JP2013174786A - 染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
染料系偏光板が有する高温高湿条件下における光学耐久性を損なわず、且つ、ヨウ素系偏光板と同等の初期光学性能を有する新規ハイコントラスト高耐久偏光板、及び、高温高湿条件下における光学性能の低下が少ない高コントラスト液晶表示装置の提供。
【解決手段】
PVA系樹脂フィルムに、(1)400nm以上500nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、(2)500nm以上600nm未満にλmaxを有する二色性染料及び(3)600nm以上700nm以下にλmaxを有する二色性染料のそれぞれ少なくとも1つ以上による染色処理、ヨウ素及びヨウ化物による染色処理、延伸処理、必要に応じてホウ酸処理及び補色処理を施すことにより製造される、二色性色素として二色性染料とヨウ素およびヨウ化物とを吸着・配向させてなる染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
【選択図】なし

Description

本発明は、高性能、高耐久性染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜、その製造方法及びその偏光素膜を用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
偏光素膜は一般的に、二色性色素であるヨウ素または二色性染料のいずれか一方をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着配向することにより製造される。この偏光素膜の少なくとも片面に接着剤層を介してトリアセチルセルロース等からなる保護フィルムを貼合して偏光板が製造され、液晶表示装置等に用いられる。二色性色素としてヨウ素を用いた偏光板はヨウ素系偏光板と呼ばれ、一般的な液晶モニター、携帯電話等に広く用いられている。一方、二色性色素として二色性染料を用いた偏光板は染料系偏光板と呼ばれ、車載・屋外メーター等に広く用いられている。
偏光板は、透過率及び偏光度が高く、高コントラストで、かつ、光学耐久性にも優れる偏光板が求められている。ヨウ素系偏光板は、染料系偏光板に比べ、高透過率で高偏光度、すなわち高コントラストを示す。しかし、ヨウ素系偏光板は光学性能の面では染料系偏光板に勝っているものの、光学耐久性の面では染料系偏光板に大きく劣っている。例えば、ヨウ素系偏光板を高温高湿下に放置すると、大きく脱色し、偏光性能が低下する等の問題が生じていた。一方、染料系偏光板は、高温高湿下での偏光性能の低下についてはヨウ素系偏光板に比べ大幅に改善できるが、初期光学性能がヨウ素系偏光板よりも劣るため、初期光学性能の向上が課題とされている。
従来、染料系偏光板の初期光学性能を向上させる方法として、二色性染料の開発や延伸倍率を上げる試みが行われてきた。これらの試みにより染料系偏光板の初期光学性能は、従来の染料系偏光板に比して、近年、顕著に向上して来ている。しかしながら、まだ、ヨウ素系偏光板の初期光学性能には及ばないこと、また、比較的耐久性のよい染料系偏光板においても、温度80℃、湿度90%の高温高湿条件下での500時間での耐久試験においては、色差がやや大きくなること、単体透過率の変化率が1%を超えること等から、色の再現性等に問題が生じるため、更なる改善が望ましい。
また、ヨウ素系偏光板の耐久性向上方法として、染色液中のヨウ化カリウム又は及びホウ酸の含有量を増加させる等の方法が知られている。しかし、ヨウ化カリウム含有量を増加させた場合には、偏光素膜の色相が黄味がかってしまう。また、ホウ酸含有量を増加させた場合には、高温高湿条件下での光学耐久性は向上するが、高温条件下での光学耐久性が低下してしまうといった問題がある。
また、ヨウ素染色を主体として、二色染料での染色を補助的に行うものとしては特許文献1を挙げることが出来る。特許文献1には、液晶表示サイズの大型化に伴い、偏光素膜を薄膜化した場合に、色相変化(青味化)すると云った新たな問題に対処するため、高延伸する従来のヨウ素系偏光素膜に、水溶液の吸収スペクトルが300nm乃至500nmの波長域に極大を示す二色性染料を含有させることが提案されており、具体的には、厚さ50μmのPVAフィルムを、ヨウ素および黄色染料を含む染色液で、常法により染色した後、7倍に延伸し、厚さ12.5μmの薄膜化された偏光素膜(偏光子)を得、初期光学性能において非常に優れ、かつ、青味が抑えられた偏光素膜(以下ヨウ素−染料ハイブリッド偏光素膜ともいう)が開示されている。
特開2005−49698
特許文献1に開示されたヨウ素−染料ハイブリッド偏光素膜においては、ヨウ素と共に、水溶液の吸収スペクトルが300〜500nmの波長域に極大を示す二色性染料を含む素膜を、薄膜化したことにより、単板透過率、偏光度および直交透過率等の初期光学性能に非常に優れ、青味の抑えられた偏光素膜が得られている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、ヨウ素での染色を主体とし、かつ、薄膜化していることから、高耐久性、特に、高温高湿での耐久性の問題が解決されていない。そのため、高耐久性を要求される用途においては問題がある。本発明においては、高耐久性を要求される用途においても使用が可能であり、初期光学性能においても、ハイコントラストヨウ素系偏光素膜と同程度に優れ、かつ、染料系の偏光板における、高温高湿下での単体透過率の低下及び色相の変化を抑えた、高耐久性の偏光素膜の開発を目的とする。特に、過酷試験前に、単体透過率および偏光度が良好であり、かつ、80℃、90%という高温高湿の条件下で500時間という過酷試験後における、単体での色差が1以下、偏光度の変化量も1度以下という高耐久性偏光素膜は、従来の染料系偏光素膜、ヨウ素系偏光素膜およびヨウ素−染料ハイブリッド偏光素膜の何れにおいても得られていない。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、二色性染料を主体とし、ヨウ素での染色を補助的に用いて偏光素膜の作製を行うことにより、染料系偏光素膜に比して、初期光学性能を改善することが出来、かつ、染料系偏光膜における、高温高湿での過酷耐久試験で、色差がやや大きくなり、単体透過率の変化率が1%を超えて、色再現性に問題を生じる点についても、改善出来、高温高湿の過酷耐久試験後においても、単体での色差が1以下、偏光度の変化量も1度以下という、高い光学性能を維持した染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜が得られることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、下記の発明に関する。
(1)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光素膜中に、二色性色素として、
(i)二色性染料と
(ii)ヨウ素、
の両者を吸着配向しており、
フィルム中の該二色染料の染色濃度が、該二色性染料単独を吸着配向した偏光素膜の単体透過率が40〜45%になる濃度であり、フィルム中のヨウ素の染色濃度が、該二色性染料のみを吸着配向した偏光素膜の上記の単体透過率を、0.5〜5%の範囲で低下させる濃度であり、かつ、平行位の色相がニュートラルグレーである染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
(2)
二色性染料として、
(i)下記(1)〜(3)
(1)400nm以上500nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
(2)500nm以上600nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、及び、
(3)600nm以上700nm以下に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
の各染料を、それぞれ少なくとも一種ずつ、含有する上記(1)に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
(3)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性染料およびヨウ素を含む染色液で染色するか、または、二色性染料を含む染色液およびヨウ素を含む染色液の両者で染色配向することにより得られた上記(1)又は(2)に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
