JP2013158193A - 車両の冷却制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機と制御ユニットとをバランスよく冷却することができる車両の冷却制御装置を提供すること。
【解決手段】駆動源として機能するモータジェネレータと、モータジェネレータの駆動を制御するPCUと、少なくともPCUを冷却するためのLLCが循環する第1冷却配管系統と、冷却配管系統にLLCを循環させる電動LLCポンプと、LLCを放熱させるLLCラジエータと、トランスアクスル内の潤滑油を循環する潤滑油配管系統と、潤滑油配管系統に潤滑油を循環させる電動オイルポンプと、LLCと潤滑油との間の熱交換により潤滑油を冷却するオイルクーラとを備え、LLCの温度が高くなるにつれて段階的または連続的に高くなるように予め定められた第1閾値TH1よりもモータジェネレータMG2の温度が高くなったことを条件として、モータジェネレータMG2の作動量が増加するように制御する。
【選択図】図3
【解決手段】駆動源として機能するモータジェネレータと、モータジェネレータの駆動を制御するPCUと、少なくともPCUを冷却するためのLLCが循環する第1冷却配管系統と、冷却配管系統にLLCを循環させる電動LLCポンプと、LLCを放熱させるLLCラジエータと、トランスアクスル内の潤滑油を循環する潤滑油配管系統と、潤滑油配管系統に潤滑油を循環させる電動オイルポンプと、LLCと潤滑油との間の熱交換により潤滑油を冷却するオイルクーラとを備え、LLCの温度が高くなるにつれて段階的または連続的に高くなるように予め定められた第1閾値TH1よりもモータジェネレータMG2の温度が高くなったことを条件として、モータジェネレータMG2の作動量が増加するように制御する。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両の冷却制御装置に関する。
従来、少なくとも駆動源として機能する回転電機を有する車両としては、回転電機の駆動を制御する制御ユニットと、少なくとも制御ユニットを冷却するための第1冷却媒体が循環する第1冷却配管系統と、第1冷却配管系統に第1冷却媒体を循環させる第1ポンプと、第1冷却媒体を放熱させる放熱器と、少なくとも回転電機を冷却するための第2冷却媒体が循環する第2冷却配管系統と、第2冷却配管系統に第2冷却媒体を循環させる第2ポンプと、第1冷却媒体と第2冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換器とを備えたものが知られている。
例えば、回転電機を含むトランスアクスルの冷却構造に、トランスアクスル内を循環する潤滑油を循環させることができる電動オイルポンプと、潤滑油の循環経路を流れる潤滑油を冷却可能なウォータジャケットとを設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示された車両の冷却制御装置において、ウォータジャケットには、回転電機の駆動を制御するためのインバータを含む制御ユニットを冷却するための冷却液としてLLC(Long life Coolant)が流れるようになっている。
LLCの循環径路には、LLCを放熱させるLLCクーラおよびLLCを循環させるLLC循環ポンプが設けられている。また、電動オイルポンプは、回転電機の温度が所定の温度より高い場合には、作動量が増加され、回転電機の温度が所定の温度より低い場合には、作動量が減少される。
このように、特許文献1に開示されたものは、回転電機の温度に応じて電動オイルポンプを作動させることにより、潤滑油を適切に冷却し、トランスアクスルに含まれる回転電機やギヤ等を適切に冷却していた。
しかしながら、このような従来の技術においては、回転電機の温度が所定の温度より高くなると、電動オイルポンプの作動量が増加するため、LLCの温度が高くなることにより、制御ユニットの冷却が不十分になってしまうことがあった。
また、従来の技術においては、回転電機の温度が所定の温度より低くなると、電動オイルポンプの作動量が減少するため、LLCの温度が低くなることにより、制御ユニットの冷却が過度になってしまうことがあった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、回転電機と制御ユニットとをバランスよく冷却することができる車両の冷却制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両の冷却制御装置は、上記目的を達成するため、(1)少なくとも駆動源として機能する回転電機と、前記回転電機の駆動を制御する制御ユニットと、少なくとも前記制御ユニットを冷却するための第1冷却媒体が循環する第1冷却配管系統と、前記第1冷却配管系統に前記第1冷却媒体を循環させる第1ポンプと、前記第1冷却媒体を放熱させる放熱器と、少なくとも前記回転電機を冷却するための第2冷却媒体が循環する第2冷却配管系統と、前記第2冷却配管系統に前記第2冷却媒体を循環させる第2ポンプと、前記第1冷却媒体と前記第2冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換器と、を備えた車両の冷却制御装置において、前記回転電機の温度が高くなるにつれて高くなるように予め定められた閾値よりも前記第1冷却媒体の温度が高くなったことを条件として、前記第2ポンプの作動量が増加するように制御する制御手段を備えている。
