JP2013155419A - 表面処理用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 希土類系永久磁石などの被処理物の表面に金属蒸着被膜を形成する際などに被処理物を収容して使用する表面処理用治具であって、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりすることを効果的に防ぐことができるとともに、被処理物の出し入れが容易な表面処理用治具を提供すること。
【解決手段】 線状部材を隙間を存して巻回してなるスプリング状の筒状体に被処理物を収容して表面処理を行うための表面処理用治具であって、筒状体の一方の端部は、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体が配されることで封止されており、他方の端部は開口していて、そこから被処理物を収容した後、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体を蓋体として嵌合することで封止されるようにしてなることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、希土類系永久磁石などの被処理物の表面に金属蒸着被膜を形成する際などに被処理物を収容して使用する表面処理用治具に関する。
R−Fe−B系永久磁石に代表される希土類系永久磁石は、高い磁気特性を有していることから、今日様々な分野で使用されていることは周知の通りである。しかしながら、希土類系永久磁石は反応性の高い希土類元素:Rを含むため、大気中で酸化腐食されやすく、何の表面処理をも行わずに使用した場合には、わずかな酸やアルカリや水分などの存在によって表面から腐食が進行して錆が発生し、それに伴って、磁気特性の劣化やばらつきを招く。さらに、錆が発生した磁石を磁気回路などの装置に組み込んだ場合、錆が飛散して周辺部品を汚染する恐れがある。従って、希土類系永久磁石に優れた耐食性を付与することを目的として、その表面に例えばアルミニウム被膜などの金属被膜を蒸着法などの気相めっき法によって成膜することが行われている。
希土類系永久磁石などの被処理物の表面への金属蒸着被膜の形成は、真空処理室内に、蒸着材料の蒸発部と、その表面に蒸着材料が蒸着される被処理物を収容するための多孔性周面を有する筒型バレルを備え、筒型バレルを横設して水平方向の回転軸線を中心に回転させながら被処理物の表面に蒸着材料を蒸着させる蒸着被膜形成装置を用いて行われるのが一般的である(例えば特許文献1)。この場合、筒型バレルに多数の被処理物を収容して処理を行うと、筒型バレルの内部で被処理物同士が衝突しあうことで、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりする。従って、こうした問題を解消するための表面処理用ホルダーとして、線状部材を隙間を存して巻回し、両端面に渦巻線状面を備えるスプリング状の筒状体に形成したものが特許文献2において提案されている。この表面処理用ホルダーに被処理物を1個ずつ収容し、被処理物を収容したホルダーを筒型バレルに収容して処理を行えば、ホルダーの線状部材と線状部材の隙間から蒸発した金属蒸着材料が被処理物の表面に到達することで金属蒸着被膜が形成されるが、筒型バレルの内部でホルダー同士が衝突しあってもホルダーのバネ性によって内部の被処理物には大きな衝撃が加わらないため、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりすることを効果的に防ぐことができる。しかしながら、この表面処理用ホルダーへの被処理物の出し入れは、ホルダーのバネ性を利用してホルダーの長手方向を湾曲させ、線状部材と線状部材の隙間を広げてそこから行う必要があるので、作業が面倒である。
特許第3801418号公報 特開2000−169964号公報
そこで本発明は、希土類系永久磁石などの被処理物の表面に金属蒸着被膜を形成する際などに被処理物を収容して使用する表面処理用治具であって、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりすることを効果的に防ぐことができるとともに、被処理物の出し入れが容易な表面処理用治具を提供することを目的とする。
上記の点に鑑みてなされた本発明の表面処理用治具は、請求項1記載の通り、線状部材を隙間を存して巻回してなるスプリング状の筒状体に被処理物を収容して表面処理を行うための表面処理用治具であって、筒状体の一方の端部は、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体が配されることで封止されており、他方の端部は開口していて、そこから被処理物を収容した後、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体を蓋体として嵌合することで封止されるようにしてなることを特徴とする。
