JP2013156166A - 超音波探傷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SH波を発振する探触子を溶接箇所近傍に配置し、該探触子を動かすことなく、溶接箇所に生じた欠陥(裏波、余盛を含む)位置を確実に検出することができる超音波探傷方法を提供する。
【解決手段】溶接部B1をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度/焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記角度/焦点深さと異なる角度/焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記異なる角度/焦点深さの超音波検出結果を照合することにより、欠陥Fの位置を判別する工程と、を有することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラント、船舶、車両などの容器、配管などの非破壊検査に用いられる超音波探傷方法に関する。
従来、溶接金属部近傍の探傷には、横波斜角(以下SV波と称す)、縦波斜角を用いた非破壊検査が行われていた。しかしながら、このような探傷方式では、溶接金属部で溶接部の結晶粒,境界による音波の曲がり等が発生することにより、(1)結晶粒から発生するノイズの影響、(2)溶接境界による音波の曲がりによる欠陥位置の特定の困難、(3)形状(裏波等)の影響、(4)縦波探傷時における欠陥に起因するモード変換波、2次クリーピング波の発生、といった要因により、欠陥箇所を正確に検出・識別することが難しいという問題があった。
例えば、図11に示すように、横波斜角(SV波)による探傷方式にて探触子1となるプローブの走査を行った場合、音波(符号Wで示す)は、溶接(板体Bの溶接部を符号B1で示す)の成長方向に曲がりやすく、裏波などの形状や溶接による擬似信号の影響を受けやすい。
また、図12に示すように、縦波斜角による探傷方式にて探触子(プローブ)2により走査を行った場合には、発生した音波が、他からの疑似信号(この信号で示される欠陥位置を符号F´で示す)と重畳して、識別することが困難となっていた。
このような問題を解決すべく、特許文献1〜3に示されるような、ShearHorizontal波(水平波、以下SH波と称す)を用いた探傷装置が利用されている。
例えば、特許文献1に示される超音波探傷装置では、横波のSH波を発生させる複数の振動子を弾性体によって互いに接続して形成したセンサーを用いることで密着性、接触媒質膜の均一性を改善し、かつ歪ゲージによって隣接振動子相対位置関係情報を読み取り、超音波ビームの入射角度と隣接振動子相対位置関係情報を用いて振動子の駆動タイミングを計算し、センサーの変形による振動子駆動タイミングの誤差を防止するようにしている。
特開2001−305115号公報 特開2009−42173号公報 特開2000−146922号公報
ところで、SH波による超音波探傷方式は、音波の直進性に優れるため、音響異方性による曲がりの影響が小さく、欠陥コーナーでの反射効率が高いなどの優れた特性を有するものの、粘性の高い接触媒質を用いる必要があるために、センサーを前後に走査させながら測定することができないなど、解決すべき問題があった。
また、引用文献1に示されるような密着性、接触媒質膜の均一性を改善した超音波探傷センサーであっても、図13に示されるように探触子3とカプラント4(接触媒質)との密着性の悪さから、依然として走査性の改善がなされず、適正な探傷ができないという問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、SH波を発振する探触子を溶接箇所近傍に配置し、該探触子を動かすことなく、溶接箇所に生じた欠陥及び裏波、余盛位置を確実かつ広範囲に検出することができる超音波探傷方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の超音波探傷方法では、溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度で超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記角度と異なる角度で超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記異なる角度での超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の超音波探傷方法では、溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記焦点深さと異なる焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記異なる焦点深さでの超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の超音波探傷方法では、溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度及び焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記角度及び焦点深さと異なる角度及び焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、前記異なる角度及び焦点深さでの超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別する工程と、を有することを特徴とする。
