JP2013159525A - シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶の製造装置 - Google Patents

シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒータ温度を適切に補正することで、高精度に直径制御しながらシリコン単結晶を成長させることができるシリコン単結晶の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】チョクラルスキー法にて、ヒータにより加熱して、融液から種結晶を引上げることによりシリコン単結晶を製造する際に、直径検出部1で前記引き上げ中のシリコン単結晶の直径を検出し、該検出直径を基に温度補正演算手段3Aで前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記ヒータ温度の補正において、前記検出直径の変動要因が外乱であるかを直径変動判断部5で判断し、外乱であると判断した場合は、前記温度補正演算手段3Aと異なる外乱用温度補正演算手段3Bで前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引き上げるシリコン単結晶の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、チョクラルスキー法にて、直径の変動を制御しながらシリコン単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法及び製造装置に関する。
近年、LSIのMOS型高集積半導体素子の集積度が増大され、ゲート酸化膜が薄膜化されたことから、ゲート酸化膜の絶縁耐圧特性の向上が強く要求されている。ところが、チョクラルスキー法(CZ法)により製造されたシリコン単結晶には微小な欠陥(Grown−in欠陥)が存在することが知られており、このような欠陥は酸化膜耐圧特性をはじめとするデバイス特性に悪影響を及ぼす。
このGrown−in欠陥による問題を解決するため、引上速度0.8mm/min以下の低速で、シリコン単結晶を成長させる方法が特許文献1により提案されている。しかし、低速で成長させたシリコン単結晶から得られたウェーハにも、赤外散乱欠陥、OSFリング、転位クラスタ等のGrown−in欠陥が存在し、ウェーハ面内で無欠陥領域は限られている。また、単結晶を低速で成長することは生産性の低下をもたらすため好ましくない。
そこで、全面にわたってGrown−in欠陥の無いシリコン単結晶ウェーハを製造する方法が、特許文献2において提案されている。この方法は、引上速度をV(mm/min)とし、シリコン融点から1300℃までの温度範囲における引上軸方向の結晶内温度勾配の平均値をG(℃/mm)とするとき、V/G値を所定の範囲内に制御してシリコン単結晶を成長させる製造方法である。
この発明では、V/G値を制御することにより、横断面全面で無欠陥であるシリコン単結晶を製造したり、あるいはOSFリングを狙いとする位置に発生させたり、または消滅させることも可能となる。つまり、温度勾配Gが特定の成長炉で引上速度Vを一定として単結晶が成長できれば、全面無欠陥シリコン単結晶やOSFリングの位置が制御されたシリコン単結晶を製造できることになる。
一方、シリコン単結晶を成長させる際には、成長させる単結晶の直径の変動を抑え、所望直径で一定に制御しつつ成長させることも、ウェーハを製造する際の製造歩留り等の見地から重要となる。この単結晶の直径を制御する方法としては、成長させる単結晶の直径を、引上速度とヒータ供給電力(ヒータ温度、以下単に温度と呼ぶことがある)で制御する直径制御方法がある(特許文献3)。
このような直径制御方法においては、引上速度を変化させた場合は速効性があって直径を直ぐに変化させることができるのに対し、ヒータ温度を変化させた場合はその効果が現れるのが遅い。このように、ヒータ温度の増減の効果で、単結晶の直径が増減するまでに時間がかかる理由は、ヒータ温度の変化により融液の温度が変化し、単結晶直径が変化する程度まで熱が伝導するのに時間を要するためである。
このようなことから、引上速度を全く変化させずに一定にして、目標の直径に成長させようとヒータ温度だけで直径を制御すると、目標直径に成長させることが困難となる。このため供給電力の制御方法としては、検出直径に応じてヒータへの供給電力を変化させるのではなく、主に検出直径に応じて引上速度を変化させることで成長させる単結晶の直径を制御し、この引上速度の変化に応じて供給電力を制御する方法がとられている。
