JP2013174466A - 心線対照方法及び心線対照装置 - Google Patents

心線対照方法及び心線対照装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、HAFのような曲げ損失特性改善光ファイバであっても作業現場において任意の心線を見つけることができる心線対照方法及び心線対照装置を提供することである。
【解決手段】心線対照装置301は、可視光光源11と、特定対象光ファイバ99を2次以上の高次モードで伝搬するように可視光光源11からの可視光を特定対象光ファイバ99へ入射する高次モード励振器12と、所望の位置で特定対象光ファイバ99に曲げを形成して可視光を特定対象光ファイバ99から漏洩させる検出器13と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、光伝送システムにおける光ファイバ心線の対照技術に関する。
光線路の建設、保守工事において、任意の光ファイバ心線を確認するために、作業現場において任意の光ファイバ心線を見つけることができることが必要となる。そのため、心線対照器は光ファイバ中を伝搬する光の一部を取り出して、その光ファイバが所望の光ファイバであるかを確認できるため、広く用いられている。光ファイバ中の伝搬光の一部を取り出すには、一般的に光ファイバに曲げを与える方法が用いられる。例えば、特許文献1では、心線対照器は光ファイバ中に曲げ部を形成し、曲げ部から漏洩する光を受光することによって、その光ファイバに光が伝搬しているかどうかを判別する。
特許第3407812号
近年、曲げ損失特性が改善された様々な構造の光ファイバの実用化が進展している。特に従来のシングルモード光ファイバと同等のコアと複数の空孔をクラッド内に有するホールアシストファイバ(HAF)は、極端に小さな曲げ損失を実現したものである。このため、HAFのような曲げ損失特性改善光ファイバの場合、曲げ部を形成しても、従来の心線対照に用いる波長では漏洩する光がほとんどないため、従来の心線対照器では対応が困難という課題があった。
本発明は、上記課題を解消するためになされたものであり、その目的は、HAFのような曲げ損失特性改善光ファイバであっても作業現場において任意の心線を見つけることができる心線対照方法及び心線対照装置を提供することにある。
本発明の心線対照方法および装置では、心線対照の特定対象光ファイバが曲げ損失特性改善光ファイバであっても心線対照に適した曲げ損失が生じる第2の高次モード、または、これよりもさらに高次のモードで伝搬している波長400nm〜800nmの可視光を用いることによって課題を解決する。
本発明に係る心線対照方法は、可視光を特定対象光ファイバへ入射して2次以上の高次モードで伝搬させ、所望の位置で前記特定対象光ファイバに曲げ部を形成して前記可視光を前記特定対象光ファイバから漏洩させて前記所望の位置で前記特定対象光ファイバを特定する。
前記心線対照方法を実施する心線対照装置は、可視光光源と、特定対象光ファイバを2次以上の高次モードで伝搬するように前記可視光光源からの可視光を前記特定対象光ファイバへ入射する高次モード励振器と、所望の位置で前記特定対象光ファイバに曲げ部を形成して前記可視光を前記特定対象光ファイバから漏洩させる検出器と、を備える。
心線対照光に波長400nm〜800nmの可視光を第2の高次モード、または更に高次の伝搬モードとして用いることで、曲げ損失特性改善光ファイバにおいても曲げ損失を生じさせることができる。従って、本発明は、HAFのような曲げ損失特性改善光ファイバであっても作業現場において任意の心線を見つけることができる心線対照方法及び心線対照装置を提供することができる。
本発明に係る心線対照方法及び心線対照装置は、前記可視光の波長が400nm以上800nm以下、好ましくは500nm以上800nm以下であることを特徴とする。当該波長では、より大きな曲げ損失を得ることができ、心線対照作業が容易にできる。
本発明に係る心線対照方法及び心線対照装置は、可視光を高次の伝搬モードで曲げ損失特性改善光ファイバに伝搬させるために、前記高次モード励振器が、屈折率を周期的に変化させる変調用光ファイバを有し、可視光を前記特定対象光ファイバへ入射前に前記変調用光ファイバを経由させる。
この場合、前記変調用光ファイバに与える屈折率の変化の周期Λが次式で与えられることを特徴とする。
[式A]
Λ=λ/(n01−n