そして、上記の超音波探傷方法では、溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度/焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出するとともに、これら角度/焦点深さと異なる角度/焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出した後、異なる角度/焦点深さでの超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別するようにした。これによって、従来のように、SH波を発振する探触子を動かすことなく、溶接箇所に生じた欠陥及び裏波、余盛位置を確実に検出することができ、その後のメンテナンスを効率的に行うことができる。
また、本発明の超音波探傷方法では、前記超音波を発振する探触子は、SH波を発する複数の振動子を並べてなるフェーズドアレイ超音波探傷プローブであることを特徴とする。
また、本発明の超音波探傷方法では、前記超音波を発振する探触子は、一定の間隔をおいて列状に超音波を発振するリニアスキャンを行うことを特徴とする。
また、本発明の超音波探傷方法では、前記超音波を発振する探触子は、一定の間隔をおいて扇状に超音波を発振するセクタースキャンを行うことを特徴とする。
そして、上記の超音波探傷方法では、超音波を発振する探触子は、複数の振動子を並べてなるフェーズドアレイ超音波探傷プローブであり、該探触子にて、一定の間隔をおいて列状に超音波を発振するリニアスキャンを行う、又は一定の間隔をおいて扇状に超音波を発振するセクタースキャンを行うことで、溶接部の一定の広い範囲にわたり欠陥を検出することができる。
また、本発明の超音波探傷方法では、前記欠陥位置を判別する工程では、前記スキャンにより得たスキャンデータを、前記溶接部の形状画像と重ね合わせることにより解析を行うことを特徴とする。
また、本発明の超音波探傷方法では、 前記解析の結果に基づき前記欠陥の位置とともに該欠陥の範囲を特定することを特徴とする。
そして、上記の超音波探傷方法では、欠陥位置を判別する工程にて、複数のスキャンにより得たスキャンデータを、溶接部の形状画像と重ね合わせることにより解析を行うことで、該溶接部の欠陥位置とともに該欠陥の長さ及び範囲を特定することができ、その後のメンテナンスを効率的に行うことができる。
本発明に係る超音波探傷方法によれば、溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度/焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出するとともに、これら角度/焦点深さと異なる角度/焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出した後、異なる角度/焦点深さでの超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別するようにした。これによって、従来のように、SH波を発振する探触子を動かすことなく、溶接箇所に生じた欠陥及び裏波、余盛位置を確実に検出することができ、その後のメンテナンスを効率的に行うことができる。
第1実施形態に係る超音波探傷方法(裏波形状と欠陥の識別)についてのフローチャートである。 図1のフローチャートに係るリニアスキャン探傷に係る説明図である。 第1実施形態に係る超音波探傷方法(表面形状と欠陥の識別)についてのフローチャートである。 図3のフローチャートに係るリニアスキャン探傷に係る説明図である。 第2実施形態に係る超音波探傷方法に係り、溶接部の裏面に焦点深さを設定した場合の例を示す図であって、(A)はセクタ毎のスキャン状態を示す図、(B)はセクタ全体のスキャン状態を示す図である。 第2実施形態に係る超音波探傷方法に係り、溶接部の表面に焦点深さを設定した場合の例を示す図であって、(A)はセクタ毎のスキャン状態を示す図、(B)はセクタ全体のスキャン状態を示す図である。 第3実施形態に係る超音波探傷方法についてのフローチャートである。 図7のフローチャートに係るリニアスキャン探傷に係る説明図である。 第4実施形態に係る超音波探傷方法についてのフローチャートである。 図9のフローチャートに係るリニアスキャン探傷に係る説明図である。 従来に係る超音波探傷方法(1)を示す説明図である。 従来に係る超音波探傷方法(2)を示す説明図である。 従来に係る超音波探傷方法(3)を示す説明図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜4について説明する。
