JP2013149887A - 電磁波シールド方法、電磁波シールドケース及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド方法、電磁波シールドケース及びその製造方法 Download PDF

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利信 坪井
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道哉 加藤
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Abstract

【課題】軽量化を図ることが可能な電磁波シールド方法、電磁波シールドケース及びその製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】
本発明に係る電磁波シールドケース10は、樹脂製ケース11の内面11Mに、導電性金属層21に熱可塑性樹脂層22を重ねた第1の金属シールドフィルム20が重ねられ、第1の金属シールドフィルム20の内側に、導電性金属層31のみからなる第2の金属シールドフィルム30が隙間34を有した状態で重ねられている。そして、この隙間34に空気が入り込むことで、第1と第2の金属シールドフィルム20,30の間に空気層が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、導電性金属からなる金属箔、導電性金属層に熱可塑性樹脂層を重ねた積層シート、その他の電磁波シールドシートを用いた電磁波シールド方法、電磁波シールドケース及びその製造方法に関する。
従来の電磁波シールド方法として、金属箔や、金属箔に熱可塑性樹脂フィルムを貼り合わせた積層シートで電磁波をシールドするものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平6−152182号公報([0002])
しかしながら、上述した従来の電磁波シールド方法では、シールド効果を向上させるために金属箔を厚くすると、金属箔や積層シートが重くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、軽量化を図ることが可能な電磁波シールド方法、電磁波シールドケース及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、金属箔を2枚重ねにして両金属箔の間に空気層を形成すると、両金属箔の厚さを足し合わせた厚さの金属箔を1枚だけで用いる場合よりも、シールド効果が向上することを見出した。また、各金属箔を、導電性金属層に熱可塑性樹脂層を重ねた積層シートに置き換えても、同様の効果が得られることを見出した。これらの知見を踏まえて、本発明者らは、以下の発明を完成するに至った。
即ち、請求項1の発明に係る電磁波シールドケース(10)は、導電性金属(31)で構成された金属箔(30)、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)、その他の電磁波シールドシートを隙間(34)を有した状態で2枚重ねにしてなる2枚重ねシート(15)で、樹脂製のケース本体(11)の内面(11M)又は外面を覆ってなり、各電磁波シールドシート(20,30)の導電性金属(21,31)をアース接続するためのアース端末部(17)を備えたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電磁波シールドケース(10)において、2枚重ねシート(15)の一方の電磁波シールドシート(20)を、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)とし、その熱可塑性樹脂層(22)をケース本体(11)に固着させたところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の電磁波シールドケース(10)において、2枚重ねにした両電磁波シールドシート(20,30)の互いの重ね合わせ面(20M,30M)がそれぞれ導電性金属(21,31)で構成されているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の電磁波シールドケース(10)において、2枚重ねシート(15)の両方の電磁波シールドシート(20,30)を貫通した状態で熱カシメされた熱カシメ突部(12)を備えたところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の電磁波シールドケース(10)において、2枚重ねシート(15)のうちの一方の電磁波シールドシート(30)を導電性金属(31)で構成された金属箔(30)とし、その金属箔(30)にランダムな折り目による凹凸を形成したところに特徴を有する。