(4)
二色性染料を含む染色液における各染料の含有比率が、質量割合で、二色性染料(1):二色性染料(2):二色性染料(3)=0.6〜2:0.5〜2:2〜6である上記(2)〜(3)の何れか一項に記載の偏光素膜。
(5)
二色性染料の染色液における二色性染料の濃度が、0.5〜5g/Lである上記(1)〜(4)の何れか一項に記載の偏光素膜。
(6)
ヨウ素を含む染色液におけるヨウ素濃度が、染色液の総量に対して0.01〜0.3質量%である上記(1)〜(5)の何れか一項に記載の偏光素膜。
(7)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光素膜中に
(i)二色性染料と
(ii)ヨウ素、
の両者を吸着配向しており、
該二色性色素の吸着を、二色性染料濃度を基準にして、ヨウ素濃度の比率が0.005〜0.5の範囲内にある染色液で行うことにより得られた、平行位の色相がニュートラルグレーである染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
(8)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性染料を含有する染色液で染色した後、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する染色液で染色することにより得られた上記(1)〜(7)の何れか一項に記載の偏光素膜。
(9)
ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する染色液のヨウ素およびヨウ化カリウムの濃度が、染色液の総量に対して、それぞれ、0.03〜0.15質量%および0.05〜6質量%である上記(7)に記載の偏光素膜。
(10)
耐久試験前の、単体透過率が38%より大きく44%以下であり、偏光度が99%より大きく、温度80℃、および湿度90%の条件下500時間の高温高湿耐久試験後、該試験前後における、単体での色差が1以下、偏光度の変化量が1%以下で、かつ、該試験後における偏光素膜の単体透過率が少なくとも38%で、偏光度が少なくとも99%である上記(1)〜(9)の何れか一項に記載の偏光素膜。
(11)
上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の偏光素膜の少なくとも片面に保護フィルム又は支持体が貼合された偏光板。
(12)
上記(11)に記載の偏光板を備えた液晶表示装置。
(13)
上記(11)に記載の偏光板を貼合した光学部材。
(14)
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性染料およびヨウ素を含む染色液で染色するか、または、二色性染料を含む染色液およびヨウ素を含む染色液の両者で染色し、フィルム中の該二色性染料の染色濃度が、該二色性染料のみを吸着配向した偏光素膜の単体透過率が40〜45%になる濃度であり、フィルム中のヨウ素の染色濃度が、該二色性染料のみを吸着配向した偏光素膜の単体透過率を、0.5〜5%の範囲で低下させる濃度である染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
(15)
染色液における、二色性染料濃度とヨウ素濃度の比率(質量濃度の比率)が、二色性染料濃度を基準として、1:0.005〜0.5である上記(14)に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
(16)
得られた偏光素膜の耐久試験前の、単体透過率が38%より大きく44%以下であり、偏光度が少なくとも99.9であり、温度80℃および湿度90%の条件下500時間の高温高湿耐久試験後、該試験前後における、単体での色差が1以下、偏光度の変化量が1%以下で、かつ、該試験後における偏光素膜の単体透過率が少なくとも38%で、偏光度が少なくとも99%である上記(14)又は(15)に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
(17)
二色性染料として、
(i)下記(1)〜(3)の二色性染料、
(1)400nm以上500nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
(2)500nm以上600nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、及び、
(3)600nm以上700nm以下に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
のそれぞれを、少なくとも1つずつ、およびヨウ素を含む染色液で染色するか、または、
(ii)上記(1)〜(3)に記載の二色性染料の、それぞれ少なくとも1つずつ、合計少なくとも3種の二色性染料を含む染色液およびヨウ素を含む染色液の両者で染色する、
平行位の色相がニュートラルグレーである上記(14)〜(16)のいずれか一項に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
本発明によれば、高偏光性能であり、かつ高温高湿条件下における光学性能の耐久性に優れた偏光素膜および偏光板を実現することができる。
即ち、本発明によれば、温度80℃及び90%湿度500時間の高温高湿条件での過酷試験後における、単体での色差が1以下、偏光度の変化量も1%以下であるという高耐久性の偏光素膜を得ることができる。また、本発明の偏光素膜または偏光板を使用することにより、光学性能に優れ、且つ、高温条件下及び高温高湿条件下における光学性能の低下が少ない、高コントラスト液晶表示装置を得ることができる。
本発明の偏光素膜は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素として二色性染料を主体とし、及び補助的にヨウ素を吸着・配向することにより製造される。
なお、本発明において使用する、単体透過率、および偏光度の値は、特に断らない限り、400〜700nmの波長領域での、平均単体透過率および平均偏光度を意味する。
また、単体透過率及び偏光度の「変化量」は、何れも、それぞれ下記式で求められる値である。
単体透過率の変化量=耐久性試験前の単体透過率の値−耐久性試験後の単体透過率の値
偏光度の変化量=耐久性試験前の偏光度の値−耐久性試験後の偏光度の値
また、本明細書における濃度及び比率(%も含む)等は、特に断った場合を除き、何れも質量基準である。
本発明の偏光素膜は、例えばポリビニルアルコール系樹脂フィルムへ、(i)二色性染料及びヨウ素による染色処理、(ii)延伸処理、(iii)ホウ酸等による硬化剤処理、及び、必要に応じて(iv)ヨウ化カリウム水溶液中に浸漬する等の補色処理、の各工程を施すことにより製造される。上記(i)および(ii)の工程は、順序は何れが先で、何れが後でも、また、同時でもよい。また、(ii)の延伸処理は、(i)の染色処理前、染色中、染色後の何れにおいても行うことができ、また、(iii)の硬化剤処理と一緒に行ってもよい。
(iii)の硬化剤処理は通常染色処理と一緒又は/および染色処理後に行われる。
偏光素膜の原料としては、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを用いる。該ポリビニルアルコール系樹脂フィルムとしては、ビニルアルコール又はその変性体の重合体を主体とする樹脂フィルムであり、ビニルアルコール成分又はその変性体成分を、重合体中の繰り返し単位の主成分として含有し、それを、モル割合で少なくとも40%、好ましくは50〜100%、更に好ましくは80〜100%含有する重合体のフィルムである。具体的には、酢酸ビニルの重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるポリビニルアルコールフィルム、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、不飽和アミン類、アクリルアミド、アクリル酸誘導体等との共重合体(ポリ酢酸ビニル共重合体)をケン化処理して得られるポリビニルアルコール共重合体フィルム、および上記重合体および共重合体を、オレフィンや不飽和カルボン酸で変性したポリビニルアルコール変性体フィルムを挙げることが出来る。例えば、ポリビニルアルコール樹脂フィルム、上記共重合体樹脂フィルム、ポリビニルアセタールフィルム(エチレンビニルアセテート樹脂フィルム)等を挙げることができる。これらの中でも、ポリビニルアルコール樹脂フィルムが二色性色素の吸着性や配向性の点から好ましい。
