JP2013147413A - 複合酸化物の粉体並びに水性分散液及び油性分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学材料として好適な複合酸化物の粉体並びに水性分散液及び油性分散液を提供すること。
【解決手段】本発明の複合酸化物粉体は、周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物粉体であって、CIE1976(L*a*b*)色空間で示される明度L*の値が70以上である。前記複合酸化物は非晶質であることが好適である。前記金属元素及び前記半金属元素が、周期表の第5周期及び第6周期からなる群より選択されるものであることも好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物の粉体並びにその水性分散液及び油性分散液に関する。この複合酸化物は、各種光学材料に有用な薄膜を形成するための原料として好適に用いられる。
周期表の第14族及び第15族から選択される元素を2種以上含む複合酸化物に関する従来の技術としては、例えば特許文献1や特許文献2に記載のものが知られている。特許文献1には、Bixyzで表される顔料が記載されている。式中、Mの例示の中には、Sn、Sb及びSiが含まれている。この顔料は、レーザーマーキングに使用されるものである。
特許文献2には、放射線撮像パネルを構成する光導電層に用いられるBiMO微粒子が記載されている。Mの例示の中にはSn及びSiが含まれている。
特許文献1及び2に記載の技術とは別に、特許文献3には、各種の金属酸化物又は複合金属酸化物の微粒子を有機分散媒中に分散させてなる分散液が記載されている。この分散液を用いて得られた薄膜は、膜の緻密さと可視光透過率の高さを利用して、耐プラズマエロージョン性の高い膜、水銀遮蔽膜、赤外線反射膜、透明導電膜、ディスプレイやLEDの光の取り出し効率向上のための高屈折率膜、蛍光膜、磁性膜、光触媒、ガスセンサー及び各種デバイスの保護膜に用いられると、同文献には記載されている。
特開2002−206062号公報 特開2010−150118号公報 特開2007−197296号公報
ところで、光学材料の技術分野においては、高透明性及び高屈折率を有する材料が求められている。上述した特許文献1及び2に記載の複合酸化物は、広い意味では光学材料の技術分野に属するものではあるが、それらの文献においては、高透明性及び高屈折率からの検討はなされていない。一方、特許文献3においては、複合金属酸化物の微粒子を含む分散液を用いて高屈折率膜を形成することが記載されているが、具体的な複合酸化物についての言及はない。実際、同文献の実施例で製造されている分散液は、Y23、Al23、Ce23及びTiO2を含むものにとどまっている。これらのうち、TiO2は光触媒能を有することから、TiO2を含む分散液を例えばプラスチックからなる基材の表面に塗布して薄膜を形成すると、TiO2の光触媒能によって基材であるプラスチックが分解してしまうことがある。
本発明の課題は、光学材料として好適な複合酸化物の粉体並びに水性分散液及び油性分散液を提供することにある。
本発明は、周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物粉体であって、CIE1976(L*a*b*)色空間で示される明度L*の値が70以上であることを特徴とする複合酸化物粉体を提供するものである。
また本発明は、周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物粉体を含む水性分散液であって、該複合酸化物粉体を、その濃度が5質量%になるように調製したときの水性分散液の屈折率がNDS+1×10-5〜NDS+1×10-1(式中、NDSは分散媒の屈折率を表す)である水性分散液を提供するものである。
更に本発明は、周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物粉体を含む油性分散液であって、該複合酸化物の粒子はその表面に親油性処理が施されており、親油性処理が施されている該複合酸化物粉体を、その濃度が5質量%になるように調製したときの油性分散液の屈折率がNDS+1×10-5〜NDS+1×10-1(式中、NDSは分散媒の屈折率を表す)である油性分散液を提供するものである。
