JP2013165006A - イオン発生素子及びそれを備えたイオン発生装置 - Google Patents

イオン発生素子及びそれを備えたイオン発生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 発生したイオンが電極に吸収されにくいように電極が配置されており、正あるいは負いずれかのイオンを優先的に発生させることができるイオン発生素子及びそれを備えたイオン発生装置を実現することができる。
【解決手段】 本発明のイオン発生素子は、コロナ放電によりイオンを発生させる線状の第1電極3及び線状の第2電極4を備え、第1電極3及び第2電極4は、正あるいは負いずれか一方のイオンを優先的に発生させるよう構成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気清浄機などに搭載されるイオン発生素子及びイオン発生装置に関するものである。
コロナ放電によってイオンを発生させる技術は、除電装置、帯電装置、空気清浄装置、電気集塵装置等のように様々な分野で用いられている。
例えば、特許文献1では、コロナ放電を用いたマイナスイオン発生装置が記載されており、図9は、特許文献1に係るマイナスイオン発生装置の斜視図である。ここでは、単一の円形開口部を有する正電極101と、針状部を有し、針状部の先端が正電極の円形開口部に対向するように配置された負電極102を含み、正電極101は、高電圧直流電源のプラス端、すなわちアース側に接続され、負電極102は、高電圧直流電源のマイナス端に接続されている。この構成において、正電極101と負電極102との間に直流高電圧を印加して両電極間にコロナ放電を起こし、マイナスイオンを発生させる。
また、特許文献2では、電子部品等に帯電した静電気を中和する除電装置が記載されており、図10は、特許文献2に係る除電装置の構成図である。ここでは、電極103及び電極104を有し、それぞれの電極の先端が互いに対向するように設けられている。電極103は、電源105の正端子に接続され、正の電圧が印加されることによりプラスイオンを放出する。一方、電極104は、電源105の負端子に接続され、負の電圧が印加されることによりマイナスイオンを放出する。電極103及び電極104から放出されたイオンは、送風手段106によって除電対象物へ送出される。
特開2006−185740号公報(平成18年7月13日公開) 特開2011−60537号公報(平成23年3月24日公開)
しかしながら、特許文献1のマイナスイオン発生装置では、コロナ放電により発生させたマイナスイオンは、アースに接続されている正電極101の面積が大きいため、負電極102の針状部で発生させたマイナスイオンが、正電極101に吸収されやすいという問題がある。また、特許文献2の除電装置では、電極103及び電極104で放電を起こすために正の高電圧及び負の高電圧を印加していることから、電極103で放出されたプラスイオンは、負の電圧が印加された電極104に吸収され、電極104で放出されたマイナスイオンは、正の電極が印加された電極103に吸収されてしまう。その結果、除電対象物へ送出されるイオンの量が減少してしまうといった問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、発生したイオンが電極に吸収されにくいように電極が配置されており、正あるいは負いずれかのイオンを優先的に発生させることができるイオン発生素子及びそれを備えたイオン発生装置を実現することにある。
本発明に係るイオン発生素子は、コロナ放電によりイオンを発生させる線状の第1の電極及び線状の第2の電極を備えたイオン発生素子であって、第1の電極及び第2の電極は、正あるいは負いずれか一方のイオンを優先的に発生させるよう構成されていることを特徴とする。
また、第1の電極及び第2の電極は、片方の電極から他方の電極をみたときの投影面積が重複するように対向配置されていることを特徴としても良い。また、第1の電極及び第2の電極は、先端に針状の形状を有することを特徴としても良い。