請求項6の発明に係る電磁波シールドケース(10)の製造方法は、導電性金属(31)で構成された金属箔(30)、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)、その他の電磁波シールドシートで樹脂製のケース本体(11)の内面(11M)又は外面を覆って電磁波をシールド可能とした電磁波シールドケース(10)の製造方法において、電磁波シールドシート(20,30)を隙間(34)を有した状態に2枚重ねにしてなる2枚重ねシート(15)を、ケース本体(11)を成形するための樹脂成形金型(40)内にセットしてから、樹脂成形金型(40)内に溶融樹脂(60)を射出して、その溶融樹脂(60)の樹脂圧で2枚重ねシート(15)を樹脂成形金型(40)のキャビティ内面(41M)に押し付け、ケース本体(11)と共に2枚重ねシート(15)を成形するところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項6に記載の電磁波シールドケース(10)の製造方法において、2枚重ねシート(15)のうち一方の電磁波シールドシート(20)を、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)とし、その積層シート(20)を、熱可塑性樹脂層(22)がケース本体(11)側を向くように配置するところに特徴を有する。
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の電磁波シールドケース(10)の製造方法において、キャビティ内面(41M)にピン受容凹部(44A)を形成しておくと共に、樹脂成形金型(40)内でピン受容凹部(44A)に向かって進退可能な成形ピン(48)を設けておき、樹脂成形金型(40)を型閉じしたときに、成形ピン(48)を前進させて2枚重ねシート(15)を貫通した樹脂通過孔(48A)を形成し、成形ピン(48)を後退させた後に溶融樹脂(60)を射出して、ピン受容凹部(44A)に対応しかつ2枚重ねシート(15)を貫通したシート貫通突部(13)をケース本体(11)と一体に形成し、ケース本体(11)及び2枚重ねシート(15)を樹脂成形金型(40)から取り出して、シート貫通突部(13)の先端を熱カシメするところに特徴を有する。
請求項9の発明に係る電磁波シールド方法は、導電性金属(31)で構成された金属箔(30)、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)、その他の電磁波シールドシートを隙間(34)を有した状態で2枚重ねにしてなる2枚重ねシート(15)を形成し、それら各電磁波シールドシート(20,30)の導電性金属(21,31)をアース接続して、2枚重ねシート(15)にて電磁波をシールドするところに特徴を有する。
[請求項1,9の発明]
請求項1,9の発明によれば、2枚重ねにした電磁波シールドシート(20,30)の間の隙間(34)に空気が入り込むことで、両電磁波シールドシート(20,30)の間に空気層が形成される。従って、各電磁波シールドシート(20,30)の導電性金属層(21,31)の厚さを合計した厚さの導電性金属層を有する電磁波シールドシートを単品で用いた場合に比べて、シールド効果を向上させることができる。即ち、本発明では、単品の電磁波シールドシートを用いた場合と同等のシールド効果を、導電性金属層の厚さを薄くしても達成することができ、これにより、軽量化を図ることができる。
[請求項2の発明]
請求項2の発明では、一方の電磁波シールドシート(20)が、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)になっているので、その電磁波シールドシート(20)の強度アップが図られる。また、熱可塑性樹脂層(22)がケース本体(11)に固着した構成になっているので、インサート成形により一方の電磁波シールドシート(20)とケース本体(11)の一体成形が可能になる。
[請求項3の発明]
請求項3の発明では、2枚重ねシート(15)のうち両電磁波シールドシート(20,30)の互いの重ね合わせ面(20M,30M)が導電性金属(21,31)で構成されている。ここで、互いの重ね合わせ面(20M,30M)のうち一方の面が、例えば、熱可塑性樹脂層で構成されている場合には、その熱可塑性樹脂層の溶着によって両電磁波シールドシート(20,30)間の隙間(34)が消滅するおそれがあるが、本発明によれば、そのような隙間(34)の消滅を防ぐことが可能になる。
