JP2013175947A - 頭部装着装置 - Google Patents

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聡 江島
Shigeru Kato
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Abstract

【課題】小型で移動の自由度が高い表示部を具備した頭部装着装置を提供する。
【解決手段】ユーザーの頭部を保持する頭部保持部と、ユーザーの目の前に表示を行う表示部と、頭部保持部に接続されるとともに表示部を回動可能に支持する装置本体部と、を有し、表示部の回転方向が、装置本体部の長さ方向に対して斜め方向である、頭部装着装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、頭部装着装置に関するものである。
ユーザーの頭部に装着し、表示部に表示される画像を観察させるヘッドマウントディスプレイ装置が知られている。
特開2009−44387号公報 特開2004−282194号公報 特開平2−63379号公報
特許文献1〜3には、ユーザーに観察させる画像を表示する表示部を移動させる機構を有するヘッドマウントディスプレイが記載されていた。しかしながら、特許文献1記載の構成では表示部の移動の自由度が低いという課題があった。また特許文献2記載の構成では表示部を移動させるための機構が大がかりになるという課題があった。また特許文献3記載の構成はユーザーの目の前で位置を微調整するためのものであった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、小型で移動の自由度が高い表示部を具備した頭部装着装置を提供することを目的の一つとする。
第1の態様は、ユーザーの頭部を保持する頭部保持部と、前記ユーザーの目の前に表示を行う表示部と、前記頭部保持部に接続されるとともに前記表示部を回動可能に支持する装置本体部と、を有し、前記表示部の回転方向が、前記装置本体部の長さ方向に対して斜め方向である、頭部装着装置である。
本発明によれば、小型で移動の自由度が高い表示部を具備した頭部装着装置が提供される。
ヘッドマウントディスプレイの斜視図。 ヘッドマウントディスプレイを背面側から見た斜視図。 ヘッドマウントディスプレイの装着形態を示す図。 ディスプレイ本体の水平断面図。 ヘッドバンドに設けられた回動機構の分解斜視図。 リモコンを示す斜視図。 ステレオイヤホンを示す斜視図。 ヘッドマウントディスプレイの機能ブロック図。 表示部の動作説明図。 ヘッドマウントディスプレイの重量バランスに関する説明図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、必要に応じてXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、本実施形態のヘッドマウントディスプレイの斜視図である。図2は、ヘッドマウントディスプレイを背面側から見た斜視図である。図3は、本実施形態のヘッドマウントディスプレイの装着形態を示す図である。
ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着装置)1は、ディスプレイ本体20と、ユーザーの頭部に装着されディスプレイ本体20を支持するヘッドバンド(頭部保持部)40と、を備えた単眼式のヘッドマウントディスプレイである。本実施形態のヘッドマウントディスプレイ1は、図3に示すように、両眼どちらでも使用可能である。図3(A)には、ユーザーが右眼で表示部60を見ている状態、図3(B)には左眼で見ている状態が示されている。また図2に示すように、ディスプレイ本体20とヘッドバンド40とは、連結ピン41を介して着脱可能に構成されている。
なお、図1及び図2では、ディスプレイ本体20の長手方向をY軸方向、ヘッドバンド40がユーザーの頭部を挟持する方向をX軸方向としている。
以下、ヘッドマウントディスプレイ1の各部の構成について詳細に説明する。
ディスプレイ本体20は、主要回路を内蔵するとともに操作部や各種インターフェースを備えた装置本体部21と、装置本体部21の先端に連結された表示部60とを有する。
装置本体部21は、図4に示す概略板状の筐体21Aを有する。本実施形態では、装置本体部21においてヘッドバンド40との接続部が設けられている側の端部(+Y側の端部)を基端部とし、この基端部と反対側の端部(−Y側の端部)を先端部とする。また、装置本体部21をヘッドバンド40に装着した状態で、装置本体部21のヘッドバンド40側(+X側)を内側、ヘッドバンド40と反対側(−X側)を外側とする。
装置本体部21の外面には、図1に示すように、メインスイッチ28と、タッチスイッチ34と、集音マイク24とが、筐体21Aの長手方向に沿って配置されている。
メインスイッチ28はディスプレイ本体20の電源のオンオフ操作を行うスイッチである。タッチスイッチ34は、表面に手指等で触れることによりヘッドマウントディスプレイ1の各種操作を行うことができるタッチパネルである。集音マイク24は、環境音を収集する外部マイクである。
装置本体部21内面の基端部側に、図2に示すように、耳元スピーカー23と、オーディオコネクター26と、連結孔31を有するヘッドバンドヒンジ32とが設けられている。装置本体部21内面の中央部に心拍数センサー137が設けられている。装置本体部21の内側面の先端部には通話マイク37が設けられている。
耳元スピーカー23は、ユーザーの耳の近傍に配置される。耳元スピーカー23からユーザーに音声情報が伝えられる。オーディオコネクター26は、例えば図7に示すイヤホンが接続される音声入出力端子である。ヘッドバンドヒンジ32はヘッドバンド40とのジョイント部である。通話マイク37にはユーザーの音声が入力される。
心拍数センサー137は、ユーザーの顔の表面に接触させることでユーザーの心拍数を測定するセンサーである。心拍数センサー137は、発光ダイオード等を備えた発光部と、ユーザーの皮膚内部で反射した光を検知する受光部とを有する。心拍数センサー137は、血流の変化による反射光量の変化を検出することで心拍数をカウントする。心拍数センサー137はユーザーの目の近くに配置されるが、発光部から赤外域の光を射出させる構成とすればユーザーにまぶしさを感じさせることはない。
装置本体部21の基端部側の側端面には、USBコネクター25と、操作スイッチ30と、ビデオコネクター27とが設けられている。
