JP2013152618A - エネルギー使用量管理システム - Google Patents

Abstract

【課題】各建物に対してエネルギー使用量の目標値を公平に設定でき、各事業分類の原単位削減率を容易に達成し得るエネルギー使用量管理システムを提供する。
【解決手段】このエネルギー使用量管理システムのデータ管理装置２は、データベース２Ａにおける事業分類管理テーブル２Ａ１、原単位削減率管理テーブル２Ａ２、建物所属テーブル２Ａ３、原単位指標管理テーブル２Ａ４、及びエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５で各種情報を保持管理し、原単位指標管理テーブル２Ａ４における各事業分類に属する各建物についての原単位指標を月毎に演算して設定すると共に、原単位削減率管理テーブル２Ａ２からの各事業分類内での原単位削減率についての先月までの目標達成度合を算出した結果に基づいて、各建物に対して各事業分類に占める原単位指標の割合に応じてエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５におけるエネルギー使用量の目標値の当月分を演算して設定する。
【選択図】図１

Description

本発明は、複数の事業分類を持つ事業者設備側に設置された端末手段により各事業分類毎の複数の建物で計測したエネルギー使用量を収集して管理するエネルギー管理システムに係り、詳しくは各建物の原単位指標によるエネルギー使用量を適確に管理できるビル管理に好適なエネルギー使用量管理システムに関する。

従来、一般的なエネルギー管理システムでは、事業者が複数の事業分類を持つ場合において、事業者全体のエネルギー使用量の削減を達成するため、毎年の事業分類毎の盛衰の度合と目標達成度合とにより、各事業分類に対して原単位削減率の調整を行う技術が知られている。

このような技術に関連する公知文献としては、例えば事業者が効果的にエネルギー消費量削減を管理する「ＣＯ_２排出量削減の管理方法とそのプログラム、記憶媒体」（特許文献１参照）が挙げられる。

特開２００９−９８９９１号公報

上述した特許文献１記載の技術に係るエネルギー管理システムとしての機能は、各事業分類に対して原単位削減率を設定するものであるため、ビル管理に適用すると個々の建物に対しての目標値が明確に設定されるものでなく、各建物における具体的なエネルギー使用量の目標値が判らずに削減施策を実行し難いという問題がある。具体的に云えば、各建物の次年度のエネルギー目標値を決定しようとすると、指標が明確に定まらず、各建物に対して実際にどのようにどの位、エネルギー使用量を削減して良いかの適切なエネルギー使用量の削減量を判断し難くいことにより、実用面で取り扱い難くて不便なものとなっている。

本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、各建物に対してエネルギー使用量の目標値を公平に設定でき、各事業分類の原単位削減率を容易に達成し得るエネルギー使用量管理システムを提供することにある。

上記技術的課題を解決するため、本発明のエネルギー使用量管理システムは、複数の事業分類を持つ事業者設備側に設置された端末手段により通信網を介して当該複数の事業分類毎の複数の建物にそれぞれ設置されたエネルギー使用量計測手段で計測したエネルギー使用量を収集して管理するエネルギー管理システムであって、端末手段は、複数の事業分類と複数の建物についての原単位指標とを保持して管理する事業分類管理手段と、年度毎の複数の事業分類に対する原単位削減率を保持して管理する原単位削減率管理手段と、複数の建物がそれぞれ複数の事業分類のどれに所属しているかを示す建物所属情報を保持して管理する建物所属管理手段と、原単位指標を月単位で保持して管理する原単位指標管理手段と、複数の建物のエネルギー使用量の目標値と実績値とを月毎に保持して管理するエネルギー使用量管理手段と、原単位削減率管理手段からの原単位削減率、事業分類管理手段からの複数の事業分類のコード、並びに建物所属管理手段からの建物所属情報に基づいて、原単位指標管理手段における当該複数の事業分類に属する複数の建物についての原単位指標を月毎に演算して設定すると共に、当該原単位削減率管理手段からの当該複数の事業分類内での当該原単位削減率についての先月までの目標達成度合を算出した結果に基づいて、当該複数の建物に対して当該複数の事業分類に占める当該単位指標の原割合に応じてエネルギー使用量管理手段におけるエネルギー使用量の目標値の当月分を演算して設定するエネルギー使用量目標演算設定手段と、を備えたことを特徴とする。

