JP2013159588A - アゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子とその触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のバルク白金や粒径が3nm程度の白金ナノ粒子触媒に代わる燃料電池用触媒等として有用な、安定性、耐久性の良好な白金ナノ微粒子を提供する。
【解決手段】(I)で表されるデンドリマーに包含されている白金、もしくは白金と異種金属との複合のナノ微粒子を多孔質炭素材料に担持し、これを触媒として利用する。

(R1,R2は有機基。mはデンドリマーの世代数、nはデンドロン部位の結合数。)
【選択図】なし

Description

本発明は、フェニルアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子と、燃料電池用等として有用な触媒に関するものである。
近年において新たなエネルギー源として期待されている燃料電池の触媒として、白金が使用されている。具体的には、燃料電池の電極表面で、空気極における酸素還元反応、あるいは燃料極における水素、メタノールなどの酸化反応のための触媒として、導電性カーボンに担持した白金微粒子(白金ナノ粒子)が用いられている。
従来、白金ナノ粒子は、単純な濃度制御や担体の添加などの条件下で、還元法により白金錯体などの金属塩から合成している。市販品として入手可能な燃料電池用の白金触媒としては粒径が2〜5nm、白金原子数に換算すると1000原子以上のものがある。
従来の触媒では例えば自動車一台に100gの白金が必要であったが、白金の希少さによる高コストなどの問題を解決するためにも、燃料電池用触媒としての白金の使用量を1/10以下に低減する技術の開発が望まれている。白金触媒の高活性化により白金使用量の低減を図る手段としては、更なる微粒子化などが考えられる。
ところが、白金イオンのバルク還元などによる手法では、生成した白金微粒子の凝集などのため、微小かつ均一な白金微粒子、たとえば粒径2nm未満の白金微粒子の合成は困難であった。
近年本発明者らにより開発され、その検討が続けられているフェニルアゾメチンデンドリマーは、骨格に高い配位性を示すイミン部位を多数有しており、金属錯体の数と位置を正確に制御しながら内部に錯形成させることができる。そのため、デンドリマー金属錯体を還元することで、粒径の分布が極めて小さい精密に制御されたナノクラスターの形成が可能となった。この方法を用いて合成された1nm以下の粒径の白金微粒子は従来の市販白金触媒とくらべて10倍以上の質量活性を示す。このことは白金の質量を1/10以下にしながら同等の活性を得ることができることを示している(たとえば特許文献1〜3参照)。
国際公開WO2004/076531号パンフレット 特開2010−018610号公報 特開2006−240984号公報 特開2006−76965号公報 特開2003−221442号公報
本発明者らによる検討の過程から以上のような知見が得られており、フェニルアゾメチンデンドリマーと金属との錯体を前駆体とすることによって高活性な燃料電池用触媒が作成できることがわかった。ただ、1nmを切る微小な白金粒子は表面の活性が極めて高いため、凝集や電解質水溶液への溶出が従来の触媒よりも起こりやすい。実用化に向けてはその活性を長時間維持することが困難であるという課題が残されていた。このため、その実用化にあたっては、触媒自体の安定性や耐久性を格段に向上させる必要がある。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、従来のバルク白金触媒に代わるナノスケールの燃料電池用触媒等として利用可能な、安定性と耐久性に優れた新規な金属ナノ微粒子とそれを用いた燃料電池用等の触媒を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1:次式(I)
(式中のR1は有機分子基を示し、R2は、1以上の置換基を有していてもよいフェニル基を示す。mはデンドリマーの世代数を表す1以上の整数を示し、nは有機分子基R1に対するデンドロン部位の結合数を示す。)で表わされるデンドリマーに包含されている白金、もしくは白金と白金とは異種の金属との複合のナノ微粒子が多孔質炭素材料に担持されていることを特徴とするフェニルアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子。
第2:前記ナノ微粒子は、次式(II)
(式中のR1は有機分子基を示し、R2は1以上の置換基を有していてもよいフェニル基を示す。Mはそれぞれ独立に白金化合物、もしくは白金化合物と白金とは異種の遷移金属による異種金属化合物を示す。mはデンドリマーの世代数を表す1以上の整数を示し、nは有機分子基R1に対するデンドロン部位の結合数を示す。)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー金属錯体が還元されたものであることを特徴とするアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子。
