JP2013169651A - インクジェットヘッド洗浄システムおよびインクジェットヘッドのメンテナンス方法 - Google Patents

インクジェットヘッド洗浄システムおよびインクジェットヘッドのメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ノズル面に寄与する洗浄液量を多くし、撥水膜の耐久性を向上させる。
【解決手段】インクを吐出する複数のノズル151がマトリックス状に配置された複数のノズル領域174を有するノズルプレートを備えるインクジェットヘッド72と、ノズルプレートを払拭する払拭装置と、を備え、ノズル領域174は撥水性を有しており、払拭装置の払拭方向と略平行で、ノズル領域174間に洗浄液保持領域176を有するインクジェットヘッド洗浄システムインクジェットヘッドのメンテナンス方法である。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェットヘッド洗浄システムおよびインクジェットヘッドのメンテナンス方法に係り、特にインクジェットヘッドのノズル面に洗浄液を保持する領域を設け、払拭部材によるノズル面の洗浄を容易にするインクジェットヘッド洗浄システムおよびインクジェットヘッドのメンテナンス方法に関する。
インクジェット記録装置で用いられるインクジェットヘッドのノズル面には、使用によりインクの残渣、紙粉など様々な異物が付着する。ノズル面に異物が付着していると、ノズルから吐出されるインク液滴が影響を受けて、インク液滴の吐出方向にばらつきが生じ、記録媒体上の所定の位置にインク液滴を着弾させることが困難となり、画像品質が劣化する原因となる。そこで、インクジェット記録装置では、異物を定期的にワイピングなどのメンテナンス方法で除去することが重要となっている。
例えば、下記の特許文献1には、ノズル面に溶剤を噴射する噴射機構と、ノズル面を拭き取る拭き取り機構と、を備えるインクジェット塗布装置が記載されている。また、特許文献2、3には、4色ヘッドの払拭時の混色を防ぐ目的で、ノズル面に親水領域を設けることが記載されている。特許文献4には、ノズル面にインクの案内溝を設け、ワイプ時にインクが溝を通って、ノズル外に案内されるような溝配列が記載されている。
特開2006−142621号公報 特開平8−58096号公報 特開2001−38917号公報 特開2007−76296号公報
ノズル面のワイピングにおいて、インクの濃度が高い状態、特に黒インクに用いられるカーボンブラックの濃度が高い状態でワイピングを行なうと、ノズル面に形成された撥水膜が劣化しやすいという問題があった。そのため、ワイピング時に洗浄液の量を増やす必要があった。
しかしながら、特許文献1に記載されているインクジェット塗布装置は、洗浄液をノズル面に噴きつけて拭き取る方式であり、ノズル面には撥水膜が形成されているため、拭き取るときには、洗浄液がノズル面には残らず、洗浄液の量が少なくなっていた。そのため、ワイピングにより撥水膜が劣化してしまうという問題があった。また、特許文献2、3は、ミストをワイプする際の混色を防ぐために、親水領域を設けているが、ノズルが高密度に配置されている場合、ノズルとノズルの間に十分なスペースが無くなる。そのため、親水領域に付着したミストが、互いに結合し増大することにより、インク溜まりがノズルまで塞ぎ吐出曲がりや不吐出の問題が生じたり、増大したインクが紙面に付着するといった問題が発生していた。また、特許文献2については、ワイプ方向が親水部、撥水部にまたがっているため、その境界部を起点に撥水膜が剥がれたり、腐食が発生する危険性があり、特許文献4については、ワイプ方向に対して、垂直または所定の角度を有して親水領域(溝)が形成されているため、撥水膜の剥離が懸念されていた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ノズル面のワイプ時に用いられる洗浄液量を多くすることで、撥水膜の耐久性を向上させることができるインクジェットヘッド洗浄システムおよびインクジェットヘッドのメンテナンス方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、インクを吐出する複数のノズルがマトリックス状に配置された複数のノズル領域を有するノズルプレートを備えるインクジェットヘッドと、ノズルプレートを払拭する払拭装置と、を備え、ノズル領域は撥水性を有しており、ノズル領域間の払拭装置の払拭方向と略平行で、ノズル領域間に洗浄液保持領域を有するインクジェットヘッド洗浄システムを提供する。
本発明によれば、ノズル領域間に洗浄液保持領域を有しているので、払拭装置でノズルプレートを拭き取る際に洗浄液保持領域で保持されている洗浄液を、払拭装置に備えられている払拭部材を伝播させてノズルプレートを洗浄することができる。また、洗浄液保持領域を払拭装置による払拭方向と略平行に設けているので、払拭装置によるノズル面への抵抗を減らすことができるので、撥水性(撥水膜)が劣化することを防止することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、洗浄液保持領域は、ノズル領域より親水性を有することが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、洗浄液保持領域をノズル領域より親水性とすることにより、洗浄液保持領域で洗浄液を保持することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、ノズル領域は、ノズルプレートの払拭方向と略平行で、分割後のそれぞれのノズル領域の幅が等しくなるように分割されており、ノズル領域間に洗浄液保持領域が配置されることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、洗浄液保持領域は、ノズルプレートの払拭方向に対して垂直方向に等分割され、そのノズル領域間に洗浄液保持領域が配置されている。したがって、ノズルプレートの洗浄液が届き難い位置に洗浄液保持領域を設けることができる。したがって、払拭部材の洗浄液が少ない状態でノズルプレートを払拭することを防止することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、ノズル領域は撥水膜を有しており、洗浄液保持領域は撥水膜の下地膜であることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、洗浄液保持領域を撥水膜の下地膜とすることで、一旦ノズル面の全面に撥水膜を形成した後、洗浄液保持手段のみ撥水膜を除去することで、洗浄液保持領域を形成することができるので、容易に形成することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、洗浄液保持領域は溝部を有することが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、洗浄液保持領域に溝部を有することで、溝部で洗浄液を保持することができるので、より多くの洗浄液を保持することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、溝部は、逆テーパ状に形成されていることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、溝部を逆テーパ状としているので、洗浄液の保持性を高めることができる、また、ノズルの形成と同じ工程でウェットエッチングにより溝部を形成することができるので、工程を簡便にすることができ、コストを削減することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、ノズルプレートのノズル面は、水平面に対して傾斜して配置されていることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、ノズル面が水平面に対して傾斜して配置されているため、傾斜の下方に洗浄液が流れ易くなるが、洗浄液保持領域で洗浄液を保持することで、ノズル面全面に洗浄液を付与して払拭することができる。
