JP2013163252A - 加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機 - Google Patents

加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機 Download PDF

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Abstract

【課題】ワイヤ放電加工機の休止後、加工液の温度制御に必要な時間をテーブルあるいは計算により求め、操作開始前に最適なタイミングでタイマ機能を自動で有効にし、再開準備を始め、温調装置及び加工液を循環させるためのポンプを動作させて加工液の温度を制御する加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機を提供すること。
【解決手段】破線の一次関数で示されるように温度上昇が予測される場合、有人による操作開始時刻t2において加工液の温度が加工液制御温度T2に上昇するように、時刻t5bから加工液の昇温を開始し、一定時間後の時刻t8における温度上昇が予測よりも大きかった場合、時刻t9まで昇温を停止し、そこから再度昇温を開始する。これによって、無駄な電力消費をせずに加工液を加工液制御温度T2に到達させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤ放電加工機の加工液の温度制御に関する。
ワイヤ放電加工機では、ワイヤ電極と被加工物との極間に電圧を印加して放電を起こすと同時に、ワイヤ電極と被加工物の相対位置を変化させ、被加工物を所望の形状に加工する。一般的に被加工物の加工結果については、寸法精度、垂直度あるいは角度の精度が要求される。所望の加工結果を得るために、加工液の温度を制御することが重要である。
加工液の温度制御が重要な理由として、ワイヤ放電加工機に求められる加工精度は、被加工物の材料、被加工物の厚さ等により様々ではあるが、高精度なものでは数ミクロンの精度が必要になる場合もある。そのため、加工液の温度変化により被加工物に変形が生じた場合、加工精度が悪化し、寸法誤差が許容値内に収まらなくなる場合もある。
ワイヤ放電加工機の加工液の温度変化は、通常稼動している場合では、放電加工に伴い発生する熱による加工液の温度変化(温度上昇)が主である。この場合、加工液の温度を一定に維持することを目的として加工液冷却装置に関する特許文献1のような技術が公知である。これは加工時に発生する熱による加工液温度の上昇を抑制させるための技術である。特許文献1の技術とは逆に加工液の温度上昇が必要な場合のために特許文献2に開示される技術が公知である。ただし、特許文献1や特許文献2に開示される従来技術はワイヤ放電加工機が通常稼動している場合の加工液の温度制御についての技術である。
ここで、ワイヤ放電加工機を稼動させた後に、所定時間ワイヤ放電加工機を休止させ、稼動を再開する場合について考える。機械の休止中は無人になり、有人による機械の操作(以下、操作)は行わないものとする。また、休止中は加工液の温調装置を停止すると共に機械を維持する最小の電力で動作するものとする。
図5は、機械の周囲温度が通常稼動状態の加工液の制御目標温度(以下、「加工液制御温度」という)よりも低い場合の例で、機械の休止状態で、加工液の温度は周囲温度に近づき、操作開始後、加工液制御温度になるように温調される。図5のように、機械の状態を3種類に分類する(ただし、stAとstDは同じ状態である)。
stA:通常稼働状態を意味し、加工液温度が加工液制御温度に維持されている状態とする。
stB:休止状態を意味し、休止状態は加工液の温度制御を停止した状態とする。
stC:再開準備状態を意味し、再開準備状態は休止状態から復帰し、加工液循環用ポンプにより加工液の温度制御を再開している状態とする。
stD:通常稼働状態を意味し、加工液の温度が加工液制御温度になり、通常稼動状態へ復帰した状態とする。
なお、
1:機械稼働再開時加工液温度
2:加工液制御温度
1:機械休止時刻
2:機械再開準備開始時刻
3:加工液制御温度到達時刻
である。
stCの再開準備状態において、加工液が加工液制御温度T2に到達する前に被加工物の加工を開始した場合、加工開始時と加工終了時の加工液温度が異なる。加工液の温度変化に伴い、被加工物が変形し、加工結果の寸法誤差が大きくなってしまう。そこで、再開準備状態(stC)において加工開始した場合の加工結果の寸法誤差が許容値内に収まらなくなることを避けるため、加工液の温度が加工液制御温度に達した後に加工開始可能とする。
図5のように加工液の温度が加工液制御温度よりも低い状態から加工液を昇温させる場合、例えば、加工液循環用ポンプを用いて昇温させる方法がある。ただし、これは加工液循環ポンプが動作する際の発熱による昇温で、あくまで副次的な作用であるため高効率ではない。加工液の昇温のみを目的とするのであれば、特許文献2に開示されるようにヒータのような加温装置を用いた方が短時間で加工液を制御温度へ到達させることができる。その概略図を示したのが図6で、加温装置を用いることで再開準備状態(stC)の時間をCからC2へ短縮することができる。
ここで、図6で用いられる記号を説明すると、
stC2:再開準備状態(加温装置有り)を意味し、再開準備状態は休止状態から復帰し、加温装置及び加工液循環用ポンプにより加工液の温度制御を再開している状態とする。
