JP2013173657A - ドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法 - Google Patents

ドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリカ質程度に熱伝導率を低くしながらエネルギーコストも抑え、耐熱性を損ねることなく、かつ、高温温度域における強度を向上させた耐火物となるドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法を提供する。
【解決手段】耐火骨材と焼結助剤とから構成されるドライラミング材であって、前記耐火骨材が、シリカ骨材を90〜99質量%、マグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1種以上の骨材を1〜10質量%、含有し、かつ前記シリカ骨材として、溶融シリカ粒子と天然シリカ粒子とを併用することを特徴とするドライラミング材。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法に係り、特に、高温使用時の強度を向上させたドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法に関する。
ランマーで突き固める耐火物を基本的にラミング材(ランマー施工を行う材料の意)と総称するが、これには大別して2つのタイプがある。まず、コールタールピッチのような結合液を含み施工後に常温下である程度の強度を示すラミング材をウェット(湿式)ラミング材といい、一方、湿り気が全くなく結合液を含まないため常温下での強度が低いラミング材がドライ(乾式)ラミング材という。
ドライラミング材の利点は、ウェットラミング材と比較して施工が非常に容易でかつ高い充填密度が得られる点が挙げられる。すなわち、乾燥した粒から構成される材料であるため、突いたり振動を加えたりしたときの流動性が良好で空隙部分に充填しやすい。一方、ウェットラミング材は骨材が集まって塊ができやすいため、充填不良が起こり易い。
このようなドライラミング材の主な用途は電気誘導加熱炉(以下、加熱炉と称す)の材料である。この加熱炉を形成するには、まず、炉殻との間に必要なライニング厚み(ルツボ炉ではライニング厚として、100mm〜150mmが多い)の間隙を設定して炉の内側に金枠を設置し、その間隙にドライラミング材を投入しながら、金枠を振動モーターで揺するか、あるいは投入材を、振動子をとりつけたつき棒でつき固めて充填させていく。充填時、成型体の強度が不十分なため、金枠を加熱してドライラミング材(成型体)の中に含まれる焼結助剤(例えば、ホウ酸など)の熔融によって焼結させる等して、結合強度を十分に持たせる。
上記金枠の加熱による焼結は、誘導炉を用いた電気誘導加熱(以下、誘導加熱と称す)により行われる。誘導加熱とは、炉壁の外周に配したコイルに電流を流して電場を生じさせコイル内部の金属に抵抗熱を発生させる加熱方法である。この加熱の際、コイルには大量の電流が流れるため、炉壁付近において通電性の物質を存在させるのは避けなければならない。しかし、ドライラミング材は水分を含まないため、コイルに流れる電流がショートする心配がなく、安心して焼成作業により誘導炉の形成ができる。
ただし、このとき、炉内から炉壁に向けて温度勾配が発生する。すなわち、炉内では処理金属が発熱して高温となっているが、炉壁側では外部に熱を逃がさないように周囲を水冷構造によって冷却している。したがって、高温の炉内側においてドライラミング材は焼結して十分な強度をもつが、炉壁側では焼結される温度まで上昇せず、粉体構成物が密集した状態に過ぎず、強度が出ないため、炉壁を取り去ることはできない。
ドライラミング材を焼結した後、金枠を除いて誘導炉とする。金枠は、焼結後、熔融する温度まで加熱してドライラミング材(成型体)で形成した耐火物内(誘導加熱炉内)に熔解させ、最初の処理金属として処理してもよい。
このドライラミング材の他の利点としては導電性の低さが挙げられる。上記のように得られた誘導炉は内部に対象金属を載置し、この金属に磁場をかけることで電流を流してその抵抗熱で金属そのものを加熱し熔解する。そのため、接触する耐火物に水分が含まれると、そこに電流が流れショートするおそれがある。ドライラミング材にはもとから水分が含まれないため、そのおそれがない。
この誘導炉の耐火物に求められる特性は、主なものとして、操業的側面と構造的側面の2面から検討される。
操業的側面からは、操業時、炉内の処理金属を熔解してから、その金属が炉内を対流する際の磨耗に対する強度が求められる。ここでいう摩耗に対する強度は、耐火物の圧縮強さと相関を有し、圧縮強さが大きいほど処理金属の対流への耐摩耗性が高い。