本発明によれば、高透明性及び高屈折率を有する複合酸化物の粉体並びに水性分散液及び油性分散液が提供される。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明に係る複合酸化物は、金属元素及び半金属元素から選択される2種以上の元素を含む酸化物である。すなわち本発明に係る複合酸化物は一般式M1 X2 YZで表されるものである。M1及びM2は金属元素又は半金属元素を表し、これらの金属元素及び半金属元素は、周期表の第14族及び第15族から選択される。第14族から選択される金属元素及び半金属元素としては、例えばSi、Ge、Sn及びPbが挙げられる。一方、第15族から選択される金属元素及び半金属元素としてはAs、Sb及びBiが挙げられる。本発明に係る複合酸化物は、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb及びBiから選択される2種以上の元素を含むものであることが好ましい。前記一般式における添え字X及びYは、複合酸化物に含まれる元素M1及びM2のモル数であり、Zは、2Z=Xn1+Yn2(n1及びn2は、元素M1及びM2の価数を表す。)を満たす数である。
本発明に係る複合酸化物は、粒子の集合体である粉体の形態であり得る。あるいは該粉体が、媒体としての水に分散した状態になっている水性分散液の形態又は有機分散媒に分散した状態になっている油性分散液の形態でもあり得る。
本発明に係る複合酸化物が粉体の形態である場合、該粉体はその色によって特徴づけられる。詳細には、本発明の複合酸化物粉体は白色系の色を呈するものである。従来知られているこの種の複合酸化物粉体、例えば先に述べた特許文献1及び2に記載の複合酸化物粉体は褐色や黄色を呈している。これに対して本発明の複合酸化物粉体は、上述のとおり、白色系の色を呈しているので、該複合酸化物粉体は、光学材料として好適なものとなる。褐色や黄色を呈する従来の複合酸化物は、その色に起因して透明性が低く、光学材料の用途には適したものとならない。
一般に物質が呈する色は、その物質の化学的な構造や元素の組成等に応じて異なる。したがって、本発明の複合酸化物粉体が白色系のものであるのに対し、特許文献1及び2に記載の複合酸化物粉体が褐色のものであるということは、本発明の複合酸化物粉体と、特許文献1及び2に記載の複合酸化物粉体とでは、複合酸化物の化学的な構造や元素の組成等が相違することを意味している。両者がどのように相違するのか、その詳細については未だ明確にはなっていないが、本発明者の検討の結果、白色系の色を呈する本発明の複合酸化物粉体は、特許文献1及び2に記載の複合酸化物粉体と異なり、高屈折率のものであることが判明した。したがって本発明の複合酸化物粉体は、光学材料として適したものとなる。
光学材料として十分な屈折率を有するためには、本発明の複合酸化物粉体は、CIE1976(L*a*b*)色空間で示される明度L*の値が70以上であることが必要なことが、本発明者の検討の結果判明した。特に、明度L*の値が、好ましくは80以上、更に好ましくは85以上であると、本発明の複合酸化物粉体は、満足すべき屈折率を有するものとなる。本発明において、複合酸化物粉体の明度L*の値は、例えば、後述する実施例に記載の方法に従い測定される。
本発明の複合酸化物粉体の明度L*を、上述の値以上とするには、例えば、後述する方法によって複合酸化物を製造すればよい。
本発明の複合酸化物粉体を構成する金属元素及び/又は半金属元素は、上述のとおり、周期表の第14族及び第15族から選択されるものである。かかる元素のうち、周期表の第5周期及び第6周期からなる群から選択される元素を用いると、複合酸化物粉体の明度L*の値を、容易に上述の値以上とすることができるので好ましい。第14族の元素において、第5周期及び第6周期に属する元素としては、Sn及びPbが挙げられる。一方、第15族の元素において、第5周期及び第6周期に属する元素としては、Sb及びBiが挙げられる。
特に、本発明の複合酸化物粉体は、周期表の第14族から選択される1種以上の金属元素と、第15族から選択される1種以上の金属元素又は半金属元素とを含むことが好ましい。かかる元素を選択することで、複合酸化物粉体の明度L*の値を、一層容易に上述の値以上とすることができる。例えば、本発明の複合酸化物粉体は、Sn及びBiを含むことが好ましい。この場合、該複合酸化物におけるBiとSnとのモル比Bi/Snが、好ましくは0.5〜2、更に好ましくは0.5〜1.5であると、複合酸化物粉体の明度L*の値を、更に一層容易に上述の値以上とすることができる。