上記エネルギー使用量管理システムにおいて、エネルギー使用量目標演算設定手段は、原単位指標の占める割合の重み付けの計算を原単位削減率が当年度に存在することを確認できた場合に行うと共に、確認できない場合には行わず、且つ当該重み付けの計算時には、建物所属情報から抽出した該当する建物コード毎に事業分類コードに所属する建物コードが存在するか否かを判定した結果、存在する場合には複数の建物別の当年度、並びに前年度についての開始月から先月までのエネルギー使用量合計値をそれぞれ複数の建物別の当年度、並びに前年度についての開始月から先月までのエネルギー使用量合計値に加算すると共に、当年度の開始月から先月までの原単位指標のデータを合計した合計値を当該複数の事業分類別に当年度の開始月から先月までの当該原単位指標合計値に加算し、存在しない場合には開始月から先月までの当該複数の事業分類別の過達エネルギー使用量を計算してから当該原単位指標の占める割合の当該重み付けの計算を行うことが好ましい。

本発明のエネルギー使用量管理システムによれば、事業者設備側で各建物についての毎月の原単位指標とエネルギー使用量の実績値とを管理し、各建物に対して先月までの事業分類での原単位削減率の目標達成度合（目標達成分）に基づいて該当する建物の事業分類に占める原単位指標の割合に見合った当月のエネルギー使用量の目標値を演算して設定できるため、各建物に対するエネルギー使用量の目標値を事業者設備側から管理者設備側へ転送して表示画面上に表示させることにより、建物毎にエネルギー使用量の削減対策を具体的に実施し易くなる。結果として、各建物の原単位指標によるエネルギー使用量を適確に管理できる（各建物に対してエネルギー使用量の目標値を公平に設定でき、各事業分類の原単位削減率を容易に達成し得る）ため、ビル管理分野での適用が有効となる。

本発明の実施例１に係るエネルギー使用量管理システムの基本構成を示した全体的な概略ブロック図である。 図１に示すエネルギー使用量管理システムのデータ管理装置に備えられるデータベースの事業分類管理テーブルのデータを例示した図である。 図１に示すエネルギー使用量管理システムのデータ管理装置に備えられるデータベースの原単位削減率管理テーブルのデータを例示した図である。 図１に示すエネルギー使用量管理システムのデータ管理装置に備えられるデータベースの建物所属テーブルのデータを例示した図である。 図１に示すエネルギー使用量管理システムのデータ管理装置に備えられるデータベースの原単位指標管理テーブルのデータを例示した図である。 図１に示すエネルギー使用量管理システムのデータ管理装置に備えられるデータベースのエネルギー使用量管理テーブルのデータを例示した図である。 図１に示すエネルギー使用量管理システムのデータ管理装置による各建物の当年度当月のエネルギー使用量目標値の計算処理を示したフローチャートである。 図７で説明した計算処理に含まれる原単位指標の占める割合の重み付けを計算する処理の細部を示したフローチャートである。

以下に、本発明のエネルギー使用量管理システムについて、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。

図１は、本発明の実施例１に係るエネルギー使用量管理システムの基本構成を示した全体的な概略ブロック図である。このエネルギー使用量管理システムは、複数の事業分類を持つ事業者設備側に設置された端末手段としてのデータ管理装置２によりネットワーク等の通信網４を介して各事業分類毎の複数の建物にそれぞれ設置されたエネルギー使用量計測手段で計測したエネルギー使用量を収集して管理するエネルギー管理システムとして構成されている。

図１を参照して具体的に説明すれば、事業者は○○物産１が該当し、その事業分類は製造業部門１Ａと不動産業部門１Ｂとの２つに分かれている。また、製造業部門１Ａにはカメラ工場１Ａ１、エレベータ工場１Ａ２、エスカレータ工場１Ａ３の３つの建物が属しており、ここでの各建物には専用のエネルギー使用量計測機器１Ａ１Ａ、１Ａ２Ａ、１Ａ３Ａが設備されている。更に、不動産業部門１Ｂには東京支店１Ｂ１、大宮支店１Ｂ２、亀有営業所１Ｂ３の３つの建物が属しており、ここでの各建物には専用のエネルギー使用量計測機器１Ｂ１Ａ、１Ｂ２Ａ、１Ｂ３Ａが設備されている。これらの各エネルギー使用量計測機器１Ａ１Ａ〜１Ａ３Ａ、１Ｂ１Ａ〜１Ｂ３Ａには、通信網４を介してデータ管理装置２及び表示端末装置３が接続されている。各エネルギー使用量計測機器１Ａ１Ａ〜１Ａ３Ａ、１Ｂ１Ａ〜１Ｂ３Ａは、通信機能を持ち、各建物の月単位でのエネルギー使用量を計測したデータの集計結果を保持する。