本発明に係るイオン発生装置は、線状の第1の電極及び線状の第2の電極を備えたイオン発生素子と、第1の電極に接続する第1電源と、第2の電極に接続する第2電源を備え、第1の電極への印加電圧の絶対値と第2の電極への印加電圧の絶対値の差は、3kV以上であり、かつ第1の電極と第2の電極との電圧差によりコロナ放電を生じさせるものであることを特徴とする。
また、第1の電極あるいは第2の電極のいずれか一方に正あるいは負いずれかの電圧を印加し、他方の電極に電圧を印加しないことを特徴としても良い。また、第1の電極及び第2の電極に同極性の電圧を印加することを特徴としても良い。また、第1の電極と第2の電極との間に風を送るように配置される送風手段を備えることを特徴としても良い。
また、第1の電極あるいは第2の電極のいずれか一方にパルス電圧を印加し、他方の電極に、パルス電圧の最大値の30〜60%のDC電圧を印加することを特徴としても良い。
本発明によれば、発生したイオンが電極に吸収されにくいように電極が配置されており、正あるいは負いずれかのイオンを優先的に発生させることができるイオン発生素子及びそれを備えたイオン発生装置を実現することができる。
実施形態1に係るイオン発生装置の構成を示す断面図である。 第1電極及び第2電極の配置の一例を示す断面図である。 第1電極及び第2電極への電圧波形図である。 実施形態2に係るイオン発生装置の構成を示す断面図である。 実施例に係るイオン発生装置の測定実験を行った具体的な実験装置を示す図である。 実施例1に係る測定実験結果である。 実施例2に係る各電極への電圧波形図である。 実施例2に係る測定実験結果である。 従来技術である特許文献1に係るマイナスイオン発生装置の構成を示す斜視図である。 従来技術である特許文献2に係る除電装置の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
〔実施形態1〕
図1は、本発明の一つの実施形態におけるイオン発生装置1の構成を示す断面図である。イオン発生装置1は、筐体2、第1電極3、第2電極4、第1電源5、第2電源6及び送風手段7を有する。
筐体2は、中空構造であり、その一端にイオンをイオン発生装置1の外部に放出するための放出口8が形成されている。筐体2の内部は、イオンが通る風路となっており、風路を通ったイオンは、放出口8からイオン発生装置1の外部空間に放出される。筐体2は、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリルなどの樹脂や、導電性、加工性、汎用性の高い銅やアルミニウムの金属から構成されており、樹脂あるいは金属の単層でも良く、それぞれを重ね合わせた複層でも良い。
第1電極3及び第2電極4は、線形状の導電部材からなり、一対でイオン発生素子を構成し、両電極間でコロナ放電を生じさせ、イオンを発生させる役割を担う。第1電極3及び第2電極4を線形状にすることにより、板状やリング状にしたときに比べて、電界集中が起こりやすくなるため、印加電圧を大幅に上げることなく、第1電極3と第2電極4の離間距離を大きくすることができる。第1電極3と第2電極4の離間距離が大きい場合、離間距離が小さいときに比べて、発生したイオンが電極に吸収されにくくなる。その結果、効率良くイオンを発生させることが可能となる。
図2は、第1電極3及び第2電極4の配置の一例を示した断面図である。図2(a)では、第1電極3及び第2電極4は、筐体2に対してほぼ垂直に固定され、片方の電極から他方の電極をみたときの投影面積が重複するように対向配置されている。図2(b)では、第1電極3及び第2電極4は、筐体2に対して傾いて配置されており、図2(c)では、第1電極3及び第2電極4は、互いの電極が平行であり、筐体2とも平行になるように配置されている。それぞれの配置で、コロナ放電を起こし、イオンを発生させることはできるが、図2(a)のように両電極の先端が対向配置しているほうが好ましい。図2(c)のような配置の場合、一方の電極の先端から見える他方の電極の面積が大きいため、発生したイオンが他方の電極に吸収されやすくなっている。そのため、図2(a)のように各電極の先端を対向配置するように配置することで、より多くのイオンを発生させることができる。
