JP2013160335A - 電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 - Google Patents

電動式直動アクチュエータおよび電動式ブレーキ装置 Download PDF

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誠 村松
Tatsuya Yamazaki
達也 山崎
Masaaki Eguchi
雅章 江口
Yui Masuda
唯 増田
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Abstract

【課題】電動モータのロータ軸の回転をロックした状態を安定して保持できるロック機構を有する電動式直動アクチュエータを提供する。
【解決手段】電動モータ10のロータ軸11の回転を減速するギヤ減速機構12の中間ギヤ25に等間隔に設けられた係止穴26と、前進時にその係止穴26に係合して中間ギヤ25をロックするロックピン27と、そのロックピン27を進退させるリニアソレノイド28とからなり、ロータ軸11の回転をロックおよびアンロック可能なロック機構24に対し、ロックピン27の先端部に爪部36を設け、中間ギヤ25の係止穴26にロックピン27の爪部36の後面側と係合する段差面26aを設けて、係止穴26に係合したロックピン27の後退を規制することにより、ロックピン27と係止穴26の係合状態、すなわちロータ軸11の回転をロックした状態を安定して保持できるようにしたのである。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動モータのロータ軸の回転運動を運動変換機構によって被駆動部材の直線運動に変換する電動式直動アクチュエータと、その電動式直動アクチュエータを用いた電動式ブレーキ装置に関する。
従来、自動車用のブレーキ装置としては油圧式のものが多く採用されてきたが、近年、ABS(Antilock Brake System)等の高度なブレーキ制御の導入に伴い、これらの制御を複雑な油圧回路なしに行うことができる電動式ブレーキ装置が注目されている。電動式ブレーキ装置は、電動モータのロータ軸の回転運動を運動変換機構によってブレーキパッドの直線運動に変換する電動式直動アクチュエータが組み込まれており、ブレーキペダルの踏み込み信号等で電動モータを作動させることにより、直動アクチュエータによって直線駆動されたブレーキパッドでブレーキディスクを押圧して、ブレーキディスクに制動力を付与するようにしたものが多い。
ところが、上記のような電動式ブレーキ装置は、運転手のブレーキペダルの操作に応じて制動力を制御するサービスブレーキ機能しか有していないため、駐車時には電動モータに対する通電状態を継続して制動力を維持する必要があり、電力消費量が大きいという問題があった。
このため、最近では、駐車時に電動モータへの通電を停止しても制動力を維持することができるパーキングブレーキ機能を付加して、電力消費量を抑えられるようにした電動式ブレーキ装置が実用化されつつある。
例えば、特許文献1に記載された電動式ブレーキ装置は、電動モータのロータ軸に設けられたつめ車と、つめ車の周りに配置された係合つめと、係合つめをつめ車から離れる方向に付勢するねじりばねと、係合つめをつめ車に係合する方向へ移動させるリニアソレノイドとからなるロック機構を設けている。この構成によれば、駐車時には、電動モータのロータ軸を制動方向へ回転させて制動力を発生させ、ロック機構のリニアソレノイドを作動させて係合つめを移動させた後、電動モータへの通電を停止することにより、制動力の反力でロータ軸に制動解除方向のトルクが作用してつめ車が係合つめに押し付けられ、ロータ軸の制動解除方向への回転がロックされてパーキングブレーキを確立することができる。一方、パーキングブレーキを解除する際には、電動モータに通電してロータ軸を一旦制動方向へわずかに回転させることにより、係合つめに作用していた押付力を開放してねじりばねの付勢力で係合つめをつめ車から離した後、ロータ軸を制動解除方向に回転させて制動力を開放するようになっている。