表示端末装置３は、データ管理装置２とは別体でデータ管理装置２の場合と同様に各建物とは遠隔した場所の管理者設備側に設置されるもので、通信網４を経由してデータ管理装置２へアクセスしてそのデータベース２Ａから各種情報を取得し、表示画面３Ａ上に事業者設備側のデータ管理装置２で演算した各建物毎のエネルギー使用量の目標値と実績値とを一覧表示することができる。それ故、データ管理装置２は、表示端末装置３からのアクセスに対してデータベース２Ａの情報を提供する機能を持つ。但し、事業者と管理者とが同一であればデータ管理装置２のみを備えた構成として良い。

データ管理装置２は、データベース２Ａとして、各事業分類（製造業部門１Ａ、不動産業部門１Ｂ）と各建物についての原単位指標とを保持して管理する事業分類管理手段となる事業分類管理テーブル２Ａ１と、年度毎の各事業分類に対する原単位削減率を保持して管理する原単位削減率管理手段となる原単位削減率管理テーブル２Ａ２と、各建物がそれぞれ各事業分類のどれに所属しているかを示す建物所属情報を保持して管理する建物所属管理手段となる建物所属テーブル２Ａ３と、原単位指標を月単位で保持して管理する原単位指標管理手段となる原単位指標管理テーブル２Ａ４と、各建物のエネルギー使用量の目標値と実績値とを月毎に保持して管理するエネルギー使用量管理手段となるエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５と、を備えている。

また、データ管理装置２は、原単位削減率管理テーブル２Ａ２からの原単位削減率、事業分類管理テーブル２Ａ１からの各事業分類のコード、並びに建物所属テーブル２Ａ３からの建物所属情報に基づいて、原単位指標管理テーブル２Ａ４における各事業分類に属する各建物についての原単位指標を月毎に演算して設定すると共に、原単位削減率管理テーブル２Ａ２からの各事業分類内での原単位削減率についての先月までの目標達成度合を算出した結果に基づいて、各建物に対して各事業分類に占める原単位指標の割合に応じてエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５におけるエネルギー使用量の目標値の当月分を演算して設定するエネルギー使用量目標演算設定手段としての機能を備えている。但し、事業分類毎の原単位削減率や各建物のエネルギー使用量の目標値は、システムが稼動してから次年度より設定可能である。従って、目標値の設定については、システム稼働年度の次年度より原単位削減率管理テーブル２Ａ２の原単位削減率やエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５のエネルギー使用量目標値が設定される。

図２は、データ管理装置２に備えられるデータベース２Ａの事業分類管理テーブル２Ａ１のデータを例示した図である。図２を参照すれば、事業分類管理テーブル２Ａ１では、事業分類を事業分類コード２Ａ１Ａと事業分類名称２Ａ１Ｂとにより管理し、原単位指標が細分類番号２Ａ１Ｃ、細分類番号枝番２Ａ１Ｄ、細分類名称２Ａ１Ｅ、原単位指標名称２Ａ１Ｆ、及び原単位指標単位２Ａ１Ｇで構成されている。その他、事業分類コード２Ａ１Ａ、細分類番号２Ａ１Ｃ、及び細分類番号枝番２Ａ１Ｄは、主コードとして設定されている。

図３は、データ管理装置２に備えられるデータベース２Ａの原単位削減率管理テーブル２Ａ２のデータを例示した図である。図３を参照すれば、原単位削減率管理テーブル２Ａ２は、事業分類コード２Ａ２Ａ、年度２Ａ２Ｂ、及び原単位削減率２Ａ２Ｃで構成されている。その他、事業分類コード２Ａ２Ａ及び年度２Ａ２Ｂは、主コードとして設定されている。

図４は、データ管理装置２に備えられるデータベース２Ａの建物所属テーブル２Ａ３のデータを例示した図である。図４を参照すれば、建物所属テーブル２Ａ３は、建物コード２Ａ３Ａ、建物名称２Ａ３Ｂ、事業分類コード２Ａ３Ｃ、及びＩＰアドレス２Ａ３Ｄで構成されている。その他、事業分類コード２Ａ３Ｃ及びＩＰアドレス２Ａ３Ｄは、主コードとして設定されている。