4:加工液制御温度到達時刻(加温装置有り)
である。なお、その他の符号は図5の説明と同様である。
しかし、加温装置を用いる場合であっても、加工液の昇温は再開準備開始操作により始まる。そのため、操作開始後、加工液制御温度まで昇温するには一定の再開準備時間が存在し、その間に加工を行っても精度の良い加工結果が得られない、という問題があった。
そのような問題を解決するためにタイマ機能を用いて操作開始に先立って加工液の温度制御を行う技術が特許文献3により公知である。図7は特許文献3に開示される加工液の温度制御技術を説明する概略図で、タイマ機能を用いる場合と用いない場合とを比較している。
ここで、図7で用いられる記号を説明すると、
stC2:再開準備状態(タイマ機能無し)
stC3:再開準備状態(タイマ機能有り)
5a:再開準備開始時刻(タイマ機能有り)
6:制御温度到達時刻(タイマ機能有り)
2:再開準備開始時刻(タイマ機能無し)を意味し、再開準備開始時刻(タイマ機能無し)は、有人による操作開始時刻である。
4:制御温度到達時刻(タイマ機能無し)
なお、その他の符号は図5の説明と同様である。
図7に示される加工液の温度制御を説明する。時刻t2に操作開始すると仮定する。タイマ機能を有している機械が時刻t5aに加工液の温度制御を再開した場合、時刻t6には加工液制御温度T2に到達する。時刻t6は操作開始よりも前であるので、この場合では操作開始後すぐに加工を開始することが可能である。一方、タイマ機能が無い機械で時刻t2に加温を開始した場合では、加工液制御温度T2に到達する時刻t4まで加工を行うことができない。
このように、タイマ機能を有している場合では操作開始後に滞りなく加工を開始することが可能となる。しかし、この技術では、操作者がタイマ機能の時刻を設定する必要がある。この場合、機械休止中に加工液の温度がどの程度変化し、その温度変化が目標温度とどの程度乖離していて、目標温度まで変化させるのにどの程度の時間を必要とするのかを正しく把握するのが困難であるという問題があった。
図8は従来技術においてタイマ機能を有効にするタイミングを変えて行う加工液の温度制御を説明する図である。ここでは、時刻t2の時刻に操作を開始するとする。また、タイマ機能を有効にするタイミングを時刻t5a、時刻t5b、時刻t5cとする。時刻t5aに再開準備を開始した場合、操作開始前に制御温度に到達するが、時刻t2までの間に加工液循環用ポンプ動作のために使用する電力は無駄になる(時間D2の間)。時刻t5bに再開準備を開始した場合、時刻t2に加工液制御温度に到達する。時刻t2は操作を開始する時刻であるので、この場合、加温装置や加工液循環用ポンプは無駄に動作しない。時刻t5cに再開準備を開始した場合、操作開始までに加工液制御温度に到達することができず、加工液制御温度に到達する時刻t7まで(時間D3の間)加工を行うことができない。特許文献3の技術では、タイマの時刻を任意に設定するため、設定した時刻が図8のt5a、t5b、t5cのどの時間に相当するかは不明である。また、機械の休止中の加工液の温度変化を事前に予測して、正確にタイマ時刻の設定を行うことは不可能である。
この問題を解決するための技術が特許文献4に開示されている。この技術には機械の構成部位あるいはその周辺の温度を測定する温度計測手段を有し、プログラム開始時刻より前に加工液を循環させる慣らし循環を行う場合に、計測手段で測定された計測温度と加工液について予め設定された温度との差分を用いて慣らし循環に要する時間を予測して、プログラムの開始時刻まで予測した時間、慣らし循環を行うことが記載されている。
ただし、この特許文献4に開示される技術では加工液量を考慮していない。加工液の温度変化に必要な時間は、加工液量により異なる。また実際にワイヤ放電加工機が使用される現場では、仮に機械設置時に加工液量を最大容量にしたとしても、加工液の蒸発等により、加工液の量は不定であり、世の中で使用されている全てのワイヤ放電加工機の加工液量が同じであるとは考えにくい。そのため、特許文献4に開示される技術のテーブルだけでは、適切な時間にタイマ機能を動作させることができないという問題があった。
加えて、この特許文献4に開示される技術では、加工液の温度制御が始まった後はそのまま温度制御が継続される。前記の通り加工液量の情報が無いため、予測した時間よりも早く制御目標温度に到達する場合も考えられる。予定時刻よりも早く到達した場合は、その後、稼動開始時刻まで加工液循環等に無駄な電力を消費するという問題があった。
上記説明は、休止中の加工液温度が制御温度よりも低い場合についてであるが、休止中の加工液温度が制御温度よりも高い場合についても同様である。
特開平2−124228号公報 特開昭61−293723号公報 特開昭61−297033号公報 特開2010−105101号公報
そこで本発明は、ワイヤ放電加工機の休止後、加工液の温度制御に必要な時間をテーブルあるいは計算により求め、操作開始前に最適なタイミングでタイマ機能を自動で有効にし、再開準備を始め、温調装置及び加工液を循環させるためのポンプを動作させて加工液の温度を制御する加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機を提供することを課題とする。