なお、第1電極3及び第2電極4は、先端に針状や球状等の形状あるいはエッジ部を有しても良いが、図1及び2のように先端に針状の形状を有するのが好ましい。先端を針状に形成することで、コロナ放電がより起こりやすくなるため、低い電圧で多くのイオンを発生させることができる。
また、第1電極3の先端と第2電極4の先端の離間距離は、1.5cm〜10cmであることが好ましい。1.5cm以下の場合、アーク放電が起こりやすくなり、人体に有害なオゾンガスが高い濃度で発生する可能性がある。また、印加電圧を調整し、イオンを発生させたとしても、電極が近くに配置されているため、電極に吸収されるイオンの割合が多くなってしまう。また、10cm以上離してしまうと、コロナ放電が、第1電極3と第2電極4の間ではなく、電極の近くに存在する別の物体と電極の間で生じやすくなる。例えば、第1電極3の先端と第2電極4の先端の離間距離を10cmにし、第1電極3に電圧を印加し、第2電極4を接地状態にした場合、第2電極4より近くに存在する筐体2等と第1電極3の間でコロナ放電が生じてしまい、イオンの発生効率が低下してしまう可能性がある。
第1電源5は、第1電極3に接続され、第2電源6は、第2電極4に接続されており、各電源は、各電極に電圧を印加し、第1電極3と第2電極4の間で所定の電位差を作ることでコロナ放電を生じさせる。また、第1電源5及び第2電源6は、本実施形態に示したように別々に設置しても良いし、一つの電源で構成されていても良い。また、第1電極3あるいは第2電極4を電気的に浮かした状態または接地状態にする場合、電源を用いなくても良い。
送風手段7は、ファン等によって構成され、筐体2内に配置される。送風手段7は、放出口8とは別に備えられている空気取り入れ口から取り込まれた空気を筐体2の風路に送風することでコロナ放電により発生したイオンを放出口8の方向に送り、放出口8からイオン発生装置1の外部空間にイオンを放出する。また、送風手段7は、第1電極3と第2電極4の間に空気を送風するように配置するのが良い。そのように送風手段7を配置することで、第1電極3と第2電極4の間にて発生したイオンを効率良く放出口8の方向に送ることができる。送風手段7の風力、及び風速は、強いほど発生したイオンをより遠くに、また広く拡散させることができるが、風力が強いとファンの運転音も大きくなるため、装置の仕様により、適宜設定する。
次に、イオンを発生させる際に、第1電極3及び第2電極4に印加する電圧について説明する。ここで、第1電極3及び第2電極4に印加する電圧の基準を接地状態とする。本実施形態のイオン発生装置1では、第1電極3及び第2電極4からなるイオン発生素子でコロナ放電を生じさせ、正あるいは負いずれかのイオンを優先的に発生させる。ここで、正イオンが優先的に発生している状態とは、放出口8から放出しているイオンのうち9割以上が正イオンであることを意味している。負イオンにおいても同様である。
まず、コロナ放電を生じさせるためには、第1電極3と第2電極4の間に所定の電圧差を作る。このとき、第1電極3と第2電極4の間の電圧差は、3〜10kVが好ましい。電圧差が3kV以下の場合、コロナ放電が生じにくく、発生するイオン量が十分ではない。また、電圧差が10kV以上の場合、アーク放電が起こる可能性が大きくなってしまい、装置が故障してしまう危険性がある。
さらに、正あるいは負いずれかのイオンを優先的に発生させるためには、第1電極3への印加電圧の絶対値と第2電極4への印加電圧の絶対値を異なるように設定する必要がある。このとき、第1電極3への印加電圧と第2電極4への印加電圧の和は、正あるいは負いずれかの極性になる。第1電極3への印加電圧と第2電極4への印加電圧の和がゼロあるいはゼロ付近の場合、正あるいは負いずれかのイオンが優先的に発生しなくなる。例えば、第1電極3に3kV、第2電極4に−3kVを印加した場合、第1電極3で発生する正イオンの量と第2電極4で発生する負イオンの量がほぼ同等であり、かつ第1電極3で発生した正イオンが第2電極4に吸収される量及び第2電極4で発生した負イオンが第1電極3に吸収される量がほぼ同等であるため、正あるいは負いずれかのイオンを優先的に発生しなくなる。そのため、第1電極3への印加電圧と第2電極4への印加電圧の和を正あるいは負いずれかの極性に設定することによって、正イオンの発生量・吸収量と負イオンの発生量・吸収量に差を作り、正あるいは負いずれかのイオンを優先的に発生させる。このとき、第1電極3への印加電圧の絶対値と第2電極4への印加電圧の絶対値の差は、3kV以上が好ましい。