上記したように、検出直径に応じて引上速度を変化させることで成長させる単結晶の直径を制御する場合、引上速度の変化には速効性があって直径をすぐに変化させることができる。しかし、検出直径がわずかに変化しただけでも引上速度がそれに対応して大きく変わってしまうことになるため、引上速度を一定の範囲内に制御することができなくなる。
そこで、特許文献4では、単結晶の直径の変動を抑え、かつV/G値を一定の狭い範囲内に制御する方法が提案されている。
特開平2−267195号公報 特開平8−330316号公報 特公平7−74117号公報 特開平2001−316199号公報
特許文献4では、検出直径に応じた引上速度へのフィードバック量を、±0.01〜0.05mm/minの極めて狭い範囲にまで制限することでV/G値を制御する。そのため、引上速度により単結晶の直径を制御するためには、スパン制限をする前の引上速度制御値と設定引上速度を比較することにより、ヒータ温度補正量を演算してヒータ温度設定を出力することによって、シリコン単結晶の直径を制御する方法が提案されている。
この方法により、引上速度によらず、ヒータへの供給電力制御を主体として、単結晶を目標直径に成長させることが可能となった。
しかし、この方法を用いて引き上げる単結晶製造において、ある確率で、直径変動が大きくなる場合が発生する。それは、単結晶の直径を制御するのに、直径の増減に対して速効性のある引上速度の変化と比較して、直径の増減に対して時間がかかるヒータ温度の変化を相対的に大きくしていることによる。
すなわち、上記方法では、ヒータ温度の変化による直径の増減効果を早めるために、ヒータ温度の制御量を大きく設定する必要がある。ただし、その制御量の設定が大きすぎると、直径変動が少ない場合には、適切な制御を保つことができるが、直径変化が一度大きくなると、制御量が大きくなり過ぎて、ある範囲内で直径が凸凹を繰り返すハンチング状態となったり、直径制御が破綻することがある。また、制御量の設定が小さすぎると、大きな直径変化に対しても適切な制御を保てるが、直径変化が小さい場合は、周期の長い直径の変動を抑えきれないことがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ヒータ温度を適切に補正することで、高精度に直径制御しながらシリコン単結晶を成長させることができるシリコン単結晶の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、チョクラルスキー法にて、ヒータにより加熱して、融液から種結晶を引上げることによりシリコン単結晶を製造する際に、前記引き上げ中のシリコン単結晶の直径を検出し、該検出直径を基に温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記ヒータ温度の補正において、前記検出直径の変動要因が外乱であるかを判断し、外乱であると判断した場合は、前記温度補正演算手段と異なる外乱用温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する。
このように、検出直径の変動要因が外乱であるか判断して、通常の温度補正演算手段と外乱用温度補正演算手段とによりヒータ温度を補正することで、外乱による直径変動に対する過剰なヒータ温度補正を抑制することができ、大小両方の直径変動に対して適切にヒータ温度を補正できるため、精度良く直径制御を行うことができる。従って、引き上げ速度による直径制御幅を小さくでき、容易に所望の結晶品質とすることができる。以上より、結晶性や直径の均一性が優れたシリコン単結晶を歩留まり良く製造することができる。
このとき、前記外乱用温度補正演算手段を、前記検出直径が同じ場合で前記温度補正演算手段で算出される前記ヒータ温度の補正量より小さい補正量を算出するものとすることが好ましい。
このような外乱用温度補正演算手段とすれば、外乱による突発的な直径変動に対して、過剰な補正量を算出せずに適切にヒータ温度を補正できる。
このとき、前記検出直径の変動要因が外乱であるかの判断を、前記検出直径と目標直径との差の絶対値が一定値以上、及び、前記検出直径と検出直前の一定時間の検出直径の平均値との差の絶対値が一定値以上の少なくとも一つに該当する場合に外乱であると判断することが好ましい。
このように判断することで、検出直径の変動要因が外乱であるかを正確かつ容易に判断することができる。
