JP2013162075A - 熱処理装置および熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラッシュ光照射時の面内温度分布を均一にすることができる熱処理装置および熱処理方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェハーWの表面の反射率によって多重反射の挙動が異なることに起因してフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光強度の面内分布が変動し、温度分布の不均一が生じる。この不均一を解消するように、半導体ウェハーWを保持する保持部7を昇降させ、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部にチャンバー6のクランプリング90の内周先端部によって形成される影領域の大きさを変化させる。これにより、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に到達するフラッシュ光の強度を増減し、半導体ウェハーWの面内温度分布を調整して均一にすることができる。
【選択図】図14

Description

本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等の薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置および熱処理方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置としては、例えば特許文献1に開示されるようなものがある。特許文献1に記載されたフラッシュランプアニール装置においては、ホットプレートによって所定温度にまで予備加熱した半導体ウェハーにフラッシュランプからフラッシュ光を照射して目標の処理温度にまで昇温している。
特開2004−55821号公報
フラッシュランプを使用した熱処理装置では、フラッシュ光照射時間が極めて短いため、加熱処理中にランプ強度を微調整したり、半導体ウェハーを回転させて処理対象ウェハーの面内温度分布を改善することは不可能である。このため、表面にパターン形成や成膜のなされていない半導体ウェハー(ブランケットウェハー)を用いて面内温度分布が均一となるようにランプ強度等を調整した後、実際に処理対象となるパターン形成のなされた半導体ウェハーのフラッシュ加熱処理を行うようにしていた。ブランケットウェハーを用いた面内温度分布の計測は、イオン注入後のブランケットウェハーにフラッシュ加熱処理を行った後に、シート抵抗値を測定することによって行えば良い。フラッシュ加熱時に温度の高くなった領域ではシート抵抗値が低くなり、面内温度分布が均一であればシート抵抗値のバラツキも小さい。
しかしながら、実際に処理対象となる半導体ウェハーの表面反射率は、ブランケットウェハーの反射率とは異なる。また、処理対象となる半導体ウェハー間においても、形成されたパターンや膜の種類によって反射率が異なる。このため、ブランケットウェハーでは面内温度分布が均一となるように調整されていたとしても、実際に処理対象となる半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、周縁部の温度が中央部よりも高くなって温度分布が不均一になるという問題が生じていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、フラッシュ光照射時の面内温度分布を均一にすることができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板の一方面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記一方面の反射率に応じて前記基板の周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整する強度調整手段と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱処理装置において、前記強度調整手段は、前記一方面の反射率が高くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を増大し、前記一方面の反射率が低くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を減少することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る熱処理装置において、前記フラッシュランプは、前記チャンバーの上方に、前記チャンバーの光学窓よりも広い領域に配置され、前記強度調整手段は、前記保持手段を前記チャンバー内にて昇降させる昇降手段を含み、前記昇降手段は、前記一方面の反射率が高くなれば前記保持手段を上昇させてフラッシュ光照射時に前記チャンバーによって前記基板の周縁部に形成される影領域を小さくし、前記一方面の反射率が低くなれば前記保持手段を下降させて前記影領域を大きくすることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る熱処理装置において、前記強度調整手段は、前記一方面の反射率と前記保持手段の高さ位置とを対応付けた相関テーブルを保持し、当該相関テーブルに基づいて前記保持手段を昇降させることを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記一方面の反射率を測定する反射率測定手段をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項6の発明は、基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法において、チャンバー内にて保持手段に保持された基板の一方面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、前記一方面の反射率に応じて前記基板の周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整する強度調整工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項6の発明に係る熱処理方法において、前記強度調整工程では、前記一方面の反射率が高くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を増大し、前記一方面の反射率が低くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を減少することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る熱処理方法において、前記フラッシュランプは、前記チャンバーの上方に、前記チャンバーの光学窓よりも広い領域に配置され、前記強度調整工程では、前記一方面の反射率が高くなれば前記保持手段を上昇させてフラッシュ光照射時に前記チャンバーによって前記基板の周縁部に形成される影領域を小さくし、前記一方面の反射率が低くなれば前記保持手段を下降させて前記影領域を大きくすることを特徴とする。
また、請求項9の発明は、請求項8の発明に係る熱処理方法において、前記強度調整工程では、前記一方面の反射率と前記保持手段の高さ位置とを対応付けた相関テーブルに基づいて前記保持手段を昇降させることを特徴とする。
また、請求項10の発明は、請求項6から請求項9のいずれかの発明に係る熱処理方法において、前記一方面の反射率を測定する反射率測定工程をさらに備えることを特徴とする。
請求項1から請求項5の発明によれば、保持手段に保持された基板の一方面の反射率に応じて基板の周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整するため、反射率の相違に起因した温度分布の不均一を解消してフラッシュ光照射時の基板の面内温度分布を均一にすることができる。
また、請求項6から請求項10の発明によれば、保持手段に保持された基板の一方面の反射率に応じて基板の周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整するため、反射率の相違に起因した温度分布の不均一を解消してフラッシュ光照射時の基板の面内温度分布を均一にすることができる。