本発明に他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、ノズルと洗浄液保持領域との距離が300μm以上であることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、ノズルと洗浄液保持手段との距離を上記距離とすることで、洗浄液保持領域に付着したインクによるノズル詰まりを防止することができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、ワイプ方向に垂直な方向におけるノズル間の距離が100μm以上600μm以下であることが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、ノズル間の距離が上記範囲内であり、ノズル間に洗浄液保持領域を設けることが難しい高密度に配置されたノズルに対しても洗浄液保持領域を設けることができるので、ノズル面への洗浄液の付与量を多くすることができる。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムは、払拭装置の払拭方向と略平行で、ノズルプレートの両端に、ノズル領域より撥水性の低いヘッドモジュール支持部材を有することが好ましい。
本発明の他の態様に係るインクジェットヘッド洗浄システムによれば、払拭装置の払拭方向と略平行で、ノズルプレートの両端に、ノズル領域より撥水性の低いヘッドモジュール支持部材を有するので、ノズル領域の両端および中央部から洗浄液を払拭部材で伝播させることができる。したがって、洗浄液の少ない状態でノズル面を払拭することを防止することができ、撥水膜の劣化を防止することができる。
本発明は前記目的を達成するために、上記記載のインクジェットヘッド洗浄システムを用いたインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、インクジェットヘッドを移動させるヘッド移動工程と、インクジェットヘッドのノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与工程と、インクジェットヘッドの洗浄液保持部材に洗浄液を保持する洗浄液保持工程と、洗浄液保持部材で保持された洗浄液を払拭部材で伝播させながらノズルプレートを払拭する払拭工程と、を有するインクジェットヘッドのメンテナンス方法を提供する。
本発明によれば、インクジェットヘッドの洗浄液保持領域に洗浄液保持する洗浄液保持工程を有しているので、その後の払拭工程において、洗浄液保持領域で保持された洗浄液を、払拭部材を伝播させてノズルプレートを払拭させることができる。洗浄液保持手段は、ノズル領域間に有しているので、ノズル領域に洗浄液を確実に伝播させることができる。したがって、洗浄液の少ない状態で拭き取ることを防止することができるので、ノズルプレートの撥水性が劣化することを防止することができる。
本発明のインクジェットヘッド洗浄システムおよびインクジェットヘッドのメンテナンス方法によれば、インクジェットヘッドのノズルプレートの払拭部材の払拭方向と略平行に洗浄液保持領域を設けているので、洗浄液保持領域で保持された洗浄液を払拭部材に伝播させてノズル面を払拭することができるので、洗浄液の少ない状態でノズル面を拭き取ることを防止することができるので、ノズル面の撥水膜が劣化することを防止することができる。
インクジェット記録装置の全体構成図である。 インクジェット記録装置の描画部の概略構成を示す側面図である。 インクジェット記録装置の描画部の正面図である。 図1に示すインクジェットヘッドの構成例を示す平面拡大図である。 インクジェットヘッドのノズル面の平面透視図である。 溝部を有するノズル面の平面図である。 インクジェットヘッドの側面断面図である。 図3に示す洗浄液付与装置の概略構成を示す全体構成図である。 払拭装置をメンテナンス位置から見た側面図である。 払拭ユニットの平面図である。 払拭ユニットの正面部分断面図である。
以下、添付図面に従って、本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
≪インクジェット記録装置の全体構成≫
まず、本発明が適用されるインクジェット記録装置の全体構成について説明する。図1は、インクジェット記録装置の全体構成を示した構成図である。
このインクジェット記録装置10は、描画部16の圧胴(描画ドラム70)に保持された記録媒体24(便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成する圧胴直描方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体24上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体24上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
図示のように、インクジェット記録装置10は、主として、給紙部12、処理液付与部14、描画部16、乾燥部18、定着部20、および排出部22を備えて構成される。
(給紙部)
給紙部12は、記録媒体24を処理液付与部14に供給する機構であり、当該給紙部12には、枚葉紙である記録媒体24が積層されている。給紙部12には、給紙トレイ50が設けられ、この給紙トレイ50から記録媒体24が一枚ずつ処理液付与部14に給紙される。
本例のインクジェット記録装置10では、記録媒体24として、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体24を使用することができる。給紙部12において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(不図示)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ50に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体24として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
(処理液付与部)
処理液付与部14は、記録媒体24の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部16で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
図1に示すように、処理液付与部14は、給紙胴52、処理液ドラム54、および処理液塗布装置56を備えている。処理液ドラム54は、記録媒体24を保持し、回転搬送させるドラムである。処理液ドラム54は、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)55を備え、この保持手段55の爪と処理液ドラム54の周面の間に記録媒体24を挟み込むことによって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。処理液ドラム54は、その外周面に吸着穴を設けるとともに、吸着穴から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体24を処理液ドラム54の周面に密着保持することができる。
処理液ドラム54の外側には、その周面に対向して処理液塗布装置56が設けられる。処理液塗布装置56は、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラと処理液ドラム54上の記録媒体24に圧接されて計量後の処理液を記録媒体24に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置56によれば、処理液を計量しながら記録媒体24に塗布することができる。