本発明の偏光素膜に使用されるポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1000〜10000程度の範囲のものが使用され、好ましくは1500〜7000程度であり、より好ましくは3000〜7000、更に好ましくは4500〜7000程度、最も好ましくは5200〜6000程度の範囲である。ポリビニルアルコール系樹脂は通常、ポリ酢酸ビニル重合体又は共重合体のケン化処理されたものが使用され、そのケン化度は通常85〜100モル%程度、好ましくは98〜100モル%、より好ましくは99〜100モル%の範囲である。
原料として使用されるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの厚みは特に限定されないが、通常10μm〜150μm、好ましくは30μm〜150μm、より好ましくは30〜100μmである。
通常、染色処理の前に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの膨潤処理が施される(膨潤工程ともいう)。膨潤処理は20〜50℃の膨潤処理溶液に30秒〜10分間浸漬させることによって行われる。該膨潤処理溶液としては水が好ましい。また、必要に応じて、グリセリン、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール又は低分子量ポリエチレングリコール等の水溶性有機溶剤、又は水と水溶性有機溶剤との混合溶液で膨潤処理を行っても良い。また、偏光素膜の製造にかかる時間を短縮する場合には、染色処理時にもフィルムは膨潤するので、上記膨潤工程を省略することもできる。
本発明においては、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、好ましくは上記膨潤処理を行った後、二色性色素(二色性染料およびヨウ素)での染色処理(上記(i)の工程)が行われる。該染色処理は、上記(ii)の延伸工程と同時に行ってもよい。また、該染色処理は、二色性色素として、二色性染料およびヨウ素の両者を含む染色液で同時に行っても、また、二色性染料を含む染色液での染色とヨウ素を含む染色液での染色を、別個に行ってもよい。好ましい態様での染色処理としては、二色性染料を含む染色液での染色を先に行い、次いで、ヨウ素を含む染色液での染色を行うのが好ましい。2色性色素を含む染色液としては、通常、2色性色素を含む水溶液が使用される。
以下に、好ましい態様での染色処理を例に取り、より詳しく説明する。
上記の二色性色素での染色処理は、通常、下記のようにして行うのが好ましい。
まず、二色性染料単独で染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを所定の倍率に延伸して二色性染料を配向した後の偏光素膜の単体透過率が40〜45%になる濃度で、前記の二色性染料で、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを染色し、得られた樹脂フィルムを、次いで、ヨウ素染色を行い、その後所定の倍率に延伸することにより、二色性色素(二色性染料及びヨウ素)を配向させ、上記の単体透過率の値が、0.5〜5%の範囲内で低下するようにヨウ素染色することにより、行うことが出来る。
二色性染料による染色処理は、染料系偏光フィルムを製造する場合の二色性染料での染色処理と同様に、二色性染料を含有する染色液、好ましくは二色性染料を溶解した染色液、の中にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することにより行うことが出来る(以下、染料染色処理とも言う)。二色性染料染色液の溶媒としては水が好ましく、必要に応じて、必要な助剤等が含まれていてもよい。二色性染料の染色液中における染料濃度は、二色性染料単独をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着配向して得られる偏光素膜における単体透過率が40〜45%になる濃度で染色するのが好ましい。染色濃度は、染色条件により変わるので、一概には言えないが、通常、溶媒に対する濃度で、0.5〜5g/L程度が好ましく、より好ましくは1〜4g/L程度である。この二色性染料の濃度は、二色性染料が、複数使用される場合においては、使用された染料の合計における濃度である。
本発明で使用する二色性染料が、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、吸着配向して得られる偏光素膜における単体透過率が40〜45%になるように該二色性染料で染色するには、予め、常法により、該二色性染料をポリビニルアルコール系樹脂フィルムに吸着配向させて、染料系偏光素膜を得、該染料系偏光素膜の単体透過率が40〜45%となる染色液濃度等の染色条件を決め、その条件を用いて染色するのが好ましい。
二色性染料を含有する染色液は、染色助剤等の助剤を、必要に応じて含んでいても良い。染色助剤としては、芒硝、トリポリリン酸ソーダ等の無機塩を挙げることができる。そのときの染色助剤の濃度は通常染色液の総量に対して、0〜0.5質量%程度、場合により、0.01〜0.5質量%程度である。
染料染色処理における染色液の温度は20〜50℃程度、好ましくは20〜40℃程度である。浸漬時間は上記濃度に染色できる時間で有れば支障は無く、10〜500秒程度、好ましくは30〜400秒程度、より好ましくは60〜400秒程度の範囲である。
本発明で使用される二色性染料は、偏光度が高く、耐久性に優れた染料が好ましい。
そのような染料としては、下記の染料を例示することができる。
再公表特許(A1)WO2009/057676に開示されている下記一般式

Figure 2013174786

Figure 2013174786

式中、R1は水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、又はカルボキシル基を示し、R2〜R5は各々独立に、水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、又はアセチルアミノ基を示し、Xは置換基を有しても良いベンゾイルアミノ基、置換基を有しても良いフェニルアミノ基、置換基を有しても良いフェニルアゾ基、又は置換基を有しても良いナフトトリアゾール基であり、mは1又は2、nは0又は1を示す。〕で示されるアゾ化合物又はその塩。
再公表特許(A1)WO2007/145210に開示されている下記一般式
Figure 2013174786
(式中、Aは、置換基を有するフェニル基又は1〜3のスルホン酸基を有するナフチル基を示し、Xは、−N=N−又は−NHCO−を示す。R1〜R4は各々独立に水素原子、低級アルキル基又は低級アルコキシル基を示し、m=1〜3、n=0または1を示す。)で示されるアゾ化合物又はその塩、
再公表特許(A1)WO2006/057214に開示されている下記一般式
Figure 2013174786
式中、R1はスルホン酸基、カルボキシル基または低級アルコキシ基を表し、R2は、スルホン酸基、カルボキシル基、低級アルキル基または低級アルコキシ基を表す。但し、R1、R2がともにスルホン酸基の場合を除く。R3からR6は各々独立に水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシル基、R7、R8は各々独立に水素原子、アミノ基、水酸基、スルホン酸基またはカルボキシル基を表す。〕で表されるトリスアゾ染料。
特開2004-251963に開示されている下記式

Figure 2013174786
(式中、Mは銅、ニッケル、亜鉛及び鉄から選ばれる遷移金属を表し;
A1 は置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよいナフチルを表し;
B1 は置換されていてもよい1−又は2−ナフトール残基を表し、そのナフトールの水酸基はアゾ基の隣接位にあって、Mで表される遷移金属と錯結合しており;
R1 及びR2 はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、アミノ、アシルアミノ、ニトロ又はハロゲンを表す)
で示される含金属ジスアゾ化合物又は下記式

Figure 2013174786

(式中、A2 及びB2 はそれぞれ独立に、置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよいナフチルを表し;
R3 及びR4 はそれぞれ独立に、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、カルボキシル、スルホ、スルファモイル、N−アルキルスルファモイル、アミノ、アシルアミノ、ニトロ又はハロゲンを表し;
mは0又は1を表す)