また、構造的側面からは、上記ドライラミング材による誘導炉の形成において、耐火物自身の膨張による外周への圧迫が求められる。これは、焼成して形成された耐火物を拘束するのは炉壁だけであり、さらに焼成した耐火物と炉壁との間には粉体構成物が密集しただけの構成となっているため、収縮した場合は支えを失ってしまうからであり、最悪の場合は崩れてしまう。ただし、操業時においては、耐火物を構成する酸化物は高温では膨張するために問題となることは少ない。問題となるのは停止時において膨張(以下、残存膨張ともいう)しているかどうかである。本明細書において、残存膨張があるかどうかは、高温から室温まで冷却したときの線変化率を測定し、残存膨張を示すかどうかで判断する。
上述のように耐用を向上させるには、直接的には耐火物の強度を上げなければならないが、従来は次の2つの方法により改善してきた。
まず、1つの方法としては、焼結助剤を増量する方法である。焼結助剤は耐火骨材を低融点化させ焼結を促進する役割があるもので、その添加量が増えれば、それだけ焼結が促進され強度が上がる(特許文献1参照)。
別の方法としては、骨材の強度を上げる方法である。現実的に、強度とコストのバランスを考慮すると、シリカ→ムライト→アルミナ、マグネシアという順に選択され、これは骨材自体の強度が高くなっていく順番でもあり、並列的に記載したアルミナとマグネシアは用途によって使い分けられる。
特公昭59−6368
しかしながら、特許文献1の方法は、焼結助剤は600℃程度といった低温域での焼結を主眼としており、低温域での液相化を促進するということは、耐熱性そのものを下げることになり、結果として、金属を溶融させる1600℃付近の使用温度域においては耐熱性が不十分となるおそれがある。
また、上記した骨材による強度の改善で説明した、骨材の選択の順番はそのまま熱伝導率が大きくなる順番とも重なり、強度が高くなっても熱伝導率が大きいと所定温度の加熱状態を維持するために余計に外部からエネルギーを与えなければならない。したがって、骨材の強度を上げる方法では使用温度域でのエネルギーコストが増大していく問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、シリカ質程度に熱伝導率を低くしながらエネルギーコストも抑え、耐熱性を損ねることなく、かつ、高温温度域における強度を向上させた耐火物となるドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法の提供を目的とする。
本発明のドライラミング材は、耐火骨材と焼結助剤とから構成されるドライラミング材であって、前記耐火骨材が、シリカ骨材を90〜99質量%、マグネシア骨材、アルミナ骨材及びアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1種以上の骨材を1〜10質量%、含有し、かつ前記シリカ骨材として、溶融シリカ粒子と天然シリカ粒子とを併用することを特徴とする。
このドライラミング材において、マグネシア骨材と、アルミナ骨材及び/又はアルミナ−シリカ骨材とを併用することが強度を改善する点で好ましい。
また、本発明の耐火物の製造方法は、上記したドライラミング材を、炉壁と型枠の間に充填する工程と、充填した前記ドライラミング材を、電気誘導加熱により加熱して、焼結させる工程と、を有することを特徴とする。
本発明のドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法によれば、炉の使用温度域において、強度に優れ、かつ、エネルギーコストの点でも優れた耐火物を提供できる。
主骨材をシリカ骨材とし、そこに、マグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1種以上の骨材を少量添加することで、エネルギーコストを低く抑えながら施工後の耐火物の耐熱性および高温使用温度域での十分な強度を有し、高温使用温度域での耐用を向上できる。また、シリカ骨材として、溶融シリカ粒子と天然シリカ粒子とを併用するため、残存膨張特性を有しながら、熱的安定性にも優れる。
例1〜4の配合量と圧縮強さとの関係を示した図である。 例1〜4の配合量と線変化率との関係を示した図である。 例5,6の配合量と圧縮強さとの関係を示した図である。 例5,6の配合量と線変化率との関係を示した図である。 例7,8の配合量と圧縮強さとの関係を示した図である。 例7,8の配合量と線変化率との関係を示した図である。 例9,10の配合量と圧縮強さとの関係を示した図である。 例9,10の配合量と線変化率との関係を示した図である。
以下、本発明のドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法について、詳細に説明する。