処理液付与部14で処理液が付与された記録媒体24は、処理液ドラム54から中間搬送部26を介して描画部16の描画ドラム70へ受け渡される。
(描画部)
描画部16は、描画ドラム(第2の搬送体)70、用紙抑えローラ74、およびインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yを備えている。描画ドラム70は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)71を備える。描画ドラム70に固定された記録媒体24は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yからインクが付与される。
インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yはそれぞれ、記録媒体24における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)とすることが好ましい。インク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yは、記録媒体24の搬送方向(描画ドラム70の回転方向)と直交する方向に延在するように設置される。
描画ドラム70上に密着保持された記録媒体24の記録面に向かって各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yから、対応する色インクの液滴が吐出されることにより、処理液付与部14で予め記録面に付与された処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体24上での色材流れなどが防止され、記録媒体24の記録面に画像が形成される。
なお、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組合せについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
描画部16で画像が形成された記録媒体24は、描画ドラム70から中間搬送部28を介して乾燥部18の乾燥ドラム76へ受け渡される。
(乾燥部)
乾燥部18は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図1に示すように、乾燥ドラム76、および溶媒乾燥装置78を備えている。
乾燥ドラム76は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)77を備え、この保持手段77によって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。
溶媒乾燥装置78は、乾燥ドラム76の外周面に対向する位置に配置され、複数のIRヒータ82と、各IRヒータ82の間にそれぞれ配置された温風噴出しノズル80とで構成される。
各温風噴出しノズル80から記録媒体24に向けて吹き付けられる温風の温度と風量、各IRヒータ82の温度を適宜調節することにより、様々な乾燥条件を実現することができる。
また、乾燥ドラム76の表面温度は50℃以上に設定されている。記録媒体24の裏面から加熱を行うことによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができる。なお、乾燥ドラム76の表面温度の上限については、特に限定されるものではないが、乾燥ドラム76の表面に付着したインクをクリーニングするなどのメンテナンス作業の安全性(高温による火傷防止)の観点から75℃以下(より好ましくは60℃以下)に設定されることが好ましい。
乾燥ドラム76の外周面に、記録媒体24の記録面が外側を向くように(即ち、記録媒体24の記録面が凸側となるように湾曲させた状態で)保持し、回転搬送しながら乾燥することで、記録媒体24のシワや浮きの発生を防止でき、これらに起因する乾燥ムラを確実に防止することができる。
乾燥部18で乾燥処理が行われた記録媒体24は、乾燥ドラム76から中間搬送部30を介して定着部20の定着ドラム84へ受け渡される。
(定着部)
定着部20は、定着ドラム84、ハロゲンヒータ86、定着ローラ88、およびインラインセンサ90で構成される。定着ドラム84は、処理液ドラム54と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)85を備え、この保持手段85によって記録媒体24の先端を保持できるようになっている。
定着ドラム84の回転により、記録媒体24は記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、ハロゲンヒータ86による予備加熱と、定着ローラ88による定着処理と、インラインセンサ90による検査が行われる。
ハロゲンヒータ86は、所定の温度(例えば、180℃)に制御される。これにより、記録媒体24の予備加熱が行われる。
定着ローラ88は、乾燥させたインクを加熱加圧することによってインク中の自己分散性熱可塑性樹脂微粒子を溶着し、インクを皮膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体24を加熱加圧するように構成される。具体的には、定着ローラ88は、定着ドラム84に対して圧接するように配置されており、定着ドラム84との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体24は、定着ローラ88と定着ドラム84との間に挟まれ、所定のニップ圧(例えば、0.15MPa)でニップされ、定着処理が行われる。
また、定着ローラ88は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度(たとえば60〜80℃)に制御される。この加熱ローラで記録媒体24を加熱することによって、インクに含まれる熱可塑性樹脂微粒子のTg温度(ガラス転移点温度)以上の熱エネルギーが付与され、熱可塑性樹脂微粒子が溶融される。これにより、記録媒体24の凹凸に押し込み定着が行われるとともに、画像表面の凹凸がレベリングされ、光沢性が得られる。
なお、図1の実施形態では、定着ローラ88を1つだけ設けた構成となっているが、画像層厚みや熱可塑性樹脂微粒子のTg特性に応じて、複数段設けた構成でもよい。
一方、インラインセンサ90は、記録媒体24に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部20によれば、乾燥部18で形成された薄層の画像層内の熱可塑性樹脂微粒子が定着ローラ88によって加熱加圧されて溶融されるので、記録媒体24に固定定着させることができる。また、定着ドラム84の表面温度を50℃以上に設定することで、定着ドラム84の外周面に保持された記録媒体24を裏面から加熱することによって乾燥が促進され、定着時における画像破壊を防止することができるとともに、画像温度の昇温効果によって画像強度を高めることができる。
また、インク中にUV硬化性モノマーを含有させた場合は、乾燥部で水分を充分に揮発させた後に、UV照射ランプを備えた定着部で、画像にUVを照射することで、UV硬化性モノマーを硬化重合させ、画像強度を向上させることができる。
(排出部)
図1に示すように、定着部20に続いて排出部22が設けられている。排出部22は、排出トレイ92を備えており、この排出トレイ92と定着部20の定着ドラム84との間に、これらに対接するように渡し胴94、搬送ベルト96、張架ローラ98が設けられている。記録媒体24は、渡し胴94により搬送ベルト96に送られ、排出トレイ92に排出される。
また、図には示されていないが、本例のインクジェット記録装置10には、上記構成の他、各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yにインクを供給するインク貯蔵/装填部、処理液付与部14に対して処理液を供給する手段を備えるとともに、各インクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yのクリーニング(ノズル面のワイピング、パージ、ノズル吸引等)を行うヘッドメンテナンス部や、用紙搬送路上における記録媒体24の位置を検出する位置検出センサ、装置各部の温度を検出する温度センサなどを備えている。