また本発明は、チョクラルスキー法にて、ヒータにより加熱して、融液から種結晶を引上げることによりシリコン単結晶を製造する装置であって、前記引き上げ中のシリコン単結晶の直径を検出する直径検出部と、該直径検出部による検出直径の変動要因が外乱であるかを判断する直径変動判断部と、該直径変動判断部で外乱ではないと判断した場合は、前記検出直径を基に温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正し、前記直径変動判断部で外乱と判断した場合は、前記温度補正演算手段と異なる外乱用温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正するヒータ温度補正部とを備え、前記直径変動判断部で検出直径の変動要因が外乱ではないと判断した場合には、前記温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正し、前記直径変動判断部で検出直径の変動要因が外乱であると判断した場合には、前記外乱用温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引上げるものであることを特徴とするシリコン単結晶の製造装置を提供する。
このような装置であれば、大きな直径変動と小さな直径変動の両方に対して適切なヒータ温度補正による直径制御を行うことができる。従って、引き上げ速度による直径制御幅を小さくでき、容易に所望の結晶品質とすることができる。以上より、結晶性や直径の均一性に優れたシリコン単結晶を製造することができる装置となる。
このとき、前記外乱用温度補正演算手段は、前記検出直径が同じ場合で前記温度補正演算手段で算出される前記ヒータ温度の補正量より小さい補正量を算出するものであることが好ましい。
このような外乱用温度補正演算手段であれば、外乱による突発的な直径変動に対して、過剰な補正量を算出せずに適切にヒータ温度を補正できる装置となる。
このとき、前記直径変動判断部は、前記検出直径と目標直径との差の絶対値が一定値以上、及び、前記検出直径と検出直前の一定時間の検出直径の平均値との差の絶対値が一定値以上の少なくとも一つに該当する場合に外乱であると判断するものであることが好ましい。
このような直径変動判断部であれば、検出直径の変動要因が外乱であるかを正確かつ容易に判断することができる装置となる。
以上のように、本発明によれば、ヒータ温度を効率的に制御してシリコン単結晶の直径変動を抑制することで、結晶性に優れ、直径の均一性にも優れたシリコン単結晶を生産性良く製造することができる。
本発明のシリコン単結晶の製造装置の一例の概略図である。 本発明においてシリコン単結晶を直径制御する際のフロー図である。 従来のシリコン単結晶を直径制御する際のフロー図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1に本発明に係るシリコン単結晶の製造装置の一例の概略図を示す。シリコン単結晶の製造装置10は、上部にネック部12が形成されたメインチャンバ11を有している。このメインチャンバ11のネック部12の上方にはゲートバルブ部13を介してプルチャンバ(図示せず)及び引上機構部(図示せず)が設けられている。
このメインチャンバ11の内部には、黒鉛ルツボ20に嵌合された石英ルツボ15が支持軸14を介して設置されている。石英ルツボ15を囲繞するように原料シリコン多結晶を溶融するヒータ18が設けられており、ヒータ18とメインチャンバ11の内壁との間には断熱材19が設けられている。ヒータ18の周囲、及びシリコン融液16の上方に形成されるホットゾーンの周囲には、引上軸方向の結晶内温度勾配の平均値Gが所望の値となるような炉内構造とするために、場合によってはサブヒータが設けられることもある。
また、シリコン単結晶24を引き上げるための引上手段22が、プルチャンバから上下回転自在なように垂下される。図示の例では引上手段22の先端には、種結晶23が取付けられる。引上手段22としては、シャフトを用いたものや、ワイヤ等の可撓手段を用いたものであっても良い。
メインチャンバ11の肩部に設けられた窓には、シリコン単結晶24の直径を検出するために結晶育成界面17を撮像する直径検出手段21が配置されている。この直径検出手段21としては、例えばCCDカメラを用いることができる。