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、2枚の電磁波シールドシート(20,30)をまとめてケース本体(11)に固定することが可能になる。
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、2枚重ねシート(15)の両電磁波シールドシート(20,30)の間に容易に隙間(34)を形成することができる。
[請求項6の発明]
請求項6の発明では、電磁波シールドシート(20,30)を2枚重ねにしてなる2枚重ねシート(15)を樹脂成形金型(40)内にセットしてから溶融樹脂(60)を射出し、溶融樹脂(60)の樹脂圧で2枚重ねシート(15)をキャビティ内面(41M)に押しつけることで、ケース本体(11)の内面(11M)又は外面を2枚重ねシート(15)で覆ってなる電磁波シールドケース(10)が得られる。ここで、2枚の電磁波シールドシート(20,30)は、隙間(34)を有した状態で樹脂成形金型(40)内にセットされるので、本発明により製造された電磁波シールドケース(10)は、電磁波シールドシート(20,30)の間の隙間(34)に空気が入り込むことで、両電磁波シールドシート(20,30)の間に空気層が形成された構成となる。そして、この電磁波シールドケース(10)によれば、電磁波シールドシート(20,30)に含まれる導電性金属層(21,31)の厚さを合計した厚さの導電性金属層を有する電磁波シールドシートを単品で用いた場合に比べて、シールド効果を向上させることができる。即ち、本発明の電磁波シールドケース(10)の製造方法によれば、単品の電磁波シールドシートを用いた電磁波シールドケースと同等のシールド効果を、導電性金属層の厚さを薄くしても達成することができ、これにより、電磁波シールドケースの軽量化を図ることができる。
[請求項7の発明]
請求項7の発明では、一方の電磁波シールドシート(20)が、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)になっているので、その電磁波シールドシート(20)の強度アップが図られる。また、熱可塑性樹脂層(21)がケース本体(11)側を向くように配置されるので、ケース本体(11)を成形する際に、一方の電磁波シールドシート(20)をケース本体(11)に固着させることが可能になる。
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、シート貫通突部(13)の先端を熱カシメするだけで2枚の電磁波シールドシート(20,30)をまとめてケース本体(11)に固定することができる。また、シート貫通突部(13)は、ケース本体(11)と一体に成形されるので、シート貫通突部(13)をわざわざ設ける手間が省ける。
電磁波シールドケースの斜視図 熱カシメ突部周辺の側断面図 (A)型開き状態の樹脂成形金型の側断面図、(B)2枚重ねシートの側断面図 型閉じ状態の樹脂成形金型の側断面図 成形ピンを前進させたときの樹脂成形金型の側断面図 溶融樹脂を射出したときの樹脂成形金型の側断面図 熱カシメ前のケース本体の側断面図 熱カシメ後のケース本体の側断面図 サンプル(1)の電磁波シールド特性を表すグラフ アース接続された電磁波シールドケースの側断面図 変形例に係る電磁波シールドケースの側断面図
以下、本発明に係る一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。図1に示すように、本発明に係る電磁波シールドケース10は、ボックス部11Aの開口縁部から鍔部11Bが外側に張り出した樹脂製のケース本体11を備えている。そして、図2に示すように、ケース本体11の内面11Mが、第1の電磁波シールドシート20と第2の電磁波シールドシート30を2枚重ねにしてなる2枚重ねシート15で覆われている。
図2に示すように、第1の電磁波シールドシート20は、導電性金属層21に熱可塑性樹脂層22が積層された2層構造になっていて、ケース本体11側に熱可塑性樹脂層22が配置されて、ケース本体11の内面11Mに固着している。即ち、第1の電磁波シールドシート20は、積層シートで構成されている。また、第2の電磁波シールドシート30は、導電性金属層31の一層のみからなる。即ち、第2の電磁波シールドシートは、導電性金属からなる金属箔で構成されている。