≪メンテナンス部の構成≫
次にメンテナンス部の説明をする。図2は、インクジェット記録装置の描画部の概略構成を示す側面図である。
描画ドラム70は、その回転軸218の両端部を一対の軸受222に軸支されて回転自在に設けられている(図3参照)。一対の軸受222は、インクジェット記録装置の本体フレーム220に設けられており、この一対の軸受222に回転軸218の両端部が軸支されることにより、描画ドラム70は水平に取り付けられる(水平な設置面に対して回転軸218が平行に取り付けられる。)。
描画ドラム70の回転軸218には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されている。描画ドラム70は、このモータに駆動されて回転する。
4本のインクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、描画ドラム70の回転軸218を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。なお、本例では、4本のインクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yが、描画ドラム70を挟んで左右対称になるように配置されている。すなわち、描画ドラム70の中心を通る鉛直な線分に対してマゼンタのインクジェットヘッド72Mとイエロのインクジェットヘッド72Yとが左右対称に配置されるとともに、クロのインクジェットヘッド72Kとシアンのインクジェットヘッド72Cとが左右対称に配置されている。
このように配置された各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、それぞれその下端部に形成されたノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが、描画ドラム70の外周面に対向して配置されるとともに、それぞれそのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが、描画ドラム70の外周面から所定高さの位置に位置する(描画ドラム70の外周面とノズル面72AM、72AK、72AC、72AYとの間に同じ量のギャップが形成される。)。また、そのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYに形成されたノズル列が、記録媒体24の搬送方向と直交して配置される。
さて、以上のように構成される描画部において各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、図2に示すように、ヘッド支持フレーム240に取り付けられて、描画ドラム70の周囲に配置される。
ヘッド支持フレーム240は、描画ドラム70の回転軸218と直交して設けられた一対のサイドプレート242L、242Rと、その一対のサイドプレート242L、242Rを上端部で連結する連結フレーム244とで構成されている。
一対のサイドプレート242L、242Rは、板状に形成されており、描画ドラム70を挟んで互いに対向するように配置されている。この一対のサイドプレート242L、242Rの内側には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yを取り付けるための取付部246M、246K、246C、246Yが設けられている(図3では、便宜上、取付部246Yのみ図示)。
取付部246C、246M、246Y、246Kは、描画ドラム70の回転軸218を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、その両端に形成された被取付部248M、248K、248C、248Y(図3では、便宜上、被取付部248Yのみ図示)を取付部246M、246K、246C、246Yに固定することにより、ヘッド支持フレーム240に取り付けられる。そして、このヘッド支持フレーム240に取り付けられることにより、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yが、描画ドラム70の回転軸218を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置される。
ヘッド支持フレーム240は、図示しないガイドレールにガイドされて、描画ドラム70の回転軸218と平行にスライド移動自在に設けられている。そして、図示しないリニア駆動機構(たとえば、送りネジ機構など)に駆動されて、図3に実線で示す「画像記録位置」と図3に破線で示す「メンテナンス位置」との間を移動する。
各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、ヘッド支持フレーム240を画像記録位置に位置させると、描画ドラム70の周囲に配置され、画像記録可能な状態になる。
メンテナンス位置は、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yが描画ドラム70から退避する位置に設定される。このメンテナンス位置には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yを保湿するための保湿ユニット250が設けられる。
保湿ユニット250には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面を覆うキャップ252M、252K、252C、252Y(図3では、便宜上、キャップ252Yのみ図示)が備えられている。装置を長時間停止する場合などは、このキャップ252M、252K、252C、252Yでノズル面が覆われる。これにより、乾燥による不吐出が防止される。
なお、このキャップ252M、252K、252C、252Yには、図示しない加圧・吸引機構が備えられており、ノズル内を加圧・吸引できるように構成されている。
また、このキャップ252M、252K、252C、252Yには、図示しない洗浄液供給機構が備えられており、内部に洗浄液を供給できるように構成されている。
キャップ252M、252K、252C、252Yの下方位置には廃液トレイ254が配置されている。キャップ252M、252K、252C、252Yに供給された洗浄液は、この廃液トレイ254に廃棄され、廃液回収配管256を介して廃液タンク258に回収される。
画像記録位置とメンテナンス位置との間には、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yのノズル面72AM、72AK、72AC、72AYを清掃するためのノズル面清掃装置260が設けられている。各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yは、メンテナンス位置から画像記録位置に移動する過程で、または、画像記録位置からメンテナンス位置に移動する過程で、このノズル面清掃装置260によってノズル面72AM、72AK、72AC、72AYが清掃される。
図4は、インクジェットヘッド72の構造例を示す平面図であり、インクジェットヘッド72をノズル面72A側から見た図である。図4に示すように、インクジェットヘッド72は、n個のヘッドモジュール72−i(i=1、2、3、…、n)を長手方向(記録媒体24(図1参照)の搬送方向と直交する方向)に沿ってつなぎ合わせた構造を有し、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズル(図4中不図示)が設けられている。
ノズル面72Aには、ノズル151が形成されているノズル領域174と、洗浄液保持領域176と、から形成されている。洗浄液保持領域176は、下記に示すノズル面払拭装置264の払拭方向と略平行で、ノズル領域174間に設けられている。