また、請求項2記載の治具は、請求項1記載の治具において、上端部が開口している筒状体の下端部を固定した下フレームと、蓋体としてのスプリング体の上端部を固定した上フレームを、それぞれに固定した支柱同士を接合することで対設してなり、下フレームに対する上フレームの上下移動を可能とし、上フレームを下移動させることで上フレームが開口している筒状体の上端部を押圧した状態で蓋体としてのスプリング体が嵌合するようにしてなることを特徴とする。
また、請求項3記載の治具は、請求項2記載の治具において、下フレームと上フレームに筒状体と蓋体としてのスプリング体をそれぞれ複数個固定してなることを特徴とする。
また、本発明の被処理物の表面処理方法は、請求項4記載の通り、請求項1乃至3のいずれかに記載の表面処理用治具に被処理物を収容して行うことを特徴とする。
また、請求項5記載の表面処理方法は、請求項4記載の表面処理方法において、表面処理が蒸着被膜形成であることを特徴とする。
また、本発明の蒸着被膜形成装置は、請求項6記載の通り、水平方向の回転軸線を中心に回転自在とした支持部材の回転軸線の周方向の外方に、請求項1乃至3のいずれかに記載の表面処理用治具が公転自在に支持された蒸着ユニットを真空処理室内に備えることを特徴とする。
本発明の表面処理用治具を用いれば、筒状体の両端部にクッション部材として機能するスプリング体が位置しているので、スプリング状の筒状体のバネ性と相俟って、筒状体に収容した被処理物の表面に金属蒸着被膜を形成する際、被処理物に加わる衝撃を緩和することができる。従って、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりすることを効果的に防ぐことができる。また、筒状体の開口している端部から被処理物の出し入れができるので作業が容易である。
本発明の表面処理用治具の一実施態様の斜視図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1の表面処理用治具の筒状体への被処理物の収容方法の概略図である。 本発明の表面処理用治具のその他の実施態様の正面図である。 同、部分拡大平面図である。 図4の表面処理用治具を用いた蒸着ユニットの一実施態様の模式的正面図である。 図6の蒸着ユニットの左側面概略図(固定ギアと小型ギアとベアリングの関係のみを図示したもの)である。 図6の蒸着ユニットを備えた蒸着被膜形成装置の一実施態様の真空処理室の内部の左側面概略図である。 本発明の表面処理用治具のまた別の実施態様の部分拡大平面図である。 線状部材に絡み防止用のスプリングを巻回したスプリング状の筒状体の正面図である。
本発明の表面処理用治具は、線状部材を隙間を存して巻回してなるスプリング状の筒状体に被処理物を収容して表面処理を行うための表面処理用治具であって、筒状体の一方の端部は、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体が配されることで封止されており、他方の端部は開口していて、そこから被処理物を収容した後、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体を蓋体として嵌合することで封止されるようにしてなることを特徴とするものである。
以下、図面を用いて本発明の表面処理用治具(被処理物の表面に金属蒸着被膜を形成するために用いる場合)を説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
図1は、本発明の表面処理用治具の一実施態様の斜視図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。この表面処理用治具1は、線径が2mmのステンレス鋼(SUS304)からなる線状部材を隙間を存して巻回してなる2個のスプリング状の筒状体2を主要構成要素とする。線状部材は約9mmのピッチ間隔で左巻きに巻回されているが、両端部は隙間を存せずに密に3巻ほど巻回されている。筒状体2の上端部は開口しているのに対し、下端部は渦巻線状面を端面に有している。筒状体2の下端部の内部には、筒状体2の下端部を封止するための、両端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体3が配されている。筒状体2の下端面とスプリング体3の下端面は、ともに1本のネジで枠状下フレーム5に固定されている。