導電性金属層21及び導電性金属層31を構成する導電性金属としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂層22を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂(例えば、PET、PBT)やポリオレフィン系樹脂(例えば、PE、PP)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン)、ポリエーテル系樹脂(例えば、PEK、PES)、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。
ケース本体11の鍔部11Bには、第1の電磁波シールドシート20と第2の電磁波シールドシート30とを貫通した状態で熱カシメされた熱カシメ突部12が設けられている。そして、熱カシメ突部12と鍔部11Bとによって第2の電磁波シールドシート30を挟持することで、第2の電磁波シールドシート30がケース本体11に固定されている。
ここで、第1の電磁波シールドシート20と第2の電磁波シールドシート30とは、隙間34を有した状態で重ねられている。そして、その隙間34に空気が入り込むことで、第1の電磁波シールドシート20と第2の電磁波シールドシート30との間に空気層が形成可能になっている。
詳細には、第2の電磁波シールドシート30には、ランダムな折り目つけられており、その折り目の凹凸によって、隙間34が形成されている。なお、図2では、隙間34は、便宜上、層状に表されると共に、厚さが拡大して示されている。
また、上述した第1の電磁波シールドシート20と第2の電磁波シールドシート30の構成から、それら電磁波シールドシートのうち隙間34を挟んで対向した重ね合わせ面20M,30Mは、第1の電磁波シールドシート20の導電性金属層21と、第2の電磁波シールドシート30の導電性金属層31とで構成されている。
また、図2に示すように、熱カシメ突部12の先端のフランジ部分と第2の電磁波シールドシート30との間には、アース端末部17が挟まれている。具体的には、アース端末部17は、金属製のカラーで構成され、その内側を熱カシメ突部12が貫通している。このアース端末部17は、第2の電磁波シールドシート30に直に接することで、導電性金属層31に導通接続されている。また、第2の電磁波シールドシート30が、第1の電磁波シールドシート20の導電性金属層21に直に接することで、アース端末部17は、導電性金属層21にも導通接続されている。即ち、アース端末部17は、導電性金属層21,31に導通接続されている。そして、図10に示すように、アース端末部17が、例えば、金属塊18に接続されることで、導電性金属層21,31のアースを取ることが可能になっている。なお、図10では、熱カシメ突部12にボルト孔を形成することで、電磁波シールドケース10が金属塊18に固定されている。
電磁波シールドケース10の構成に関する説明は以上である。次に、電磁波シールドケース10の製造方法について説明する。電磁波シールドケース10を製造するためには、図3(A)に示す樹脂成形金型40を用いる。
樹脂成形金型40の可動型41は、固定型45へ向かって突出した成形突部42が中央部に形成されている。また、可動型41の外縁部43と成形突部42との間には、外縁部43よりも固定型42から離れるように陥没した溝部44が形成され、溝部44の奥面の外縁部43寄り位置に、複数のピン受容凹部44Aが設けられている。
樹脂成形金型40の固定型45は、中央部に成形突部42を受容可能な成形凹部46を備え、その成形凹部46の奥面で開口した射出口47が設けられている。また、成形凹部46より外側には、可動型41のピン受容凹部44Aに向かって進退可能な成形ピン48が複数設けられている。
また、図3(A)に示すように、樹脂成形金型40の側方には、シート送給装置50が備えられ、そのシート送給装置50から第1の電磁波シールドシート20及び第2の電磁波シールドシート30が、隙間を有して2枚重ねにされた状態で送給されるようになっている。即ち、シート送給装置50は、樹脂成形金型40に2枚重ねシート15を送給するようになっている。
なお、詳細には、樹脂成形金型40の可動型41は、水平方向に移動可能になっていて、シート送給装置50は、樹脂成形金型40の上方に配置されている。そして、樹脂成形金型40が型開き状態のときに、シート送給装置50により2枚重ねシート15を送給すると、図3(B)に示すように、第1と第2の電磁波シールドシート20,30が、隙間34を有した状態で固定型45と可動型41の間に垂下してくるようになっている。