次に、より具体的な第1電極3及び第2電極4への印加電圧について説明する。例えば、第1電極3に正あるいは負いずれかの電圧を印加し、第2電極4にゼロあるいはゼロ付近の電圧を印加するとする。ここでいうゼロあるいはゼロ付近の電圧を印加するとは、電極を接地させることや電極を電気的に浮かせることを含んでいる。このとき、第1電極3と第2電極4の間にコロナ放電が生じる電圧差を作り、第1電極3に正の電圧を印加した場合、正イオンが優先的に発生し、負の電圧を印加した場合、負イオンが優先的に発生する。また、例えば、第1電極3に正の電圧を印加しているときに、第2電極4に負の電圧を印加すると、発生させた正イオンが第2電極4に吸収されてしまう。そのため、発生させたいイオンと逆極性の電圧を印加する場合、ゼロ付近の電圧にすることが好ましい。なお、第1電極3及び第2電極4は対称に配置されているため、印加する電圧を逆にしても、同様の結果が得られることは言うまでもない。
また、第1電極3及び第2電極4に同極性の電圧を印加しつつ、第1電極3及び第2電極4の間にコロナ放電が生じる電位差を作ることでコロナ放電を生じさせても良い。このとき、正の電圧を印加した場合、正イオンが優先的に発生し、負の電圧を印加した場合、負イオンが優先的に発生する。このように、発生させるイオンと同極性の電圧を両電極に印加することで、反発効果により発生したイオンが電極に吸収されにくくなる。第1電極3あるいは第2電極4に印加する電圧の波形に限定するものはなく、直流、パルス波形、正弦波形等が挙げられる。
例えば、図3は、第1電極3及び第2電極4に印加する電圧波形の一例を示す図であり、図3(a)は、正イオンを発生させるときの電圧波形図で、図3(b)は、負イオンを発生させるときの電圧波形図である。図3において、縦軸は電圧、横軸は時間を示し、V1は第1電極3に印加する電圧、V2は第2電極4に印加する電圧を示す。電圧V1は、周期T1で駆動するパルス電圧であり、電圧V2は、ゼロのDC電圧であり、接地状態と同等とする。第1電極3に高電圧とゼロを行き来するパルス電圧を印加することによって、周期的にコロナ放電をON/OFFしている。
図3(a)の場合、周期T1のうちT2の間においては、第1電極3に正の電圧を印加し、第1電極3と第2電極4の電圧差を所定の範囲にすることで、コロナ放電を生じさせる。ここでいう所定の範囲とは、第1電極3と第2電極4の間でコロナ放電が生じる範囲を示す。T2は、放電期間とし、イオンが発生する期間である。一方、周期T1のうちT3の間においては、第1電極3にゼロ電圧あるいはゼロ電圧付近の電圧を印加し、第1電極3と第2電極4の電位差をほぼゼロにすることで、コロナ放電を生じさせない。ここでいうほぼゼロとは、第1電極3と第2電極4の間でコロナ放電が生じない範囲を示し、ゼロも含む。T3は、非放電期間とし、イオンが発生しない期間である。周期T1、放電期間T2及び非放電期間T3は、T1=T2+T3の関係を満たしている。また、周期T1に対する放電期間T2のDUTY比は、T2/T1のパーセント(%)とする。
一方、図3(b)の場合、第1電極3に印加する電圧V1が、図3(a)のV1の逆極性となること以外は、図3(a)と同様の電圧波形である。放電期間T2では、負イオンが発生し、非放電期間T3では、イオンが発生しない。
なお、図3では第1電極3にパルス電圧、第2電極4にDC電圧を印加したが、第1電極3と第2電極4は、対称構造であるため、第1電極3にDC電圧、第2電極4にパルス電圧を印加しても同様の結果を得ることができる。