USBコネクター25はUSB(Universal Serial Bus)デバイスの接続端子である。本実施形態では、例えば図6に示すリモコン(リモートコントローラー)14が接続される。
操作スイッチ30は、例えばトラックボールやスティックなどのポインティングデバイスである。操作スイッチ30は表示部60に表示される画面に正対するように設けられている。これにより、操作スイッチ30における操作の左右方向と、上記画面の左右方向とが一致するので、ユーザーは画面を見ながら直感的に操作スイッチ30を操作することが可能である。
ビデオコネクター27は映像入出力端子である。
図4は、ディスプレイ本体20の水平断面図である。
図4に示すように、装置本体部21には、筐体21Aの長手方向に沿って延びる板状の回路基板29と、バッテリー33とが内蔵されている。回路基板29には、図示略の制御回路、電源回路等が実装されており、図示略の配線を介してディスプレイ本体20の各部と電気的に接続されている。
装置本体部21の外面に露出するタッチスイッチ34の内側には、液晶パネルからなる表示パネル36と、バックライト35とが配置されている。本実施形態では、表示パネル36の表示画像がタッチスイッチ34を透過して表示される。表示パネル36及びバックライト35を、有機ELパネルや電気泳動パネルとしてもよい。
ヘッドバンドヒンジ32は、筐体21Aに設けられた凹曲面状の収容部32aと、収容部32aに嵌合された球状部32bとからなるボールジョイントである。球状部32bは、球面状の側面部と、この側面部を挟むように互いに平行に形成された2つの平面部を有する。2つの平面部を垂直に貫くように連結孔31が形成されている。連結孔31は軸方向視で六角形状に形成されている。連結孔31にヘッドバンド40の連結ピン41が挿入されることによりディスプレイ本体20とヘッドバンド40とが連結される。
ヘッドバンドヒンジ32を備えていることで、ディスプレイ本体20は、図1に示したA方向(ヘッドバンドヒンジ32を中心とするX軸回り)に回動させることができる。本実施形態において、ディスプレイ本体20の回転可能範囲は270°程度とされる。このX軸回りの回転動作により、図3(A)に示す右眼で画像を観察する形態と、図3(B)に示す左眼で画像を観察する形態との切替機能が実現される。
またヘッドバンドヒンジ32はボールジョイントであるため、ディスプレイ本体20は図1に示すB方向(ヘッドバンドヒンジ32を中心とするZ軸回り)に揺動させることもできる。この揺動操作により、ディスプレイ本体20のユーザーの目や耳に対する位置を調整することができる。
ヘッドバンドヒンジ32近傍の心拍数センサー137は、装置本体部21の内面から突出するように設けられ、ヘッドマウントディスプレイ1の装着時にユーザーの顔の表面に当接可能とされている。バッテリー33は充電電池、使い捨て電池のいずれであってもよい。
表示部60は、図1及び図2に示すように、装置本体部21の先端部に連結されている。本実施形態において、表示部60のヘッドバンド40側を内側、ヘッドバンド40と反対側を外側とする。表示部60は、上面視(Z軸視)において湾曲した形状を有するアーム部材であり、装置本体部21との連結部から先端側へ向かうに従って内側へ湾曲する形状を有する。表示部60の内面に、ファインダー開口部67が設けられている。表示部60の外面には、カメラ64が設けられている。
図4に示すように、表示部60は、ディスプレイヒンジ(ヒンジ部)61を介して装置本体部21と連結されている。ディスプレイヒンジ61は、表示部60の筐体60Aに形成された凹曲面状の収容部61aと、装置本体部21に形成され収容部61aに嵌合された球状部61bとからなるボールジョイントである。
表示部60の筐体60Aは、ディスプレイヒンジ61が設けられた基端側筐体部60aと、基端側筐体部60aから延設された先端側筐体部60bとからなる。先端側筐体部60bは、基端側筐体部60aに対して内側へ湾曲ないし屈曲するように設けられている。先端側筐体部60bにファインダー開口部67が設けられている。
装置本体部21の球状部61bは、装置本体部21の外面先端部に形成された筐体21Aの長手方向に対して斜めに延びる傾斜面21aに、この傾斜面の法線方向(図4のY’軸方向)に突出するようにして設けられている。本実施形態の場合、傾斜面21aは、図4に示す装置本体部21の長手方向と直交する面をZ軸回りの外側に略45°回転させた面に平行である。表示部60は、傾斜面21aに沿って回転可能である。したがって、表示部60の回転方向は、装置本体部21の長手方向に対して斜め方向である。
ディスプレイヒンジ61の球状部61bには、球状部61bを高さ方向(Y’軸方向)に貫通する貫通孔61cが形成されている。貫通孔61cを介して、表示部60の内部と装置本体部21の内部とが連通されている。貫通孔61cには不図示のケーブルが挿通される。挿通されたケーブルを介して回路基板29と表示部60の各部とが電気的に接続される。
本実施形態において、ディスプレイヒンジ61内に通されたケーブルのねじれを防止するために、表示部60の回転制御機構を設けてもよい。例えば、図4(A)に示す正対位置を基準として、表示部60の回動角度を、上回り180°以下、下回り180°以下にそれぞれ規制する回転制御機構を設けてもよい。
表示部60の内部には、バックライト62と、表示パネル63と、カメラ64と、プリズム65と、反射ミラー66と、前方ライト68と、前方スピーカー70と、結像レンズ71と、撮像素子72とが設けられている。
プリズム65は、上面視(Z軸視)で略三角形状の第1プリズム65aと第2プリズム65bとを互いの面で貼り合わせた構成を有する。この貼り合わせ面以外の第1プリズム65aの他の二面のうち、一方の面に対向する位置に、液晶パネルからなる表示パネル63が設けられている。表示パネル63の背面に表示パネル63を透過照明するバックライト62が配置されている。第1プリズム65aの他方の面に対向する位置に反射ミラー66が配置されている。反射ミラー66は、ファインダー開口部67のほぼ正面に位置する。
第2プリズム65bの貼り合わせ面以外の他の二面のうち、一方の面はファインダー開口部67に配置されたファインダー接眼面である。第2プリズム65bの他方の面に対向する位置には結像レンズ71を介して撮像素子72が対向配置されている。
