つまり、一端側の各分岐ケーブル部110Bでは、外側流路OCが往路、内側流路ICが復路となり、中間部の集束ケーブル部100Aでは、内側流路ICが往路、外側流路OCが復路となって、他端側の各分岐ケーブル部100Bでは、内側流路ICが往路、外側流路OCが復路となって、一系統の冷媒の循環路が構成される。
なお、図4では、説明の便宜上、コアの数に対応する合計3つの供給管Cgのうち、ルートAのみ全長を図示し、ルートB及びルートCは途中を分断して示している。但し、実際は、ルートB、ルートCを含む合計3ルートの供給管が各分岐ケーブル部の根元側につながっている。また、図4(B)では、説明の便宜上、2心のコアに相当するフォーマ111のみを示している。
この構成によれば、断熱管α(β)とコアとの間の空間のみならず、フォーマ111の内部の空間も冷媒の流路として利用し、単一の循環路を構築できる。その際、個別流路区画部320により、分岐ケーブル部110Bにおける内側流路ICと外側流路OCとが一連となって個別流路を構成するため、複数の個別流路から集合流路ACに冷媒が流通されることは許容されるが、集合流路ACから複数の個別流路に冷媒が分流されることがない。それにより、各分岐ケーブル部内のコアの各々の冷却程度がばらつくことを抑制できる。また、各相の分岐ケーブル部のコアごとに冷媒を導入することで、各分岐ケーブル部ごとに冷媒の流量を制御できる。そして、ポンプの数を実施形態1に比べて少なくできる。
<実施形態5>
次に、中空パイプのフォーマを備える超電導ケーブルを用いて、フォーマ内の空間も冷媒の流路として利用し、2つの循環路を構成する超電導ケーブルシステムS5を図5に基づいて説明する。
このシステムS5において、用いられる超電導ケーブルの構成や、超電導ケーブルの他端側(図5の右側)の循環路の構成は、実施形態4のシステムと共通である。一方、超電導ケーブルの一端側(図5の左側)の構成は、実施形態4のシステムと異なっている。
このシステムS5は、主循環路(第一循環路)と副循環路(第二循環路)の2つの循環路を備える。主循環路は、超電導ケーブルの一端側において、第一供給管Cg1を介して分岐ケーブル部100Bの内側流路IC1から冷媒が導入される。この内側流路IC1は、分岐ケーブル部100Bの断熱管β内を通って分岐箱150及び集束ケーブル部の断熱管α内も通り、さらに超電導ケーブルの他端側における分岐箱150を経て分岐ケーブル部100B内の先端側にまで至る。つまり、内側流路IC1の一端側は第一供給管Cg1を介して冷却機構200に接続され、他端側は分岐ケーブル部110B内で断熱管β内に開口されている。この開口部から排出された冷媒は、他端側の分岐ケーブル部110B内で外側流路OC1を通って分岐箱150を経て断熱管α内の第一集合流路A1へと折り返される。そして、第一集合流路A1の一端側の分岐箱150から第一排出管Cr1を介して冷却機構200に冷媒が復帰される。
一方、副循環路は、超電導ケーブルの一端側において、第二供給管Cg2を介して分岐ケーブル部110Bの外側流路OC2に断熱管βの先端側から冷媒が導入される。断熱管βは断熱管αに接続されると共に、断熱管β内の外側流路OC2は、分岐箱150内の第二集合流路A2に連通されている。そして、断熱管α内の第二集合流路A2は、第二排出管Cr2を介して循環機構へとつながれている。
このような主循環路と副循環路とは、断熱管α内の集合流路を、一端側の分岐箱150内において集合流路区画部310により、一端側の第二集合流路A2と他端側の第一集合流路A1とに区画することで独立に構成される。本例では、主循環路と副循環路の各々に複合型の冷却機構200を設けている。実際の集合流路区画部周辺の構成としては、各ケーブルコアが集合流路区画部310を貫通し、集合流路区画部310の内周面とケーブルコアの外周面との間、及び集合流路区画部310の外周面と断熱管αの内周面との間が液体の冷媒に対して水密にシールされている。
なお、図5では、第一供給管Cg1、第二供給管Cg2は、説明の便宜上、ルートA(Af、At)のみ全長を図示し、ルートB(Bf、Bt)及びルートC(Cf、Ct)は途中を分断して示している。但し、実際は、ルートB、ルートCを含む合計3ルートの第一供給管Cg1、第二供給管Cg2が各分岐ケーブル部100Bの先端側につながっている。本例の場合、第一供給管Cg1と第二供給管Cg2の各々に3ルートが存在するため、冷却機構200から冷媒を供給するポンプ220の数は合計6つとすることが好ましい。それにより、各分岐ケーブル部ごとに冷媒の流路を調整し易い。