また、イオンを発生させるために各電極へ印加する電圧波形は、図3に限定されるものではなく、イオンを発生させるときは、第1電極3と第2電極4の電圧差を所定の範囲にし、イオンを発生させないときは、第1電極3と第2電極4の電位差をほぼゼロにすれば良い。例えば、第1電極3と第2電極4の電圧差が、所定の範囲になるように、各電極にDC電圧を印加しても良い。このときイオンは発生し続ける。
〔実施形態2〕
本実施形態のイオン発生装置11は、第1電極及び第2電極からなるイオン発生素子を二組備えており、一方のイオン発生素子から正イオンを発生させ、他方のイオン発生素子から負イオンを発生させることで、正イオン及び負イオンの両イオンを発生させることができる。イオン発生装置11の各構成要素やイオンを発生させるための印加電圧等の基本的な構成は、実施形態1と同様である。
図4は、本発明の一つの実施形態におけるイオン発生装置11の構成を示す断面図である。第1電極3a及び第2電極4aは、イオン発生素子を形成し、第1電極3aは第1電源5aと接続され、第2電極4aは第2電源6aと接続されている。この構成において、第1電極3a及び第2電極4aから正イオンを優先的に発生させるように、第1電源5a及び第2電源6aからの印加電圧を設定し、第1電極3aと第2電極4aとの間でコロナ放電を起こす。また、第1電極3b及び第2電極4bも同様にイオン発生素子を形成し、第1電極3bは第1電源5bと接続され、第2電極4bは第2電源6bと接続されている。この構成において、第1電極3b及び第2電極4bから負イオンを優先的に発生させるように、第1電源5b及び第2電源6bからの印加電圧を設定し、第1電極3bと第2電極4bとの間でコロナ放電を起こす。
送風手段7は、ファン等によって構成され、筐体2内に配置される。送風手段7は、放出口とは別に備えられている空気取り入れ口から取り込まれた空気を筐体2の風路に送風することで、第1電極3a及び第2電極4aから発生した正イオンを放出口8aからイオン発生装置11の外部空間に放出し、第1電極3b及び第2電極4bから発生した負イオンを放出口8bからイオン発生装置11の外部空間に放出する。
このように正イオン及び負イオンを同時に空気中に放出させることで、空気中に浮遊するカビ菌やウィルスの分解、ニオイの除去、集塵等などの効果を生むことができる。また、正イオン及び負イオンを同時に空気中に放出させることで、半導体工場等の除電装置すなわちイオナイザーとして使用しても良い。高濃度の正イオン及び負イオンを同時に発生させることにより、優れた除電効果が得られる。
次に、実施形態1で説明した本発明のイオン発生装置を用いて実験を行ったので、その内容について以下で説明する。
実施例1では、本発明に係るイオン発生装置を用いて、放電期間T2のDUTY比とイオンの発生量の関係について測定した実験について説明する。図5は、測定実験を行った具体的な実験装置であり、イオン発生装置1の放出口8の先にイオン計測機9を配置する。イオン計測機9は、第1電極3と第2電極4の延長線上から垂直方向に約50cm離れた場所に配置され、イオン計測機9に流れる電流の大きさを測定することによって、発生したイオン量を観測する。ここで、イオン計測機9に流れる電流をイオン電流とする。
筐体2は、ポリカーボネートの単層とし、第1電極3及び第2電極4は、導電性の金属製で、軸部分の太さ直径1mm、長さ5mmで、十分に先鋭度のある針状のものとした。第1電極3の先端と第2電極4の先端の間の距離は、45mmとした。送風手段7は、ファンにより構成され、風量1.5m/minの空気を筐体2の風路に送風した。第1電極3に印加する電圧は、図3(a)のようなパルス電圧であり、詳しくは周波数2kHz、非放電期間T3ではゼロ電圧とし、放電期間T2では+5kVあるいは+9kVである2種類のパルス電圧を用いた。第2電極4は、電源を用いず接地状態にした。
このように構成されたイオン発生装置1において、第1電極3に印加するパルス電圧のDUTY比を5〜90%に変化させつつ、イオン計測機9のイオン電流を測定した。図6(a)は、DUTY比とイオン電流の関係を示した実験結果である。この結果から、第1電極3に印加するパルス電圧の大きさに関わらず、DUTY比を大きくしていくにつれ、イオン電流も増加していくことがわかる。つまり、正イオンの発生量が増加していることを意味する。これは、DUTY比を大きくすることによって、放電期間T2が長くなることが理由だと考えられる。