まず、本発明のドライラミング材は、耐火骨材と焼結助剤とを基本構成としてなり、耐火骨材としては、シリカ骨材を主骨材とし、それ以外にマグネシア骨材、アルミナ骨材またはアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1以上の骨材を併用したものである。なお、マグネシア骨材、アルミナ骨材またはアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1以上の骨材とは、1種類の骨材を使用する場合には、マグネシア骨材、アルミナ骨材またはアルミナ−シリカ骨材の内のいずれかの場合である。2種類の骨材を使用する場合は、マグネシア骨材およびアルミナ骨材、マグネシア骨材およびアルミナ−シリカ骨材、またはアルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材のいずれかの場合である。3種類の骨材を使用する場合は、マグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材の3骨材を使用する場合である。
以下、本発明で用いる耐火骨材および焼結助剤について説明する。
本発明で用いるシリカ骨材は、従来ドライラミング材に用いられているシリカ骨材であればよい。このシリカ骨材を主成分とすることで、このドライラミング材を焼結した耐火物の熱伝導率を低く抑えることができるため、エネルギーコストの観点からは好ましい配合である。
ここで用いられるシリカ骨材は、化学成分としてSiO:98質量%以上とその他工業的に含まれる不可避的な不純物からなることが好ましい。これ以上の不純物が含まれると、本発明が求めている使用温度域(〜1600℃)での耐熱性が低下してしまうおそれがあるためである。シリカ骨材のSiOの純度は高いほど好ましく、99質量%以上であることがより好ましい。
このシリカ骨材としては、本発明では、溶融シリカ粒子と天然シリカ粒子とを併用する。ここで、溶融シリカ粒子とは、非晶質のシリカガラスからなる、人工的に溶融して製造される粒子であり、熱的な安定性に優れるが残存膨張特性が乏しい。一方、天然シリカ粒子とは、SiOを95質量%以上、その他を5質量%未満含み、主に石英を主体とする天然物を粉砕等で粒子状にしたもので、残存膨張性を示す特長がある。反面、熱に対して形状が変化しやすいので熱的な安定性は乏しい。本発明において、溶融シリカ粒子と天然シリカ粒子とを併用するのは、ドライラミング材として、残存膨張性特性を有しながら、かつ、熱的安定性を有するようにするためである。
溶融シリカ粒子と天然シリカ粒子との配合割合は特に制約はなく、求める製品特性によって選択すればよい。一般に、溶融シリカは熱膨張性が低く、天然シリカは熱膨張性が高いため、製品の熱的安定性を求める場合には溶融シリカの比率を上げ、製品の膨張性を高めたい場合には天然シリカの比率を上げればよい。
配合割合としては、質量基準で、溶融シリカ粒子:天然シリカ粒子=1:9〜9:1であると好ましく、溶融シリカ粒子:天然シリカ粒子=2:8〜8:2であるとより好ましく、溶融シリカ粒子:天然シリカ粒子=3:7〜7:3であると特に好ましい。
また、シリカ骨材の粒度構成には特に制約はないが、充填性を考慮すると、原料を例えば、5〜3mm、3〜1mm、1〜0.1mm、0.1mm未満のような粒度群に分類し、それらの配合割合を都度選択する方法をとることが好ましい。このうち、粒度が1〜5mmのものは構造体の骨格を形成するのでシリカ骨材全体中、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が特に好ましい。ただし、シリカ骨材同士が焼結するためには細かい粒が必要となるので、粒度が1〜5mmのものがシリカ骨材全体中、70質量%以下にするのが好ましく、60質量%以下にするのがより好ましく、50質量%以下とするのが特に好ましい。本明細書において、粒度は、JIS R2552(1997)法で測定した値をいうものとする。すなわち、所定の目開きの篩を使用して測定する。
また、シリカ骨材の平均粒径の上限としては、入手性、原価などの点からJIS R2552にしたがって篩分けして算出した平均粒径が3mm未満であると好ましく、1.5mm未満であるとより好ましく、一方、平均粒径の下限としては0.6mm以上であると好ましく、1mm以上であるとより好ましい。なお、本明細書において、平均粒径は、500μm以下の場合は、レーザー回折式測定機で測定した値をいうが、500μmを超える場合には、測定精度が落ちるので、篩分け(JIS R2552)により算出した値をいうものとする。
本発明においては、耐火骨材として、このシリカ骨材を主骨材として用いるもので、耐火骨材全体に対して、シリカ骨材を90〜99質量%含有して構成される。