この構成により、本発明の車両の冷却制御装置は、回転電機の温度および第1冷却媒体の温度に応じて第2ポンプを作動させるため、制御ユニットの冷却が過度になったり、不十分になったりすることを抑制することができ、回転電機と制御ユニットとをバランスよく冷却することができる。
また、上記(1)に記載の車両の冷却制御装置において、(2)前記閾値は、前記車両の速度が高くなるにつれて低くなるように定められてもよい。
この構成により、本発明の車両の冷却制御装置は、車両の速度が高い場合には、放熱器の放熱性能が向上するため、閾値を低く設定することにより、第1冷却媒体と第2冷却媒体との熱交換を促進し、制御ユニットの冷却が過度になることを抑制することができる。
また、本発明の車両の冷却制御装置は、車両の速度が低い場合には、放熱器の放熱性能が低下するため、閾値を高く設定することにより、第1冷却媒体と第2冷却媒体との熱交換を抑制し、制御ユニットの冷却が不十分になることを抑制することができる。
また、上記(1)に記載の車両の冷却制御装置において、(3)前記閾値は、前記回転電機の負荷が高くなるにつれて低くなるように定められてもよい。
この構成により、本発明の車両の冷却制御装置は、回転電機の負荷が高い場合には、第2冷却媒体の温度が高くなるため、閾値を低く設定することにより、第1冷却媒体と第2冷却媒体との熱交換を促進し、回転電機の冷却が不十分になることを抑制することができる。
また、本発明の車両の冷却制御装置は、回転電機の負荷が低い場合には、第2冷却媒体の温度が低くなるため、閾値を高く設定することにより、第1冷却媒体と第2冷却媒体との熱交換を抑制し、回転電機の冷却が過度になることを抑制することができる。
本発明によれば、回転電機と制御ユニットとをバランスよく冷却することができる車両の冷却制御装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、動力分割式のハイブリッド車両に本発明に係る車両の冷却制御装置を適用した場合を例に説明する。
図1に示すように、本実施の形態におけるハイブリッド車両1は、内燃機関を構成するエンジン10と、エンジン10によって発生された動力をドライブシャフト11L、11Rを介して駆動輪12L、12Rに伝達するためのトランスアクスル13と、ハイブリッド車両1の駆動用の電力を制御する電力制御ユニット(以下、「PCU」という)14と、エンジン10を制御するエンジン用電子制御ユニット(以下、「EG−ECU」という)15と、ハイブリッド車両1の各部を制御するハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HV−ECU」という)16とを備えている。
なお、本実施の形態おいて、エンジン10は、ガソリンを燃料とする直列4気筒のエンジンによって構成されているものとするが、本発明においては、直列6気筒エンジン、V型6気筒エンジン、V型12気筒エンジンまたは水平対向6気筒エンジン等の種々の型式のエンジンによって構成されていてもよい。
また、エンジン10に用いられる燃料は、ガソリンに代えて、軽油等の炭化水素系の燃料であってもよく、エタノール等のアルコールとガソリンとを混合したアルコール燃料であってもよい。
トランスアクスル13は、動力伝達装置20と、ギヤ機構21と、デファレンシャルギヤ22とを備えている。動力伝達装置20は、電力と回転力とを相互に変換するモータジェネレータMG1、MG2と、モータジェネレータMG2から伝達された回転を減速して駆動トルクを増幅する減速機25と、エンジン10によって発生された動力を駆動輪12L、12R側に伝達する動力とモータジェネレータMG1を駆動する動力とに分割する動力分割機構26とを備えている。なお、本実施の形態において、モータジェネレータMG2は、本発明における回転電機を構成する。
動力分割機構26は、エンジン10の出力軸としてのクランクシャフト17の端部にダンパ18を介して結合された入力軸30と、入力軸30に軸中心が貫通された中空形状のサンギヤ軸31に結合されたサンギヤ32と、サンギヤ32と回転軸が一致するようにサンギヤ32の同心円上に配置されたリングギヤ33と、サンギヤ32およびリングギヤ33に噛み合うようにサンギヤ32とリングギヤ33との間に配置された複数のピニオンギヤ34と、ピニオンギヤ34を自転自在に保持すると共に入力軸30に対して公転自在に保持するキャリア35とを備えている。