上述した構成のシステムによれば、断熱管α(β)とコアとの間の空間のみならず、フォーマの内部の空間も冷媒の流路として利用し、2つの循環路を構成する。その際、流路区画部310により、集合流路の一端側が第二集合流路A2として、他端側が第一集合流路A1として、互いに分離される。そして、他端側の分岐ケーブル部100B内の外側流路OC1が主個別流路とされ、一端側の分岐ケーブル部100B内の外側流路OC2が副個別流路とされるため、複数の個別流路から集合流路に冷媒が流通されることは許容されるが、集合流路から複数の個別流路に冷媒が分流されることがない。それにより、各分岐ケーブル部110B内のコアの各々の冷却程度がばらつくことを抑制できる。特に、各コアに対応して個別にポンプ220を用いているため、各個別流路での冷媒の流量のアンバランスを抑制し易い。
<実施形態6>
次に、実施形態1〜3に係るシステムにおいて、冷却機構から分岐ケーブル部内の個別流路に冷媒を導入することに好適な端末構造を図6に基づいて説明する。この端末構造1Aは、超電導ケーブル100と常電導リード2とを接続し、その接続箇所の外周を同ケーブル100の断熱管αから常電導リード2に亘る断熱構造体3Aで覆うことで形成される。
この端末構造1Aを形成する超電導ケーブル100は、素線絶縁された撚り線構造のフォーマに用い、断熱管αとコア群との間の空間を冷媒の流路とする。図6では、説明の便宜上、コア110の先端部は段剥ぎされているため、フォーマ111と超電導導体層112のみを示し、他の構成部材は省略しているが、このコア110の構成は図10のケーブルコア110と同様の構成である(この点は、後述する実施形態7〜9でも同様)。
断熱構造体3Aは、端末構造の超電導ケーブル側(図6の下側で、単にケーブル側(方向)ということがある。)に配されるケーブル側断熱容器31と、常電導リード側(図6の上側で、単にリード側(方向)ということがある。)に配されるリード側断熱容器32と、両断熱容器31,32の間に配される絶縁部材33とを備える。
ケーブル側断熱容器31は、超電導ケーブルの断熱管αの端部に取り付けられる真空二重構造の容器である。本例では、後述する絶縁部材33にストレスコーンを形成しているため、その絶縁部材33の外周形状に応じた内周形状を有する筒状体でケーブル側断熱容器31を構成している。このケーブル側断熱容器31には、断熱管αとコア110との間の空間と当該断熱容器31の外部空間と連通する冷媒通路31hが形成されている。
このようなケーブル側断熱容器31に対して、コア110の端部は、リード方向に突出している。つまり、コア110と常電導リード2との接続部分も、ケーブル側断熱容器31よりもリード方向の外側に突出している。本例では、コア110の端部は、後述する絶縁部材33よりもさらにリード方向に突出している。
ケーブル側断熱容器31の径方向の寸法は、断熱管αよりも大きくなっている。これは、後述する絶縁部材33の大半を、ケーブル側断熱容器31の内部に収納するためである。但し、ケーブル側断熱容器31の径方向への突出量は、従来よりも小さくて良い。それは、コア110の端部がケーブル側断熱容器31あるいは絶縁部材33の外側に突出しているため、コア110のうちケーブル側断熱容器31で覆われる部分にケーブル絶縁層113が存在するからである。つまり、ケーブル絶縁層113の存在によってコア110から径方向に距離を取らなくてもケーブル側断熱容器31を接地電位に維持することができるため、従来よりも径方向の寸法を小さくできる。
リード側断熱容器32は、常電導リード2の端部に取り付けられる真空二重構造の容器である。本例では、リート側の内径がケーブル側の内径よりも小さく、外径が一様な筒状体でリード側断熱容器32を構成している。このリード側断熱容器32は、常電導リード2の端部に取り付けられているため高電位となる。このリード側断熱容器32における内径の大きい側の端部は、ケーブル側断熱容器31の内部に収納され、ケーブル側断熱容器31のリード側端部とはコア110の長手方向にオーバーラップされている。そのオーバーラップ長は、許容する侵入熱量によって定められる。低電圧では絶縁部材33が薄く、オーバーラップ長も短くできるのに対し、電圧が高くなるほどオーバーラップ長は長くするのが望ましい。
絶縁部材33は、ケーブル側断熱容器31とリード側断熱容器32とのオーバーラップ部分に介在され、接地につながるケーブル側断熱容器31と高電圧部位のリード側断熱容器32との間を絶縁する。この絶縁部材33には、例えば、既存の常電導ケーブルの端末部などに利用されるエポキシ成形部材などの、耐電圧特性に優れる材料を用いることができる。本例では、絶縁部材33をストレスコーンとしている。