ただし、λは可視光の波長、n01は特定対象光ファイバにおける基本モードの実効屈折率、nは特定対象光ファイバにおける高次モードの実効屈折率である。
本発明に係る心線対照方法及び心線対照装置は、可視光を高次の伝搬モードで曲げ損失特性改善光ファイバに伝搬させるために、前記高次モード励振器が、前記特定対象光ファイバとコア中心とをずらして接続したシングルモードファイバを有し、前記可視光光源からの可視光を前記シングルモードファイバから前記特定対象光ファイバへ入射するとしてもよい。
この場合、前記シングルモードファイバのコア中心と前記特定対象光ファイバのコア中心とのずれ量が1μm以上6μm以下である。
本発明に係る心線対照装置の前記検出器が形成する前記曲げ部は、曲げ直径が4mm〜20mmの範囲であることを特徴とする。曲げ部において曲げ損失特性改善光ファイバにこの範囲の曲げを与えることで心線対照作業が容易にできる。
本発明は、HAFのような曲げ損失特性改善光ファイバであっても作業現場において任意の心線を見つけることができる心線対照方法及び心線対照装置を提供することができる。
本発明に係る心線対照装置を説明する図である。 本発明に係る心線対照装置において、HAFの曲げ損失の波長特性を白色光源によって測定した結果を説明する図である。 本発明に係る心線対照装置において、HAFのモードごとに曲げ損失の計算評価を行った結果を説明する図である。 本発明に係る心線対照装置において、HAFのモードごとの曲げ損失と曲げ直径の関係を説明する図である。 本発明に係る心線対照装置のうち、高次モード励振器がシングルモードファイバと特定対象光ファイバとをコア中心軸をずらして接続したタイプを説明する図である。 本発明に係る心線対照装置の高次モード励振器が軸ずれを利用するタイプである場合のSMFとHAFとの接続を説明する図である。(a)軸をずらしてSMFとHAFとを接続した場合であり、(b)は軸をずらさずにSMFとHAFとを接続した場合である。 本発明に係る心線対照装置のうち、高次モード励振器がシングルモードファイバと特定対象光ファイバとをコア中心軸をずらして接続したタイプである場合において、軸ずれ励振させた場合とセンター励振させた場合の総合損失を説明する図である。 本発明に係る心線対照方法において、目視による漏洩光の検出を行う際、バンドパスフィルタを使用した効果を説明する図である。 本発明に係る心線対照装置のうち、高次モード励振器が応力付加部で変調用光ファイバの屈折率を周期的に変化させるタイプを説明する図である。 本発明に係る心線対照装置のうち、高次モード励振器が応力付加部で変調用光ファイバの屈折率を周期的に変化させるタイプである場合において、モード変換に必要なグレーティング周期の一例を説明する図である。 本発明に係る応力付加部においてグレーティング周期を微調整する方法を説明する図である。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
図1は、本実施形態の心線対照装置301を説明する図である。心線対照装置301は、可視光光源11と、特定対象光ファイバ99を2次以上の高次モードで伝搬するように可視光光源11からの可視光を特定対象光ファイバ99へ入射する高次モード励振器12と、所望の位置で特定対象光ファイバ99に曲げを形成して可視光を特定対象光ファイバ99から漏洩させる検出器13と、を備える。
可視光光源11は、波長が400nm以上800nm以下、好ましくは500nm以上800nm以下の可視光を出力する。
高次モード励振器12は、図1に示すように2タイプある。(A)一つの高次モード励振器12は、屈折率を周期的に変化させる変調用光ファイバ21を有し、可視光を特定対象光ファイバ99へ入射前に変調用光ファイバ21を経由させるタイプである。応力付加部25で変調用光ファイバ21の屈折率を周期的に変化させることで、第2高次モード、又はより高次なモードを励振し特定対象光ファイバ99に入射することができる。図1では、屈折率を周期的に変化させる方法として応力付加による方法を示しているが、一般的に用いられる紫外線照射による長周期グレーティングや、加熱処理によって形成される長周期グレーティングを用いることも可能である。
(B)他の高次モード励振器12は、特定対象光ファイバ99とコア中心とをずらして接続したシングルモードファイバ22を有し、可視光光源11からの可視光をシングルモードファイバ(SMF)22から特定対象光ファイバ99へ入射するタイプである。SMF22と特定対象光ファイバ99とをコア中心軸をずらして接続することで、第2高次モード、又はより高次なモードを励振し特定対象光ファイバ99に入射することができる。