本発明に係る熱処理装置を示す平面図である。 図1の熱処理装置の正面図である。 フラッシュ加熱部の構成を示す縦断面図である。 フラッシュ加熱部のガス路を示す断面図である。 保持部の構成を示す断面図である。 ホットプレートを示す平面図である。 図3のフラッシュ加熱部の構成を示す縦断面図である。 アライメント部の構成を示す図である。 制御部のハードウェア構成を示す図である。 図1の熱処理装置における処理手順を示すフローチャートである。 フラッシュ光照射時の多重反射の挙動を模式的に示す図である。 フラッシュ光照射時の多重反射の挙動を模式的に示す図である。 半導体ウェハーを保持する保持部の高さ位置とフラッシュ光強度との相関を説明するための図である。 半導体ウェハーを保持する保持部の高さ位置とフラッシュ光強度との相関を説明するための図である。 保持部の昇降による半導体ウェハーの面内温度分布の変化を示す図である。 相関テーブルの一例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<1.熱処理装置の構成>
<1−1.全体構成>
図1は、本発明に係る熱処理装置100を示す平面図であり、図2はその正面図である。熱処理装置100は基板として略円板形状の半導体ウェハーWにフラッシュ光を照射してその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。なお、図1および図2においては適宜部分的に断面図としており、細部については適宜簡略化している。また、図1,2および以降の各図においては、それらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を必要に応じて付している。
図1および図2に示すように、熱処理装置100は、未処理の半導体ウェハーWを装置内に搬入するとともに処理済みの半導体ウェハーWを装置外に搬出するためのインデクサ部101、未処理の半導体ウェハーWの位置決めを行うアライメント部130、加熱処理後の半導体ウェハーWの冷却を行う冷却部140、半導体ウェハーWにフラッシュ加熱処理を施すフラッシュ加熱部160並びにアライメント部130、冷却部140およびフラッシュ加熱部160に対して半導体ウェハーWの搬送を行う搬送ロボット150を備える。また、熱処理装置100は、上記の各処理部に設けられた動作機構および搬送ロボット150を制御して半導体ウェハーWのフラッシュ加熱処理を進行させる制御部3を備える。
インデクサ部101は、複数のキャリアC(本実施形態では2個)を並べて載置するロードポート110と、各キャリアCから未処理の半導体ウェハーWを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの半導体ウェハーWを収納する受渡ロボット120とを備えている。未処理の半導体ウェハーWを収容したキャリアCは無人搬送車(AGV)等によって搬送されてロードポート110に載置されるともに、処理済みの半導体ウェハーWを収容したキャリアCは無人搬送車によってロードポート110から持ち去られる。また、ロードポート110においては、受渡ロボット120がキャリアCに対して任意の半導体ウェハーWの出し入れを行うことができるように、キャリアCが図2の矢印CUにて示す如く昇降移動可能に構成されている。なお、キャリアCの形態としては、半導体ウェハーWを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納した半導体ウェハーWを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
また、受渡ロボット120は、矢印120Sにて示すようなスライド移動、矢印120Rにて示すような旋回動作および昇降動作が可能とされている。これにより、受渡ロボット120は、2つのキャリアCに対して半導体ウェハーWの出し入れを行うとともに、アライメント部130および冷却部140に対して半導体ウェハーWの受け渡しを行う。受渡ロボット120によるキャリアCに対する半導体ウェハーWの出し入れは、ハンド121のスライド移動、および、キャリアCの昇降移動により行われる。また、受渡ロボット120とアライメント部130または冷却部140との半導体ウェハーWの受け渡しは、ハンド121のスライド移動、および、受渡ロボット120の昇降動作によって行われる。
アライメント部130は、半導体ウェハーWを回転させて続くフラッシュ加熱に適切な向きに向ける処理部である。受渡ロボット120からアライメント部130へはウェハー中心が所定の位置に位置するように半導体ウェハーWが渡される。アライメント部130では、インデクサ部101から受け取った半導体ウェハーWの中心部を回転中心として鉛直方向軸まわりで回転させノッチやオリフラ等を光学的に検出することによって半導体ウェハーWの位置決めを行う。また、アライメント部130は後述の光学測定ユニットを備えており、その光学測定ユニットによって処理対象となる半導体ウェハーWの反射率を測定する。
熱処理装置100の主要部であるフラッシュ加熱部160は、予備加熱を行った半導体ウェハーWにキセノンフラッシュランプFLからの閃光(フラッシュ光)を照射してフラッシュ加熱処理を行う処理部である。フラッシュ加熱部160およびアライメント部130の構成についてはさらに後述する。
冷却部140は、金属製の冷却プレートの上面に石英板を載置して構成されている。フラッシュ加熱部160にてフラッシュ加熱処理が施された直後の半導体ウェハーWは温度が高いため、冷却部140にて上記石英板上に載置されて冷却される。
搬送ロボット150は、鉛直方向に沿った軸を中心に矢印150Rにて示すように旋回可能とされるとともに、複数のアームセグメントからなる2つのリンク機構を有し、それら2つのリンク機構の先端にはそれぞれ半導体ウェハーWを保持する搬送アーム151a,151bが設けられる。これらの搬送アーム151a,151bは上下に所定のピッチだけ隔てて配置され、リンク機構によりそれぞれ独立して同一水平方向に直線的にスライド移動可能とされている。また、搬送ロボット150は、2つのリンク機構が設けられるベースを昇降移動することにより、所定のピッチだけ離れた状態のまま2つの搬送アーム151a,151bを昇降移動させる。
また、搬送ロボット150による半導体ウェハーWの搬送空間として搬送ロボット150を収容する搬送室170が設けられており、アライメント部130、冷却部140およびフラッシュ加熱部160が搬送室170に連結されて配置されている。搬送ロボット150がアライメント部130、フラッシュ加熱部160または冷却部140を受け渡し相手として半導体ウェハーWの受け渡し(出し入れ)を行う際には、まず、両搬送アーム151a,151bが受け渡し相手と対向するように旋回し、その後(または旋回している間に)昇降移動していずれかの搬送アームが受け渡し相手と半導体ウェハーWを受け渡しする高さに位置する。そして、搬送アーム151a(151b)を水平方向に直線的にスライド移動させて受け渡し相手と半導体ウェハーWの受け渡しを行う。
また、インデクサ部101とアライメント部130および冷却部140との間にはそれぞれゲートバルブ181,182が設けられ、搬送室170とアライメント部130、冷却部140およびフラッシュ加熱部160との間にはそれぞれゲートバルブ183,184,185が設けられる。そして、アライメント部130、冷却部140および搬送室170の内部が清浄に維持されるようにそれぞれに窒素ガス供給部(図示省略)から高純度の窒素ガスが供給され、余剰の窒素ガスは適宜排気管から排気される。なお、半導体ウェハーWが搬送される際に適宜これらのゲートバルブが開閉される。
また、アライメント部130および冷却部140は、インデクサ部101と搬送ロボット150との間のウェハー搬送経路の往路および復路にそれぞれ位置し、アライメント部130では半導体ウェハーWの位置決めを行うために半導体ウェハーWが一時的に載置され、冷却部140では加熱処理後の半導体ウェハーWを冷却するために半導体ウェハーWが一時的に載置される。
<1−2.フラッシュ加熱部の構成>
次に、フラッシュ加熱部160の構成について詳細に説明する。図3は、フラッシュ加熱部160の構成を示す縦断面図である。フラッシュ加熱部160は、半導体ウェハーWを収容する略円筒形状のチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するランプハウス5と、を備える。
チャンバー6は、ランプハウス5の下方に設けられており、略円筒状の内壁を有するチャンバー側部63、および、チャンバー側部63の下部を覆うチャンバー底部62によって構成される。また、チャンバー側部63およびチャンバー底部62によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。熱処理空間65の上方は上部開口60とされており、上部開口60にはチャンバー窓61が装着されて閉塞されている。
チャンバー6の天井部を構成するチャンバー窓61は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65に透過する石英窓として機能する。チャンバー6の本体を構成するチャンバー底部62およびチャンバー側部63は、例えば、ステンレススチール等の強度と耐熱性に優れた金属材料にて形成されており、チャンバー側部63の内側面の上部のリング631は、光照射による劣化に対してステンレススチールより優れた耐久性を有するアルミニウム(Al)合金等で形成されている。
また、熱処理空間65の気密性を維持するために、チャンバー窓61とチャンバー側部63とはOリングによってシールされている。すなわち、チャンバー窓61の下面周縁部とチャンバー側部63との間にOリングを挟み込むとともに、クランプリング90をチャンバー窓61の上面周縁部に当接させ、そのクランプリング90をチャンバー側部63にネジ止めすることによって、チャンバー窓61をOリングに押し付けている。
クランプリング90の内周先端部はチャンバー側部63よりも内側に突き出ている。従って、フラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を熱処理空間65に導くための光学窓67はクランプリング90の開口部によって規定される。
チャンバー底部62には、保持部7を貫通して半導体ウェハーWをその下面(フラッシュランプFLからのフラッシュ光が照射される側とは反対側の面)から支持するための複数(本実施の形態では3本)の支持ピン70が立設されている。支持ピン70は、例えば石英により形成されており、チャンバー6の外部から固定されているため、容易に取り替えることができる。
チャンバー側部63は、半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部66を有し、搬送開口部66は、軸662を中心に回動するゲートバルブ185により開閉可能とされる。チャンバー側部63における搬送開口部66とは反対側の部位には熱処理空間65に処理ガス(例えば、窒素(N)ガスやヘリウム(He)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の不活性ガス、あるいは、酸素(O)ガス等)を導入する導入路81が形成され、その一端は弁82を介して図示省略の給気機構に接続され、他端はチャンバー側部63の内部に形成されるガス導入バッファ83に接続される。また、搬送開口部66には熱処理空間65内の気体を排出する排出路86が形成され、弁87を介して図示省略の排気機構に接続される。
図4は、チャンバー6をガス導入バッファ83の位置にて水平面で切断した断面図である。図4に示すように、ガス導入バッファ83は、図3に示す搬送開口部66の反対側においてチャンバー側部63の内周の約1/3に亘って形成されており、導入路81を介してガス導入バッファ83に導かれた処理ガスは、複数のガス供給孔84から熱処理空間65内へと供給される。
図3に戻り、フラッシュ加熱部160は、チャンバー6の内部において半導体ウェハーWを水平姿勢にて保持しつつフラッシュ光照射前にその保持する半導体ウェハーWの予備加熱を行う略円板状の保持部7と、保持部7をチャンバー6の底面であるチャンバー底部62に対して昇降させる保持部昇降機構4と、を備える。図3に示す保持部昇降機構4は、略円筒状のシャフト41、移動板42、ガイド部材43(本実施の形態ではシャフト41の周りに3本配置される)、固定板44、ボールネジ45、ナット46およびモータ40を有する。チャンバー6の下部であるチャンバー底部62には保持部7よりも小さい直径を有する略円形の下部開口64が形成されており、ステンレススチール製のシャフト41は、下部開口64を挿通して、保持部7(厳密には保持部7のホットプレート71)の下面に接続されて保持部7を支持する。
移動板42にはボールネジ45と螺合するナット46が固定されている。また、移動板42は、チャンバー底部62に固定されて下方へと伸びるガイド部材43により摺動自在に案内されて上下方向に移動可能とされる。また、移動板42は、シャフト41を介して保持部7に連結される。
モータ40は、ガイド部材43の下端部に取り付けられる固定板44に設置され、タイミングベルト401を介してボールネジ45に接続される。保持部昇降機構4により保持部7が昇降する際には、駆動部であるモータ40が制御部3の制御によりボールネジ45を回転し、ナット46が固定された移動板42がガイド部材43に沿って鉛直方向に移動する。この結果、移動板42に固定されたシャフト41が鉛直方向に沿って移動し、シャフト41に接続された保持部7が図3に示す半導体ウェハーWの受渡位置と図7に示す半導体ウェハーWの処理位置との間で滑らかに昇降する。
移動板42の上面には略半円筒状(円筒を長手方向に沿って半分に切断した形状)のメカストッパ451がボールネジ45に沿うように立設されており、仮に何らかの異常により移動板42が所定の上昇限界を超えて上昇しようとしても、メカストッパ451の上端がボールネジ45の端部に設けられた端板452に突き当たることによって移動板42の異常上昇が防止される。これにより、保持部7がチャンバー窓61の下方の所定位置以上に上昇することはなく、保持部7とチャンバー窓61との衝突が防止される。
また、保持部昇降機構4は、チャンバー6の内部のメンテナンスを行う際に保持部7を手動にて昇降させる手動昇降部49を有する。手動昇降部49はハンドル491および回転軸492を有し、ハンドル491を介して回転軸492を回転することより、タイミングベルト495を介して回転軸492に接続されるボールネジ45を回転して保持部7の昇降を行うことができる。
チャンバー底部62の下側には、シャフト41の周囲を囲み下方へと伸びる伸縮自在のベローズ47が設けられ、その上端はチャンバー底部62の下面に接続される。一方、ベローズ47の下端はベローズ下端板471に取り付けられている。べローズ下端板471は、鍔状部材411によってシャフト41にネジ止めされて取り付けられている。保持部昇降機構4により保持部7がチャンバー底部62に対して上昇する際にはベローズ47が収縮され、下降する際にはべローズ47が伸張される。そして、保持部7が昇降する際にも、ベローズ47が伸縮することによって熱処理空間65内の気密状態が維持される。
図5は、保持部7の構成を示す断面図である。保持部7は、半導体ウェハーWを予備加熱(いわゆるアシスト加熱)するホットプレート(加熱プレート)71、および、ホットプレート71の上面(保持部7が半導体ウェハーWを保持する側の面)に設置されるサセプタ72を有する。保持部7の下面には、既述のように保持部7を昇降するシャフト41が接続される。サセプタ72は石英(あるいは、窒化アルミニウム(AIN)等であってもよい)により形成され、その上面には半導体ウェハーWの位置ずれを防止するピン75が設けられる。サセプタ72は、その下面をホットプレート71の上面に面接触させてホットプレート71上に設置される。これにより、サセプタ72は、ホットプレート71からの熱エネルギーを拡散してサセプタ72上面に載置された半導体ウェハーWに伝達するとともに、メンテナンス時にはホットプレート71から取り外して洗浄可能とされる。
ホットプレート71は、ステンレススチール製の上部プレート73および下部プレート74にて構成される。上部プレート73と下部プレート74との間には、ホットプレート71を加熱するニクロム線等の抵抗加熱線76が配設され、導電性のニッケル(Ni)ロウが充填されて封止されている。また、上部プレート73および下部プレート74の端部はロウ付けにより接着されている。
図6は、ホットプレート71を示す平面図である。図6に示すように、ホットプレート71は、保持される半導体ウェハーWと対向する領域の中央部に同心円状に配置される円板状のゾーン711および円環状のゾーン712、並びに、ゾーン712の周囲の略円環状の領域を周方向に4等分割した4つのゾーン713〜716を備え、各ゾーン間には若干の間隙が形成されている。また、ホットプレート71には、支持ピン70が挿通される3つの貫通孔77が、ゾーン711とゾーン712との隙間の周上に120°毎に設けられる。
6つのゾーン711〜716のそれぞれには、相互に独立した抵抗加熱線76が周回するように配設されてヒータが個別に形成されており、各ゾーンに内蔵されたヒータにより各ゾーンが個別に加熱される。保持部7に保持された半導体ウェハーWは、6つのゾーン711〜716に内蔵されたヒータにより加熱される。また、ゾーン711〜716のそれぞれには、熱電対を用いて各ゾーンの温度を計測するセンサ710が設けられている。各センサ710は略円筒状のシャフト41の内部を通り制御部3に接続される。
ホットプレート71が加熱される際には、センサ710により計測される6つのゾーン711〜716のそれぞれの温度が予め設定された所定の温度になるように、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が制御部3により制御される。制御部3による各ゾーンの温度制御はPID(Proportional,Integral,Derivative)制御により行われる。ホットプレート71では、半導体ウェハーWの熱処理(複数の半導体ウェハーWを連続的に処理する場合は、全ての半導体ウェハーWの熱処理)が終了するまでゾーン711〜716のそれぞれの温度が継続的に計測され、各ゾーンに配設された抵抗加熱線76への電力供給量が個別に制御されて、すなわち、各ゾーンに内蔵されたヒータの温度が個別に制御されて各ゾーンの温度が設定温度に維持される。なお、各ゾーンの設定温度は、基準となる温度から個別に設定されたオフセット値だけ変更することが可能とされる。
6つのゾーン711〜716にそれぞれ配設される抵抗加熱線76は、シャフト41の内部を通る電力線を介してプレート電源98(図9参照)に接続されている。プレート電源98から各ゾーンに至る経路途中において、プレート電源98からの電力線は、マグネシア(マグネシウム酸化物)等の絶縁体を充填したステンレスチューブの内部に互いに電気的に絶縁状態となるように配置される。なお、シャフト41の内部は大気開放されている。
次に、ランプハウス5は、チャンバー6の上方に設けられている。ランプハウス5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、ランプハウス5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。ランプハウス5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状部材である。ランプハウス5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53がチャンバー窓61と相対向することとなる。ランプハウス5は、チャンバー6内にて保持部7に保持される半導体ウェハーWにランプ光放射窓53およびチャンバー窓61を介してフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射することにより半導体ウェハーWを加熱する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。複数のフラッシュランプFLの配列によって形成される平面の平面エリアは、クランプリング90の開口部によって規定されるチャンバー6の光学窓67よりも大きい。すなわち、複数のフラッシュランプFLは、チャンバー6の上方に、チャンバー6の光学窓67よりも広い領域にわたって配置されている。
キセノンフラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部にコンデンサーに接続された陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)と、該ガラス管の外周面上に付設されたトリガー電極とを備える。キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、コンデンサーに電荷が蓄積されていたとしても通常の状態ではガラス管内に電気は流れない。しかしながら、トリガー電極に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には、コンデンサーに蓄えられた電気がガラス管内に瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。このようなキセノンフラッシュランプFLにおいては、予めコンデンサーに蓄えられていた静電エネルギーが0.1ミリセカンドないし100ミリセカンドという極めて短い光パルスに変換されることから、連続点灯の光源に比べて極めて強い光を照射し得るという特徴を有する。フラッシュランプFLの発光時間は、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源99(図9参照)のコイル定数によって調整することができる。
また、リフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。このような粗面化加工を施しているのは、リフレクタ52の表面が完全な鏡面であると、複数のフラッシュランプFLからの反射光の強度に規則パターンが生じて半導体ウェハーWの表面温度分布の均一性が低下するためである。
上記の構成以外にもフラッシュ加熱部160は、半導体ウェハーWの熱処理時にフラッシュランプFLおよびホットプレート71から発生する熱エネルギーによるチャンバー6およびランプハウス5の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6のチャンバー側部63およびチャンバー底部62には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ランプハウス5は、内部に気体流を形成して排熱するための気体供給管55および排気管56が設けられて空冷構造とされている(図3,7参照)。また、チャンバー窓61とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、ランプハウス5およびチャンバー窓61を冷却する。
<1−3.アライメント部の構成>
次に、アライメント部130の構成について説明する。図8は、アライメント部130の構成を示す図である。アライメント部130は、チャンバー131にウェハ保持部132と光学測定ユニット230とを備えて構成されている。
チャンバー131は半導体ウェハーWを収容する金属製の筐体である。チャンバー131の側壁には受渡ロボット120および搬送ロボット150がアクセスするための開口(図示省略)がそれぞれ設けられており、それぞれの開口はゲートバルブ181,183によって開閉される。
チャンバー131の底部にはウェハ保持部132が設けられている。ウェハ保持部132は、回転テーブル133とアライメントモータ135とを備えている。回転テーブル133は半導体ウェハーWを下面から支持して水平姿勢(半導体ウェハーWの法線が鉛直方向に沿う姿勢)にて載置する。回転テーブル133はアライメントモータ135によって鉛直方向軸まわりで回転可能とされている。
光学測定ユニット230は、測定光学系231と、この測定光学系231に対して投光用光ファイバ232を介して結合された投光器233と、測定光学系231に対して受光用光ファイバ234を介して結合された分光器235と、を含む。光学測定ユニット230の構成要素のうち測定光学系231はチャンバー131の天井部分に固定設置されており、他の要素はチャンバー131の外部に設けられている。
投光器233はハロゲンランプを内蔵しており、一定光量の光を発生する。投光器233から出射された光は投光用光ファイバ232を介して測定光学系231に導かれ、測定光学系231から鉛直方向下方に向けて出射される。測定光学系231から下方に向けて出射された光は、回転テーブル133に半導体ウェハーWが支持されているときには、その半導体ウェハーWの表面に照射される。
半導体ウェハーWの表面に到達した光は鉛直方向上方に向けて反射され、その反射光は測定光学系231に再び入射する。そして、測定光学系231に入射した光は受光用光ファイバ234を介して分光器235に導かれ、分光器235によってスペクトル分解処理を受け、この処理結果として分光器235から出力された信号が制御部3に入力される。制御部3は、分光器235から出力された信号から得られる半導体ウェハーWの反射光強度および投光器233から出射した光の強度に基づいて半導体ウェハーWの反射率を算定する。
上述した構成要素以外にも、アライメント部130には回転テーブル133に支持されて回転する半導体ウェハーWの切り欠き部(φ300mmウェハーの場合はノッチ、φ200mmウェハーの場合はオリフラ)を検出する検出ヘッド、チャンバー131に窒素ガスを供給するガス供給部およびチャンバー131内の雰囲気ガスを排気する排気部等(いずれも図示省略)が設けられている。
<1−4.制御部の構成>
次に、制御部3の構成について説明する。制御部3は、熱処理装置100に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。図9は、制御部3のハードウェア構成を示す図である。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU31、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM32、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM33および制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスク34をバスライン39に接続して構成されている。
また、バスライン39には、チャンバー6内にて保持部7を昇降させる保持部昇降機構4のモータ40、フラッシュランプFLに電力供給を行うランプ電源99、ホットプレート71のゾーン711〜716への電力供給を行うプレート電源98、並びに、光学測定ユニット230の投光器233および分光器235等が電気的に接続されている。制御部3のCPU31は、磁気ディスク34に格納された制御用ソフトウェアを実行することにより、これらの各動作機構を制御して、半導体ウェハーWの加熱処理を進行する。また、磁気ディスク34には、半導体ウェハーWの反射率と保持部7の高さ位置とを対応付けた相関テーブル38が格納されており、CPU31は当該相関テーブル38に基づいてフラッシュ光照射前に保持部7を昇降させる。
さらに、バスライン39には、表示部35および入力部36が電気的に接続されている。表示部35は、例えば液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理結果やレシピ内容等の種々の情報を表示する。入力部36は、例えばキーボードやマウス等を用いて構成されており、コマンドやパラメータ等の入力を受け付ける。装置のオペレータは、表示部35に表示された内容を確認しつつ入力部36からコマンドやパラメータ等の入力を行うことができる。なお、表示部35と入力部36とを一体化してタッチパネルとして構成するようにしても良い。
<2.熱処理装置の処理動作>
次に、本発明に係る熱処理装置100による半導体ウェハーWの処理動作について説明する。この熱処理装置100において処理対象となる半導体ウェハーWは、パターン形成後にイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体ウェハーである。その不純物の活性化がフラッシュ加熱部160によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。ここでは、熱処理装置100全体における処理動作について簡単に説明した後、フラッシュ光照射前の保持部7の高さ調整について説明する。以下に説明する熱処理装置100の処理手順は、制御部3が熱処理装置100の各動作機構を制御することにより進行する。
図10は、熱処理装置100における処理手順を示すフローチャートである。熱処理装置100では、まず、不純物注入後の半導体ウェハーWがキャリアCに複数枚収容された状態でインデクサ部101のロードポート110に載置される。そして、受渡ロボット120がキャリアCから半導体ウェハーWを1枚ずつ取り出し、アライメント部130に載置する。アライメント部130では、回転テーブル133に支持された半導体ウェハーWを、その中心部を回転中心として鉛直方向軸まわりで回転させノッチ等を光学的に検出することによって半導体ウェハーWの位置決めを行う。
また、アライメント部130では、光学測定ユニット230による半導体ウェハーWの表面の反射率測定が行われる(ステップS1)。具体的には、投光器233から測定光学系231を介して半導体ウェハーWの表面に入射した入射光の強度と、半導体ウェハーWの表面で反射して測定光学系231によって受光された反射光の強度との比率を制御部3が算定し、それを半導体ウェハーWの表面の反射率としてRAM33等に記憶する。なお、半導体ウェハーWの「表面」とは、半導体ウェハーWの主面のうちパターンが形成されて不純物が注入された面であり、「裏面」とは主面のうち表面とは反対側の面である。
アライメント部130にて位置決めが行われた半導体ウェハーWは搬送ロボット150の上側の搬送アーム151aにより搬送室170内へと取り出され、搬送ロボット150がフラッシュ加熱部160を向くように旋回する。搬送ロボット150がフラッシュ加熱部160に向くと、下側の搬送アーム151bがフラッシュ加熱部160から先行するフラッシュ加熱処理後の半導体ウェハーWを取り出し、上側の搬送アーム151aが未処理の半導体ウェハーWをフラッシュ加熱部160へと搬入する。このときに搬送ロボット150は、フラッシュランプFLの長手方向と垂直に搬送アーム151a,151bをスライド移動させる。
フラッシュ加熱部160においては、処理に先立って保持部7が図7に示す処理位置から図3に示す受渡位置に下降する(ステップS2)。「処理位置」とは、フラッシュランプFLから半導体ウェハーWにフラッシュ光照射が行われるときの保持部7の位置であり、図7に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。また、「受渡位置」とは、チャンバー6に半導体ウェハーWの搬出入が行われるときの保持部7の位置であり、図3に示す保持部7のチャンバー6内における位置である。「処理位置」は、「受渡位置」よりも上方ではあるが固定された位置ではなく、上下方向の一定の範囲内におけるいずれかの位置である。フラッシュ加熱部160における保持部7の基準位置は処理位置であり、処理前にあっては保持部7は処理位置に位置しており、これが処理開始に際して受渡位置に下降するのである。図3に示すように、保持部7が受渡位置にまで下降するとチャンバー底部62に近接し、支持ピン70の先端が保持部7を貫通して保持部7の上方に突出する。
次に、保持部7が受渡位置に下降した後、弁82が開かれてチャンバー6の熱処理空間65内に不活性ガス(本実施形態では、窒素ガス)が供給される。それと同時に、弁87が開かれて熱処理空間65内の気体が排気される(ステップS3)。半導体ウェハーWの搬入時におけるチャンバー6への窒素ガスのパージ量は約40リットル/分とされ、チャンバー6に供給された窒素ガスは、熱処理空間65においてガス導入バッファ83から図4中に示す矢印AR4の方向へと流れ、排出路86および弁87を介してユーティリティ排気により排気される。また、チャンバー6に供給された窒素ガスの一部は、べローズ47の内側に設けられる排出口(図示省略)からも排出される。なお、以下で説明する各ステップにおいて、チャンバー6には常に窒素ガスが供給および排気され続けており、窒素ガスの供給量は半導体ウェハーWの処理工程に合わせて様々に変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放される。この時点で搬送ロボット150が処理対象となる半導体ウェハーWを保持する搬送アーム151aを搬送開口部66からチャンバー6内に進入させる。搬送ロボット150は、3本の支持ピン70の上方にまで搬送アーム151aを進出させた後、搬送アーム151aを若干下降させる。このときに、搬送アーム151aに保持されていた半導体ウェハーWは3本の支持ピン70に受け渡される(ステップS4)。
半導体ウェハーWがチャンバー6内に搬入されて3本の支持ピン70に載置されると、搬送ロボット150が搬送アーム151aをチャンバー6から退出させる。そして、ゲートバルブ185により搬送開口部66が閉鎖された後、保持部昇降機構4により保持部7が受渡位置からチャンバー窓61に近接した所定の処理位置にまで上昇する(ステップS5)。このときに、制御部3の制御によって、ステップS1で測定された半導体ウェハーWの表面反射率に応じた高さ位置に保持部7は上昇するのであるが、これについてはさらに後述する。
保持部7が受渡位置から上昇する過程において、半導体ウェハーWは支持ピン70から保持部7のサセプタ72へと渡され、サセプタ72の上面に載置・保持される。保持部7が処理位置にまで上昇するとサセプタ72に保持された半導体ウェハーWも処理位置に保持されることとなる。
ホットプレート71の6つのゾーン711〜716のそれぞれは、各ゾーンの内部(上部プレート73と下部プレート74との間)に個別に内蔵されたヒータ(抵抗加熱線76)により所定の温度まで加熱されている。保持部7が処理位置まで上昇して半導体ウェハーWが保持部7と接触することにより、その半導体ウェハーWはホットプレート71に内蔵されたヒータによって予備加熱されて温度が次第に上昇する(ステップS6)。
この処理位置にて約60秒間の予備加熱が行われ、半導体ウェハーWの温度が予め設定された予備加熱温度T1まで上昇する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし700℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では500℃)。
約60秒間の予備加熱時間が経過した後、保持部7が処理位置に位置したまま制御部3の制御によりランプハウス5のフラッシュランプFLから半導体ウェハーWへ向けてフラッシュ光が照射される(ステップS7)。このとき、フラッシュランプFLから放射されるフラッシュ光の一部は直接にチャンバー6内の保持部7へと向かい、他の一部は一旦リフレクタ52により反射されてからチャンバー6内へと向かい、これらのフラッシュ光の照射により半導体ウェハーWのフラッシュ加熱が行われる。フラッシュ加熱は、フラッシュランプFLからの閃光照射により行われるため、半導体ウェハーWの表面温度を短時間で上昇することができる。
すなわち、ランプハウス5のフラッシュランプFLから照射されるフラッシュ光は、予め蓄えられていた静電エネルギーが極めて短い光パルスに変換された、照射時間が0.1ミリセカンド以上100ミリセカンド以下程度の極めて短く強い閃光である。そして、フラッシュランプFLからのフラッシュ光照射によりフラッシュ加熱される半導体ウェハーWの表面温度は、瞬間的に1000℃以上の処理温度T2まで上昇し、半導体ウェハーWに注入された不純物が活性化された後、表面温度が急速に下降する。このように、熱処理装置1では、半導体ウェハーWの表面温度を極めて短時間で昇降することができるため、半導体ウェハーWに注入された不純物の熱による拡散を抑制しつつ不純物の活性化を行うことができる。なお、不純物の活性化に必要な時間はその熱拡散に必要な時間に比較して極めて短いため、0.1ミリセカンドないし100ミリセカンド程度の拡散が生じない短時間であっても活性化は完了する。
フラッシュ加熱が終了し、処理位置における約10秒間の待機の後、保持部7が保持部昇降機構4により再び図3に示す受渡位置まで下降し、半導体ウェハーWが保持部7から支持ピン70へと渡される(ステップS8)。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、搬送ロボット150が搬送アーム151bを搬送開口部66からチャンバー6内に進入させる。搬送ロボット150は、3本の支持ピン70によって支持される半導体ウェハーWの下方にまで搬送アーム151bを進出させた後、搬送アーム151bを上昇させる。これにより、支持ピン70に載置されていた半導体ウェハーWは搬送アーム151bに受け渡される。その後、搬送ロボット150は、フラッシュ加熱処理後の半導体ウェハーWを支持した搬送アーム151bをチャンバー6から退出させて半導体ウェハーWを搬出する(ステップS9)。
既述のように、フラッシュ加熱部160における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスがチャンバー6に継続的に供給されており、その供給量は、保持部7が処理位置に位置するときには約30リットル/分とされ、保持部7が処理位置以外の位置に位置するときには約40リットル/分とされる。
その後、搬送ロボット150は冷却部140に向くように旋回し、下側の搬送アーム151bがフラッシュ加熱処理済の半導体ウェハーWを冷却部140内に載置する。冷却部140にて冷却された半導体ウェハーWは受渡ロボット120によりキャリアCへと返却される。所定枚数の処理済み半導体ウェハーWが収容されたキャリアCがインデクサ部101のロードポート110から搬出されて熱処理装置100における一連の処理が完了する。
本実施形態においては、ステップS5にて保持部7が処理位置に上昇するときに、半導体ウェハーWの表面反射率に応じた高さ位置に上昇するように制御されている。以下、この内容について詳細に説明する。
図11および図12は、フラッシュ光照射時の多重反射の挙動を模式的に示す図である。図11は半導体ウェハーWの表面の反射率が高い場合を示し、図12は表面反射率が低い場合を示している。なお、図11および図12における半導体ウェハーWの高さ位置は同じである。
一般に表面にパターンが形成されておらず成膜もなされていない半導体ウェハーW(ブランケットウェハー)の表面反射率は高い。また、表面に反射率の高い膜が形成されている半導体ウェハーWの表面反射率も高い。このような表面の反射率が高い半導体ウェハーWを保持した保持部7が所定の処理位置に上昇した状態において、フラッシュランプFLからフラッシュ光を照射すると、図11に示すように、保持部7に保持された処理位置の半導体ウェハーWとランプハウス5のリフレクタ52との間でフラッシュ光の多重反射が生じる。すなわち、複数のフラッシュランプFLの配列における中央近傍のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光が反射率の高い半導体ウェハーWの表面で反射されてランプハウス5へと向かい、その反射光がリフレクタ52で反射されて再び半導体ウェハーWに入射して反射されるという現象が繰り返される。
また、複数のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光は、チャンバー6に設けられた部材(本実施形態ではクランプリング90および保持部7等)とリフレクタ52との間で多重反射された後に半導体ウェハーWの周縁部に入射する。これら中央近傍および端部近傍のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光の多重反射によって、半導体ウェハーWの表面の中央部および周縁部の双方において照射されるフラッシュ光の強度が強くなる。
一方、表面に各種の膜が形成されてパターン形成のなされている半導体ウェハーWの表面反射率は相対的に低い。通常、実際に処理対象となる半導体ウェハーWはこのようなウェハーであり、ブランケットウェハーよりは表面反射率が低い。このような表面の反射率が低い半導体ウェハーWを保持した保持部7が所定の処理位置に上昇した状態において、フラッシュランプFLからフラッシュ光を照射すると、図12に示すように、半導体ウェハーWの表面での反射は生じにくい。よって、複数のフラッシュランプFLの配列における中央近傍のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光は半導体ウェハーWの表面でほとんど反射されず、多重反射の減衰が大きくなる。
また、複数のフラッシュランプFLの配列における端部近傍のフラッシュランプFLから出射されたフラッシュ光は、上記の図11と同様に、チャンバー6に設けられた部材とリフレクタ52との間で多重反射された後に半導体ウェハーWの周縁部に入射する。すなわち、半導体ウェハーWの中央部においては多重反射が生じにくいために多重反射による入射が少なくなる反面、周縁部においては半導体ウェハーW以外の要素での多重反射による入射が生じる。このような半導体ウェハーW以外の要素による多重反射は、半導体ウェハーWの表面反射率に依存することなく生じるものであり、表面反射率に関わらず概ね一定の強度にて半導体ウェハーWの周縁部に入射する。その結果、半導体ウェハーWの中央部よりも周縁部に照射されるフラッシュ光の強度が相対的に強くなり、フラッシュ加熱時における周縁部の温度が中央部よりも相対的に高くなる。
以上のように、半導体ウェハーWの表面の反射率によって多重反射の挙動が異なることに起因して照射されるフラッシュ光の強度の面内分布が変動する。フラッシュ光照射時の半導体ウェハーWの高さ位置が同じであれば、半導体ウェハーWの表面反射率が低くなると周縁部に照射されるフラッシュ光の強度が中央部よりも相対的に強くなって温度も相対的に高くなる。このため、表面反射率の高いブランケットウェハーを用いて面内温度分布が均一となるようにフラッシュランプFLの強度やホットプレート71の予備加熱温度を調整したとしても、それよりも表面反射率の低い実際に処理対象となる半導体ウェハーWにフラッシュ光照射を行ったときには周縁部の温度が中央部よりも高くなるという問題が生じていた。逆に、半導体ウェハーWの表面反射率が高くなると、周縁部の温度が中央部よりも相対的に低くなることもあり得る。
そこで、本実施形態においては、半導体ウェハーWの表面反射率に応じてフラッシュ光照射時の半導体ウェハーWの高さ位置を調整するようにしている。図13および図14は、半導体ウェハーWを保持する保持部7の高さ位置とフラッシュ光強度との相関を説明するための図である。既述したように、複数のフラッシュランプFLは、チャンバー6の上方に、チャンバー6の光学窓67よりも広い領域にわたって配置されている。このため、図13,14に示すように、複数のフラッシュランプFLからフラッシュ光が照射されたときに、光学窓67よりも外側の発光領域とクランプリング90の内周先端部とによって影領域が形成される。図13,14では、このような影領域を斜線部にて示している。
図13に示すように、半導体ウェハーWを保持する保持部7が相対的に高い位置(光学窓67との距離が短い位置)に上昇しているとき、その高さ位置における影領域の面積は小さい。すなわち、半導体ウェハーWの表面周縁部に形成される影領域も小さい(図13の例ではウェハー端縁部よりも外側に影領域が形成されている)。一方、図14に示すように、半導体ウェハーWを保持する保持部7が相対的に低い位置(光学窓67との距離が長い位置)に下降しているときには、その高さ位置における影領域の面積が大きい。すなわち、半導体ウェハーWの表面周縁部に形成される影領域も大きい。
従って、半導体ウェハーWを保持する保持部7が上昇すると、フラッシュ光照射時にチャンバー6(詳細にはクランプリング90の内周先端部)によって半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域が小さくなり、逆に下降すると半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域が大きくなる。その結果、保持部7が上昇するとフラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に到達するフラッシュ光の強度が増大し、逆に保持部7が下降すると半導体ウェハーWの周縁部に到達するフラッシュ光の強度が減少することとなる。なお、周縁部に影領域が形成されてもフラッシュ光の強度がゼロになるわけではなく、影形成に寄与したフラッシュランプFL以外のフラッシュランプFLからの直接光や多重反射によって入射する光があるため、フラッシュ光強度が相対的に低下するだけである。
このようにして半導体ウェハーWを保持する保持部7を昇降させることにより、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に到達するフラッシュ光の強度を増減し、ウェハー面内の温度分布を調整することができる。図15は、保持部7の昇降による半導体ウェハーWの面内温度分布の変化を示す図である。保持部7が相対的に高い処理位置H1に位置しているときには、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域が小さくなって当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度が増大し、当該周縁部の温度が中央部よりも高くなる。また、保持部7が相対的に低い処理位置H3に位置しているときには、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域が大きくなって当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度が減少し、当該周縁部の温度が中央部よりも低くなる。いずれの高さの処理位置であっても、半導体ウェハーWの面内温度分布は均一とはならず好ましくない。
一方、処理位置H1と処理位置H3との間の高さである処理位置H2に保持部7が位置しているときには、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に到達するフラッシュ光の強度が適正値となり、半導体ウェハーWの面内温度分布が均一となる。このような処理位置H2は、上述したフラッシュ光照射時の多重反射の影響と、チャンバー6に設けられたクランプリング90等の部材による反射の影響と、影領域の形成によるフラッシュ光強度の減少の影響とのバランスによって規定される。すなわち、面内温度分布が均一となる処理位置H2の高さは半導体ウェハーWの表面の反射率に依存しており、反射率が異なれば処理位置H2の高さも異なる。
既述したように、フラッシュ光照射時の半導体ウェハーWの高さ位置が同じであれば(つまり、影領域による影響が同じであれば)、半導体ウェハーWの表面反射率が低くなるほど周縁部に照射されるフラッシュ光の強度が中央部よりも相対的に強くなって周縁部温度も相対的に高くなる。従って、半導体ウェハーWの表面反射率が低くなるほど保持部7を下方に下降させてフラッシュ光照射時に周縁部に形成される影領域を大きくし、当該周縁部に到達するフラッシュ光照射の強度を減少する必要があり、比較的下方に面内温度分布が均一となる適切な処理位置H2が存在する。逆に、半導体ウェハーWの表面反射率が高くなるほど保持部7を上方に上昇させてフラッシュ光照射時に周縁部に形成される影領域を小さくし、当該周縁部に到達するフラッシュ光照射の強度を増大する必要があり、比較的上方に面内温度分布が均一となる処理位置H2が存在する。
本実施形態においては、半導体ウェハーWの表面の反射率と面内温度分布が均一となる保持部7の適切な高さ位置(処理位置H2)とを対応付けた相関テーブル38を作成して制御部3の磁気ディスク34に格納するようにしている。図16は、相関テーブル38の一例を示す図である。表面反射率が異なる複数の半導体ウェハーWについてフラッシュ光照射時の面内温度分布が均一となる保持部7の高さ位置を実験またはシミュレーション等によって予め求めておき、それらの相関関係から図16に示すような相関テーブル38を作成して磁気ディスク34に格納しておくことができる。同図に示すように、半導体ウェハーWの表面の反射率が低くなるほど面内温度分布が均一となる保持部7の高さ位置も低くなる。なお、表面反射率が異なる複数の半導体ウェハーWは、ブランケットウェハーの表面に光吸収膜を異なる厚さで堆積させることによって用意することができる。
そして、図10のステップS5にてフラッシュ光照射前に保持部7が処理位置に上昇するときには、制御部3は相関テーブル38に基づいて、ステップS1で測定された半導体ウェハーWの表面の反射率に対応する高さ位置に保持部7が上昇するように保持部昇降機構4のモータ40を制御する。従って、ステップS1で光学測定ユニット230によって測定された半導体ウェハーWの表面反射率が高くなれば、ステップS5では保持部7がより高い処理位置に上昇してフラッシュ光照射時にチャンバー6によって半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域を小さくし、当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度を増大する。逆に、ステップS1で測定された半導体ウェハーWの表面反射率が低くなれば、ステップS5では保持部7がより低い処理位置に上昇(上記反射率が高いときの処理位置よりは下降)してフラッシュ光照射時にチャンバー6によって半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域を大きくし、当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度を減少する。
このように、半導体ウェハーWの表面の反射率に応じて保持部7を昇降し、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整することにより、フラッシュ光照射時の面内温度分布を均一にすることができる。
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態においては、アライメント部130にて半導体ウェハーWの表面の反射率を測定していたが、これに限定されるものではなく、インデクサ部101からフラッシュ加熱部160に半導体ウェハーWを搬送する経路上のいずれかに光学測定ユニット230を設けて反射率測定を行うようにしても良い。また、フラッシュ加熱部160にて半導体ウェハーWの表面反射率を測定し、その測定結果に応じて保持部7の処理位置を決定するようにしても良い。
また、熱処理装置100とは別体の装置にて予め半導体ウェハーWの表面反射率を測定しておき、その測定値を熱処理装置100側に伝達して保持部7の処理位置を決定するようにしても良い。さらに、同一内容のパターン形成および成膜のなされた複数の半導体ウェハーWを含むロットの処理を行う場合であれば、それら複数の半導体ウェハーWの表面反射率は同じであるため、それらのうちの1枚の表面反射率を固定値として逐次反射率測定を行うことなく保持部7の処理位置を決めるようにしても良い。
また、上記実施形態においては、保持部7を昇降させて半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域の大きさを変化させることにより、当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整していたが、これに限定されるものではなく、保持部7の昇降に代えてまたは併せて、複数のフラッシュランプFLの配列を昇降させるようにしても良い。或いは、チャンバー6の側壁の高さを可変とし、その高さを調整してフラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域の大きさを変化させるようにしても良い。さらには、チャンバー6の側壁内側に水平方向に沿って伸縮する遮光部材を設け、それによってフラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域の大きさを変化させるようにしても良い。
要するに、半導体ウェハーWの表面反射率に応じてフラッシュ光照射時にその周縁部に形成される影領域の大きさを調整し、当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整する構成であれば良い。
また、上記実施形態においては、半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光を照射して加熱処理を行っていたが、半導体ウェハーWの裏面にフラッシュ光を照射するようにしても良い。具体的には、半導体ウェハーWの表裏を反転させて保持部7に保持(つまり、表面を下面として保持)させて上記実施形態と同様の処理を行うようにすれば良い。この場合、半導体ウェハーWの裏面の反射率に応じて保持部7を昇降し、フラッシュ光照射時に裏面の周縁部に形成される影領域の大きさを調整して当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整すれば良い。
また、上記実施形態においては、ホットプレート71に載置することによって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしていたが、予備加熱の手法はこれに限定されるものではなく、ハロゲンランプを設けて光照射によって半導体ウェハーWを予備加熱温度T1にまで予備加熱するようにしても良い。この場合であっても、上記実施形態と同様に、半導体ウェハーWを保持する保持部材を昇降させることによって、フラッシュ光照射時に半導体ウェハーWの周縁部に形成される影領域の大きさを変化させて当該周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整することができる。
また、搬送ロボット150の上側の搬送アーム151aを未処理の半導体ウェハーWを保持する専用のアームとして設計し、下側の搬送アーム151bを処理済の半導体ウェハーWを保持する専用のアームとして設計することにより、搬送ロボット150の小型化、および搬送の信頼性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る熱処理技術によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
3 制御部
4 保持部昇降機構
5 ランプハウス
6 チャンバー
7 保持部
31 CPU
34 磁気ディスク
38 相関テーブル
40 モータ
52 リフレクタ
61 チャンバー窓
63 チャンバー側部
67 光学窓
71 ホットプレート
72 サセプタ
90 クランプリング
100 熱処理装置
101 インデクサ部
130 アライメント部
140 冷却部
150 搬送ロボット
160 フラッシュ加熱部
170 搬送室
230 光学測定ユニット
231 測定光学系
233 投光器
235 分光器
FL フラッシュランプ
W 半導体ウェハー

Claims (10)

  1. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板の一方面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、
    前記一方面の反射率に応じて前記基板の周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整する強度調整手段と、
    を備えることを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記強度調整手段は、前記一方面の反射率が高くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を増大し、前記一方面の反射率が低くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を減少することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項2記載の熱処理装置において、
    前記フラッシュランプは、前記チャンバーの上方に、前記チャンバーの光学窓よりも広い領域に配置され、
    前記強度調整手段は、前記保持手段を前記チャンバー内にて昇降させる昇降手段を含み、
    前記昇降手段は、前記一方面の反射率が高くなれば前記保持手段を上昇させてフラッシュ光照射時に前記チャンバーによって前記基板の周縁部に形成される影領域を小さくし、前記一方面の反射率が低くなれば前記保持手段を下降させて前記影領域を大きくすることを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項3記載の熱処理装置において、
    前記強度調整手段は、前記一方面の反射率と前記保持手段の高さ位置とを対応付けた相関テーブルを保持し、当該相関テーブルに基づいて前記保持手段を昇降させることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記一方面の反射率を測定する反射率測定手段をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  6. 基板にフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理方法であって、
    チャンバー内にて保持手段に保持された基板の一方面にフラッシュランプからフラッシュ光を照射するフラッシュ光照射工程と、
    前記一方面の反射率に応じて前記基板の周縁部に到達するフラッシュ光の強度を調整する強度調整工程と、
    を備えることを特徴とする熱処理方法。
  7. 請求項6記載の熱処理方法において、
    前記強度調整工程では、前記一方面の反射率が高くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を増大し、前記一方面の反射率が低くなれば前記周縁部に到達するフラッシュ光の強度を減少することを特徴とする熱処理方法。
  8. 請求項7記載の熱処理方法において、
    前記フラッシュランプは、前記チャンバーの上方に、前記チャンバーの光学窓よりも広い領域に配置され、
    前記強度調整工程では、前記一方面の反射率が高くなれば前記保持手段を上昇させてフラッシュ光照射時に前記チャンバーによって前記基板の周縁部に形成される影領域を小さくし、前記一方面の反射率が低くなれば前記保持手段を下降させて前記影領域を大きくすることを特徴とする熱処理方法。
  9. 請求項8記載の熱処理方法において、
    前記強度調整工程では、前記一方面の反射率と前記保持手段の高さ位置とを対応付けた相関テーブルに基づいて前記保持手段を昇降させることを特徴とする熱処理方法。
  10. 請求項6から請求項9のいずれかに記載の熱処理方法において、
    前記一方面の反射率を測定する反射率測定工程をさらに備えることを特徴とする熱処理方法。
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