枠状下フレーム5に対設された枠状上フレーム6には、開口している筒状体2の上端部に蓋体として嵌合することで筒状体2の上端部を封止する、両端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体4の上端面が1本のネジで固定されている。筒状体2の下端面およびスプリング体3とスプリング体4の両端面の渦巻線状面は隙間を存して形成されており、端面方向からの蒸発した金属蒸着材料の被処理物の表面への到達を阻害しないようにしている。スプリング体3とスプリング体4は、それぞれ筒状体2の内部における下方クッション部材と上方クッション部材として機能し、筒状体2に収容された被処理物に加わる衝撃を緩和する。枠状下フレーム5には2本の支柱7が対向して固定されているとともに、枠状上フレーム6には2本の支柱8が対向して固定されており、支柱7と支柱8が接合されることで表面処理用治具1を構成している。支柱7と支柱8の接合は、支柱8に設けられた上下方向の長穴9と、支柱7に設けられた長穴9内に突出するストッパ突起10によって行われており、支柱7に対して支柱8を上下移動させることによる枠状下フレーム5に対する枠状上フレーム6の上下移動を可能にしているとともに、ストッパ突起10を支点にして支柱8を横倒させることによる枠状下フレーム5に対する枠状上フレーム6の横倒を可能にしている。
図3は、上記の表面処理用治具1の筒状体2への被処理物の収容方法の概略図である。まず、枠状上フレーム6に固定されている支柱8を支柱7に対して上移動させることで枠状上フレーム6を枠状下フレーム5に対して上移動させた後、ストッパ突起10を支点にして支柱8を横倒させることによって枠状上フレーム6を枠状下フレーム5に対して横倒させ、開口している筒状体2の上端部から被処理物をそれぞれ1個ずつ収容する(a)。次に、枠状上フレーム6を起立させた後(b)、下移動させると、枠状上フレーム6に固定された蓋体としてのスプリング体4が開口している筒状体2の上端部に嵌合する。枠状上フレーム6をさらに下移動させると、枠状上フレーム6が開口している筒状体2の上端部を押圧するが、その状態で支柱8に取り付けたピン11と支柱7に取り付けたフック12を掛止すると、筒状体2の復元力によってピン11とフック12の掛止が確実なものとなって開口している筒状体2の上端部が蓋体としてのスプリング体4によってしっかり封止される(c)(b、cにおいては被処理物は省略)。こうして被処理物を収容してセットが完了した状態の筒状体2は、テンションがかかって圧縮されているので、歪みや撓みによる形態崩れが少ないという利点がある。筒状体2に被処理物を収容した表面処理用治具1を蒸着被膜形成装置の筒型バレルに収容して処理を行えば、筒状体2の線状部材と線状部材の隙間から蒸発した金属蒸着材料が被処理物の表面に到達することで金属蒸着被膜が形成されるが、筒状体2の両端部にクッション部材として機能するスプリング体3とスプリング体4が位置しているので、スプリング状の筒状体2のバネ性と相俟って、被処理物に加わる衝撃を緩和することができる。従って、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりすることを効果的に防ぐことができる。筒状体2から被処理物を取り出す際は、上記の操作を逆の順番で行えばよい。被処理物は筒状体2の開口している端部から出し入れできるので、作業が容易である。
なお、上記の表面処理用治具1は、筒状体2をスプリング体3とともに1本のネジで枠状下フレーム5に固定するため、筒状体2の下端部が渦巻線状面を端面に有するものとしているが、筒状体2は下端部が開口しているものであってもよい。この場合、筒状体2の枠状下フレーム5への固定は、スプリング体3とは別個に例えば止め具を用いて行えばよい。
図4は、本発明の表面処理用治具のその他の実施態様の正面図である。図5は、その部分拡大平面図である。この表面処理用治具21は、線状部材を隙間を存して巻回してなる6個のスプリング状の筒状体22を主要構成要素とする。筒状体22の上端部は開口しているのに対し、下端部は渦巻線状面を端面に有している。筒状体22の下端部の内部には、筒状体22の下端部を封止するための、両端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体23が配されている。筒状体22の下端面とスプリング体23の下端面は、ともに1本のネジで棒状下フレーム25に1列に固定されている。棒状下フレーム25に対設された棒状上フレーム26には、開口している筒状体22の上端部に蓋体として嵌合することで筒状体22の上端部を封止する、両端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体24の上端面が1本のネジで固定されている。棒状下フレーム25には2本の支柱27が対向して固定されているとともに、棒状上フレーム26には2本の支柱28が対向して固定されており、支柱27と支柱28が接合されることで表面処理用治具21を構成している。支柱27と支柱28の接合様式と、筒状体22への被処理物の収容方法は、表面処理用治具1におけるものと同様である(図4は被処理物を筒状体22に収容してセットが完了した状態を示すが被処理物は省略する)。