絶縁部材33は、上記オーバーラップ部分だけでなく、オーバーラップ部分のリード方向とケーブル方向の両方にも突出している。これは、ケーブル側断熱容器31とリード側断熱容器32との間に必要な沿面距離を設けることで、両容器31,32間の絶縁を確保するためである。また、本例では、絶縁部材33のうち、内周側に張り出している部分が絶縁部材33やリード側断熱容器32の内周面と面一になっており、当該部分で冷媒の流れが乱れることを抑制している。
さらに、本例では、断熱構造体3Aとケーブルコア110との間にスペーサ45を介して仕切部材44が設けられている。仕切部材44は、ケーブルコア110の所定長部分の外周を覆う筒状部材で、全長にわたって一様な外径と内径を有しており、長手方向のケーブル側(紙面下側)にフランジ部を有する。フランジ部は、ケーブル側断熱容器31のうち、冷媒通路31hのコア側開口部よりもケーブル側の内周面に接続されている。一方、フランジ部と反対の仕切部材44の端部は、リード側断熱容器32とコア110との間の空間に自由端として配置されている。この仕切部材44により、仕切部材44を挟む外周側の空間と内周側の空間とが区画される。本例では、ケーブル側断熱容器31に設けた冷媒通路31hが上記外周側の空間のケーブル側につながり、さらにこの外周側の空間のリード側で内周側の空間につながっている。
仕切部材44を断熱構造体3Aとケーブルコア110との間に保持するスペーサ45は、仕切部材44とコア110との間、仕切部材110と断熱構造体3Aとの間に介在されている。このスペーサ45は、仕切部材44の内周又は外周における周方向にほぼ等間隔に設けられている。
このような端末構造1Aにおいて、冷媒は、ケーブル側断熱容器31に設けた冷媒通路31hから導入され、仕切部材44の外周側の空間をリード側に向かって流れ、仕切部材44のリード側端部を跨いで仕切部材44の内周側の空間に流通され、さらに断熱管αとコア110との間の空間に流通される。そのため、この端末構造1Aを実施形態1〜3の超電導ケーブルの端末部として用いれば、冷却機構200(図1〜図3)から圧送された冷媒を、端末を介して断熱管αとコア110との間の空間に供給することができる。超電導ケーブルの端末部から冷却機構側に冷媒を排出する場合は、同じ端末構造1Aで冷媒の流通方向を逆転させればよい。
<実施形態7>
次に、実施形態4、5に係るシステムにおいて、他端側(図4、図5の右側)の分岐ケーブル部の先端部に好適な端末構造を図7に基づいて説明する。
この端末構造1Bも、実施形態6と同様に、超電導ケーブル100の断熱管120(α)から露出されたコア110を常電導リード2と接続し、その常電導リード2と断熱管120の端部との間を、ケーブル側断熱容器31、リード側断熱容器32、絶縁部材33を有する断熱構造体3Bで覆っている。両断熱容器31,32は、互いの端部同士を部分的にオーバーラップさせて、そのオーバーラップされた箇所に絶縁部材33が介在され、さらに断熱構造体3Bの内周面が円筒面で構成されている点も、実施形態6と同様である。
但し、本例で用いる超電導ケーブル100は、中空パイプのフォーマを用いたコア110を備え、断熱管αとコア110との間の空間だけでなく、そのフォーマ内の空間も冷媒の流路として利用する。そのコア110の端部においては、フォーマ内の空間をコアの外周の空間に連通する連通孔110hが形成されている。また、絶縁部材33はストレスコーンにはせず、円筒部材で構成している。より具体的には、絶縁部材33は、リード側の端部の内径がケーブル側の内径よりも大きく、内周面に段差を有し、その段差を挟む両端側は一様な厚みに形成されている。さらに、ケーブル側断熱容器31には、実施形態6に示した冷媒通路31hは形成されておらず、常電導リード2、断熱構造体3B、断熱管α、及びコア110の間で囲まれる空間は断熱構造体3Bの外部に対して封止されている。
このような端末構造1Bにおいては、フォーマ内の空間をリード側に向かって流通されてきた冷媒は、コア110の先端部で連通孔110hを介してフォーマの内部からコア110の外周の空間に流通される。そして、ケーブル側に折り返して、断熱管αとコア110との間の空間に流通される。そのため、このような端末構造1Bを図4、5の他端側(図面の右側)の端末に利用すれば、各分岐ケーブル部内の先端で冷媒を折り返すように流通させることができる。この端末構造1Bにおいて、冷媒の流通方向を逆転させれば、コア110の外周の空間からフォーマ111内部の空間に冷媒を流通させることができることは勿論である。
<実施形態8>
次に、実施形態2、3に係るシステムにおいて、分岐ケーブル部の冷媒流路を構成することに好適な接続ユニットの構成を図8に基づいて説明する。本例では、図2、3における左側の接続ユニット400を例として説明を行っており、同ユニット400の中間部を境として、右側が超電導ケーブル100X、左側が超電導ケーブル100Yである。