そして、本発明においては、上記シリカ骨材と併用する耐火骨材として、マグネシア骨材、アルミナ骨材(代表的なものとして、アルミナビーズ)またはアルミナ−シリカ骨材が挙げられ、これらの少なくとも一つの骨材を耐火骨材全体に対して、1〜10質量%含有させるものである。これらマグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材については、以下に説明する。
本発明で用いるマグネシア骨材は、従来ドライラミング材に用いられているマグネシア骨材であればよく、化学成分としては、MgO:94質量%以上とその他工業的に含まれる不可避的な不純物からなるものであれば好ましい。
このマグネシア骨材は、使用温度域である1200℃〜1650℃というような高い温度範囲における耐火物の強度向上に寄与している。マグネシア骨材は1200℃付近から、接触するシリカ骨材と固相状態で化合物を作り、1543℃で初めて部分的に液相化し1695℃に至るまで完全に液相化しない。したがって、上記のような使用温度域でのシリカ骨材同士の結合を強化し、ひいては耐火物自体の強度を向上できるものと考えられる。
無水ホウ酸などの焼結助剤は、耐火骨材の焼結を促進する効果を有し、この効果は焼結温度域での液相化の促進によるものであり、この焼結助剤は、耐火骨材と反応して融点を400〜800℃に下げる働きを有するものである。ところが、このような焼結助剤は、高温度域での強度を向上させる効果は実質的にはない。
また、マグネシア骨材は上記したように使用温度域では一部液相化することはあるが、完全に液相化せず、そのため、耐火物の耐熱性低下を抑制する効果も奏する。
なお、このとき、マグネシア骨材はシリカ骨材を効率よくつなげるためにシリカ骨材の粒界に入り込まなければならない。そのため、マグネシア骨材の平均粒径は、600μm以下が好ましく、マグネシア骨材の平均粒径は、300μm以下であるとより好ましい。
一方、マグネシア骨材の平均粒径は、凝集を防止する観点から5μm以上が好ましく、10μm以上であるとより好ましい。マグネシア骨材の平均粒径が15μm以上であると特に、好ましい。なお、本明細書において、平均粒径は、特に断りのない限りレーザー回折式粒度分布測定装置によって測定した値をいう。
本発明においてアルミナ骨材とは、Alを90質量%以上SiOを1質量%未満含む骨材をいう。アルミナ骨材の具体的な例としては、破砕して製造されたものを含まない表面が比較的滑らかな粒子状の骨材であって、例えば、Al;95質量%以上とその他工業的に含まれる不可避的な不純物からなる高純度のアルミナ骨材などが挙げられる。
このアルミナ骨材の製造方法としては、特に制限されないが、上記含有量となるように調合された原料をアーク電気炉などで溶解し出湯時に高速のエアー等で細粒化する方法(以下、溶融法と称す)や調整された原料を噴霧粒子化し、焼結する方法、などが具体的な製造方法として挙げられる。中でも、溶融法は製造コストの面で有利であるため好ましい。また、溶融法で得られたアルミナ骨材は、焼結クリンカーまたは電融クリンカーの塊から破砕により得られたアルミナ骨材より、耐熱性に優れるため好ましい。これは、溶融法で得られたアルミナ骨材粒子が、粒子表面に凹凸がほとんどなく、球形に近い滑らかな表面を有するのに対して、上記の破砕により得られたアルミナ骨材は、表面に破砕により生成した凹凸が多くあるため、反応性が高くなっているために耐熱性が低下するためと考えられる。
また、こうした溶融法と同等の利点をもつものとして造粒法で作られた骨材もある。造粒法とは、上記含有量となるように調整された粉末原料を混合して、顆粒を成形し、焼成して骨材を作る方法をいう。ただし、造粒法が原料の調整後に骨材となるのに顆粒の成形と焼成の二段階の工程を要するのに対し、溶融法は原料の調整後に一つの工程で骨材となるため、コストの面では溶融法が望ましい。
本製造方法として溶融法を採用する場合、調整済みの原料を溶解する溶融炉の形式としては、特に制限されないが、バーナー、電気抵抗、アーク、コークス等の加熱形式によるものが挙げられる。特に、アーク形式では、比較的容易に高温が得られ、溶融物の均質性も高く、しかも炉の設備が簡単で操作性に優れるなどの利点があるため好ましい。
また、アルミナ骨材の最大粒径は、3.35mm未満が好ましく、1.4mm未満であるとより好ましい。これはマグネシア骨材ほどシリカ骨材と接する必要がないためである。アルミナ骨材の平均粒径は、骨材として構造を強化する役割の点から、アルミナ骨材の平均粒径は、骨材として構造を強化する役割の点から80μm以上が好ましく、90μm以上であるとより好ましい。アルミナ骨材の平均粒径が95μm以上であると特に、好ましい。一方、アルミナ骨材の平均粒径の上限としては、入手性、原価などの点からJIS R2552にしたがって篩分けして算出した平均粒径が2mm未満であると好ましく、1mm未満であるとより好ましく、0.6mm未満であると特に好ましい。