特許第4560971号公報には、真空処理室内に、蒸着材料の蒸発部と、その表面に蒸着材料が蒸着される被処理物を収容するための多孔性周面を有する筒型バレルを備えた蒸着被膜形成装置であって、水平方向の回転軸線を中心に回転自在とした支持部材の回転軸線の周方向の外方に、支持軸を有する筒型バレルが支持軸によって公転自在に支持された蒸着ユニットを備えており、支持部材を回転させることによって、支持部材の回転軸線を中心に公転運動する筒型バレルと蒸発部との間の距離が可変自在となる蒸着被膜形成装置が記載されているが、上記の表面処理用治具21は、この蒸着被膜形成装置における筒型バレルのかわりに用いることができる。図6は、表面処理用治具21を用いた蒸着ユニットの一実施態様の模式的正面図である(表面処理用治具21は被処理物を筒状体22に収容してセットが完了した状態を示すが被処理物は省略する)。この蒸着ユニット30は、水平方向の回転軸線を中心に回転自在とした支持部材31の回転軸線の周方向の外方に、6個の表面処理用治具21が支持軸29(図4、5参照)によって公転自在に支持されたものである(治具は2連で支持されるので合計12個の治具が支持されるが図6では治具が各連1個ずつ支持されている)。この蒸着ユニット30は、動力がスプロケット32からドライブリング33に伝えられ、支持部材31が回転軸線を中心に回転することで、表面処理用治具21が支持部材31の回転軸線を中心に公転運動するように構成されている。また、ベース部材34に固定された固定ギア35と噛合する小型ギア36とベアリング37によって、表面処理用治具21は支持部材31の回転軸線を中心に公転運動すると同時に自転運動するように構成されている(図7参照:図6の蒸着ユニット30の左側面概略図であって固定ギア35と小型ギア36とベアリング37の関係のみを図示)。
図8は、上記の蒸着ユニット30を備えた蒸着被膜形成装置の一実施態様の真空処理室の内部の左側面概略図である(蒸着ユニット30は図7に対応)。この蒸着被膜形成装置38は、図略の真空排気系に連なる真空処理室39を有している。その室内上方には、蒸着ユニット30が2個併設されている。また、室内下方には、蒸着材料を蒸発させる蒸発部であるボート40が、支持テーブル41上に立設されたボート支持台42上に複数個配置されている。支持テーブル41の下方内部には、蒸着材料のワイヤー43が繰り出しリール44に巻回保持されている。蒸着材料のワイヤー43の先端はボート40の内面に向かって臨ませた耐熱性の保護チューブ45によってボート40の上方に案内されている。保護チューブ45の一部には切り欠き窓46が設けられており、この切り欠き窓46に対応して設けられた繰り出しギア47が蒸着材料のワイヤー43に直接接触し、蒸着材料のワイヤー43を繰り出すことによってボート40内に蒸着材料が絶えず供給されるように構成されている。表面処理用治具21が支持部材31の回転軸線を中心に公転運動すると同時に自転運動することで、表面処理用治具21の筒状体22に収容された被処理物の表面には金属蒸着被膜が優れた蒸着効率でしかも高い均一性をもって形成される(表面処理用治具21が自転運動することは筒状体22に収容された被処理物の動きが規制されることでボート40と被処理物の相対的な位置関係が固定されてしまう場合に均一な金属蒸着被膜を形成するためにとりわけ有効である)。また、表面処理用治具21においては、6個の筒状体22のそれぞれが互いに離間して固定されているので、筒状体同士が衝突しあうことがないことから、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりすることをより効果的に防ぐことができる。