図５は、データ管理装置２に備えられるデータベース２Ａの原単位指標管理テーブル２Ａ４のデータを例示した図である。図５を参照すれば、原単位指標管理テーブル２Ａ４は、建物コード２Ａ４Ａ、年度２Ａ４Ｂ、年度初めの月の４月２Ａ４Ｃ、５月２Ａ４Ｄ、６月２Ａ４Ｅ、７月２Ａ４Ｆ、８月２Ａ４Ｇ、９月２Ａ４Ｈ、１０月２Ａ４Ｉ、１１月２Ａ４Ｊ、１２月２Ａ４Ｋ、翌年の１月２Ａ４Ｌ、２月２Ａ４Ｍ、及び年度終わりの３月２Ａ４Ｎで構成されている。その他、建物コード２Ａ４Ａ及び年度２Ａ４Ｂは、主コードとして設定されている。因みに、この原単位指標管理テーブル２Ａ４では、２０１０年度が稼動年度となっており、稼動年度の削減目標値は設定されていないものとする。また、各月２Ａ４Ｃ〜２Ａ４Ｎのデータは、データ管理装置２により該当する建物の原単位指標が確定された時点で更新されるものとする。係る更新のタイミングは、原単位指標が売上げの場合は各月の最終日に確定した時点、或いは原単位指標が延床面積の場合には、通年固定値で年度初めの４月とする。即ち、原単位指標管理テーブル２Ａ４において、各月２Ａ４Ｃ〜２Ａ４Ｎの原単位指標のデータは、各月の最終日にならないと確定しない特性のものと、通年で固定値となる特性のものとの２種類がある。

係る原単位指標の特性により各建物に割当てられている原単位指標によっては、位指標管理テーブル２Ａ４に当年度の当月のデータが無い場合と有る場合とがある。上述した建物所属テーブル２Ａ３の建物コードＴ０００１〜Ｔ０００３は事業分類コードＪ０００１であり、事業分類管理テーブル２Ａ１を照合すれば原単位指標は売上げであるため、原単位指標管理テーブル２Ａ４には当年度の当月のデータが無い様子を示している。これに対し、建物所属テーブル２Ａ３の建物コードＴ０００４〜Ｔ０００６は事業分類コードＪ０００２であり、事業分類管理テーブル２Ａ１を照合すれば原単位指標は延床面積であるため、原単位指標管理テーブル２Ａ４には当年度の当月のデータが有る様子を示している。このように、原単位指標管理テーブル２Ａ４のデータは、例えば現時点を２０１１年度６月とした場合、建物に割当てられている原単位指標によって、２０１１年４月〜２０１２年３月までのデータ入力済みのものと、２０１１年４月〜５月までのデータ入力済みのものとに分かれている。

図６は、データ管理装置２に備えられるデータベース２Ａのエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５のデータを例示した図である。図６を参照すれば、エネルギー使用量管理テーブル２Ａ５は、年度２Ａ５Ａ、月２Ａ５Ｂ、建物コード２Ａ５Ｃ、エネルギー使用量目標値２Ａ５Ｄ、及びエネルギー使用量実績値２Ａ５Ｅで構成されている。その他、年度２Ａ５Ａ、月２Ａ５Ｂ、及び建物コード２Ａ５Ｃは、主コードとして設定されている。

データ管理装置２では、データベース２Ａを参照し、建物所属テーブル２Ａ３のＩＰアドレス２Ａ３Ｄにより各エネルギー使用量計測機器１Ａ１Ａ〜１Ａ３Ａ、１Ｂ１Ａ〜１Ｂ３Ａに対して通信を行って各建物のエネルギー使用量の計測値のデータを取得し、データベース２Ａのエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５における当年度当月の同じ建物コード２Ａ５Ｃのデータを持つレコードのエネルギー使用量実績値２Ａ５Ｅに対して計測値のデータを反映させている。データベース２Ａにおける事業分類管理テーブル２Ａ１、原単位削減率管理テーブル２Ａ２、建物所属テーブル２Ａ３の３つのテーブルについての事業分類コード２Ａ１Ａ、２Ａ２Ａ、２Ａ３Ａは同じデータを示しており、データ管理装置２によって各建物がどの事業分類に属し、その建物が属する事業分類の原単位指標や当年度の原単位削減率を求められるようになっている。データ管理装置２では、エネルギー使用量管理テーブル２Ａ５の各建物の当年度当月のエネルギー使用量目標値の計算処理を行うが、この計算処理では各月の１日になった際に実行するものとする。