本発明において、アルミナ−シリカ骨材とは、化学成分としてAlおよびSiOを主成分とした骨材であって、少なくともSiOを1質量%以上含み、結晶相がコランダムであり、結晶相以外に非晶質相を含んだものをいう。ここで、骨材中の化学成分における「主成分」とは骨材粒子中にAlおよびSiOの2成分が合量で95質量%以上含んでいることをいう。
なお、上記アルミナ−シリカ骨材は、骨材粒子中にAl:90〜99質量%、SiO:1〜9質量%含み、両成分の合量が95質量%以上であると、極めて耐火度の高い骨材粒子となり好適であり、その合量が97質量%以上であるとより好ましい。
このアルミナ−シリカ骨材において、Al含有量が90質量%未満であると、耐熱性が不充分となるおそれがあり好ましくない。このアルミナ−シリカ骨材においてAl含有量が95質量%以上であると耐熱性の点で好ましく、Al含有量が97質量%以上であると特に好ましい。
一方、このアルミナ−シリカ骨材において、Al含有量が99質量%を超えると、その分、SiOを含有する効果がなくなるおそれがあり好ましくない。すなわち、SiO含有量が1質量%未満であると、組織を構成している非晶質相の量が減少し骨材粒子の強度が低下するおそれがあり好ましくない。
このアルミナ−シリカ骨材は、結晶相としては、基本的にアルミナからなるコランダムであって、実質的にムライト結晶(アルミナシリケート化合物)を含まないことが好ましい。ムライト結晶を含まないと、充分な耐熱性および熱伝導性が得られる。
本明細書において、結晶相が基本的にコランダムである(実質的にムライト結晶を含まない)とは、X線回折測定により、明瞭なムライト結晶のピークが観察されないか、仮にピークが観察されたとしても主ピークの強度を100としたときの相対強度が5以下であることを意味する。
また、このアルミナ−シリカ骨材は、コランダム結晶相以外に非晶質相を含む。非晶質相の存在は、X線回折装置により、非晶質特有なブロードな反射が見られることにより確認される。また、組織的にはSiOを1〜9質量%含有しているにもかかわらず、SiOを含む結晶鉱物が確認されないことによってもSiOが非晶質相として存在していることが推測される。
この非晶質相は高温における温度変動によるコランダムの熱膨張を伴う体積変化を吸収する役目を負っている。この非晶質相の量は、多いほど繰り返しの熱履歴を受けても粒子が亀裂で破壊しないが、多すぎると今度は耐火度が低下してしまうか、または、望ましくないムライト結晶相が生成するおそれがある。
このアルミナ−シリカ骨材粒子中の非晶質相比率は10質量%以下であることが好ましく、理想的には5質量%以下、さらには3質量%以下が望ましい。3質量%まで非晶質相が減少してくると、使用後の粒子に亀裂が入ることがあるが、高い耐熱性を得る場合にはやむを得ない場合もある。ここで、非晶質相比率とは、光学顕微鏡の視野内に無作為に選び出した50個〜200個の粒子を配置して、その中の透明なものを非晶質粒子としてその数を数えて、次のように計算した値である。
(非晶質相比率)=(非晶質粒子の数)÷(視野内全ての粒子の数)×100
アルミナ−シリカ骨材において、TiOおよびFe成分は、骨材粒子中にできるだけ含まない方がよく、TiO成分とFe成分の合量(TiO+Fe;以下、TF合量と略す)が0〜0.5質量%であると、TiO成分およびFe成分が、SiO成分およびAl成分との間で低融点の化合物をほとんど生成せず、骨材粒子の耐熱性の低下および、使用時の骨材粒子同士の焼結などの問題点が発生しないため好ましい。本骨材粒子において、TF合量が0.3質量%以下であるとより好ましく、TF合量が0.1質量%以下であるとさらに好ましい。
また、アルミナ−シリカ骨材の最大粒径は3.35mm未満が好ましく、1.4mm未満であるとより好ましい。アルミナ−シリカ骨材の平均粒径は、骨材として構造を強化する役割の点から80μm以上が好ましく、90μm以上であるとより好ましい。アルミナ−シリカ骨材の平均粒径が95μm以上であると特に、好ましい。一方、アルミナ−シリカ骨材の平均粒径の上限としては、入手性、原価などの点からJIS R2552にしたがって篩分けして算出した平均粒径が2mm未満であると好ましく、1mm未満であるとより好ましく、0.6mm未満であると特に好ましい。
上記したマグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1以上の骨材は、これらのうち少なくとも1つが耐火骨材全体に対して、1〜10質量%含有される。これらマグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材は、それぞれ単独でシリカ骨材と混合して使用してもよいが、これら骨材を2種以上併用してシリカ骨材に混合することが好ましい。