図1は「裏波形状と欠陥の識別」に係るフローチャートであり、図2は図1のフローチャートに係るリニアスキャン探傷に係る説明図である。また、図3は「表面形状と欠陥の識別」に係るフローチャートであり、図4は図3のフローチャートに係るリニアスキャン探傷に係る説明図である。
第1実施形態では、超音波を発振する複数の探触子を並べてなるフェーズドアレイ超音波探傷装置を用いて、被検査対象となる板体Bの溶接部B1及び溶接部Bをまたぐ領域の断面に対して所定の角度でリニアスキャンによる探傷を行う。
このとき、フェーズドアレイ超音波探傷装置では、前段階として、横波探傷(SV)及び縦波探傷を用いて、溶接部B1の欠陥検査を行う。その後、横波探傷(SV)又は縦波探傷にて異常信号が検出された位置について、横波SH波の特性(音響異方性による曲がりの影響が小さく、欠陥コーナーでの反射効率が高い)を生かしたSH波フェーズドアレイを用い、探触子を動かすことなく電子スキャン(リニアスキャン、セクタースキャン) 行うことで、より精密な探傷を実施する。
また、第1実施形態のSH波による探傷は、複数の屈折角(例えば、α=45°と60°)にて電子スキャンなった後、スキャン結果である電子スキャンデータと、溶接部の開先形状とを画面上で合成することで、欠陥位置を示す反射源を特定する。なお、SH波は直進性に優れており擬似信号が少ないものの、45°の屈折角は、裏波・余盛の形状の影響を受けやすく擬似信号として検出され易い。また、60°の屈折角は、裏波・余盛の形状の影響を受け難い。これら各角度の特性を利用することで、裏波・余盛位置と欠陥位置との相対的な位置関係を確認することができる。
以下、図1の「裏波形状と欠陥の識別」に係るフローチャートのステップ(SP)について、図2を参照しつつ説明する。
〔ステップ1〜2〕
検査対象となる溶接部B1に対して横波探傷(SV)及び縦波探傷を行ない、それらの検出信号を受信する。
〔ステップ3〕
ステップ1での探傷結果に基づき、欠陥の存在が疑われる溶接部B1の下部領域及び裏面について、フェーズドアレイ超音波探傷装置の探触子10(図2参照)から出力された45°と60°との各SH‐PA波によりリニアスキャンを行ない、これら探傷により反射した反射波(符号WAで示す)を該探触子10にて受信する。なお、ここでのリニアスキャンは、溶接部B1の裏面に焦点深さが一致するように事前調整を行なっておく。
〔ステップ4〕
ステップ3のSH波によりリニアスキャンを行った超音波信号が、欠陥又は裏波に反射して反射波WAとなって戻って来たか否かを判定し、反射波がないNOの場合に「健全」(ステップ4A)と判断し、反射波があるYESの場合に次のステップ5に進む。
〔ステップ5〕
図2に示すように、ステップ3で行った45°又は60°でのSH‐PA波によるリニアスキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、欠陥又は裏波の位置を特定する。
具体的には、図2の上段左側は、45°のSH波によりリニアスキャンを行った場合に、裏面に凸状の裏波(符号Mで示す)があり、かつ溶接部B1に欠陥(符号Fで示す)があることの検出例を示している。また、図2の上段右側は、60°のSH波によりリニアスキャンを行った場合に、裏面にある凸状の裏波は検出されず、溶接部B1に欠陥(符号Fで示す)があることの検出例を示している。
また、このステップ5にて、45°のSH波の反射波が検出されたか、60°のSH波の反射波が検出されたかを判定し、45°のSH波の反射波のみが検出された場合にステップ6〜7に進み、また、45°及び60°両方のSH波の反射波が共に検出された場合にステップ8〜9に進む。
〔ステップ6〜7〕
図2の上段左側に示すように、45°でのSH波によるリニアスキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、溶接部B1の裏面に凸状の裏波M、及び溶接部B1に欠陥Fがあることを検出できる。
〔ステップ8〜9〕
図2の下段に示すように、45°及び60°でのSH波によるリニアスキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、溶接部B1の裏面に凸状の裏波M、及び溶接部B1に欠陥Fがあることを明確に特定できる。
そして、このような図1及び図2で示す工程を順次経ることで、欠陥の存在が疑われる溶接部B1の下部領域及び表面について、欠陥F及び裏波Mをそれぞれ検出することが可能となる。
以下、図3の「表面形状と欠陥の識別」に係るフローチャートのステップについて、図4を参照しつつ説明する。
図3及び図4の識別処理は、図1及び図2と処理内容の大部分を共通とするものであり、異なる点(ステップ3´)について以下に説明する。