図７は、データ管理装置２による各建物の当年度当月のエネルギー使用量目標値の計算処理を示したフローチャートである。係る計算処理では、まずデータベース２Ａの原単位削減率管理テーブル２Ａ２を参照し、当年度の原単位削減率のデータを検索することにより、原単位削減率管理テーブル２Ａ２の当年度のレコード検索（ステップＳ１０１）の処理を行った後、当年度のレコードはあるか否かの判定（ステップＳ１０２）を行う。この判定の結果、当年度の原単位削減率のデータが無ければ動作処理を終了するが、当年度の原単位削減率のデータが有れば事業分類コード２Ａ２Ａと原単位削減率２Ａ２Ｃを抽出（ステップＳ１０３）し、係る事業分類毎に処理を行うようにする。

次に、建物所属テーブル２Ａ３を参照し、先に抽出した事業分類コード２Ａ２Ａのデータを持つ建物の建物コード２Ａ３Ａのデータをレコード毎に確認することにより、建物コード２Ａ３Ａはあるか否かの判定（ステップＳ１０４）を行う。この判定の結果、建物コード２Ａ３Ａが無ければ当年度のレコードはあるか否かの判定（ステップＳ１０２）の処理の前にリターンしてそれ以降の処理を繰り返すが、建物コード２Ａ３Ａが有れば年度初めの月（４月）から当月まで月毎に処理したか否かの判定（ステップＳ１０５）を行う。この判定の結果、年度初めの月から当月まで処理していなければ原単位指標管理テーブル２Ａ４を参照し、該当する建物コード２Ａ４Ａの当年度の該当する月の原単位指標のデータを検索することにより、当年度の該当月の原単位指標データは有るか否かの判定（ステップＳ１０６）を行い、原単位指標データが無ければ当年度の該当月の建物別原単位指標の代用として、前年度の当月の原単位指標のデータを検索してレコードを抽出することにより、前年当月の原単位指標データを検索（ステップＳ１０７）する処理を行った後、原単位指標データが有る場合と同様に、建物別当年度４月〜当月原単位指標合計値に抽出したレコードの原単位指標データを加算（ステップＳ１０８）する処理を行ってから年度初めの月から当月まで月毎に処理したか否かの判定（ステップＳ１０５）の前にリターンしてそれ以降の処理を繰り返す。

一方、先の年度初めの月から当月まで月毎に処理したか否かの判定（ステップＳ１０５）の結果、年度初めの月から当月まで処理していれば原単位指標テーブル２Ａ４とエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５とを参照し、建物別前年度４月〜前年度当月原単位の計算（ステップＳ１０９）を行う。建物別前年度４月〜前年度当月原単位は、各建物の前年度４月〜前年度当月までのエネルギー使用量実績値の合計値を前年度の４月〜前年度当月まで原単位指標値の合計値で割った値で求められる。

引き続き、エネルギー使用量管理テーブル２Ａ５を参照し、建物別当年度４月〜当年度先月エネルギー使用量実績合計値の計算（ステップＳ１１０）を行う。建物別当年度４月〜当年度先月エネルギー使用量実績合計値は、各建物の当年度４月〜当年度先月までのエネルギー使用量実績値を合計することで求められる。以上により、原単位削減率、建物別当年度４月〜当年度当月原単位指標合計値、建物別前年度４月〜前年度当月原単位、建物別当年度４月〜当年度先月エネルギー使用量実績合計値が求まる。

更に、事業分類毎の原単位削減率の達成度合を重み付けする前の建物別エネルギー使用量仮目標値の計算（ステップＳ１１１）を行う。建物別エネルギー使用量仮目標値は、｛（建物別前年度４月〜前年度当月原単位）×（１００−原単位削減率）｝÷１００×｛（建物別当年度４月〜当年度当月原単位指標合計値）−（建物別当年度４月〜当年度先月エネルギー使用量実績合計値）｝なる関係で求まるものである。この後は、事業分類毎の原単位削減率の達成度合を公平に重み付けするため、各建物の原単位指標の占める割合の重み付けを計算（ステップＳ１１２）する処理を行い、建物別エネルギー使用量仮目標値に重み付け分を加算し、建物別エネルギー使用量真目標値の計算（ステップＳ１１３）を行う。即ち、ここでの建物別エネルギー使用量真目標値は、建物別エネルギー使用量仮目標値に重み付けを加算したものとなる。

