JP2013151081A - サーマルヘッド、およびこれを備えるサーマルプリンタ - Google Patents

サーマルヘッド、およびこれを備えるサーマルプリンタ Download PDF

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成人 加治
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Abstract

【課題】 基体とガラスエポキシ基板とが剥離する可能性を低減することができるサーマルヘッド、およびこれを備えるサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】 サーマルヘッドX1は、基体7と、基体7上に複数設けられた発熱部9と、発熱部9と電気的に接続された基体側電極と、基体側電極と電気的に接続された基板側電極を有しており、かつ矩形状のガラスエポキシ基板5とを備え、基板側電極は、ガラスエポキシ基板5の長手方向の一端部から他端部にわたって設けられた第1電極と、第1電極と絶縁層を介して設けられた第2電極とを有し、第1電極は、ガラスエポキシ基板5の長手方向に複数個分断されており、分断されたそれぞれの第1電極は、絶縁層6に設けられたビアホールを介して第2電極と接続されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、サーマルヘッド、およびこれを備えるサーマルプリンタに関する。
従来、ファクシミリあるいはビデオプリンタ等の印画デバイスとして、種々のサーマルヘッドが提案されている。例えば、基体と、基体上に複数設けられた発熱部と、発熱部と電気的に接続された基板側電極と、基板側電極と電気的に接続された基体側電極を有したガラスエポキシ基板とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−118702号公報
しかしながら、基体とガラスエポキシ基板とを電気的に接続した場合に、基体およびガラスエポキシ基板の熱膨張係数の差に起因して、基体とガラスエポキシ基板とが剥離する可能性があった。特に、ガラスエポキシのような硬質な材料により形成されたガラスエポキシ基板を用いると、基体とガラスエポキシ基板とが剥離しやすい。
本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドは、基体と、該基体上に複数設けられた発熱部と、該発熱部と電気的に接続された基体側電極と、該基体側電極と電気的に接続された基板側電極を有しており、かつ矩形状のガラスエポキシ基板と、を備え、前記基板側電極は、該ガラスエポキシ基板の長手方向の一端部から他端部にわたって設けられた第1電極と、該第1電極と絶縁層を介して設けられた第2電極と、を有し、前記第1電極は、前記ガラスエポキシ基板の長手方向に複数個分断されており、分断されたそれぞれの前記第1電極は、前記絶縁層に設けられたビアホールを介して前記第2電極と電気的に接続されている。
本発明の一実施形態に係るサーマルプリンタは、上記のサーマルヘッドと、複数の発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、複数の発熱部上に記録媒体を押圧するプラテンローラとを備える。
本発明によれば、基体とガラスエポキシ基板とが剥離する可能性を低減することができる。
本発明のサーマルヘッドの一実施形態を示す平面図である。 図1のサーマルヘッドのI−I線断面図である。 図1に示すサーマルヘッドの一実施形態を構成するガラスエポキシ基板の概略構成を示す分解斜視図である。 図3に示すガラスエポキシ基板の概略構成を示す平面図である。 本発明のサーマルプリンタの一実施形態の概略構成を示す図である。 本発明のサーマルヘッドの他の実施形態を構成する基板側電極の分解平面図である。 本発明のサーマルヘッドのさらに他の実施形態を構成する基板側電極の分解平面図である。 本発明のサーマルヘッドのさらに他の実施形態を構成する基板側電極の分解平面図である。 本発明のサーマルヘッドのさらに他の実施形態を構成する基板側電極の分解平面図である。 本発明のサーマルヘッドのさらに他の実施形態を構成する基板側電極の分解平面図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明のサーマルヘッドの一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1,2に示すように、本実施形態のサーマルヘッドX1は、放熱体1と、放熱体1上に配置されたヘッド基体3と、ヘッド基体3に接続された、ガラスエポキシ基板からなるプリント配線板5(printed circuit board 以下、「PCB5」という)とを備えている。
なお、図1では、PCB5の図示を省略し、PCB5が配置される領域を一点鎖線で示す。
放熱体1は、板状に形成されており、平面視して長方形状をなしている。放熱体1は、例えば、銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、後述するようにヘッド基体3の発熱部9で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱の一部を放熱する機能を有している。また、放熱体1の上面には、両面テープあるいは接着剤等(不図示)によってヘッド基体3が接着されている。
ヘッド基体3は、平面視して長方形状の基体7と、基体7上に設けられ、基体7の長手方向に沿って配列された複数の発熱部9と、発熱部9の配列方向に沿って基体7上に並べて配置された複数の駆動IC11とを備えている。
基体7は、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。基体7をアルミナセラミックスにより形成した場合、基体7の熱膨張係数は7×10−6/℃となる。
基体7の上面には、蓄熱層13が形成されている。蓄熱層13は、基体7の上面全体に形成された下地部13aと、複数の発熱部9の配列方向に沿って帯状に延び、断面が略半楕円形状の***部13bとを有している。***部13bは、印画する記録媒体を、発熱部9上に形成された後述する保護層25に良好に押し当てるように機能する。