で表されるトリスアゾ化合物。
その他、例えばシー.アイ.ダイレクト.イエロー12、シー.アイ.ダイレクト.イエロー28、シー.アイ.ダイレクト.イエロー44、C.I.ダイレクト・イエロー142、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ26、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ39、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ71、シー.アイ.ダイレクト.オレンジ107、シー.アイ.ダイレクト.レッド2、シー.アイ.ダイレクト.レッド31、シー.アイ.ダイレクト.レッド79、シー.アイ.ダイレクト.レッド81、C.I.ダイレクト・レッド117、シー.アイ.ダイレクト.レッド247、シー.アイ.ダイレクト.グリーン80、シー.アイ.ダイレクト.グリーン59、C.I.ダイレクト・ブルー1、C.I.ダイレクト・ブルー71、C.I.ダイレクト・ブルー78、C.I.ダイレクト・ブルー168、C.I.ダイレクト・ブルー202、C.I.ダイレクト・バイオレット9、C.I.ダイレクト・バイオレット51、C.I.ダイレクト・オレンジ26、C.I.ダイレクト・オレンジ39、C.I.ダイレクト・オレンジ107、C.I.ダイレクト・ブラウン106、C.I.ダイレクト・ブラウン223等。
市販染料ではKayafect Violet P Liquid(日本化薬株式会社製)、Kayafect Yellow Y及びKayafect Orange G、Kayafect Blue KW及びKayafect Blue F Liquid 400等を挙げることができる。
上記の中で、特に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、単体透過率を少なくとも40%になるように染色配向した時に、偏光度が、少なくとも99%の二色性染料が好ましく、少なくとも99.5%の二色性染料はより好ましく、少なくとも99.9%の二色性染料は更に好ましい。また、耐久性については、該二色性染料で染色された偏光素膜を、温度80℃、湿度90%で、500時間の高温高湿過酷耐久試験で、単体透過率の変化量が最大でも5%程度、好ましくは3%以下、より好ましくは2%以下であるものが好ましい。
本発明における偏光素膜は、通常、平行位の色相がニュートラルグレイの色相の偏光素膜が好ましい。二色性染料としては、上記の染料を1種でも又複数用いてもよい。
本発明において特に好ましい態様としては、下記の(1)〜(3)の染料を少なくとも、それぞれ各1種ずつ含有する場合を挙げることができる。そのようにすることにより、平行位の色相がニュートラルグレイの色相とすることが出来る。
(1)400nm以上500nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料を少なくとも1つ、
(2)500nm以上600nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料を少なくとも1つ、及び
(3)600nm以上700nm以下に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料を少なくとも1つ、
をそれぞれ使用する。
本明細書においては、上記のそれぞれの染料を二色性染料(1)、二色性染料(2)及び二色性染料(3)とも言う。
400nm以上500nm未満にλmax(極大吸収波長)を有する二色性染料(1)としては、例えば、Yellow系又はOrange系の染料のうちλmaxが400nm以上500nm未満である二色性染料が挙げられる。二色性染料(1)に含まれる好ましい市販の二色性染料の例としては、Kayafect Yellow Y及びKayafect Orange G(いずれも日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
500nm以上600nm未満にλmaxを有する二色性染料(2)としては、例えば、Red系又はViolet系の染料のうちλmaxが500nm以上600nm未満である二色性染料が挙げられる。二色性染料(2)に含まれる市販の好ましい二色性染料の例としては、Kayafect Violet P Liquid(日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
600nm以上700nm以下にλmaxを有する二色性染料(3)としては、例えば、Blue系又はGreen系の染料のうちλmaxが600nm以上700nm以下である二色性染料が挙げられる。二色性染料(3)に含まれる市販の好ましい二色性染料の例としては、Kayafect Blue KW及びKayafect Blue F Liquid 400(いずれも日本化薬株式会社製)等が挙げられる。二色性染料(3)として、Blue系の染料及びGreen系の染料をそれぞれ少なくとも一つずつ併用する態様は好ましい態様のひとつである。
特に好ましい態様の一つは、二色性色素(1)及び二色性色素(2)を各一つずつ、二色性染料(3)として、上記2つを用いる態様である。この場合、Blue系の染料とGreen系の染料の使用割合は特に限定は無いが、一つの好ましい範囲として、Green系の染料1質量部に対して、Blue系の染料を、0.5〜3質量部、好ましくは1〜3質量部、より好ましくは1.1〜2質量部の割合である。
使用する二色性染料は、上記二色性染料(1)〜(3)の何れかの同じ群に含まれる染料であっても、個々の染料により吸収波長が異なるので、必要に応じ、同一の群に含まれる染料を複数使用してもよく、例えば上記二色性染料(1)〜(3)群の染料の合計で4〜5種、またはそれ以上の二色性染料を使用しても良い。
染色液における各染料の含有比率は、特に限定されず、得られる偏光素膜の色相がニュートラルグレイにすることが出来る割合であればよい。例えば、一例を挙げると、質量割合で、二色性染料(1):二色性染料(2):二色性染料(3)=0.6〜2.0:0.5〜2.0:2.0〜6.0であるのが好ましく、0.6〜1.6:0.5〜1.5:3.0〜5.0であるのがより好ましく、0.6〜1.4:0.5〜1.4:3.5〜4.5であるのが最も好ましい。また、二色性染料(1)を基準とした場合には該二色性染料(1):二色性染料(2):二色性染料(3)=1:0.2〜4:1〜8、好ましくは、1:0.5〜2:2〜7程度である。各染料の染色液における含有比率を上記の範囲で適宜調整することにより、ニュートラルグレイの偏光素膜としてより好ましい色相及び光学性能を有する偏光素膜が得られる。
本明細書では、「染料の二色性比」と言った場合、その「二色性比」を次の通り定義する。二色性色素として当該染料のみを使用した偏光板を作製し、該偏光板を1枚使用したときの透過率を単体透過率Ts、2枚の該偏光板を吸収軸方向が同一となるように重ねた場合の透過率を平行位透過率Tp 、2枚の該偏光板を吸収軸が直交するように重ねた場合の透過率を直交位透過率Tcとする。それぞれの透過率は、380〜700nmの波長領域で、所定波長間隔dλ(ここでは5nm)おきに分光透過率τλを求め、下記式(1)により算出する。

Figure 2013174786
式中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表し、τλは分光透過率を表す。また偏光度Pyを、平行位透過率Tp及び直交位透過率Tcから、下記式(2)により求める。
Py={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100 式(2)
偏光度Py及び単体透過率Tsから、二色性比Rdを下記式(3)により求める。
Rd=log{Ts/100×(1−Py/100)}/log{Ts/100×(1+Py/100)} 式(3)
本発明の偏光素膜に使用する上記二色性染料(1)〜(3)としては、上記式(3)によって定義される二色性比が、20〜50の範囲、好ましくは25〜45の範囲に含まれる二色性染料が好ましい。
ヨウ素を含むヨウ素染色液での染色処理は、上記のポリビニルアルコール系樹脂フィルムをヨウ素を含む染色液に浸漬することにより行われる(以下、ヨウ素染色処理とも言う)。好ましい態様においては、通常、ヨウ素と共に、ヨウ化物を含む染色液での処理が好ましい。染色液の溶媒は特に限定されないが、水が好ましい。該ヨウ化物としてはヨウ化アルカリ金属化合物、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化コバルト又はヨウ化亜鉛等のヨウ化物を挙げることが出来る。該ヨウ化物としてはヨウ化カリウムを使用することが好ましい。また、ヨウ化カリウムとともに、ヨウ化カリウム以外のヨウ化アルカリ金属化合物、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化コバルト又はヨウ化亜鉛等のヨウ化物を併用することもできる。