このように、動力分割機構26は、サンギヤ32、リングギヤ33、ピニオンギヤ34およびキャリア35を回転要素として、エンジン10によって発生された動力を分割すると共に、モータジェネレータMG1および駆動輪12L、12R側から伝達された動力を統合する遊星歯車機構を構成している。
したがって、動力分割機構26は、エンジン10からキャリア35に入力された動力を、サンギヤ32側と、リングギヤ33側とにそのギヤ比に応じて分割することにより、分割された一方の動力によってモータジェネレータMG1を発電機として機能させるとともに、分割された他方の動力によって駆動輪12L、12Rを回転させるようになっている。
また、動力分割機構26は、駆動電力が供給されたモータジェネレータMG1が電動機として機能し、エンジン10が駆動しているときには、エンジン10からキャリア35に入力された動力と、モータジェネレータMG1からサンギヤ32に入力された動力とを統合してリングギヤ33から出力するようになっている。
また、動力分割機構26は、駆動電力が供給されたモータジェネレータMG1が電動機として機能し、エンジン10が停止しているときには、モータジェネレータMG1からサンギヤ32に入力された動力をキャリア35に出力することにより、クランクシャフト17を回転させ、エンジン10を始動させるようになっている。このように、モータジェネレータMG1は、動力分割機構26と協働して、スタータとしても機能するようになっている。
モータジェネレータMG1は、回転磁界を形成するステータ40と、ステータ40の内部に配置され、複数の永久磁石が埋め込まれているロータ41と、を備えており、ステータ40は、ステータコアおよびステータコアに巻き掛けられた三相コイルを備えている。
ロータ41は、動力分割機構26のサンギヤ32と一体に回転するサンギヤ軸31に結合されており、ステータ40のステータコアは、例えば、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、本体ケース42の内周部に固定されている。
このように構成されたモータジェネレータMG1において、ステータ40の三相コイルに三相交流電力が供給されると、ステータ40によって回転磁界が形成され、この回転磁界にロータ41に埋め込まれた永久磁石が引かれることにより、ロータ41が回転駆動される。このように、モータジェネレータMG1は、電動機として機能するようになっている。
また、ロータ41に埋め込まれた永久磁石が回転すると、回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ40の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相コイルの両端に電力が発生する。このように、モータジェネレータMG1は、発電機としても機能するようになっている。
モータジェネレータMG2は、回転磁界を形成するステータ45と、ステータ45の内部に配置され複数の永久磁石が埋め込まれたロータ46と、を備えており、ステータ45は、ステータコアおよびステータコアに巻き掛けられた三相コイルを備えている。
ロータ46は、減速機25に結合されたロータシャフト47に結合されており、ステータ45のステータコアは、例えば、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、本体ケース48の内周部に固定されている。
このように構成されたモータジェネレータMG2において、ステータ45の三相コイルに三相交流電力が供給されると、ステータ45によって回転磁界が形成され、この回転磁界にロータ46に埋め込まれた永久磁石が引かれることにより、ロータ46が回転駆動される。このように、モータジェネレータMG2は、電動機として機能するようになっている。
また、ロータ46に埋め込まれた永久磁石が回転すると、回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ45の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相コイルの両端に電力が発生する。このように、モータジェネレータMG2は、発電機としても機能するようになっている。
減速機25は、モータジェネレータMG2のロータ46に結合されたロータシャフト47に結合されたサンギヤ36と、回転軸がサンギヤ36と一致するようにサンギヤ36の同心円上に配置されたリングギヤ37と、サンギヤ36およびリングギヤ37に噛み合うようにサンギヤ36とリングギヤ37との間に配置された複数のピニオンギヤ38と、一端が本体ケース48に固定され、他端がピニオンギヤ38を自転自在に支持する支持軸を有するキャリア39とを備えている。
このように、減速機25は、サンギヤ36、リングギヤ37およびピニオンギヤ38を回転要素として、モータジェネレータMG2から伝達された回転を減速して駆動トルクを増幅する遊星歯車機構を構成している。