ノズル領域174には、インクの付着を防止するため、撥水膜が形成されている。撥水膜を形成することにより、ノズル領域174にインクが付着することを防止し、インク液滴の吐出方向にばらつきが生じることを防止することができる。
撥水膜を形成する方法としては、フルオロアルキルシランを真空蒸着法で蒸着させる方法、低分子のシロキサンをプラズマ重合させてフッ素含有プラズマ重合膜、シリコン系プラズマ重合撥水膜などを形成する方法、フッ化炭素鎖を有するシランカップリング剤を付与する方法を用いることができる。
フッ素シランカップリング剤(塩素系、メトキシ型、エトキシ型、イソシアナ型など)を用いて撥液性を有する膜を形成する方法として、たとえば、物理的気相成長方(蒸着法、スパッタリング法など)や化学気相成長法(CVD法、ALD法など)などのドライプロセス法や、ゾルゲル法、塗布法、スピンコート法などのウェットプロセス法などによって形成することができる。
ノズル領域174が撥水性であるのに対し、洗浄液保持領域176は親水性とする。すなわち、洗浄液保持領域176はノズル領域174より親水性を有することが好ましい。洗浄液保持領域176を親水性とすることにより、洗浄液保持領域176で洗浄液を保持することができるので、ノズル面払拭装置264で払拭する際に、洗浄液保持領域176で保持された洗浄液をノズル面払拭装置264の払拭部材に伝播させ、ウエットな状態でノズル面の払拭を行なうことができる。また、洗浄液の量を増やすことができるので、ノズル面でのインク濃度を下げることができるので、撥水膜の耐久性を向上させることができる。
ノズル領域174に形成されているノズル151から洗浄液保持領域176との最も短い距離は、300μm以上とすることが好ましい。ノズル151と洗浄液保持領域176との距離が、上記範囲未満であると、親水性である洗浄液保持領域176にインクの付着、インク溜まりが形成され、このインク溜まりがノズルを塞ぎ、吐出曲がりや不吐出の問題が発生することが懸念される。ノズルと洗浄液保持領域176との距離を上記範囲以上とすることで、吐出曲がりや不吐出が発生することを防止することができる。
また、洗浄液保持領域の位置は、ノズル面払拭装置264の払拭方向に対して略平行に設けられていることが好ましい。洗浄液保持領域の位置を平行に設ける、すなわち、ノズル領域174に形成されている撥水膜を払拭方向と平行に設けることができるので、ノズル面払拭装置による払拭で、撥水膜が剥離することを防止することができる。なお、本発明において、「略平行」とは、ノズル面払拭装置264の払拭方向に対して、±5°以内の角度で傾いている範囲を含むものである。
また、洗浄液保持領域176は、ノズル面払拭装置264の払拭方向と略平行で、ノズル面72Aのノズル領域174の幅が等しくなるように均等に分割し、そのノズル領域174間に設けることが好ましい。ノズル領域174を2分割する場合は、ノズル面72Aの中央に配置されていることが好ましい。ヘッドモジュール72−iは、インクジェットヘッド72の両側からヘッドモジュール支持部材72B(以下、「ウイングカバー部」ともいう)によって支持されている。このウイングカバー部72Bは、例えば、エポキシ樹脂により形成されており、エポキシ基はノズル面の撥水膜よりも親水性を有するため、ウイングカバー部72Bで洗浄液を保持することができる。したがって、ノズル面72Aの両端からは、ウイングカバー部72Bで保持された洗浄液を伝播させることができる。したがって、洗浄液の量は、ノズル面72Aの中央部が最も少なくなるため、ノズル面72Aの中央部に洗浄液保持領域176を設けることで、ノズル領域174の洗浄液保持領域176側に洗浄液を供給することができるので、洗浄液の少ない払拭部材で撥水膜を払拭することを防止でき、撥水膜の剥離を防止することができる。
このように、ノズル面72A、および、ウイングカバー部72Bに液体が付着すると、液体は、ウイングカバー部72Bで保持される。また、ノズル面72Aに設けられた洗浄液保持領域176で液体が保持される。ノズル領域174の水に対する接触角は、たとえば、100°以上とすることができ、ウイングカバー部72Bおよび洗浄液保持領域176の水に対する接触角は、たとえば、約60°とすることができる。また、ノズル面の配列方向の端部を形成するエンドキャップ72Dもウイングカバー部72Bと同様に、親水性で形成され洗浄液が保持され易い構成とすることが好ましい。
図5は、インクジェットヘッドノズル面の平面透視図である。なお、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yの構成は共通しているので、ここではインクジェットヘッド72として、そのノズル面72Aの構成を説明する。
同図に示すように、ノズル面72Aは、略平行四辺形に形成され、その幅方向(記録媒体搬送方向)に複数のノズル151が形成されている。ノズルプレート73は、略並行四辺形のSi基板でできており、ノズル151はウェットエッチングなどで開口することができる。また、ノズル151は、記録媒体の幅に対応して複数配列されて設けられている。
図5に示すように、本実施の形態のインクジェットヘッド72は、いわゆるマトリックスヘッドで構成され、ノズル151がノズルプレート73に二次元マトリクス状に配置される。より具体的には、記録媒体24の搬送方向に対して所定角度傾斜した方向に複数のノズル151が一定ピッチで配置されたノズルの列が形成されるとともに、そのノズルの列が記録媒体24の搬送方向と直交する方向(ヘッドの長手方向)に一定ピッチで多数配列される。このようなノズルの配置構成とすることにより、ヘッドの長手方向(記録媒体24の搬送方向と直交する方向)に投影される実質的なノズル151の間隔を狭めることができ、ノズル151の高密度化を図ることができる。マトリックスヘッドでは、このヘッドの長手方向に投影されるノズルの列が実質的なノズル列とされる。
また、本実施の形態のインクジェットヘッド72は、いわゆるピエゾ方式でノズル151からインクの液滴を吐出させる。すなわち、ノズル面72Aに形成された各ノズル151は、それぞれ圧力室152に連通されており、この圧力室152の壁面をピエゾ素子で振動させることにより、圧力室152の容積を拡縮させて、ノズル151からインクの液滴を吐出させる。
なお、インクの吐出方式は、これに限らずサーマル方式や静電アクチュエーターで吐出させる構成とすることもできる。
図1に示すインクジェット記録装置においては、上述したように、インクジェットヘッドは傾いて形成されている。したがって、ノズル面72Aに洗浄液保持領域が無い場合は、洗浄液をノズル面72Aに付与した場合、ノズルに残ったインクミストは洗い流すが、ノズル面払拭装置264を用いて払拭を行なう際にノズル面72Aには、洗浄液が残らず、払拭後にはノズルから引き出したインクにより、比較的濃い顔料濃度でノズル面がワイプされてしまう。特に、顔料黒インクの場合は、顔料としてカーボンが使用されているため、ワイプ時の撥水膜へのダメージが大きく、撥水膜がワイプ下流方向に剥離し、インク吐出方向が曲がるという問題があった。
そのため、ワイプ時に寄与する洗浄液の量を増やす必要があるが、ノズル面72Aが全面撥水である場合には洗浄液を貯めることが難しいため、ノズル面72Aよりも撥液性の低いウイングカバー部72Bに洗浄液を保持することで、布製の払拭部材に洗浄液を染みこませ洗浄液を増やすことが行われている。しかしながら、インクジェットヘッド72が傾いて配置されている場合、傾き上流側のウイングカバー部72Bの洗浄液は払拭部材に染みこんだ後、傾き下流側に流れていくが、傾き下流側のウイングカバー部72Bの洗浄液は払拭部材に染みこんだ後、傾き上流側に流れていきにくい。傾き下流側のウイングカバー部72Bへの洗浄液の保持量を増やすことで対応することもできるが、洗浄液を増やしすぎると払拭部材で吸収しきれずに、払拭後においてもウイングカバー部72Bに洗浄液が残ってしまい、記録媒体24への液ダレなどの問題が生じる。そのため、インクジェットヘッドの傾き下流側には、ワイプに寄与する洗浄液の量が少なくなってしまい、撥液膜の劣化を引き起こしていた。