図1及び図2では、SH波が板体Bの溶接部B1の裏面に焦点深さが一致するように超音波の出力を調整し、これにより溶接部B1の欠陥(主に、下部領域)又は裏波の位置を特定するようにしている。これに対して、図3及び図4では、SH波が板体Bの溶接部B1の裏面に反射して該溶接部B1の表面に焦点深さが一致するように、超音波の出力を調整し、これにより溶接部B1の欠陥(主に、上部領域)又は表面の余盛(符号Nで示す)の位置を特定するようにしている。
〔ステップ3´〕
ステップ1での探傷結果に基づき、欠陥の存在が疑われる溶接部B1の上部領域及び表面について、フェーズドアレイ超音波探傷装置の探触子10(図4参照)から出力された45°と60°との各SH‐PA波によりリニアスキャンを行ない、これら探傷による反射信号を該探触子10にて受信する。なお、ここでのリニアスキャンは、溶接部B1の表面に焦点深さが一致するように調整を行なっておく。その後、ステップ4にて、ステップ3´のSH波によりリニアスキャンを行った超音波信号が、溶接部B1の上部領域又は表面に反射して反射波となって戻って来たか否かを判定し、反射波がないNOの場合に「健全」と判断し、反射波があるYESの場合に次のステップ5に進む。
そして、このような図3及び図4で示す工程を順次経ることで、欠陥の存在が疑われる溶接部B1の上部領域及び表面について、欠陥F及び余盛Nをそれぞれ検出することが可能となる。
以上詳細に説明したように第1実施形態に示される超音波探傷方法では、板体Bの溶接部B1をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度(本例では、45°)でリニアスキャンを行うための超音波を発振して、反射波を検出する。また、当該角度と異なる角度(本例では60°)でリニアスキャンを行うための超音波を発振して、反射波を検出した後、これら異なる角度での超音波検出結果(45°と60°での超音波の反射波)を照合することにより、欠陥F(裏波N,余盛Mを含む)を判別するようにした。これによって、従来のように、SH波を発振する探触子を動かすことなく、溶接部B1に生じた欠陥F(裏波N,余盛Mを含む)の位置を確実に検出することができる。
なお、上記実施形態では、フェーズドアレイ超音波探傷装置の探触子10からの超音波発振角度を45°と60°したが、これに限定されるものではない。また、2種類の超音波発振角度ではなく、3種類以上の角度で超音波を発振し、それぞれの反射波を、板体Bの溶接部B1の形状と照合するようにしても良い。
また、図2及び図4のステップ6及び7は処理の高速化のために適宜省略して、ステップ8及び9でのみ全ての欠陥F、裏波N,余盛Mを判定しても良い。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について図5及び図6を参照して説明する。
図5及び図6に示される第2実施形態では、超音波を発振する複数の探触子を並べてなるフェーズドアレイ超音波探傷装置を用いて、被検査対象となる板体Bの溶接部B1及び溶接部Bをまたぐ領域に対し、所定の角度で扇状のセクタースキャンによる探傷を行う。
なお、第2実施形態では、フェーズドアレイ超音波探傷装置の振動子から出力される超音波の形態が異なるだけで、第1実施形態のフローチャートと基本的に同じ処理を行う。
第2実施形態のセクタースキャンは、図5では各振動子からのSH‐PA波の出力角度を全て45°とし、かつ一定の間隔をおいて超音波を出力するようにする。そして、このようなセクタースキャンにより、図5(A)及び(B)に示されるように、図1及び図2で示すリニアスキャンより、大きなスキャン領域を確保することができる。
また、図5でのセクタースキャンは、溶接部B1の裏面に焦点深さが一致するように調整し、これによって溶接部B1の欠陥F(主に、下部領域)の位置を特定するようにしている。なお、ここでの溶接部B1の欠陥Fの位置の特定は、図2のフローチャートのステップ5で述べた処理と同様、出力角度45°でのSH‐PA波によるセクタースキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、欠陥F(主に、下部領域)の位置を特定する。
一方、図6に示される扇状のセクタースキャンでは、図5とは異なる角度となるように、各振動子からのSH‐PA波の出力角度を全て60°とし、かつ一定の間隔をおいて超音波を出力するようにする。そして、このようなセクタースキャンにより、図6(A)及び(B)に示されるように、図1及び図2で示すリニアスキャンより大きなスキャン領域を同様に確保することができる。
一方、図6に示されるセクタースキャンは、溶接部B1の表面に焦点深さが一致するように調整し、これによって溶接部B1の欠陥F(主に、上部領域)の位置を特定するようにしている。
なお、ここでの溶接部B1の欠陥Fの位置特定は、図2のフローチャートのステップ5で述べた処理と同様、出力角度60°でのSH‐PA波によるセクタースキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、欠陥F(主に、下部領域)の位置を特定する。