また、蓄熱層13は、例えば、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部を一時的に蓄積する。それにより、蓄熱層13は、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くし、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めるように機能する。蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基体7の上面に塗布し、これを焼成することで形成される。
図2に示すように、蓄熱層13の上面には、電気抵抗層15が設けられている。電気抵抗層15は、蓄熱層13と、後述する共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21との間に介在し、図1に示すように、平面視して、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21と同形状の領域(以下、介在領域という)と、共通電極17と個別電極19との間から露出した複数の領域(以下、露出領域という)とを有している。なお、図1では、電気抵抗層15の介在領域は、共通電極17、個別電極19お
よびIC−PCB接続電極21で隠れている。
電気抵抗層15の各露出領域は、上記の発熱部9を形成している。そして、複数の露出領域が、図1に示すように、蓄熱層13の***部13b上に列状に配置されて発熱部9を構成している。複数の発熱部9は、説明の便宜上、図1で簡略化して記載しているが、例えば、600dpi〜2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。
電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、後述する共通電極17と個別電極19との間に電圧が印加され、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
図1,2に示すように、電気抵抗層15の上面には、基体側電極である共通電極17、複数の個別電極19および複数のIC−PCB接続電極21が設けられている。共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
共通電極17は、複数の発熱部9とPCB5とを接続するためのものである。図1に示すように、共通電極17は、基体7の一方の長辺に沿って延びる主配線部17aと、基体7の一方および他方の短辺のそれぞれに沿って延び、一端部が主配線部17aに接続された2つの副配線部17bと、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延び、先端部が各発熱部9に接続された複数のリード部17cとを有している。そして、共通電極17は、副配線部17bの他端部がPCB5に接続されることにより、PCB5と各発熱部9との間を電気的に接続している。
複数の個別電極19は、各発熱部9と駆動IC11とを接続するためのものである。図1,2に示すように、各個別電極19は、一端部が発熱部9に接続され、他端部が駆動IC11の配置領域に配置されるように、各発熱部9から駆動IC11の配置領域に向かって個別に帯状に延びている。そして、各個別電極19の他端部が駆動IC11に接続されることにより、各発熱部9と駆動IC11との間が電気的に接続されている。より詳細には、個別電極19は、複数の発熱部9を複数の群に分け、各群の発熱部9を、各群に対応して設けられた駆動IC11に電気的に接続している。
なお、本実施形態では、上記のように共通電極17のリード部17cと個別電極19とが発熱部9に接続されており、このリード部17cと個別電極19とが対向して配置されている。本実施形態では、このようにして、発熱部9に接続される電極配線が対になって形成されている。
複数のIC−PCB接続電極21は、駆動IC11とPCB5とを接続するためのものである。図1,2に示すように、各IC−PCB接続電極21は、一端部が駆動IC11の配置領域に配置され、他端部が基体7の他方の長辺の近傍に配置されるように、帯状に延びている。そして、複数のIC−PCB接続電極21は、一端部が駆動IC11に接続されるとともに、他端部がPCB5に接続されることにより、駆動IC11とPCB5との間を電気的に接続している。
より詳細には、各駆動IC11に接続された複数のIC−PCB接続電極21は、異なる機能を有する複数の電極で構成されている。具体的には、電源電極、グランド電極、IC制御電極等を例示することができる。電源電極は、駆動IC11を動作させるための電源電流を供給するために設けられている。グランド電極は、駆動IC11およびこの駆動
IC11に接続された個別電極19を0〜1Vのグランド電位に保持するために設けられている。IC制御電極は、後述する駆動IC11内のスイッチング素子のオン・オフ状態を制御するように駆動IC11を動作させるための電気信号を供給するために設けられている。
駆動IC11は、図1,2に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されているとともに、個別電極19の他端部とIC−PCB接続電極21の一端部とに接続されている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御するためのものであり、内部に複数のスイッチング素子を有しており、各スイッチング素子がオン状態のときに通電状態となり、各スイッチング素子がオフ状態のときに不通電状態となる公知のものを用いることができる。
各駆動IC11は、各駆動IC11に接続された各個別電極19に対応するように、内部に複数のスイッチング素子(不図示)が設けられている。そして、図2に示すように、各駆動IC11は、各スイッチング素子(不図示)に接続された一方の接続端子11a(以下、第1接続端子11aという)が個別電極19に接続されており、各スイッチング素子に接続されている他方の接続端子11b(以下、第2接続端子11b)がIC−PCB接続電極21の上記のグランド電極に接続されている。これにより、駆動IC11の各スイッチング素子がオン状態のときに、各スイッチング素子に接続された個別電極19とIC−PCB接続電極21のグランド電極とが電気的に接続される。