本願の請求項1に係る発明は、加工液タンクと加工槽の間で加工液を循環させ、該加工槽に貯留した加工液に浸漬した被加工物とワイヤ電極との極間に電圧を印加して放電を起こすと同時に、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させ、前記被加工物を所望の形状に加工するワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ放電加工機の操作開始時刻を設定する操作開始時刻設定部と、前記操作開始時刻の前記加工液の制御温度を設定する加工液温度設定部と、前記加工液の温度を測定する加工液温度測定部と、前記ワイヤ放電加工機の周囲温度を測定する周囲温度測定部と、前記測定した加工液温度と周囲温度から前記加工液タンクに加工液を最大量貯留した場合の前記加工液の温度が前記制御温度となるまでに温調するために必要な熱量、損失熱量および温調機の容量に基づいて温調に必要な温調時間を算出する温調時間算出部と、前記温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第1の残り時間を算出する第1残り時間算出部と、前記温調時間が前記第1の残り時間と一致または超えたときに温調を開始する温調制御開始部と、前記温調制御開始部による温調の開始から所定時間経過後の加工液の温度を測定して加工液温度の変化率を求め、該加工液温度の変化率から前記制御温度に達するまでに必要な時間を再算出する温調時間再算出部と、前記温調時間再算出部により再算出温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第2の残り時間を算出する第2残り時間算出部と、前記再算出温調時間が前記第2の残り時間よりも短い場合は、該第2の残り時間と該再算出温調時間の差分だけ温調を待機した後、温調を再開始する時刻を設定する温調待機部と、を有し、前記再算出温調時間が前記第2の残り時間より短い場合には、前記温調待機部により設定された待機時間の後、加工液の温調制御を再開し、短くない場合には加工液の温調制御を継続して行うことを特徴とする加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機である。
請求項2に係る発明は、加工液タンクと加工槽の間で加工液を循環させ、該加工槽に貯留した加工液に浸漬した被加工物とワイヤ電極との極間に電圧を印加して放電を起こすと同時に、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させ、前記被加工物を所望の形状に加工するワイヤ放電加工機において、前記ワイヤ放電加工機の操作開始時刻を設定する操作開始時刻設定部と、前記操作開始時刻の前記加工液の制御温度を設定する加工液温度設定部と、前記加工液タンクに加工液を最大量貯留した場合の前記加工液の温度が前記制御温度となるまでに温調するために必要な時間のテーブルを記憶したテーブル記憶部と、前記加工液の温度を測定する加工液温度測定部と、前記測定した加工液温度と前記テーブルに基づいて温調に必要な温調時間を算出する温調時間算出部と、前記温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第1の残り時間を算出する第1残り時間算出部と、前記温調時間が前記残り時間と一致または超えたときに温調を開始する温調制御開始部と、前記温調制御開始部による温調の開始から所定時間経過後の加工液の温度を測定して温度の変化率を求め、該温度の変化率から前記制御温度に達するまでに必要な時間を再算出する温調時間再算出部と、前記温調時間再算出部により再算出温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第2の残り時間を算出する第2残り時間算出部と、前記再算出温調時間が前記第2の残り時間よりも短い場合は、該第2の残り時間と該再算出温調時間の差分だけ温調を待機した後、温調を再開始する時刻を設定する温調待機部と、を有し、前記再算出温調時間が前記第2の残り時間より短い場合には、前記温調待機部により設定された待機時間の後、加工液の温調制御を再開し、短くない場合には加工液の温調制御を継続して行うことを特徴とする加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機である。
本発明により、ワイヤ放電加工機の休止後、加工液の温度制御に必要な時間をテーブルあるいは計算により求め、操作開始前に最適なタイミングでタイマ機能を自動で有効にし、再開準備を始め、温調装置及び加工液を循環させるためのポンプを動作させて加工液の温度を制御する加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機を提供できる。
本発明の実施形態に係るワイヤ放電加工機の概略構成を模式的に説明する図である。 本発明に係る温度制御を説明する図である。 方法1の処理を説明するフローチャートである(その1)。 方法1の処理を説明するフローチャートである(その2)。 方法2の処理を説明するフローチャートである(その1)。 方法2の処理を説明するフローチャートである(その2)。 従来技術である機械の周囲温度が通常稼働状態の加工液の制御目標温度よりも低い場合のワイヤ放電加工機の加工液の温度変化を説明するグラフである。 従来技術である加温装置を用いることにより短時間で加工液を制御目標温度へ到達させることを説明するグラフである。 特許文献3に開示される加工液の温度制御技術を説明するグラフであり、タイマを用いた場合と用いない場合を比較して説明するグラフである。温度制御技術を説明する概略図である。 従来技術において加工液の温度制御を、タイマ機能を有効にするタイミングを変えて行った場合を比較して説明する図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面と共に説明する。