本発明の複合酸化物粉体は、周期表の第15族から選択される1種の金属元素及び1種の半金属元素を含むことも好ましい。この場合には、該複合酸化物には、第14族から選択される元素は含まれない。かかる元素を選択することでも、複合酸化物粉体の明度L*の値を、一層容易に上述の値以上とすることができる。例えば、本発明の複合酸化物粉体は、いずれも第15族の元素であるSb及びBiを含み、かつ第14族の元素を含まないことが好ましい。この場合、該複合酸化物におけるBiとSbとのモル比Bi/Sbが、好ましくは0.5〜2、更に好ましくは0.5〜1.5であると、複合酸化物粉体の明度L*の値を、更に一層容易に上述の値以上とすることができる。
本発明の複合酸化物粉体は、金属元素又は半金属元素として第14族及び第15族から選択されるもののみを含有し、他の金属元素及び半金属元素は実質的に含有しないことが好ましい。更に、第1周期ないし第3周期の元素のうち、酸素以外の元素も実質的に含有しないことが好ましい。「実質的に含有しない」とは、それらの元素を意図的に含有させることを排除し、かつ不可避的に混入する微量の元素の存在は許容する趣旨である。
本発明に係る複合酸化物において、該複合酸化物に含まれる酸素原子のモル数は、該複合酸化物に含まれる金属原子及び半金属原子の合計のモル数を基準として、1.0〜10倍、特に1.2〜5倍であることが好ましい。
本発明に係る複合酸化物は、結晶質のものでもよく、あるいは非晶質のものでもよい。本発明者の検討の結果、該複合酸化物が非晶質であると、本発明の複合酸化物粉体の明度L*の値を、容易に上述した値以上にできることが判明した。本発明に係る複合酸化物が結晶質のものであるか、それとも非晶質のものであるかは、後述する複合酸化物の製造条件によって制御することができる。
先に述べたとおり、本発明に係る複合酸化物は、水性分散液又は油性分散液の形態でもあり得る。該複合酸化物は、高屈折率で、かつ低アッベ数のものなので、該複合酸化物を含む水性分散液及び油性分散液は、例えば光学レンズ等の光学材料を製造するための原料として好適なものとなる。この水性分散液又は油性分散液は、上述した複合酸化物粉末を水又は有機分散媒に分散させることで調製される。なお、以下の説明においては、水性分散液及び油性分散液を総称して単に「分散液」という。
分散液の調製に用いられる複合酸化物粉末は、そのBET比表面積が好ましくは15〜150m2/gである。この範囲内のBET比表面積を有する複合酸化物の粒子を用いることで、該粒子が微粒であっても該粒子を高濃度で安定的に高分散させることができることが本発明者の検討の結果判明した。特に、複合酸化物粉末のBET比表面積が更に好ましくは15〜120m2/g、一層好ましくは35〜120m2/g、更に一層好ましくは70〜120m2/gであると、複合酸化物粉末を一層高濃度で一層安定的に高分散させることができる。ここで言うBET比表面積は、水又は有機分散媒に分散させる前の複合酸化物粉末を測定対象としている。
複合酸化物粉末のBET比表面積が上述の範囲である場合、分散液は、その濃度を容易に高いものとすることができる。後述するとおり、分散液に含まれる複合酸化物の粒子は微粒のものなので、そのような微粒の粒子を高濃度で高分散させることは容易でないところ、本発明者は、複合酸化物の粒子として特定のBET比表面積を有するものを用いることで、意外にも微粒の複合酸化物の粒子を高濃度で容易に高分散させることが可能であることを見いだした。本発明においては、分散液は、複合酸化物の粒子の濃度が好ましくは5〜50質量%という高濃度のものとなる。更に好ましい濃度は5〜40質量%であり、一層好ましい濃度は5〜30質量%であり、更に一層好ましい濃度は5〜20質量%である。かかる高濃度の分散液は、該分散液の塗布によって例えば光学レンズを製造する場合に、塗布の回数を少なくしても所望の厚みを有する薄膜を形成できる点から有利である。
分散液の形態となっている複合酸化物の粒子は、微粒であることによっても特徴づけられる。詳細には、複合酸化物の粒子の体積換算最大粒径Dmaxは好ましくは100nm以下であり、更に好ましくは90nm以下、一層好ましくは85nm以下である。体積換算最大粒径Dmaxを100nm以下とすることで、可視光の散乱に起因する分散液の透明性の低下を効果的に防止できる。体積換算最大粒径Dmaxの下限値に特に制限はなく、小さければ小さいほど好ましいが、20nm程度に体積換算最大粒径Dmaxが小さくなれば、分散液の透明性は十分に高くなる。複合酸化物の粒子の体積換算最大粒径Dmaxは、光子相関法を利用した動的光散乱法によって測定される。例えば日機装株式会社製のナノトラック粒度分布測定装置やスペクトリス社製Zetasizerを用いて測定される。