本発明の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜を作製する際のヨウ素染色処理においては、前記二色性染料が染色配向された偏光素子の単体透過率を0.5〜5%の範囲内で、低下させる濃度で、ヨウ素が前記樹脂フィルム中に吸着されるように、ヨウ素染色をすることが好ましい。このヨウ素染色により、低下する単体透過率の範囲は、より好ましくは0.8〜3%、更に、好ましくは0.8〜1.5%の範囲である。
ヨウ素染色液のヨウ素及びヨウ化物の濃度、染色液の温度及び浸漬時間等の各処理条件を調整することにより、上記のヨウ素濃度になるように調整するのが好ましい。
上記のヨウ素染色液におけるヨウ素濃度等は予め予備的な実験により容易に決定することができる。
例えば、二色性染料単独が吸着配向された偏光素膜の単体透過率が40〜45%になる濃度で、二色性染料で染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、次いで、適当なヨウ素濃度を有するヨウ素染色液で、所定の温度、所定の時間で染色して、得られたフィルムを所定の倍率に延伸して、得られた偏光素膜の単体透過率を測定して、その単体透過率の値が、上記二色性染料で染色された偏光素膜の単体透過率の値(40〜45%)より、0.5〜5%の範囲内で低下するように、ヨウ素染色液におけるヨウ素濃度を適宜調整することにより、容易にヨウ素染色液における最適ヨウ素濃度を決めることができる。
該染色条件が決まれば、実際の染色は、二色性染料での染色処理、及び、ヨウ素染色処理を同時に行っても、また、上記のように二色性染料での染色処理を先に行い、その後、ヨウ素染色を行った後に、得られたフィルムを延伸して、二色性色素の配向を行ってもよい。
フィルムの延伸処理は、通常、二色性色素での染色処理後に行うのが好ましいが、場合によっては、予め延伸処理したフィルムに、フィルムの緊張を保ったまま、2色性色素での染色処理を行うことも出来る。
ヨウ素及びヨウ化物を含有するヨウ素染色液におけるヨウ素及びヨウ化物(好ましくはヨウ化カリウム)の濃度は、染色液の総量に対して、例えば、ヨウ素が0.01〜0.3質量%、好ましくは0.03〜0.15質量%、ヨウ化物(好ましくはヨウ化カリウム)が0.01〜6質量%、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜3質量%である。
ヨウ素染色液におけるヨウ素濃度と二色性染料染色液における二色性染料濃度との関係は、染色条件等により異なるので一概には言えないが、本発明においては、二色性染料の染色が主体となることから、ヨウ素濃度は、二色性染料濃度より低い方が好ましい。例えば、二色性染料濃度:ヨウ素濃度は、好ましく、1:0.005〜0.5の範囲であり、より好ましくは1:0.05〜0.5の範囲であり、更に好ましくは1:0.1〜0.5の範囲である。
ヨウ素染色処理における染色液の温度は通常20℃〜60℃程度であり、好ましくは25℃〜40℃程度である。浸漬時間は10〜300秒程度の範囲である。
ヨウ素染色液には、更に硬化剤を添加することが好ましい。このときの硬化剤としては、後記する硬化剤処理の項で例示する硬化剤が使用できるが、ホウ酸が好ましい。染色液に硬化剤、好ましくはホウ酸を添加するときの濃度は、0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。
二色性染料と、ヨウ素及びヨウ化物を共に含有する染色液に、上記のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬することにより、染料染色処理とヨウ素染色処理とを同時に行うこともできる。このときの二色性染料及びヨウ素及びヨウ化物の染色液における濃度は上記各染色液と同じでよい。
本発明の偏光素膜の製造においては、2色性染料およびヨウ素の配向のため延伸処理(前記(ii)の工程)が行われる。延伸処理は、染色処理と共に行ってもよい。また、延伸処理は複数回に分けて行われてもよい。また、延伸処理は、場合によっては、膨潤後、染色処理前に行われてもよい。
本発明の好ましい態様においては、偏光素膜の二色性染料とヨウ素およびヨウ化物が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを所定の倍率に延伸(好ましくは一軸延伸)することにより、延伸処理が行われる。延伸処理における延伸方法は、乾式延伸法及び湿式延伸法のいずれでもよいが、湿式延伸法が好ましい。湿式延伸法は、通常、水、水溶性有機溶剤又は水と水溶性有機溶剤との混合溶液等からなる溶液を加熱し、その加熱した溶液中にポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬しながら延伸することにより、行われる。
延伸処理溶液に硬化剤を含有させることにより、延伸処理と同時に硬化剤処理を行ってもよい。延伸処理と同時に硬化剤処理を行う場合の硬化剤としては、次の硬化剤処理の項で例示した硬化剤を使用することができ、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸がより好ましい。このときの延伸処理溶液における硬化剤の含有量は、硬化剤の種類により異なるため一概に言えないが、0.1〜10.0質量%程度であり、好ましくは1.0〜3.0質量%程度である。
延伸処理における処理溶液の温度は30〜60℃程度である。延伸方法としては速度の異なる二つのロールの間で一軸延伸する方法が好ましい。延伸処理により得られるフィルムの、原料フィルムに対する延伸倍率は、2.0〜10.0倍程度であり、好ましくは4.0〜7.0倍である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムへの二色性染料およびヨウ素での染色処理を施した後、硬化剤処理(前記(iii)の工程)を行うのが好ましい。硬化剤処理は、ヨウ素染色処理と同時に、または/および染色処理後、フィルムを硬化剤を含む溶液で処理することを言う。該硬化剤処理としては、染色処理が施されたフィルムを該溶液に浸漬する方法が好ましいが、該溶液を染色処理が施されたフィルムに塗布又は塗工する方法でもよい。浸漬による硬化剤処理は、通常、延伸処理と同時、または延伸処理後に行うのが好ましい。
硬化剤処理に使用する硬化剤としては、例えば、ホウ酸又はその塩(ホウ砂等のアルカリ金属塩、ホウ砂アンモニウム等)等のホウ素化合物、グリオキザール又はグルタルアルデヒド等の多価アルデヒド、ビウレット型、イソシアヌレート型又はブロック型等の多価イソシアネート化合物、チタニウムオキシサルフェイト等のチタニウム化合物、エチレングリコールグリシジルエーテル及びポリアミドエピクロルヒドリン等を用いることができる。通常、ホウ素化合物が好ましく、ホウ酸はより好ましい。硬化剤処理溶液の溶媒は水、水溶性有機溶媒又はそれらの混合溶媒等を用いることができるが、水が好ましい。
硬化剤処理溶液の硬化剤濃度は、硬化剤の種類により異なるため一概には言えないが、通常0.1〜10質量%、好ましくは1〜6質量%程度であり、例えばホウ酸では、0.1〜6.0質量%程度が好ましい。硬化剤処理の処理温度は10〜60℃が好ましく、30〜60℃がより好ましい。処理時間は30秒〜6分が好ましく、1〜5分がより好ましい。
本発明の好ましい態様においては、硬化剤処理および延伸処理をホウ酸水溶液中で行うため、ホウ酸をポリビニルアルコール系樹脂フィルム中に含有する。このときの偏光素膜中のホウ酸含有量は、得られた偏光素膜を純水中で加熱して完全に溶解させ、フェノールフタレイン指示薬を添加し、水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定することによって求めることができる。
本発明の偏光素膜におけるホウ酸含有量は、5〜40質量%であり、より好ましくは13〜25質量%である。偏光素膜中のホウ酸含有量は、上記延伸処理又は硬化剤処理における溶液の濃度・浸漬時間・溶液温度・延伸倍率をそれぞれ変えることで調整できる。