したがって、減速機25は、駆動電力が供給されたモータジェネレータMG2が電動機として機能しているときには、モータジェネレータMG2から伝達された回転を減速して駆動トルクを増幅してリングギヤ37から出力するようになっている。
また、減速機25は、リングギヤ37に入力された動力による回転を加速して駆動トルクを減衰させてサンギヤ36から出力することにより、モータジェネレータMG2を発電機として機能させるようになっている。
減速機25のリングギヤ37および動力分割機構26のリングギヤ33には、リングギヤ37とリングギヤ33とが一体回転するようにカウンタドライブギヤ23が設けられている。カウンタドライブギヤ23は、ギヤ機構21に噛み合わされ、ギヤ機構21は、デファレンシャルギヤ22に噛み合わされている。カウンタドライブギヤ23に出力された動力は、カウンタドライブギヤ23からギヤ機構21を介して、デファレンシャルギヤ22に伝達されるようになっている。
デファレンシャルギヤ22は、ドライブシャフト11L、11Rに接続され、ドライブシャフト11L、11Rは、駆動輪12L、12Rにそれぞれ接続されている。すなわち、デファレンシャルギヤ22に伝達された動力は、ドライブシャフト11L、11Rを介して、駆動輪12L、12Rに出力される。
したがって、駆動電力が供給されたモータジェネレータMG2は、駆動源として機能するようになっており、モータジェネレータMG2によって発生された動力は、駆動輪12L、12Rに伝達されるようになっている。また、駆動電力が供給されていないモータジェネレータMG2は、駆動輪12L、12Rの回転を減速しつつ、その回転力を電力に変換する電力回生器として機能するようになっている。
PCU14は、モータジェネレータMG1、MG2に対してそれぞれ設けられたインバータ51、52と、モータジェネレータMG1、MG2を駆動制御するためにインバータ51、52を制御するモータ用電子制御ユニット(以下、「MT−ECU」という)53とを備えている。なお、PCU14は、本発明における制御ユニットを構成する。
インバータ51、52は、MT−ECU53による制御に基づいて、モータジェネレータMG1とモータジェネレータMG2とバッテリ19との間で電力のやりとり、すなわち、バッテリ19を充放電させるようになっている。
インバータ51およびインバータ52とバッテリ19とを接続する電力ライン54は、インバータ51およびインバータ52が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータジェネレータMG1、MG2のいずれか一方で発電された電力を他方のモータジェネレータで消費することができるようになっている。
MT−ECU53は、図示を省略するが、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリと、入出力ポートと、を備えたマイクロプロセッサによって構成されている。
MT−ECU53のROMには、当該マイクロプロセッサをMT−ECU53として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、MT−ECU53のCPUがRAMを作業領域としてROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該マイクロプロセッサは、MT−ECU53として機能する。
MT−ECU53には、モータジェネレータMG1、MG2を駆動制御するために必要な信号、例えば、モータジェネレータMG1、MG2の回転子の回転位置をそれぞれ検出する回転位置検出センサ60、61の検出信号、および、モータジェネレータMG1、MG2に入力される相電流を検出する図示しない電流センサの検出信号等が入力されるようになっている。
MT−ECU53は、インバータ51およびインバータ52にスイッチング制御信号を出力することにより、モータジェネレータMG1、MG2を駆動制御するようになっている。
また、MT−ECU53は、HV−ECU16等の他のECUと高速CAN(Controller Area Network)を介して通信するようになっており、HV−ECU16等の他のECUと各種制御信号やデータのやりとりを行うようになっている。
例えば、MT−ECU53は、HV−ECU16から入力された制御信号に応じてインバータ51、52を制御することにより、モータジェネレータMG1、MG2をそれぞれ駆動制御するようになっている。また、MT−ECU53は、必要に応じてモータジェネレータMG1、MG2の駆動状態に関するデータをHV−ECU16に出力するようになっている。
バッテリ19の蓄電容量や温度等の状態を管理するために、ハイブリッド車両1は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「B−ECU」という)62を備えている。B−ECU62は、図示を省略するが、CPUと、ROMと、RAMと、フラッシュメモリと、入出力ポートと、を備えたマイクロプロセッサによって構成されている。