また、傾きがない場合においても、ノズル面72Aが撥水性、ウイングカバー部72Bが親水性であるために、洗浄液がウイングカバー部72Bに引き寄せられてしまうため、ノズル面72Aにはほとんど洗浄液が残らない。そのため、ウイングカバー部72Bから離れているノズルプレート中央部分で洗浄液が不足する傾向にある。
本実施形態においては、ノズル面72A内のノズル領域174間で、払拭方向に平行な洗浄液保持領域176を、ノズル面払拭装置264の払拭方向に対して垂直方向で、ノズル面72Aの中央に洗浄液保持領域176を有している。したがって、ウイングカバー部72Bからからの洗浄液が伝播しにくい位置に洗浄液保持領域176を設けているので、ノズル面72Aの全域に洗浄液を伝播させることができ、ウエットな状態でノズル面72Aを払拭することができる。
洗浄液保持領域176は、図4に示すように、複数に分かれたノズル領域174の間に形成されている。図4においては、ノズル領域174を2つに分け、その間に洗浄液保持領域176が形成されているが、図5に示すように、マトリックス配列によりノズル列を形成できるように、ノズル151を配列することができれば、ノズル領域174の数は限定されず、3つ以上に分けることもできる。なお、3つ以上に分けた場合においても、払拭方向と略平行で、ノズル領域174間に洗浄液保持領域176が形成されていることが好ましい。また、ノズル領域174のそれぞれの幅も等しいことが好ましい。
また、図5に示すように、本実施形態においてはノズルが高密度に形成されている。ノズル間の距離はワイプ方向と垂直な方向に対して100μm以上600μm以下の範囲である。このように、ノズルが高密度に形成されていると、ノズル151の1つ1つの間に洗浄液保持領域を設けることは困難である。また、ノズル151に近い領域に洗浄液保持領域176を設けると、洗浄液保持領域176は親水性であるため、ミストが溜まりやすくインク溜まりとなり、それがノズルまで覆ってしまい、吐出曲がりの原因となってしまう。
親水領域では、撥水領域との境界で液体が保持されるため、洗浄液保持領域の面積が大きいほど、単位面積当たりの洗浄液の保持量を多くすることができる。したがって、ノズル151同士の間で洗浄液保持領域176を設けても面積が小さくなってしまうが、本実施形態によれば、ノズル領域174間で親水領域である洗浄液保持領域176を形成しているので、洗浄液保持領域176の面積を大きくすることができる。したがって、保持できる洗浄液の量も増やすことができる。
また、洗浄液保持領域176を、ノズル面払拭装置264の払拭方向と平行となるように形成しているため、均一に洗浄液を払拭部材に付与することができる。また、払拭方向に異なる表面張力の領域があると、境界部分で劣化が起きやすくなる。洗浄液保持領域176は、ノズル領域174より親水性にすることで、洗浄液の保持を可能としているので、洗浄液保持領域176を払拭方向と平行に形成することにより、表面張力が異なる境界が払拭方向に形成されることがないので、撥水膜の劣化を防ぐことができる。
洗浄液保持領域176は、液体を付着しやすくするため、親水性としており、洗浄液保持領域176は、ノズル領域174より撥液性の小さい材料で形成されている。撥液性の小さい材料としては。例えば、基材であるSi、SiO、または、金属酸化膜や、プラズマ重合膜などの撥水膜の下地膜とすることができる。また、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレートなどの材料でコーティングすることで、親水性を付与することができる。特に、撥水膜の下地膜とすることで、保持性の高い親水領域を簡易に作製することができる。
また、洗浄液保持領域176に溝部178を設けることで、洗浄液の保持性を向上させることができる。図6は、溝部178を有する洗浄液保持領域176をノズル面72A側から見た平面図である。
図6に示すように、洗浄液保持領域176に溝部178を設けることで、溝部178で洗浄液を保持することができるので、洗浄液保持領域176での洗浄液の保持量を増やすことができる。溝部178の形状としては、図6(a)に示すように、ノズルプレートの端部から連続的に溝部178を形成することもできる。また、図6(b)に示すように、溝部178が連続的でなく、洗浄液保持領域176内で部分的に形成されていてもよい。また、図6(c)に示すように、穴状の溝部とすることもできる。穴状の溝部の場合、図6(c)においては、円形の溝部であるが、形状は限定されず、四角形とすることもできる。また、図6(d)に示すように、洗浄液保持領域176全域を溝部178とすることもできる。洗浄液保持領域176全域を溝部178とすることにより、多くの洗浄液を保持することができる。
図7はインクジェットヘッド72の側面断面図である。なお、図7においては、ノズル151を省略して記載する。溝部178の断面は特に限定されないが、図7に示すように、逆テーパ形状とすることが好ましい。逆テーパ形状とすることにより、溝部178で保持された液体が、払拭部材に接触するまで、溝部178から抜けることを防止することができるので、液体の保持性を向上させることができる。
溝部178の形成方法は特に限定されないが、溝部178の形状を逆テーパ形状とすることで、ノズル形成時に同時に、ウェットエッチングにより溝部178を形成することができる。ノズルと同時に形成することで、工程を簡便にすることができ、コストを削減することができる。
また、溝部178を、図6(d)に示すように、洗浄液保持領域176全域に設ける場合は、ノズル面72A全面に撥水膜を保護する保護部材(保護テープ)を貼り付けた状態で、ノズルプレートの側面からプラズマ処理を施すことで、溝部178の撥水膜を除去することができる。したがって、溝部178を撥水膜の下地膜とすることができ、溝部178を容易に親水性とすることができる。
≪洗浄液付与装置の構成≫
図8は、洗浄液付与装置262の概略構成図である。同図はフルライン型のインクジェットヘッド72の幅方向(副走査方向)から見た図であり、同図における紙面を貫く方向はインクジェットヘッド72の長手方向(記録媒体搬送方向と直交する主走査方向)である。
洗浄液付与装置262は、インクジェットヘッド72のノズル面72Aに塗布する洗浄液が保持される洗浄液保持面262Aを有し、該洗浄液保持面262Aに洗浄液を供給する洗浄液供給口263が洗浄液保持面262Aの傾斜の上部262Bにおける端部近傍に設けられる。また、洗浄液付与装置262には、洗浄液を貯留する洗浄液タンク271と、洗浄液保持面262Aへの洗浄液の供給量(単位時間あたりの洗浄液供給量)を制御するポンプ265と、を具備している。
インクジェットヘッド72のノズル面72Aと洗浄液保持面262Aの間に、洗浄液供給口263から流し込まれたわずかな量の洗浄液は、ノズル面72Aの撥液性を利用して濡れ広がるとともに、ノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間にメニスカスを形成しながら傾斜面を滑り落ちる。図8に符号Fを付した白抜き矢印線は、洗浄液のコート層261の移動方向(図8における左下方向)を示している。
洗浄液保持面262Aの傾斜面を滑り落ちた洗浄液は、洗浄液保持面262Aの傾斜の下部262Cに設けられた回収トレイ266に落下する。回収トレイ266に集められた使用済みの洗浄液は、ポンプ267を動作させると、フィルタ268を介して洗浄液タンク271に送液され、再利用される。
洗浄液が、ノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間にメニスカスを形成しながら傾斜面を滑り落ちるためには、ノズル面の表面性(接触角)、洗浄液保持面の表面性(接触角)、洗浄液の物性(粘度)、洗浄液の流速(単位時間あたりの供給量)、洗浄液供給口の形状、サイズ、を適宜最適化する必要がある。