そして、図2(a)、(b)に示すように、直径検出手段21により撮像された画像から引き上げ中のシリコン単結晶24の直径を検出する直径検出部1と、該直径検出部1による検出直径の変動要因が外乱であるかを判断する直径変動判断部5と、該直径変動判断部5で外乱ではないと判断した場合は、検出直径を基に温度補正演算手段3Aでヒータ温度を補正し、直径変動判断部5で外乱と判断した場合は、温度補正演算手段3Aと異なる外乱用温度補正演算手段3Bでヒータ温度を補正するヒータ温度補正部3とを備えている。
上記のような本発明の単結晶製造装置10を用いて、例えば以下のような本発明の製造方法を実施することができる。
例えば、石英ルツボ15内に収容された原料シリコン多結晶を、ヒータ18で加熱、溶融して融液16とする。そして、種結晶23を融液16に浸漬させ、引上手段22によってシリコン単結晶24を成長させつつ引上げる。この際、引き上げ速度及びヒータ出力を制御しながら、所望直径、所望欠陥領域となるようにシリコン単結晶24を引き上げる。
本発明の装置10では、直径検出手段21により得られた単結晶直径を、引上速度及びヒータ温度にフィードバックすることによりシリコン単結晶24の直径を制御する。
以下、本発明のシリコン単結晶製造における単結晶の直径制御フローを説明する。
まず、直径検出手段21により融液16とシリコン単結晶24との間の結晶育成界面17の付近を撮像して、直径検出部1で成長中のシリコン単結晶24の直径を検出する。この際、直径検出部1において、石英ルツボ15内の結晶育成界面17と直径検出手段21との距離に基づいて補正を加え、直径検出手段21が観察している領域で最も光度の高い輝環部の直径の算出がなされ、成長中の単結晶直径が演算で求められる(融液からシリコン単結晶へと固化する際に凝固熱が発散され、最も光度が高くなるため、最も光度の高い輝環部が成長中の単結晶直径となる)。
そして、直径制御演算手段において、上記直径検出部1で検出された検出直径と設定直径とを比較して直径制御演算を行い、現実に成長されている単結晶の直径と設定直径との差分を抽出する。
直径変動判断部5においては、直径検出部1、直径制御演算手段で求められた単結晶の直径を基にして、現在の直径変動の要因が外乱であるかを判断する。
判断基準は、直径偏差(検出直径と目標直径の差)の絶対値が一定値以上を外乱と判断する。この場合、例えば基準とする上記一定値を1.5mm以上の値に設定することができる。
または、直径変化率(検出直前の一定時間の平均直径値と検出(現在)直径値との差)の絶対値が一定値以上を外乱と判断する。この場合、例えば基準とする上記一定値を0.2mm/min以上の値に設定することができる。
また、直径偏差(検出直径と目標直径の差)と直径変化率(検出直前の一定時間の平均直径値と検出直径値との差)の組合せで外乱を判断しても良い。
外乱による直径変動は、目標直径からの差や変化率が通常時の変動より大きくなるため、上記のように判断することで外乱による直径変動を効率的により精度良く判断することができる。
このとき、直径変動判断部5において直径変動が通常である(外乱による変動ではない)と判断された場合は、図2(a)に示すように、温度補正演算手段(通常時)3Aを用いて補正のための出力を演算し、基本温度パターン演算手段2からの結晶長さによる基本値を加えてヒータ温度設定出力4でヒータ温度の適切な制御を継続する。
一方、直径変動判断部5において直径変動要因が外乱であると判断された場合は、図2(b)に示すように、外乱用温度補正演算手段(外乱時)3Bを用いて補正のための出力を演算し、基本温度パターン演算手段2からの結晶長さによる基本値を加えてヒータ温度設定出力4でヒータ温度の制御を行う。
このように、外乱時と通常時で異なる演算手段を用いることで、ヒーター温度の過剰な補正を抑制して精度の良い直径制御を実施できる。
外乱用温度補正演算手段は、検出直径が同じ場合で温度補正演算手段で算出されるヒータ温度の補正量より小さい補正量を算出することが好ましい。
このように、外乱時には、同じ検出直径(同じ直径変動)で通常時よりも補正量(制御量)を小さく算出することで、ヒータ温度設定出力は小さな変化しかしないため、直径が凸凹を繰り返すハンチング状態や、直径制御の破綻を効果的に防止することができる。
このように補正量を通常時より小さく算出する外乱用温度補正演算手段3Bは、例えば、温度補正演算手段3Aの演算式に対して、所定の割合(0〜1)を乗じて、算出される補正量を小さくしたものか、または、PID制御における各項の値(比例項P、微分項D、積分項I)を、補正量が小さくなるように各々設定しても良い。または、外乱用温度補正演算手段3Bは、まったく補正を行わない(補正量=0)ものとしてもよい。
