JP2013177355A - メタボリックシンドロームを予防及び治療するための有機体由来の天然成分及び抽出物 - Google Patents
メタボリックシンドロームを予防及び治療するための有機体由来の天然成分及び抽出物 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】白桃花に着目して、メタボリックシンドロームを予防及び治療するための有機体由来の生薬成分及び抽出物を提供する。
【解決手段】
本発明の生薬成分は、白桃花由来の酢酸メチル画分の抽出物に含まれる天然成分のアロマデンドリンであることを特徴とする。また、本発明の抽出物は酢酸メチル画分または水画分の抽出物である。本発明の生薬成分及び抽出物は前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を促進してメタボリックシンドロームを予防及び治療できる。本発明の生薬成分及び抽出物は任意の医薬品、医薬部外品、化粧品又は健康補助食品などの飲食品の有効成分にできる。
【選択図】図2
【解決手段】
本発明の生薬成分は、白桃花由来の酢酸メチル画分の抽出物に含まれる天然成分のアロマデンドリンであることを特徴とする。また、本発明の抽出物は酢酸メチル画分または水画分の抽出物である。本発明の生薬成分及び抽出物は前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化を促進してメタボリックシンドロームを予防及び治療できる。本発明の生薬成分及び抽出物は任意の医薬品、医薬部外品、化粧品又は健康補助食品などの飲食品の有効成分にできる。
【選択図】図2
Description
本発明は、メタボリックシンドロームを予防及び治療するための有機体由来の天然成分及び抽出物、ならびにその天然成分及び抽出物を用いた医薬品、健康補助食品などの飲食品、化粧品、及び医薬部外品に関する。
メタボリックシンドローム(代謝症候群)は、糖尿病、高脂血症、及び高血圧等のうちの2以上を合併した病態をいい、心筋梗塞や脳梗塞等の心血管病の危険因子の1つとして近年注目されている。メタボリックシンドロームは、肥満によるメタボリックシンドロームと脂肪萎縮によるメタボリックシンドロームとの2種類に大別される(図1)。
肥満によるメタボリックシンドロームは、健常状態の小型脂肪細胞の肥大化による、内臓脂肪の蓄積によって生じる。小型脂肪細胞の肥大化は、高脂肪食の摂取や運動不足といった生活習慣によって惹起される。肥大化した脂肪細胞では、炎症性アディポサイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン6(IL−6))の分泌が増加するとともに、抗炎症性アディポサイトカイン(例えば、インスリン感受性サイトカインであるアディポネクチン)の産生が減少し、インスリン抵抗性が惹起される。
従って、肥満によるメタボリックシンドロームを抑制する1つの方法は、小型脂肪細胞から肥大脂肪細胞への分化を抑制し、炎症性アディポサイトカインの分泌を減少させることである。特許文献1又は2には、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化を抑制するための有機体由来の天然成分及び抽出物が開示されている。
一方、肥満によるメタボリックシンドロームにおいて、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化を促進することによって、血中アディポネクチンレベルを上昇させ、ひいてはインスリン抵抗性を改善できることが知られている(非特許文献1)。
また、脂肪萎縮によるメタボリックシンドロームでは、前駆脂肪細胞の分化が障害されることによって、血中アディポネクチンレベルが低下し、ひいてはインスリン抵抗性が惹起されている。従って、脂肪萎縮によるメタボリックシンドロームを抑制するには、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化を促進する必要がある。
更に、アディポネクチンの分泌量の低下は、肥大化した脂肪細胞で活性化したマクロファージから分泌されるTNF−α、及び脂肪細胞から分泌される遊離脂肪酸が互いに脂肪細胞とマクロファージの炎症性変化を促進することにより生じることが知られている。
以上のことから、メタボリックシンドロームを予防及び改善するために、前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化を促進できる天然成分、あるいはマクロファージの活性化を抑制できる天然成分を同定することは当該技術分野で重要な課題となっている。
Yamauchi Tら:Nat.Med.,2001;7:941.
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Karl C.;Muller G.;Pedersen P.,Phytochemistry,15,1084−1085(1976)
前駆脂肪細胞の分化は、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ(PPARγ)やペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ(C/EBP)ファミリー等の転写因子によって制御される。糖尿病治療薬であるピオグリタゾンはPPARγのリガンドであり、PPARの活性化を通して小型脂肪細胞を増加し、ひいては血中アディポネクチンレベルを上昇することによってインスリン抵抗性を改善する。
また、特許文献3ないし5には前駆脂肪細胞から小型脂肪細胞への分化を促進できる有機体由来の天然成分及び抽出物が開示されており、ピオグリタゾンと同様の効能があることが知られている。その他、多数の有機体由来の天然成分及び抽出物(例えば、バニリン、サクラネリン、ノビレチン)においても、同様の効能があることが知られている。
有機体由来の天然成分及び抽出物(すなわち、天然成分の生薬)は安全性の面で非天然成分由来の医薬品より優れているため、メタボリックシンドロームの予防及び改善のために有機体由来の天然成分及び抽出物を用いることは当該技術分野において特に求められている。
本発明は、白桃花に着目して、メタボリックシンドロームを予防及び治療するための新規の有機体由来の生薬成分を提供することを目的とするものである。
本発明の一態様においては、本発明の生薬成分は前駆脂肪細胞の分化を促進するための有機体由来の抽出物であって、アロマデンドリンを含む有機体由来の抽出物である。
本発明の一実施形態においては、前記有機体は白桃花である。
本発明の別の実施形態においては、本発明の有機体由来の抽出物は、酢酸エチル画分の抽出物である。
本発明の別の態様においては、本発明の生薬成分は前駆脂肪細胞の分化を促進するための白桃花由来の抽出物である。
本発明の一実施形態においては、本発明の白桃花由来の抽出物は、酢酸エチル画分の抽出物又は水画分の抽出物である。
本発明の代替的な実施形態においては、本発明における白桃花等の有機体由来の抽出物は任意の医薬品、健康補助食品などの飲食品、化粧品又は医薬部外品に含まれてもよい。
本発明の別の態様は、アロマデンドリンを有効成分とする、前駆脂肪細胞の分化を促進するための医薬品、健康補助食品などの飲食品、化粧品又は医薬部外品である。
有機体由来のアロマデンドリンに、前駆脂肪細胞分化促進効果、及び脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌促進効果が見られるため、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果が達成される。
有機体由来のケンフェロールに、マクロファージ活性化の抑制効果が見られるため、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果が達成される。
白桃花由来の酢酸エチル画分又は水画分の抽出物に、前駆脂肪細胞分化促進効果、脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌促進効果、及びマクロファージ活性化の抑制効果が見られるため、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果が達成される。
上述の有機体由来の天然成分、及び抽出物は安全性の面で非天然成分由来の医薬品よりも優れているため、医薬品、健康補助食品などの飲食品、化粧品又は医薬部外品としての広範な使用に好適である。
以下、実施例を挙げて、更に本発明を詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
本発明では、有機体としてバラ科モモ(Prunus persica)の白桃花に着目して、白桃花の天然成分の分離、精製を行って成分分析を行った。更に、白桃花由来の抽出物及び成分分析した天然成分における、メタボリックシンドロームの治療及び予防の効果について考察を行った。
[材料]
[材料]
本発明では有機体材料としてバラ科モモの白桃花を用いた。
モモはバラ科の落葉高木であり、中国北西部の黄河上流地帯を原産とする。モモは成長すると高さが5メートル以上に達する。モモの葉は互生し皮針形で有毛であり、初春に開花するモモの花は白色から桃紅色の五弁花である。「桃仁」とは、乾燥させたモモの種子の生薬名である。「白桃花」とは、乾燥させた開花期の花及び蕾の生薬名である。
白桃花は利尿、緩下、血行改善作用があることが知られており、民間では水腫の治療、便秘の改善に用いられている。最近の研究で、血行改善効果はプラスミノーゲン活性化因子阻害物質1(PAI−1)の産生抑制作用によるものであることと、プルナシン酸、ネオプルナシン酸が有効成分の1つであることとが明らかになっている。
更に、ケンフェロール、ナリンゲニン等のフラボノイド、トリホリン等のフラボノイド配糖体、クマリン等のクマリン類などが白桃花の天然成分として明らかになっている。
[成分分離機器及び成分分析機器]
[成分分離機器及び成分分析機器]
《成分分離機器》
本発明の実施例においては、カラムクロマトグラフィ用充填材として:
Silica gel 60N(関東化学);
YMC−GEL ODS−A S−150(YMC);
Sephadex(登録商標)LH−20(GEヘルスケア・ジャパン);
Activated Charcoal(和光純薬工業);あるいは、
MCI GEL CHP20P(三菱化学);
を用いた。
本発明の実施例においては、カラムクロマトグラフィ用充填材として:
Silica gel 60N(関東化学);
YMC−GEL ODS−A S−150(YMC);
Sephadex(登録商標)LH−20(GEヘルスケア・ジャパン);
Activated Charcoal(和光純薬工業);あるいは、
MCI GEL CHP20P(三菱化学);
を用いた。
本発明の実施例においては、薄層クロマトグラフィ(TLC)において:
Silica gel 60 F254(MERCK);あるいは
RP−18F254(MERCK);
を用いた。
Silica gel 60 F254(MERCK);あるいは
RP−18F254(MERCK);
を用いた。
《成分分析機器》
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)においては、検出器として:
JASCO UV−2075 Plus;
JASCO UV−1575;あるいは、
SSC−5410;
を用い、ポンプとして:
JASCO PU−2089 Plus;
JASCO PU−1580;あるいは、
JASCO PU−986;
を用い、カラムとして:
COSMOSIL πNAP(Φ10×250mm);
COSMOSIL 5C18−MS−II(Φ10×250mm);あるいは、
Shodex GF310 HQ(Φ4.6×250mm);
を用いた。
高速液体クロマトグラフィ(HPLC)においては、検出器として:
JASCO UV−2075 Plus;
JASCO UV−1575;あるいは、
SSC−5410;
を用い、ポンプとして:
JASCO PU−2089 Plus;
JASCO PU−1580;あるいは、
JASCO PU−986;
を用い、カラムとして:
COSMOSIL πNAP(Φ10×250mm);
COSMOSIL 5C18−MS−II(Φ10×250mm);あるいは、
Shodex GF310 HQ(Φ4.6×250mm);
を用いた。
核磁気共鳴(NMR)装置は:JEOL Delta 600;あるいはJEOL Delta 500;を用いた。
質量分析(MS)装置は、JEOL GCmateを用いた。
旋光計は、JASCO P−1020 Polarimeterを用いた。
[白桃花の天然成分の分離及び精製]
[白桃花の天然成分の分離及び精製]
市販品の白桃花1.5kgを15Lの80%エタノールで抽出し、抽出物を濃縮、乾固して300gのエタノール抽出物を得た。その後、エタノール抽出物を2Lの水に溶解し、等容量のn−ヘキサン、酢酸エチル、及びn−ブタノールを用いて順次段階的に抽出した。n−ヘキサン抽出物の画分の重量は35.0g、酢酸エチル抽出物の画分の重量は54.4g、n−ブタノール抽出物の画分の重量は64.1gであった。
これらの抽出物の画分のうち、酢酸エチル抽出物の画分において、強い前駆脂肪細胞の分化促進作用が見られた(実施例1)ため、酢酸エチル抽出物の画分(54.4g)を順相のシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Silica gel 60N)に付し、n−ヘキサン−酢酸エチル系でn−ヘキサン:酢酸エチルの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出し、次いで100%のアセトン、100%のメタノールで溶出して、7の画分(PrPE−AないしPrPE−G)に分画した。
白桃花の天然成分を得るために、7の画分のうち、3の画分(PrPE−C(6.94g)、PrPE−D(7.28g)、及びPrPE−F(21.3g))の更なる精製を行った。
《画分PrPE−Cの分離》
画分PrPE−C(6.94g)を順相のシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Silica gel 60N)に付し、クロロホルム−メタノール系で、クロロホルム:メタノールの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出して、10の画分(PrPE−C−AないしPrPE−C−J)に分画した。
画分PrPE−C(6.94g)を順相のシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Silica gel 60N)に付し、クロロホルム−メタノール系で、クロロホルム:メタノールの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出して、10の画分(PrPE−C−AないしPrPE−C−J)に分画した。
これらの10の画分のうち、4の画分(PrPE−C−D(2.02g)、PrPE−C−E(121mg)、PrPE−C−F(153mg)、及びPrPE−C−H(50mg))の更なる分離及び精製を行った。
〈画分PrPE−C−Dの分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−C−D(2.02g)を逆相のカラムクロマトグラフィ(YMC−GEL ODS−A S−150)に付し、水−メタノール系で、水:メタノールの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出し、10の画分(PrPE−C−D−1ないしPrPE−C−D−10)に分画した。
画分PrPE−C−D(2.02g)を逆相のカラムクロマトグラフィ(YMC−GEL ODS−A S−150)に付し、水−メタノール系で、水:メタノールの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出し、10の画分(PrPE−C−D−1ないしPrPE−C−D−10)に分画した。
これらの10の画分のうち、画分PrPE−C−D−4(477mg)から化合物(477mg)を精製した(本明細書における「化合物7」)。
〈画分PrPE−C−Eの分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−C−E(121mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:アセトニトリル(60:40)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、4の画分(PrPE−C−E−1ないしPrPE−C−E−4)に分画した。
画分PrPE−C−E(121mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:アセトニトリル(60:40)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、4の画分(PrPE−C−E−1ないしPrPE−C−E−4)に分画した。
これらの4の画分のうち、画分PrPE−C−E−2(20.2mg)から化合物(20.2mg)を精製した(本明細書における「化合物1」)。
更に、画分PrPE−C−E−4(31.6mg)から化合物(31.6mg)を精製した(本明細書における「化合物4」)。
〈画分PrPE−C−Fの分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−C−F(153mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:アセトニトリル(60:40)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、3の画分(PrPE−C−F−1ないしPrPE−C−F−3)に分画した。
画分PrPE−C−F(153mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:アセトニトリル(60:40)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、3の画分(PrPE−C−F−1ないしPrPE−C−F−3)に分画した。
これらの3の画分のうち、画分PrPE−C−F−2(18.2mg)から化合物(18.2mg)を精製した(本明細書における「化合物3」)。
〈画分PrPE−C−Hの分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−C−H(50mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:アセトニトリル(60:40)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、3の画分(PrPE−C−H−1ないしPrPE−C−H−3)に分画した。
画分PrPE−C−H(50mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:アセトニトリル(60:40)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、3の画分(PrPE−C−H−1ないしPrPE−C−H−3)に分画した。
これらの3の画分のうち、画分PrPE−C−H−2(18mg)を更に高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL πNAP Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:アセトニトリル(60:40)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、3の画分(PrPE−C−H−2−1ないしPrPE−C−H−2−3)に分画した。
これらの3の画分のうち、画分PrPE−C−H−2−1(7mg)から化合物(7mg)を精製した(本明細書における「化合物9」)。
《画分PrPE−Dの分離》
画分PrPE−D(7.28g)を活性炭カラムクロマトグラフィ(Activated Charcoal)に付し、次いで100%のメタノール、1:1の比率のクロロホルム:メタノール(クロロホルム−メタノール系)で溶出した。
画分PrPE−D(7.28g)を活性炭カラムクロマトグラフィ(Activated Charcoal)に付し、次いで100%のメタノール、1:1の比率のクロロホルム:メタノール(クロロホルム−メタノール系)で溶出した。
溶出した画分PrPE−D(3.61g)を順相のシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Silica gel 60N)に付し、クロロホルム−メタノール系で、クロロホルム:メタノールの比率を100:0から0:100まで変化させて溶出し、7の画分(PrPE−D−1ないしPrPE−D−7)に分画した。これらの7の画分のうち、画分PrPE−D−4(1.25g)の更なる分離を行った。
画分PrPE−D−4(1.25g)を逆相のカラムクロマトグラフィ(YMC−GEL ODS−A S−150)に付し、水−メタノール系で、水:メタノールの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出し、14の画分(PrPE−D−4−1ないしPrPE−D−4−14)に分画した。
これらの14の画分のうち、2の画分(PrPE−D−4−5(68.9mg)、PrPE−D−4−7(89.9mg))の更なる分離及び精製を行った。
〈画分PrPE−D−4−5の分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−D−4−5(68.9mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(60:40)、流量4.0mL/分、波長254nm)に付して、5の画分(PrPE−D−4−5−1ないしPrPE−D−4−5−5)に分画した。
画分PrPE−D−4−5(68.9mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(60:40)、流量4.0mL/分、波長254nm)に付して、5の画分(PrPE−D−4−5−1ないしPrPE−D−4−5−5)に分画した。
これらの5の画分のうち、PrPE−D−4−5−4(23.5mg)を更に高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL πNAP Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(55:45)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、化合物(14.5mg)を生成した(本明細書における「化合物10」)。
更に、これらの5の画分のうち、PrPE−D−4−5−5(20.6mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL πNAP Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(55:45)、流量4.0mL/分、波長254nm)に付して、2の画分(PrPE−D−4−5−5−1、PrPE−D−4−5−5−2)に分画した。
これらの2の画分のうち、画分PrPE−D−4−5−5−2(14.2mg)から化合物(14.2mg)を精製した(本明細書における「化合物2」)。
〈画分PrPE−D−4−7の分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−D−4−7(89.9mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL πNAP Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(70:30)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、3の画分(PrPE−D−4−7−1ないしPrPE−D−4−7−3)に分画した。
画分PrPE−D−4−7(89.9mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL πNAP Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(70:30)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、3の画分(PrPE−D−4−7−1ないしPrPE−D−4−7−3)に分画した。
これらの3の画分のうち、画分PrPE−D−4−7−2(62.0mg)から化合物(62.0mg)を精製した(本明細書における「化合物8」)。
《画分PrPE−Fの分離》
画分PrPE−F(21.3g)を順相のシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Silica gel 60N)に付し、クロロホルム−メタノール系で、クロロホルム:メタノールの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出して、7の画分(PrPE−F−1ないしPrPE−F−7)に分画した。これらの7の画分のうち、画分PrPE−F−6(8.70g)の更なる分離を行った。
画分PrPE−F(21.3g)を順相のシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Silica gel 60N)に付し、クロロホルム−メタノール系で、クロロホルム:メタノールの比率を、100:0から0:100まで変化させて溶出して、7の画分(PrPE−F−1ないしPrPE−F−7)に分画した。これらの7の画分のうち、画分PrPE−F−6(8.70g)の更なる分離を行った。
画分PrPE−F−6(8.70g)を逆相のカラムクロマトグラフィ(YMC−GEL ODS−A S−150)に付し、水−メタノール系で、水:メタノールの比率を、90:10から0:100まで変化させて溶出し、10の画分(PrPE−F−6−1ないしPrPE−F−6−10)に分画した。これらの10の画分のうち、画分PrPE−F−6−4(1.14g)の更なる分離を行った。
画分PrPE−F−6−4(1.14g)を順相のカラムクロマトグラフィ(MCI GEL CHP20P)に付し、水−メタノール系で、水:メタノールの比率を、90:10から0:100まで変化させて溶出し、6の画分(PrPE−F−6−4−1ないしPrPE−F−6−4−6)に分画した。これらの6の画分のうち、画分PrPE−F−6−4−2(747mg)の更なる分離を行った。
画分PrPE−F−6−4−2(747mg)を順相のカラムクロマトグラフィ(Sephadex(登録商標)LH−20)に付し、70%のメタノール、100%のメタノールで溶出して、12の画分(PrPE−F−6−4−2−1ないしPrPE−F−6−4−2−12)に分画した。
これらの12の画分のうち、2の画分(PrPE−F−6−4−2−5(191mg)、PrPE−F−6−4−2−7(168mg))の更なる分離及び精製を行った。
〈PrPE−F−6−4−2−5の分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−F−6−4−2−5(191mg)を順相のカラムクロマトグラフィ(Sephadex(登録商標)LH−20)に付し、次いで1:1の比率のクロロホルム:メタノール(クロロホルム−メタノール系)、100%のメタノールで溶出し、9の画分(PrPE−F−6−4−2−5−1ないしPrPE−F−6−4−2−5−9)に分画した。
〈PrPE−F−6−4−2−5の分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−F−6−4−2−5(191mg)を順相のカラムクロマトグラフィ(Sephadex(登録商標)LH−20)に付し、次いで1:1の比率のクロロホルム:メタノール(クロロホルム−メタノール系)、100%のメタノールで溶出し、9の画分(PrPE−F−6−4−2−5−1ないしPrPE−F−6−4−2−5−9)に分画した。
これらの9の画分のうち、画分PrPE−F−6−4−2−5−4(96.4mg)から化合物(96.4mg)を精製した(本明細書における「化合物5」)。
〈PrPE−F−6−4−2−7の分離及び化合物の精製〉
画分PrPE−F−6−4−2−7(168mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(55:45)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、5の画分(PrPE−F−6−4−2−7−1ないしPrPE−F−6−4−2−7−5)に分画した。これらの5の画分のうち、画分PrPE−F−6−4−2−7−4(87.4mg)の更なる分離を行った。
画分PrPE−F−6−4−2−7(168mg)を高速液体クロマトグラフィ(COSMOSIL Cholester Φ10×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(55:45)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、5の画分(PrPE−F−6−4−2−7−1ないしPrPE−F−6−4−2−7−5)に分画した。これらの5の画分のうち、画分PrPE−F−6−4−2−7−4(87.4mg)の更なる分離を行った。
画分PrPE−F−6−4−2−7−4(87.4mg)を高速液体クロマトグラフィ(Shodex GF−310HQ Φ4.6×250mm、0.1%のトリフルオロ酢酸:メタノール(10:90)、流量4.0mL/分、波長210nm)に付して、5の画分(PrPE−F−6−4−2−7−4−1ないしPrPE−F−6−4−2−7−4−5)に分画した。
これらの5の画分のうち、画分PrPE−F−6−4−2−7−4−2(38.5mg)から化合物(38.5mg)を精製した(本明細書における「化合物6」)。
[白桃花から精製した化合物の成分同定]
[白桃花から精製した化合物の成分同定]
《化合物1の同定》
化合物1は白色粉末であり、[α]25 D−47.8°(c=0.1、メタノール)を示し、EI−MSでm/z=288[M]+となった。
化合物1は白色粉末であり、[α]25 D−47.8°(c=0.1、メタノール)を示し、EI−MSでm/z=288[M]+となった。
1H−NMRスペクトルでは:
メタカップリングするプロトンシグナル(δH5.86(1H,d,J=2.1Hz)、5.91(1H,d,J=2.1Hz))と;
A2B2タイプのプロトンシグナル(δH6.78(2H,d,J=8.7Hz)、7.30(2H,d,J=8.7Hz))と;
1,2−ジアキシャルプロトンによるシグナル(δH4.55(1H,dd,J=11.3,5.9Hz)、5.04(1H,d,J=11.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH11.87(1H,s))と;
を検出した。
メタカップリングするプロトンシグナル(δH5.86(1H,d,J=2.1Hz)、5.91(1H,d,J=2.1Hz))と;
A2B2タイプのプロトンシグナル(δH6.78(2H,d,J=8.7Hz)、7.30(2H,d,J=8.7Hz))と;
1,2−ジアキシャルプロトンによるシグナル(δH4.55(1H,dd,J=11.3,5.9Hz)、5.04(1H,d,J=11.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH11.87(1H,s))と;
を検出した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
15個のsp2炭素によるシグナル(δC94.9,96.0,100.4,114.8×2,127.5,129.3×2,157.7,162.5,1,163.2,166.7,197.7)と;
2個のsp3炭素(δC71.4,82.8)によるシグナルと;
を検出した。
15個のsp2炭素によるシグナル(δC94.9,96.0,100.4,114.8×2,127.5,129.3×2,157.7,162.5,1,163.2,166.7,197.7)と;
2個のsp3炭素(δC71.4,82.8)によるシグナルと;
を検出した。
上述の旋光度及びm/z値から分子構造を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献2、3に記載のデータと比較することによって、化合物1を(−)−アロマデンドリンと同定した。
(−)−アロマデンドリンは、その鏡像異性体である(+)−アロマデンドリンと比較して、有機体からの発見例が極めて希少な化合物である。更に、(−)−アロマデンドリンが白桃花から単離精製、同定されたのは初めてである。
《化合物2の同定》
化合物2は黄色粉末であり、EI−MSでm/z=304[M]+となった。
化合物2は黄色粉末であり、EI−MSでm/z=304[M]+となった。
1H−NMRスペクトルでは:
メタカップリングするプロトンシグナル(δH5.84(1H,d,J=2.1Hz)、5.89(1H,d,J=2.1Hz))と;
1,2−ジアキシャルプロトンによるシグナル(δH4.46(1H,dd,J=11.3,6.0Hz)、4.95(1H,d,J=11.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH11.88(1H,s))と;
を検出した。
メタカップリングするプロトンシグナル(δH5.84(1H,d,J=2.1Hz)、5.89(1H,d,J=2.1Hz))と;
1,2−ジアキシャルプロトンによるシグナル(δH4.46(1H,dd,J=11.3,6.0Hz)、4.95(1H,d,J=11.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH11.88(1H,s))と;
を検出した。
また、プロトンシグナル(δH6.72(2H,d,J=1.0Hz)、6.86(1H,d,J=1.0Hz))を検出したことから、1,3,5−三置換ベンゼンの存在が推定された。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
15個のsp2炭素によるシグナル(δC95.4,96.4,100.9,115.5,115.7,119.8,128.4,145.3,146.2,163.0,163.7,167.2,198.2)と;
2個のsp3炭素によるシグナル(δC72.0,83.5)と;
を検出した。
15個のsp2炭素によるシグナル(δC95.4,96.4,100.9,115.5,115.7,119.8,128.4,145.3,146.2,163.0,163.7,167.2,198.2)と;
2個のsp3炭素によるシグナル(δC72.0,83.5)と;
を検出した。
上述のm/z値から分子量を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献4、5に記載のデータと比較することによって、化合物2を5,7,3’,5’−テトラヒドロキシフラバノノールと同定した。
5,7,3’,5’−テトラヒドロキシフラバノノールが白桃花から単離精製、同定されたのは初めてである。
《化合物3の同定》
化合物3は黄色粉末であり、EI−MSでm/z=302[M]+となった。
化合物3は黄色粉末であり、EI−MSでm/z=302[M]+となった。
1H−NMRスペクトルでは:
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.18(1H,d,J=2.1Hz)、6.40(1H,d,J=2.1Hz))と;
ABXタイプのプロトンシグナル(δH6.87(1H,d,J=8.5Hz)、7.53(1H,dd,J=8.5,2.3Hz)、7.67(1H,d,J=2.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.49(1H,s))と;
を検出した。
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.18(1H,d,J=2.1Hz)、6.40(1H,d,J=2.1Hz))と;
ABXタイプのプロトンシグナル(δH6.87(1H,d,J=8.5Hz)、7.53(1H,dd,J=8.5,2.3Hz)、7.67(1H,d,J=2.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.49(1H,s))と;
を検出した。
13C−NMRスペクトルでは:
15個のsp2炭素によるシグナル(δC94.1,98.9,103.7,115.7,116.2,120.6,122.6,136.3,145.6,147.3,148.2,156.6,161.2,164.5,176.2);
を検出した。
15個のsp2炭素によるシグナル(δC94.1,98.9,103.7,115.7,116.2,120.6,122.6,136.3,145.6,147.3,148.2,156.6,161.2,164.5,176.2);
を検出した。
上述のm/z値から分子量を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献6に記載のデータと比較することにより、化合物3をクエルセチンと同定した。
《化合物4の同定》
化合物4は黄色粉末であり、EI−MSでm/z=286[M]+となった。
化合物4は黄色粉末であり、EI−MSでm/z=286[M]+となった。
1H−NMRスペクトルでは:
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.19(1H,d,J=2.3Hz)、6.44(1H,d,J=2.3Hz))と;
A2B2タイプのプロトンシグナル(δH6.92(2H,d,J=8.8Hz)、8.03(2H,d,J=8.8Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.45(1H,s))と;
を検出した。
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.19(1H,d,J=2.3Hz)、6.44(1H,d,J=2.3Hz))と;
A2B2タイプのプロトンシグナル(δH6.92(2H,d,J=8.8Hz)、8.03(2H,d,J=8.8Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.45(1H,s))と;
を検出した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
15個のsp2炭素によるシグナル(δC93.4,98.1,102.9,115.3×2,121.6,129.4×2,135.5,146.8,156.1,159.1,160.6,163.8,175.8);
を検出した。
15個のsp2炭素によるシグナル(δC93.4,98.1,102.9,115.3×2,121.6,129.4×2,135.5,146.8,156.1,159.1,160.6,163.8,175.8);
を検出した。
上述のm/z値から分子量を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献6に記載のデータと比較することにより、化合物4をケンフェロールと同定した。
《化合物5の同定》
化合物5は黄色粉末であり、FAB−MSではm/z=449[M+H]+で疑似イオンピークを検出した。
化合物5は黄色粉末であり、FAB−MSではm/z=449[M+H]+で疑似イオンピークを検出した。
1H−NMRスペクトルでは:
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.20(1H,d,J=2.1Hz)、6.38(1H,d,J=2.1Hz))と;
ABXタイプのプロトンシグナル(δH6.85(1H,d,J=8.4)、7.23(1H,dd,J=8.4,2.3Hz)及び7.29(1H,d,J=2.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.64(1H,s))と;
を検出し、更に:
糖のアノメリックプロトンと推測されるシグナル(δH5.24(1H,d,J=1.6Hz))と;
メチル基のプロトンシグナル(δH0.80(3H,d,J=6.2Hz))と;
を検出した。
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.20(1H,d,J=2.1Hz)、6.38(1H,d,J=2.1Hz))と;
ABXタイプのプロトンシグナル(δH6.85(1H,d,J=8.4)、7.23(1H,dd,J=8.4,2.3Hz)及び7.29(1H,d,J=2.3Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.64(1H,s))と;
を検出し、更に:
糖のアノメリックプロトンと推測されるシグナル(δH5.24(1H,d,J=1.6Hz))と;
メチル基のプロトンシグナル(δH0.80(3H,d,J=6.2Hz))と;
を検出した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
15個のsp2炭素によるシグナル(δC93.7,98.7,104.1,115.5,115.7,120.8,121.1,134.2,145.2,148.5,156.5,157.3,161.3,164.2,177.8);
を検出した。
15個のsp2炭素によるシグナル(δC93.7,98.7,104.1,115.5,115.7,120.8,121.1,134.2,145.2,148.5,156.5,157.3,161.3,164.2,177.8);
を検出した。
また、脂肪族領域に6つの炭素シグナル(δC17.5,70.1,70.4,70.6,71.2,101.8)を検出したことから、ラムノースのようなデオキシ糖の存在を推定した。
HMBCスペクトルにおいて、δH5.24(Rha−1)からδC135.5(C−3)にクロスピークを検出した。
上述のm/z値から分子量を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献6に記載のデータと比較することにより、化合物5をクエルシトリンと同定した。
《化合物6の同定》
化合物6は黄色粉末であり、FAB−MSではm/z=465[M+H]+で疑似イオンピークを検出した。
化合物6は黄色粉末であり、FAB−MSではm/z=465[M+H]+で疑似イオンピークを検出した。
1H−NMRスペクトルでは:
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.18(1H,d,J=2.4Hz)、6.36(1H,d,J=2.4Hz))と;
ABXタイプのプロトンシグナル(δH6.85(1H,d,J=10.0Hz)、7.23(1H,dd,J=2.4,10.0Hz)、7.71(1H,d,J=2.4Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.60(1H,s))と;
を検出し、更に:
糖のアノメリックプロトンと推測されるシグナル(δH5.23(1H,d,J=7.5Hz));
を検出した。
メタカップリングするプロトンシグナル(δH6.18(1H,d,J=2.4Hz)、6.36(1H,d,J=2.4Hz))と;
ABXタイプのプロトンシグナル(δH6.85(1H,d,J=10.0Hz)、7.23(1H,dd,J=2.4,10.0Hz)、7.71(1H,d,J=2.4Hz))と;
キレート水酸基によるシグナル(δH12.60(1H,s))と;
を検出し、更に:
糖のアノメリックプロトンと推測されるシグナル(δH5.23(1H,d,J=7.5Hz));
を検出した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
15個のsp2炭素によるシグナル(δC94.8,99.9,105.6,116.0,117.6,123.0,123.2,135.6,145.8,149.8,158.4,159.0,162.9,166.1,179.4);
を検出した。
15個のsp2炭素によるシグナル(δC94.8,99.9,105.6,116.0,117.6,123.0,123.2,135.6,145.8,149.8,158.4,159.0,162.9,166.1,179.4);
を検出した。
また、脂肪族領域に6つの炭素シグナル(δC62.5,71.2,75.7,78.1,78.3,104.4)を検出したことから、糖の存在を推定した。
HMBCスペクトルにおいて、δH5.23(Glc−1)からδC135.6(C−3)にクロスピークを検出した。
上述のm/z値から分子量を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献7に記載のデータと比較することにより、化合物6をイソクエルシトリンと同定した。
イソクエルシトリンが白桃花から単離精製、同定されたのは初めてである。
《化合物7の同定》
化合物7は黄色粉末であり、[α]25 D−80.3°(c=0.1、メタノール)を示し、EI−MSでm/z=272[M]+となった。
化合物7は黄色粉末であり、[α]25 D−80.3°(c=0.1、メタノール)を示し、EI−MSでm/z=272[M]+となった。
1H−NMRスペクトルでは:
A2B2タイプのプロトンシグナル(δH6.79(1H,d,J=8.7Hz)、7.31(1H,d,J=8.7Hz));
を検出したことから、1,4−二置換ベンゼンの存在を推定し、更に:
プロトンシグナル(δH12.16(1H,s));
を検出したことから、キレート水酸基の存在を推定した。
A2B2タイプのプロトンシグナル(δH6.79(1H,d,J=8.7Hz)、7.31(1H,d,J=8.7Hz));
を検出したことから、1,4−二置換ベンゼンの存在を推定し、更に:
プロトンシグナル(δH12.16(1H,s));
を検出したことから、キレート水酸基の存在を推定した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
13個のsp2炭素によるシグナル(δC95.0,95.9,101.8,115.2×2,128.4×2,128.9,157.8,163.0,163.5,166.7,196.5)と;
2個のsp3炭素によるシグナル(δC42.0,78.5)と;
を検出した。
13個のsp2炭素によるシグナル(δC95.0,95.9,101.8,115.2×2,128.4×2,128.9,157.8,163.0,163.5,166.7,196.5)と;
2個のsp3炭素によるシグナル(δC42.0,78.5)と;
を検出した。
上述の旋光度及びm/z値から分子構造を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献8に記載のデータと比較することにより、化合物7を(−)−ナリンゲニンと同定した。
《化合物8の同定》
化合物8は黄色粉末として得られ、[α]25 D−48.4°(c=0.1、メタノール)を示し、EI−MSでm/z=288[M]+となった。
化合物8は黄色粉末として得られ、[α]25 D−48.4°(c=0.1、メタノール)を示し、EI−MSでm/z=288[M]+となった。
1H−NMRスペクトルでは:
2H分のメタカップリングするプロトンシグナル(δH5.87(d,J=1.9Hz));
を検出し、1,2,3,5−四置換ベンゼンの存在を推定し:
プロトンシグナル(δH6.74(2H,s)、δH6.87(1H,s);
を検出し、1,3,5−三置換ベンゼンの存在を推定し、更には:
キレート水酸基によるシグナル(δH12.15(1H,s));
を検出した。
2H分のメタカップリングするプロトンシグナル(δH5.87(d,J=1.9Hz));
を検出し、1,2,3,5−四置換ベンゼンの存在を推定し:
プロトンシグナル(δH6.74(2H,s)、δH6.87(1H,s);
を検出し、1,3,5−三置換ベンゼンの存在を推定し、更には:
キレート水酸基によるシグナル(δH12.15(1H,s));
を検出した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
13個のsp2炭素によるシグナル(δC95.5,96.3,102.3,114.9,115.9,118.5,130.0,145.7,146.2,163.4,164.0,167.3,196.9)と;
2個のsp3炭素によるシグナル(δC42.1,79.0)と;
を検出した。
13個のsp2炭素によるシグナル(δC95.5,96.3,102.3,114.9,115.9,118.5,130.0,145.7,146.2,163.4,164.0,167.3,196.9)と;
2個のsp3炭素によるシグナル(δC42.1,79.0)と;
を検出した。
上述の旋光度及びm/z値から分子構造を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献9に記載のデータと比較することにより、化合物8を(−)−5,7,3’,5’−テトラヒドロキシフラバノンと同定した。
(−)−5,7,3’,5’−テトラヒドロキシフラバノンが白桃花から単離精製、同定されたのは初めてである。
《化合物9の同定》
化合物9は白色粉末であり、EI−MSではm/z=152[M]+で分子イオンピークを検出した。
化合物9は白色粉末であり、EI−MSではm/z=152[M]+で分子イオンピークを検出した。
1H−NMRスペクトルでは:
芳香族領域のプロトンシグナル(δH7.20(1H,t,J=7.3Hz)、7.23(2H,t,J=7.3Hz)、7.35(2H,d,J=7.3Hz));
を検出し、一置換ベンゼンの存在を推定した。
芳香族領域のプロトンシグナル(δH7.20(1H,t,J=7.3Hz)、7.23(2H,t,J=7.3Hz)、7.35(2H,d,J=7.3Hz));
を検出し、一置換ベンゼンの存在を推定した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
7個のsp2炭素によるシグナル(δC,127.4×2,128.7,128.9×2,140.3,175.7)と;
1個のsp3炭素によるシグナル(δC73.6)と;
を検出し、ケミカルシフトからカルボニル基(δC175.7)の存在を推定した。
7個のsp2炭素によるシグナル(δC,127.4×2,128.7,128.9×2,140.3,175.7)と;
1個のsp3炭素によるシグナル(δC73.6)と;
を検出し、ケミカルシフトからカルボニル基(δC175.7)の存在を推定した。
上述のm/z値から分子量を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献10に記載のデータと比較することにより、化合物9をマンデル酸と同定した。
マンデル酸が白桃花から単離精製、同定されたのは初めてである。
《化合物10の同定》
化合物10は白色粉末であり、EI−MSではm/z=164[M]+で分子イオンピークを検出した。
化合物10は白色粉末であり、EI−MSではm/z=164[M]+で分子イオンピークを検出した。
1H−NMRでは、芳香族領域において:
A2B2タイプに***するプロトンシグナル(δH6.79(2H,d,J=8.7Hz)、7.51(2H,d,J=8.7Hz));
を検出し、更には:
トランスカップリングするオレフィンプロトンシグナル(δH6.28(1H,d,J=15.5Hz)、7.49(1H,d,J=15.5Hz))に基づくピーク;
も検出した。
A2B2タイプに***するプロトンシグナル(δH6.79(2H,d,J=8.7Hz)、7.51(2H,d,J=8.7Hz));
を検出し、更には:
トランスカップリングするオレフィンプロトンシグナル(δH6.28(1H,d,J=15.5Hz)、7.49(1H,d,J=15.5Hz))に基づくピーク;
も検出した。
13C−NMR及びDEPTスペクトルでは:
6個のsp2炭素によるシグナル(δC115.3,115.7×2,125.3,130.1×2,144.1,159.6,168.0);
を検出し、ケミカルシフトからカルボニル基(δC167.9)の存在を推定した。
6個のsp2炭素によるシグナル(δC115.3,115.7×2,125.3,130.1×2,144.1,159.6,168.0);
を検出し、ケミカルシフトからカルボニル基(δC167.9)の存在を推定した。
上述のm/z値から分子量を推定し、1H−NMR及び13C−NMRのスペクトルデータを非特許文献11に記載のデータと比較することにより、化合物10をp−クマル酸と同定した。
[白桃花由来の抽出物及び化合物の生物活性]
白桃花から分離、又は単離精製されたサンプル:
n−ヘキサン画分の抽出物(PrPH);
酢酸エチル画分の抽出物(PrPE);
n−ブタノール画分の抽出物(PrPB);
水画分の抽出物(PrPW);
(−)−アロマデンドリン(化合物1);
ケンフェロール(化合物4);
(−)−ナリンゲニン(化合物7);及び
(−)−5,7,3’,5’−テトラヒドロキシフラバノン(化合物8);
について、
前駆脂肪細胞の分化に及ぼす影響;
脂肪細胞のトリグリセリド(TG)蓄積量に及ぼす影響;
脂肪細胞におけるマクロファージの活性化の抑制に及ぼす影響;
の検討を行った。
n−ヘキサン画分の抽出物(PrPH);
酢酸エチル画分の抽出物(PrPE);
n−ブタノール画分の抽出物(PrPB);
水画分の抽出物(PrPW);
(−)−アロマデンドリン(化合物1);
ケンフェロール(化合物4);
(−)−ナリンゲニン(化合物7);及び
(−)−5,7,3’,5’−テトラヒドロキシフラバノン(化合物8);
について、
前駆脂肪細胞の分化に及ぼす影響;
脂肪細胞のトリグリセリド(TG)蓄積量に及ぼす影響;
脂肪細胞におけるマクロファージの活性化の抑制に及ぼす影響;
の検討を行った。
《本発明のサンプルが前駆脂肪細胞の分化に及ぼす影響》
〈目的〉
グリセロール3リン酸脱水素酵素(glycerol−3−phosphate dehydrogenase:GPDH)の活性の増加は、前駆脂肪細胞が脂肪細胞に分化した指標となることが知られている。そこで、本発明の抽出物及び化合物がGPDH活性に及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
〈目的〉
グリセロール3リン酸脱水素酵素(glycerol−3−phosphate dehydrogenase:GPDH)の活性の増加は、前駆脂肪細胞が脂肪細胞に分化した指標となることが知られている。そこで、本発明の抽出物及び化合物がGPDH活性に及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
〈対照試験におけるコントロールのサンプル〉
本実施例のコントロールのサンプルは、ジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた。また、ポジティブコントロールのサンプルとして、小型脂肪細胞への分化を促進させる化合物であるピオグリタゾン(pioglitazone:SIGMA社)を用い、ネガティブコントロールのサンプルとして小型脂肪細胞への分化を抑制する化合物であるGW9662(和光純薬工業)とクエルセチン(quercetin:東京化成工業)とを用いた。更に、比較例のサンプルとして80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)を用いた。
〈方法〉
1.培地の調製
本実施例のコントロールのサンプルは、ジメチルスルホキシド(DMSO)を用いた。また、ポジティブコントロールのサンプルとして、小型脂肪細胞への分化を促進させる化合物であるピオグリタゾン(pioglitazone:SIGMA社)を用い、ネガティブコントロールのサンプルとして小型脂肪細胞への分化を抑制する化合物であるGW9662(和光純薬工業)とクエルセチン(quercetin:東京化成工業)とを用いた。更に、比較例のサンプルとして80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)を用いた。
〈方法〉
1.培地の調製
本実施例で用いる3種類の培地は以下の通り調製した。
(1)細胞増殖培地の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM:高グルコース、GIBCO11965)に:
a)60℃で30分間非動化処理した、終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FCS)と;
b)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA)と:
を添加して、細胞増殖培地を調製した。
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM:高グルコース、GIBCO11965)に:
a)60℃で30分間非動化処理した、終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FCS)と;
b)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA)と:
を添加して、細胞増殖培地を調製した。
(2)細胞分化誘導培地の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が500μMとなるように調製したIBMX(50mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン)と;
c)終濃度が1μMとなるように調製したDEX(デキサメタゾン)と;
d)終濃度が10μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
e)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化誘導培地を調製した。
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が500μMとなるように調製したIBMX(50mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン)と;
c)終濃度が1μMとなるように調製したDEX(デキサメタゾン)と;
d)終濃度が10μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
e)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化誘導培地を調製した。
(3)細胞分化促進培地の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が5μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化促進培地を調製した。
2.前駆脂肪細胞の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が5μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化促進培地を調製した。
2.前駆脂肪細胞の調製
3T3−L1前駆脂肪細胞をコンフルエント状態になるまで培養し、その後ディッシュの培地を取り除き、細胞表面をリン酸緩衝生理食塩水(PBS(−))を添加して洗浄し、その後PBSを吸引した。次いで、細胞に0.25%のトリプシン−EDTA溶液(SIGMA T4049)を添加して、CO2インキュベータで培養した。
顕微鏡を用いて、細胞がディッシュの底からはがれたことを確認した後、10mLの細胞増殖培地を添加して、50mLのFalconチューブに注入した。細胞を1000rpmの速度で、4℃で3分間遠心分離し、上清を取り除いた。新鮮な培地50mLを添加して懸濁し、24ウェルプレート(住友ベークライト)2枚に1mLずつ分注し、4日間CO2インキュベータで50ウェルの細胞を培養した。
4日後、全てのウェルの培地を取り除き、1mL/ウェルの細胞分化誘導培地を添加した。更に、サンプルを添加して3日間CO2インキュベータで培養した。
3日後、全てのウェルの培地を取り除き、1mL/ウェルの細胞分化促進培地を添加した。更に、サンプルを添加して3日間CO2インキュベータで培養した。
3日後、全てのウェルの培地を取り除き、1mL/ウェルの細胞分化促進培地を添加した。更に、サンプルを添加して2日間CO2インキュベータで培養した。
2日後、以下のように細胞破砕物を調製した。
3.細胞破砕物の調製
3.細胞破砕物の調製
各々のウェルから培地をチューブ(Ring Look Microtube BM−15)に回収した。培地を取り除いた後、PBS(−)を用いて細胞表面を2回洗浄した。1mMのEDTAを含む25mMのトリス緩衝液(超純水にpH7.5で1Mのトリス塩酸(Tris−HCl)12.5mLと0.1MのEDTAとを添加し、500mLに調製)を500μL添加した。マイクロピペットを用いて細胞を剥離し、チューブに回収した。回収した細胞を、氷冷下で1分間超音波で破砕処理した後、細胞を1500rpmの速度で、4℃で2分間遠心分離した。
4.細胞破砕物のDNAの定量
細胞内のDNAの量は、DNA定量キット(Primary Cell社)を用いて測定した。細胞破砕物と緩衝液及び発色剤とを添加して完全に混合した。混合した溶液を356nmの励起フィルター、458nmの蛍光フィルターを用いて蛍光測定した。標準曲線を作るために、基準液(100μg/mLのDNA)を精製水で希釈し、100、50、25、12.5、0μg/mLになるように調製した。
5.GPDH活性の測定
4.細胞破砕物のDNAの定量
細胞内のDNAの量は、DNA定量キット(Primary Cell社)を用いて測定した。細胞破砕物と緩衝液及び発色剤とを添加して完全に混合した。混合した溶液を356nmの励起フィルター、458nmの蛍光フィルターを用いて蛍光測定した。標準曲線を作るために、基準液(100μg/mLのDNA)を精製水で希釈し、100、50、25、12.5、0μg/mLになるように調製した。
5.GPDH活性の測定
細胞内のGPDH活性の測定は、株式会社プライマリーセルのGPDH活性測定キットを用いた。
上記キットの反応基質(凍結乾燥状態)のバイアル1本に対して、4.2mLの精製水を添加して溶解し、反応基質溶液を調製した。調製した反応基質溶液は分光光度計用セル(石英ミクロセル)に添加した。次いで、細胞破砕物を分光光度計用セル(石英ミクロセル)に添加して十分に攪拌した。
波長340nmにおける各サンプルの吸光度の変化量は、30秒おきに4分間測定し、1分間あたりの吸光度の変化量(ΔO.D.)を算出した。
細胞破砕物1mLあたりのGPDHが1分間に1μMのニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を消費する活性を1Uとすると、GPDH活性は次式:
GPDH活性(U/mL)=ΔO.D.×0.482
で求められる(光路長が1cmの場合)。
GPDH活性(U/mL)=ΔO.D.×0.482
で求められる(光路長が1cmの場合)。
コントロール(100%)に対するGPDH活性の増加率は次式:
GPDH活性(% of Control)=(X/Y)×100;
より算出した。ここで、Xは各サンプルを添加した際の1ウェルあたりのGPDH活性を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の1ウェルあたりのGPDH活性を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値である。
〈結果〉
GPDH活性(% of Control)=(X/Y)×100;
より算出した。ここで、Xは各サンプルを添加した際の1ウェルあたりのGPDH活性を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の1ウェルあたりのGPDH活性を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値である。
〈結果〉
図2に、本発明のサンプルにおける、コントロール(100%)に対するGPDH活性の増加率を示す。抽出物では酢酸エチル画分(PrPE)、水画分(PrPW)にGPDH活性の増加が見られ、単離化合物では(−)−アロマデンドリン(符号1)にGPDH活性の顕著な増加が見られた。
《白桃花由来のサンプルが脂肪細胞のトリグリセリド蓄積に及ぼす影響》
〈目的〉
脂肪細胞における過剰なTG蓄積は、脂肪細胞の肥大化を惹起するため、肥満ひいてはメタボリックシンドロームの原因となることが知られている。そこで、本発明の白桃花由来の抽出物及び化合物が脂肪細胞におけるトリグリセリド(TG)蓄積に及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
〈方法〉
〈目的〉
脂肪細胞における過剰なTG蓄積は、脂肪細胞の肥大化を惹起するため、肥満ひいてはメタボリックシンドロームの原因となることが知られている。そこで、本発明の白桃花由来の抽出物及び化合物が脂肪細胞におけるトリグリセリド(TG)蓄積に及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
〈方法〉
対照試験におけるコントロールサンプルの設定、培地の調製方法、前駆脂肪細胞の調製方法、細胞破砕物の調製方法、及びDNAの定量方法は、実施例1と同一の方法を用いた。以下にTG含量の測定方法について述べる。
各サンプルの細胞破砕物内に蓄積したTG含量は、LabAssay(商標)Triglyceride(和光純薬工業)を用いて定量した(GPO・DAOS法)。各サンプルの細胞破砕物にトリグリセリド発色試薬を添加して十分に混合し、37℃で5分間加温した。DMSOをコントロールのサンプルとして、波長595nmにおける各サンプルの吸光度を測定した。標準曲線を作るために、終濃度が100、200、300、596、882mg/dLになるように基準液を調製して添加した。
コントロール(100%)に対するTG蓄積量の割合(% of Control)は次式:
TG蓄積量(% of Control)=(X/Y)×100;
より算出した。ここで、Xは各サンプルを添加した際の1ウェルあたりのTG量を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の1ウェルあたりのTG量を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値である。
〈結果〉
TG蓄積量(% of Control)=(X/Y)×100;
より算出した。ここで、Xは各サンプルを添加した際の1ウェルあたりのTG量を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の1ウェルあたりのTG量を1ウェルあたりのDNA量で除算した数値である。
〈結果〉
図3に、本発明のサンプルにおける、コントロール(100%)に対するTG蓄積量の増加率を示す。抽出物で水画分(PrPW)にTG蓄積量の増加が見られ、単離化合物では(−)−アロマデンドリン(符号1)にTG蓄積量の顕著な増加が見られた。
《80%のエタノールによる白桃花の抽出物が小型脂肪細胞の分化とTG蓄積量の増加とに及ぼす影響》
〈目的〉
本実施例では、前駆脂肪細胞の分化誘導時にDEX、IBMXを添加せずにインスリンのみを添加した場合に、80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)が小型脂肪細胞の分化とTG蓄積量とに及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
〈目的〉
本実施例では、前駆脂肪細胞の分化誘導時にDEX、IBMXを添加せずにインスリンのみを添加した場合に、80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)が小型脂肪細胞の分化とTG蓄積量とに及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
本実験の小型脂肪細胞の分化は、Oil Red O染色を用いることによって可視的に確認した。また、本実験のTG蓄積量の比較はコントロールのサンプル(DMSO)との対照実験で行った。
〈方法〉
1.培地の調製
〈方法〉
1.培地の調製
本実施例で用いる3種類の培地は以下の通り調製した。
(1)細胞増殖培地の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM:高グルコース、GIBCO11965)に:
a)60℃で30分間非動化処理した、終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FCS)と;
b)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA)と:
を添加して、細胞増殖培地を調製した。
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(DMEM:高グルコース、GIBCO11965)に:
a)60℃で30分間非動化処理した、終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FCS)と;
b)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA)と:
を添加して、細胞増殖培地を調製した。
(2)細胞分化誘導培地の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が10μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化誘導培地を調製した。
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が10μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化誘導培地を調製した。
(3)細胞分化促進培地の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が5μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化促進培地を調製した。
2.試薬の調製
500mLのダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO11965)に:
a)終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
b)終濃度が5μg/mLとなるように調製した、10mg/mLのインスリン溶液と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して、細胞分化促進培地を調製した。
2.試薬の調製
本実施例で用いる3種類の試薬は以下の通り調製した。
(1)10%(v/v)のホルムアルデヒド溶液
1.5mLのホルムアルデヒド溶液を注射用水で希釈し、全量を15mLにした。
1.5mLのホルムアルデヒド溶液を注射用水で希釈し、全量を15mLにした。
(2)60%のイソプロパノール
15mLのイソプロパノールを注射用水で希釈し、全量を25mLにした。
15mLのイソプロパノールを注射用水で希釈し、全量を25mLにした。
(3)Oil Red O液
150mgのOil Red Oを50mLのイソプロパノールで溶解し、10分間混合して、Oil Red Oの原液を精製した。次いで、Oil Red Oの原液と注射用水とを6:4の比率で混合して、室温で10分静置し、孔径0.5μmのフィルタで濾過した。調製したOil Red O液は、調製後1ないし2時間以内に用いた。
3.細胞の調製
150mgのOil Red Oを50mLのイソプロパノールで溶解し、10分間混合して、Oil Red Oの原液を精製した。次いで、Oil Red Oの原液と注射用水とを6:4の比率で混合して、室温で10分静置し、孔径0.5μmのフィルタで濾過した。調製したOil Red O液は、調製後1ないし2時間以内に用いた。
3.細胞の調製
3T3−L1前駆脂肪細胞をコンフルエント状態になるまで培養し、その後ディッシュの培地を取り除き、細胞表面をPBS(−)を添加して洗浄し、その後PBSを吸引した。次いで、細胞に0.25%のトリプシン−EDTA溶液(SIGMA T4049)を添加して、CO2インキュベータで培養した。
顕微鏡を用いて、細胞がディッシュの底からはがれたことを確認した後、10mLの細胞増殖培地を添加して、50mLのFalconチューブに注入した。細胞を1000rpmの速度で、4℃で3分間遠心分離し、上清を取り除いた。新鮮な培地50mLを添加して懸濁させ、φ60mmディッシュに10mLずつ分注し、4日間CO2インキュベータで培養した。
4日後、全てのウェルの培地を取り除き、細胞分化誘導培地を10mL添加した。更に、サンプルを添加して3日間CO2インキュベータで培養した。
3日後、全てのウェルの培地を取り除き、細胞分化促進培地を10mL添加した。更に、サンプルを添加して3日間CO2インキュベータで培養した。
3日後、全てのウェルの培地を取り除き、細胞分化促進培地を10mL添加した。更に、サンプルを添加して2日間CO2インキュベータで培養した。
2日後、以下のようにOil Red O染色を行った。
4.Oil Red O染色
4.Oil Red O染色
ディッシュの培地を取り除き、10mLのPBS(−)で2回洗浄した。10%のホルムアルデヒド溶液を10mL添加し、室温で10分間固定した。固定後、10mLのPBS(−)で2回洗浄し、60%のイソプロパノールで置換した。60%のイソプロパノールを取り除き、10mLのOil Red O液を添加し、室温で15分間静置した。
15分後Oil Red O液を取り除き、10mLの60%のイソプロパノールを用いて洗浄した。10mLのPBS(−)で1回洗浄し、PBS(−)中で顕微鏡観察を行った。
5.TG含量の測定
5.TG含量の測定
Oil Red O染色の観察後、PBS(−)を取り除き、イソプロパノールを10mL添加して色素を溶出させ、波長520nmの吸光度を測定した。
コントロール(100%)に対するTG蓄積量の割合(% of Control)は次式:
TG蓄積量(% of Control)=(Ab.sam./Ab.con.);
より算出した。ここで、Xは各サンプルを添加した際の吸光度であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の吸光度である。
〈結果〉
TG蓄積量(% of Control)=(Ab.sam./Ab.con.);
より算出した。ここで、Xは各サンプルを添加した際の吸光度であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の吸光度である。
〈結果〉
図4に、80%のエタノールの抽出物における、小型脂肪細胞のOil Red O染色の結果と、コントロール(100%)に対するTG蓄積量の増加率を示す。
Oil Red O染色では、80%のエタノールの抽出物添加をした場合に、コントロールと比較して小型脂肪細胞が増加した。
また、80%のエタノールの抽出物を添加した場合に、コントロールと比較してTG蓄積量が増加した。
《白桃花由来のサンプルが脂肪細胞のアディポネクチン分泌に及ぼす影響》
〈目的〉
脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌量の増加が、血中アディポネクチンレベルを上昇させ、ひいてはインスリン抵抗性を改善できることが知られている。そこで、白桃花由来のサンプルが脂肪細胞のアディポネクチン分泌に及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
〈目的〉
脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌量の増加が、血中アディポネクチンレベルを上昇させ、ひいてはインスリン抵抗性を改善できることが知られている。そこで、白桃花由来のサンプルが脂肪細胞のアディポネクチン分泌に及ぼす影響を検討するために、マウス線維芽細胞の3T3−L1前駆脂肪細胞を用いてインビトロ実験を行った。
本実験は、コントロールのサンプル(DMSO)との対照実験で行い、白桃花由来のサンプル:
80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)と;
酢酸エチル画分の抽出物(PrPE)と;
(−)−アロマデンドリン(化合物1)と;
について、脂肪細胞のアディポネクチン分泌に及ぼす影響を検討した。
〈方法〉
1.試薬の調製
80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)と;
酢酸エチル画分の抽出物(PrPE)と;
(−)−アロマデンドリン(化合物1)と;
について、脂肪細胞のアディポネクチン分泌に及ぼす影響を検討した。
〈方法〉
1.試薬の調製
本実施例の測定ではマウス/ラットアディポネクチンELISAキット(大塚製薬)を用い、本キット中の5種類の試薬は以下の通り調製した。
(1)洗浄液
全量40mLの洗浄用原液に960mLの精製水を混合した。原液に結晶が析出している場合は、加温して溶解してから調製した。調製した洗浄液は2ないし8℃で保存した。
全量40mLの洗浄用原液に960mLの精製水を混合した。原液に結晶が析出している場合は、加温して溶解してから調製した。調製した洗浄液は2ないし8℃で保存した。
(2)検体希釈液
全量50mLの検体希釈用原液に200mLの精製水を混合した。調製した検体希釈液は2ないし8℃で保存した。
全量50mLの検体希釈用原液に200mLの精製水を混合した。調製した検体希釈液は2ないし8℃で保存した。
(3)標準液
8.0ng/mLの標準品を検体希釈液で2倍段階希釈して、4.0、2.0、1.0、0.5、0.25ng/mLの標準液を調製した。8.0ng/mLの標準液として8.0ng/mLの標準品を、0ng/mLの標準液として検体希釈液を使用した。
8.0ng/mLの標準品を検体希釈液で2倍段階希釈して、4.0、2.0、1.0、0.5、0.25ng/mLの標準液を調製した。8.0ng/mLの標準液として8.0ng/mLの標準品を、0ng/mLの標準液として検体希釈液を使用した。
(4)酵素標識ストレプトアビジン液
12mLのストレプトアビジン希釈液に対して、ストレプトアビジン原液を60μLの割合で混合し、使用前に必要量調製した。
12mLのストレプトアビジン希釈液に対して、ストレプトアビジン原液を60μLの割合で混合し、使用前に必要量調製した。
(5)基質液
6mLの基質液Bに対して、基質液Aを6mLの割合で混合し、使用前に必要量調製した。
2.培養上清の希釈
6mLの基質液Bに対して、基質液Aを6mLの割合で混合し、使用前に必要量調製した。
2.培養上清の希釈
実施例1でチューブ(Ring Look Microtube BM−15)に回収した培地(培養上清)10μLを検体希釈液1.0mLに添加して混合した(101倍に希釈した培養上清となる)。このうち50μLを新たな容器に移し、検体希釈液1.0mLと混合した(2,121倍に希釈した培養上清となる)。
3.測定用培養上清の調製
3.測定用培養上清の調製
洗浄液を抗体プレートの各ウェルに約350μLずつ添加した後、ウェル内の液を完全に取り除いた。次いで、抗体プレートを逆さにしてペーパータオルに軽く叩きつけ、ウェル内に残った洗浄液を取り除いた。各濃度の標準液、希釈した培養上清を各ウェルに100μLずつ添加し、プレートシールで抗体プレートをカバーして、22ないし28℃で60分間静置反応させた。
次いで、抗体プレートからプレートシールを取り除き、ウェル内の液を完全に取り除いた。洗浄液を抗体プレートの各ウェルに約350μLずつ加えた後、ウェル内の液を完全に取り除いた。この操作を計3回繰り返し、抗体プレートを逆さにしてペーパータオルに軽く叩きつけ、ウェル内に残った洗浄液を取り除いた。ビオチン標準抗体液を抗体プレートの各ウェルに100μLずつ添加し、プレートシールで抗体プレートをカバーし、22ないし28℃で60分間静置反応させた。
次いで、抗体プレートからプレートシールを取り除き、ウェル内の液を完全に取り除いた。洗浄液を抗体プレートの各ウェルに約350μLずつ加えた後、ウェル内の液を完全に取り除いた。この操作を計3回繰り返し、抗体プレートを逆さにしてペーパータオルに軽く叩きつけ、ウェル内に残った洗浄液を取り除いた。酵素標識ストレプトアビジン液を抗体プレートの各ウェルに100μLずつ添加した。プレートシールで抗体プレートをカバーし、上記と同様に洗浄した。基質液を抗体プレートの各ウェルに100μLずつ添加して、22ないし28℃で15分間静置反応させて、測定用培養上清を調製した。
4.アディポネクチン分泌量の測定
4.アディポネクチン分泌量の測定
反応停止液を抗体プレートの各ウェルに100μLずつ添加し、650nmでの吸光度を対照に、450nmでの吸光度を測定し、各ウェルのアディポネクチン濃度を算出した。
算出したアディポネクチン濃度に培養上清の希釈率(2,121倍)を乗じて培養上清中のアディポネクチン濃度を算出した。コントロール(100%)に対するアディポネクチン分泌量の割合(% of Control)は次式:
アディポネクチン分泌量(% of Control)=(X/Y)×100;
より算出した。ここで、Xはサンプルを添加した際の1ウェルあたりのアディポネクチン量であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の1ウェルあたりのアディポネクチン量である。
〈結果〉
アディポネクチン分泌量(% of Control)=(X/Y)×100;
より算出した。ここで、Xはサンプルを添加した際の1ウェルあたりのアディポネクチン量であり、Yはコントロールのサンプル(DMSO)を添加した際の1ウェルあたりのアディポネクチン量である。
〈結果〉
図5に、本発明のサンプルにおける、コントロール(100%)に対するアディポネクチン分泌量の増加率を示す。80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)、酢酸エチル画分の抽出物(PrPE)、及び(−)−アロマデンドリン(符号1)の総てに顕著なアディポネクチン分泌量の増加が見られた。
《白桃花由来のサンプルが脂肪細胞におけるマクロファージの活性化の抑制に及ぼす影響》
〈目的〉
メタボリックシンドロームの一因であるアディポネクチンの分泌量の低下は、肥大化した脂肪細胞で活性化したマクロファージから分泌されるTNF−α、及び脂肪細胞から分泌される遊離脂肪酸が互いに脂肪細胞とマクロファージの炎症性変化を促進することにより生じることが知られている。更に、マクロファージにおける一酸化窒素(NO)の産生がマクロファージの活性化の指標となることが知られている。
〈目的〉
メタボリックシンドロームの一因であるアディポネクチンの分泌量の低下は、肥大化した脂肪細胞で活性化したマクロファージから分泌されるTNF−α、及び脂肪細胞から分泌される遊離脂肪酸が互いに脂肪細胞とマクロファージの炎症性変化を促進することにより生じることが知られている。更に、マクロファージにおける一酸化窒素(NO)の産生がマクロファージの活性化の指標となることが知られている。
そこで、本発明の白桃花由来の抽出物及び化合物が脂肪細胞におけるNOの産生に対して及ぼす影響を検討するために、マウスマクロファージ様細胞であるRAW264.7細胞を用いてインビトロ実験を行った。
本実施例のコントロールのサンプルは、クエルセチン(IC50 26.8)を用い、試験薬物を添加しないものを100%とした。本実施例では、比較例のサンプルとして80%のエタノールによる白桃花の抽出物(80% EtOH ext.)を用いた。
〈方法〉
1.培地の調製
〈方法〉
1.培地の調製
500mLのF−12 HAM培地(SIGMA N4888)に:
a)終濃度が1.8mMとなるように調製したL−グルタミン(SIGMA社)と;
b)60℃で30分間非動化処理した、終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して調製した。
2.試薬の調製
a)終濃度が1.8mMとなるように調製したL−グルタミン(SIGMA社)と;
b)60℃で30分間非動化処理した、終濃度が10%となるように調製したウシ胎仔血清(FBS)と;
c)終濃度が1%となるように調製したPenicillin Streptomycin(SIGMA社)と;
を添加して調製した。
2.試薬の調製
本実施例で用いる4種類の試薬は以下の通り調製した。
(1)Recombinant Mouse IFN−γ(Genzyme/Techne)の調製
0.3mg/mLのINF−γ原液を上述の調製した培地で100倍に希釈し、3μg/mLの濃度にして、−35℃で保存した。
0.3mg/mLのINF−γ原液を上述の調製した培地で100倍に希釈し、3μg/mLの濃度にして、−35℃で保存した。
(2)LPS(SIGMA O55:B5)の調製
LPSを培地で5mg/mLの濃度まで希釈して、−35℃で保存した(LPS原液)。LPS原液を培地で5倍に希釈し、−35℃で保存した。
LPSを培地で5mg/mLの濃度まで希釈して、−35℃で保存した(LPS原液)。LPS原液を培地で5倍に希釈し、−35℃で保存した。
(3)0.1%のナフチルエチレンジアミン溶液の調製
使用前に5mgのナフチルエチレンジアミン二塩酸(Wako)を5mLの注射用水で溶解して調製した。調製した0.1%のナフチルエチレンジアミン溶液は遮光保存した。
使用前に5mgのナフチルエチレンジアミン二塩酸(Wako)を5mLの注射用水で溶解して調製した。調製した0.1%のナフチルエチレンジアミン溶液は遮光保存した。
(4)スルファニルアミド溶液の調製
使用前に50mgのスルファニルアミド(Wako)を250μLのリン酸(Wako)で溶解して、注射用水を添加して5mLに調製した。調製したスルファニルアミド溶液は遮光保存した。
3.細胞の調製
使用前に50mgのスルファニルアミド(Wako)を250μLのリン酸(Wako)で溶解して、注射用水を添加して5mLに調製した。調製したスルファニルアミド溶液は遮光保存した。
3.細胞の調製
マクロファージ様細胞RAW264.7細胞を、10%のウシ胎仔血清を含むF−12 HAM培地でコンフルエント状態になるまで培養した。その後、培養したRAW264.7細胞を50mLのFalconチューブに注入した。細胞を1000rpmの速度で、4℃で3分間遠心分離し、上清を取り除いた。10mLの新鮮な培地を添加して懸濁し、1.2×106個/mLの濃度に調製した。調製した細胞を96ウェルプレート(住友ベークライト 8096R)に200μLずつ分注し、1ないし2時間、CO2インキュベータで60ウェル分を培養して細胞を接着した。
次いで、10μg/mLのLPS(SIGMA O55:B5)を2μL添加し、30ng/mLのmouse IFN−γ(Genzyme社)を2μL添加し、0.4μLのサンプルを添加した。その後、CO2インキュベーターにて16時間培養した。終濃度は、IFN−γが0.33ng/mL、LPSが100ng/mLである。また、サンプルはDMSOに溶解し、かつ培地に対する含量が0.2%になるように調製した。
4.グリース法によるNO産生の評価
4.グリース法によるNO産生の評価
100μLの培地上清を採取し、0.1%のナフチルエチレンジアミン溶液を50μL添加し、スルファニルアミド溶液を50μLを添加し、室温にて10分間遮光状態で静置した。その後、655nmでの吸光度を対照に520nmの吸光度の変化(O.D.)を測定した。
NO産生抑制率(% of Control)は次式:
抑制率(%)={1−(X−Y)/(Z−Y)}×100;
より算出した。ここで、Xはサンプルの存在下でIFN−γとLPSにより誘導される吸光度であり、Yはサンプル、IFN−γ及びLPSがない状態で誘導される吸光度コントロールのサンプルであり、ZはIFN−γとLPSにより誘導される吸光度である。
5.細胞毒性の測定
抑制率(%)={1−(X−Y)/(Z−Y)}×100;
より算出した。ここで、Xはサンプルの存在下でIFN−γとLPSにより誘導される吸光度であり、Yはサンプル、IFN−γ及びLPSがない状態で誘導される吸光度コントロールのサンプルであり、ZはIFN−γとLPSにより誘導される吸光度である。
5.細胞毒性の測定
細胞毒性の測定は鏡検による観察と通常のMTT法で行った。以下にMTT法における細胞毒性の測定方法について概略を述べる。
RAW264.7細胞を、10%のウシ胎仔血清を含むF−12 HAM培地でコンフルエント状態になるまで培養した。その後、培養したRAW264.7細胞を50mLのFalconチューブに注入した。細胞を1000rpmの速度で、4℃で3分間遠心分離し、上清を取り除いた。10mLの新鮮な培地を添加して懸濁し、1.2×106個/mLの濃度に調製した。調製した細胞を96ウェルプレート(住友ベークライト 8096R)に200μLずつ分注し、1ないし2時間、CO2インキュベータで60ウェル分を培養して細胞を接着した。
次いで、10μg/mLのLPS(SIGMA O55:B5)を2μL添加し、30ng/mLのmouse IFN−γ(Genzyme社)を2μL添加し、0.4μLのサンプルを添加した。その後、CO2インキュベーターにて16時間培養し、培養上清を100μL採取し、100μLのNOアッセイ細胞に1mg/mLのMTTを25μL添加して4時間培養した。その後、培地を取り除き、細胞に150μLのDMSOを添加して生成したホルマザンを完全に溶解し、5分間放置した後、655nmでの吸光度を対照に570nmの吸光度を測定した。
〈結果〉
〈結果〉
図6に、本発明のサンプルにおけるNO産生抑制率を示す。抽出物でn−ヘキサン画分(PrPH)に強いNO産生抑制活性が見られ、酢酸エチル画分(PrPE)、n−ブタノール画分(PrPB)、水画分(PrPW)の順に弱いながらもNO産生抑制活性が見られた。単離化合物ではケンフェロール(符号4)にNO産生抑制活性が見られた。
なお、試験を行った総てのサンプルに細胞毒性は認められなかった
[考察]
[考察]
実施例により、白桃花由来の酢酸エチル画分の抽出物に、前駆脂肪細胞分化促進効果、脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌促進効果、及び一酸化窒素産生抑制効果が見られた。酢酸エチル画分の抽出物では、脂肪細胞のトリグリセリド蓄積量が増加しないため、脂肪細胞が肥大化することなく、インシュリン抵抗性が改善される。従って、白桃花由来の酢酸エチル画分の抽出物を生薬成分として適用することによって、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果が達成される。
実施例により、白桃花由来の水画分の抽出物に、前駆脂肪細胞分化促進効果、脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌促進効果、及び一酸化窒素産生抑制効果が見られた。水画分の抽出物では、脂肪細胞のトリグリセリド蓄積量が増加するもののアディポネクチン分泌が顕著に促進されているため、脂肪細胞が肥大化することなく、インシュリン抵抗性が改善される。このことは、白桃花由来の水画分の抽出物を生薬成分として適用することによって、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果が達成されうることを示唆している。また、水画分で強い前駆脂肪細胞分化促進効果が見られたことは、水画分に含まれる未知の生薬成分にこのような効果が認められる可能性が高いことを示唆している。
以上のような、白桃花由来の抽出物における、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果は、本発明で発見された新規の効果である。
実施例により、白桃花由来の(−)−アロマデンドリンに、前駆脂肪細胞分化促進効果、及び脂肪細胞におけるアディポネクチン分泌促進効果が見られた。(−)−アロマデンドリンでは、脂肪細胞のトリグリセリド蓄積量が増加するもののアディポネクチン分泌が顕著に促進されているため、脂肪細胞が肥大化することなく、インシュリン抵抗性が改善される。従って、(−)−アロマデンドリンを生薬成分として適用することによって、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果が達成される。
アロマデンドリンの薬効として抗真菌作用が知られている。しかしながら、アロマデンドリンにおけるメタボリックシンドロームの予防及び改善効果は、本発明で新規に発見された効果である。
実施例により、白桃花由来の総ての画分の抽出物に、RAW264.7細胞における一酸化窒素産生抑制効果が見られた。このことはマクロファージの活性化が抑制され、炎症性アディポカインの産生が抑制され、ひいてはインスリン抵抗性が改善されることを示唆している。
実施例により、白桃花由来のケンフェロールに、RAW264.7細胞における一酸化窒素産生抑制効果が見られた。ケンフェロールは前駆脂肪細胞の分化を促進する効果はないが、一酸化窒素の産生を抑制できる。このことはマクロファージの活性化が抑制されるため、炎症性アディポカインの産生が抑制され、ひいてはインスリン抵抗性が改善されることを示唆している。更に、ケンフェロールは、脂肪細胞のトリグリセリド蓄積量を増加しないため、脂肪細胞は肥大化しない。従って、ケンフェロールを生薬成分として適用することによって、メタボリックシンドロームの予防及び改善効果が達成される。
本発明によって、白桃花由来の生薬成分が、人間及び動物に対してメタボリックシンドロームの予防及び改善効果を発揮できることが示唆された。従って、本発明の生薬成分は既知の剤形を用いて医薬品として人間又は動物に対して適用することができる。また、本発明の有効成分は医薬品、健康補助食品などの飲食品、化粧品、又は医薬部外品として利用することができる。
医薬品の剤形は限定しないが、注射剤、懸濁剤、座剤、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤、固形剤、液剤、ゲル剤、気泡剤、乳剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、シート剤、吸入剤であってもよい。
医薬品の投与方法は、経口投与又は非経口投与のいずれも採用することができる。本発明の生薬成分は経口投与、直腸内投与、注射等の投与方法に適した固体又は液体の医薬用担体と混合して、既知の医薬製剤の形態で投与してもよい。製剤は限定しないが、既知の製剤調合手段で調製可能な錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤、凍結乾燥製剤であってもよい。医薬用担体は限定しないが、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングルコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水であってもよい。又、医薬用担体は更に、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤等の添加剤を含んでもよい。
本発明の生薬成分は限定しないが、保健用食品又は健康食品、サプリメント、食品素材として用いることができる。また、既知の手段を用いて顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペースト等に成形して飲食品に適した形態にしてもよい。更に、本発明の生薬成分は限定しないが、かまぼこ、ちくわ等の加工水産ねり製品、ソーセージ、ハム等の畜産製品、洋菓子類、和菓子類、生めん、中華めん、ゆでめん、ソバ等のめん類、ソース、醤油、タレ、砂糖、ハチミツ、粉末あめ、水あめ等の調味料、カレー粉、からし粉、コショウ粉等の香辛料、ジャム、マーマレード、チョコレートスプレッド、漬物、そう菜、ふりかけ、又は各種野菜・果実の缶詰・瓶詰等の加工野菜・果実類、チーズ、バター、ヨーグルト等の乳製品、みそ汁、スープ、果実ジュース、野菜ジュース、乳清飲料、清涼飲料、酒類等の飲料、及び流動食に用いてもよい。また、ペットフード等の動植物用飼料に用いてもよい。
本発明の生薬成分は限定しないが、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、ローション、オイル、パック、洗顔料や皮膚洗浄剤、マッサージ用剤、クレンジング用剤、除毛剤、脱毛剤、シェービングクリーム、アフターシェーブローション、プレショーブローション、シェービングクリーム、ファンデーション、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、香水類、美爪剤、美爪エナメル、美爪エナメル除去剤、パップ剤、プラスター剤、テープ剤、シート剤、貼付剤、エアゾール、シャンプー剤、リンス剤、ヘアートリートメント剤、プレヘアートリートメント剤、パーマネント液、染毛料、整髪料、ヘアートニック剤、育毛・養毛剤、パップ剤、プラスター剤、テープ剤、シート剤、貼付剤、エアゾール剤、浴用剤、腋臭防止剤や消臭剤、防臭剤、制汗剤、衛生用品、衛生綿類、ウェットティッシュ、歯磨類、洗口剤、含嗽剤、食器洗浄剤といった化粧品又は医薬部外品等に用いてもよい。
Claims (14)
- 前駆脂肪細胞の分化を促進するための有機体由来の抽出物であって、前記有機体由来の抽出物がアロマデンドリンを含むことを特徴とする抽出物。
- 請求項1に記載の抽出物において、前記有機体が白桃花であることを特徴とする抽出物。
- 前駆脂肪細胞の分化を促進するための白桃花由来の抽出物。
- 請求項1ないし3に記載の抽出物が、酢酸エチル画分の抽出物であることを特徴とする抽出物。
- 請求項3に記載の抽出物が、水画分の抽出物であることを特徴とする抽出物。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抽出物を含むことを特徴とする医薬品。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抽出物を含むことを特徴とする飲食品。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抽出物を含むことを特徴とする化粧品。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の抽出物を含むことを特徴とする医薬部外品。
- アロマデンドリンを有効成分とする、前駆脂肪細胞の分化を促進するための医薬品。
- アロマデンドリンを有効成分とする、前駆脂肪細胞の分化を促進するための飲食品。
- 請求項7又は11に記載の飲食品が、栄養補助食品であることを特徴とする飲食品。
- アロマデンドリンを有効成分とする、前駆脂肪細胞の分化を促進するための化粧品。
- アロマデンドリンを有効成分とする、前駆脂肪細胞の分化を促進するための医薬部外品。
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JP2016124827A (ja) * | 2014-12-27 | 2016-07-11 | 共栄化学工業株式会社 | 化粧料 |
CN114371228A (zh) * | 2021-11-17 | 2022-04-19 | 西南民族大学 | 区别壮药材假东风草或东风草的方法 |
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2012
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