まず、本発明に係る加工液の温度制御機能を備えたワイヤ放電加工機の概略を説明する。図1は本発明の実施形態に係るワイヤ放電加工機の概略構成を模式的に説明する図である。符号を付さないで説明する構成は図示省略している。ワイヤ放電加工機は、加工槽2に貯留した加工液に浸漬した被加工物とワイヤ電極との極間に電圧を印加して放電を起こすと同時に、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させ、前記被加工物を所望の形状に加工する。
ワイヤ電極は、加工槽2内において上下方向に適宜間隔を置いて配置されるワイヤガイドに案内されて上方向から下方向に向かって走行する。ワイヤガイド間におけるワイヤ電極の走行路には、被加工物が配置される。ワイヤ放電加工機は、ワイヤ電極と被加工物との極間に放電を発生させて、放電加工を行う。加工槽2には、加工液が加工液タンク3から供給され溜められる。この加工槽2内の加工液は放電加工によって生じた加工屑が混ざり合っており、この加工液は加工液タンク3に流出するように構成されている。
加工液タンク3から加工液循環用ポンプ6によって汲み上げられた加工液は加工槽2内に供給される。したがって、加工液循環用ポンプ6は、加工槽2、加工液タンク3において加工液を循環させる。なお、加工液タンク3は、通常、加工槽2から流出した加工液を溜める汚水槽と汚水槽に溜まった加工液から加工屑を取り除いた清水槽から構成されている加工液循環用ポンプ6は清水槽に溜まった加工液を汲み上げ加工槽2に供給する。ヒータ8などの温調装置は、加工液の温度を予め設定された温度に調節する。ヒータ8により加工液制御温度に調節された加工液を循環させることによって、加工液を循環させる構成部位において熱変位を低減させ、膨張や収縮に起因する加工誤差を少なくすることができる。なお、温調装置として、加工液を加温するためのヒータ8や加工液を冷却するために冷却用クーラ(図示せず)が用いられる。
加工液温度検出用温度センサ5は、加工液タンク3内に貯留された加工液の温度を測定し、測定信号を加工液温度制御装置4に出力する。また、室温センサ9はワイヤ放電加工機が設置された周囲の気温を測定する温度センサである。測定された温度測定信号は加工液温度制御装置4に出力される。加工液温度制御装置4は、制御プログラムを実行するのに必要なプロセッサ(CPU)、メモリなどを備え、本発明に係る加工液の温度を制御するために用いられるタイマ機能を備えていると共に、本発明に係る加工液の温度制御を実行するために必要となる操作開始時刻、加工液制御温度、加工液タンク3が加工液を貯留可能な最大容量などのデータを記憶するための記憶用メモリ7を備えている。なお、記憶用メモリ7に、加工液タンク3に加工液を最大量貯留した場合の加工液の温度が加工液制御温度となるまでに温調するために必要な時間のデータをテーブル形式で記憶してもよい。つまり、記憶用メモリ7がテーブル記憶部を備えるようにしてもよい。なお、加工液制御装置を単独の装置としてもよいし、ワイヤ放電加工機を制御する数値制御装置に加工液の温度制御機能を持たせてもよい。
なお、上記説明では、ワイヤ放電加工機を例としたが、他の放電加工装置、例えば型彫放電加工装置などへの適用が可能である。
次に、上記のワイヤ放電加工機を用いた本発明に係る加工液の温度制御を説明する。本発明は、ワイヤ放電加工機の休止後、加工液の温度制御に必要な時間を計算あるいはテーブルにより求め、操作開始前に最適なタイミングでタイマ機能を自動で有効にし、再開準備を始め、温調装置及び加工液を循環させるためのポンプを動作させて加工液の温度を制御する。そして、加工液温度の制御開始から所定時間経過後の加工液温度を測定し、計算あるいはテーブルにより求めた時刻よりも早く制御目標温度に到達することが予想される場合には、一度温調を待機状態とし、テーブルあるいは計算により温調に必要な時間を再度求め、温調開始時刻を再設定する。
タイマ機能を有効にするタイミングについて考えると、温度制御の対象となる加工液の量は同じであるので、どのタイミングで再開準備を開始しても、必要な温度変化が同じであれば、温調のために使用される電力は同等であると考えられる。ただし、加工液の温度制御を行う際には、加工液の温度を均一に保つため加工液循環用ポンプ6の動作が必要になる。つまり、操作開始よりも先に加工液を制御温度に到達させた場合、制御温度到達後から操作開始までの間も加工液循環用ポンプ6を動作させる必要があり、そのための電力は無駄に消費されることになる。一方で、再開準備の開始が遅く、操作開始時に加工液の温度が制御温度に到達していない場合には、無駄な電力消費こそ無いが、制御温度に到達するまでの間、加工を行うことができない。理想的な状態は、操作開始時丁度に加工液が制御温度に到達するようにタイマ機能を設定することである。これにより、操作開始時に制御温度に到達しているだけでなく、電力消費も最小に抑えることができる。
そこで、図2を用いて本発明に係る加工液の温度制御の方法1と方法2とを説明する。
(方法1)