また、2枚重ねシート15のうち第1の電磁波シールドシート20は、固定型45側に配置され、第2の電磁波シールドシート30は、可動型41側に配置される。さらに、第1の電磁波シールドシート20は、熱可塑性樹脂層22が固定型45を向くようになっている。
さて、樹脂成形金型40を用いて電磁波シールドケース10を製造するには、まず、シート送給装置50から送給された2枚重ねシート15を樹脂成形金型40内にセットする。
2枚重ねシート15を樹脂成形金型40内にセットしたら、可動型41を移動させて樹脂成形金型40を型閉じする(図4参照)。すると、2枚重ねシート15が、可動型41の外縁部43と固定型45とに挟持される。
また、可動型41の成形突部42が固定型45の成形凹部46内に受容されると共に、2枚重ねシート15が、可動型41のキャビティ内面41Mの形状と同様に、中央部が固定型45側に突き出された形状になる。このとき、第2の電磁波シールドシート30に、ランダムな折り目が形成され、第1と第2の電磁波シールドシート20,30の間の隙間34が保持される。なお、図4及び図5では、便宜上、2枚重ねシート15が可動型41のキャビティ内面41Mに沿った形状に示されている。
次に、固定型45の成形ピン48を、可動型41のピン受容凹部44A内へ向けて前進させる(図5参照)。すると、2枚重ねシート15に、樹脂通過孔48Aが貫通形成される。
次いで、成形ピン48を後退させ、射出口47から樹脂成形金型40内に溶融樹脂60を射出してケース本体11を成形する(図6参照)。このとき、溶融樹脂60の樹脂圧によって、2枚重ねシート15が可動型41のキャビティ内面41Mに押しつけられ、ケース本体11と一体に成形される。また、第1の電磁波シールドシート20の熱可塑性樹脂層22は、ケース本体11の内面に固着する。
また、溶融樹脂60は、2枚重ねシート15の樹脂通過孔48Aを通ってピン受容凹部44A内に進入する。そして、2枚重ねシート15を貫通したシート貫通突部13がケース本体11と一体に形成される。
次いで、ケース本体11及び2枚重ねシート15を樹脂成形金型40から取り出し、図7に示すように、支持台52にセットする。このとき、アース端末部17にシート貫通突部13を挿通させ、2枚重ねシート15をケース本体11の鍔部11Bとアース端末部17とで挟む。
次いで、押圧部材53及びカッター54を支持台52に接近させると、図8に示すように、カッター54にて2枚重ねシート15の不要な外縁部を切除すると共に、押圧部材53にてシート貫通突部13を熱カシメする。即ち、シート貫通突部13の先端部が押し潰されて、熱カシメ突部12が形成される。そして、ケース本体11の鍔部11Bと熱カシメ突部12との間で2枚重ねシート15とアース端末部17が挟持されると共に、熱カシメ突部12のフランジ部分によってアース端末部17が第2の電磁波シールドシート30に押しつけられる。
そして、ケース本体11及び2枚重ねシート15を支持台52から取り外すことで、電磁波シールドケース10が得られる。
このように、本実施形態の電磁波シールドケース10の製造方法では、第1の電磁波シールドシート20と第2の電磁波シールドシート30を間隔を空けて樹脂成形金型40内にセットするだけで、第1と第2の電磁波シールドシート20,30の間に隙間34を備えた電磁波シールドケース10(図2参照)を製造することができる。
なお、本実施形態の電磁波シールドケース10は、ケース本体11に電磁波シールドシートを2枚重ねた構成であったが、3枚以上重ねた構成であってもよい。このような構成は、シート送給装置50にて電磁波シールドシートを3枚以上重ねて送給することで達成できる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
表1には、アルミ箔又はアルミ箔に熱可塑性樹脂を積層した積層シートを2〜3枚重ね合わせたサンプルの構成と、その電磁波シールド効果が示されている。同表のサンプル(3)におけるアルミ箔の組合せの「2:1」は、2枚のアルミ箔の厚さの比を表し、それらアルミ箔の厚さの合計が、サンプル(1)のアルミ箔の厚さの合計と同じであることを示している。同様に、サンプル(7)は、アルミ箔の厚さの比が3:3:2のアルミ箔を、各アルミ箔の間に隙間を有して3枚重ねにし、それら3枚のアルミ箔の厚さの合計が、サンプル(1)のアルミ箔の厚さ合計の1.33倍であることを示している。また、サンプル(1)、(2)は、単品のアルミ箔と、アルミ箔に合成樹脂層を積層した積層シートとが、隙間を有して2枚重ねにした構成になっていて、積層シートに含まれるアルミ箔の厚さが、単品のアルミ箔の厚さの5倍になっている。なお、合成樹脂層として、サンプル(1)では、PETフィルムが、サンプル(2)では、無延伸PPフィルムが用いられている。
各サンプルの電磁波シールド特性は、KEC法で測定した。なお、KEC法とは、一般社団法人KEC関西電子工業振興センターが開発した電磁波シールド効果測定装置を用いた測定方法である。
Figure 2013149887
図9には、周波数に対するサンプル(1)の電磁波シールド特性が示されている。なお、同図において、縦軸はシールド効果を表し、上に行くほどシールド効果が高いことを示している。
また、図9には、サンプル(1)における2つのアルミ箔(詳細には、単品のアルミ箔と、積層シートに含まれるアルミ箔)の合計の厚さの約1.3倍の厚さのアルミ箔単品(以下、「比較サンプル」という)の、電磁波シールド特性も示されている。これらの特性を比較すると、サンプル(1)の方が、比較サンプルのアルミ箔の厚さよりも、全体のアルミ層の厚さが薄いにもかかわらず、シールド効果が高い。即ち、サンプル(1)は、サンプル(1)とトータルのアルミ層の厚さが同じ厚さのアルミ箔を単品で用いた場合よりもシールド効果が高いといえる。このシールド効果の差異は、低周波数領域、特に、10MHz以下の領域で顕著になっている。
また、電磁波シールド特性は図示しないが、サンプル(1)のみならず、他のサンプル(2)〜(8)においても、アルミ層のトータルの厚さを同じにした単品のアルミ箔よりシールド効果が高くなることが確認された。なお、2枚のアルミ箔の組合せは、厚さの比が1:5となるものが好ましい。
また、各サンプルと鉄板とのシールド効果を比較したところ、サンプル(1)、(2)、(7)、(8)は、サンプル(1)における2つのアルミ箔の合計の厚さの約9倍の厚さの鉄板と同等あるいはそれ以上のシールド効果を示したが、他のサンプルでは、鉄板ほどのシールド効果は見られなかった。なお、同表には、各サンプルのシールド効果について、サンプル(1)のアルミ層の合計の厚さの9倍の厚さの鉄板と同等のシールド効果を示す:○、当該鉄板と同等のシールド効果を示さない:△、で表示されている。
また、サンプル(1)、(2)とサンプル(3)との比較から、アルミ箔のみを用いた場合より、アルミ層に熱可塑性樹脂層が積層された積層シートとアルミ箔とを組み合わせて用いた場合の方が、トータルのアルミ層が薄いにもかかわらずシールド効果が高いことが分かる。ここで、アルミ箔と積層シートのアルミ層との間に隙間(空気層)を形成した場合と、アルミ箔と積層シートの熱可塑性樹脂層の間に隙間(空気層)を形成した場合とでは、シールド効果に差は見られなかった。
このように、本発明の電磁波シールド方法(サンプル(1)〜(8))によれば、単品のアルミ箔を用いた場合と同等のシールド効果を、アルミ層を薄くしても達成することができ、これにより、軽量化を図ることができる。従って、上記した電磁波シールドケース10においても同様の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態の電磁波シールドケース10は、2枚重ねシート15でケース本体11の内面11Mを覆った構成であったが、ケース本体11の外面を覆ってもよい。
(2)上記実施形態では、本発明の「2枚重ねシート」を、導電性金属からなる金属箔と、導電性金属層に熱可塑性樹脂層を重ねた積層シートとを2枚重ねにして構成していたが、金属箔を2枚重ねにして構成してもよいし、積層シートを2枚重ねにして構成してもよい。
(3)第1の電磁波シールドシート20の導電性金属層21がケース本体11側を向くようにして、第1の電磁波シールドシート20の熱可塑性樹脂層22と第2の電磁波シールドシート30の導電性金属層31との間に隙間34が形成されてもよい。
(4)図11に示す電磁波シールドケース10Vのように、2枚重ねシート15の外縁部に、導電性金属層21,31に導通接続されたアース端末部17Vを備えた構成であってもよい。この構成によれば、アース端末部17Vに、例えば、導線を接続して、導電性金属層21,31のアースを取ることが可能になる。
10,10V 電磁波シールドケース
11 樹脂製ケース
12 熱カシメ突部
13 シート貫通突部
15 2枚重ねシート
17,17V アース端末部
20 第1の電磁波シールドシート(積層シート)
20M 重ね合わせ面
21 導電性金属層
22 熱可塑性樹脂層
30 第2の電磁波シールドシート(金属箔)
30M 重ね合わせ面
31 導電性金属層
34 隙間
40 樹脂成形金型
41 キャビティ内面
44A ピン受容凹部
48 成形ピン
48A 樹脂通過孔

Claims (9)

  1. 導電性金属(31)で構成された金属箔(30)、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)、その他の電磁波シールドシートを隙間(34)を有した状態で2枚重ねにしてなる2枚重ねシート(15)で、樹脂製のケース本体(11)の内面(11M)又は外面を覆ってなり、各前記電磁波シールドシート(20,30)の導電性金属(21,31)をアース接続するためのアース端末部(17)を備えたことを特徴とする電磁波シールドケース(10)。
  2. 前記2枚重ねシート(15)の一方の前記電磁波シールドシート(20)を、前記導電性金属層(21)に前記熱可塑性樹脂層(22)を重ねた前記積層シート(20)とし、その熱可塑性樹脂層(22)を前記ケース本体(11)に固着させたことを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールドケース(10)。
  3. 2枚重ねにした両前記電磁波シールドシート(20,30)の互いの重ね合わせ面(20M,30M)がそれぞれ導電性金属(21,31)で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波シールドケース(10)。
  4. 前記2枚重ねシート(15)の両方の前記電磁波シールドシート(20,30)を貫通した状態で熱カシメされた熱カシメ突部(12)を備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1の請求項に記載の電磁波シールドケース(10)。
  5. 前記2枚重ねシート(15)のうちの一方の前記電磁波シールドシート(30)を導電性金属(31)で構成された金属箔(30)とし、その金属箔(30)にランダムな折り目による凹凸を形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載の電磁波シールドケース(10)。
  6. 導電性金属(31)で構成された金属箔(30)、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)、その他の電磁波シールドシートで樹脂製のケース本体(11)の内面(11M)又は外面を覆って電磁波をシールド可能とした電磁波シールドケース(10)の製造方法において、
    前記電磁波シールドシート(20,30)を隙間(34)を有した状態で2枚重ねにしてなる2枚重ねシート(15)を、前記ケース本体(11)を成形するための樹脂成形金型(40)内にセットしてから、前記樹脂成形金型(40)内に溶融樹脂(60)を射出して、その溶融樹脂(60)の樹脂圧で前記2枚重ねシート(15)を前記樹脂成形金型(40)のキャビティ内面(41M)に押し付け、前記ケース本体(11)と共に前記2枚重ねシート(15)を成形することを特徴とする電磁波シールドケース(10)の製造方法。
  7. 前記2枚重ねシート(15)のうち一方の前記電磁波シールドシート(20)を、前記導電性金属層(21)に前記熱可塑性樹脂層(22)を重ねた前記積層シート(20)とし、その積層シート(20)を、前記熱可塑性樹脂層(22)が前記ケース本体(11)側を向くように配置することを特徴とする請求項6に記載の電磁波シールドケース(10)の製造方法。
  8. 前記キャビティ内面(41M)にピン受容凹部(44A)を形成しておくと共に、前記樹脂成形金型(40)内で前記ピン受容凹部(44A)に向かって進退可能な成形ピン(48)を設けておき、
    前記樹脂成形金型(40)を型閉じしたときに、前記成形ピン(48)を前進させて前記2枚重ねシート(15)を貫通した樹脂通過孔(48A)を形成し、
    前記成形ピン(48)を後退させた後に前記溶融樹脂(60)を射出して、前記ピン受容凹部(44A)に対応しかつ前記2枚重ねシート(15)を貫通したシート貫通突部(13)を前記ケース本体(11)と一体に形成し、
    前記ケース本体(11)及び前記2枚重ねシート(15)を前記樹脂成形金型(40)から取り出して、前記シート貫通突部(13)の先端を熱カシメすることを特徴とする請求項6又は7に記載の電磁波シールドケース(10)の製造方法。
  9. 導電性金属(31)で構成された金属箔(30)、導電性金属層(21)に熱可塑性樹脂層(22)を重ねた積層シート(20)、その他の電磁波シールドシートを隙間(34)を有した状態で2枚重ねにしてなる2枚重ねシート(15)を形成し、それら各電磁波シールドシート(20,30)の導電性金属(21,31)をアース接続して、前記2枚重ねシート(15)にて電磁波をシールドすることを特徴とする電磁波シールド方法。
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