洗浄液保持面262Aは、金属材料(例えば、ステンレス)や樹脂材料が適用される。さらに、洗浄液保持面262Aに対する洗浄液の接触角が80°以上となる表面性を有する態様が好ましい。なお、洗浄液保持面262Aはノズル面72Aとの間に所定のクリアランスを維持することができればノズル面72Aに対して傾いていてもよいし、ノズル面72Aと洗浄液保持面262AとのクリアランスHが1mm以上2mm以下の条件を満たすことができれば平面だけでなく球面や湾曲面としてもよい。
洗浄液供給口263は洗浄液付与装置262の内部に形成される不図示の内部流路と連通している。該流路は洗浄液付与装置262の底面に設けられる不図示の洗浄液流入口及び該洗浄液流入口と連通する所要の外部流路を介してポンプ265と接続される。ポンプ265は、洗浄液タンク271と所要の外部流路を介して接続されて、洗浄液の供給量を制御する手段として機能している。ポンプ265を動作させると、洗浄液タンク271から洗浄液を汲み上げるとともに、洗浄液供給口263に所定量の洗浄液が供給される。図8に符号Sを付して図示した白抜き矢印線は、洗浄液付与装置262の内部における洗浄液の移動方向を表している。
かかる構造を有する洗浄液付与装置262を、ノズル面72Aと洗浄液保持面262Aとの間に洗浄液のコート層261を保持した状態を維持しながらインクジェットヘッド72を長手方向(図8における紙面を貫く方向)に移動させることで、インクジェットヘッド72のノズル面72Aの全面にわたって洗浄液が塗布される。
洗浄液は、ノズル面72Aに付着した固化インクを溶解しうる物性を有し、洗浄液保持面262Aに洗浄液のコート層261を形成し得る物性を有し、洗浄効果のより高い専用の液体が適用される。例えば、DEGmBE(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)などの溶剤が含まれている洗浄液を適用可能である。
≪ノズル面払拭装置の構成≫
図9は、ノズル面払拭装置をメンテナンス位置側から見た側面図である。
同図に示すように、ノズル面払拭装置264は、各インクジェットヘッド72M、72K、72C、72Yに対応して設けられた払拭ユニット300M、300K、300C、300Yと、その払拭ユニット300M、300K、300C、300Yがセットされる払拭装置本体フレーム302とで構成されている。
(払拭装置本体フレームの構成)
払拭装置本体フレーム302は、水平に設置されており、図示しない昇降装置によって昇降自在に設けられている。この払拭装置本体フレーム302は、上端部が開口した箱状に形成されており、その内部に各払拭ユニット300M、300K、300C、300Yを装着するための払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yが形成されている。
払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yは、払拭ユニット300M、300K、300C、300Yを収容可能な空間として形成されており、上部が開口して形成されている。各払拭ユニット300M、300K、300C、300Yは、各払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yの上部開口部から鉛直下向きに差し込むことにより、各払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yにセットされる。
なお、各払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yには、図示しないロック機構が備えられ、装着された払拭ユニット300M、300K、300C、300Yをロックできるように構成される。ロック機構は、たとえば、払拭ユニット300M、300K、300C、300Yを払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yに差し込むと、自動的に作動するように構成される。
<払拭ユニットの構成>
次に、払拭ユニット300M、300K、300C、300Yの構成について説明する。
なお、各払拭ユニット300M、300K、300C、300Yの基本構成は共通しているので、ここでは払拭ユニット300として、その構成を説明する。払拭ユニット装着部304M、304K、304C、304Yについても同様であり、払拭ユニット装着部304として説明する。
図10は払拭ユニットの平面図、図11は払拭ユニットの正面部分断面図である。
図10、11に示すように、払拭ユニット300は、傾斜して設置された押圧ローラ318に帯状に形成された払拭ウエブ(払拭部材)310を巻き掛け、この押圧ローラ318に巻き掛けた払拭ウエブ310をインクジェットヘッドのノズル面に押圧当接させることにより、インクジェットヘッドのノズル面を払拭清掃する。
この払拭ユニット300は、ケース312と、帯状に形成された払拭ウエブ310を繰り出す繰出軸314と、払拭ウエブ310を巻き取る巻取軸316と、繰出軸314から繰り出された払拭ウエブ310が押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする前段ガイド320と、押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310が巻取軸316に巻き取られるようにガイドする後段ガイド322と、払拭ウエブ310を搬送するグリッドローラ(駆動ローラ)324とを備えて構成される。
なお、払拭ウエブ310には、たとえば、PET、PE、NY、アクリル等の極微細繊維を用いた編みまたは織りからなるシートが用いられ、払拭対象とするヘッドのノズル面の幅に対応した幅を有する帯状に形成される。
押圧ローラ318は、繰出軸314の上方に配置されており(本例では、押圧ローラ318と繰出軸314と巻取軸316とが同一直線上に配置されている。)、水平面に対して所定角度傾斜して配置されている。すなわち、この押圧ローラ318は、払拭ウエブ310をインクジェットヘッド72のノズル面72Aに押圧当接させるものであるため、払拭対象とするインクジェットヘッド72のノズル面72Aの傾きに合わせて傾けて配置されている(ノズル面と平行になるように配置されている)。
前段ガイド320は、第1前段ガイド360と、第2前段ガイド362とで構成され、繰出軸314から繰り出された払拭ウエブ310が、傾斜して設置された押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする。
一方、後段ガイド322は、第1後段ガイド364と、第2後段ガイド366とで構成され、傾斜して設置された押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310が、水平に設置された巻取軸316に巻き取れるようにガイドする。
この前段ガイド320と後段ガイド322は、押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。すなわち、第1前段ガイド360と第1後段ガイド364とが押圧ローラ318を挟んで対称に配置されるとともに、第2前段ガイド362と第2後段ガイド366とが押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。
第1前段ガイド360は、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ370の上に垂直に立設されている。この第1前段ガイド360は、上縁部360Aが、払拭ウエブ310の巻き掛け部として形成されており、その表面が円弧状に形成されている。また、この上縁部360Aは、水平面に対して所定角度傾斜して形成されており、これにより、払拭ウエブ310の走行方向が変換される。
第1後段ガイド364は、第1前段ガイド360と同じ構成である。すなわち、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ370の上に垂直に立設されている。そして、その上縁部364Aが、払拭ウエブ310の巻き掛け部として形成され、円弧状に形成されるとともに、水平面に対して所定角度傾斜して形成されている。