本例では、超電導ケーブルの各コア110と、分岐ケーブル部110Bにおける各コア110u,110v,110wとを独立させ、両者の各コア110,110u,110v,110wを接続ユニット400を介して接続する構成を採用している。図8において、右側が超電導ケーブル側、左側が分岐ケーブル部100B側であり、3つの分岐ケーブル部110Bのうち、上部の1本はコア110uと断熱管βとの間のみを冷媒流路とし、中間部と下部の2本のコア110v,110wはさらにフォーマ111の内部をも冷媒流路としている。
この接続ユニット400では、内側から順に、導電ブロック410、絶縁部430、断熱容器440を備え、一端側に超電導ケーブルの差込口が、他端側に分岐ケーブル部100Bの各コア110u,110v,110wの差込口が設けられている。つまり、図8の右側には超電導ケーブルのコア110群を一括して差し込む一つの差込口401を有し、左側には分岐ケーブル部100Bの各コア110u,110v,110wを個別に差し込む3つの差込口402を有する。
導電ブロック410は、各相ごとに超電導ケーブルのコア110と分岐ケーブル部の100Bコア110u,110v,110wの各超電導導体層同士を電気的に接続するための導電部材である。この導電ブロック410の両端には、各差込口401,402に向けられた接続凹部412を備え、各接続凹部412には、接続対象の超電導導体層112の端部を端末処理した接続凸部130が差し込まれる。この接続凸部130は銅などの導電材料からなり、接続凹部412に差し込むことで、両者は互いに係合して、接続対象の導体が導電ブロック410に確実に接続される。この接続凹部412と接続凸部130との具体例としては、常電導ケーブル同士の導体接続で一般的なチューリップコンタクトやマルチコンタクトが挙げられる。導電ブロック410の材質には、低温で高い導電性を有する金属、例えば、銅、銅合金やアルミニウム、アルミニウム合金が好適に利用できる。本例では、中実の銅で構成した導電ブロック410を3つ用いている。
さらに本例では、一対のコア110v,110wに対応する各接続凸部130の先端側の内部に、フォーマ111内の内側流路ICと連通する縦孔と、その縦孔に交差するようにつながる横孔130hを備えている。また、絶縁部430のうち、一対のコア110v,110wに対応する導電ブロック410の間に介在される箇所にも透孔432hが形成されている。各接続凸部130を接続凹部412に差し込んだ際、導電ブロック410における横孔130h同士は透孔432hを介して連通される。そのため、接続凸部130を接続凹部412に差し込んだ状態で、コア110v,110wの一方におけるフォーマ111内の内側流路ICは縦孔、横孔130h、及び透孔432hを介して他方のコア110v(110w)のフォーマ111内の内側流路ICと連通されることになる。
この導電ブロック410は、その両端部に接続凸部130が差し込まれる接続凹部412が開口されており、その開口部以外の箇所は絶縁部430に覆われている。この絶縁部430は、冷媒の温度で劣化せず、気密構造に適した材料が好適に利用できる。本例では、エポキシなどのプラスチック材料で絶縁部430を構成している。そして、絶縁部430は、接続対象が各接続凹部412に至る差込経路を確保するため、各差込口401,402につながる開口を形成している。
また、この絶縁部430には、分岐ケーブル部100Bのコア110uとコア110vとが差し込まれる開口部同士を連通する連通孔434hが形成されている。コア110uとコア110vの各接続凸部130が導電ブロック410に差し込まれた状態において、コア110uとコア110vに対応する外側流路OC同士は連通されることになる。つまり、この連通孔434hの近傍の絶縁部430が、図2における個別流路区画部320に相当する。
さらに、この絶縁部430には、接続ユニット400の一端側から他端側につながる連通孔436hを備えている。本例の連通孔436hは、コア110wに対応する絶縁部430の開口内からコア110wに突き合わされたコア110の接続凸部130が差し込まれる開口内までを連通している。そのため、超電導ケーブルのコア110と分岐ケーブル部110Bのコア110wを導電ブロック410の接続凹部412に差し込んだ状態において、コア110wの外側流路OCとコア110の第一集合流路A1同士は連通されることになる。