B−ECU62のROMには、当該マイクロプロセッサをB−ECU62として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、B−ECU62のCPUがRAMを作業領域としてROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該マイクロプロセッサは、B−ECU62として機能する。
B−ECU62には、バッテリ19の状態を管理するために必要な信号、例えば、バッテリ19の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ19の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた電流センサ63によって検出される充放電電流、および、バッテリ19に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度等を表す信号が入力されるようになっている。
また、B−ECU62は、HV−ECU16等の他のECUと高速CANを介して通信するようになっており、HV−ECU16等の他のECUと各種制御信号やデータのやりとりを行うようになっている。
例えば、B−ECU62は、必要に応じてバッテリ19の状態に関するデータをHV−ECU16に出力するようになっている。また、B−ECU62は、電流センサ63によって検出された充放電電流の積算値に基づいて、バッテリ19の残容量を表すSOC(State Of Charge)を算出し、算出したSOCをHV−ECU16に出力するようになっている。
EG−ECU15は、図示を省略するが、CPUと、ROMと、RAMと、フラッシュメモリと、入出力ポートと、を備えたマイクロプロセッサによって構成されている。EG−ECU15のROMには、当該マイクロプロセッサをEG−ECU15として機能させるためのプログラムが記憶されている。すなわち、EG−ECU15のCPUがRAMを作業領域としてROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該マイクロプロセッサは、EG−ECU15として機能する。
EG−ECU15は、HV−ECU16等の他のECUと高速CANを介して通信するようになっており、HV−ECU16等の他のECUと各種制御信号やデータのやりとりを行うようになっている。
例えば、EG−ECU15は、HV−ECU16から入力される制御信号およびエンジン10の運転状態を検出する各種センサから入力される検出信号等に基づいて、燃料噴射制御、点火制御および吸入空気量調節制御等のエンジン10の運転制御を行うとともに、必要に応じてエンジン10の運転状態に関するデータをHV−ECU16に出力するようになっている。
HV−ECU16は、図示を省略するが、CPUと、ROMと、RAMと、フラッシュメモリと、入出力ポートと、を備えたマイクロプロセッサによって構成されている。HV−ECU16のROMには、当該マイクロプロセッサをHV−ECU16として機能させるためのプログラムが記憶されている。
すなわち、HV−ECU16のCPUがRAMを作業領域としてROMに記憶されたプログラムを実行することにより、当該マイクロプロセッサは、HV−ECU16として機能する。なお、本実施の形態において、HV−ECU16は、本発明における制御手段を構成する。
HV−ECU16は、EG−ECU15等の他のECUと高速CANを介して互いに接続されており、EG−ECU15等の他のECUと各種制御信号やデータのやりとりを行うようになっている。
図2に示すように、PCU14には、少なくともPCU14を冷却するための冷却媒体としてのLLCが循環する冷却配管系統80が設けられている。なお、LLCは、本発明における第1冷却媒体に相当し、冷却配管系統80は、本発明における第1冷却配管系統を構成する。
また、トランスアクスル13には、動力伝達装置20、ギヤ機構21およびデファレンシャルギヤ22を構成するギヤの作動を潤滑にするための潤滑油が循環する潤滑油配管系統81が設けられている。なお、図2において、モータジェネレータMG1は、モータジェネレータMG2の背後に位置するため、図示が省略されている。
ここで、潤滑油は、モータジェネレータMG2を冷却するための冷却媒体としても使用され、本発明における第2冷却媒体に相当する。また、潤滑油配管系統81は、本発明における第2冷却配管系統を構成する。
冷却配管系統80には、LLCを貯蔵するリザーバタンク(図中、「R/T」と略す)82と、LLCを循環させる電動LLCポンプ(図中、「E.LLC/P」と略す)83と、LLCを放熱させるLLCラジエータ(図中、「LLC−RAD」と略す)84と、潤滑油配管系統81内の潤滑油とLLCとの間で熱交換を行わせることにより、潤滑油を冷却するためのオイルクーラ(図中、「O/C」と略す)85と、LLCの温度を検知する温度センサ86とが設けられている。