表示部60において、表示パネル63に表示された画像は、第1プリズム65a、反射ミラー66、第2プリズム65bを介してファインダー開口部67から射出され、ユーザーに観察される。また、ファインダー開口部67を見ているユーザーの目元は、第2プリズム65b及び結像レンズ71を介して撮像素子72上に結像される。撮像素子72を介して取得された目元の画像は、ユーザーの視線の方向や瞬き、表情の解析に用いられる。バックライト62は、撮像素子72による目元撮影の照明装置としても利用される。
カメラ64は、例えば500万画素〜1000万画素の撮像素子を有し、オートフォーカス動作が可能に構成される。
本実施形態の場合、カメラ64の撮影方向は、ユーザーの視線方向と一致するように設定される。撮影方向と視線方向との調整は、機械的に行ってもよく、画像処理により行ってもよい。例えば、カメラ64を広角の映像を取得可能に構成し、ユーザーの目元画像から取得した視線方向の情報に基づいて、電気的に捕らえた映像の一部を、視線方向の映像として抜き出して表示パネル63に表示させる。これにより、カメラ64に調整機構を設けることなくユーザー正面の映像の撮影、表示が可能となる。
前方ライト68は、例えばLEDライトである。前方ライト68は、赤、緑、青の各色の発光素子を有し、任意の色を任意のタイミングで発光させることが可能に構成してもよい。前方ライト68は、発光色や発光タイミングにより外部に対して情報を表示する装置として用いてもよく、カメラ64で撮影する際の照明装置として用いてもよい。
また図4では図示を省略したが、本実施形態に係る表示部60にはレーザー発信器が設けられている。レーザー発信器は、例えば前方ライト68の近傍に設けることができる。レーザー発信器から射出される例えば赤色レーザー光を前方に照射することで、レーザー光によるポインティング(指標の表示)が可能である。
次に、ヘッドバンド40について、図2及び図5を参照しつつ説明する。図5は、ヘッドバンド40に設けられた回動機構の分解斜視図である。
ヘッドバンド40は、図2に示すように、ユーザーの頭部を挟持する一対のヘッドパット(装着部材)46、47と、第1ヘッドバンド43と、第2ヘッドバンド44と、回動機構56、57とを備えている。
第1ヘッドバンド43は、全体として円弧状を成す弾性部材である。第1ヘッドバンド43の頂部に、第1ヘッドバンド43を折り曲げるためのジョイント部43aが設けられている。第1ヘッドバンド43の両端には、回動機構56、57を構成する軸受部43b、43cがそれぞれ設けられている。軸受部43b、43cよりもさらにバンド先端側に、ヘッドパット46、47が接続される軸受部43d、43eが設けられている。
第2ヘッドバンド44は、全体として円弧状を成す弾性部材である。第2ヘッドバンド44の頂部には、第2ヘッドバンド44を折り曲げるためのジョイント部44aが設けられている。第2ヘッドバンド44の両端には、それぞれ回動機構56、57を構成する軸部材44b、44cが設けられている。
また本実施形態において、第2ヘッドバンド44は、ステンレス等の金属からなるバネ部材48の表面を樹脂等の柔軟な材料で被覆した構成を有する。この第2ヘッドバンド44のバネ部材48においてユーザーの頭部を挟持するバネ力を発生させる。また第2ヘッドバンド44は第1ヘッドバンド43と比較して広い幅に形成されている。ジョイント部44aの形成部分は他のバンド部分よりもさらに広く形成された標章表示部49とされている。標章表示部49には、シールや印刷により製品タグ等が付される。なお、第2ヘッドバンド44の全体を金属で形成してもよい。
ヘッドパット46は、板状の支持板46aと、支持板46aの一面側に設けられた断面アーチ状の弾性部材46bとを有する。支持板46aの弾性部材46bと反対側の面に、当該面に垂直な姿勢で概略六角柱状の連結ピン41が立設されている。連結ピン41は、第1ヘッドバンド43の一方の先端に設けられた軸受部43dに軸支されている。これにより、ヘッドパット46は連結ピン41回りに回転可能である。
ヘッドパット47は、板状の支持板47aと、支持板47aの一方の面に設けられた断面アーチ状の弾性部材47bとを有する。支持板47aの弾性部材47bと反対側の面には、軸部材47c(図2)が設けられている。軸部材47cは、第1ヘッドバンド43の先端に設けられた軸受部43eに軸支されている。これにより、ヘッドパット47は、軸部材47c回りに回転可能である。
回動機構56は、第1ヘッドバンド43の軸受部43bと、第2ヘッドバンド44の軸部材44bと、コイルバネ50と、ワッシャー51と、ボルト52とを備えている。
第1ヘッドバンド43の軸受部43bの外側面には、軸受部43bの貫通孔56aを挟んだ両側に、扇状の突起部56b、56cが形成されている。本実施形態の場合、2つの突起部56b、56cは、第1ヘッドバンド43を鉛直姿勢(図1のX方向視において第1ヘッドバンド43が鉛直方向の上下に延びている姿勢)に保持したときに、水平方向に並ぶ位置に形成されている。
第2ヘッドバンド44の軸部材44bの内側面には、当該面に垂直に立設された円柱状の挿通軸部56dと、挿通軸部56dを径方向に挟み込むように配置された2つの突起部56eとが設けられている。挿通軸部56dの先端面には、ボルト52が螺合される図示略の雌ねじ部が形成されている。図5では、突起部56eは1つのみ示されているが、挿通軸部56dを挟んだ反対側にも形成されている。2つの突起部56eは、第2ヘッドバンド44を鉛直姿勢に保持したときに、水平方向に並ぶ位置に形成されている。
回動機構56において、軸部材44bの挿通軸部56dは軸受部43bの貫通孔56aに挿通されている。軸受部43bの内側面には、コイルバネ50とワッシャー51とがこの順に配置されている。コイルバネ50とワッシャー51とを挟み込んだ状態でボルト52が挿通軸部56dに螺合されている。上記構成により、軸部材44bと軸受部43bとが回動自在に接続されている。またコイルバネ50により軸部材44bを軸受部43bに押圧する付勢力が作用する。
本実施形態において、回動機構56は、第2ヘッドバンド44を第1ヘッドバンド43から離す方向へ付勢する付勢機構として機能する。回動機構56において、軸受部43bの突起部56b、56cは、軸部材44bの突起部56eと対向する位置に形成されている。また、軸受部43bはコイルバネ50により軸部材44bに押圧されている。この押圧力によって突起部56eが、突起部56b、56c上を摺動することで、第2ヘッドバンド44を第1ヘッドバンド43から離間させる方向にモーメントが発生する。