一方、絶縁部430の外側は、断熱容器440に囲まれている。この断熱容器440は、絶縁部430の外周に断熱空間を形成し、絶縁部430の開口近傍の冷媒に対する熱侵入を抑制する。本例では、絶縁部430の外側に重なるように断熱容器440を配置し、その断熱容器440内の閉鎖空間を真空引きして断熱空間を形成している。この断熱空間内には、輻射による熱侵入を抑制するため、スーパーインシュレーションなどの断熱材(図示略)を配置しても良い。勿論、この断熱容器440も、接続対象が差し込まれる箇所は開口されている。
この断熱容器440の材質は、気密性に優れる金属材料が好適に利用できる。本例ではステンレスを用いている。
断熱容器440の外側は、防食層(図示略)により覆われている。この防食層は外部環境から保護できる程度の薄いもので良い。導電ブロック410を絶縁部430で覆うことで、断熱容器440自体は、接地電位となっているためである。
このような接続ユニット400に対して超電導ケーブル100の各コア110及び分岐ケーブル部100Bの各コア110u,110v,110wを接続するには、各コア110,110u,110v,110wの先端部に端末処理を行う。例えば、分岐ケーブル部から露出したフォーマ111を接続凸部130に圧縮などで接続し、超電導導体層112と接続凸部130とを電気的に接続する。超電導ケーブルの各コア110においても同様の端末処理を行う。断熱管αは、例えば所定の位置で切断して密閉処理をした後に真空処理がなされる。
このような構造の接続部を用いれば、コア110uの外側流路OCを流れてきた冷媒は、同コア110uの導電ブロック側で連通孔434hを介してコア110vに対応する外側流路OCに流通される。コア110vに対応する外側流路OCを導電ブロック側から端末部側(図8の左側)に向かって流れた冷媒は、端末部で折り返してコア110vのフォーマ111内に形成された内側流路ICを流れて接続凸部130に至る。さらに、冷媒は、コア110vの接続凸部130の縦孔、横孔130h、絶縁部430の連通孔432h、コア110wの横孔130h、縦孔を介してコア110w のフォーマ111内に形成される内側流路ICに導入される。続いて、コア110wの内側流路ICを導電ブロック410側から端末部側に向かって冷媒が流通され、端末部で折り返してコア110wに対応する外側流路OCを通って再度導電ブロック410側に冷媒が流通される。そして、連通孔436hを介してコア110wの外側流路OCから超電導ケーブルの第一集合流路A1へと冷媒が流通される。
このような接続ユニット400を用いれば、図2、3における接続ユニット400から分岐ケーブル部100Bにかけての構成を容易に構築することができる。その際、接続ユニット400に端末処理したケーブルコア110,110u,110v,110wを差し込むことで、超電導ケーブルと分岐ケーブル部100Bの各冷媒流路の連通と、超電導ケーブルと分岐ケーブル部100Bの各コア同士の電気的接続とを容易に実現できる。
<実施形態9>
次に、実施形態5に係るシステムにおいて、一端側(図5の左側)の分岐ケーブル部から内側流路と外側流路の各々に冷媒を導入することに好適な端末構造を図9に基づいて説明する。以下の説明は、主に実施形態7で述べた端末構造との相違点について行う。
この端末構造1Cは、実施形態7の端末構造と類似しているが、ケーブル側断熱容器31に2つの冷媒通路31h1,31h2が形成されている点、及びこのケーブル側断熱容器31とコア110との間に仕切板46を介在させている点が異なる。仕切板46は、コア110の外周方向の全周に配置され、断熱管α及び断熱構造体3Cとコア110との間の空間をリード側とケーブル側に区画している。そして、2つの冷媒通路31h1,31h2のうち、一方は仕切板46よりもリード側の空間に開口し、他方はケーブル側の空間に開口している。
このような端末構造1Cは、図5の一端側(図の左側)の端末に利用し、冷却機構からフォーマ内に冷媒を供給すると共に、コア110の外側にも冷媒を供給することに好適に利用できる。つまり、一方の冷媒通路31h1から供給された冷媒は、断熱構造体3Cとコア110との間の空間のうち、仕切板46よりもリード側の空間に導入され、コア端部の連通孔110hを介してフォーマ内の内側流路を流通される。また、他方の冷媒通路31h2から供給された冷媒は、断熱構造体3Cとコア110との間の空間のうち、仕切板46よりもケーブル側の空間に導入され、断熱管αとコア110との間の外側流路に流通される。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することが可能である。例えば、超電導ケーブルが交流用でケーブル遮蔽層を備える場合、集合流路内又は個別流路内において、各ケーブル遮蔽層同士を短絡することが好ましい。
本発明超電導ケーブルシステムは、低温絶縁型の超電導ケーブルを用いた交流、直流送電網の形成などに好適に利用することができる。