加工液循環用ポンプ6により加工液タンク3の加工液は加工槽2へ送られる。加工槽2へ送られた加工液は再び加工液タンク3へと戻る。加工液温度制御装置4は、加工液タンク3中の加工液の温度を加工液温度検出用温度センサ5によりモニタし、必要に応じてヒータ8である温調装置を動作させる。最適なタイミングで動作を行うために、記憶用メモリ7に格納されている各種数値を用いる。方法1による加工液の温度制御では機械の周囲温度を測定する室温センサ9を用いる。
理想的なタイマ開始時刻である再開準備開始時刻t5bに再開準備を始めるために、予め有人による操作開始時刻t2を設定、つまり、記憶用メモリ7に記憶しておく。また、記憶用メモリ7に記憶している加工液の加工液制御温度及び加工液の体積(あるいは加工液タンク3に貯留される最大容量)、また加工液温度検出用温度センサ5により検出している加工液温度のデータを用いて加工液を加工液制御温度に到達させるまでに必要な熱量を算出する。
また、記憶している加工液タンク3の面積(タンクの側面および底面の面積の総和)、加工液表面の面積から放熱による損失(放熱量)を求める。放熱量を計算するためには加工液温度と周囲温度との差の情報が必要であるので、室温センサ9により機械(ワイヤ放電加工機)が設置されている周囲温度を測定する。加工液の温度は前述のとおり加工液温度検出用温度センサ5を用いて検出する。
加工液昇温に必要な熱量、放熱による損失、設定された操作開始時刻から、設定された操作開始時刻t2に加工液を制御温度に到達させるための再開準備開始時刻t5bを決定する。これにより、無駄な電力を消費せず、且つ、操作開始直後に加工を開始することが可能になる。この場合、機械休止中も再開準備開始時刻t5bを判定する必要があるため、加工液温度検出用温度センサ5及び室温センサ9による検出及び演算装置は動作するものとする。
上述したように、加工液の温度制御に必要になる熱量については、加工液温度検出用温度センサ5により検出している加工液の温度と制御する目標温度である加工液制御温度との差をなくすために投入する熱量、及び、加工液の温度制御中に周囲温度との差がある場合に損失する熱量である。温度の差が大きいほど損失する熱量が大きくなる。加工液を昇温させる場合、必要になる熱量は、加工液の比熱、密度、体積、および温度変化量のデータを用いて計算により求めることができる。また損失する熱量(放熱量)は、熱損失係数及び加工液容器(加工液タンク)の表面積及び加工液の表面積より求めることが可能である。
ここで、方法1の加工液の温度制御について数式を用いて説明する。
加工液の比熱をC1、密度をd1、体積をV1、温度変化をΔTとすると、加工液の温度を変化させるのに必要な熱量P1は、数1式で表せる。体積V1については、加工液の容量(固定値)を用いるか、あるいは液面位置検出センサなどを用いた加工液量センサを用いることで、より詳しくモニタすることが可能である。あるいは、加工液タンク3に貯留可能な加工液の最大容量してもよい。
Figure 2013163252
また、加工液が入っている容器の比熱をC2、密度をd2、体積をV2、温度変化をΔTとすると、容器の温度を変化させるのに必要な熱量P2は、数2式で表せる。ここで容器は、加工槽2および加工液タンク3を意味する。加工液が貯留されている容器であるから、容器の温度は加工液と同じで、必要な温度変化も同じであるとする。
Figure 2013163252
また、加工液の放熱損失係数をQ1、表面積をS1、損失(熱量)をP3、加工液タンクの放熱損失係数をQ2、表面積をS2、損失(熱量)をP4とすると、加工液の損失熱量P3は数3式、加工液容器の損失熱量P4は数4式で表せる。なお、放熱損失係数Q1、放熱損失係数Q2は、加工液温度と機械の周囲温度との差の情報が必要であるので、加工液温度検出用温度センサ5と室温センサ9により検出して得られる温度情報を用いる。
Figure 2013163252
Figure 2013163252
以上により、温度制御に必要な総熱量をP5とすると、P5は数5式により表せる。
Figure 2013163252
この場合に、容量Aのヒータを用いて昇温させる場合に必要な時間t11は数6式により求められる。
Figure 2013163252
操作開始の予定時刻に対して、t11時間だけ早くヒータ8などの温調装置が動作するようにタイマ機能を設定することで、操作開始予定時刻までに必要最小電力で加工液を目標温度に到達させることを実現する。
加工液の温度制御に必要になる熱量と放熱により損失する熱量に基づいてヒータ8などの温調装置から加工液に与えられる総熱量の計算において、加工液の体積以外の値は材料固有であるから、前記総熱量を加工液の体積に依存する量として扱うことができる。そのため、加工液の温度制御開始から所定時間後における温度上昇から体積の現在値を求めることが可能である。これにより加工液の体積を測定するセンサを用いずに温度制御が可能なだけでなく、加工液の体積の計算結果により加工液の昇温に必要な時間についても再計算することにより、正確な時刻に加工液を加工液制御温度へ到達させることができる。
また、加工液量センサを用いずに加工液の温調をする場合に再開準備開始時刻t5bを求める計算を容易にするため、加工液の体積について加工液タンク3の最大容量を用いて計算を行う。これは、加工液量としては、最も温まりにくい条件での計算になるため、加工液の体積がどのような場合でも、加工液の昇温が有人による操作開始時刻t2に間に合う。ただし、一方で、有人による操作開始時刻t2より早い時間に加工液制御温度に到達してしまうと、前述の通り、加工液循環用ポンプ6等を動作させてしまい、無駄な電力消費につながる。