そしてさらに、これら45°及び60°でのSH波によるセクタースキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせれば、溶接部B1の上下方向の全範囲において欠陥Fがあるか否かの判定を行うことができる。
以上詳細に説明したように第3実施形態に示される超音波探傷方法では、板体Bの溶接部B1をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度(本例では、45°)でセクタースキャンを行うための超音波を発振して、反射波を検出する。また、当該角度と異なる角度(本例では60°)で同じくセクタースキャンを行うための超音波を発振して、反射波を検出した後、これら異なる角度での超音波検出結果(45°と60°での超音波の反射波)を照合することにより、溶接部B1の欠陥Fを判別するようにした。これによって、従来のように、SH波を発振する探触子を動かすことなく、溶接部B1に生じた欠陥Fを広い範囲で確実に検出することができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について図7及び図8を参照して説明する。
図7は「溶接部B1の裏面側における欠陥の識別」に係るフローチャートであり、図8は図7のフローチャートに係るスキャン探傷に係る説明図である。
図7及び図8に示される第3実施形態では、超音波を発振する複数の探触子を並べてなるフェーズドアレイ超音波探傷装置を用いて、被検査対象となる板体Bの溶接部B1及び溶接部Bをまたぐ領域の断面に対して複数の焦点深さでリニアスキャンによる探傷を行う。
図7のフローチャートについて以下、ステップ(SP)毎に説明する。
〔ステップ10〕
検査対象となる溶接部B1に対して横波探傷(SV)及び縦波探傷を行ない、それらの検出信号を受信する。
〔ステップ11〕
ステップ10での探傷結果に基づき、欠陥の存在が疑われる溶接部B1の下部領域及び裏面について、フェーズドアレイ超音波探傷装置の探触子10(図8(A)参照)から出力された焦点深さを段階的に変えた複数のSH‐PA波によりリニアスキャンを行ない、これら探傷による反射波WAを該探触子10にて受信する。なお、ここでのリニアスキャンは、複数の探触子10から出力される超音波信号の焦点深さを、1スキャン毎に順次変更することで、溶接部B1の欠陥Fの範囲を検出可能とする。また、ここでのリニアスキャンは、図7では、探触子10から溶接部B1に対する屈折角度を45°で設定しているが、これを段階的に変更することも可能である。
〔ステップ12〕
ステップ11の複数のSH波によりリニアスキャンを行った超音波信号が、欠陥又は裏波に反射して反射波となって戻って来たか否かを判定し、反射波がある場合に、各焦点深さの反射波に基づき、図8(B)に示すように欠陥Fの位置を特定する。
〔ステップ13〕
図8(C)に示すように、ステップ12で得たスキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、溶接部B1上での欠陥Fの位置を特定する。
以上詳細に説明したように第3実施形態に示される超音波探傷方法では、板体Bの溶接部B1をまたぐ所定の領域の断面に対して様々な焦点深さを有する超音波を発振して、リニアスキャンを実施し、そのスキャン結果を、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、溶接部B1上での欠陥Fの位置を特定するようにした。これによって、従来のように、SH波を発振する探触子を動かすことなく、溶接部B1に生じた欠陥Fの位置を確実に検出することができるとともに、焦点深さ可変のデータと開先形状を合わせて欠陥Fの端部位置(符号F1で示す)及びその範囲を評価することができ、欠陥高さのサイジング精度向上が可能となる。
また、上記リニアスキャンにおいて、探触子10から溶接部B1に対する屈折角度を段階的に変更することで、より高い精度で溶接部B1に生じた欠陥Fを検出することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
図9は「溶接部B1の裏面側における欠陥の識別」に係るフローチャートであり、図10は図9のフローチャートに係るスキャン探傷に係る説明図である。
図9及び図10に示される第3実施形態では、超音波を発振する探触子として、複数の振動子を並べてなるフェーズドアレイ超音波探傷装置を用いて、被検査対象となる板体Bの溶接部B1及び溶接部Bをまたぐ領域に対し、所定の角度で扇状のセクタースキャンによる探傷を行う。
図9のフローチャートについて以下、ステップ(SP)毎に説明する。
〔ステップ20〕
検査対象となる溶接部B1に対して横波探傷(SV)及び縦波探傷を行ない、それらの検出信号を受信する。
〔ステップ21〕
ステップ20での探傷結果に基づき、欠陥の存在が疑われる溶接部B1の下部領域及び裏面について、フェーズドアレイ超音波探傷装置の探触子10(図10(A)参照)から出力された焦点深さを段階的に変えた複数のSH‐PA波により扇状のセクタースキャンを行ない、これら探傷による反射波WAを該探触子10にて受信する。そして、このようなセクタースキャンにより、図10(B)に示されるように、第3実施形態のリニアスキャンより大きなスキャン領域を確保することができる。