また、温度補正演算手段3A、外乱用温度補正演算手段3Bにおける設定値は、一組とは限らず、例えば直胴長さ(結晶長さ)に対して複数組設定することもできる。
なお、直径変動判断部5による直径変動要因の判断は、単結晶引き上げ中に常時実施することができ、又は、一定時間間隔で実施することもできる。
以上のような本発明によれば、シリコン単結晶の直径をヒータ温度補正演算で目標範囲内とする方法において、従来の方法、装置に比べて、製造する単結晶の直径制御特性を向上することができ、直径変動が少なく、ほぼ目標直径通りの単結晶が製造できる。従って、直径変動による単結晶のロス(製品規格直径に合わせて表面を円筒状に研削するときに発生するロス)を軽減できたり、直径変動を起因とする品質不良を低減できるなど、製造歩留りを向上することができる。
なお、上記では、本発明によるシリコン単結晶製造の例として、V/Gを制御しつつシリコン単結晶を製造する例を中心に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、通常の引上速度の変動範囲でシリコン単結晶の引上げを行う場合であっても適用することができる。また、本発明で用いるチョクラルスキー法としては、磁場を印加するMCZ法も含まれる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に記載したような本発明の単結晶製造装置により、直径12インチ(300mm)、軸方位が<100>、導電型がP型のシリコン単結晶を、直径36インチ(914mm)の石英ルツボに収容された融液から成長させた。成長させる単結晶の断面のOSFリングが、目標とする位置になるように制御して、検出可能なGrown−in欠陥が、単結晶断面の全面にわたって存在しないようにするために、炉内の熱分布Gに応じて引上速度Vを±0.01mm/minの範囲内に制御し、単結晶が炉内で受ける熱履歴を一定に保った。
単結晶の直径の制御は、図2(a)(b)に示すように、直径変動判断部5により直径の変動要因が外乱であるかの判断を実施することで、ヒータ温度補正部3において温度補正演算手段3Aと外乱用温度補正演算手段3Bを切り替えてヒータ温度補正量を演算して、ヒータ温度を補正しながら行った。
このとき、直径変動判断部5による外乱であるかの判断を、15分間隔で実施した。また、直径偏差(検出直径と目標直径の差)の絶対値が1.5mm以上であれば外乱と判断し、外乱の場合に、外乱用温度補正演算手段3Bでは、まったく補正を行わない(補正量=0)ものとした。製造後の単結晶の直径制御状況を表1に示す。
Figure 2013159525
表1に示すように、実施例1で製造されたシリコン単結晶では、直胴(製品)全長のうち、直径変動大(目標値の±2mmより大きい)の領域は6.7%、直径変動中(目標値の±1mm以上±2mm以下)の領域は40.0%、直径変動小(目標値の±1mm未満)の領域は53.3%となった。また、直胴(製品)全長に渡り、目標の結晶品質が得られた。
(実施例2)
実施例1と同様に、シリコン単結晶を製造し、直径変動判断部5による外乱であるかの判断を15分間隔で実施した。ただし、実施例2では、直径偏差(検出直径と目標直径の差)の絶対値が1.0mm以上、かつ直径変化率(直前一定時間の平均直径値と現在直径値との差)の絶対値が0.3mm/min以上である場合を外乱と判断した。また、外乱の場合には、外乱用温度補正演算手段3Bでは、PID制御における比例項Pを通常時(温度補正演算手段3A)の1/2として(微分項D=0、積分項I=0)、補正を行った。製造後の単結晶の直径制御状況を表1に示す。
表1に示すように、実施例2で製造されたシリコン単結晶は、直胴(製品)全長のうち、直径変動大(目標値の±2mmより大きい)の領域は3.3%、直径変動中(目標値の±1mm以上±2mm以下)の領域は23.3%、直径変動小(目標値の±1mm未満)の領域は73.4%となり、直径変動小の領域がさらに大きく向上した。また、直胴(製品)全長に渡り、目標の結晶品質が得られた。
(比較例)
実施例1と同様に、シリコン単結晶を製造した。ただし、図3に示すように、直径変動判断を行わずに、一つの温度補正演算手段のみでヒータ温度補正を行う従来の方法で直径制御を実施した。製造後の単結晶の直径制御状況を表1に示す。
表1より、比較例で製造されたシリコン単結晶は、直胴(製品)全長のうち、直径変動大(目標値の±2mmより大きい)の領域は16.7%、直径変動中(目標値の±1mm以上±2mm以下)の領域は56.7%、直径変動小(目標値の±1mm未満)の領域は26.6%となった。また、直径変動大の領域において、一部Grown−in欠陥が観察された。