そこで、図2に示されるように、破線で示されるように温度上昇を予測して再開準備開始時刻t5bから昇温を開始し、一定時間後の温度制御状況確認時刻t8における加工液の温度がT3となり温度上昇が予測よりも大きかった場合、再開準備再始動時刻t9まで昇温を停止し、温調に必要な時間を再計算、一度温調を停止する。再度算出した再開準備再始動時刻t9から温調を開始することで、正確な時刻に制御温度に到達させることが可能になる。ここでは、温調に必要な時間を“加工液タンク3に溜めることができる加工液の最大容量”で計算しているので、操作開始時刻t2に遅れることなく、無駄な電力消費をせずに加工液を加工液制御温度に到達させることができる。なお、実際の加工液の温度変化は放熱の影響で単純な一次関数とはならないが、簡単のため図2のように一次関数で図示した。実際の加工液の温度制御では正確に把握しきれない熱損失が存在する場合もあるため、図2のように実際の温度変化を関数化することで、正確な温度制御が可能となるという利点もある。
なお、上記の説明は、休止中の加工液温度が制御温度よりも低い場合についてであるが、休止中の加工液温度が制御温度よりも高い場合については、温調装置としてクーラを用いて加工液から奪う温度制御を上記と同様にしておこなう。なお、休止中は加工液の温調装置を停止すると共に機械を維持する最小の電力で動作するものとする。
図3は方法1の処理を説明するフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSA01]作業開始時刻を読み込む。たとえば、オペレータなどがワイヤ放電加工機の入力装置から入力して記憶された作業開始時刻を加工液の温度制御装置が読み込む。
●[ステップSA02]休止状態へ移行する。つまり、加工液の温度制御装置は加工液の温度制御を停止する。
●[ステップSA03]加工液温度と機械の周囲温度を測定し、加工液温度と機械の周囲温度のデータを取得する。加工液温度は加工液温度検出用温度センサ5を用いて測定し、機械の周囲温度は室温センサ9を用いて測定する。
●[ステップSA04]加工液量が最大であると仮定して加工液の温調(加工液を加工液制御温度にする温度制御)に必要な時間t11を計算する。時間t11は数1式〜数6式を用いて算出できる。
●[ステップSA05]作業開始までの第1の残り時間t12を計算する。
●[ステップSA06]第1の残り時間t12が時間t11以下の時間になったか否か判断し、YESの場合にはステップSA07へ移行し、NOの場合にはステップSA03へ戻る。なお、NOの場合には時間t11、t12の計算回数を減らす目的で所定の時間経過するのを待ってステップSA03に戻るようにしてもよい。
●[ステップSA07]加工液の温度制御(温調)を開始する。
●[ステップSA08]加工液の温度制御状況を確認するため所定時間t13経過後、t13の間の加工液の温度変化から変化率を計算し、加工液の温調に必要な時間t14を計算する。
●[ステップSA09]作業開始までの第2の残り時間t15を計算する。
●[ステップSA10]t14はt15以上か否か判断し、以上の場合(YESの場合)にはステップSA11へ移行し、以上ではない場合(NOの場合)にはステップSA12へ移行する。
●[ステップSA11]加工液の温度制御を継続する。
●[ステップSA12](t15―t14)待機する。(t15―t14)は待機時間である。待機する場合、加工液温度がT3に維持されるように加工液の温度を制御する。
●[ステップSA13]加工液の温度制御を再開する。
上記フローチャートを補足して説明する。
ステップSA01は「前記ワイヤ放電加工機の操作開始時刻を設定する操作開始時刻設定部」、「前記操作開始時刻の前記加工液の制御温度を設定する加工液温度設定部」に対応する。
ステップSA03は「前記加工液の温度を測定する加工液温度測定部」、「前記ワイヤ放電加工機の周囲温度を測定する周囲温度測定部」に対応する。
ステップSA04は「前記測定した加工液温度と周囲温度から前記加工液タンクに加工液を最大量貯留した場合の前記加工液の温度が前記制御温度となるまでに温調するために必要な熱量、損失熱量および温調機の容量に基づいて温調に必要な温調時間を算出する温調時間算出部」に対応する。
ステップSA05は「前記算出された温調時間と該温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第1の残り時間を算出する第1残り時間算出部」に対応する。
ステップSA06,SA07は「前記温調時間が前記第1の残り時間と一致または超えたときに温調を開始する温調制御開始部」に対応する。
ステップSA08は「前記温調制御開始部による温調の開始から所定時間経過後の加工液の温度を測定して加工液温度の変化率を求め、該加工液温度の変化率から前記制御温度に達するまでに必要な時間を再算出する温調時間再算出部」に対応する。
ステップSA09は「前記温調時間再算出部により再算出温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第2の残り時間を算出する第2残り時間算出部」に対応する。
ステップSA10,SA12は「前記再算出温調時間が前記第2の残り時間よりも短い場合は、該第2の残り時間と該再算出温調時間の差分だけ温調を待機した後、温調を再開始するように設定する温調待機部」に対応する。
(方法2)
方法2による加工液の温度制御では機械の周囲温度を測定する室温センサ9を用いない。なお、この場合の温度制御による加工液の温度変化は方法1の説明と同様に図2を参照しながら説明する。
理想的なタイマ開始時刻t5bに再開準備を始めるために、予め有人による操作開始時刻t2を設定しておく。また、加工液の加工液制御温度と実際の温度との差を埋めるために必要な時間のテーブルを準備しておく(つまり、図1の記憶用メモリ7にテーブルを記憶しておく)。テーブルは、加工液タンク3に貯留可能な最大加工液量において、加工液の温度と加工液制御温度の差分に対応する熱量と、再開準備開始時刻t5bにおける加工液の温度と再開準備中の加工液の温度の差分に対応する(損失)熱量をデータとして含む。これによって、機械の周囲の室温センサ9からの温度情報を用いなくてもよい。
加工液の加工液制御温度と実際の温度差とその温度差の変化に必要な時間のテーブルと設定された操作開始時刻から、設定された操作開始時刻t2に加工液を加工液制御温度に到達させるための再開準備開始時刻t5bを決定する。これにより、無駄な電力を消費せず、且つ、操作開始直後に加工を開始することが可能になる。
ここで、温度変化に必要な時間のテーブルは、最大加工液量を変化させる場合のものである。そのため、実際の加工液量が最大加工液量よりも少ない場合では、有人による操作開始時刻t2よりも早く制御目標温度(加工液制御温度T2)に到達する。その場合、加工液制御温度T2に到達してから稼動開始までの間、無駄な電力を消費することになる。無駄な電力消費を避けるために、ここでは、加工液の温度制御開始から所定時間後における加工液の実際の温度(加工液温度検出用温度センサ5により測定される加工液の温度)と加工液制御目標温度T2の差とその温度変化に必要な時間をテーブルより求めて、加工液の温度制御開始時刻を再設定する。
ただし、この場合ではテーブルの時間よりも早く温度変化しているので、加工液量が最大量ではないことが予想される。そのため、再度テーブルで参照した時間よりも早く加工液が変化することになる。そのため、さらに所定時間後毎に制御目標温度との差とテーブルから必要な時間を求めることで、無駄な電力消費なく加工液を加工液制御温度に到達させることが可能となる。前述したように方法2では機械周囲の温度を測定するためのセンサを必要としない。
なお、上記の説明は、休止中の加工液温度が制御温度よりも低い場合についてであるが、休止中の加工液温度が制御温度よりも高い場合については、温調装置としてクーラを用いて加工液から奪う温度制御を上記と同様にしておこなう。
図4は方法2の処理を説明するフローチャートである。以下、各ステップに従って説明する。
●[ステップSB01]作業開始時刻を設定する。たとえば、オペレータなどがワイヤ放電加工機の入力装置から入力した作業開始時刻を加工液の温度制御装置が読み込むことで作業開始時刻が設定される。
●[ステップSB02]休止状態へ移行する。つまり、加工液の温度制御装置は加工液の温度制御を停止する。
●[ステップSB03]加工液温度を測定し、加工液温度のデータを取得する。加工液温度は加工液温度検出用温度センサ5を用いて測定する。
●[ステップSB04]加工液量が最大であると仮定した場合の加工液の温調に必要な時間t11’をテーブルのデータを用いて計算する。
●[ステップSB05]作業開始までの第1の残り時間t12’を計算する。
●[ステップSB06]時間t12’が時間t11’以下の時間になったか否か判断し、YESの場合にはステップSB07へ移行し、NOの場合にはステップSB03へ戻る。なお、NOの場合には時間t11’、t12’の計算回数を減らす目的で所定の時間経過するのを待ってステップSB03に戻るようにしてもよい。
●[ステップSB07]加工液の温度制御を開始する。
●[ステップSB08]加工液の温度制御状況を確認するため所定時間t13’経過後、t13’の間の加工液の温度変化から変化率を計算し、加工液の温調に必要な時間t14’を計算する。
●[ステップSB09]作業開始までの第2の残り時間t15’を計算する。
●[ステップSB10]t14’はt15’以上か否か判断し、以上の場合(YESの場合)にはステップSB11へ移行し、以上ではない場合(NOの場合)にはステップSB12へ移行する。
●[ステップSB11]加工液の温度制御を継続する。
●[ステップSB12](t15’―t14’)待機する。(t15’―t14’)は待機時間である。待機する場合、加工液温度がT3に維持されるように加工液の温度を制御する。
●[ステップSB13]加工液の温度制御を再開する。
上記フローチャートを補足して説明する。
ステップSB01は「前記ワイヤ放電加工機の操作開始時刻を設定する操作開始時刻設定部」、「前記操作開始時刻の前記加工液の制御温度を設定する加工液温度設定部」に対応する。
ステップSB03は「前記加工液の温度を測定する加工液温度測定部」に対応する。
ステップSB04は「前記測定した加工液温度と前記時間のテーブルに基づいて温調に必要な温調時間を算出する温調時間算出部」に対応する。
ステップSB05は「前記算出された温調時間と該温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第1の残り時間を算出する第1残り時間算出部」に対応する。
ステップSB06,ステップSB07は「前記温調時間が前記残り時間と一致または超えたときに温調を開始する温調制御開始部」に対応する。