染色処理及び延伸処理を施したポリビニルアルコール系樹脂フィルムには、必要に応じて補色処理(前記(iv)の工程)が施される。本発明の偏光素膜の製造においては、補色処理を施すのが好ましい。補色処理は、前記(i)染色処理および前記(ii)延伸処理の施されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、ヨウ化カリウム水溶液へ浸漬することにより行われる。補色処理に使用するヨウ化カリウム水溶液としては、ヨウ化カリウムを0.1〜10質量%、好ましくは1.0〜6.0質量%の濃度で含有する水溶液が用いられる。補色処理の際のヨウ化カリウム水溶液の温度は通常10〜70℃程度、好ましくは20℃〜40℃程度であり、浸漬時間は5〜300秒程度、好ましくは5〜100秒程度であり、場合により、5秒〜30秒程度でもよい。補色処理を行うことにより、偏光素膜中のヨウ素イオンの状態が安定化し、色相変化を生じにくくさせる効果がある。
これら(i)染色処理、(ii)延伸処理、(iii)硬化剤処理、及び、(iv)補色処理の各工程の後、必要に応じて、フィルム表面に析出した染料や硬化剤、又は付着した異物等を取り除く目的でフィルム表面の洗浄を行ってもよい。通常は水で洗浄することが好ましく、洗浄液の温度は10〜60℃程度、洗浄時間は1秒〜5分程度である。洗浄は必要に応じて1回又は複数回行ってよい。
延伸処理が施された偏光素膜は、必要に応じて補色処理及び洗浄を行った後、乾燥処理が行われる。乾燥処理における乾燥温度は、通常30〜70℃程度であり、好ましくは40〜65℃程度である。乾燥時間は10〜500秒程度であり、好ましくは60〜350秒程度である。
得られた偏光素膜の厚さは、10μm〜40μm程度が好ましく、13μm〜30μmはより好ましく、15μm〜30μmは更に好ましい。最も好ましくは19μm〜25μmである。
偏光素膜及び偏光板の光学性能、例えば透過率及び偏光度等は、分光光度計(例えば、日本分光株式会社製V−7100及び株式会社日立製作所製U−4100等)により測定することができる。
上記のようにして得られた本発明の偏光素膜により、高偏光性能であり、かつ、高温条件下及び高温高湿条件下における光学性能の耐久性に優れた偏光板を実現することができる。とくに、ヨウ素系偏光板の課題である、高温高湿条件での光学性能の低下が少ない偏光板を得ることができる。
上記のようにして得られた本発明の好ましい偏光素膜においては、例えば、耐久試験前の、単体透過率が38%より大きく44%以下、好ましくは39%以上で44%以下、より好ましくは40%以上で44%以下であり、偏光度が少なくとも99.9であり、コントラストは少なくとも3000、好ましくは少なくとも4000、より好ましくは、少なくとも5000、更に好ましくは少なくとも6000である。温度80℃および湿度90%の条件下500時間の高温高湿耐久試験後においても、後記する色差(ΔE)が、単体の場合、1以下であり、直交の場合においても、2以下である。また、偏光度の変化量も1%以下、好ましくは0.5%以下、単体透過率の変化量も1%以内と小さい。従って、上記の高温高湿耐久試験後においても、好ましい本発明の偏光素膜は、単体透過率が少なくとも38%、好ましくは少なくとも39%、更に好ましくは少なくとも40%であり、偏光度も、少なくとも99、好ましくは少なくとも99.5という高い偏光度を維持している。なお、上記の偏光素膜の光学性能は、何れも、偏光素膜を、偏光板として用いて、得られた値である。
なお、本発明の偏光素膜の製造方法は、必ずしも上記記載の順序に従う製造方法に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、延伸処理を、二色性染料を含む染色液及びヨウ素およびヨウ化物を含む染色液による染色処理の後に行う方法に限らず、染色処理の前に行っても良いし、また、染色処理と同時に行っても良い。
硬化剤処理を、二色性染料による染色処理、ヨウ素およびヨウ化物を含む染色液による染色処理または延伸処理と同時に行う場合、硬化剤含有溶液の硬化剤濃度を、前記の範囲よりも高くしても良いし、浸漬時間を前記の範囲よりも長くしてもよい。
また本発明の偏光素膜の製造方法においては、例えば延伸処理を複数回に分けて行うこととしても良いし、硬化剤処理を複数回行うこととしても良い。
本発明の偏光素膜の好ましい製造方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムに対して、記載順に、膨潤処理、二色性染料を含有する染色液による染色処理、ヨウ素及びヨウ化物を含有する染色液による染色処理、延伸処理、補色処理、及び、乾燥処理を施すことによって、本発明の偏光素膜を製造する方法が挙げられ、該延伸処理をホウ酸含有水溶液中で行う場合、より好ましい。
本発明の偏光板は、前記のようにして得られた本発明の偏光素膜の少なくとも片面に、保護フィルムを貼り合わせて透明保護層を形成することにより製造される。ここで、保護フィルムは、偏光素膜の耐水性や取り扱い性の向上等を目的として付加されるものであり、その形成には適宜な透明物質を用いることができる。保護フィルムの原料としては、特に、透明性や機械的強度、熱安定性や水分遮断性等に優れる樹脂等が好ましく用いられる。
保護フィルムの一例としては、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びアクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、及び、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系及びシリコーン系等の熱硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂等から得られるフィルムが挙げられる。上記ポリオレフィン系樹脂としては、非晶性ポリオレフィン系樹脂であって、ノルボルネンまたは多環状ノルボルネン系モノマーのような環状ポリオレフィンの重合単位を有する樹脂が挙げられる。保護フィルムを貼り合わせる代わりに、本発明の偏光素膜の少なくとも片面に、上記樹脂の何れかを塗布することにより、透明保護層を形成してもよい。
本発明の偏光板に使用する好ましい保護フィルムとしては、アセテート系樹脂からなるフィルムが挙げられ、好ましくはトリアセチルセルロース(TAC)からなるフィルムが挙げられる。
また、透明保護層に用いられる透明保護フィルムは、本発明の効果を損なわない限り、ハードコート処理や反射防止処理、スティッキングの防止や拡散ないしアンチグレア等を目的とした処理等を施したものであっても良い。本発明の偏光素膜の少なくとも片面に、透明保護フィルムの積層又は樹脂の塗布により透明保護層を形成した後、これらの処理を行っても良い。透明保護フィルムの膜厚は0.5〜200μm程度である。
本発明の偏光素膜に保護フィルムを接着剤で貼り合わせた後、適当な温度で乾燥もしくは熱処理を施すことにより、本発明の偏光板を得ることができる。
本発明の偏光素膜と保護フィルムとの接着処理に使用する接着剤としては、特に限定されるものではないが、例えばビニルアルコール系ポリマーからなる接着剤、あるいはホウ酸やホウ砂、グルタルアルデヒドやメラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤からなる接着剤、透明性の良好なエポキシ樹脂、ポリエステル系樹脂、酢酸ビニル等の溶剤型接着剤、またはアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の重合反応により硬化し得る接着性樹脂等を使用することができる。本発明の偏光板を作製する際はポリビニルアルコール系接着剤を用いるのが好ましい。
本発明の偏光板は、他の光学材料からなる光学層に積層して光学部材として用いることもできる。例えば、本発明の偏光板に、反射板、半透過反射板、位相差板(1/2波長板、1/4波長板等のλ板も含む)、視野角補償フィルム又は輝度向上フィルム等の、液晶表示装置等の形成に用いられる適宜な光学材料を1層または2層以上積層することにより、本発明の光学部材とすることができる。
本発明の光学部材の具体例としては、本発明の偏光板に、更に反射板または半透過反射板が積層されてなる反射型偏光板または半透過反射偏光板、同じく本発明の偏光板に、更に位相差板が積層されてなる楕円偏光板または円偏光板、本発明の偏光板に、更に視野角補償フィルムが積層されてなる偏光板、あるいは、本発明の偏光板に更に輝度向上フィルムが積層されてなる偏光板等が挙げられる。
また、本発明の偏光板及び本発明の偏光板を用いた種々の光学部材は、液晶表示装置等の各種装置に好ましく用いることができる。例えば、本発明の偏光板を液晶セルの片側または両側に配置して、反射型、透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置を製造することができる。この場合、液晶表示装置を構成する液晶セルは任意であり、例えば薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動式のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等の適宜なタイプの液晶セルを用いたものであって良い。