分散液に含まれる複合酸化物の粒子の体積換算最大粒径Dmaxは上述のとおりであるところ、該粒子の体積換算平均粒径D50は1〜50nmであることが好ましく、1〜40nmであることが更に好ましく、5〜40nmであることが一層好ましい。体積換算最大粒径Dmaxが上述の範囲であることに加えて、体積換算平均粒径D50がこの範囲であることによって、分散液の透明性が一層向上する。体積換算平均粒径D50は、体積換算最大粒径Dmaxと同様の方法で測定される。
複合酸化物の粒子は、その形状として、例えば球状、多面体状、針状などの形状を採用し得る。特に、複合酸化物の粒子が球状であると、該粒子を含む本発明の分散液から光学レンズを製造する場合に、該光学レンズに複屈折が生じにくくなる点から好ましい。
分散液は、複合酸化物の粒子に加え、高屈折率を有する金属酸化物の粒子を更に含んでいてもよい。そのような金属酸化物としては、例えばMg、Ca、Ti、Zn、Zr、Ta、Nb、Ga、Ge、Sn、In、Hf、Y、ランタノイド(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu)などの金属の酸化物が挙げられる。これらの金属酸化物は、1種又は2種以上を用いることができる。これらの金属酸化物は、分散液に含まれる固形分としての粒子全体に対して、0.1〜50質量%程度用いることができる。
本発明の分散液は、長期間保存したときの安定性が高いものであることによっても特徴づけられる。分散液の安定性を高めるために、本発明においては分散液が水性分散液である場合、該水性分散液のpHを、酸性領域である2.0〜7.0、特に2.5〜5.5、とりわけ2.5〜5.0に設定することが好ましい。このpH領域に代えて、アルカリ性領域である8.0〜13.0、特に9.0〜13.0、とりわけ9.5〜13.0に設定することも好ましい。水性分散液のpHが2.0未満の場合には、複合酸化物が酸と反応してしまい、目的の分散液が得られなくなることがある。一方、水性分散液のpHが13.0を超える場合には、分散状態を維持することが難しく、沈殿を生じてしまうことがある。また、pHが7.0超8.0未満は、複合酸化物の粒子の等電点付近のため、その分散状態を維持することが難しいこともある。これらのpHは、水性分散液の保存中又は使用時における温度での値のことである。
水性分散液のpHを上述の範囲内に調整して、複合酸化物の粒子の分散安定性を高めるためには、酸性又は塩基性を呈する各種の分散剤を水性分散液に添加すればよい。そのような分散剤としては、例えば塩酸、硫酸及び硝酸などの鉱酸、並びに酢酸及びフタル酸などのカルボン酸、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア水、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、イソプロピルアミン、イソプロパノールアミン、イソブチルアミン、エチレンジアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン、ジフェニルアミン、ジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリオクチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリプロピルアミン、トリメチルアミン、t−ブチルアミン、プロピレンジアミン、モノエタノールアミン、モノエチルアミン、モノメチルアミン等の含窒素化合物並びにヘキサメタリン酸ナトリウムなどのリン酸塩が挙げられる。これらの分散剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。水性分散液への分散剤の添加量は、水性分散液のpHが上述の範囲となるような量とすればよい。
水性分散液は、水を媒体とし、複合酸化物の粒子のみを媒質とし、必要に応じて分散剤を含有する以外は他の粒子成分、例えば他の金属酸化物粒子を極力含んでいないことが望ましい。
一方、分散液が有機化合物を分散媒とする油性分散液である場合、分散質である複合酸化物の粒子の表面に親油性処理を施すことで、該油性分散液を長期間保存したときの安定性を高くすることができる。親油性処理としては、例えば有機金属化合物を用いた親油性処理が挙げられる。この親油性処理によって複合酸化物の粒子の表面は有機金属化合物によって被覆されることになる。有機金属化合物の例としては、各種のカップリング剤が挙げられる。カップリング剤としては、例えばシランカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤などを用いることができる。これらのカップリング剤を用いた複合酸化物の粒子の表面処理方法については後述する。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、有機分散媒との親和性が良好であり、かつ耐アルカリ性が高いことから、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン及びN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いることが好ましい。