また、本発明者らは、電動式ブレーキ装置等に用いられる電動式直動アクチュエータに対し、特許文献1と同様に電動モータのロータ軸の回転をロックおよびアンロック可能なロック機構として、ロータ軸の回転を減速して出力するギヤ減速機構に設けられた係止部と、その係止部に対して進退可能に設けられ、前進時に係止部に係合してギヤをロックするロックピンと、そのロックピンを進退させるリニアソレノイド等のピン駆動用アクチュエータとからなるものを採用することを提案している(特願2010−235613)。
特開2006−183809号公報
上述した従来の電動式直動アクチュエータを用いたパーキングブレーキ機能付き電動式ブレーキ装置は、いずれも直動アクチュエータの電動モータから運動変換機構への動力伝達経路の途中に係止部を設け、この係止部に係止部材を係合させてロータ軸の回転をロックするロック機構を有するものであり、パーキングブレーキ作動時には、係止部が設けられた被係止部材に制動力の反力による制動解除方向のトルクが作用して、係止部材と被係止部材との間に摩擦抵抗が生じることにより、係止部材が被係止部材から離脱しにくいようになっている。
しかしながら、パーキングブレーキ作動中にブレーキパッドやブレーキディスク等のブレーキ部品が冷却されて熱収縮すると、制動力の低下が生じて、制動力の反力によって被係止部材に作用している制動解除方向のトルクが減少し、係止部材と被係止部材との間の摩擦抵抗が小さくなるので、ブレーキ部品の熱収縮の大きさによっては、係止部材が意図せずに被係止部材から離脱して、パーキングブレーキが解除されてしまうおそれがある。
そこで、本発明の課題は、電動モータのロータ軸の回転をロックした状態を安定して保持できるロック機構を有する電動式直動アクチュエータと、その電動式直動アクチュエータを採用した電動式ブレーキ装置を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明の電動式直動アクチュエータは、電動モータと、その電動モータのロータ軸の回転を減速して出力するギヤ減速機構と、そのギヤ減速機構の出力ギヤの軸心に沿って軸方向に移動可能なスライド部材と、前記出力ギヤの回転運動を直線運動に変換して前記スライド部材に伝達する運動変換機構と、前記電動モータのロータ軸の回転をロックおよびアンロック可能なロック機構とを有し、前記ロック機構が、前記ギヤ減速機構を形成する複数のギヤのうちの一つのギヤの側面周方向に設けられた複数の係止穴と、その係止穴に対して進退可能に設けられ、前進時に前記係止穴に係合してギヤをロックするロックピンと、そのロックピンを進退させるピン駆動用アクチュエータとからなる電動式直動アクチュエータにおいて、前記係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段を設けた構成を採用した。
すなわち、電動モータのロータ軸の回転を減速するギヤ減速機構のうちの一つのギヤに設けられた係止穴と、前進時にその係止穴に係合してギヤをロックするロックピンと、そのロックピンを進退させるピン駆動用アクチュエータとからなり、ロータ軸の回転をロックおよびアンロック可能なロック機構に対し、係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段を設けることにより、ギヤの係止穴の内壁をロックピンに押し付ける方向に作用するトルクが小さくなっても、ロックピンと係止穴の係合状態を保持できるようにしたのである。
前記係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段としては、前記ロックピンの先端部にその外周面から突出する爪部を設け、前記係止穴に前記ロックピンの爪部の後面側と係合する段差面を設けたものを採用することができる。その場合、前記ロックピンの爪部はロックピンの全周にわたって設けてもよいし、前記ロックピンの爪部をロックピンの周方向の一部に設け、前記ロックピンの回り止め手段を設けるようにしてもよい。
ここで、前記ロックピンの爪部をロックピンの周方向の一部に設ける場合、前記ロックピンの回り止め手段は、前記ロックピンの外周面に二面幅を形成し、前記ピン駆動用アクチュエータに前記ロックピンの二面幅の部分を回転不能に支持するスリーブを設けたものを採用することができる。この場合、前記ロックピンの二面幅はロックピンの全長にわたって形成するとよい。あるいは、前記ロックピンの外周面に二面幅を形成し、前記スライド部材および運動変換機構を収容するハウジングに、前記ピン駆動用アクチュエータの先端部が嵌め込まれる取付孔を有するベースプレートを設け、そのベースプレートの取付孔に前記ロックピンの二面幅の部分を回転不能に支持する支持部を設けたものとしてもよい。
また、前記ロックピンの回り止め手段として、上記のものに代えて、前記ロックピンに断面矩形部を形成し、前記ピン駆動用アクチュエータに前記ロックピンの断面矩形部を回転不能に支持するスリーブを設けたものを採用することもできる。この場合は、前記ロックピンの断面矩形部をロックピンの全長にわたって形成するとよい。あるいは、前記ロックピンに断面矩形部を形成し、前記スライド部材および運動変換機構を収容するハウジングに、前記ピン駆動用アクチュエータの先端部が嵌め込まれる取付孔を有するベースプレートを設け、そのベースプレートの取付孔に前記ロックピンの断面矩形部を回転不能に支持する支持部を設けたものとしてもよい。
一方、前記係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段としては、上記のものに代えて、前記係止穴を周方向の一端側で次第に狭小となる楔形に形成し、この係止穴が設けられたギヤが一定方向に回転したときに、前記ロックピンが前記係止穴の一端側の狭小部に押し込まれて係止されるようにしたものを採用することもできる。
また、本発明の電動式ブレーキ装置は、電動式直動アクチュエータによりブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドでブレーキディスクを押圧して、そのブレーキディスクに制動力を付与するようにした電動式ブレーキ装置において、前記電動式直動アクチュエータが上述の本発明の電動式直動アクチュエータからなり、その電動式直動アクチュエータのスライド部材に前記ブレーキパッドを連結した構成を採用したのである。
上述した本発明の電動式ブレーキ装置は、自動車のブレーキシステムに特に有効に用いることができる。
本発明の電動式直動アクチュエータは、上述したように、電動モータのロータ軸の回転を減速するギヤ減速機構のうちの一つのギヤに係止穴を設け、ピン駆動用アクチュエータでロックピンを前進させてその係止穴に係合させることによりロータ軸の回転をロックするロック機構に対し、係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段を設けたものであるから、ギヤの係止穴の内壁をロックピンに押し付ける方向に作用するトルクが小さくなっても、ロックピンと係止穴の係合状態、すなわちロータ軸の回転をロックした状態を安定して保持することができる。
また、本発明の電動式ブレーキ装置は、上述の本発明の電動式直動アクチュエータによりそのスライド部材に連結されたブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドでブレーキディスクを押圧して、そのブレーキディスクに制動力を付与するようにしたものであるから、ロータ軸の回転をロックしてブレーキを作動させているときにブレーキパッドやブレーキディスクの熱収縮によって制動力が低下しても、ブレーキが解除されてしまうおそれがない。
実施形態の電動式直動アクチュエータの縦断正面図 図1のII−II線に沿った断面図 図1のIII−III線に沿った断面図 aは図3のIV−IV線に沿った断面図、bはaのロックピン後退規制手段の変形例を示す断面図 aはロックピン後退規制手段の別の変形例を示す断面図、bはaのVb方向から見た矢視図、cはaのVc−Vc線に沿った断面図、dはcに対応してロックピン回り止め手段の変形例を示す断面図 aは図5のロックピン回り止め手段の別の変形例を示す断面図、bはaのVI−VI線に沿った断面図、cはbに対応してロックピン回り止め手段の別の変形例を示す断面図 図3に対応して別のロックピン後退規制手段を示す断面図 実施形態の電動式ブレーキ装置の要部の縦断正面図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。図1乃至図7は、本発明の電動式直動アクチュエータAの実施の形態を示す。図1に示すように、この実施形態の電動式直動アクチュエータAのハウジング1は、円筒状をなし、その一端には径方向外方に向けてベースプレート2が設けられ、そのベースプレート2の外側面およびハウジング1の一端開口がカバー3によって覆われている。
ハウジング1の内部には、スライド部材としての外輪部材4と軸受部材5が組込まれている。外輪部材4は、回り止めされ、かつ、ハウジング1の内径面に沿って軸方向に移動自在とされ、その内径面には断面V字形の螺旋突条6が設けられている。軸受部材5は、円盤状をなし、外輪部材4の軸方向一端側に組込まれて、ハウジング1の内径面に取付けたストッパリング7によってカバー3側への移動が阻止されている。軸受部材5の内周には一対の転がり軸受8が軸方向に間隔をおいて組込まれ、その転がり軸受8によって外輪部材4の軸心上に配置された回転軸9が回転自在に支持されている。
ベースプレート2には電動モータ10が支持され、その電動モータ10のロータ軸11の回転は、カバー3内に組込まれたギヤ減速機構12によって回転軸9に伝達されるようになっている。
外輪部材4の内側には、回転軸9を中心として回転可能なキャリヤ13が組込まれている。図1および図2に示すように、キャリヤ13は、軸方向で対向する一対のディスク13a、13bと、その一対のディスク13a、13bの間に設けられる複数の間隔調整部材13cとからなり、回転軸9に回転自在かつ軸方向移動自在に支持されて抜止めされている。
キャリヤ13には、一対のディスク13a、13bによって両端部を支持された複数のローラ軸14が周方向に間隔をおいて設けられている。ローラ軸14のそれぞれは、その軸端部を巻き込むようにして掛け渡された弾性リング15によって径方向内方に向けて付勢されている。
複数のローラ軸14のそれぞれには遊星ローラ16が回転自在に支持されている。遊星ローラ16のそれぞれは、回転軸9の外径面と外輪部材4の内径面間に配置される組み込みとされ、ローラ軸14の軸端部に掛け渡された弾性リング15により回転軸9の外径面に押し付けられて弾性接触し、回転軸9が回転すると、その回転軸9の外径面に対する接触摩擦によって回転するようになっている。
遊星ローラ16の外径面には、断面V字状の複数の螺旋溝17が軸方向に等間隔に形成され、その螺旋溝17のピッチは、外輪部材4に設けられた螺旋突条6のピッチと同一とされて、その螺旋突条6に噛合している。なお、螺旋溝17に代えて、複数の円周溝を螺旋突条6と同一のピッチで軸方向に等間隔に形成してもよい。
キャリヤ13と軸受部材5の間には環状のスラスト板18が組込まれ、そのスラスト板18と軸受部材5の間にスラスト軸受19が組込まれている。
外輪部材4の他端の開口は、外輪部材4内への異物の侵入を防止するシールカバー20により閉塞され、ハウジング1の他端部と外輪部材4の他端部との間には、ハウジング1内への異物の侵入を防止するベローズ21が取付けられている。
図1および図3に示すように、ギヤ減速機構12は、電動モータ10のロータ軸11に取付けられた入力ギヤ22の回転を一次減速ギヤ列G乃至三次減速ギヤ列Gにより順次減速して回転軸9の軸端部に取付けられた出力ギヤ23に伝達して、回転軸9を回転させるようにしており、そのギヤ減速機構12に電動モータ10のロータ軸11をロックおよびアンロック可能なロック機構24が設けられている。
ロック機構24は、二次減速ギヤ列Gにおける出力側の中間ギヤ25の側面に複数の係止穴26を同一円上に等間隔に設け、その複数の係止穴26のピッチ円上の一点に対して進退可能に設けられたロックピン27をピン駆動用アクチュエータとしてのリニアソレノイド28により進退させ、係止穴26に対するロックピン27の係合によって、中間ギヤ25をロックするようにしている。
リニアソレノイド28は、図4(a)に示すように、有底筒状のケース29内に、コイル30と、一端にロックピン27が取り付けられるプランジャ31と、プランジャ31をスライド方向に案内するガイドパイプ32と、プランジャ31をケース29底側(後退側)へ付勢する戻しばね33とを収納し、ロックピン27を通すスリーブ34でケース29の一端の開口を塞いだもので、そのプランジャ31とスリーブ34は強磁性体で形成され、ガイドパイプ32は非磁性体で形成されている。そして、スリーブ34の先端部がハウジング1のベースプレート2に設けられた取付孔35に嵌め込まれることにより、全体がベースプレート2に固定されている。
このソレノイド28のコイル30に通電すると、プランジャ31とスリーブ34との間に作用する吸引力によりプランジャ31がロックピン27と一体に前進し、コイル30への通電を停止すると、戻しばね33の付勢力によりプランジャ31がロックピン27と一体に後退する(図4(a)は前進した状態)。
また、ロックピン27の先端部には、その外周面から突出する爪部36が全周にわたって設けられている。一方、中間ギヤ25の各係止穴26には、周方向の一側にロックピン27の爪部36の後面側と係合する段差面26aが設けられ、他側にロックピン27の爪部36を後退する方向に案内するテーパ面26bが設けられている。
図8は、上記構造の電動式直動アクチュエータAを採用した電動式ブレーキ装置Bを示す。この電動式ブレーキ装置Bは、自動車のブレーキシステムに用いられるもので、電動式直動アクチュエータAのハウジング1の他端部にキャリパボディ部37を一体に設け、そのキャリパボディ部37内にブレーキディスク38の外周部の一部を配置し、そのブレーキディスク38の両側に固定ブレーキパッド39と可動ブレーキパッド40を設け、その可動ブレーキパッド40を外輪部材4の他端部に連結一体化している。
次に、この電動式ブレーキ装置Bの動作について説明する。まず、図1に示す電動モータ10を駆動すると、その電動モータ10のロータ軸11の回転がギヤ減速機構12により減速されて、出力ギヤ23と一体に回転する回転軸9に伝達される。回転軸9の外径面には複数の遊星ローラ16のそれぞれ外径面が弾性接触されているため、回転軸9が回転すると遊星ローラ16が回転軸9との接触摩擦により自転しつつ公転する。
このとき、遊星ローラ16の外径面に形成された螺旋溝17は外輪部材4の内径面に設けられた螺旋突条6に噛合しているため、その螺旋溝17と螺旋突条6の係合によって、外輪部材4が回転軸9および出力ギヤ23の軸心に沿って軸方向に移動し、その外輪部材4に連結一体化された可動ブレーキパッド40がブレーキディスク38に押し付けられ、ブレーキディスク38に制動力が付与されることになる。
駐車に際しては、上記のように可動ブレーキパッド40をブレーキディスク38に押し付け、そのブレーキディスク38に駐車に必要な制動力を付与した状態で、リニアソレノイド28を作動させ、ロックピン27を中間ギヤ25の側面に向けて前進させる。
ロックピン27の前進時、そのロックピン27に複数の係止穴26の一つが対向する位置にあれば、ロックピン27が係止穴26内へ進入していく。しかし、ロックピン27と係止穴26との間に位相のずれがあると、ロックピン27は係止穴26内へ進入していけない。この場合には、ロックピン27を前進させた状態で電動モータ10の駆動により、中間ギヤ25を制動方向(図3中の矢印で示す方向)に回転させ、係止穴26がロックピン27と対向する位置まで中間ギヤ25を回転させることにより、ロックピン27が係止穴26内へ進入していくようにする。
そして、ロックピン27が係止穴26内へ進入した後、電動モータ10への通電を停止すると、ブレーキディスク38からの(制動力の)反力によりギヤ減速機構12のそれぞれのギヤに制動解除方向のトルクが作用して、図3および図4(a)に示すように、係止穴26の内壁がロックピン27に押し付けられ、この係止穴26とロックピン27の係合によって中間ギヤ25がロックされる。このとき、ロータ軸11も制動解除方向への回転がロックされることになり、パーキングブレーキが確立される。
上記のように中間ギヤ25およびロータ軸11がロックされてパーキングブレーキが確立されると、リニアソレノイド28のコイル30への通電を停止する。このとき、ロックピン27は、係止穴26の内壁が押し付けられており、係止穴26の内壁との間に摩擦抵抗が生じているので、ソレノイド28のプランジャ31に戻しばね33の付勢力が作用していても後退することはない。
また、パーキングブレーキ作動中にロックピン27と係止穴26の内壁との間の摩擦抵抗が小さくなったとき、例えば、ブレーキパッド40やブレーキディスク38が熱収縮して制動力が低下し、中間ギヤ25の係止穴26の内壁をロックピン27に押し付ける方向に作用しているトルクが減少したときも、ロックピン27は、ソレノイド28の戻しばね33の作用によりわずかに後退した位置で、その爪部36の後面側が係止穴26の段差面26aに係合してそれ以上後退しなくなるので、意図せずに係止穴26から離脱することがなく、パーキングブレーキが解除されるおそれがない。
一方、パーキングブレーキを解除する際には、電動モータ10に通電してロータ軸11を一旦制動方向へわずかに回転させることにより、中間ギヤ25の係止穴26の段差面26aをロックピン27の爪部36から離し、ロックピン27を戻しばね33の付勢力で後退させて係止穴26から離脱させる。ここで、係止穴26には段差面26aと反対の側にロックピン27の爪部36を後退する方向に案内するテーパ面26bが設けられているので、中間ギヤ25を制動方向へスムーズに回転させることができる。そして、ロックピン27が係止穴26から完全に離脱した後、ロータ軸11を制動解除方向に回転させて制動力を開放すればよい。
この電動式ブレーキ装置Bは、上述したように、電動モータ10のロータ軸11の回転を減速するギヤ減速機構12のうちの中間ギヤ25に係止穴26を設け、リニアソレノイド28で前進させたロックピン27をその係止穴26に係合させて、ロータ軸11の回転をロックするロック機構に対し、ロックピン27の先端部に爪部36を設け、中間ギヤ25の係止穴26に設けた段差面26aをロックピン27の爪部36の後面側と係合させることにより、ロックピン27の後退を規制するようにした電動式直動アクチュエータAを採用したので、パーキングブレーキ作動中にブレーキパッド40やブレーキディスク38の熱収縮によって制動力が低下しても、ロータ軸11の回転をロックした状態を安定して保持することができ、パーキングブレーキが解除されてしまうおそれがない。
なお、ロックピン27の爪部36と係止穴26の段差面26aは、図4(b)に示すように、軸方向に複数設けてもよい。
また、ロックピン27の爪部36は、必ずしも上述の実施形態のようにロックピン27の全周にわたって設ける必要はなく、図5(a)、(b)に示すように、ロックピン27の周方向の一部に設けるようにしてもよい。その場合は、ロックピン27の回り止め手段を設けて、ロックピン27の爪部36が確実に係止穴26の段差面26aと係合するようにするとよい。
ロックピン27の回り止め手段としては、図5(c)、(d)に示すように、ロックピン27の外周面に二面幅または断面矩形部を形成し、その二面幅の部分または断面矩形部をソレノイド28のスリーブ34で回転不能に支持するものを採用することができる。ここで、ロックピン27の二面幅や断面矩形部は、ロックピン27の全長にわたって形成するとよい。
あるいは、図6(a)〜(c)に示すように、ロックピン27の外周面に二面幅または断面矩形部を形成し、ソレノイド28のスリーブ34が嵌め込まれるベースプレート2の取付孔35に、ロックピン27の二面幅の部分または断面矩形部を回転不能に支持する支持部35aを設けるようにしてもよい。
上述の実施形態では、ロックピン27に設けた爪部36を中間ギヤ25の係止穴26の段差面26aと係合させることにより、ロックピン27の後退を規制するようにしたが、別のロックピン後退規制手段として、図7に示すように、係止穴26を周方向の一端側で次第に狭小となる楔形に形成し、中間ギヤ25が制動解除方向(図7中の矢印で示す方向)に回転したときに、ロックピン27が係止穴26の一端側の狭小部に押し込まれて係止されるようにしたものを採用することもできる。
また、実施形態の電動式直動アクチュエータでは、回転軸9の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構として、その回転軸9の外径面と外輪部材4の内径面間に遊星ローラ16を組込み、その遊星ローラ16の外径面に外輪部材4の内径面に設けられた螺旋突条6に噛合する螺旋溝17または円周溝を形成したものを採用したが、運動変換機構はこれに限定されるものではない。
A 電動式直動アクチュエータ
B 電動式ブレーキ装置
1 ハウジング
4 外輪部材(スライド部材)
6 螺旋突条
9 回転軸
10 電動モータ
11 ロータ軸
12 ギヤ減速機構
13 キャリヤ
14 ローラ軸
16 遊星ローラ
17 螺旋溝
22 入力ギヤ
23 出力ギヤ
24 ロック機構
25 中間ギヤ
26 係止穴
26a 段差面
26b テーパ面
27 ロックピン
28 リニアソレノイド(ピン駆動用アクチュエータ)
34 スリーブ
35 取付孔
35a 支持部
36 爪部
38 ブレーキディスク
39 固定ブレーキパッド
40 可動ブレーキパッド

Claims (13)

  1. 電動モータと、その電動モータのロータ軸の回転を減速して出力するギヤ減速機構と、そのギヤ減速機構の出力ギヤの軸心に沿って軸方向に移動可能なスライド部材と、前記出力ギヤの回転運動を直線運動に変換して前記スライド部材に伝達する運動変換機構と、前記電動モータのロータ軸の回転をロックおよびアンロック可能なロック機構とを有し、前記ロック機構が、前記ギヤ減速機構を形成する複数のギヤのうちの一つのギヤの側面周方向に設けられた複数の係止穴と、その係止穴に対して進退可能に設けられ、前進時に前記係止穴に係合してギヤをロックするロックピンと、そのロックピンを進退させるピン駆動用アクチュエータとからなる電動式直動アクチュエータにおいて、前記係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段を設けたことを特徴とする電動式直動アクチュエータ。
  2. 前記係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段が、前記ロックピンの先端部にその外周面から突出する爪部を設け、前記係止穴に前記ロックピンの爪部の後面側と係合する段差面を設けたものである請求項1に記載の電動式直動アクチュエータ。
  3. 前記ロックピンの爪部をロックピンの全周にわたって設けた請求項2に記載の電動式直動アクチュエータ。
  4. 前記ロックピンの爪部をロックピンの周方向の一部に設け、前記ロックピンの回り止め手段を設けた請求項2に記載の電動式直動アクチュエータ。
  5. 前記ロックピンの回り止め手段が、前記ロックピンの外周面に二面幅を形成し、前記ピン駆動用アクチュエータに前記ロックピンの二面幅の部分を回転不能に支持するスリーブを設けたものである請求項4に記載の電動式直動アクチュエータ。
  6. 前記ロックピンの二面幅をロックピンの全長にわたって形成した請求項5に記載の電動式直動アクチュエータ。
  7. 前記ロックピンの回り止め手段が、前記ロックピンの外周面に二面幅を形成し、前記スライド部材および運動変換機構を収容するハウジングに、前記ピン駆動用アクチュエータの先端部が嵌め込まれる取付孔を有するベースプレートを設け、そのベースプレートの取付孔に前記ロックピンの二面幅の部分を回転不能に支持する支持部を設けたものである請求項4に記載の電動式直動アクチュエータ。
  8. 前記ロックピンの回り止め手段が、前記ロックピンに断面矩形部を形成し、前記ピン駆動用アクチュエータに前記ロックピンの断面矩形部を回転不能に支持するスリーブを設けたものである請求項4に記載の電動式直動アクチュエータ。
  9. 前記ロックピンの断面矩形部をロックピンの全長にわたって形成した請求項8に記載の電動式直動アクチュエータ。
  10. 前記ロックピンの回り止め手段が、前記ロックピンに断面矩形部を形成し、前記スライド部材および運動変換機構を収容するハウジングに、前記ピン駆動用アクチュエータの先端部が嵌め込まれる取付孔を有するベースプレートを設け、そのベースプレートの取付孔に前記ロックピンの断面矩形部を回転不能に支持する支持部を設けたものである請求項4に記載の電動式直動アクチュエータ。
  11. 前記係止穴に係合したロックピンの後退を規制する手段が、前記係止穴を周方向の一端側で次第に狭小となる楔形に形成し、この係止穴が設けられたギヤが一定方向に回転したときに、前記ロックピンが前記係止穴の一端側の狭小部に押し込まれて係止されるようにしたものである請求項1に記載の電動式直動アクチュエータ。
  12. 電動式直動アクチュエータによりブレーキパッドを直線駆動し、そのブレーキパッドでブレーキディスクを押圧して、そのブレーキディスクに制動力を付与するようにした電動式ブレーキ装置において、前記電動式直動アクチュエータが請求項1乃至11のいずれかの項に記載の電動式直動アクチュエータからなり、その電動式直動アクチュエータのスライド部材に前記ブレーキパッドを連結したことを特徴とする電動式ブレーキ装置。
  13. 自動車のブレーキシステムに用いられる請求項12に記載の電動式ブレーキ装置。
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