また、液晶セルの両側に本発明の偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。更に、液晶表示装置の製造に際しては、例えばプリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適宜な部品を適宜な位置に1層または2層以上配置することもできる。
本発明の偏光板を液晶表示装置の部材として使用する場合には、該偏光板の片側または両側に液晶セル等の他部材と接着するための粘着層を形成することもできる。その粘着層の形成には、適宜な粘着性物質や粘着材を用いることができ、特に限定はない。それらの例としては、アクリル系重合体、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系ポリマー、ゴム系ポリマー等の適宜なポリマーをベースポリマーとするもの等が挙げられる。
本発明の偏光板は、ツイストネマチック方式(TN)、スーパーツイストネマチック方式(STN)、薄膜トランジスタ方式(TFT)、バーティカルアライメント方式(VA)、インプレーンスイッチング方式(IPS)等の液晶表示装置全般で使用することが出来る。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例における偏光板の透過率及び偏光度の評価は下記のようにして行った。
偏光素膜の両面に保護フィルムをラミネートして得られた偏光板を作製し、該偏光板を1枚使用したときの透過率を単体透過率Ts、2枚の該偏光板を吸収軸方向が同一となるように重ねた場合の透過率を平行位透過率Tp、2枚の該偏光板を吸収軸が直交するように重ねた場合の透過率を直交位透過率Tcとした。それぞれの透過率は、380〜700nmの波長領域で、所定波長間隔dλ(ここでは5nm)おきに分光透過率τλを求め、下記式(1)により算出した。

Figure 2013174786
式中、Pλは標準光(C光源)の分光分布を表し、yλは2度視野等色関数を表す。分光透過率τλは、分光光度計(株式会社日立製作所製、製品名U−4100)を用いて測定した。
偏光度Pyは、平行位透過率Tp及び直交位透過率Tcから、下記式(2)により求めた。
Py={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100 式(2)
実施例1(本発明のハイブリッド偏光板)
ポリビニルアルコール樹脂製フィルム(株式会社クラレ製、重合度5500、ケン化度99.8モル%以上、厚さ40μm)を30℃の水中で膨潤させた。二色性染料(1)としてOrange系二色性染料(λmax=460nm、二色性比39.4)を0.47g/L(w/v)、二色性染料(2)としてRed系二色性染料(λmax=520nm、二色性比38.8)を0.42g/L(w/v)、二色性染料(3)として、Blue系二色性染料(λmax=600nm、二色性比40.8)及びGreen系二色性染料(λmax=660nm、二色性比29.7)をそれぞれ1.07g/L(w/v)及び0.67g/L(w/v)含有し、更に、芒硝及びトリポリリン酸ソーダをそれぞれ1.0g/L(w/v)含有する35℃の染色液に、膨潤させたフィルムを5分間浸漬し、染料染色処理を行った。その後、ホウ酸2.0質量%、ヨウ素0.07質量%、ヨウ化カリウム0.7質量%を含む30℃の水溶液に、得られたフィルムを2分間浸漬し、ヨウ素染色処理を行った。次いで58℃の2.5質量%ホウ酸水溶液中で、得られたフィルムを2分間かけて6倍に一軸延伸することにより、延伸処理を行い、フィルム中の二色性色素を配向させた。得られた延伸フィルムを25℃の水で1分間水洗した後、25℃の5質量%ヨウ化カリウム水溶液中に1分間浸し、次いで、60℃の空気中で3分間乾燥して、本発明の偏光素膜を得た。得られた偏光素膜の厚さは20μmであった。偏光素膜中のホウ酸濃度を中和滴定法で求めたところ、偏光素膜内のホウ酸含有量は18.0質量%であった。
得られた偏光素膜の両面にTACフィルム(富士フイルム株式会社製、厚さ80μm)をポリビニルアルコール系接着剤(日本合成化学工業株式会社製、商品名ゴーセノール)にてラミネートした後、70℃で乾燥して本発明の偏光板を得た。この偏光板は単体透過率が41.4%、偏光度が99.98であった。
また、コントラストは、6512と、高ヨウ素偏光板並の高いコントラストであった。
なお、上記において、ヨウ素染色工程を行わないこと以外は全く同様にして作成した染料系偏光板の単体透過率は42.5%であったことから、ヨウ素染色による単体透過率の低下(ヨウ素吸収率)は1.1%であった。
比較例1
二色性色素として、実施例1で使用した二色性染料のみを含有し、ヨウ素及びヨウ化物を含有しない偏光素膜及び偏光板を、実施例1のヨウ素染色工程を行わないこと、及び光学性能の比較のため偏光板の当初の単体透過率が、実施例1の偏光板とほぼ等しくなるよう2色性染料での染色条件を調整したこと以外は、実施例1に準じて、作製した。
得られた比較用の偏光板の単体透過率は41.2%、偏光度は99.90であった。
試験例
上記実施例および比較例において得られた本発明の偏光板および比較用偏光板を、それぞれ粘着剤(綜研化学株式会社製、商品名SKダイン)を介してガラス基板(白板ガラス)に貼合して測定試料を作製した。作製した試料を高温高湿条件(80℃90%RH)の環境条件下に500時間放置し、放置前後における各試料の単体透過率及び偏光度の変化を測定することによって、偏光板の耐久性を評価した。
耐久性試験前後の単体透過率及び偏光度を、分光光度計(株式会社日立製作所製、製品名U−4100)により、下記の条件で測定した。
測定波長:380〜780nm
計算範囲:380〜700nm
測定条件:スキャン速度600nm/min
実施例1及び比較例1の偏光板につき、耐久性試験前後の透過光の色味の変化を、色差ΔEを指標として、定量的に評価した。耐久性試験前後において、偏光板の透過光につき、Lab表色系で表現される明度L及び色度a及びbを、分光光度計(株式会社日立製作所製、製品名U−4100)を用いて測定した。耐久性試験前後の色差ΔEは、明度L及び色度a及びbの試験前後の変化量をΔL、Δa及びΔbとして、下記の式より計算される。
ΔE=[(ΔL)+(Δa)+(Δb)1/2
上記式から判るように、試験前後で透明性が劣化(透過率が低下)すれば、ΔLが大きくなり、ΔEは大きくなる。また、試験前後で透過光の色相が変化すれば、ΔaやΔbが大きくなり、やはりΔEは大きくなる。よって色差ΔEは、偏光板の透過光の色味変化、すなわち耐久性を正しく反映する。試験前後において、偏光膜を1枚使用したときの色差と、2枚の偏光板を吸収軸が直交するように重ねたときの色差を、実施例1と比較例1の偏光板のそれぞれについて測定、算出した。
高温高湿条件(80℃、90%RH、500hr)での耐久性試験の結果を単体透過率については表1に、また、色差(ΔE)に付いては、表2に示す。
また、該耐久試験後の偏光度の変化量は、実施例1及び比較例1共に、0.3%以下と、何れも小さいものであった。
表1 単体透過率
Figure 2013174786
表2 色差
Figure 2013174786
表2において、「ΔE(単体)」は、偏光素膜を1枚使用した偏光板での色差を表し、「ΔE(直交)」は、偏光素膜2枚を、それぞれ偏光板として、吸収軸が直交するように重ねたときの色差を表す。
表1および表2に示すように、本発明の偏光板は、初期光学性能が、単体透過率41.35%において、偏光度が99.99%と高コントラストのヨウ素偏光板と同程度の性能を有し、かつ、温度80℃、湿度90%という高温高湿条件下に500時間放置した場合であっても、単体透過率の変化量は0.35%と低く、単体透過率41%を保持し、且つ、偏光度の変化量も0.30%と低く、偏光度も99.68%と、優れた光学性能を維持している。一方、二色性染料のみで染色した偏光板では、初期光学性能が、単体透過率41.14%で、偏光度が99.90%と、単体透過率および偏光度の両者の点で、本発明の光学性能より劣っている。しかも、本発明の偏光板は、温度80℃、湿度90%という高温高湿条件下に500時間放置した後であっても、単体透過率の変化量が1%未満であり、色再現性等に支障をきたさない範囲であり、偏光度の変化量も0.30%と、小さく支障をきたさない範囲にとどまっている。一方、比較例1では、偏光度の変化量は0.04と小さいが、単体透過率の変化量が1.43%と、1%を超える変化量を示し、単体透過率が39.71%と下がるため、色再現性に支障をきたすおそれがある。