なお、電動LLCポンプ83は、本発明における第1ポンプを構成し、LLCラジエータ84は、本発明における放熱器を構成し、オイルクーラ85は、本発明における熱交換器を構成する。LLCラジエータ84は、例えば、エンジンラジエータ(図中「EG−RAD」と略す)90と並んで設けられ、外気とLLCとを熱交換させるようになっている。
潤滑油配管系統81には、オイルクーラ85に加えて、電動オイルポンプ(「図中、「E.O/P」と略す」)87が設けられている。なお、電動オイルポンプ87は、本発明における第2ポンプを構成する。また、モータジェネレータMG2には、モータジェネレータMG2の温度を検知する温度センサ88が設けられている。
HV−ECU16の入力側には、温度センサ86、温度センサ88および車速センサ89等の各種センサが接続されている。HV−ECU16の出力側には、電動LLCポンプ83および電動オイルポンプ87等の各種制御対象デバイスが接続されている。
HV−ECU16は、温度センサ86によって検知されたLLCの温度に基づいて、電動LLCポンプ83の作動量、すなわち、LLCの循環速度を変化させるようになっている。
具体的には、HV−ECU16は、温度センサ86によって検知されたLLCの温度が高くなるにつれて、電動LLCポンプ83の作動量を段階的または連続的に増加させるようになっている。これにより、LLCの温度が高くなるにつれて、単位時間当たりにLLCラジエータ84を流れるLLCの量が増加するため、LLCの温度の低下率が高くなる。
また、HV−ECU16は、温度センサ86によって検知されたLLCの温度と、温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度とに基づいて、電動オイルポンプ87の作動量を調整するようになっている。
具体的には、HV−ECU16は、図3に示すように、温度センサ86によって検知されたLLCの温度が高くなるにつれて段階的または連続的に高くなるように予め定められた第1閾値TH1よりも温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が高くなったことを条件として、電動オイルポンプ87の作動量が増加するように制御するようになっている。
また、HV−ECU16は、温度センサ86によって検知されたLLCの温度が高くなるにつれて段階的または連続的に高くなるように予め定められた第2閾値TH2よりも温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が低くなったことを条件として、電動オイルポンプ87の作動量が減少するように制御するようになっている。
これにより、LLCの温度が高い場合には、LLCと潤滑油との熱交換が抑制され、PCU14の冷却が不十分になることが抑制されることにより、PCU14が保護される。また、LLCの温度が低い場合には、LLCと潤滑油との熱交換が促進され、PCU14の冷却が過度になることが抑制され、モータジェネレータMG2の冷却が不十分となることが抑制されることにより、モータジェネレータMG2が保護される。
なお、本実施の形態において、第1閾値TH1を表すマップと第2閾値TH2を表すマップとは、例えば、HV−ECU16を構成するROMに予め格納されている。第1閾値TH1と第2閾値TH2とは、同一の値でもよいが、温度センサ86、88によって検知された温度が閾値付近にあるときに、電動オイルポンプ87の作動量の切り替えが頻繁に発生しないように、第2閾値TH2を第1閾値TH1より低めに定めておくことが好ましい。
次に、HV−ECU16の車両冷却動作について、図4に示すフローチャートを参照して、説明する。なお、図4に示すフローチャートは、予め定められた時間間隔で実行されるようになっている。
まず、HV−ECU16は、電動オイルポンプ87の作動量を減少させている作動量減少状態にある場合には(ステップS1)、第1閾値TH1を表すマップを参照し、温度センサ86によって検知されたLLCの温度に応じた第1閾値TH1を取得する(ステップS2)。
次いで、ステップS2で取得された第1閾値TH1より温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が高いか否かを判断する(ステップS3)。ここで、ステップS1で取得された第1閾値TH1より温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が高くないと判断した場合には、HV−ECU16は、車両冷却動作を終了する。
一方、ステップS2で取得された第1閾値TH1より温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が高いと判断した場合には、HV−ECU16は、作動量増加状態をとり、電動オイルポンプ87の作動量を増加させる(ステップS4)。