引き続き、求めた建物別エネルギー使用量真目標値をエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５における該当する建物コード２Ａ５Ａの当月のレコードに対してエネルギー使用量目標値のデータとして格納することにより、エネルギー使用量管理テーブル２Ａ５にデータを格納（ステップＳ１１４）する処理を行った後、建物コード２Ａ３Ａはあるか否かの判定（ステップＳ１０４）の前にリターンしてそれ以降の処理を繰り返す。

図８は、図７に示した計算処理に含まれる原単位指標の占める割合の重み付けを計算（ステップＳ１１２）する処理の細部を示したフローチャートである。原単位指標の占める割合の重み付けを計算（ステップＳ１１２）する処理の細部では、まず建物所属テーブル２Ａ３を参照し、建物所属テーブル２Ａ３より、該当する建物コード２Ａ３Ａの事業分類コード２Ａ３Ｃを抽出（ステップＳ２０１）する処理を行った後、建物所属テーブル２Ａ３より、該当する事業分類コード２Ａ３Ｃの建物コード２Ａ３Ａを抽出（ステップＳ２０２）する処理を行う。

次に、抽出した建物コード２Ａ３Ａ毎の処理を行わせるため、抽出した事業分類コード２Ａ３Ｃの建物コード２Ａ３Ａはあるか否かの判定（ステップＳ２０３）を行う。この判定の結果、建物コード２Ａ３Ａがあればエネルギー使用量管理テーブル２Ａ５Ａを参照し、その建物コード２Ａ３Ａの当年度の４月〜先月までのエネルギー使用量の実績値を抽出したものを合計することにより、建物別当年度４月〜先月エネルギー使用量合計値の計算（ステップＳ２０４）を行った後、建物別当年度４月〜先月エネルギー使用量合計値を事業分類別当年度４月〜当年度先月エネルギー使用量総合計値に加算（ステップＳ２０５）する。更に、エネルギー使用量管理テーブル２Ａ５Ａを参照し、その建物コード２Ａ３Ａの前年度の４月〜前年度の先月までのエネルギー使用量の実績値を抽出したものを合計することにより、建物別前年度４月〜前年度エネルギー使用量合計値の計算（ステップＳ２０６）を行った後、建物別前年度４月〜前年度先月エネルギー使用量合計値を事業分類別前年度４月〜前年度先月エネルギー使用量総合計値に加算（ステップＳ２０７）する。引き続き、原単位指標管理テーブル２Ａ４Ａを参照し、当年度４月〜当年度先月原単位指標のデータを合計（ステップＳ２０８）した後、求めた合計値を事業分類別当年度４月〜当年度先月原単位指標合計値に加算（ステップＳ２０８）してから原単位指標管理テーブル２Ａ４Ａを参照し、重み付けを行う対象の該当する建物コード２Ａ３Ａであるか否かの判定（ステップＳ２０９）を行う。この判定の結果、重み付けを行う対象の該当する建物コード２Ａ３Ａと一致していれば求めた合計値を建物別当年度４月〜当年度先月原単位指標合計値に代入（ステップＳ２１０）してから付けを行う対象の該当する建物コード２Ａ３Ａと一致していない場合と同様に、その後は先の抽出した建物コード２Ａ３Ａ毎の処理を行わせるために抽出した建物コード２Ａ３Ａはあるか否かの判定（ステップＳ２０３）の前にリターンしてその後の処理を繰り返す。

一方、上述した抽出した建物コード２Ａ３Ａはあるか否かの判定（ステップＳ２０３）の結果、建物コード２Ａ３Ａがなければ事業分類別に原単位削減率の達成度合をエネルギー使用量により求めるようにし、係るエネルギー使用量を事業分類別の過達エネルギーの使用量とし、４月〜先月までの事業分類別過達エネルギー使用量の計算（ステップＳ２１１）を行った後、原単位指標の占める割合の重み付けの計算（ステップＳ２１２）を行ってから動作処理を終了する。因みに、事業分類別過達エネルギー使用量は、｛（事業分類別前年度４月〜前年度先月エネルギー使用量総合計値）×（１００−原単位削減率）÷１００｝−（事業分類別当年度４月〜当年度先月エネルギー使用量総合計値）なる関係により求められる。また、原単位指標の占める割合の重み付けは、事業分類別過達エネルギー使用量×（建物別当年度４月〜当年度先月原単位指標合計値）÷（事業別当年度４月〜当年度先月原単位指標合計値）なる関係で求められる。即ち、図７の建物別エネルギー使用量真目標値の計算（ステップＳ１１３）では、建物別エネルギー使用量仮目標値の計算（ステップＳ１１１）で求めた建物別エネルギー使用量仮目標値に原単位指標の占める割合の重み付けの計算（ステップＳ２１２）で求めた重み付け値を加算した値を計算することになる。但し、年度初めの４月１日は、当年度４月１日までの事業分類別エネルギー使用利用総合計値が「０」であり、事業分類別過達エネルギー使用量が「０」であるため、原単位指標の占める割合の重み付けの計算（ステップＳ２１２）で求められる重み付け値が０となって、年度初めの４月の各建物のエネルギー使用量の真目標値は、仮目標値と等しくなる。