検出器13は、特定対象光ファイバ99に適切な径で曲げを付与する等の光波を漏洩させる手段による漏洩部51を用いて心線対照光を漏洩させる。検出器13は、この漏洩光を受光器を用いることにより検出する、もしくは肉眼での目視で確認することを可能とする。
このように、心線対照装置301は、可視光を特定対象光ファイバ99へ入射して2次以上の高次モードで伝搬させ、所望の位置で特定対象光ファイバ99に曲げを形成して可視光を特定対象光ファイバ99から漏洩させて所望の位置で特定対象光ファイバ99を特定する心線対照を行うことが可能となる。
なお、屈折率を周期的に変化させて第2高次モード、又はより高次なモードを励振する方法の場合、原理的には漏洩部51の直前の位置において特定対象光ファイバ99に応力を付与する構成も考えられるが、一般に光ファイバコードは、数層の被覆材やケプラ等の緩衝材によって保護されているため、応力がコード内の光ファイバ心線に伝わらないことから、高次モードを励振することができないため不適当である。このため、心線対照装置301は、可視光光源11と特定対象光ファイバ99との間の位置において、被覆材などにより保護されていない変調用光ファイバ21に応力付加部25を設置している。
続いて、特定対象光ファイバ99がHAFコードである場合の実施例を説明する。
使用したHAFは汎用のSMFと同等のサイズのゲルマニウムをドープされたコアと、コアの周囲に直径9μm程度の6個の空孔を有している。図2にHAFの曲げ損失の波長特性を白色光源によって測定した結果を示す。ここでは、被測定HAF心線に対して、曲げ直径4、10、20mmで1巻きの曲げを与えている。図2より、曲げ直径が10mm以上、波長が1200nmより長い時は、曲げ損失は0.1dB以下になることがわかる。この特性により、従来の心線対照方法で用いていた波長1650nmの光の場合には、漏洩光を検知することが困難になる。一方、曲げ直径が20mmより小さい場合は、600〜700nmの可視光領域でブロードな損失増加が現れており、これは、この波長域の高次モード光の曲げ損失が観測されているものである。従って、検出器13が形成する曲げは、曲げ直径が4mm〜20mmの範囲が望ましい。
より具体的に高次モード光の効果を明らかにするために、図3に、本構造のHAFのモード(基本モードLP01、第1高次モードLP11、第2高次モードLP21および第3高次モードLP02)ごとに曲げ損失の計算評価を行った結果を示す。図3より、第2高次モードと第3高次モードの曲げ損失の値には、ほとんど差が現れないことがわかる。基本モードLP01の結果から、通信光として用いられる波長域(1300〜1600nm)において、直径10mmで1巻きの曲げを与えても、LP01の曲げによる損失がすべての波長域で10−3dB以下に留まり、曲げによる影響をほとんど受けないことが分かる。それに対して、波長400nm〜800nmの可視光領域では、曲げ損失の大きいLP21・LP02モードが存在するので、LP21・LP02モードの曲げ損失による漏洩光の検知が可能である。図3より、曲げ直径10mmの時に、波長650nmにおいて、LP21・LP02モードの曲げ損失は0.6dBになる。0.6dBの曲げ損失は、典型的には45dB程度の結合損失(=光源の出力パワー−検出された漏洩光のパワー)に対応するため、この値は心線対照作業に十分適した曲げ損失値である。
ここで、LP21・LP02モードで、650nm付近において曲げ損失のピークが得られる理由を概説する。SMFファイバの様な弱導波路の場合、短波長側になるほど伝搬モードの曲げ損失は小さくなる特性がある。一方、HAFの場合は、コア部分の屈折率差と空孔構造の両方の効果によって光を閉じ込める特性がある。空孔による閉じ込め効果は短波長側ほど弱くなるため、650nm付近で曲げ損失のピークが得られるためである。
この曲げ損失のピークが得られる波長は、空孔の配置構造によって若干は変化するものの、それほど大きくは変化しないため、可視光領域においては高次モード光を用いた心線対照の有効性は、本構造のHAFに限定されず、HAF全般に対して適用できる。このため、心線対照作業は、可視光の波長が400nm以上800nm以下、好ましくは500nm以上800nm以下であることが望ましい。