図9は、本発明の表面処理用治具のまた別の実施態様の部分拡大平面図である。この表面処理用治具51は、線状部材を隙間を存して巻回してなる複数個のスプリング状の筒状体52を主要構成要素とする。筒状体52の上端部は開口しているのに対し、下端部は渦巻線状面を端面に有している。筒状体52の下端部の内部には、筒状体52の下端部を封止するための、両端面が渦巻線状面に形成された図略のスプリング体が配されている。筒状体52の下端面と図略のスプリング体の下端面は、ともに1本のネジで図略の枠状下フレームに2列に固定されている。図略の枠状下フレームに対設された枠状上フレーム56には、開口している筒状体52の上端部に蓋体として嵌合することで筒状体52の上端部を封止する、両端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体54の上端面が1本のネジで固定されている。図略の枠状下フレームには筒状体52の外周近傍に3本の棒状部材57を直立させるための台座58が取り付けられており、筒状体52の外周近傍に棒状部材57を直立させることで、開口している筒状体52の上端部から被処理物を出し入れする際、起立した状態の筒状体52が歪んだり撓んだりすることで形態崩れを起こして隣接する筒状体52に絡んでしまうといったことを阻止している。表面処理用治具51のその他の構成と、筒状体52への被処理物の収容方法は、表面処理用治具1におけるものと同様である。なお、図10に示したように、スプリング状の筒状体52を構成する線状部材に絡み防止用のスプリング59を巻回することで、筒状体52を構成する線状部材と線状部材の隙間に筒状体52に収容された被処理物が絡まってしまうことを防ぐようにしてもよい。
以上の説明は、本発明の表面処理用治具を、被処理物の表面に金属蒸着被膜を形成するために用いる場合のものであるが、本発明の表面処理用治具の用途はこれに限定されるものではない。
本発明は、希土類系永久磁石などの被処理物の表面に金属蒸着被膜を形成する際などに被処理物を収容して使用する表面処理用治具であって、被処理物の表面に蒸着形成された金属被膜が傷ついたり、被処理物自体の割れや欠けが生じたりすることを効果的に防ぐことができるとともに、被処理物の出し入れが容易な表面処理用治具を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
1、21、51 表面処理用治具
2、22、52 筒状体
3、23 スプリング体
4、24、54 スプリング体(蓋体)
5 枠状下フレーム
6、56 枠状上フレーム
7、27 支柱
8、28 支柱
9 長穴
10 ストッパ突起
11 ピン
12 フック
25 棒状下フレーム
26 棒状上フレーム
29 支持軸
30 蒸着ユニット
31 支持部材
32 スプロケット
33 ドライブリング
34 ベース部材
35 固定ギア
36 小型ギア
37 ベアリング
38 蒸着被膜形成装置
39 真空処理室
40 ボート
41 支持テーブル
42 ボート支持台
43 蒸着材料のワイヤー
44 繰り出しリール
45 保護チューブ
46 切り欠き窓
47 繰り出しギア
57 棒状部材
58 台座
59 絡み防止用スプリング

Claims (6)

  1. 線状部材を隙間を存して巻回してなるスプリング状の筒状体に被処理物を収容して表面処理を行うための表面処理用治具であって、筒状体の一方の端部は、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体が配されることで封止されており、他方の端部は開口していて、そこから被処理物を収容した後、少なくとも筒状体の内部側の端面が渦巻線状面に形成されたスプリング体を蓋体として嵌合することで封止されるようにしてなることを特徴とする治具。
  2. 上端部が開口している筒状体の下端部を固定した下フレームと、蓋体としてのスプリング体の上端部を固定した上フレームを、それぞれに固定した支柱同士を接合することで対設してなり、下フレームに対する上フレームの上下移動を可能とし、上フレームを下移動させることで上フレームが開口している筒状体の上端部を押圧した状態で蓋体としてのスプリング体が嵌合するようにしてなることを特徴とする請求項1記載の治具。
  3. 下フレームと上フレームに筒状体と蓋体としてのスプリング体をそれぞれ複数個固定してなることを特徴とする請求項2記載の治具。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の表面処理用治具に被処理物を収容して行うことを特徴とする被処理物の表面処理方法。
  5. 表面処理が蒸着被膜形成であることを特徴とする請求項4記載の表面処理方法。
  6. 水平方向の回転軸線を中心に回転自在とした支持部材の回転軸線の周方向の外方に、請求項1乃至3のいずれかに記載の表面処理用治具が公転自在に支持された蒸着ユニットを真空処理室内に備えることを特徴とする蒸着被膜形成装置。
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