上述したデータ管理装置２のエネルギー使用量目標演算設定の機能では、原単位指標の占める割合の重み付けの計算を原単位削減率が当年度に存在することを確認できた場合に行うと共に、確認できない場合には行わず、しかも重み付けの計算時には、建物所属テーブル２Ａ３の建物所属情報から抽出した該当する建物コード２Ａ３Ａ毎に事業分類コード２Ａ３Ｃに所属する建物コードが存在するか否かを判定した結果、存在する場合には各建物別の当年度、並びに前年度についての開始月から先月までのエネルギー使用量合計値をそれぞれ各建物別の当年度、並びに前年度についての開始月から先月までのエネルギー使用量合計値に加算すると共に、当年度の開始月から先月までの原単位指標のデータを合計した合計値を各事業分類別に当年度の開始月から先月までの原単位指標合計値に加算し、存在しない場合には開始月から先月までの各事業分類別の過達エネルギー使用量を計算してから原単位指標の占める割合の重み付けの計算を行うため、事業分類毎に原単位削減率が決定されていれば、各建物の各月のエネルギー使用量の目標値を公平な指標によって簡単に演算して設定し、表示端末装置３の表示画面３Ａ上に表示することができる。

表示端末装置３は、回線網４を経由してデータ管理装置２へアクセスすることにより、データベース２の各種情報を取得し、自装置の時刻データに基づいて当年度、当月、当日のエネルギー使用量の目標値に係るデータと取得したその他のデータとを表示画面３Ａ上に表示することができる。図１に示される表示画面３Ａ上の表示パターンを具体的に説明すれば、例えば事業分類管理テーブル２Ａ１のレコードからは、事業分類名称２Ａ１Ｂと事業分類コード２Ａ１Ａとを取得し、表示画面３Ａ上の事業分離名称エリア３Ａ１に事業分類名称２Ａ１Ｂのデータを表示することができる。また、原単位削減率管理テーブル２Ａ２のレコードからは、事業分類コード２Ａ１Ａのデータと同じデータを持つレコードを検索し、該当するレコードより取得した原単位削減率２Ａ２Ｃのデータを表示画面３Ａ上の原単位削減率目標を示す原単位削減率表示エリア３Ａ２に表示することができる。更に、建物所属テーブル２Ａ３からは、事業分類コード２Ａ１Ａのデータと同じデータを持つレコードを検索し、該当するレコード毎に該当するレコードの建物名称２Ａ３Ｂのデータと建物コード２Ａ３Ａのデータとを取得すると共に、エネルギー使用量管理テーブル２Ａ５からは、同じ建物コード２Ａ３Ａのデータと当年当月のデータとを持つレコードを検索し、エネルギー使用量目標値２Ａ５Ｄのデータとエネルギー使用量実績値２Ａ５ＡＥのデータとを取得し、表示画面３Ａ上における１月分エネルギー使用量を示すエネルギー使用量目標表示エリア３Ａ３における建物名称表示エリア３Ａ３Ａには建物名称２Ａ３Ｂのデータを、目標値表示エリア３Ａ３Ｂにはエネルギー使用量目標値２Ａ５Ｄのデータを、実績値表示エリア３Ａ３Ｃにはエネルギー使用量実績値２Ａ５ＡＥのデータをそれぞれ表示することができる。