心線対照装置301は、高次モード励振器12で発生させた高次モードを、漏洩部51まで通常の使用条件で伝搬させる必要がある。つまり、心線対照作業の通常の使用条件では、心線対照に使う高次モードの曲げ損失が十分に小さいことが望ましい。図4に、使用したHAFのモードごとの曲げ損失と曲げ直径の関係を示す。通常の使用条件の曲げ直径が30mm以上であると仮定すると、一巻き当たりのLP21及びLP02モードの曲げ損失は10−5dB以下であり、曲げ直径が15mm以上であると仮定すると、曲げ損失は10−3dB以下になる。これらの値は実用上、十分に小さく、LP21及びLP02モード光が漏洩部51まで低損失で伝搬することが可能である。また、これらの曲げ損失値はHAFの構造によって若干の変化は生じるものの、心線対照に使用する波長を可視光波長の範囲内で調整することで対応できる。以上の結果は、心線対照装置301がHAFコードの心線対照が実現できることを示している。
図5は、心線対照装置301のうち、高次モード励振器12がシングルモードファイバ22と特定対象光ファイバ99とをコア中心軸をずらして接続したタイプのものを説明する図である。図5の心線対照装置301を用いて、上記の高次モードLP21及びLP02モードを高次モード励振器12で高効率に発生させて、心線対照を行った評価結果の一例を図7に示す。可視光光源11は、波長650nmのレーザであり、漏洩部51の曲げ直径は10mmの1回巻きとした。ただしこれに限定されず、図2の白色光源を用いた際の曲げ損失の測定結果を考慮すると、曲げ直径の範囲は4〜20mm程度の範囲内から適宜選ぶことが好適となる。
結合損失(=光源の出力パワー−検出された漏洩光のパワー)を尺度として、心線対照の性能を評価した結果を図7に示す。ここで、「センター励振」とは、高次モード励振部12を用いずに特定対象光ファイバ99であるHAFコードのコア中心に可視光を入力した場合(図6(b))であり、「軸ずれ励振」とは、図5の高次モード励振部12のように、汎用のSMF22を特定対象光ファイバ99のHAFコードのコア中心からずらして接続し、HAFのコア中心からずれた位置に可視光を入力した場合(図6(a))である。図7の横軸は、心線対照の検出位置(図5参照)である。図7より「軸ずれ励振」の値は、「センター励振」に比べ、結合損失が10dB程度小さいことがわかる。よって、検出器13は、高次モード励振部12を用いない「センター励振」よりも10dB程度低い結合損失(10倍程度高い効率)で漏洩光を受光できることがわかる。典型的には、汎用SMF22とHAFの中心のずれ量(軸ずれ量)が1〜6μmの範囲の場合に、このような大きな改善効果が得られた。これは、LP21及びLP02モードが高効率で励振されたためであることは、光パワーのフィールド形状の測定からも確認された。図7の結果から、特定対象光ファイバ99のHAFコードが50mの長さであっても心線対照が十分に可能であることが分かる。
肉眼で可視光を検知することが可能な漏洩光の下限値は、−40dBm程度である。また、図6に示したような軸ずれの位置で可視光を入力して対照を行い、図7の結果が得られた。従って、例えば出力0dBm(1mW)の光源を用いれば、漏洩部に高価な受光器を用いなくても、作業者の肉眼によって心線対照が可能になる。上記の肉眼での対照の下限閾値はあくまで目安であって、周囲の照明条件などにも依存して変化する。漏洩光のパワーが肉眼での対照可能な下限閾値近傍である場合は、可視光を一定の時間間隔で点滅させたり、周囲の環境光の波長の光を遮断し、対照光を透過するようなフィルタを装備した眼鏡やゴーグルを作業者が着用したりすることにより、より確実に肉眼で検知することが可能となる。
図8に、直接肉眼で検知することが困難である場合の対策として、バンドパスフィルタを用いた一例を示す。被測定光ファイバコードに波長650nmの心線対照光を入射させ、光ファイバコードから−50dBm付近の漏洩光が検出されているような場合、バンドパスフィルタなしでは被対照ファイバコードの目視での判別が非常に困難になる。この時に、図8のように、例えば、中心波長650nm半値幅10nmのバンドパスフィルタを使用すれば漏洩光を目視で確認することが可能になる。図8中の「対照光あり」の光ファイバには約−50dBmのパワーの漏洩光が検出される条件で可視光を伝搬させており、比較として「対照光なし」の光ファイバには上記以外の条件(漏洩光を検出できない条件)で光を伝搬させたものである。この2本の光ファイバをバンドパスフィルタを通して撮影したものである。