上記の電気抵抗層15、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21は、例えば、各々を構成する材料層を蓄熱層13上に、例えばスパッタリング法等の従来周知の薄膜成形技術によって順次積層した後、積層体を従来周知のフォトエッチング等を用いて所定のパターンに加工することにより形成される。なお、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21は、同じ工程によって同時に形成することができる。
図1,2に示すように、基体7の上面に形成された蓄熱層13上には、発熱部9、共通電極17の一部および個別電極19の一部を被覆する保護層25が形成されている。なお、図1では、説明の便宜上、保護層25の形成領域を一点鎖線で示し、これらの図示を省略している。図示例では、保護層25は、蓄熱層13の上面の左側の領域を覆うように設けられている。これにより、発熱部9、共通電極17の主配線部17a、副配線部17bの一部、リード部17cおよび個別電極19上に、保護層25が形成されている。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食や、印画する記録媒体との接触による摩耗から保護するためのものである。
保護膜25は、SiO、SiON、SiN、SiCNまたはダイヤモンドライクカーボン等により形成することができ、各組成の単層でもよく、これらの組成の複数の層を積層した構成としてもよい。そして、保護膜25は、スパッタリング等の従来周知の薄膜形成技術を用いて作製することができる。なお、スクリーン印刷等の厚膜形成技術を用いて作製してもよい。
また、図1,2に示すように、基体7の上面に形成された蓄熱層13上には、共通電極17、個別電極19およびIC−PCB接続電極21を部分的に被覆する被覆層27が設けられている。なお、図1では、説明の便宜上、被覆層27の形成領域を一点鎖線で示し、これらの図示を省略している。図示例では、被覆層27は、蓄熱層13の上面の保護層25よりも右側の領域を部分的に覆うように設けられている。被覆層27は、共通電極1
7、個別電極19およびIC−PCB接続電極21の被覆した領域を、大気との接触による酸化、あるいは大気中に含まれている水分等の付着による腐食から保護するためのものである。
なお、被覆層27は、共通電極17および個別電極19の保護をより確実にするため、図2に示すように保護層25の端部に重なるようにして形成されている。被覆層27は、例えば、エポキシ樹脂、あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料で形成することができる。また、被覆層27は、例えば、スクリーン印刷法等の厚膜成形技術を用いて形成することができる。
なお、図1,2に示すように、後述するPCB5を接続する共通電極17の副配線部17bおよびIC−PCB接続電極21の端部は、被覆層27から露出しており、PCB5と接続されるようになっている。
また、被覆層27は、駆動IC11を接続する個別電極19およびIC−PCB接続電極21の端部を露出させるための開口部(不図示)が形成されており、この開口部を介してこれらの配線が駆動IC11に接続されている。また、駆動IC11は、個別電極19およびIC−PCB接続電極21に接続された状態で、駆動IC11自体の保護、および駆動IC11とこれらの配線との接続部の保護のため、エポキシ樹脂あるいはシリコーン樹脂等の樹脂からなる被覆部材29によって被覆されることで封止されている。
ここで、図3,4を用いてPCB5について詳細に説明する。
図3は、PCB5の概略構成を示す分解斜視図である。図4は、PCB5の内部に形成された基板側電極6A,6B,6C,6Dの概略構成を示す平面図である。なお、図3においては、基板側電極6A,6B,6C,6Dを矩形状で概略的に示しているが、実際は、図4に示すようにパターニングされている。また、図4に示す一点鎖線は、PCB5の外周を示す。また、符号は、同一または類似する構成のものについて、例えば、「基板側電極6A,6B,6C,6D」のように、同一の符号にアルファベットの付加符号を付することがある。また、この場合において、単に「基板側電極6」というなど、上記の付加符号を省略することがあるものとする。また、図4においては、電源電極20の一部を省略して示している。
PCB5は、図1〜4に示すように、基体7の長手方向に沿って延びているとともに、矩形状をなしている。また、PCB5は、平面視して、一方の長辺5aと、一方の長辺5aの反対側に位置する他方の長辺5bと、一方の長辺5aおよび他方の長辺5bを接続する一方の短辺5cと、一方の短辺5cの反対側に位置するとともに一方の長辺5aおよび他方の長辺5bを接続する他方の短辺5dとを有している。また、PCB5は、一方の長辺5a側で基体7の共通電極17の副配線部17bおよび各IC−PCB接続電極21に接続されている。そして、他方の長辺5b側にコネクタ31が接続されるコネクタ用端子32が複数個設けられている。
PCB5は、上下に設けられたカバー部材4と、パターニングされた複数の基板側電極6と、基板側電極6の間に配置され、隣り合う基板側電極6同士の電気的な導通を防ぐ絶縁層である基材8とを有している。なお、図3では、カバー部材4、基板側電極6、および基材8を簡略化して示しているが、実際は、基板側電極6はパターニングされており、基材8の一部の領域には、隣り合う基板側電極6を導通させるためのビアホール10,12,14が設けられている。ビアホール10,12,14は、基板側電極6A,6B,6C,6Dおよび基材8A,8B,8Cを貫通するように設けられており、内部に基板側電極6と同等の材料により形成された導体(不図示)を備えている。なお、基板側電極6お
よび基材8のすべてを貫通するビアホール10ではなく、電気的に接続する基板側電極6同士の間の基材8のみに、ビアホール10を設けてもよい。具体的には、基板側電極6Aと基板側電極6Bとを電気的に接続する場合に、基材8Aにのみ貫通孔を設けて、貫通孔に導体を充填して基板側電極6Aと基板側電極6Bとを電気的に接続するビアホール10を設けてもよい。
PCB5は、下側に設けられたカバー部材4B上に、基板側電極6D、基材8C、基板側電極6C、基材8B、基板側電極6B、基材8A、および基板側電極6Aが積層されており、最上面にカバー部材4Aが設けられている。基板側電極6は、一部を除きカバー部材4および基材8により覆われており、外部から絶縁された状態で配置されている。そして、基板側電極6の一部は、他の基板側電極6と、基材8に設けられたビアホール10を介して電気的に接続されている。また、最下層に設けられた基板側電極6Dは、下側に設けられたカバー部材4Bの一方側から突出しており、突出した基板側電極6Dが、ヘッド基体3に設けられた共通電極17およびIC−PCB接続電極21と電気的に接続されている。これにより、基体7とPCB5とが電気的に接続されることとなる。
PCB5は、上記のように、カバー部材4、基板側電極6、および基材8が積層されており、本実施形態においては、PCB5の厚みは、200〜500μmとなっている。また、本実施形態においては、PCB5の熱膨張係数は、13〜15×10−6/℃となっている。
カバー部材4は、ソルダーレジストにより形成されており、例えば、エポキシ樹脂、あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料により形成されている。カバー部材4の厚みは、10〜30μmであることが好ましい。
基材8は、エポキシ樹脂あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料により形成されている。なお、PCB5の中央部に位置する基材8bは硬化したエポキシ樹脂を、基材8A,8Cはエポキシ樹脂を半硬化状態でシート状に形成したプリプレグを用いて、基板側電極6とプリプレグとを積層した後に硬化することにより、エポキシ樹脂からなる基材8により挟持されたPCB5を作製してもよい。基材8の厚みは、50〜70μmであることが好ましい。また、基材8は、基板側電極6同士を電気的に導通するために、ビアホール10,12,14が設けられている。そして、ビアホール10,12,14と導通しない基板側電極6は、電極パターンに、ビアホール10,12,14を取り囲むようにパターン非形成部10,12,14が設けられている。図4においては、ビアホールは黒丸10,12,14にて示しており、ビアホール10,12,14に導通されないパターン非形成部は白丸10,12,14にて示している。
基板側電極6は、外部に設けられた電源とサーマルヘッドX1とを電気的に導通する機能を有している。具体的には、基板側電極6は、グランド電極16、IC制御電極18、および電源電極20を有している。そして、詳細は後述するが、PCB5のグランド電極16、IC制御電極18、および電源電極20は、基体7の基体側電極であるグランド電極16、IC制御電極18、および電源電極20と電気的に接続されている。なお、図示していないが、基板側電極6は、基体7の共通電極等の各種電極に対応する電極を有している。
基板側電極6は、圧延Cuまたは電解Cuをパターニングして形成されている。基板側電極6は、導電性の金属または合金により形成されていればよく、Al、Ni、Au等の金属を用いればよい。Cuにより基板側電極6を形成した場合、基板側電極6の熱膨張係数は16.5×10−6/℃となり、Alにより基板側電極6を形成した場合、基板側電極6の熱膨張係数は23.5×10−6/℃となる。なお、本実施形態においては、Cu
により形成されたものを、用いて説明する。
以下、PCB5を構成する各基板側電極6A,6B,6C,6Dについて詳細に説明する。
基板側電極6Aは、PCB5の長手方向(以下、単に長手方向と称する)の一端部から他端部わたって第1電極であるグランド電極16が設けられている。本実施形態に係るグランド電極16は、グランド電極16Aa,16Ab,16Acに分断されて設けられている。そして、分断されたそれぞれのグランド電極16Aa,16Ab,16Acは、ビアホール12を介して、基板側電極6Dのグランド電極16Da,16Dcと接続されている。
グランド電極16Aa,16Acは、PCB5の一方の長辺5a側に、ビアホール12Aが設けられている。ビアホール12Aは、長手方向の両端部に設けられおり、基板側電極6Dのグランド電極16Da,16Dcにおけるビアホール12Dと電気的に接続されている。このため、基板側電極6Aのグランド電極16Aa,16Acと、基板側電極6Dのグランド電極16Da,16Dcとが、電気的に接続されることとなる。
グランド電極16Abは、両端部にビアホール12Aが設けられている。ビアホール12Aは、基板側電極6Dのグランド電極16Da,16Dcにおけるビアホール12Dと電気的に接続されている。このため、基板側電極6Aのグランド電極16Abと、グランド電極16Da,16Dcとが、電気的に接続されることとなる。
また、ビアホール10A,14AもPCB5の一方の長辺5a側に複数個設けられているが、基板側電極6Aとは電気的に接続されていない。また、PCB5の他方の長辺5b側には、複数のコネクタ用端子32Aが設けられており、コネクタ(不図示)を介して外部の電源と接続されている。
基板側電極6Aに設けられたグランド電極16Aは、長手方向に複数個分断されて、グランド電極16Aa,16Ab,16Acとして形成されている。そのため、グランド電極が長手方向に複数個分断されておらず長手方向にわたって設けられた態様に比べて、各グランド電極16Aa,16Ab,16Acの長手方向の長さを短くすることができる。それにより、グランド電極16の伸縮する変形量を小さくすることができる。また、各グランド電極16Aa,16Ab,16Acが、長手方向に間隔をあけて配置されることになるため、各グランド電極16Aa,16Ab,16Acに生じた変形が、グランド電極16Aa,16Ab,16Ac間の間隔によって緩和されることとなり、グランド電極16Aa,16Ab,16Acの変形量を小さくすることができる。そのため、基板側電極6Aの内部に生じる応力を緩和することができ、基体7とPCB5との剥離(以下、単に「剥離」と称する)が生じる可能性を低減することができる。
また、圧延Cuにより形成された基板側電極6Aはヤング率が130GPaであり、ガラスエポキシにより形成されたPCB5はヤング率が15GPaであるため、基板側電極6Aは、PCB5に比べてヤング率の高い構成となっている。そのため、熱を加えて基体7とPCB5とを接合した後、温度が低下する際にヤング率の高い基板側電極6Aが、PCB5の縮む変形に対して突っ張ることになる。これに対して、サーマルヘッドX1は、グランド電極16Aが、長手方向に複数個分断されグランド電極16Aa,16Ab,16Acとして形成されているため、各グランド電極16Aa,16Ab,16Acの間隔がPCB5の縮む変形に対して緩和するように機能する。それにより、PCB5の内部に応力集中が生じることを抑えることができ、剥離する可能性を低減することができる。
基板側電極6Bは、IC制御電極18により構成されている。IC制御電極18は、ICを制御するための信号を供給するための電極であり、それぞれが他のIC制御電極18と独立して設けられている。IC制御電極18の一端部はビアホール14Bに接続されており、他端部はコネクタ用端子32Bに接続されている。ビアホール14Bは、基板側電極6Dに設けられたIC制御電極18と、基板側電極6Bに設けられたIC制御電極18とを接続している。そのため、コネクタを介して外部電源とヘッド基体3とを接続することができる。また、ビアホール10B,12Bは、PCB5の一方の長辺5a側に複数個設けられているが、基板側電極6Bとは電気的に接続されていない。なお、図4ではIC制御電極18が4本のみ記載した例を示したが、実際は電源電極20に対応する個数のIC制御電極18が設けられている。
基板側電極6Cは、電源電極20Cにより構成されている。電源電極20CはサーマルヘッドX1に電源を供給するものである。基板側電極6Cを構成する電源電極20Cは、長手方向の一端部から他端部わたって設けられている。すなわち、PCB5の略全域にわたって設けられている。そして、電源電極20Cは、長手方向に複数個分断された電源電極20Ca,20Ccにより形成されている。
電源電極20Ca,20Ccは、それぞれ両端にビアホール10Cが設けられている。基板側電極6Cの長手方向における両端部に形成されたビアホール10Cは、基板側電極6Dの端子と接続されており、それにより、基体7と電気的に接続されている。
また、基板側電極6Cの長手方向における中央部に形成されたビアホール10Cは、基板側電極6Dの電源電極20Dbと接続されている。そのため、基板電極6Cの電源電極20Ca,20Ccと基板側電極6Dの電源電極20Dbとが電気的に接続されることとなる。
基板側電極6Cは、PCB5の一方の長辺5a側に、ビアホール10C,12C,14Cが設けられている。ビアホール10Cは、長手方向の両端部に設けられており、基板側電極6Dのビアホール10Dと電気的に接続されている。また、長手方向における両端部にビアホール12C,14Cが通るためのパターン非形成部12C,14Cが設けられている。そのため、PCB5の電源5Cと、ビアホール12C,14Cとは電気的に接続されていない。また、PCB5の他方の長辺5b側には、複数のコネクタ用端子32Cが設けられており、コネクタ(不図示)を介して外部の電源と接続されている。
基板側電極6Cは、長手方向にわたって設けられた電源電極20Cが形成されており、電源電極20Cが、長手方向に複数個分断された電源電極20Ca,20Ccにより形成されている。それにより、電源電極が長手方向に複数個分断されておらず長手方向にわたって設けられた態様に比べて、各電源電極の20Ca,20Ccの長手方向の長さを短くすることができる。そのため、電源電極20の長手方向に変形する変形量を小さくすることができる。
また、各電源電極20Ca,20Ccとの間に間隔が設けられることとなる。そのため、電源電極20Ca,20Ccが、PCB5に基体7よりも大きく伸縮する変形が生じた場合においても、間隔により電源電極20の内部に生じる応力を緩和することができ、剥離が生じる可能性を低減することができる。
基板側電極6Dは、グランド電極16D、IC制御電極18Dの端子、および電源電極20Dを有している。グランド電極16Da,16Dcは、長手方向の中央部に間隔をあけて配置されており、PCB5の一方の長辺5a側に一部設けられていない領域Aがある。また、グランド電極16Da,16Dcとの間隔に電源電極20Dbが設けられている
。領域Aは長手方向における両端部に設けられており、複数のIC制御電極18Dの端子および電源電極20の端子がこの領域に設けられている。そして、PCB5の一方の長辺5a側に位置する2点鎖線で囲む領域Aが、基体7の電極の端子と接続される基板側電極6の端子として機能する。そのため、領域Aは、カバー部材4Bよりも外側に配置され、外部に露出している。
基板側電極6Dのグランド電極16Da,16Dcおよび電源電極20Dbは、それぞれ間隔をあけて設けられている。そのため、グランド電極16Da,16Dcおよび電源電極20Dbが、PCB5に基体7よりも大きく伸縮する変形が生じた場合においても、電源電極20の内部に生じる応力を緩和することができ、剥離が生じる可能性を低減することができる。
これらの基板側電極6A,6B,6C,6Dと、基材8と、カバー部材4とを積層してPCB5は形成されている。このように、グランド電極16および電源電極20が、長手方向にわたって設けられているとともに、長手方向に複数個分断されて形成されていることから、グランド電極16および電源電極20が、PCB5に基体7よりも大きく伸縮する変形が生じた場合においても、グランド電極16および電源電極20の内部に生じる応力を緩和することができ、剥離が生じる可能性を低減することができる。
また、長手方向に分断されたグランド電極16および電源電極20は、ビアホール10,12を介して、他の基板側電極6に設けられたグランド電極16および電源電極20と電気的に接続されている。そのため、グランド電極16および電源電極20を分断したとしても、電気的に導通を図ることができるとともに、グランド電極16および電源電極20の電極面積が小さくなることを抑えることができる。
次に、図2を用いて、基体7とPCB5との接続方法について説明する。図2において、PCB5は、簡略化して示してある。
PCB5は、一方の長辺5a側にて基板側電極6が露出しており、基体7の電極であるIC−PCB接続電極21と導電部材32を介して接続されている。導電部材32は、例えば、導電性導電部材である半田材料、または電気絶縁性の樹脂中に導電性粒子が混入された異方性導電材料(ACF)等を例示することができる。そして、PCB5は、PCB5の下面に両面テープあるいは接着剤等(不図示)によって放熱体1の突起部1bに接着されている。
なお、本願発明における第1電極の例示としては、基板側電極16Aのグランド電極16Aa,16Ab,16Acをあげることができ、第2電極の例示としては、基板側電極16Dのグランド電極16Da,16Dcをあげることができる。このように、第1電極と第2電極との間は、複数層の絶縁層である基材8を介在させてもよい。また、基板側電極6Cの電源電極20Ca,20Cbと、基板側電極6Dの電源電極20Daのように、間に基材8を一層のみ介在させてもよい。
次に、本発明のサーマルプリンタの一実施形態について、図5を参照しつつ説明する。図5は、本実施形態のサーマルプリンタZの概略構成図である。
図5に示すように、本実施形態のサーマルプリンタZは、上述のサーマルヘッドX1、搬送機構40、プラテンローラ50、電源装置60、および制御装置70を備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZの筐体(不図示)に設けられた取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、このサーマルヘッドX1は、発熱部9の配列方向が、後述する記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向である主走査方向に沿うよう
にして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを図5の矢印S方向に搬送して、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上に搬送するためのものであり、搬送ローラ43,45,47,49を有している。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆して構成することができる。なお、図示しないが、記録媒体Pが、インクが転写される受像紙等の場合は、記録媒体PとサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、記録媒体Pとともにインクフィルムを搬送するようになっている。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧するためのものであり、記録媒体Pの搬送方向Sに直交する方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給するためのものである。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給するためのものである。
本実施形態のサーマルプリンタZは、図5に示すように、プラテンローラ50によって記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、搬送機構40によって記録媒体Pを発熱部9上に搬送しながら、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることで、記録媒体Pに所定の印画を行うことができる。なお、記録媒体Pが受像紙等の場合は、記録媒体Pとともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを記録媒体Pに熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行うことができる。
<第2の実施形態>
図6を用いて、第2の実施形態に係るサーマルヘッドX2について説明する。図6〜10は、PCB5を構成する基板側電極6を概略的に示している。符号22は第1電極を示し、符号24は第2電極を示す。第1電極22としては、グランド電極を例示することができ、第2電極24としては、第1電極22とは絶縁層を介して設けられたグランド電極を例示することができる。なお、第1電極22および第2電極24は、グランド電極に限られるものではなく電源電極でもよい。
図6に示すように、基板側電極6は、第1電極22および第2電極24を有しており、第1電極22と第2電極24とが、ビアホール26,28を介して電気的に接続されている。そして、第1電極22が、長手方向に複数個分断されて第1電極22A,22B,22C,22Dを形成している。同様に、第2電極24が、長手方向に複数個分断されて第2電極24A,24B,24Cを形成している。各第1電極22A,22B,22C,22Dおよび各第2電極24A,24B,24Cは、一方の長辺5a側に設けられたビアホール26と、他方の長辺5b側に設けられたビアホール28とにより接続されている。そして、第1電極22A,22B,22C,22Dと、第2電極24A,24B,24Cとは、平面視して、長手方向に交互に配置されている。
このように、サーマルヘッドX2は、第1電極22A,22B,22C,22Dと、第2電極24A,24B,24Cとは、平面視して、長手方向に交互に配置されていること
から、各第1電極22A,22B,22C,22Dの間隔と、各第2電極24A,24B,24Cの間隔とが、平面視して、交互に配置されることとなる。
それにより、第1電極22および第2電極24の変形により生じた応力が、交互に配置された間隔により緩和されることとなり、PCB5全体として内部に応力が生じにくくなる。それにより、基体7とPCB5との剥離が生じる可能性を低減することができる。
また、サーマルヘッドX2は、分断された各第1電極22および各第2電極24に設けられたビアホール26,28が長手方向に互いにずれた位置に配置されていることから、第1電極22および第2電極24における長手方向の電流の流れをビアホール26,28の存在により妨げることを抑制することができる。また、サーマルヘッドX2は、各第1電極22A,22B,22C,22Dおよび各第2電極24A,24B,24Cに設けられたビアホール26,28が、互いに対角線上の遠い位置に配置されている。そのため、第1電極22および第2電極24を流れる電流の妨げを抑えることができる。
さらに、サーマルヘッドX2は、長手方向の端部に設けられた第1電極22A,22Dの長さが、長手方向の中央部に設けられた第1電極22B,22Cの長手方向の長さよりも短い構成となっている。それにより、基体7とPCB5との接着強度の最も低い長手方向の端部において、第1電極22A,22Dの変形量を、中央部に位置する第1電極22B,22Cよりも小さくすることができる。そのため、両端部に生じる応力を緩和することができ、基体7とPCB5との剥離が生じる可能性の低減することができる。
図7は、サーマルヘッドX2の変形例を示している。図7に示すように、平面視して、第1電極22B,22Cおよび第2電極24B,24Cを平行四辺形状に形成してもよい。第1電極22B,22Cおよび第2電極24B,24Cを平行四辺形状に形成し、対向する第1電極22および第2電極24同士の斜辺に沿うようにビアホール26,28を設けることで、PCB5の幅方向から見て、ビアホール26の位置と、ビアホール28の位置とをずらすことができる。それにより、第1電極22および第2電極24をPCB5の幅方向に流れる電流の流れを妨げることを抑えることができる。
<第3の実施形態>
図8を用いて、第3の実施形態に係るサーマルヘッドX3について説明する。
サーマルヘッドX3は、平面視して、第1電極22および第2電極24が台形形状に形成されている点、およびビアホール30が、第1電極22に電気的に接続され、第2電極24が形成される基板側電極6Bに電気的に接続されていない点でサーマルヘッドX2と構成が異なる。その他の構成は、サーマルヘッドX2と同様である。
第1電極22A,22B,22C,22Dは、その短辺が一方の長辺5a側に設けられており、その長辺が他方の長辺5b側に設けられた台形形状に形成されている。そして、第1電極22の一方の長辺側5a側に位置する短辺の長さの合計(W1a+W2a+W3a+W4a)が、第1電極22の他方の長辺5b側に位置する長辺の長さの合計(W1d+W2d+W3d+W4d)よりも短い構成となっている。
第2電極24A,24B,24C,24Dは、その短辺が一方の長辺5a側に設けられており、その長辺が他方の長辺5b側に設けられた台形形状に形成されている。そして、第2電極24の一方の長辺側5a側に位置する短辺の長さの合計(D1a+D2a+D3a+D4a)が、他方の長辺5b側に位置する長辺の長さの合計(D1d+D2d+D3d+D4d)よりも短い構成となっている。
サーマルヘッドX3は、各第1電極22と各第2電極24とが、複数のビアホール26,28により電気的に接続されている。ビアホール26,28は、第1電極22にそれぞれ設けられている。また、第1電極22に接続され、第2電極24に接続されていないビアホール30が、一方の長辺側5aに複数設けられている。
ビアホール30は、一方が基板側電極6Aの第1電極22に接続されており、他方が基板側電極6Bのダミー電極36に接続されている。ダミー電極36は、ビアホール30の内部に導体を形成するために設けられており、第2電極24とは電気的に接続されておらず、第1電極22のみと電気的に接続されている。
ここで、基体7とPCB5とを半田材料を用いて接続する場合、はんだ材料を溶融させて接合する必要があり、PCB5の一方の長辺5a側の温度を上昇させる必要がある。また、ACFを用いて接続する場合、ACFを熱圧着する必要があり、PCB5の一方の長辺5a側の温度を上昇させる必要がある。そのため、PCB5の一方の長辺5a側に熱応力が生じることとなる。
また、はんだ材料の溶融時、あるいはACFの熱圧着時によりPCB5の一方の長辺5a側に生じた熱は、第1電極22および第2電極24を通じて熱伝導することとなり、PCB5の全域にわたって熱が拡散していくこととなる。それに伴い、PCB5あるいは基板側電極である第1電極および第2電極に熱膨張および収縮が生じ、PCB5に変形が生じる可能性がある。
これに対して、サーマルヘッドX3は、第1電極22および第2電極24の一方の長辺側5a側の長さの合計が、他方の長辺側5bの長さの合計よりも短い構成となっているため、PCB5よりも熱膨張係数の大きい第1電極22を減らすことができる。そのため、一方の長辺側5aの熱膨張係数をPCB5に近づけることができ、PCB5に熱応力が生じた場合においても、第1電極22および第2電極24の熱膨張および収縮を低減することができることから、PCB5に変形が生じる可能性を低減することができる。それにより、基体7とPCB5との剥離が生じる可能性をさらに低減することができる。
さらに、サーマルヘッドX3は、PCB5の一方の長辺5a側に、一方が第1電極22に接続され、他方がダミー電極36に接続されたビアホール30が設けられていることから、PCB5の一方の長辺5a側に生じた熱を、ビアホール30を通じて、基板側電極6Bのダミー電極36および基材8に伝熱することができる。それにより、第1電極22に生じた熱を効果的に放熱することができる。なお、ビアホール30は、起案側電極6Aにダミー電極36を設けて、一方が第2電極24に接続され、他方がダミー電極36に接続される構成としてもよい。その場合においても第2電極24に生じた熱を効果的に放熱することができる。
なお、サーマルヘッドX3においては、第1電極22および第2電極24の一方の長辺5a側の長さが、他方の長辺5d側の長さよりも短い構成を示したが、第1電極22または第2電極24のみ一方の長辺5a側の長さが、他方の長辺5d側の長さよりも短い構成でもよい。
また、サーマルヘッドX3においては、第1電極22および第2電極24が台形形状であり、第1電極22および第2電極24のそれぞれが、PCB5の一方の長辺側5aに、台形の短辺を配置される例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、第1電極22を形成する台形の短辺を一方の長辺5a側に配置し、第2電極24を形成する台形の長辺を一方の長辺5a側に配置してもよい。その場合、一方の長辺5a側に第1電極22および第2電極24が交互に配置されることとなり、熱分布を均一に近づけることがで
きる。
<第4の実施形態>
図9を用いて、第4の実施形態に係るサーマルヘッドX4について説明する。
サーマルヘッドX4は、第1電極22および第2電極24の一方の長辺5a側に、長手方向に沿った細孔32が設けられている点でサーマルヘッドX2と構成が異なる。その他の点はサーマルヘッドX2と構成が同等である。
細孔32は、第1電極22および第2電極24にそれぞれ複数設けられており、分断された各第1電極22および各第2電極に、それぞれ1つずつビアホール26の間に配置されている。細孔32の長さおよび幅は、熱伝導の抑制と、電気の流れやすさを考慮して適宜設定すればよい。
サーマルヘッドX4は、PCB5の一方の長辺5a側に、長手方向に沿った細孔32が複数個設けられているため、基体7とPCB5との接合時に生じた熱が、第1電極22および第2電極24を通じて熱伝導することを有効に抑えることができる。
なお、ビアホール26同士の間に細孔32を設けた例を示したが、例えば、ビアホール26よりも一方の長辺5a側に設けてもよい。その場合においても、他方の長辺5d側に熱伝導することを低減することができる。
また、細孔32は、長手方向の中央部に設けられた細孔32の長さが、長手方向の両端部に設けられた細孔32の長さよりも長い構成としてもよい。そのような構成をとることで、他の部位に比べて高温になる可能性のある中央部の熱をPCB5に熱伝導することを抑えることができる。
なお、細孔32の長手方向における長さを、細孔32を設ける位置によって変更する例を示したが、細孔32の幅を、細孔32を設ける位置によって変更してもよい。
図10を用いてサーマルヘッドX4の変形例を説明する。図10に示すサーマルヘッドX4は、細孔32に変えてスリット34が設けられている。スリット34は、第1電極22および第2電極24の一方の長辺5a側に、第1電極22および第2電極24の幅方向に延びた状態で設けられている。スリット34は、各第1電極22B,22Cおよび各第2電極24A,24B,24Cにそれぞれ2本ずつ設けられている。
サーマルヘッドX4は、第1電極22および第2電極24の一方の長辺5a側に、スリット34が設けられていることに、PCB5の一方の長辺5a側に熱が生じた場合においても、スリット34の部位が、熱を他方の長辺5d側に伝熱することを抑えることができる。また、熱により、第1電極22および第2電極24に変形が生じて、PCB5の内部応力が高まった場合においても、スリット34に内部応力を緩和することができ、基体7とPCB5との剥離する可能性を低減することができる。
また、配列方向における中央部のスリットの長さを、配列方向における両端部のスリットの長さよりも長い構成としてもよい。さらにまた、配列方向における中央部のスリットの数を、配列方向における両端部のスリットの数よりも多い構成としてもよい。これらの構成をとれば、熱応力の高い長手方向の中央部の熱伝導を緩和することができるとともに、内部応力を緩和することができる。なお、細孔32とスリット34とを組み合わせた構成としてもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態であるサーマルヘッドX1を用いたサーマルプリンタZを示したが、これに限定されるものではなく、サーマルヘッドX2〜X4をサーマルプリンタZに用いてもよい。また、複数の実施形態であるサーマルヘッドX1〜X4を組み合わせてもよい。
例えば、発熱体15が端面に設けられた端面ヘッドに本発明を用いてもよく、折り返し電極を有するサーマルヘッドに本発明を用いてもよい。
また、サーマルヘッドX1では、蓄熱層13に***部13bが形成され、***部13b上に電気抵抗層15が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13に***部13bを形成せず、電気抵抗層15の発熱部9を、蓄熱層13の下地部13b上に配置してもよい。または、蓄熱層13を形成せず、基体7上に電気抵抗層15を配置してもよい。
また、サーマルヘッドX1では、電気抵抗層15上に共通電極17および個別電極19が形成されているが、共通電極17および個別電極19の双方が発熱部9(電気抵抗体)に接続されている限り、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13上に共通電極17および個別電極19を形成し、共通電極17と個別電極19との間の領域のみに電気抵抗層15を形成することにより、発熱部9を構成してもよい。
また、PCB5が基板側電極6を4層積層した例を示したが、基板側電極6が絶縁層を介して、2層以上積層されたものであればよく、基板側電極6が4層以外の積層したものでもよい。
X1〜X4 サーマルヘッド
Z サーマルプリンタ
1 放熱体
3 ヘッド基体
4 カバー部材
5 ガラスエポキシ基板
6 基板側電極
7 基体
8 基材
9 発熱部(電気抵抗体)
10,12,14,26,28,30 ビアホール
11 駆動IC
17 共通電極
17a 主配線部
17b 副配線部
17c リード部
19 個別電極
21 IC−PCB接続電極
22 第1電極
24 第2電極
25 保護層
27 被覆層
32 細孔
34 スリット

Claims (7)

  1. 基体と、
    該基体上に複数設けられた発熱部と、
    該発熱部と電気的に接続された基体側電極と、
    該基体側電極と電気的に接続された基板側電極を有しており、かつ矩形状のガラスエポキシ基板と、を備え、
    前記基板側電極は、該ガラスエポキシ基板の長手方向の一端部から他端部にわたって設けられた第1電極と、該第1電極と絶縁層を介して設けられた第2電極と、を有し、
    前記第1電極は、前記ガラスエポキシ基板の長手方向に複数個分断されており、分断されたそれぞれの前記第1電極は、前記絶縁層に設けられたビアホールを介して前記第2電極と電気的に接続されている、ことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記第2電極は、前記ガラスエポキシ基板の長手方向に複数個分断されており、
    平面視して、前記第1電極と前記第2電極とが交互に配置されている、請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 分断されたそれぞれの第1電極には、複数の前記ビアホールが設けられており、
    複数の前記ビアホールが、前記ガラスエポキシ基板の長手方向に対し互いにずれた位置に配置されている、請求項1または2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記ガラスエポキシ基板は、一方の長辺側にて、前記基板と導電部材を介して接続されており、
    前記ガラスエポキシ基板の前記一方の長辺側における前記第1電極の合計長さが、前記ガラスエポキシ基板の他方の長辺側における前記第1電極の合計長さよりも短い、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記ガラスエポキシ基板の長手方向において、前記ガラスエポキシ基板の端部に位置する前記第1電極の長さが、前記ガラスエポキシ基板の中央部に位置する前記第1電極の長さよりも短い、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
  6. 前記ガラスエポキシ基板は一方の長辺側にて、前記基板と導電部材を介して接続されており、
    前記第1電極は、前記ガラスエポキシ基板の前記一方の長辺側に、該ガラスエポキシ基板の長手方向に沿った細孔が設けられている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のサーマルヘッドと、前記複数の発熱部上に記録媒体を搬送する搬送機構と、前記複数の発熱部上に記録媒体を押圧するプラテンローラとを備えることを特徴とするサーマルプリンタ。
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