要するに、実施例１に係るエネルギー使用量管理システムによれば、事業者設備側のデータ管理装置２で各建物についての毎月の原単位指標とエネルギー使用量の実績値とを管理し、各建物に対して先月までの事業分類での原単位削減率の目標達成度合（目標達成分）に基づいて該当する建物の所属する事業分類に占める原単位指標の割合に見合った当月のエネルギー使用量の目標値を演算して設定できるため、各建物に対するエネルギー使用量の目標値をデータ管理装置２の事業者設備側から表示端末装置３の管理者設備側へ転送して表示画面３Ａ上に表示させることにより、建物毎にエネルギー使用量の削減対策を具体的に実施し易くなる。これにより、各建物に対してエネルギー使用量の目標値を公平に設定でき、各事業分類の原単位削減率を容易に達成し得るため、各建物の原単位指標によるエネルギー使用量を適確に管理することができる。

１ ○○物産
１Ａ 製造業部門
１Ａ１ カメラ工場
１Ａ２ エレベータ工場
１Ａ３ エスカレータ工場
１Ａ１Ａ〜１Ａ３Ａ、１Ｂ１Ａ〜１Ｂ３Ａ エネルギー使用量計測機器
１Ｂ 不動産業部門
１Ｂ１ 東京支店
１Ｂ２ 大宮支店
１Ｂ３ 亀有営業所
２ データ管理装置
２Ａ データベース
２Ａ１ 事業分類管理テーブル
２Ａ２ 原単位削減率管理テーブル
２Ａ３ 建物所属テーブル
２Ａ４ 原単位指標管理テーブル
２Ａ５ エネルギー使用量管理テーブル
３ 表示端末装置
３Ａ 表示画面
３Ａ１ 事業分類名称エリア
３Ａ２ 原単位削減率表示エリア
３Ａ３ エネルギー使用量表示エリア
３Ａ３Ａ 建物名称表示エリア
３Ａ３Ｂ 目標値表示エリア
３Ａ３Ｃ 実績値表示エリア

Claims (2)

1. 複数の事業分類を持つ事業者設備側に設置された端末手段により通信網を介して当該複数の事業分類毎の複数の建物にそれぞれ設置されたエネルギー使用量計測手段で計測したエネルギー使用量を収集して管理するエネルギー管理システムであって、
   前記端末手段は、前記複数の事業分類と前記複数の建物についての原単位指標とを保持して管理する事業分類管理手段と、年度毎の前記複数の事業分類に対する原単位削減率を保持して管理する原単位削減率管理手段と、前記複数の建物がそれぞれ前記複数の事業分類のどれに所属しているかを示す建物所属情報を保持して管理する建物所属管理手段と、前記原単位指標を月単位で保持して管理する原単位指標管理手段と、前記複数の建物の前記エネルギー使用量の目標値と実績値とを月毎に保持して管理するエネルギー使用量管理手段と、前記原単位削減率管理手段からの前記原単位削減率、前記事業分類管理手段からの前記複数の事業分類のコード、並びに前記建物所属管理手段からの前記建物所属情報に基づいて、前記原単位指標管理手段における当該複数の事業分類に属する前記複数の建物についての前記原単位指標を月毎に演算して設定すると共に、当該原単位削減率管理手段からの当該複数の事業分類内での当該原単位削減率についての先月までの目標達成度合を算出した結果に基づいて、当該複数の建物に対して当該複数の事業分類に占める当該原単位指標の割合に応じて前記エネルギー使用量管理手段における前記エネルギー使用量の目標値の当月分を演算して設定するエネルギー使用量目標演算設定手段と、を備えたことを特徴とするエネルギー使用量管理システム。
2. 請求項１記載のエネルギー使用量管理システムにおいて、前記エネルギー使用量目標演算設定手段は、前記原単位指標の占める割合の重み付けの計算を前記原単位削減率が当年度に存在することを確認できた場合に行うと共に、確認できない場合には行わず、且つ当該重み付けの計算時には、前記建物所属情報から抽出した該当する建物コード毎に事業分類コードを持つ建物コードが存在するか否かを判定した結果、存在する場合には前記複数の建物別の当年度、並びに前年度についての開始月から先月までのエネルギー使用量合計値をそれぞれ前記複数の建物別の当年度、並びに前年度についての開始月から先月までのエネルギー使用量合計値に加算すると共に、当年度の開始月から先月までの前記原単位指標のデータを合計した合計値を当該複数の事業分類別に当年度の開始月から先月までの当該原単位指標合計値に加算し、存在しない場合には開始月から先月までの当該複数の事業分類別の過達エネルギー使用量を計算してから当該原単位指標の占める割合の当該重み付けの計算を行うことを特徴とするエネルギー使用量管理システム。

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