100,100X,100Y 超電導ケーブル
110,100u,100v,100w ケーブルコア 110h 連通孔
111 フォーマ 112 超電導導体層
113 ケーブル絶縁層 114 ケーブル遮蔽層 115 保護層
120、α、β 断熱管 121 内管 122 外管 123 防食層
100A 集束ケーブル部 100B 分岐ケーブル部
100E 端末部
AC 集合流路 A1 第一集合流路 A2 第二集合流路
BC 個別流路
B1,B1u,B1v,B1w 第一個別往路
B2,B2u,B2v,B2w 第二個別往路
Bg 個別往路 Br 個別復路
CC 復路 C1 第一復路 C2 第二復路
Cg,Cg1,Cg2 供給管 Cr,Cr1,Cr2 排出管
IC,IC1,IC2 内側流路 OC,OC1,OC2 外側流路
T1 第一流路移行部 T2 第二流路移行部
130 接続凸部 130h 横孔
150 分岐箱
200 冷却機構 210 リザーバタンク 220 ポンプ 230 冷凍機
300 流路区画部 310 集合流路区画部 320 個別流路区画部
1A,1B,1C 端末構造
2 常電導リード
3A,3B,3C 断熱構造体
31 ケーブル側断熱容器 31h,31h1,31h2 冷媒通路
32 リード側断熱容器
33 絶縁部材
44 仕切部材 45 スペーサ 46 仕切板
400 接続ユニット
401、402 差込口
410 導電ブロック
412 接続凹部
430 絶縁部 432h 透孔 434h、436h 連通孔 440 断熱容器
Sc,S1,S2,S3,S4,S5 超電導ケーブルシステム

Claims (8)

  1. 超電導ケーブル線路の中間部において、複数心のケーブルコアを一括して一つの断熱管α内に収納した集束ケーブル部と、
    前記超電導ケーブル線路の両端部において、前記各ケーブルコアを分岐させて個別の断熱管β内に収納した分岐ケーブル部と、
    前記ケーブルコアを極低温に維持する冷媒を冷却し、その冷媒を前記集束ケーブル部と分岐ケーブル部とを通る循環路に循環させる冷却機構とを備える超電導ケーブルシステムであって、
    前記循環路は、
    前記集束ケーブル部に形成された集合流路と、
    前記各分岐ケーブル部に形成された個別流路と、
    前記個別流路の少なくとも一つから集合流路に冷媒の流通を許容する流路移行部と、
    前記集合流路から複数の個別流路に冷媒が分流されることを阻止する流路区画部とを備えることを特徴とする超電導ケーブルシステム。
  2. 前記循環路は、互いに独立した第一循環路と第二循環路とを備え、
    第一循環路は、
    超電導ケーブル線路の一端側に設けられた第一個別流路と、
    この第一個別流路に第一流路移行部を介してつながる第一集合流路とを有し、
    第二循環路は、
    超電導ケーブル線路の他端側に設けられた第二個別流路と、
    この第二個別流路に第二流路移行部を介してつながる第二集合流路とを有し、
    前記流路区画部は、前記第一集合流路と第二集合流路とを区画する集合流路区画部を有することを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルシステム。
  3. 前記第一個別流路と第二個別流路の少なくとも一方は、各ケーブルコアごとに並列して構成され、並列される個別流路のいずれもが、前記第一流路移行部と第二流路移行部の少なくとも一方を介して第一集合流路と第二集合流路の少なくとも一方につながれていることを特徴とする請求項2に記載の超電導ケーブルシステム。
  4. 前記第一個別流路と第二個別流路の少なくとも一方は、全ケーブルコアに沿った一連に構成され、各ケーブルコアに沿った個別流路のいずれか一つのみが前記流路移行部を介して第一集合流路と第二集合流路の少なくとも一方につながれ、
    前記流路区画部は、前記集合流路につながれる一つの個別流路を除く残りの個別流路を集合流路と区画する個別流路区画部を有することを特徴とする請求項2に記載の超電導ケーブルシステム。
  5. 前記循環路は、単一の循環路で構成され、
    前記個別流路は、
    超電導ケーブル線路の一端側の全ケーブルコアに沿って一連に形成される一端側個別流路と、
    超電導ケーブル線路の他端側の全ケーブルコアに沿って一連に形成される他端側個別流路とを有し、
    前記集合流路は、一端側個別流路と他端側個別流路とをつなぐように構成されることを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルシステム。