また、表2から明らかなように、本発明の偏光板は、温度80℃、湿度90%という高温高湿条件下に500時間放置した後であっても、色差の変化がΔE(単体)で0.49、ΔE(直交)で0.91と少なく、比較例1に対して、ΔE(単体)で約63%、ΔE(直交)で約59%も変化量を抑えることができた。このことから、本発明の偏光板は、高温高湿条件下で長時間放置した後であっても、色味の変化量が少なく、製造直後の透過光の色味を維持することがわかる。
以上から、本発明の偏光板は、初期光学性能が極めて優れると共に、高温高湿の過酷条件下での耐久試験後においても、単体透過率および偏光度共に、それらの変化量は小さく、尚且つ、透過光の色味の変化が小さく、優れた光学耐久性を有し、高光学性能が維持される。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、二色性染料を主体として、補助的にヨウ素を用いて、二色性染料およびヨウ素で染色して、配向した本発明の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜およびそれを用いた偏光板は、初期光学性能をハイコントラストレベルにでき、且つ、高温高湿条件下においても良好な光学耐久性を有し、温度80℃、湿度90%という高温高湿に500時間という長時間曝した後においても、コントラスト値も高く、優れた光学性能を維持できる。従って、本発明のハイブリッド偏光素膜又は偏光板は過酷な条件下で使用され、高耐久性を要求される液晶表示装置用の偏光素膜又は偏光板として非常に有用である。

Claims (17)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光素膜中に、二色性色素として
    (i)二色性染料と
    (ii)ヨウ素、
    の両者を吸着配向しており、
    該樹脂フィルム中の該二色染料の染色濃度が、該二色性染料のみを吸着配向した偏光素膜の単体透過率が40〜45%になる濃度であり、フィルム中のヨウ素の染色濃度が、該二色性染料のみを吸着配向した偏光素膜の上記の単体透過率を、0.5〜5%の範囲で低下させる濃度であり、かつ、平行位の色相がニュートラルグレーである染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜
  2. 二色性染料として、
    (i)下記(1)〜(3)
    (1)400nm以上500nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
    (2)500nm以上600nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、及び、
    (3)600nm以上700nm以下に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
    の各染料を、それぞれ少なくとも一種ずつ、含有する請求項1に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
  3. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性染料およびヨウ素を含む染色液で染色するか、または、二色性染料を含む染色液およびヨウ素を含む染色液の両者で染色配向することにより得られた請求項1又は2に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
  4. 二色性染料を含む染色液における各染料の含有比率が、質量割合で、二色性染料(1):二色性染料(2):二色性染料(3)=0.6〜2:0.5〜2:2〜6である請求項2〜3の何れか一項に記載の偏光素膜。
  5. 二色性染料の染色液における二色性染料の濃度が、0.5〜5g/Lである請求項1〜4の何れか一項に記載の偏光素膜。
  6. ヨウ素を含む染色液におけるヨウ素濃度が、染色液の総量に対して0.01〜0.3質量%である請求項1〜5の何れか一項に記載の偏光素膜。
  7. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムからなる偏光素膜中に
    (i)二色性染料と
    (ii)ヨウ素、
    の両者を吸着配向しており、
    該二色性色素の吸着を、二色性染料濃度:ヨウ素濃度が1:0.005〜0.5の範囲内にある染色液で行うことにより得られた染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜。
  8. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性染料を含有する染色液で染色した後、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する染色液で染色することにより得られた請求項1〜7の何れか一項に記載の偏光素膜。
  9. ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する染色液のヨウ素およびヨウ化カリウムの濃度が、染色液の総量に対して、それぞれ、0.03〜0.15質量%および0.05〜6質量%である請求項7に記載の偏光素膜。
  10. 耐久試験前の、単体透過率が38%より大きく44%以下であり、偏光度が99%より大きく、温度80℃、および湿度90%の条件下500時間の高温高湿耐久試験後、該試験前後における、単体での色差が1以下、偏光度の変化量が1%以下で、かつ、該試験後における偏光素膜の単体透過率が少なくとも38%で、偏光度が少なくとも99%である請求項1〜9の何れか一項に記載の偏光素膜。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の偏光素膜の少なくとも片面に保護フィルム又は支持体が貼合された偏光板。
  12. 請求項11に記載の偏光板を備えた液晶表示装置。
  13. 請求項11に記載の偏光板を貼合した光学部材。
  14. ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性染料およびヨウ素を含む染色液で染色するか、または、二色性染料を含む染色液およびヨウ素を含む染色液の両者で染色し、フィルム中の該二色性染料の染色濃度が、該二色性染料のみを吸着配向した偏光素膜の単体透過率が40〜45%になる濃度であり、フィルム中のヨウ素の染色濃度が、該二色性染料のみを吸着配向した偏光素膜の単体透過率を、0.5〜5%の範囲で低下させる濃度である染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
  15. 染色液における、二色性染料濃度とヨウ素濃度の比率(質量濃度の比率)が、二色性染料濃度を基準として、1:0.005〜0.5である請求項14に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
  16. 得られた偏光素膜の耐久試験前の、単体透過率が38%より大きく44%以下であり、偏光度が少なくとも99.9であり、温度80℃および湿度90%の条件下500時間の高温高湿耐久試験後、該試験前後における、単体での色差が1以下、偏光度の変化量が1%以下で、かつ、該試験後における偏光素膜の単体透過率が少なくとも38%で、偏光度が少なくとも99%である請求項14又は15に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
  17. 二色性染料として、
    (i)下記(1)〜(3)の二色性染料、
    (1)400nm以上500nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
    (2)500nm以上600nm未満に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、及び、
    (3)600nm以上700nm以下に極大吸収波長(λmax)を有する二色性染料、
    のそれぞれを、少なくとも1つずつ、およびヨウ素を含む染色液で染色するか、または、
    (ii)上記(1)〜(3)に記載の二色性染料の、それぞれ少なくとも1つずつ、合計少なくとも3種の二色性染料を含む染色液およびヨウ素を含む染色液の両者で染色する、
    平行位の色相がニュートラルグレーである請求項14〜16のいずれか一項に記載の染料−ヨウ素ハイブリッド偏光素膜の製造方法。
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