図9は、心線対照装置301のうち、高次モード励振器12が応力付加部25で変調用光ファイバ21の屈折率を周期的に変化させるタイプを説明する図である。ここでは一例として、応力を付与することで実現する長周期グレーティングの設計と作製方法について示す。
図9を用いて、長周期グレーティングを用いた高次モード励振方法を示す。心線対照装置301は特定対象光ファイバ99に可視光(波長400〜800nm)の入射を行う。可視光光源11と特定対象光ファイバ99の間に変調用光ファイバ21を挿入し、周期的な溝を掘った金属あるいは突起を有する金属31などの剛体を適切な応力で変調用光ファイバ21に押し付ける。周期的な応力付加によって、変調用光ファイバ21に屈折率の変化が生じて長周期グレーティングが形成される。このグレーティング周期を以下に述べるように適切に選ぶことで、基本モード(LP01)を第2の高次モード、またはより高次なモードへ変換することが可能となる。これらの高次モードは、図3に示したとおり曲げ損失が大きいため、後段の漏洩部51において多くの漏洩光が生じ、その漏洩光を受光部等で検出することにより心線対照が可能となる。なお既に述べたように、光ファイバコードの状態では、複数層の被覆材などが応力を緩和してしまうため不適切であることから、応力を付与する変調用光ファイバ21は、被覆材等に覆われていない光ファイバ素線の状態で使用することが望ましい。
一方、グレーティング周期Λと使用波長λの関係は、式1、式2で与えられる。
LP21モードへ変換する場合:Λ=λ/(n01−n21) (式1)
LP02モードへ変換する場合:Λ=λ/(n01−n02) (式2)
ここでn01、n21、n02は、それぞれLP01モード、LP21及びLP02モードの実効屈折率である。なお、さらに高次のモードの場合でもグレーティング周期Λと使用波長λの関係は、式3で与えられる。
Λ=λ/(n01−n) (式3)
ここで、nは、高次のモードの実効屈折率である。
図10に、式1、式2から求めた、基本モードLP01から高次モードLP21とLP02モードへ変換するために必要なグレーティング周期の一例を示す。光源から出射された可視光を素線状態の変調用光ファイバ21に入射し、式1、式2から求めた周期で応力を変調用光ファイバ21に付加する。適切な強さの応力付加によって長周期グレーティングが形成され、入射光が効率良くLP21モードとLP02モードへ変換される。図9より、可視光の波長範囲(400〜800nm)では、グレーティングの屈折率変化の周期を201〜235μmの範囲に設定することで、基本モードLP01を、LP21とLP02モードへ高い効率で変換することができることがわかる。
なお、変調用光ファイバ21の光ファイバ素線に対して応力を付加する際に、図11のように周期的な溝を掘った金属又は直線状の突起を有する金属31などの剛体の向きを、溝又は直線状の突起がファイバ素線に垂直になる方向に設置した状態から傾けて設置してもよい。この傾き角度θ(ファイバ素線と溝又は突起と成す角度)を調整することで、実効的に剛体がファイバ素線と接触する周期、即ち応力付加の周期を調整することが可能である。例えば、図11(a)は、θ=90°でΛ=dとなる(dは溝又は突起の周期)。図11(b)はθ=θexでΛ=d/sinθexである。これによりグレーティング周期Λが最適値から若干ずれているような場合も、この調整方法によって変換(励振)効率を最大に調整することが可能となる。また、グレーティング周期Λを一定値とせず、長手方向に少しずつ変化させチャープ型グレーティングとして、適用可能な対照光光源の波長を拡げることも可能である。一方、長周期グレーティングの作製方法は、応力付加による方法に限定されるものではなく、周期的な紫外線照射や、周期的な熱処理によって作製することが可能である。これらの周期の設定についても、式1、式2を用いて同様に決定し、作製することが可能である。
(効果)
本発明の心線対照方法および心線対照装置は、従来の長波長の基本伝搬モード光を用いる心線対照方法では困難であった曲げ損失特性が改善された光ファイバ心線であっても、心線対照が可能となる。
また、対照光として短波長の可視光を用いる本発明では、光ファイバを曲げてもおよそ1300〜1600nm程度の波長の通信信号光に影響を与えることなく心線対照が可能となる。