  6. 前記第一個別流路及び第二個別流路は断熱管βと各コアとの間の空間に形成され、前記第一集合流路及び第二集合流路は断熱管αと各コアとの間の空間に形成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の超電導ケーブルシステム。
  7. 前記超電導ケーブル線路は、
    前記断熱管α及び断熱管βと各ケーブルコアとの間の空間に冷媒が流通される外側流路と、
    各ケーブルコアが備える中空フォーマの内部空間に冷媒が流通される内側流路とを備え、
    前記循環路は、冷却機構、超電導ケーブル線路の一端側の分岐ケーブル部内の外側流路、超電導ケーブル線路の一端側の分岐ケーブル部内の内側流路、集束ケーブル部における各コア内の内側流路、超電導ケーブル線路の他端側の分岐ケーブル部内の内側流路、超電導ケーブル線路の他端側の分岐ケーブル部内の外側流路、集束ケーブル部における外側流路、冷却機構の順で循環される単一の循環路で構成され、
    前記流路区画部は、超電導ケーブル線路の一端側の分岐ケーブル部内の外側流路と集束ケーブル部における外側流路とを区画することを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルシステム。
  8. 前記超電導ケーブル線路は、
    前記断熱管α及び断熱管βと各ケーブルコアとの間の空間に冷媒が流通される外側流路と、
    各ケーブルコアが備える中空フォーマの内部空間に冷媒が流通される内側流路とを備え、
    前記循環路は、互いに独立した主循環路と副循環路とを備え、
    前記主循環路は、冷却機構、超電導ケーブル線路の一端側の分岐ケーブル部内の内側流路、集束ケーブル部における各コア内の内側流路、超電導ケーブル線路の他端側の分岐ケーブル部内の内側流路、超電導ケーブル線路の他端側の分岐ケーブル部内の外側流路、集束ケーブル部における外側流路、冷却機構の順で循環され、
    前記副循環路は、冷却機構、超電導ケーブル線路の一端側の分岐ケーブル部内の外側流路、集束ケーブル部における外側流路、冷却機構の順で循環され、
    前記流路区画部は、前記主循環路と副循環路の集束ケーブル部における外側流路同士を区画することを特徴とする請求項1に記載の超電導ケーブルシステム。
JP2012042269A 2012-02-28 2012-02-28 超電導ケーブルシステム Expired - Fee Related JP5811405B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012042269A JP5811405B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 超電導ケーブルシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012042269A JP5811405B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 超電導ケーブルシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013178959A true JP2013178959A (ja) 2013-09-09
JP5811405B2 JP5811405B2 (ja) 2015-11-11

Family

ID=49270419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012042269A Expired - Fee Related JP5811405B2 (ja) 2012-02-28 2012-02-28 超電導ケーブルシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5811405B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003297161A (ja) * 2002-04-05 2003-10-17 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導ケーブル線路の冷却方法
JP2005012925A (ja) * 2003-06-19 2005-01-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 多相超電導ケーブルの相分岐構造