ステップS1において、HV−ECU16は、電動オイルポンプ87の作動量を増加させている作動量増加状態にある場合には、第2閾値TH2を表すマップを参照し、温度センサ86によって検知されたLLCの温度に応じた第2閾値TH2を取得する(ステップS5)。
次いで、ステップS5で取得された第2閾値TH2より温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が低いか否かを判断する(ステップS6)。ここで、ステップS5で取得された第2閾値TH2より温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が低くないと判断した場合には、HV−ECU16は、車両冷却動作を終了する。
一方、ステップS5で取得された第2閾値TH2より温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が低いと判断した場合には、HV−ECU16は、作動量減少状態をとり、電動オイルポンプ87の作動量を減少させる(ステップS7)。
以上のように、本発明の実施の形態に係る車両の冷却制御装置は、モータジェネレータMG2の温度およびLLCの温度に応じて電動オイルポンプ87を作動させるため、PCU14の冷却が過度になったり、不十分になったりすることを抑制することができ、モータジェネレータMG2とPCU14とをバランスよく冷却することができる。
なお、図3において、第1閾値TH1を表すマップは、LLCの温度に応じて連続的に増加する直線で示されているが、第1閾値TH1を表すマップは、LLCの温度に応じて段階的または連続的に増加していればよい。同様に、第2閾値TH2を表すマップも、LLCの温度に応じて段階的または連続的に増加していればよい。
また、本実施の形態において、第1閾値TH1を表すマップと第2閾値TH2を表すマップは、温度センサ86によって検知されたLLCの温度が高くなるにつれて高くなるように予め定められているものとして説明した。
本発明において、第1閾値TH1を表すマップは、図5に示すように、第1閾値TH1が、車速が高くなるにつれて低くなるように段階的または連続的に定められてもよい。例えば、車速に応じた複数のマップを予め用意しておき、HV−ECU16が、車速センサ89によって検知された車速に応じたマップから得られる第1閾値TH1に基づいて、電動オイルポンプ87の作動量を制御するようにしてもよい。
また、HV−ECU16が、車速センサ89によって検知された車速に応じて、マップから得られる第1閾値TH1を変更し、変更した第1閾値TH1に基づいて電動オイルポンプ87の作動量を制御するようにしてもよい。
また、本発明において、第2閾値TH2を表すマップは、第1閾値TH1を表すマップと同様に、第2閾値TH2が、車両の速度が高くなるにつれて低くなるように定められてもよい。
このように構成することにより、本発明の車両の冷却制御装置は、車両の速度が高い場合には、LLCラジエータ84の放熱性能が向上するため、閾値を低く設定することにより、LLCと潤滑油との熱交換を促進し、PCU14の冷却が過度になることを抑制することができる。
また、本発明の車両の冷却制御装置は、車両の速度が低い場合には、LLCラジエータ84の放熱性能が低下するため、閾値を高く設定することにより、LLCと潤滑油との熱交換を抑制し、PCU14の冷却が不十分になることを抑制することができる。
また、本発明において、第1閾値TH1を表すマップは、図6に示すように、第1閾値TH1が、モータジェネレータMG2の負荷が高くなるにつれて段階的または連続的に低くなるように定められてもよい。
例えば、モータジェネレータMG2の負荷に応じた複数のマップを予め用意しておき、HV−ECU16が、MT−ECU53から得られるモータジェネレータMG2の負荷に応じたマップから得られる第1閾値TH1に基づいて、電動オイルポンプ87の作動量を制御するようにしてもよい。
また、HV−ECU16が、MT−ECU53から得られるモータジェネレータMG2の負荷に応じてマップから得られる第1閾値TH1を変更し、変更した第1閾値TH1に基づいて電動オイルポンプ87の作動量を制御するようにしてもよい。
また、本発明において、第2閾値TH2を表すマップは、第1閾値TH1を表すマップと同様に、第2閾値TH2が、モータジェネレータMG2の負荷が高くなるにつれて低くなるように定められてもよい。
このように構成することにより、本発明の車両の冷却制御装置は、モータジェネレータMG2の負荷が高い場合には、潤滑油の温度が高くなるため、閾値を低く設定することにより、LLCと潤滑油との熱交換を促進し、モータジェネレータMG2の冷却が不十分になることを抑制することができる。
また、本発明の車両の冷却制御装置は、モータジェネレータMG2の負荷が低い場合には、潤滑油の温度が低くなるため、閾値を高く設定することにより、LLCと潤滑油との熱交換を抑制し、モータジェネレータMG2の冷却が過度になることを抑制することができる。