次に、図6(b)は、図6(a)の結果より求められたDUTY比とイオン発生効率の関係図である。イオン発生効率は、図6(a)のイオン電流をDUTY比で割ることによって求められた値を、さらにここでは、DUTY比が10%のときの値を1とし、規格化した値となる。これより、イオン発生効率は、単位DUTY比あたりのイオン電流を示していることになり、イオン発生効率が大きいほど、効率良くイオンを発生させていることを意味する。図6(b)によると、第1電極3に印加するパルス電圧の大きさに関わらず、DUTY比が10%のときに、イオン発生効率が良く、DUTY比を大きくしていくにつれ、イオン発生効率が低下していくことがわかる。つまり、DUTY比を大きくすると、正イオンの発生量は増加するが、発生効率は低下することを意味する。一方、DUTY比を10%以下にすると、イオン発生効率が低下することもわかる。
詳細に図6(b)を分析すると、パルス電圧差5kVのとき、DUTY比が5〜42%においてはイオン発生効率が0.4以上になり、DUTY比が5〜26%においてはイオン発生効率0.6以上になり、イオンが効率良く発生することがわかる。さらに言えば、DUTY比が7.4〜18%においてはイオン発生効率0.8以上になり、イオンがより効率良く発生するため、好ましいことがわかる。同様に、パルス電圧差9kVのとき、DUTY比が5.4〜31%においてはイオン発生効率が0.4以上になり、DUTY比が7.0〜18%においてはイオン発生効率0.6以上になり、イオンが効率良く発生することがわかる。さらに言えば、DUTY比が8.5〜14%においてはイオン発生効率0.8以上になり、イオンがより効率良く発生するため、好ましいことがわかる。
以上の結果から、本発明に係るイオン発生装置を用いて、パルス電圧を印加し、イオンを発生させる場合、パルス電圧のDUTY比は、10%前後にすると、イオンが効率良く発生することがわかった。また、DUTY比が小さいということは、放電期間T2が短いということなので、消費電力の削減にも繋がる。そのため、低消費電力でイオンを発生させることができる。なお、実施例1では正のパルス電圧を印加し、正イオンを発生させたが、負のパルス電圧を印加し、負イオンを発生させた場合においても同様の結果を得ることができることはいうまでもない。
実施例2では、本発明に係るイオン発生装置を用いて、第2電極4に印加する電圧V2とイオンの発生量の関係について測定した実験について説明する。測定実験を行った実験装置は、第2電極4に第2電源6が接続されていること以外は、実施例1で用いた図5の実験装置と同様である。イオン発生装置1及びイオン計測機9の構成及び配置も実施例1と同様である。
図7は、実施例2での第1電極3及び第2電極4に印加する電圧波形図であり、図7(a)は、正イオンを発生させるときの電圧波形図、図7(b)は、負イオンを発生させるときの電圧波形図である。図3と同様に、縦軸は電圧、横軸は時間を示し、V1は第1電極3に印加する電圧、V2は第2電極4に印加する電圧を示す。実施例2の図7(a)では、第1電極3に印加する電圧V1は、周波数2kHz、電圧0―9kVのパルス電圧であり、放電期間T2のDUTY比90%とした。第2電極4に印加する電圧V2は、DC電圧とした。また、図7(b)では、第1電極3及び第2電極4に印加する電圧は、図7(a)の逆極性の電圧であり、電圧V1は、周波数2kHz、電圧−9―0kVのパルス電圧、電圧V2は、DC電圧とした。
このように構成されたイオン発生装置1において、第2電極4に印加するDC電圧V2を0〜8kVに変化させつつ、イオン計測機9のイオン電流を測定した。図8(a)は、正イオンを発生させたときの電圧V2とイオン電流の関係を示した実験結果であり、図8(b)は、負イオンを発生させたときの電圧V2とイオン電流の関係を示した実験結果である。図8(a)より、電圧V2が3〜6kVのときにイオン電流が大きくなっており、特に4kVのときにイオン電流がより大きくなっていることがわかる。一方、図8(b)より、電圧V2が−5〜−3kVのときにイオン電流が大きくなっており、特に電圧V2が−5kVのときにイオン電流がより大きくなっていることがわかる。