マグネシア骨材とアルミナ骨材および/またはアルミナ−シリカ骨材の併用によってシリカ骨材にマグネシア骨材を単独に入れる場合に比べて強度改善効果がさらに増すため好ましい。これは、アルミナ骨材および/またはアルミナ−シリカ骨材の添加により高温の使用温度域での焼結性が促進され、耐火骨材中のシリカ骨材含有量を大きく減らす必要がない。例えば、耐火骨材中、シリカ骨材:90質量%、マグネシア骨材:10質量%添加した場合における耐火物の強度と同一の強度を得るためには、耐火骨材粒子中、シリカ骨材:95質量%、マグネシア骨材:1.5質量%、アルミナ骨材3.5質量%にすることで達成できる。これによって、熱伝導率の低いシリカ骨材量を十分に確保できる。
すなわち、マグネシア骨材、アルミナ骨材またはアルミナ−シリカ骨材のいずれの原料も、シリカ骨材に比べて熱伝導率を大きく上げてしまうため、上記のシリカ骨材量を確保できる効果は大きい。例えば、耐火骨材が、シリカ骨材のみで構成される場合の1000℃における計算熱伝導率が1.4W/(m・K)であるのに対して、耐火骨材が、シリカ骨材90質量%、マグネシア骨材10質量%の場合では1.7W/(m・K)まで上がる。マグネシア骨材10質量%を、マグネシア骨材1.5質量%とアルミナ骨材3.5質量%の合計5質量%に変更した場合、すなわち、耐火骨材がシリカ骨材95質量%、マグネシア骨材1.5質量%、アルミナ骨材3.5質量%の場合、熱伝導率が1.5W/(m・K)とシリカ骨材100%の場合と同程度に抑制できる。
上記したマグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材(以下、アルミナ骨材とアルミナ−シリカ骨材とを合せてアルミナ系骨材とも称す)を混合使用する場合には、その混合割合は、マグネシア骨材:アルミナ系骨材が20:80〜80:20が好ましく、20:80〜50:50がより好ましく、35:65〜45:55が特に好ましい。このように混合すると圧縮強度と熱伝導率のバランスが改善する。上記のとおり、マグネシア骨材とアルミナ系骨材の合量に対して、アルミナ系骨材を50質量%以上(すなわち、マグネシア骨材を50質量%以下)含有させるのが好ましく、マグネシア骨材を50質量%未満とマグネシア骨材よりもアルミナ系骨材を多く配合することがより好ましく、マグネシア骨材を20〜30質量%配合することがさらに好ましい。
また、本発明は上記した耐火骨材に対して焼結助剤を配合してドライラミング材とする。ここで用いる焼結助剤は、従来ドライラミング材の焼結助剤として用いられているものであれば特に制限なく使用でき、例えば、無水ホウ酸、ガラスフリット、リン酸化合物等が挙げられる。
この焼結助剤は、耐火骨材と反応して融点を下げる作用を有し、耐火骨材の焼結を促進して耐火物の強度を高めるものであるが、この効果は所定温度域での液相化の促進によるものであって、耐火物製造時の400〜800℃における強度を高めるものである。
この焼結助剤の配合量は、上記した耐火骨材と焼結助剤で構成されるドライラミング材全体に対して内掛けで0.01〜5質量%、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.4〜2質量%である。
ここでの焼結助剤の配合量は、極少量であるために構造全体が液相化するというわけではなく、構造中に液相化の箇所が点在する。この点在した液相が骨材を結合させるボンドとなる。
次に、上記したドライラミング材を用いた耐火物の製造方法について説明する。
本発明の耐火物の製造方法は、まず、炉壁との間に必要なライニング厚み(ルツボ炉ではライニング厚として、100mm〜150mmが多い)の間隙を設定して炉の内側に金枠を設置し、その間隙に上記したドライラミング材を投入しながら、金枠を振動モーターで揺するか、あるいは投入材を、振動子をとりつけたつき棒でつき固めて充填させていく。
このような単に充填した状態では充分に大きな強度を持った成型体となっていないので、金枠を加熱してドライラミング材(成型体)の中に含まれる焼結助剤(例えば、ホウ酸)の熔融によって結合強度を得てから金枠を除く。または金枠が熔融する温度まで加熱してドライラミング材(成型体)を焼成しながら、併せて金枠を最初の熔融金属として処理する。
金枠の加熱は、誘導加熱により行う。誘導加熱は、炉壁の外周に配したコイルに電流を流して電場を生じさせコイル内部の金属に抵抗熱を発生させる加熱方法である。この誘導加熱は、炉内での金属溶融と同じ方法で行う。このとき、コイルには大量の電流が流れるが、本願においては、水分を含まないドライラミング材を用いているため、コイルに流れる電流がショートする心配がなく、安心して焼成作業により誘導炉の形成ができる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例により何ら制限されるものではない。