また、本実施の形態において、HV−ECU16が、温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が第1閾値TH1よりも高くなったことを条件として、電動オイルポンプ87の作動量を増加させ、温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が第2閾値TH2よりも低くなったことを条件として、電動オイルポンプ87の作動量を減少させるものとして説明した。
本発明において、HV−ECU16は、温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が第1閾値TH1よりも高くなったことを条件として、電動オイルポンプ87を作動させ、温度センサ88によって検知されたモータジェネレータMG2の温度が第2閾値TH2よりも低くなったことを条件として、電動オイルポンプ87の作動量を0にする、すなわち、電動オイルポンプ87を停止させるようにしてもよい。
また、本実施の形態において、本発明における回転電機をモータジェネレータMG2によって構成した例について説明したが、本発明における回転電機は、モータジェネレータMG1によって構成するようにしてもよい。この場合には、温度センサ88は、モータジェネレータMG1に設けられる。
また、本実施の形態において、本発明における制御手段をHV−ECU16によって構成した例について説明したが、本発明における制御手段は、PCU14に含まれるMT−ECU53等の他のECUによって構成してもよい。
また、本実施の形態において、動力分割式のハイブリッド車両に本発明に係る車両の冷却制御装置を適用した場合を例に説明したが、本発明に係る車両の冷却制御装置は、シリーズ方式およびパラレル方式等の他の方式のハイブリッド車両、外部から供給された電力によりバッテリを充電することができるプラグイン・ハイブリッド車両、および、モータのみを駆動源とする電気自動車にも適用することができる。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る車両の冷却制御装置は、回転電機と制御ユニットとをバランスよく冷却することができるという効果を奏するものであり、少なくとも駆動源として機能する回転電機を有する車両の冷却制御装置に有用である。
MG2 モータジェネレータ(回転電機)
14 PCU(制御ユニット)
16 HV−ECU(制御手段)
80 冷却配管系統(第1冷却配管系統)
81 潤滑油配管系統(第2冷却配管系統)
83 電動LLCポンプ(第1ポンプ)
84 LLCラジエータ(放熱器)
85 オイルクーラ(熱交換器)
87 電動オイルポンプ(第2ポンプ)
14 PCU(制御ユニット)
16 HV−ECU(制御手段)
80 冷却配管系統(第1冷却配管系統)
81 潤滑油配管系統(第2冷却配管系統)
83 電動LLCポンプ(第1ポンプ)
84 LLCラジエータ(放熱器)
85 オイルクーラ(熱交換器)
87 電動オイルポンプ(第2ポンプ)
Claims (3)
- 少なくとも駆動源として機能する回転電機と、
前記回転電機の駆動を制御する制御ユニットと、
少なくとも前記制御ユニットを冷却するための第1冷却媒体が循環する第1冷却配管系統と、
前記第1冷却配管系統に前記第1冷却媒体を循環させる第1ポンプと、
前記第1冷却媒体を放熱させる放熱器と、
少なくとも前記回転電機を冷却するための第2冷却媒体が循環する第2冷却配管系統と、
前記第2冷却配管系統に前記第2冷却媒体を循環させる第2ポンプと、
前記第1冷却媒体と前記第2冷却媒体との間で熱交換を行わせる熱交換器と、を備えた車両の冷却制御装置において、
前記第1冷却媒体の温度が高くなるにつれて高くなるように予め定められた閾値よりも前記回転電機の温度が高くなったことを条件として、前記第2ポンプの作動量が増加するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする車両の冷却制御装置。 - 前記閾値は、前記車両の速度が高くなるにつれて低くなるように定められることを特徴とする請求項1に記載の車両の冷却制御装置。
- 前記閾値は、前記回転電機の負荷が高くなるにつれて低くなるように定められることを特徴とする請求項1に記載の車両の冷却制御装置。
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Publication Number | Publication Date |
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- 2012-01-31 JP JP2012018462A patent/JP2013158193A/ja active Pending
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