これらの結果より、図8(a)、(b)を比較すると、同傾向になっており、第2電極4に印加するDC電圧V2の絶対値が3〜5kVのときイオン電流が大きくなっており、その前後ではイオン電流が低下している。DC電圧V2の絶対値を3〜5kVにするとイオン電流が大きくなるのは、発生させるイオンと同極性の電圧を第2電極4に印加することで、イオンを反発させる効果が生じ、第2電極4に吸収されるイオン量を少なくできることが理由だと考えられる。また、第2電極4に印加するDC電圧V2の絶対値を5kV以上にすると、放電期間T2での第1電極3と第2電極4の電位差が小さくなり、イオンの発生量が減少してしまうため、イオン電流が低下したと考えられる。
以上の結果から、本発明に係るイオン発生装置を用いて、第1電極3にパルス電圧を印加する場合、第2電極4にパルス電圧の最大値のおおよそ30〜60%のDC電圧を印加すると、正イオンが効率良く発生することがわかった。なお、実施例2では第1電極3にパルス電圧を印加し、第2電極4にDC電圧を印加させたが、第1電極3にDC電圧を印加し、第2電極4にパルス電圧を印加させても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
また、本発明に係るイオン発生装置は、イオン発生により各種効果が高められるために空気清浄装置に搭載することが可能である。なお、ここでいう空気清浄装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、ファンヒ−タ等であり、主として、家屋の室内、ビルの一室、病院の病室、自動車の車室内、飛行機の機内、船の船室内等の空気を調整すべく用いられる装置である。
1、11 イオン発生装置
2 筐体
3、3a、3b 第1電極
4、4a、4b 第2電極
5、5a、5b 第1電源
6、6a、6b 第2電源
7 送風手段
8、8a、8b 放出口
9 イオン計測機

Claims (8)

  1. コロナ放電によりイオンを発生させる線状の第1の電極及び線状の第2の電極を備えたイオン発生素子であって、
    前記第1の電極及び前記第2の電極は、正あるいは負いずれか一方のイオンを優先的に発生させるよう構成されていることを特徴とするイオン発生素子。
  2. 前記第1の電極及び前記第2の電極は、片方の電極から他方の電極をみたときの投影面積が重複するように対向配置されていることを特徴とする請求項1に記載のイオン発生素子。
  3. 前記第1の電極及び前記第2の電極は、先端に針状の形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載のイオン発生素子。
  4. 線状の第1の電極及び線状の第2の電極を備えたイオン発生素子と、
    前記第1の電極に接続する第1電源と、
    前記第2の電極に接続する第2電源を備え、
    前記第1の電極への印加電圧の絶対値と前記第2の電極への印加電圧の絶対値の差は、3kV以上であり、かつ前記第1の電極と前記第2の電極との電圧差によりコロナ放電を生じさせるものであることを特徴とするイオン発生装置。
  5. 前記第1の電極あるいは前記第2の電極のいずれか一方に正あるいは負いずれかの電圧を印加し、他方の電極に電圧を印加しないことを特徴とする請求項4に記載のイオン発生装置。
  6. 前記第1の電極及び前記第2の電極に同極性の電圧を印加することを特徴とする請求項4に記載のイオン発生装置。
  7. 送風手段を備え、前記送風手段は、前記第1の電極と前記第2の電極との間に風を送るように配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
  8. 前記第1の電極あるいは前記第2の電極のいずれか一方にパルス電圧を印加し、他方の電極に、前記パルス電圧の最大値の30〜60%のDC電圧を印加することを特徴とする請求項6に記載のイオン発生装置。
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