上記のモーメントは、第1ヘッドバンド43と第2ヘッドバンド44とが重なる位置付近において、突起部56eと突起部56b、56cが互いの頂点に乗り上げた状態で一旦ゼロになる。そして、この頂点に乗り上げた状態から第2ヘッドバンド44の軸部材44bが少しでも回転すると、その回転方向に軸部材44bをさらに回転させようとする力が作用する。すなわち、回動機構56は、いわゆるトグルタイプのバネ構造を備えている。これにより、第2ヘッドバンド44を、第1ヘッドバンド43の前後方向(図2のC方向)のいずれに移動させたときにも、同等の付勢力が作用する構成となる。
一方、回動機構57は、第1ヘッドバンド43の軸受部43cと、第2ヘッドバンド44の軸部材44cと、スナップリング53と、を備えている。
軸受部43cの外側面には、平面視で概略扇形の突起部57bが形成されている。突起部57bは、第1ヘッドバンド43を鉛直姿勢に保持したときに、貫通孔57aの鉛直上方に配置される位置に形成されている。軸部材44cの内側面には、当該面に垂直に立設された挿通軸57cと、挿通軸57cと同軸の半円状に形成された突起部からなる制止部57dと、が設けられている。
回動機構57において、軸部材44cの挿通軸57cは軸受部43cの貫通孔57aに挿通されている。軸受部43cの内側において挿通軸57cの先端にスナップリング53が嵌合されている。これにより、軸部材44cと軸受部43cとが回動自在に接続されている。
回動機構57は、第2ヘッドバンド44の回転角度を規制する規制機構として機能する。回動機構57において、軸受部43cの突起部57bは、軸部材44cの内側面のうち、制止部57dが形成されていない領域に配置される。これにより、第2ヘッドバンド44が所定角度まで傾くと、突起部57bの側面(貫通孔57aの径方向に平行な面)が、軸部材44cの制止部57dの側面(挿通軸57cの径方向に平行な面)に突き当てられ、第2ヘッドバンド44のそれ以上の移動が制止される。この制止部57dによる制止動作は、第2ヘッドバンド44が第1ヘッドバンド43の前後方向(C方向)のどちらに移動しても機能する。つまり、制止部57dにより、第2ヘッドバンド44の回転角度が、所定の角度以下になるように制限される。
以上の構成により、第2ヘッドバンド44は、回動機構56によって第1ヘッドバンド43から離れる方向に回動付勢される一方、回動機構57によって第1ヘッドバンド43に対して所定角度以内の範囲に回動規制される。これにより、第2ヘッドバンド44は第1ヘッドバンド43に対して所定の角度となるように保持される。したがって、回動機構56、57は、ヘッドバンド40における角度保持機構として機能する。
図6は、本実施形態のヘッドマウントディスプレイに付属のリモコンを示す斜視図である。
リモコン140は、筐体140Aと、タッチパッド141と、操作スイッチ147と、USBコネクター142と、インジケーター143a、143b、143cと、取付クリップ144と、インジケータースイッチ150と、を備えている。
リモコン140は、USBケーブル148の一方の端子をUSBコネクター142に接続し、他方の端子を装置本体部21のUSBコネクター25に接続することで、装置本体部21と電気的に接続される。USBケーブル148としては市販のUSBケーブルを用いることができる。本実施形態の場合、USBケーブル148の途中に複数のクリップ149が設けられている。複数のクリップ149は、例えばUSBケーブル148を第2ヘッドバンド44に沿わせた状態で固定するために用いることができる。
リモコン140には、ディスプレイ本体20や他の電子機器と無線通信を行うための通信回路が内蔵されている。通信回路の通信方式としては、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN、赤外線通信、UWB(Ultra Wide Band)、Transfer Jetなどを用いることができる。かかる通信回路により、USBケーブル148を接続していなくてもディスプレイ本体20との通信が可能である。
リモコン140には、Gセンサーや加速度センサー、方位センサーが内蔵されていてもよい。これらのセンサーで検出した情報についても、上記した通信回路を介してディスプレイ本体20へ通信可能である。
タッチパッド141は筐体140Aの一方の主面に設けられている。タッチパッド141は、ユーザーがタッチすることによりディスプレイ本体20を操作するための操作部である。タッチパッド141の背面側の筐体140A内部には、装置本体部21のタッチスイッチ34と同様に表示パネルやバックライトが設けられていてもよい。
操作スイッチ147は、リモコン140やディスプレイ本体20を手動操作するためのスイッチである。操作スイッチ147は、必要に応じて設けられていればよい。筐体140Aの側面に設けられたインジケータースイッチ150は、インジケーター143a〜143cを利用した所定動作を行わせるためのスイッチである。
USBコネクター142は、装置本体部21との接続のほか、リモコン140が充電式のバッテリーを内蔵している場合にはリモコン140の充電端子や、PCとの接続にも用いられる。
またリモコン140がバッテリーを内蔵している場合には、装置本体部21への給電端子として用いることもできる。リモコン140のバッテリーを補助電源として使用可能にすることで、装置本体部21のバッテリー容量を小さくでき、装置本体部21を小型軽量化することができる。
インジケーター143a、143b、143cは、タッチパッド141の周囲に配置されている。本実施形態では、タッチパッド141の一辺に沿う位置にインジケーター143aが配置され、インジケーター143aに対してタッチパッド141を挟んだ反対側にインジケーター143bとインジケーター143cとが配置されている。
インジケーター143a〜143cはLED等の発光素子を備えている。本実施形態では、インジケーター143aは緑色の発光素子、インジケーター143bはオレンジ色の発光素子、インジケーター143cは青色の発光素子をそれぞれ備えている。これらの発光素子は制御されたタイミングでパターン発光可能に構成されている。インジケーター143a〜143cの上記パターン発光は、筐体140A側面のインジケータースイッチ150を操作することでオンオフすることができる。
インジケーター143a〜143cのパターン発光は、例えばリモコン140の状態(例えばリモコン140の上下左右の傾き状態)を示すものである。かかるパターン発光を装置本体部21のカメラ64で撮影し、取得した画像を解析することにより、リモコン140の状態を装置本体部21に伝達することが可能である。インジケーター143a〜143cを利用した情報伝達方式は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信を用いた場合と比較して電力消費を抑えることができる。
取付クリップ144は、筐体140Aのタッチパッド141と反対側の面に設けられている。本実施形態の場合、取付クリップ144は、一端を筐体140Aに固定された側面視S形のバネ板部材である。取付クリップ144により、リモコン140をユーザーの衣服やベルト等に装着することができる。
また、取付クリップ144によりヘッドパット47の近傍を挟むことで、ヘッドバンド40にリモコン140を取り付けてもよい。ヘッドバンド40のヘッドパット46にディスプレイ本体20を取り付ける一方、ヘッドパット47側にリモコン140を取り付けることで、ヘッドマウントディスプレイ1における重量バランスの不均衡を低減することができる。
図7は、本実施形態のヘッドマウントディスプレイに付属のステレオイヤホンを示す斜視図である。
ステレオイヤホン100は、コネクター101と、ケーブル102と、第1スピーカー103と、第2スピーカー104と、集音マイク105と、複数のクリップ106とを有する。
コネクター101はケーブル102の一方の端部に設けられている。コネクター101は、一般的な4極φ3.5mmのミニプラグである。4極の内訳は、集音マイク105、第1スピーカー103、第2スピーカー104、グランド(GND)である。ケーブル102は、コネクター101の近傍において二分岐され、分岐されたケーブルの先端に第1スピーカー103が設けられている。ケーブル102の他方の端部には、第2スピーカー104と集音マイク105とが設けられている。複数のクリップ106は、ケーブル102上に所定の間隔で配置されている。
ステレオイヤホン100は、コネクター101をディスプレイ本体20のオーディオコネクター26に接続して使用される。ステレオイヤホン100が接続されると、ディスプレイ本体20の耳元スピーカー23と、表示部60の通話マイク37は無効化される。また表示部60の前方スピーカー70も必要に応じて無効化される。そして、ステレオイヤホン100の第1スピーカー103、第2スピーカー104、及び集音マイク105が有効化される。
ステレオイヤホン100の第1スピーカー103は、ディスプレイ本体20が配置された側のユーザーの耳に装着され、第2スピーカー104は第1スピーカー103と反対側の耳に装着される。このとき、ケーブル102は、クリップ106によって第2ヘッドバンド44に固定することができる。
また、ステレオイヤホン100の集音マイク105と、ディスプレイ本体20において筐体21Aの外側面に設けられた集音マイク24とにより、ステレオ録音が可能である。例えば、図3(A)に示すようにディスプレイ本体20が右眼側に配置されているとすれば、ディスプレイ本体20の集音マイク24はユーザーの右側の音を収集し、左耳に装着された集音マイク105はユーザーの左側の音を収集する。なお、ステレオイヤホン100の第1スピーカー103から右チャンネルの音声が出力され、第2スピーカー104からは左チャンネルの音声が出力される。
一方、図3(B)に示すように左眼側にディスプレイ本体20が配置されている場合には、ディスプレイ本体20の集音マイク24がユーザーの左側の音を収集し、右耳に装着された集音マイク105がユーザーの右側の音を収集する。ステレオイヤホン100の第1スピーカー103から左チャンネルの音声が出力され、第2スピーカー104からは右チャンネルの音声が出力される。
本実施形態の場合、集音マイク24、105はいずれもユーザーの耳の近傍に配置されるため、バイノーラル録音のような臨場感のある録音が可能である。また集音マイク24と集音マイク105に同じ特性のマイクを用いることで、左右の音の特性の差異を小さくすることができる。
図8は、ヘッドマウントディスプレイ1の機能ブロック図である。
ヘッドマウントディスプレイ1には、処理部123を中心として種々の電気回路が備えられている。処理部123は、CPU(Central Processing Unit)であり、ヘッドマウントディスプレイ1の各種回路と接続されるとともに、ヘッドマウントディスプレイ1を総合的に制御する。
本実施形態の場合、処理部123には、エンコーダー129及びデコーダー121、電源回路120、操作スイッチ30、フラッシュメモリー122、BT通信回路130、WiFi通信回路131、加速度センサー132、地磁気センサー133、前方ライト68、3G/LTE通信回路138、レーザー発信器73、角速度センサー134、GPSセンサー135、温湿度センサー136、心拍数センサー137、メモリー127、メインスイッチ28、タッチスイッチ34が接続されている。
エンコーダー129は音声信号及び映像信号を所定方式の音声データ及び映像データにエンコード(符号化)する。エンコーダー129には、カメラ64、撮像素子72、集音マイク24、通話マイク37、オーディオコネクター26、ビデオコネクター27が接続されている。
エンコーダー129には、集音マイク24及び通話マイク37から入力される音声信号、カメラ64から入力される映像信号、オーディオコネクター26から入力される音声信号、ビデオコネクター27から入力される映像信号、及び、ユーザーの目元を撮影する撮像素子72の映像信号が入力される。エンコーダー129に入力された音声信号及び映像信号は音声データ及び映像データにエンコードされた後、処理部123に入力される。入力された音声データ及び映像データは、処理部123による再生動作に用いられたり、フラッシュメモリー122に記録される。
デコーダー121は、音声データ及び映像データを音声信号及び映像信号にデコード(復号化)する。デコーダー121には、LCDドライバ125、スピーカーアンプ162、オーディオコネクター26、及びビデオコネクター27が接続されている。LCDドライバ125は液晶パネル用の駆動制御装置であり、表示パネル36及び表示パネル63に接続されている。スピーカーアンプ162は音声信号を増幅してスピーカーに出力する装置であり、耳元スピーカー23及び前方スピーカー70に接続されている。
映像データを再生する場合、フラッシュメモリー122に記録された映像データ、あるいはエンコーダー129から入力される映像データは、処理部123を介してデコーダー121に入力される。デコーダー121に入力された映像データは、映像信号にデコードされた後、LCDドライバ125を介して表示パネル36、63に供給される。そして、映像信号が入力された表示パネル36又は表示パネル63に映像データに基づく映像が表示される。また、デコーダー121からビデオコネクター27に出力される映像信号は、ビデオコネクター27を介して外部機器に出力される。
また映像の表示に際して、処理部123は、必要に応じて表示パネル36用のバックライト35、及び表示パネル63用のバックライト62を点灯させる。BLドライバ126は、バックライト用の駆動制御装置であり、バックライト35及びバックライト62に接続されている。処理部123は、BLドライバ126に駆動信号を送信し、BLドライバ126はバックライト35、62を個々に点灯させる。
音声データを再生する場合、フラッシュメモリー122に記録された音声データ、あるいはエンコーダー129から入力される音声データは、処理部123を介してデコーダー121に入力される。デコーダー121に入力された音声データは、音声信号にデコードされた後、スピーカーアンプ162を介して耳元スピーカー23及び前方スピーカー70のいずれか一方、又は両方に出力される。そして、音声信号を入力された耳元スピーカー23又は前方スピーカー70から音声が出力される。また、デコーダー121からオーディオコネクター26に出力される音声信号は、オーディオコネクター26を介してステレオイヤホン100に出力される。
本実施形態の場合、耳元スピーカー23及び前方スピーカー70は、モノラル音声の使用を想定しており、耳元スピーカー23及び前方スピーカー70からは左右の音声信号が合成された音が発せられる。
一方、ステレオイヤホン100に音声信号が出力される場合、第1スピーカー103及び第2スピーカー104のそれぞれ左チャンネル又は右チャンネルの音が出力される。ここで、本実施形態のヘッドマウントディスプレイ1は左右両用であるため、装着位置に応じてステレオイヤホン100への音声信号のチャンネルが切り替わる。すなわち、ディスプレイ本体20が右眼に装着されている場合には、第1スピーカー103に右チャンネル、第2スピーカー104に左チャンネルの音が出力される。ディスプレイ本体20が左眼に装着されている場合には第1スピーカー103に左チャンネル、第2スピーカー104に右チャンネルの音が出力される。
メモリー127には、処理部123によって実行される制御プログラムが記憶されている。
全体の電源のオンオフを行うメインスイッチ28や、画面内でのポインティング操作を行うための操作スイッチ30、あるいはタッチ操作により各種操作を行うタッチスイッチ34がユーザーに操作されると、これらのスイッチから操作に基づく制御信号が処理部123へ出力される。処理部123は、制御信号により操作を検出し、上記の制御プログラムに規定された動作を実行する。
BT通信回路130は、他の機器とのBluetooth(登録商標)通信を行うための通信回路である。WiFi通信回路131は、他の機器との無線LAN通信(IEEE 802.11)を行うための通信回路である。3G/LTE通信回路138は、他の機器との移動通信を行うための通信回路である。
加速度センサー132はヘッドマウントディスプレイ1の傾き検出に用いられる。地磁気センサー133はヘッドマウントディスプレイ1の方角検出に用いられる。角速度センサー(ジャイロセンサー)134はヘッドマウントディスプレイ1の回転検出に用いられる。GPSセンサー135はGPS(Global Positioning System)を利用した測位検出に用いられる。温湿度センサー136は環境の温度、湿度の検出に用いられる。心拍数センサー137はユーザーの頬に接触し、ユーザーの心拍数を検出する。
次に、以上の構成を備えたヘッドマウントディスプレイ1における表示部60の動作等について、図4及び図9を参照しつつ説明する。
図9は、表示部60の動作説明図である。
図4に示したように、ディスプレイ本体20において、装置本体部21と表示部60とを接続するディスプレイヒンジ61はボールジョイントである。この構成により、表示部60は、ディスプレイヒンジ61の球状部61bに対してY’軸回りに自由に回転させることができる。これにより、図4(A)に示す視聴可能状態(正対位置)から表示部60をY’軸回りに回転させ、図4(B)に示す収容状態(退避位置)に移行させることができる。
本実施形態では、ディスプレイヒンジ61は装置本体部21の先端部に形成された傾斜面21a上に設けられており、表示部60が内側に湾曲した形状を有している。そのため、図4(B)に示す収容状態において、表示部60は装置本体部21の外側面に沿うようにして配置される。この状態では、ファインダー開口部67と装置本体部21との隙間が小さくなる。したがって、表示部60を退避位置に配置することで、ファインダー開口部67やその内側の第2プリズム65bの表面にゴミや汚れが付着しにくい状態とすることができる。
また、上記のように表示部60を図4(A)の正対位置から図4(B)の退避位置へ移動させることで、表示部60はユーザーの目の前から完全に退避される。これによりユーザーは前方左右の視野を確保することができる。
本実施形態では、ディスプレイ本体20の先端部分である表示部60のみを回転させることができる。そのため、表示部60を正対位置と退避位置との間で相互に移動させる場合に、ユーザーが被っている帽子のつば等にぶつかりにくい。これにより、優れた操作性を得ることができる。
また本実施形態において、表示部60は、図9(A)に示すように表示部60を上側に向けることも、図9(B)に示すように下側に向けることもできる。そのため、図9(A)に示す上側位置ではユーザーの帽子のつばにぶつかってしまうような場合でも、図9(B)に示す下側位置を経由して表示部60を移動させればよい。このように本実施形態では、表示部60の回転動作が外的要因に阻害されにくい構造である。したがって、ユーザーが視界を確保する際に、迅速かつ確実に表示部60を退避させることができる。
また本実施形態において、表示部60を図9(A)に示す上側位置に配置した状態で使用することもできる。この場合、上側位置においてユーザーが正常な表示を視認できるようにするために、処理部123は、以下の制御を実行する。
処理部123は、表示部60に内蔵された加速度センサー132の出力を検出する第1ステップと、加速度センサー132の出力に基づいて表示部60の傾きを検出する第2ステップと、表示部60の傾き角度(天地方向)と、表示パネル63の表示の上下方向とが一致するように、表示内容を回転させた画像を生成し、デコーダー121に出力する第3ステップと、をこの順に実行する。
上記の動作により、所定角度だけ回転された画像がLCDドライバ125を介して表示パネル63に出力される。これにより、ユーザーに対して、表示部60の回転に連動して天地が正常になるように回転された表示が提供される。
このように表示部60の回転に連動して表示を回転させるようにすることで、表示部60の設置角度を自由に変更することが可能になる。すなわち、図3に示した正対位置で使用できるのはもちろんのこと、図9に示した上側位置や下側位置において、前方の視界を大きく確保したまま使用することも可能になる。したがって、ユーザーの利用シーンによって表示部60の位置を自在に使い分けることができる。
また、表示パネル63が正対位置で横長の画面を有するものである場合、図9に示した上側位置や下側位置では、表示パネル63は縦長の画面になる。しかし、図9に示す状態ではファインダー開口部67はユーザーの目の側方に位置する。この位置では、ユーザーの目の水平方向の移動が制限されるため、縦長の画面を観察するようにしておく方が、ユーザーが見やすく、使い勝手がよくなる。
また本実施形態では、ディスプレイヒンジ61がボールジョイントであることから、表示部60は、Y’軸回りの回転面に対して直交する方向の揺動も可能である。この揺動動作により、ユーザーによるファインダー開口部67の位置調整が容易になる。表示部60と装置本体部21との間隔を大きくすれば、表示部60の揺動幅を大きくすることができる。
次に、本実施形態のヘッドマウントディスプレイ1は、図3(A)に示す右眼観察形態と、図3(B)に示す左眼観察形態を切り替えて使用することができる。
例えば、右眼観察形態から左眼観察形態へ切り替えるには、ヘッドバンド40に連結されたディスプレイ本体20を、ヘッドバンドヒンジ32の回転軸回り(図示A方向)に180°程度回転させる。また、ヘッドバンド40において、第2ヘッドバンド44を回動機構56,57の軸回りに揺動させ、第1ヘッドバンド43に対して反対側に移動させる。この操作により、図3(B)に示すように、ユーザーの左眼側にディスプレイ本体20が配置され、しかも第2ヘッドバンド44がユーザーの後頭部側に配置された左眼観察形態に切り替えることができる。
なお、ディスプレイ本体20を回転させて観察形態の切り替えを行う際にも、表示部60を回転させたときと同様に、表示パネル63の表示内容が回転され、ユーザーには常に天地の正常な画像が提供される。
本実施形態では、第1ヘッドバンド43の円弧高さ(長さ)を、第2ヘッドバンド44の円弧高さ(長さ)よりも小さくしている。これにより、第2ヘッドバンド44を第1ヘッドバンド43と交差させるように移動させても、互いに干渉することなく円滑に前後を入れ替えることができる。なお、第1ヘッドバンド43の円弧高さを第2ヘッドバンド44の円弧高さよりも大きくし、第2ヘッドバンド44を第1ヘッドバンド43の内側で揺動させる構成としてもよい。
また本実施形態のヘッドバンド40は、図2に示したように、第1ヘッドバンド43にジョイント部43aが設けられ、第2ヘッドバンド44にジョイント部44aが設けられていることで、第1ヘッドバンド43及び第2ヘッドバンド44を折り畳むことができる。
ヘッドバンド40を折り畳むには、ヘッドバンド40が開いた状態から、第2ヘッドバンド44を第1ヘッドバンド43に近づけるように移動させる。その後、第1ヘッドバンド43に設けられたジョイント部43a、及び第2ヘッドバンド44に設けられたジョイント部44aをそれぞれ折り曲げることで、ヘッドパット46、47が重なる位置まで折り畳むことが可能である。
次に、図10を参照してヘッドバンド40の重量バランスについて説明する。
図10(A)には、図3(B)に対応する通常の使用状態が示されている。ヘッドマウントディスプレイ1は、主に、ユーザーの頭頂部に架け渡された第1ヘッドバンド43と、ユーザーの側頭部を挟持するヘッドパット46、47とにより支持されている。
図10(A)に、ヘッドパット46、47を結んだ直線を基準軸Oとする軸回りのモーメントを示す。ヘッドマウントディスプレイ1を回転させるモーメントは、ディスプレイ本体20の質量による図示左回りのモーメントM1と、第2ヘッドバンド44の重量による図示右回りのモーメントM2との差分によって発生するモーメントである。
上記の回転によるモーメントに対して、ヘッドパット46、47の挟持力による摩擦のモーメントM3と、ユーザーの頭頂部に接している第1ヘッドバンド43と頭部表面との摩擦力によるモーメントM4との合計が上回っていれば、ヘッドマウントディスプレイ1は回転することなくユーザーの頭部に安定に保持される。
ここで、第1ヘッドバンド43と頭部表面との摩擦力は、ユーザーの髪の毛の状態や頭皮の状態によって大きく変化するため、この摩擦によるモーメントM4は基本的に期待できない。したがって、図10(A)においてヘッドマウントディスプレイ1を安定させる条件は、下記式1のように規定される。
なお、式1では、機構部品及び電子部品の構成要素が多いディスプレイ本体20が、第2ヘッドバンド44よりも重い(M1>M2)と仮定している。第2ヘッドバンド44の方が重い場合には式1の左辺は(M2−M1)となる。
(M1−M2)<M3 …(式1)
一方、図10(B)では、ユーザーは下を向いている。このときには、第2ヘッドバンド44がユーザーの後頭部に接してヘッドマウントディスプレイ1を支持する。図10(B)に示す状態では、第1ヘッドバンド43の重量による図示左回りのモーメントM5が作用する。一方、第2ヘッドバンド44の鉛直下方にディスプレイ本体20が配置されているため、ディスプレイ本体20の重量による基準軸回りのモーメントは発生しない。
図10(B)においてヘッドマウントディスプレイ1が落下することなく安定に保持されるには、ヘッドパット46、47の挟持力による図示右回りのモーメントM3と、第2ヘッドバンド44と頭部表面との摩擦力による図示右回りのモーメントM6の合計が、第1ヘッドバンド43の重量によるモーメントM5を上回っていることが条件となる。ただし、第2ヘッドバンド44と頭部表面との摩擦力についても、先のモーメントM4と同様に、髪や頭皮の条件で大きく変動する。したがって、図10(B)においてヘッドマウントディスプレイ1を安定させる条件は、下記式2のように規定される。
M5<M3 …(式2)
ここで、ヘッドマウントディスプレイ1を装着したときのユーザーの負担を減らす第1の方策は、式1の左辺を小さくすることである。これにより式1の右辺を小さくしても式を満たすことができようになるので、ヘッドパット46、47の挟持力を小さくでき、ユーザーの負担を低減することができる。
ディスプレイ本体20の重量によるモーメントM1を小さくすれば式1の左辺は小さくなるが、構成要素の多いディスプレイ本体20の重量を減らすことは容易ではない。そこで、第2ヘッドバンド44の重量によるモーメントM2を大きくし、モーメントM1に対するカウンターバランスとしての働きを持たせる。これにより、式1の左辺を小さくすることができる。
次に、ユーザーの負担を減らす第2の方策としては、式2の左辺を小さくすることである。すなわち、第1ヘッドバンド43の重量によるモーメントM5を小さくすることである。この場合にも、モーメントM3を小さくすることができるので、ユーザーの頭部の締め付けを弱くすることができる。
以上の第1、第2の方策から、モーメントM2はより大きく、モーメントM5はより小さくすることが好ましい。モーメントM3、M5は第2ヘッドバンド44、第1ヘッドバンド43の重量に対応するから、下記式3のように、第2ヘッドバンド44を第1ヘッドバンド43よりも重くすることが好ましい。これにより、モーメントM3を小さくしても、ヘッドマウントディスプレイ1をユーザーの頭部に安定に保持することができる。そして、モーメントM3を小さくできることから、頭部の締め付けを弱くしてユーザーの負担を低減することができる。
M2>M5 …(式3)
さらに、式1と式2を同時に満たすためには、式1の左辺(M1−M2)と、式2の左辺(M5)のいずれか大きい方よりも、モーメントM3を大きくする必要がある。すなわち、ヘッドパット46、47の挟持力を大きくする必要がある。
ここで、(M1−M2)>M5となるようにモーメントを設定した場合を検討する。この場合には、式1を満たすようにモーメントM3(ヘッドパット46、47の挟持力)を設定することで、式1と式2の両方を満たすことができる。すなわち、日常最も使用頻度の高い、ユーザーが正面を向いた状態でヘッドマウントディスプレイ1がずれないようにヘッドパット46、47の挟持力を設定しておけば、図10(B)に示すようにユーザーが下を向いたときにもヘッドマウントディスプレイ1が回転することはない。
一方、(M1−M2)<M5となるようにモーメントを設定すると、式2を満たすようにモーメントM3を設定することになる。すなわち、ユーザーが下を向いた状態でヘッドマウントディスプレイ1が回転しないようにヘッドパット46、47の挟持力が設定される。そうすると、使用頻度の高くないユーザーが下を向いたときのためにヘッドパット46、47の挟持力を大きくしなければならず、ユーザーの負担が大きくなる。
なお、上記のように使い勝手がよく、ユーザーの負担の小さいヘッドマウントディスプレイを実現するには、第1ヘッドバンド43と第2ヘッドバンド44の回転半径には大きな差はないため、上記式3を満たすには、第2ヘッドバンド44をより重く、第1ヘッドバンド43をより軽くすることが有効である。
そこで本実施形態では、第2ヘッドバンド44を重くしやすい構成が採用されている。
具体的には、第2ヘッドバンド44の幅が第1ヘッドバンド43よりも大きくされている。また第2ヘッドバンド44に金属製のバネ部材48が内蔵されている。さらに、第2ヘッドバンド44には部分的に幅を広げた標章表示部49が設けられている。
また、リモコン140を接続したときに、USBケーブル148をクリップ149により第2ヘッドバンド44に固定することができる。あるいは、ステレオイヤホン100を接続したときにクリップ106によりケーブル102を第2ヘッドバンド44に固定することができる。このようにケーブル類を第2ヘッドバンド44に固定することによってもモーメントM2を大きくすることができる。
また、ディスプレイ本体20に内蔵されている部品の一部を第2ヘッドバンド44に設けてもよい。例えば、GPSセンサー135やバッテリー33などを第2ヘッドバンド44に内蔵させたり、担持させたりしてもよい。この場合には、ヘッドマウントディスプレイ1の総重量を変化させることなくモーメントM2を大きくすることができる。
また本実施形態では、前頭部側に配置される第1ヘッドバンド43が細く、後頭部側に配置される第2ヘッドバンド44を幅広であるため、ヘッドマウントディスプレイ1を装着したユーザーを正面や斜め前方から見たときに、ヘッドバンド40が目立たず、ユーザーの容貌を乱すことが少ないというメリットがある。
また本実施形態では、第2ヘッドバンド44に標章表示部49が設けられている。第2ヘッドバンド44は、第1ヘッドバンド43よりもユーザーの後頭部側に配置されるので、頭頂部に配置される第1ヘッドバンド43に標章表示部を設けた場合と比較して、他人から見やすい位置に標章を表示することができる。
1…ヘッドマウントディスプレイ(頭部装着装置)、60A…筐体、21…装置本体部、40…ヘッドバンド(頭部保持部)、60…表示部、60a…基端側筐体部、60b…先端側筐体部、61…ディスプレイヒンジ(ヒンジ部)、67…ファインダー開口部

Claims (5)

  1. ユーザーの頭部を保持する頭部保持部と、
    前記ユーザーの目の前に表示を行う表示部と、
    前記頭部保持部に接続されるとともに前記表示部を回動可能に支持する装置本体部と、
    を有し、
    前記表示部の回転方向が、前記装置本体部の長さ方向に対して斜め方向である、頭部装着装置。
  2. 前記表示部の回転方向が、前記装置本体部の長さ方向に対して略45°の角度を成す方向である、請求項1に記載の頭部装着装置。
  3. 前記表示部と前記装置本体部とがボールジョイントを有するヒンジ部を介して接続されている、請求項1又は2に記載の頭部装着装置。
  4. 前記表示部の前記ユーザー側に位置する面にファインダー開口部が設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載の頭部装着装置。
  5. 前記表示部は、前記装置本体部との接続部を有する基端側筐体部と、前記基端側筐体部から延設されるとともに前記基端側筐体部に対して前記ユーザー側へ湾曲して設けられた先端側筐体部とを有しており、前記先端側筐体部に前記ファインダー開口部が設けられている、請求項4に記載の頭部装着装置。
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