第3:上記多孔質炭素材料は、メソポーラス構造を有していることを特徴とするアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子。
第4:前記多孔質炭素材料は、グラファイト、グラフェン、フラーレン、グラッシーカーボン、もしくはカーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの分子構造を有していることを特徴とするアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子。
第5:上記いずれのアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子を活性成分として含むことを特徴とする酸化・還元触媒。
第6:上記触媒としての燃料電池用の酸素還元触媒。
本発明によれば、従来の白金ナノ粒子触媒に代わる燃料電池用触媒等として利用可能な、安定性、耐久性に優れた金属ナノ微粒子が提供される。
実施例1において得られた28原子白金微粒子を担持したメソポーラスカーボン(Pt28@GMC)の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 Pt28@GMCを白金質量0.06μgに相当する量で修飾したグラッシーカーボン電極を作用極として測定した酸素飽和状態における回転ディスクボルタモグラムである。各曲線は、繰り返し掃引を行った際の各掃引における電流値である。 グラッシーカーボン電極に担持する白金の重量と、酸素飽和状態において得られる回転ディスクボルタモグラムの限界電流値(ilim)との関係を示すグラフである。各プロットは、本発明の方法で作成したメソポーラスカーボン担持白金微粒子(Pt28@GMC)、および担持を施していない白金微粒子(Pt28)である。 デンドリマーに集積した白金錯体を水素化ホウ素ナトリウムにて還元し、微粒子を形成させてからの溶液(クロロホルム/アセトニトリル溶媒)中での保持時間とそれに対応する酸素還元触媒活性を示す限界電流値(ilim)である。各プロットは、本発明の方法で作成したメソポーラスカーボン担持白金微粒子(Pt28@GMC)、および担持を施していない白金微粒子(Pt28)、そして比較のために用いているメソポーラスシリカ担持白金微粒子(Pt28@MCM)である。 図4と同様の実験で、保持時間を二週間まで拡げた際の結果である。 図2の実験において繰り返しの掃引回数とそれに対応する限界電流値の関係を示したプロットである。
以下、本発明を詳細に説明する。
前記式(I)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマーにおいては、符号R1は、1価または多価の有機分子基であり、置換基を有していてもよい炭化水素基あるいは複素環基などの各種のものが対象とされる。その具体例としては、単環または多環の芳香族基、ポルフィリン基、フタロシアニン基、サイクラム基またはこれらの誘導基などを挙げることができ、下記のものが例示される。
(上記において、Mは2つの水素原子または任意の金属原子を示し、Dはデンドロン結合部位を示す。)
式(I)の符号R2は、置換基を1つ以上有していてもよいフェニル基であり、全てが同一のものであっても互いに異なっていてもよい。置換基を有するフェニル基R2の具体例としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アミノ基、シアノ基またはジメチルアミノ基などの置換基がo位、m位、p位のいずれか1ヶ所または2ヶ所以上に置換した置換フェニル基が挙げられる。
式(I)の符号mはデンドリマーの世代数を表し、1以上の整数であり、たとえば1〜4の範囲の整数である。
式(I)の符号nは有機分子基R1に対するデンドロン部位の結合数を示すものである。なお、有機分子基R1に複数のデンドロンが結合する場合、各デンドロンの世代は同一であっても異なっていてもよい。また、本発明において使用されるフェニルアゾメチンデンドリマーは、部分的に分岐ユニットの欠陥をもつハイパーブランチ型高分子であってもよい。
本発明において使用されるフェニルアゾメチンデンドリマーは、たとえば、デンドリマーの中心から外に向かって合成するDivergent法や、デンドリマー末端から中心に向かって合成するConvergent法、あるいはこれらを組み合わせた方法などのこれまでに知られている公知の方法をはじめとして各種の態様により合成することができる。
本発明のアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子においては、以上のようなアゾメチンデンドリマーの分子構造の特徴であるかご(ケージ)状構造内に白金、もしくは白金と白金以外の遷移金属である異種金属が包含されている。
ここで包含とは、かご(ケージ)状分子構造の内部および表面部の少なくともいずれかに一体として含有されていることを意味している。
また、白金と異種金属との「複合」については両者が共存している状態や両者が融合もしくは合金化している状態の少なくともいずれかであることを意味している。
このような本発明のアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子は、様々な手段により製造されてよいが、より好適には錯体の還元によることができる。
例えば、前記のとおりの式(II)で表わされる錯体を還元する方法である。
式(II)での符号Mは、それぞれ独立に、1価もしくは多価の白金化合物、または白金化合物と白金とは異種の遷移金属による1価もしくは多価の異種金属化合物を示す。
符号R1,R2,m,nは前記と同様である。
ここで、白金化合物は、イミン部位に対して錯形成することができるものであれば特に制限はないが、その具体例としては塩化白金(IV)などの白金塩または白金錯体が挙げられる。
また、異種金属化合物の具体例としては、SnCl2等の錫化合物、VCl3等のバナジウム化合物、FeCl3等の鉄化合物、CuCl2等の銅化合物、GaCl3等のガリウム化合物、CoCl3等のコバルト化合物、RhCl3等のロジウム化合物、RuCl3等のルテニウム化合物、Ti(acac)Cl3等のチタン化合物などの異種金属塩または異種金属錯体が挙げられる。
白金と異種金属とが複合したアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子では、両者の化合物割合が用途、特性等に応じて調整されることになる。
デンドリマーにおける一部のイミン部位に白金化合物が配位し、他のイミン部位に異種金属化合物が配位した本発明のデンドリマー錯体では、たとえば、最初にイミン部位を有するフェニルアゾメチンデンドリマーに他の金属化合物を滴下することで錯形成させ、次いで白金化合物を滴下することで錯形成させることにより好適に得ることができる。
この際、滴下した化合物は、内側から外側へと段階的に規則正しく錯形成により集積されていく。上記のように異種金属化合物を滴下させ次いで白金化合物を滴下させた場合には、最初に滴下した異種金属化合物はデンドリマーの第1世代のイミン部位から外側に世代順に配位し、次いで滴下した白金化合物は、異種金属化合物が配位したイミン部位からさらに外側に世代順に配位する。
白金化合物と異種金属化合物は、滴下量などにより当量を制御することで、意図した数をデンドリマーの内部に集積させることができ、一分子内に白金と異種金属の両方を精密に制御して錯形成させることができる。これは、フェニルアゾメチンデンドリマーが分子構造内に電子密度勾配を有しているためと考えられる。
本発明の金属ナノ微粒子では、上述したデンドリマー錯体を還元することで製造することができる。デンドリマー錯体の還元は、一般に白金塩に対して還元作用を有し、これを0価の状態まで還元することができる試薬を用いて行うことができる。このような試薬の具体例としては、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaBH3CN)、水素(H2)、ヒドラジン類、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素テトラnブチルアンモニウム、水素化ホウ素メチルアンモニウム、水素化トリエチルホウ素リチウム、ボラン錯体類、トリエチルシラン、水素化ビスアルミニウムナトリウム、水素化ホウ素ニッケル、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化ホウ素亜鉛、水素化トリブチルホウ素リチウム、水素化トリブチルホウ素カリウム、Schwartz試薬、Stryker試薬、水素化トリブチルスズ、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、ナトリウムベンゾフェノンケチル、過酸化水素などが挙げられる。
水素化ホウ素ナトリウムを用いた場合、その使用量は、たとえば1.5〜5.5当量の範囲である。
このようにしてデンドリマー錯体を還元することで、下記の概念図に例示するように、配位させた金属錯体の数に相当する大きさのナノ微粒子を、デンドリマーに包含もしくは内包されたものとして調製することができる。
たとえば、ベンゼンをコアとするDPA G4デンドリマーは、内層のイミン部位から2、6、14、30個の白金化合物もしくは異種金属化合物を集積可能であり、テトラフェニルメタン(TPM)をコアとするTPM-DPA G4デンドリマーは、内層のイミン部位から4、12、28、60個の白金化合物もしくは異種金属化合物を集積可能であり、これを化学的に還元することで個数を精密に制御した微粒子の合成が可能である。このように、コアの有機分子基R1およびデンドロン(分岐鎖)の世代を適宜のものとすることで、たとえば構成原子数2〜124個の白金、もしくは白金−異種金属複合のナノ微粒子を合成することができる。
本発明の白金−異種金属複合ナノ微粒子を燃料電池用触媒として使用する場合、白金、もしくは白金−異種金属複合ナノ微粒子の組成は、好ましくはPtのみ、もしくはPty‐xMx(X=2〜59、Y=3〜60、Y>X)である。
本発明においては、以上のとおりのアゾメチンデンドリマーに白金、もしくは白金と異種金属とが包含された微粒子が多孔質炭素材に担持されている。これによって微粒子の長期にわたる安定性、耐久性が実現されることになる。
多孔質炭素材への担持にともなって、金属ナノ微粒子の特徴としての、分子量分布を有しておらず、精密に金属の個数と比率が制御された原子集合体(クラスター)であること、そして粒径は従来の製法では不可能であった1nm以下と大幅に小さくすることもでき、白金量当たりの比表面積を大幅に増大させることができる。しかも、デンドリマーのある程度閉鎖された前記かご(ケージ)状の空間内に白金含有微粒子が包接されることで、ナノ粒子同士の凝集が抑制され、かつ、完全に白金含有微粒子を被覆しているのではないため触媒活性の低下を最小限に抑えることができ、高活性触媒として使用することもできる。
ここで、本発明における多孔質炭素材料については、各種の形態、たとえば粉末、微粒子、バルク、繊維状等の各種であってよい。また、素材としても、たとえば活性炭、グラファイト、燃料電池の電極表面や、これらからの由来のもの等の各種のものが考慮される。デンドリマー包含金属微粒子を担持し、触媒としての利用、特に燃料電池用触媒等を考慮する場合には、表面積として20 m2/g以上が目安として考慮される。もちろん、多孔質炭素材の外形の大きさは、その形状とともに用途目的、白金担持質量、性能に応じて選択されてよい。
多孔質炭素材としての燃料電池用等の触媒への利用については、更にメソポーラス構造をもつものが好適なものとして挙げられる。ここでメソポーラス構造とは、3次元ナノ構造の一種で、均一で規則的なメソスケール(直径2〜50nm)の細孔と1000m2/g前後の表面積を持つものとして知られている。また、その製造法も各種知られており、メソポーラスカーボンとしても市販品が知られている。その中でも細孔径として6 nm以上が、また細孔容量としては0.3 cm3/g以上、表面積として200 m2/g以上を持つ材料が良好な担持性能や触媒活性を得るための目安として考慮される。
このようなメソポーラス構造のものを含めて本発明では、分子構造として、グラファイト、グラフェン、フラーレン、グラッシーカーボン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの構造のものが好ましく例示される。
以上のように、多孔質炭素材料に担持された本発明の金属ナノ微粒子は、燃料電池の酸素還元触媒や、その他メタノール酸化、水素酸化、および炭化水素燃料の酸化の触媒に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
テトラフェニルメタンをコアとする四世代数フェニルアゾメチンデンドリマー(TPM-DPA G4:化2m=4,化3)のクロロホルム:アセトニトリル=1:1溶液(3.3μM)2mlに、塩化白金(IV)アセトニトリル溶液をTPM-DPA G4:PtCl4=1:28の比率となるように加えて十分に錯形成させた。
このようにして得られた((PtCl428@ TPM-DPA G4含有溶液に、還元剤として20mg/Lの水素化ホウ素ナトリウム−メタノール溶液を10ml加えて、攪拌した。
速やかに、メソポーラスカーボン(GMC:Aldrich社製 particle size<500nm,0.342cm3/g total pore volume,64A average pore diameter)を溶液に加え懸濁させた。この際に加えるカーボンは白金の実質量に対して99倍とし、最終的にカーボンに対しての白金担持量が1wt%となるように調製した。この触媒(Pt28@GMC)を懸濁した溶液をグリッド上にキャストし、透過型電子顕微鏡(TEM)によって観察した結果が図1である。
<実施例2>
実施例1において合成したPt28@GMCについて、燃料電池用触媒としての活性をハーフセル(酸素還元)で評価した。撹拌終了後の担持微粒子を分散させた溶液を、直径6mmの炭素電極(グラッシーカーボン)円盤上に5μL滴下し、溶媒を揮発させることによって微粒子修飾電極を作成した。この際、電極に載る白金の実質質量が0.06μgになるように調整してキャストを行った。比較のために、市販されている粒径2−5nmの分布を有するカーボン担持燃料電池触媒、および担持せずに直接グラッシーカーボン電極に触媒を載せた電極も用意した。
この得られた電極の電解酸素還元反応に対する触媒活性を回転ディスクボルタンメトリー法によって解析した。図2は、Pt28@GMC修飾グラッシーカーボン電極を作用極として測定した酸素飽和状態における回転ディスクボルタモグラムである。同一枠中の各曲線は、掃引を繰り返した際の各掃引におけるボルタモグラムを示している。掃引を繰り返すに従って触媒の溶解や脱離に伴って限界電流値が低下してくるが、各曲線の重なりが大きいほど脱離が小さく触媒の耐久性が高いことを示している。比較のために、市販されている粒径2-5nmの分布を有するカーボン担持燃料電池触媒を用いて行った実験結果、および担持せずに直接グラッシーカーボン電極に触媒を載せた場合のボルタモグラムも示している。
図2より、酸素を飽和させた電解質溶液(1mol/L硫酸)に浸した修飾電極にて、0.4V vs. Ag/AgCl付近より不可逆な還元波が観測され、本電極が酸素に対して触媒活性を有していることが確認された。なお試験条件は次のとおりである。
対極:白金
参照極:Ag/AgCl 3M NaCl
作用極:GCE(Φ=6mm)にPt28@GMCを担持
電解質:1N H2SO4(O2飽和)
スキャンレート:50mV/s
<実施例3>
上記において得ることができる白金微粒子について、安定性(保存性)の評価をおこなった(図3)。実施例1の方法に従って合成した微粒子(Pt28@GMC)を、溶液のまま一定時間撹拌し、その後実施例2の方法で電極にキャストし、触媒活性の評価を行った。この場合も比較例として担持を行っていない白金微粒子(Pt28)、メソポーラスシリカに担持した白金微粒子(Pt28@MCM)を調製し評価を行った。
図4より、上記において得られた微粒子は溶液中においても凝集や脱離などの活性低下をもたらす変質を示さず、24時間に渡って触媒活性を維持できることが判明した。一方、無担持の触媒は数時間の撹拌後に急激に活性が低下し、24時間後には殆どの活性を失っていることが確かめられた。メソポーラスシリカに担持した触媒(Pt28@MCM)は時間経過による触媒活性の低下は見られず、保持効果はGMC同様に高いと判断されるが、初期の段階から活性がGMCや無担持のものと比較して半分以下となっている。導電性の低いMCMは電極触媒の担持材料としては適切でないことが示された。
同様に溶媒中における撹拌保持時間を2週間まで拡張して評価を行ったところ、GMC担持の触媒は2週間経過後も全く活性の低下を示さないことが明らかになった(図4)。
<実施例4>
実際の触媒動作条件における触媒の耐久性を確かめるために、回転電極に担持(0.06μg)した触媒の電極電位を+0.65V(vs.Ag/AgCl)と-0.1Vの間で繰り返し掃引し、電流値の変化を調べた。比較のため市販白金触媒をキャストしたもの、担持なしでキャストしたものについても測定を行った(図5)。市販と無担持のものではスキャン(50mV/s)を重ねるに従って電流値が低下してきているが、GMC担持では電流値の低下が比較的小さいことから、優れた耐久性を有していることが確かめられた。
<実施例5>
実施例4までの評価は触媒の活性や耐久性を明確にするため敢えて微少量の白金(0.06μg)を修飾した電極で行い、活性と耐久性を低下させた条件で行った。実際に燃料電池触媒として使用するためにはより大きなスケールで触媒を担持し、大電流を取り出せるようにするため、電極表面に固定できる白金の総量を増やす必要がある。電極表面に固定する白金の質量と触媒活性の相関を調べるため、実施例2と同じ評価条件において電極への触媒積載量のみを変化させ、限界電流値の評価を行った(図6)。比較のために行った無担持の触媒においては担持量を増やしていくに従って活性は頭打ちとなり、0.3μg以上の積載量では触媒活性の向上が観測されなくなった。電極に直接載せる方法では保持安定性や触媒自体の導電性の低さなどから起因して、膜の電気抵抗や触媒の脱離などが触媒量を制限していると考えられる。一方、Pt28@GMCでは1μgの触媒を載せても白金質量あたりの活性は低下せずに、触媒量に比例して電流をとりだすことが出来ることが示された。

Claims (6)

  1. 次式(I)
    (式中のR1は有機分子基を示し、R2は、1以上の置換基を有していてもよいフェニル基を示す。mはデンドリマーの世代数を表す1以上の整数を示し、nは有機分子基R1に対するデンドロン部位の結合数を示す。)で表わされるデンドリマーに包含されている白金、もしくは白金と白金とは異種の金属との複合のナノ微粒子が多孔質炭素材料に担持されていることを特徴とするフェニルアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子。
  2. 前記ナノ微粒子は、次式(II)
    (式中のR1は有機分子基を示し、R2は1以上の置換基を有していてもよいフェニル基を示す。Mはそれぞれ独立に白金化合物、もしくは白金化合物と白金とは異種の遷移金属による異種金属化合物を示す。mはデンドリマーの世代数を表す1以上の整数を示し、nは有機分子基R1に対するデンドロン部位の結合数を示す。)で表されるフェニルアゾメチンデンドリマー金属錯体が還元されたものであることを特徴とする請求項1に記載のアゾメチンンデンドリマー金属ナノ微粒子。
  3. 多孔質炭素材料は、メソポーラス構造を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のアゾメチンデンドリマー金属ナノ微粒子。
  4. 多孔質炭素材料は、グラファイト、グラフェン、フラーレン、グラッシーカーボン、もしくはカーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの分子構造を有していることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のアゾメチルデンドリマー金属ナノ微粒子。
  5. 請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のアゾメチルデンドリマー金属ナノ微粒子を活性成分として含むことを特徴とする酸化・還元触媒。
  6. 請求項5に記載の触媒であって、燃料電池用の酸素還元触媒。
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