以上より、本発明のように外乱の判断を行い、通常時とは異なる外乱用温度補正演算手段でもヒータ温度補正を行って直径制御を実施することで、シリコン単結晶の直径の均一性を向上させることができ、優れた結晶品質の単結晶を製造できることが分かった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…直径検出部、 2…基本温度パターン演算手段、 3…ヒータ温度補正部、
3A…温度補正演算手段、 3B…外乱用温度補正演算手段、
4…ヒータ温度設定出力、 5…直径変動判断部、
10…シリコン単結晶の製造装置、 11…メインチャンバ、 12…ネック部、
13…ゲートバルブ部、 14…支持軸、 15…石英ルツボ、 16…融液、
17…結晶育成界面、 18…ヒータ、 19…断熱材、 20…黒鉛ルツボ、
21…直径検出手段、 22…引上手段、 23…種結晶、
24…シリコン単結晶。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法にて、ヒータにより加熱して、融液から種結晶を引上げることによりシリコン単結晶を製造する際に、前記引き上げ中のシリコン単結晶の直径を検出し、該検出直径を基に温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引上げるシリコン単結晶の製造方法において、
    前記ヒータ温度の補正において、前記検出直径の変動要因が外乱であるかを判断し、外乱であると判断した場合は、前記温度補正演算手段と異なる外乱用温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. 前記外乱用温度補正演算手段を、前記検出直径が同じ場合で前記温度補正演算手段で算出される前記ヒータ温度の補正量より小さい補正量を算出するものとすることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記検出直径の変動要因が外乱であるかの判断を、前記検出直径と目標直径との差の絶対値が一定値以上、及び、前記検出直径と検出直前の一定時間の検出直径の平均値との差の絶対値が一定値以上の少なくとも一つに該当する場合に外乱であると判断することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. チョクラルスキー法にて、ヒータにより加熱して、融液から種結晶を引上げることによりシリコン単結晶を製造する装置であって、
    前記引き上げ中のシリコン単結晶の直径を検出する直径検出部と、該直径検出部による検出直径の変動要因が外乱であるかを判断する直径変動判断部と、該直径変動判断部で外乱ではないと判断した場合は、前記検出直径を基に温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正し、前記直径変動判断部で外乱と判断した場合は、前記温度補正演算手段と異なる外乱用温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正するヒータ温度補正部とを備え、
    前記直径変動判断部で検出直径の変動要因が外乱ではないと判断した場合には、前記温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正し、前記直径変動判断部で検出直径の変動要因が外乱であると判断した場合には、前記外乱用温度補正演算手段で前記ヒータ温度を補正して、前記シリコン単結晶の直径を制御しながら引上げるものであることを特徴とするシリコン単結晶の製造装置。
  5. 前記外乱用温度補正演算手段は、前記検出直径が同じ場合で前記温度補正演算手段で算出される前記ヒータ温度の補正量より小さい補正量を算出するものであることを特徴とする請求項4に記載のシリコン単結晶の製造装置。
  6. 前記直径変動判断部は、前記検出直径と目標直径との差の絶対値が一定値以上、及び、前記検出直径と検出直前の一定時間の検出直径の平均値との差の絶対値が一定値以上の少なくとも一つに該当する場合に外乱であると判断するものであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のシリコン単結晶の製造装置。
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