(例1)
耐火骨材の主骨材として粒度3mm以上5mm未満の溶融シリカ 12.0質量部、粒度1mm以上3mm未満の溶融シリカ 15.0質量部、粒度150μm〜1mm未満の溶融シリカ 21.0質量部、粒度150μm未満の溶融シリカ 21.0質量部、粒度5mm未満の天然シリカ 30.0質量部、焼結助剤としてホウ酸 1.0質量部を混合した(表1)。さらに、これにアルミナ−シリカ骨材を1,3,5,7,9,10質量部を外部添加し、混合したものをそれぞれ作成し、ドライラミング材を得た。このときの内掛け成分である主骨材と焼結助剤の配合量を表1に示した。
Figure 2013173657
なお、ここで用いた骨材としては、溶融シリカ(SiO:99.8質量%、非晶質)、天然シリカ(SiO:98質量%、Al+Fe他:2質量%、結晶相:クオーツ)であり、アルミナ−シリカ骨材は、WO 2009/072627号公報に記載の方法と同様にして得たものである。以下、アルミナ−シリカ骨材の製造方法を述べる。
溶融炉は、炉内直径1.5m、高さ1.5m、炉内容積2.5mのアーク式溶融炉を使用し、電源としては1100KVAのトランスを準備した。なお、溶融炉の内張耐火物はアルミナ含有量95質量%の電鋳耐火物を使用した。電極には直径15cmの電極を三本使用した。
溶融条件は電圧100V−250V、電力800KW〜1000KWで、1回の投入量600kgを三回に分割して10分〜15分間隔として炉内に分割して投入した。全体の原料投入時間は30分〜45分であった。溶解時間は80分から100分であった。また、原料としては、アルミナ粉とケイ砂粉とを所定の組成になるように配合して使用した。
次いで、溶融物を、圧力4MPaの圧縮空気に2L/分の水を加えノズルから吹き出し、出湯された溶融物の下方から高速の圧縮エアーを湯に吹き付けて粒子化した。粒子は耐火物で保護された金属製の捕集容器にて回収し、ドライラミング用アルミナ−シリカ骨材とした。このときの圧縮空気の流速は100m/秒〜150m/秒であった。骨材粒子の粒度は85質量%以上が、0.1mm〜1.2mmの範囲であった。
得られたアルミナ−シリカ骨材の化学組成は、Al:97質量%、SiO:2質量%、その他:1質量%であった。化学成分は蛍光X線装置(リガク社製、商品名:RIX−2000)を用いて測定した。
[評価1]
このアルミナ−シリカ骨材の結晶相をX線回折装置(リガク社製、商品名:RINT−2200VK)で特定したところ、コランダムのみが観察された。この骨材粒子については、樹脂に埋め込んで鏡面研磨して、断面を金属顕微鏡で組織観察したところ、目視ではコランダム相のみが観察され、非晶質相は明確に確認できなかった。さらに、骨材粒子の耐熱性をJIS R2204にもとづき耐火度(SK)として評価したところ、41+となった。
(例2〜4)
例1のアルミナ−シリカ骨材の代わりに、造粒法により製造したアルミナ骨材(例2)、マグネシア骨材(例3)、破砕法により製造したアルミナ骨材(例4)を用い、それぞれ同様にしてドライラミング材を得た。
ここで用いた骨材は次のとおりである。造粒法により製造したアルミナ骨材(新東工業社製、商品名:999S、平均粒径1mm)、マグネシア骨材(宇部マテリアルズ社製、商品名:UBE−95、平均粒径46μm)、破砕法により製造したアルミナ骨材(アルマティス社製、商品名:モラルコタビュラーT−60、平均粒径425μm)。
(試験例1)
例1〜4で得たドライラミング材それぞれについて、サンプルを作成し、圧縮強さと線変化率を測定し、その結果を図1および2に示した。本明細書の図に表わしたグラフは、その横軸を各例の添加骨材の外添量に対応して示した。
なお、サンプルは、各例のドライラミング材の充填嵩比重を決定した後、ドライラミング材中に灯油を1〜2質量%加えて万能ミキサーで混練し、所定の圧縮量となるように型につめてφ50mm×50mmのサンプル形状を形成し、これを1600℃、5時間で焼成して得た。
[圧縮強さ]:
JIS R2206−2(2007)に準拠して測定。
・サイズ:φ50mm×50mm。
・測定方法:φ50の面に均等に上部から圧縮応力をかけたときの破壊荷重(Fmax)を測定する。このとき圧縮強さ(σ)は次式のように計算される
σ=Fmax/A
σ:圧縮強さ(MPa) Fmax:破壊荷重(N) A:応力を受ける面積(mm
なお、均等に圧力をかけるため、サンプルの上面と底面には厚さが3〜7mmの紙板を当てる。
[線変化率]:
JIS R2554(2005)に準拠して測定。
測定は上記サンプル作成のときに行う。まず、焼成前にサンプルの高さを測定する。このときの測定はノギスが面の中心に当たるように回転させて、90度廻す毎に数値を読み取り、4つの数値の平均を焼成前高さとする。焼成後も同様に測定し、これを焼成後の高さとする。