JP2005253204A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 多相超電導ケーブルの端末構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003297161A (ja) * 2002-04-05 2003-10-17 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導ケーブル線路の冷却方法
JP2005012925A (ja) * 2003-06-19 2005-01-13 Sumitomo Electric Ind Ltd 多相超電導ケーブルの相分岐構造
JP2005253204A (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Sumitomo Electric Ind Ltd 多相超電導ケーブルの端末構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP5811405B2 (ja) 2015-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3226511U (ja) 第1入力端子管を第2入力端子管に接続する入力端子タブを備えた装置
RU2452071C2 (ru) Узел концевого соединения
JP5981414B2 (ja) 超電導ケーブルの固定構造及び超電導ケーブル線路の固定構造
CN104170042B (zh) 用于具有带有集成母线管的热管结构的开关设备的冷却装置
ES2956239T3 (es) Sistema de carga para un almacenamiento de energía eléctrica
MX2007009371A (es) Estructura de union intermedia tipo ramificacion de cable superconductor.
JP5922922B2 (ja) 超電導ケーブル、並びに超電導ケーブルの冷却装置及び冷却方法
KR101118415B1 (ko) 초전도 케이블
US20070137881A1 (en) Terminal structure of multiphase superconducting cable
KR20070086466A (ko) 초전도 기기의 전력 인출 구조
US20120186854A1 (en) Stop joint for a superconducting cable
RU2014117509A (ru) Сверхпроводящий кабель, сверхпроводящая кабельная магистраль, способ прокладки сверхпроводящего кабеля и способ работы сверхпроводящей кабельной магистрали
WO2015019897A1 (ja) 超電導ケーブルの接続構造、超電導ケーブル、超電導ケーブルの終端部の電流端子構造
US20110177954A1 (en) Superconducting electricity transmission system
JP4730583B2 (ja) 超電導ケーブル線路
JP5742021B2 (ja) 接続ユニット及び接続構造
KR102016040B1 (ko) 전기 기계 부품 및 최소한 하나의 권선을 갖는 전기 기계
JP5811405B2 (ja) 超電導ケーブルシステム
US8433381B2 (en) Arrangement method of superconducting wires of a superconducting cable
KR20070112172A (ko) 초전도 케이블 및 이 초전도 케이블을 이용한 직류 송전방법
CN106207946A (zh) 极低温电缆的终端连接部
JP2015079625A (ja) 超電導ケーブル線路
JP2013073831A (ja) 超電導ケーブル線路
JPH0787742A (ja) 水冷式サイリスタバルブ及びマニホルド
JP5742006B2 (ja) 常温絶縁型超電導ケーブルの端末構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141027

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150717

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5811405

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees