JP2013177688A - 銀粉及び導電性ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】塩素の含有量が少ない銀粉を得る。
【解決手段】塩化銀を錯化剤により溶解して得た銀錯体を含む溶液と還元剤溶液とを混合し、銀錯体を還元して銀粉を得る場合に、水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物を銀錯体を含む溶液及び還元剤溶液の両方、又は、銀錯体を含む溶液又は還元剤溶液のいずれか一方に添加し、銀粒子の表面に有機化合物を塩素よりも優先的に吸着させ、塩素の吸着を抑制することで、塩素濃度が0.003質量%以下であり、平均一次粒子径が0.4μm〜1.5μmの銀粉を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、銀粉及びその銀粉を含有する導電性ペーストに関し、より詳しくは電子機器の配線層、電極等の形成に利用される銀ペーストの主たる成分となる銀粉及びその銀粉を含有する導電性ペーストに関する。
電子機器の配線層や電極等の形成には、樹脂型銀ペーストや焼成型銀ペースト等の銀ペーストが広く使用されている。配線層や電極等の導電膜は、銀ペーストを塗布又は印刷した後、加熱硬化あるいは加熱焼成することで形成される。
例えば、樹脂型銀ペーストは銀粉、樹脂、硬化剤、溶剤等からなり、この樹脂型銀ペーストを導電体回路パターン又は端子上に印刷した後、100℃〜200℃で加熱硬化させ導電膜とすることにより、配線層や電極等を形成する。また、焼成型銀ペーストは、銀粉、ガラス、溶剤等からなり、この焼結型銀ペーストを導電体回路パターン又は端子上に印刷した後、600℃〜800℃に加熱焼成させて導電膜とすることにより、配線層や電極等を形成する。銀ペーストを加熱して形成されたこれらの配線層や電極等の導電性は、銀粉の焼結性が関係する。
ここで、銀粉は、出発原料に塩化銀又は硝酸銀を用い、この塩化銀又は硝酸銀を錯化剤により溶解して得た銀錯体を含む銀錯体溶液と還元剤溶液とを混合し、銀錯体を還元して得られた銀粒子を洗浄、乾燥することによって製造できる。出発原料に硝酸銀を用いた場合には、亜硝酸ガスの回収装置や廃水中の硝酸系窒素の処理装置を設置する必要がある。一方、塩化銀を用いた場合には、このような装置を必要とせず、製造コストを低減でき、環境への影響も少ない。したがって、銀粉を製造するにあたっては、塩化銀を出発原料に用いることが好ましい。しかしながら、塩化銀を用いた場合には、銀粉に不純物の塩素が含有されてしまう。
銀粉の焼結性は、銀粉の表面形状や表面処理にも左右されるが、焼結を阻害する塩素等の不純物による影響も大きい。特に銀は、塩素等のハロゲン元素と銀塩を生成しやすい。銀塩は、分解温度が高いために焼結を阻害し、更に非導電性物質として配線層や電極等の抵抗を増大させてしまう。焼結性は、銀塩、特に塩素の存在が例えば100ppm程度の微量であっても問題となる。
したがって、硝酸銀のように特別な設備を必要としない塩化銀を出発原料に用いた銀粉の製造方法において、銀粉に含まれる塩素の含有量を低減することが求められている。
特開2000−129318号公報
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、塩素の含有量が少ない銀粉及びその銀粉を含有する導電性ペーストを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、銀錯体を還元して銀粉を製造する過程において、還元時に水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物を存在させることにより、銀粉中の塩素の存在量を低減できることを見出した。
すなわち、本発明に係る銀粉は、塩化銀を錯化剤により溶解して得た銀錯体を含む溶液と還元剤溶液とを混合し、銀錯体を還元して得た銀粒子表面には、水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物が吸着され、塩素濃度が0.003質量%以下であり、平均一次粒子径が0.4μm〜1.5μmであることを特徴とする。
また、本発明に係る導電性ペーストは、上記銀粉を導電体として含有することを特徴とする。
本発明は、銀粉中の塩素の含有量が0.003質量%以下であり、塩素の含有量が少なく、焼結性に優れ、平均一次粒子径が0.4μm〜1.5μmの銀粉である。これにより、本発明では、その銀粉を含有する導電性ペーストを用いることで導電性に優れた配線層や電極等を形成することができる。
以下に、本発明を適用した銀粉及びその銀粉を含有する導電性ペーストについて詳細に説明する。なお、本発明は、特に限定がない限り、以下の詳細な説明に限定されるものではない。
銀粉は、硬化剤、樹脂、溶剤等から構成される樹脂型銀ペーストやガラス、溶剤等から構成される焼成型銀ペーストに含有される。銀粉が含有された樹脂型銀ペーストや焼成型銀ペーストは、配線層や電極等の形成に用いられる。配線層や電極等の導電性は、銀粉の焼結性が重要となるため、焼結を阻害する塩素の含有量が少ない銀粉を用いることが必要となる。本実施の形態に係る銀粉は、塩素の含有量が0.003質量%以下であり、塩素の含有量が少なく、焼結性が良好なものとすることができる。
また、走査型電子顕微鏡(SEM)観察において測定した銀粉の平均一次粒子径DSが、0.1μm〜1.5μmであることが好ましく、0.4μm〜1.2μmであることがより好ましい。一次粒子の平均粒径が0.1μm以上であることにより、銀ペースト(導電性ペースト)にした場合に抵抗を生じさせず導電性を良好なものとすることができる。また、一次粒子の平均粒径を1.5μm以下とすることにより、分散性を悪化させることなく、混練の際に銀フレークが発生せず、印刷性も良好となる。
さらに、銀粉の平均粒径は、レーザー回折散乱法を用いて測定したD50(体積積算50%径)で、0.5μm〜5μmであることが好ましく、1.0μm〜4.0μmであることがより好ましい。D50をこの範囲とすることで、銀ペースト用として好ましいものとなり、ペースト中での分散性が改善される。0.5μm未満では、ペースト混練中に凝集してフレークが発生するなど混練性が低下する可能性がある。また、5μmを超えると、銀粒子が凝集し過ぎて大きな凝集体が多量に形成されており、ペーストの溶媒中における分散安定性が悪化することがある。
本実施の形態における銀粉の製造方法は、塩化銀を出発原料とする。先ず、塩化銀を錯化剤により溶解して得た銀錯体を含む銀錯体溶液と還元剤溶液とを混合し、銀錯体を還元して銀粒子を析出させる湿式還元法により銀粒子スラリーを生成する工程を行う。この銀粒子スラリーを生成する工程では、硝酸銀を出発原料とする従来の方法で必要とされた亜硝酸ガスの回収装置や廃水中の硝酸系窒素の処理装置を設置する必要がなく、環境への影響も少ないプロセスであることから、製造コストの低減を図ることができる。また、硝酸銀を出発原料とした場合には、銀粉に硝酸イオンが含まれるため、硝酸イオンにより銀粉の焼結性が悪くなる等の影響が生じるが、塩化銀を用いることによって、硝酸イオンが含有されないため、このような影響がない。このように塩化銀を用いた場合には、硝酸銀を用いた場合よりも銀粉への硝酸イオンの混入が抑えられる。
具体的に、銀粒子スラリーを生成する工程では、先ず、錯化剤を用いて塩化銀を溶解し、銀錯体を含む銀錯体溶液を調製する。錯化剤としては、特に限定されるものではないが、塩化銀と錯体を形成しやすく且つ不純物として残留する成分が含まれていないアンモニア水を用いることが好ましい。また、塩化銀は高純度のものを用いることが好ましい。このような塩化銀としては、高純度塩化銀が工業用に安定的に製造されている。
塩化銀の溶解方法としては、例えば錯化剤としてアンモニア水を用いる場合、塩化銀のスラリーを作製してアンモニア水を添加してもよいが、錯体濃度を高めて生産性を上げるためにはアンモニア水中に塩化銀を添加して溶解することが好ましい。塩化銀を溶解するアンモニア水は、工業的に用いられる通常のものでよいが、不純物混入を防止するため可能な限り高純度のものが好ましい。
次に、銀錯体溶液と混合する還元剤溶液を調製する。還元剤としては、一般的なヒドラジンやホルマリン等を用いることができる。アスコルビン酸は、還元作用が緩やかであるため、銀粒子中の結晶粒が成長しやすく特に好ましい。ヒドラジンやホルマリンは、還元力が強いため、銀粒子中の結晶が小さくなりやすい。また、反応の均一性又は反応速度を制御するために、還元剤を純水等で溶解又は希釈して濃度調整した水溶液として用いてもよい。
この還元剤溶液には、水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物を添加する。還元剤溶液に水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物を添加すると、銀粒子の表面がアルカリ性環境下において負の状態であるため、銀粒子の表面に有機化合物が吸着される。このため、還元時に水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物が存在すると、有機化合物が正イオンとなる親水基を有していることから銀粒子の表面に塩素よりも先に吸着することになる。このように銀粒子の表面に有機化合物が塩素よりも優先的に結合することにより、銀粒子の塩素の吸着を抑えることができる。したがって、銀粒子が吸着する塩素の量が少ないため、後の工程を経て得られる銀粉は塩素の含有量が少なくなる。また、銀粒子と結合した有機化合物によって、後に添加する分散剤が銀粒子に強く結合するようになる。
有機化合物としては、カチオン系界面活性剤が挙げられ、具体的には第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩、分子内に2個以上のアミノ基を持つポリアミン化合物のいずれか又はその混合物である。第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩、分子内に2個以上のアミノ基を持つポリアミン化合物を用いた場合には、他の有機化合物を添加した場合と比べて、後述する分散剤の結合が強くなり、銀粒子の分散性が良くなる。
有機化合物の添加量は、銀量に対して0.0005質量%〜5.0質量%が好ましい。有機化合物の添加量をこの範囲とすることによって、種類により銀粒子への吸着量は異なるが、添加量の50%以上が銀粒子に吸着されるため銀粒子の塩素の吸着を抑制することができる。
以上のように、還元剤溶液に水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物を添加することによって、銀粉に含まれる塩素の含有量を0.003質量%以下とすることができる。
また、有機化合物は、還元時に添加されていればよいため、還元剤溶液に予め添加することに限らず、銀錯体溶液及び還元剤溶液の両方、又は、銀錯体溶液に予め添加することもでき、銀錯体溶液と還元剤溶液との混合時に添加するようにしてもよいが、核発生あるいは核成長の場に有機化合物が供給され難く、銀粒子の表面に有機化合物を吸着させにくくなるおそれがある。そのため、上述のように、還元剤溶液に予め添加しておくことが好ましい。これにより、核発生あるいは核成長の場に有機化合物が存在するようになり、生成した核あるいは銀粒子の表面に迅速に有機化合物を吸着させ、塩素の吸着を抑制し、銀粉の塩素含有量をより少なくすることができる。
また、還元剤溶液には、銀粒子の凝集を抑えるために水溶性高分子を添加することができる。水溶性高分子を添加しない場合には、還元により発生した核や核が成長した銀粒子が凝集を起こし、分散性が悪いものとなってしまう。また、過剰に添加した場合は、銀粒子表面に残留する水溶性高分子の量が多くなり過ぎ、水溶性高分子の含有量が多い銀粉を含有する導電性ペーストにより形成した配線層や電極等は十分な導電性が得られない。水溶性高分子の添加量は、水溶性高分子の種類及び得ようとする銀粉の粒径により適宜決定されるが、銀錯体溶液中の銀量に対して0.1〜20質量%の範囲とすることが好ましく、1〜20質量%の範囲とすることがより好ましい。
添加する水溶性高分子としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等の少なくとも1種であることが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンの少なくとも1種であることがより好ましい。これらの水溶性高分子によれば、特に効果的に凝集を防止して分散性を高めることができる。
水溶性高分子は、銀錯体溶液及び還元剤溶液の両方、又は銀錯体溶液に対して還元処理に先立ち予め添加することもでき、還元処理のための銀錯体溶液と還元剤溶液との混合時に添加するようにしてもよいが、この場合、核発生あるいは核成長の場に水溶性高分子が供給され難く、銀粒子の表面に水溶性高分子を吸着させることができないおそれがある。そのため、上述のように、還元剤溶液に予め添加しておくことが好ましい。これにより、核発生あるいは核成長の場に水溶性高分子が存在するようになり、生成した核あるいは銀粒子の表面に迅速に水溶性高分子を吸着させ、凝集体の生成を効率良く制御し、分散性の良い銀粉を製造することができる。
水溶性高分子を添加した場合には、還元反応時に発泡することがあるため、銀錯体溶液又は還元剤混合液に消泡剤を添加してもよい。消泡剤は、特に限定されるものではなく、通常還元時に用いられているものでよい。ただし、還元反応を阻害させないため、消泡剤の添加量は消泡効果が得られる最小限程度にしておくことが好ましい。
なお、銀錯体溶液及び還元剤溶液を調製する際に用いる水については、不純物の混入を防止するため、不純物が除去された水を用いることが好ましく、純水を用いることが特に好ましい。
次に、上記のごとく調製した銀錯体溶液と還元剤溶液とを混合し、銀錯体を還元して銀粒子を析出させる還元工程を行う。この還元反応は、バッチ法でもよく、チューブリアクター法やオーバーフロー法のような連続還元法を用いて行ってもよい。均一な粒径を有する銀粒子を得るためには、粒成長時間の制御が容易なチューブリアクター法を用いることが好ましい。また、銀粒子の粒径は、銀錯体溶液と還元剤溶液の混合速度や銀錯体の還元速度で制御することが可能であり、目的とする粒径に容易に制御することができる。銀粒子の平均粒子径は、0.1μm〜1.5μm程度であり、形成する配線の太さや電極の厚さによって適宜調整する。
次に、得られた銀粒子に対して表面処理を行う。この表面処理は、上述した有機化合物や水溶性高分子が吸着した銀粒子をアルカリ性溶液や水で洗浄する前に行うことが好ましい。アルカリ性溶液や水で洗浄すると、銀粒子の表面に吸着した水溶性高分子が容易に除去されてしまうため、水溶性高分子が除去された部分で銀粒子の凝集が起こる。このため、洗浄した後に表面処理を行うと、凝集した銀粒子の表面に表面処理を行うことになり、乾燥後の解砕により表面処理ができていない面が現われて、表面処理が不均一になるため好ましくない。したがって、洗浄前に表面処理を行うことが好ましい。
表面処理は、銀粒子を含む銀粒子スラリーに分散剤を添加し、上記有機化合物が吸着した銀粒子に分散剤を結合させることで表面処理を行う。特にカチオン系界面活性剤を用いると、分散剤は、銀粒子の表面に結合したカチオン系界面活性剤に結合することで、その相互作用により銀粒子表面に強固な表面処理層(被覆層)を形成する。このような表面処理層は、銀粒子同士の凝集の防止効果が高く有効である。カチオン系界面活性剤の中でも第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩を用いた場合には、界面活性剤と分散剤との結合が強くなるため、銀粒子に対する表面処理層の結合が強くなる。
分散剤としては、例えば脂肪酸、有機金属、ゼラチン等の保護コロイドを用いることができるが、不純物混入のおそれや界面活性剤との吸着性を考慮すると、脂肪酸又はその塩を用いることが好ましい。また、その分散剤としては、脂肪酸又はその塩を界面活性剤でエマルション化したものを用いることが好ましく、分散剤による表面処理によって銀粒子の表面に脂肪酸と界面活性剤とを結合させることができ、より一層分散性を向上させることができる。
分散剤として用いる脂肪酸としては、特に限定されるものではないが、ステアリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、リノール酸、ラウリン酸、リノレン酸から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの脂肪酸は、沸点が比較的低いため、銀ペーストを用いて形成された配線層や電極への悪影響が少ないからである。
また、分散剤の添加量は、銀粒子量に対して0.01〜1.00質量%の範囲が好ましい。分散剤は上述の有機化合物と同様にその種類により銀粒子への吸着量は異なるが、添加量が0.01質量%未満になると、銀粒子の凝集抑制や分散剤の吸着性改善の効果が十分に得られる量が銀粉に吸着されないことがある。一方、分散剤の添加量が1.00質量%を超えると、銀粒子に吸着される量が多くなり過ぎ、銀ペーストを用いて形成された配線層や電極等の導電性が十分に得られないことがある。
また、表面処理では、上述した還元剤溶液及び/又は銀錯体溶液にカチオン系界面活性剤以外の有機化合物を添加した場合には、強固な表面処理層を形成させるため、銀粒子スラリーに分散剤と共にカチオン系界面活性剤を添加して表面処理を行うことが好ましい。また、上述したように還元剤溶液及び/又は銀錯体溶液にカチオン系界面活性剤を添加した場合であっても、表面処理の際に分散剤と共に界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤と分散剤の両方で表面処理することにより、ペースト中の溶媒との親和性が高くなり、ペースト中において分散性の良い銀粉を製造することができる。
界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、カチオン系界面活性剤が好ましい。カチオン系界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、モノアルキルアミン塩に代表されるアルキルモノアミン塩型、N−アルキル(C14〜C18)プロピレンジアミンジオレイン酸塩に代表されるアルキルジアミン塩型、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドに代表されるアルキルトリメチルアンモニウム塩型、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライドに代表されるアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩型、アルキルジポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライドに代表される4級アンモニウム塩型、アルキルピリジニウム塩型、ジメチルステアリルアミンに代表される3級アミン型、ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレンアルキルアミンに代表されるポリオキシエチレンアルキルアミン型、N、N’、N’−トリス(2−ヒドロキシエチル)−N−アルキル(C14〜18)1,3−ジアミノプロパンに代表されるジアミンのオキシエチレン付加型から選択される少なくとも1種が好ましく、4級アンモニウム塩型、3級アミン塩型、分子内に2個以上のアミノ基を持つポリアミン化合物のいずれか又はその混合物がより好ましい。
また、界面活性剤は、メチル基、ブチル基、セチル基、ステアリル基、牛脂、硬化牛脂、植物系ステアリルに代表されるC4〜C36の炭素数を持つアルキル基を少なくとも1個有することが好ましい。アルキル基としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリアクリル酸、ポリカルボン酸から選択される少なくとも1種を付加されたものであることが好ましい。これらのアルキル基は、後述する分散剤として用いる脂肪酸との吸着が強いため、界面活性剤を介して銀粒子に分散剤を吸着させる場合に脂肪酸を強く吸着させることができる。
また、界面活性剤を添加する場合の添加量としては、銀粒子量に対して0.002〜1.000質量%の範囲が好ましい。界面活性剤は、上記範囲の添加量により銀粒子表面に十分な量の界面活性剤を吸着させることができる。界面活性剤の添加量が0.002質量%未満になると、銀粒子の凝集抑制あるいは分散剤の吸着性改善の効果が得られないことがある。一方で、添加量が1.000質量%を超えると、吸着量が多くなり過ぎ、銀ペーストを用いて形成された配線層や電極の導電性が低下する可能性があるため好ましくない。銀粒子に界面活性剤を吸着させることで、銀ペースト中での分散性を向上させ、銀ペーストを用いて形成された配線層や電極において良好な導電性が達成される。
銀粒子の洗浄及び表面処理に用いられる装置は、通常用いられるものでよく、例えば撹拌機付の反応槽等を用いることができる。
次に、表面処理をした銀粒子を洗浄する洗浄工程を行う。銀粒子は、表面に不純物、過剰の水溶性高分子が吸着している。したがって、銀ペーストを用いて形成される配線層や電極等の導電性を十分なものとするためには、得られた銀粒子スラリーを洗浄し、銀粒子に付着した不純物や過剰に付着した水溶性高分子を除去する必要がある。不純物や水溶性高分子を除去しても表面処理層が残るため、銀粒子の凝集抑制と配線層や電極等の高い導電性を両立させることができる。
洗浄方法としては、銀粒子スラリーから固液分離した銀粒子を洗浄液に投入し、撹拌機又は超音波洗浄器を使用して撹拌した後、再び固液分離して銀粒子を回収する方法が一般的に用いられる。また、表面吸着物を十分に除去するためには、洗浄液に銀粒子を投入して撹拌洗浄し、固液分離を行う操作を数回繰り返して行うことが好ましい。
洗浄液は、銀粒子の表面に吸着されている水溶性高分子や不純物を効率よく除去するために、アルカリ性溶液又は水を用いる。アルカリ性溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、アンモニア水のいずれか1つ、または混合して用いることが好ましい。その他に、無機化合物又は有機化合物からなるアルカリ性溶液を用いても問題はない。洗浄液に用いる水は、銀粒子に対して有害な不純物元素を含有していない水が好ましく、特に純水が好ましい。
アルカリ性溶液の濃度は、0.01質量%〜20質量%が好ましい。0.01質量%未満では、洗浄効果が不十分であり、20質量%を超える場合では、銀粒子にアルカリ金属塩が許容以上に残留することがある。したがって、高濃度のアルカリ性溶液を用いた場合は、洗浄後に十分な純水洗浄を行い、アルカリ金属塩の残留を抑制する必要がある。
洗浄を行った後は、固液分離して銀粒子を回収する。固液分離に用いられる装置は、通常用いられるものでよく、例えば遠心機、吸引濾過機、フィルタープレス等を用いることができる。
次に、分離した銀粒子は、乾燥工程において水分を蒸発させて乾燥させる。乾燥方法としては、例えば、洗浄及び表面処理の終了後に回収した銀粉をステンレスパッド上に置き、大気オーブン又は真空乾燥機などの市販の乾燥装置を用いて、40℃〜80℃の温度で加熱すればよい。
次に、乾燥後の銀粒子に対して、弱い解砕を行い、乾燥時に生じた凝集体をほぐす。なお、解砕は、乾燥後の銀粒子において、凝集体をほぐす必要があれば行うようにしてもよい。解砕を行う際には、弱い力で解砕することができる。これは、表面処理により銀粒子の凝集が抑えられているからである。解砕する際の力は、小さい振動、例えば銀粒子をジャイロシフターにて篩いにかけた際の振動程度でもよい。
上述した解砕処理後、分級処理を行うことによって所望とする粒度分布を有する銀粉を得ることができる。分級処理に際して使用する分級装置としては、特に限定されるものではなく、気流式分級機、篩い等を用いることができる。
以上より、上述した銀粉の製造方法では、還元剤溶液に水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物を添加することによって、又は銀錯体溶液と還元剤溶液の両方、銀錯体溶液のみに有機化合物を添加することによっても、還元時に有機化合物が共存しているため、銀粒子の表面に塩素よりも先に有機化合物が吸着されることになる。これにより、この銀粉の製造方法では、銀粒子の表面にすでに有機化合物が吸着されているため、銀粒子の塩素の吸着が抑制され、製造される銀粉の塩素の含有量を0.003質量%以下とすることができる。したがって、出発原料に硝酸銀を用いずに塩化銀を用いた場合であっても、塩素の含有量が少ない銀粉を特別な設備を設けることなく製造することができる。また、上述した銀粉の製造方法では、原料に硝酸銀を用いておらず、不純物等により不可避的に混入してしまった硝酸イオンを考慮しても、飛行時間型二次イオン質量分析法において、硝酸イオン検出量は銀負イオン検出量の5倍以下となる。硝酸イオン検出量が5倍を超えると、銀ペーストとして用いて電子部品の配線層や電極等を形成する際に、硝酸が排出され、電子部品を腐食により劣化させる可能性がある。
また、このような塩素の含有量が少ない銀粉と、ガラス、溶剤等とを混合して得られる導電性ペーストは、銀粉の焼結性が良いため、導電性が良好な配線層や電極等を形成することができる。この導電性ペーストにおいても、上述した銀粉の製造方法により得られた銀粉を用いるので、同様に、硝酸イオン検出量は銀負イオン検出量の5倍以下となる。
以下に、本発明の具体的な実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
38℃の温浴中で液温36℃に保持した25%アンモニア水40Lに、塩化銀2918g(住友金属鉱山株式会社製)を撹拌しながら投入して銀錯体溶液を作製し、得られた銀錯体溶液を温浴中で36℃に保持した。
一方、還元剤のアスコルビン酸1220g(関東化学株式会社製、試薬)を、36℃の純水14Lに溶解して還元剤溶液を作製した。
次に、水溶性高分子であるポリビニルアルコール106.8g(株式会社クラレ製、PVA205)を36℃の純水550mlに溶解した後、還元剤溶液に混合し、更にカチオン系界面活性剤であるポリオキシエチレン付加4級アンモニウム塩1.2g(クローダジャパン株式会社製、商品名 シラソルG−265、銀錯体溶液中の銀量に対して0.054質量%)を還元剤溶液に混合した。
作製した銀錯体溶液と還元剤溶液とを、ポンプ(兵神装備株式会社製)を使用し、銀錯体溶液2.7L/min、還元剤溶液0.9L/minで混合管内に送液して、銀錯体を還元した。なお、混合管には内径25mm及び長さ725mmの塩ビ製パイプを使用した。銀錯体の還元により得られた銀粒子を含むスラリーは撹拌しながら受槽に入れた。
その後、還元により得られた銀粒子スラリーへ、分散剤としてステアリン酸エマルジョン19.5g(中京油脂(株)製、セロゾール920、銀粒子の量に対して1.0質量%)を投入し、60分間撹拌して表面処理を行った。表面処理後、銀粒子スラリーをフィルタープレスを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。
引き続き、回収した銀粒子が乾燥する前に、銀粒子を40℃に保持した0.2質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液23L中に投入し、15分間撹拌して洗浄した後、フィルタープレスで濾過し、銀粒子を回収した。
次に、回収した銀粒子を、40℃に保持した23Lの純水中に投入し、撹拌及び濾過した後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥した。続いて、乾燥した銀粒子を、5Lの高速攪拌機(日本コークス工業(株)製、FM5C)を用いて、解砕を行った。解砕処理後、銀粒子を気流式分級機(日本鉱業(株)、EJ−3)を用い、分級点7μmとして粗大粒子を除去し、銀粒子を得た。
得られた銀粒子0.5gを50容量%硝酸溶液3mlを用いて分解し、さらに臭化カリウム0.05gを添加して塩化銀と臭化銀の混合物を生成させ、ろ別したこの混合物に10質量%水素化ホウ素ナトリウム水溶液5mlを入れ塩化銀を還元させて銀と塩化物イオンに分離した。この溶液をイオンクロマトグラフィ(日本ダイオネクス(株)製、ICS−1000)で塩素を分析したところ、0.0013質量%であった。硝酸イオンについても、TOF−SIMS(ION−TOF製 TOF−SIMS5)を用いビスマスを一次イオンとしその加速電圧を25kVとした飛行時間型二次イオン質量分析法により分析したところ、負二次イオンの検出量でM/Z(Mass/電価)=62の硝酸イオン量がM/Z=107の銀負イオン量よりも低い値となった。即ち、銀負イオン量は、本来正イオンである銀において副次的に極微量検出されるものであり、硝酸イオンの含有量は非常に少ないことがわかる。
また、SEM観察において、銀粒子を300点以上測長した値を平均することにより測定した銀粉の平均粒径DSは1.07μmであった。また、イソプロピルアルコール中に銀粉を分散させレーザー回折散乱法を用いて測定した体積積算の平均粒径D50は2.1μmであった。また、BET法により測定した比表面積は0.42m/gであった。
〔実施例2〕
実施例2では、カチオン系界面活性剤を第3級アミン塩(日油製ナイミーンL207)に変更したこと以外は、実施例1に準じて銀粒子を得るとともに評価したところ、塩素の含有量が0.0021重量%であった。また、銀粉の平均粒径DSは1.01μmであった。また、イソプロピルアルコール中に銀粉を分散させレーザー回折散乱法を用いて測定した体積積算の平均粒径D50は2.0μmであった。また、BET法により測定した比表面積は0.45m/gであった。
〔実施例3〕
実施例3は、カチオン系界面活性剤を分子内に2個以上のアミノ基を持つポリアミン化合物(ビックケミー製BYK9076)に変更してエタノール溶液として添加したこと以外は実施例1に準じて銀粒子を得るとともに評価したところ、塩素の含有量が0.0015重量%であった。また、銀粉の平均粒径DSは0.98μmであった。また、イソプロピルアルコール中に銀粉を分散させレーザー回折散乱法を用いて測定した体積積算の平均粒径D50は2.0μmであった。また、BET法により測定した比表面積は0.46m/gであった。
[比較例1]
比較例1では、還元剤溶液にカチオン系界面活性剤を添加せず、カチオン系界面活性剤であるポリオキシエチレン付加4級アンモニウム塩を還元により得られた銀粒子スラリーへ投入し、次に分散剤としてステアリン酸エマルジョンを投入したこと以外は、実施例1と同様にして銀粉を製造した。
得られた銀粉について、実施例1と同様に評価した結果、塩素の含有量は0.0038質量%であった。硝酸イオンについても、負二次イオンの検出量でM/Z=62の硝酸イオン量がM/Z=107の銀負イオン量よりも低い値となった。
また、SEM観察により測定した銀粉の平均粒径DSは1.02μmであった。また、イソプロピルアルコール中に銀粉を分散させレーザー回折散乱法を用いて測定した体積積算の平均粒径D50は2.5μmであった。また、BET法により測定した比表面積SSA1は0.42m/gであった。
以上のように、比較例1では、塩素の含有量が実施例1における0.0013質量%よりも多い0.0038質量%であった。
[比較例2]
比較例2では、38℃の温浴中で液温36℃に保持した10%アンモニア水50Lに、硝酸銀900g(関東化学株式会社製 試薬)を撹拌しながら投入して銀錯体溶液を作製し、得られた銀錯体溶液を温浴中で36℃に保持した。
一方、還元剤のヒドラジン一水和物(関東化学株式会社製)170mlを水14Lに希釈して還元剤溶液を作製した。
次に、水溶性高分子であるポリビニルアルコール100g(株式会社クラレ製、PVA205)を36℃の純水550mlに溶解した後、還元剤溶液に混合した。
作製した銀錯体溶液と還元剤溶液とを、ポンプ(兵神装備株式会社製)を使用し、銀錯体溶液2.7L/min、還元剤溶液0.9L/minで混合管内に送液して、銀錯体を還元した。なお、混合管には内径25mm及び長さ725mmの塩ビ製パイプを使用した。銀錯体の還元により得られた銀粒子を含むスラリーは撹拌しながら受槽に入れた。
その後、還元により得られた銀粒子スラリーへ、分散剤としてステアリン酸エマルジョン6g(中京油脂(株)製、セロゾール920、銀粒子の量に対して1.0質量%)を投入し、60分間撹拌して表面処理を行った。表面処理後、銀粒子スラリーをフィルタープレスを使用して濾過し、銀粒子を固液分離した。
引き続き、回収した銀粒子が乾燥する前に、銀粒子を40℃に保持した0.2質量%の水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液23L中に投入し、15分間撹拌して洗浄した後、フィルタープレスで濾過し、銀粒子を回収した。
次に、回収した銀粒子を、40℃に保持した23Lの純水中に投入し、撹拌及び濾過した後、銀粒子をステンレスパッドに移し、真空乾燥機にて60℃で10時間乾燥した。続いて、乾燥した銀粒子を、5Lの高速攪拌機(日本コークス工業(株)製、FM5C)を用いて、解砕を行った。解砕処理後、銀粒子を気流式分級機(日本鉱業(株)、EJ−3)を用い、分級点7μmとして粗大粒子を除去し、銀粒子を得た。
得られた銀粉について、実施例1と同様に評価した結果、塩素の含有量は0.0008質量%であった。硝酸イオンについては、負二次イオンの検出量でM/Z=62の硝酸イオン量がM/Z=107の銀負イオン量よりも30倍となった。
実施例1〜実施例3では、水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有するカチオン系界面活性剤を前もって還元剤溶液に添加しておき、その還元剤溶液と銀錯体溶液とを混合して還元したため、還元時にはカチオン系界面活性剤が共存していた。これにより、実施例1では、塩素よりもカチオン系界面活性剤が銀粒子表面に優先的に吸着し、銀粒子に対する塩素の吸着を抑制できたため、銀粉に含有される塩素の含有量を低減することができた。また、粒度もペースト用として良好なものとなっていた。
一方、比較例1では、還元後にカチオン系界面活性剤を銀粒子スラリーに添加したため、銀粒子に塩素が吸着されてしまい、銀粉に含有される塩素の含有量が多くなった。また、比較例2では、原料として硝酸銀を用いているため、塩素の含有量は少ないが、焼結の際に電子部品を腐食させる硝酸イオンが多く含有されている。
したがって、銀粉を製造するにあたって、水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物を還元剤溶液に添加して還元時に有機化合物を共存させることによって、銀粒子の表面に有機化合物を優先的に吸着させ、塩素の吸着を抑制することによって、銀粉に含有される塩素の含有量を低減できることがわかる。また、銀粉を製造するにあたって、出発原料に塩化銀を用いているため、銀粉に硝酸イオンが含まれなかった。

Claims (4)

  1. 銀粒子表面に水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物が吸着され、塩素濃度が0.003質量%以下であり、平均一次粒子径が0.4μm〜1.5μmであることを特徴とする銀粉。
  2. 飛行時間型二次イオン質量分析法において、硝酸イオン検出量が銀負イオン検出量の5倍以下であることを特徴とする請求項1記載の銀粉。
  3. 銀粒子表面に水中における電離状態で正イオンとなる親水基を有する有機化合物が吸着され、塩素濃度が0.003質量%以下であり、平均一次粒子径が0.4μm〜1.5μmである銀粉を導電体として含有することを特徴とする導電性ペースト。
  4. 飛行時間型二次イオン質量分析法において、硝酸イオン検出量が銀負イオン検出量の5倍以下であることを特徴とする請求項3記載の導電性ペースト。
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