ΔL=(l−l’)/l
ΔL:線変化率(%) l:焼成前高さ(mm) l’:焼成後高さ(mm)
この結果から、破砕したアルミナ骨材は添加すると図1の例4のように圧縮強さの数値は高いが、図2の例4のように配合量が大きくなると収縮が大きく残存膨張性をほとんど示さなくなるため、以降の検討からは除外した。また、マグネシア骨材の添加により線変化率は若干低下したが、圧縮強さが大幅に向上した。さらに、アルミナ−シリカ骨材、造粒されたアルミナ骨材の添加により、線変化率は若干上昇又はほぼ同等であって、圧縮強さが若干向上した。
(例5)
次に、例1のアルミナ−シリカ骨材の代わりに、アルミナ−シリカ骨材とマグネシア骨材とを7:3の比率で配合した混合骨材を用いた以外は例1と同様にしてドライラミング材を得た。
(例6)
次に、例1のアルミナ−シリカ骨材の代わりに、造粒されたアルミナ骨材とマグネシア骨材とを7:3の比率で配合した混合骨材を用いた以外は例1と同様にしてドライラミング材を得た。
(例7)
次に、例1のアルミナ−シリカ骨材の代わりに、アルミナ−シリカ骨材とマグネシア骨材とを5:5の比率で配合した混合骨材を用いた以外は例1と同様にしてドライラミング材を得た。
(例8)
次に、例1のアルミナ−シリカ骨材の代わりに、造粒されたアルミナ骨材とマグネシア骨材とを5:5の比率で配合した混合骨材を用いた以外は例1と同様にしてドライラミング材を得た。
(例9)
次に、例1のアルミナ−シリカ骨材の代わりに、アルミナ−シリカ骨材とマグネシア骨材とを3:7の比率で配合した混合骨材を用いた以外は例1と同様にしてドライラミング材を得た。
(例10)
次に、例1のアルミナ−シリカ骨材の代わりに、造粒されたアルミナ骨材とマグネシア骨材とを3:7の比率で配合した混合骨材を用いた以外は例1と同様にしてドライラミング材を得た。
(試験例2)
例5〜10で得られたドライラミング材について、例1と同様の方法で圧縮強さと線膨張率を測定した。その結果を図3〜8に示した。なお、参考のため、マグネシア骨材単独で混合した例3の結果も併せて示した。
以上の結果から、例1〜10に示したように、シリカ骨材に、アルミナ骨材、マグネシア骨材およびアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1種以上の骨材を混合することで、耐火物の圧縮強度および線膨張係数を改善することができ、これら骨材の配合、添加量を調整することで、耐火物特性のバランスを調整できる。このようにして得られたドライラミング材は、高温な使用環境下で好ましい性能を発揮できることがわかった。
本発明のドライラミング材およびそれを用いた耐火物の製造方法は、電気誘導加熱による金属溶融の加熱炉の使用時の安定性、耐用を高められ、従来よりも優れた電気誘導加熱炉を提供できる。

Claims (8)

  1. 耐火骨材と焼結助剤とを含有するドライラミング材であって、
    前記耐火骨材が、シリカ骨材を90〜99質量%、マグネシア骨材、アルミナ骨材およびアルミナ−シリカ骨材から選ばれる少なくとも1種以上の骨材を1〜10質量%、含有し、かつ前記シリカ骨材として、溶融シリカ粒子と天然シリカ粒子とを併用することを特徴とするドライラミング材。
  2. 耐火骨材として、シリカ骨材以外に、前記マグネシア骨材と、アルミナ骨材および/またはアルミナ−シリカ骨材とを併用した請求項1記載のドライラミング材。
  3. 前記マグネシア骨材と、アルミナ骨材および/またはアルミナ−シリカ骨材との合量に対して、前記マグネシア骨材を50質量%未満含有する請求項2記載のドライラミング材。
  4. 前記マグネシア骨材と、アルミナ骨材および/またはアルミナ−シリカ骨材との合量に対して、前記マグネシア骨材を20〜30質量%含有する請求項3記載のドライラミング材。
  5. 前記アルミナ骨材および/またはアルミナ−シリカ骨材が、溶融法により粒子化されたものである請求項1〜4のいずれか1項記載のドライラミング材。
  6. 前記溶融シリカ粒子と前記天然シリカ粒子との配合割合が、質量基準で、溶融シリカ粒子:天然シリカ粒子=1:9〜9:1である請求項1〜5のいずれか1項記載のドライラミング材。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載のドライラミング材を、電気誘導加熱炉の炉壁と型枠の間に充填する工程と、
    充填した前記ドライラミング材を、電気誘導加熱により加熱して、焼結させる工程と、
    を有することを特徴とする電気誘導加熱炉用耐火物の製造方法。
  8. 前記電気誘導加熱の際に、炉壁側を水冷する請求項7記載の電気誘導加熱炉用耐火物の製造方法。
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