さらに本発明では単に対照光として可視光を用いるだけに留まらず、その中に含まれる第2高次モードもしくはさらに高次のモードを積極的に励振し、被測定対照の心線に入射する。この高次モードの励振の効果によって、単に可視光を入射した場合に比べて、漏洩する可視光の強度が大幅に増大するため、心線対照器等の光学的な機器により漏洩光を検出しなくても、光ファイバコードを湾曲させるのみで、肉眼で検知可能な漏洩光を得ることにより心線対照が可能となる。この高次モードの励振の効果によって、光ファイバコードで異常な曲げが生じている箇所において目視で検知が可能な漏洩光確認できるため、光設備の保守作業における作業の確実性、容易性を大幅に向上させると共に経済性にも大きく寄与する。
本発明は、光線路の建設および保守作業時の光ファイバコード心線の特定に利用する。
11:可視光光源
12:高次モード励振器
13:検出器
21:変調用光ファイバ
22:シングルモードファイバ(SMF)
25:応力付加部
26:軸ずれ部
31:金属
51:漏洩部
99:特定対象光ファイバ
301:心線対照装置

Claims (13)

  1. 可視光を特定対象光ファイバへ入射して2次以上の高次モードで伝搬させ、所望の位置で前記特定対象光ファイバに曲げ部を形成して前記可視光を前記特定対象光ファイバから漏洩させて前記所望の位置で前記特定対象光ファイバを特定する心線対照方法。
  2. 前記可視光の波長が400nm以上800nm以下、好ましくは500nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の心線対照方法。
  3. 可視光を前記特定対象光ファイバへ入射前に、変調用光ファイバに周期的な屈折率の変化を与えた前記変調用光ファイバを経由させることを特徴とする請求項1又は2に記載の心線対照方法。
  4. 前記変調用光ファイバに与える屈折率の変化の周期Λが次式で与えられることを特徴とする請求項3に記載の心線対照方法。
    [式A]
    Λ=λ/(n01−n
    ただし、λは可視光の波長、n01は特定対象光ファイバにおける基本モードの実効屈折率、nは特定対象光ファイバにおける高次モードの実効屈折率である。
  5. シングルモードファイバのコア中心と前記特定対象光ファイバのコア中心とをずらして接続し、前記シングルモードファイバから前記特定対象光ファイバへ可視光を入射することを特徴とする請求項1又は2に記載の心線対照方法。
  6. 前記シングルモードファイバのコア中心と前記特定対象光ファイバのコア中心とのずれ量が1μm以上6μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の心線対照方法。
  7. 可視光光源と、
    特定対象光ファイバを2次以上の高次モードで伝搬するように前記可視光光源からの可視光を前記特定対象光ファイバへ入射する高次モード励振器と、
    所望の位置で前記特定対象光ファイバに曲げ部を形成して前記可視光を前記特定対象光ファイバから漏洩させる検出器と、
    を備える心線対照装置。
  8. 前記可視光光源は、波長が400nm以上800nm以下、好ましくは500nm以上800nm以下の可視光を出力することを特徴とする請求項7に記載の心線対象装置。
  9. 前記高次モード励振器は、屈折率を周期的に変化させる変調用光ファイバを有し、可視光を前記特定対象光ファイバへ入射前に前記変調用光ファイバを経由させることを特徴とする請求項7又は8に記載の心線対象装置。
  10. 前記高次モード励振器は、前記変調用光ファイバに式Aで与えられる周期Λで屈折率を変化させることを特徴とする請求項9に記載の心線対照装置。
  11. 前記高次モード励振器は、前記特定対象光ファイバとコア中心とをずらして接続したシングルモードファイバを有し、前記可視光光源からの可視光を前記シングルモードファイバから前記特定対象光ファイバへ入射することを特徴とする請求項7又は8に記載の心線対照装置。
  12. 前記高次モード励振器は、前記シングルモードファイバのコア中心と前記特定対象光ファイバのコア中心とのずれ量が1μm以上6μm以下であることを特徴とする請求項11に記載の心線対照装置。
  13. 前記検出器が形成する前記曲げ部は、曲げ直径が4mm〜20mmの範囲であることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の心線対照装置。
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