なお、ここでのセクタースキャンは、複数の探触子10から出力される超音波信号の焦点深さを、1スキャン毎に順次変更することで、溶接部B1の欠陥Fを広範囲に検出可能とする。また、ここでのセクタースキャンは、図9では、探触子10から溶接部B1に対する屈折角度を45°で設定しているが、これを段階的に変更することも可能である。
〔ステップ22〕
ステップ21の複数のSH波によりセクタースキャンを行った超音波信号が、欠陥又は裏波に反射して反射波となって戻って来たか否かを判定し、反射波がある場合に、各焦点深さの反射波に基づき、図10(B)に示すように欠陥Fの位置を特定する。
〔ステップ23〕
図10(C)に示すように、ステップ22で得たスキャンデータと、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、溶接部B1上での欠陥Fの位置を特定する。
以上詳細に説明したように第3実施形態に示される超音波探傷方法では、板体Bの溶接部B1をまたぐ所定の領域の断面に対して様々な焦点深さを有する超音波を発振して、扇状のセクタースキャンを実施し、そのスキャン結果を、溶接部B1を示す形状データとを重ね合わせることで、溶接部B1上での欠陥Fの位置を特定するようにした。これによって、従来のように、SH波を発振する探触子を動かすことなく、溶接部B1に生じた欠陥Fの位置を確実に検出することができるとともに、焦点深さ可変のデータと開先形状を合わせて欠陥Fの端部位置(符号F1で示す)及びその範囲を評価することができ、欠陥高さのサイジング精度向上が可能となる。
また、上記扇状のセクタースキャンにおいて、探触子10から溶接部B1に対する屈折角度を段階的に変更することで、より高い精度で溶接部B1に生じた欠陥Fを検出することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明は、プラント、船舶、車両などの容器、配管などの非破壊検査に用いられる
超音波探傷方法に関する。
10 探触子
B1 溶接部
F 欠陥
M 裏波(欠陥)
N 余盛(欠陥)

Claims (8)

  1. 溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度で超音波を発振し、反射波を検出する工程と、
    前記角度と異なる角度で超音波を発振し、反射波を検出する工程と、
    前記異なる角度での超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別する工程と、を有することを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、
    前記焦点深さと異なる焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、
    前記異なる焦点深さでの超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別する工程と、を有することを特徴とする超音波探傷方法。
  3. 溶接部をまたぐ所定の領域の断面に対して所定の角度及び焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、
    前記角度及び焦点深さと異なる角度及び焦点深さで超音波を発振し、反射波を検出する工程と、
    前記異なる角度及び焦点深さでの超音波検出結果を照合することにより、欠陥位置を判別する工程と、を有することを特徴とする超音波探傷方法。
  4. 前記超音波を発振する探触子は、SH波を発する複数の振動子を並べてなるフェーズドアレイ超音波探傷プローブであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波探傷方法。
  5. 前記超音波を発振する探触子は、一定の間隔をおいて列状に超音波を発振するリニアスキャンを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波探傷方法。
  6. 前記超音波を発振する探触子は、一定の間隔をおいて扇状に超音波を発振するセクタースキャンを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波探傷方法。
  7. 前記欠陥位置を判別する工程では、前記スキャンにより得たスキャンデータを、前記溶接部の形状画像と重ね合わせることにより解析を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の超音波探傷方法。
  8. 前記解析の結果に基づき前記欠陥の位置とともに該欠陥の範囲を特定することを特徴とする請求項7に記載の超音波探傷方法。
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