この第1前段ガイド360と第1後段ガイド364とが、押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。繰出軸314から繰り出された払拭ウエブ310は、第1前段ガイド360に巻き掛けられることにより、繰出軸314と直交する方向から押圧ローラ318と略直交する方向に方向転換される。また、後述する第2後段ガイド366に巻き掛けられた払拭ウエブ310は、第1後段ガイド364に巻き掛けられることにより、巻取軸316と直交する方向に方向転換される。
第2前段ガイド362は、両端部にフランジ362L、362Rを有するガイドローラとして構成されている。この第2前段ガイド362は、第1前段ガイド360と押圧ローラ318との間に配置され、第1前段ガイド360に巻き掛けられた払拭ウエブ310が、押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする。すなわち、第1前段ガイド360によって押圧ローラ318と略直交する方向に方向転換された払拭ウエブ310が、押圧ローラ318と直交する方向に走行するように、払拭ウエブ310の走行方向を微調整する。また、両端のフランジ362L、362Rによって、払拭ウエブ310の斜行を防止する。
この第2前段ガイド362は、一端をブラケット368Aに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット368Aは、図13に示すように、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体326の背面上端部に固定されている。そして、そのケース本体326の上端部から上方に向けて垂直に突出して設けられている。第2前段ガイド362は、このブラケット368Aの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
第2後段ガイド366は、第2前段ガイド362と同じ構成である。すなわち、両端部にフランジ366L、366Rを有するガイドローラとして構成され、一端をブラケット368Bに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット368Bは、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体326の背面上端部に固定されている。第2後段ガイド366は、このブラケット368Bの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
この第2後段ガイド366は、押圧ローラ318と第1後段ガイド364との間に配置され、押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310が、第1後段ガイド364に巻き掛けられるようにガイドする。
この第2前段ガイド362と第2後段ガイド366とが、押圧ローラ318を挟んで対称に配置されている。第1前段ガイド360によって押圧ローラ318と略直交する方向に方向転換された払拭ウエブ310は、第2前段ガイド362に巻き掛けられることにより、押圧ローラ318と直交する方向に走行するように、走行方向が微調整される。また、押圧ローラ318に巻き掛けられた払拭ウエブ310は、第1後段ガイド364に巻き掛けられるように、第2後段ガイド366によって走行方向が微調整される。そして、第1後段ガイド364に巻き掛けられることにより、巻取軸316と直交する方向に方向転換される。
このように、前段ガイド320と後段ガイド322は、段階的に払拭ウエブ310の走行方向を切り換えることにより、払拭ウエブ310が、無理なく押圧ローラ318に巻き掛けられるようにガイドする。
10…インクジェット記録装置、12…給紙部、14…処理液付与部、16…描画部、18…乾燥部、20…定着部、22…排出部、24…記録媒体、70…描画ドラム、72…インクジェットヘッド、72A…ノズル面、72B…ヘッドモジュール支持部材(ウイングカバー部)、73…ノズルプレート、151…ノズル、152…圧力室、174…ノズル領域、176…洗浄液保持領域、178…溝部、260…ノズル面清掃装置、262…洗浄液付与装置、264…ノズル面払拭装置

Claims (11)

  1. インクを吐出する複数のノズルがマトリックス状に配置された複数のノズル領域を有するノズルプレートを備えるインクジェットヘッドと、
    前記ノズルプレートを払拭する払拭装置と、を備え、
    前記ノズル領域は撥水性を有しており、
    前記払拭装置の払拭方向と略平行で、前記ノズル領域間に洗浄液保持領域を有するインクジェットヘッド洗浄システム。
  2. 前記洗浄液保持領域は、前記ノズル領域より親水性を有する請求項1に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  3. 前記ノズル領域は、前記ノズルプレートの払拭方向と略平行で、分割後のそれぞれの前記ノズル領域の幅が等しくなるように分割されており、
    前記ノズル領域間に前記洗浄液保持領域が配置される請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  4. 前記ノズル領域は撥水膜を有しており、前記洗浄液保持領域は前記撥水膜の下地膜である請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  5. 前記洗浄液保持領域は溝部を有する請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  6. 前記溝部は、逆テーパ状に形成されている請求項5に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  7. 前記ノズルプレートのノズル面は、水平面に対して傾斜して配置されている請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  8. 前記ノズルと前記洗浄液保持領域との距離が300μm以上である請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  9. ワイプ方向に垂直な方向における前記ノズル間の距離が100μm以上600μm以下である請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  10. 前記払拭装置の払拭方向と略平行で、前記ノズルプレートの両端に、前記ノズル領域より撥水性の低いヘッドモジュール支持部材を有する請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド洗浄システム。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド洗浄システムを用いたインクジェットヘッドのメンテナンス方法において、
    インクジェットヘッドを移動させるヘッド移動工程と、
    前記インクジェットヘッドのノズル面に洗浄液を付与する洗浄液付与工程と、
    前記インクジェットヘッドの前記洗浄液保持部材に洗浄液を保持する洗浄液保持工程と、
    前記洗浄液保持部材で保持された洗浄液を払拭部材で伝播させながら前記ノズルプレートを払拭する払拭工程と、を有するインクジェットヘッドのメンテナンス方法。
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JP2018111271A (ja) * 2017-01-12 2018-07-19 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置
JP2020142486A (ja) * 2019-03-08 2020-09-10 コニカミノルタ株式会社 インクジェット記録装置及びメンテナンス方法

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