ステップ08は「前記温調制御開始部による温調の開始から第2の所定時間経過後の加工液の温度を測定して温度の変化率を求め、該温度の変化率から前記制御温度に達するまでに必要な時間を再算出する温調時間再算出部」に対応する。
ステップSB09は「前記温調時間再算出部により再算出温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第2の残り時間を算出する第2残り時間算出部」に対応する。
ステップSB10,SB12は「前記再算出温調時間が前記第2の残り時間よりも短い場合は、該第2の残り時間と該再算出温調時間の差分だけ温調を待機した後、温調を再開始するように設定する温調待機部」に対応する。
1 機構部
2 加工槽
3 加工液タンク
4 加工液温度制御装置
5 加工液温度検出用温度センサ
6 加工液循環用ポンプ
7 記憶用メモリ
8 ヒータ
9 室温センサ

Claims (2)

  1. 加工液タンクと加工槽の間で加工液を循環させ、該加工槽に貯留した加工液に浸漬した被加工物とワイヤ電極との極間に電圧を印加して放電を起こすと同時に、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させ、前記被加工物を所望の形状に加工するワイヤ放電加工機において、
    前記ワイヤ放電加工機の操作開始時刻を設定する操作開始時刻設定部と、
    前記操作開始時刻の前記加工液の制御温度を設定する加工液温度設定部と、
    前記加工液の温度を測定する加工液温度測定部と、
    前記ワイヤ放電加工機の周囲温度を測定する周囲温度測定部と、
    前記測定した加工液温度と周囲温度から前記加工液タンクに加工液を最大量貯留した場合の前記加工液の温度が前記制御温度となるまでに温調するために必要な熱量、損失熱量および温調機の容量に基づいて温調に必要な温調時間を算出する温調時間算出部と、
    前記温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第1の残り時間を算出する第1残り時間算出部と、
    前記温調時間が前記第1の残り時間と一致または超えたときに温調を開始する温調制御開始部と、
    前記温調制御開始部による温調の開始から所定時間経過後の加工液の温度を測定して加工液温度の変化率を求め、該加工液温度の変化率から前記制御温度に達するまでに必要な時間を再算出する温調時間再算出部と、
    前記温調時間再算出部により再算出温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第2の残り時間を算出する第2残り時間算出部と、
    前記再算出温調時間が前記第2の残り時間よりも短い場合は、該第2の残り時間と該再算出温調時間の差分だけ温調を待機した後、温調を再開始する時刻を設定する温調待機部と、
    を有し、
    前記再算出温調時間が前記第2の残り時間より短い場合には、前記温調待機部により設定された待機時間の後、加工液の温調制御を再開し、短くない場合には加工液の温調制御を継続して行うことを特徴とする加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機。
  2. 加工液タンクと加工槽の間で加工液を循環させ、該加工槽に貯留した加工液に浸漬した被加工物とワイヤ電極との極間に電圧を印加して放電を起こすと同時に、前記ワイヤ電極と前記被加工物の相対位置を変化させ、前記被加工物を所望の形状に加工するワイヤ放電加工機において、
    前記ワイヤ放電加工機の操作開始時刻を設定する操作開始時刻設定部と、
    前記操作開始時刻の前記加工液の制御温度を設定する加工液温度設定部と、
    前記加工液タンクに加工液を最大量貯留した場合の前記加工液の温度が前記制御温度となるまでに温調するために必要な時間のテーブルを記憶したテーブル記憶部と、
    前記加工液の温度を測定する加工液温度測定部と、
    前記測定した加工液温度と前記テーブルに基づいて温調に必要な温調時間を算出する温調時間算出部と、
    前記温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第1の残り時間を算出する第1残り時間算出部と、
    前記温調時間が前記残り時間と一致または超えたときに温調を開始する温調制御開始部と、
    前記温調制御開始部による温調の開始から所定時間経過後の加工液の温度を測定して温度の変化率を求め、該温度の変化率から前記制御温度に達するまでに必要な時間を再算出する温調時間再算出部と、
    前記温調時間再算出部により再算出温調時間を算出した時刻から前記操作開始時刻までの第2の残り時間を算出する第2残り時間算出部と、
    前記再算出温調時間が前記第2の残り時間よりも短い場合は、該第2の残り時間と該再算出温調時間の差分だけ温調を待機した後、温調を再開始する時刻を設定する温調待機部と、
    を有し、
    前記再算出温調時間が前記第2の残り時間より短い場合には、前記温調待機部により設定された待機時間の後、加工液の温調制御を再開し、短くない場合には加工液の温調制御を継続して行うことを特徴とする加工液の温度制御機能を有するワイヤ放電加工機。
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