チタンカップリング剤としては、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、チタンオクタンジオレート、チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステアレートなどが挙げられる。
ジルコニウムカップリング剤としては、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムビスアセチルアセトネート、ジルコニウムモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムモノステアレートなどが挙げられる。
アルミニウムカップリング剤としては、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムモノイソプロポキシモノオレオキシエチルアセトアセテート、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート、環状アルミニウムオキサイドオクチレート、環状アルミニウムオキサイドステアレートなどが挙げられる。
以上の各種カップリング剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。カップリング剤としてシランカップリング剤を用いた場合には、複合酸化物の表面はシラン化合物で被覆されることになる。このシラン化合物は親油基、例えばアルキル基又は置換アルキル基を有していることが好ましい。アルキル基は直鎖のものでもよく、あるいは分岐鎖のものでもよい。いずれの場合であってもアルキル基の炭素数は1〜20、特に1〜10であることが、有機分散媒との親和性が良好となる点から好ましい。アルキル基が置換されている場合、置換基としてはアミノ基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリル基、アクリル基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基などを用いることができる。複合酸化物の表面を被覆するシラン化合物の量は、複合酸化物重量に対して0.01〜100重量%、特に0.1〜50重量%であることが、有機分散媒との親和性が良好となる点から好ましい。
分散液が油性分散液である場合、分散媒として用いられる有機化合物としては、複合酸化物を溶解しないものであれば特に制限はない。例えば脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、アセトン類、エステル類、アミン類、チオール類などを用いることができる。またこれらの2種以上の組み合わせを用いることもできる。特に、分散媒として多価アルコール誘導体及びモノアルコール誘導体を用いると、複合酸化物の粒子の凝集を効果的に抑制できる点から好ましい。
前記のモノアルコール誘導体としては、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。多価アルコール誘導体としては、多価アルコールのモノエーテル、ジエーテル、モノエステル及びジエステルなどが挙げられる。具体的には、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセタート、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテルなどの二価アルコールの誘導体;グリセリンモノアセタート、グリセリンジアセタート、グリセリントリアセタート、グリセリンジアルキルエーテル(例えば、1,2−ジメチルグリセリン、1,3−ジメチルグリセリン、1,3−ジエチルグリセリン)などの三価以上の多価アルコール誘導体などが挙げられる。なかでも1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール及び1−ブトキシ−2−プロパノールが特に好ましい。これらの化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
複合酸化物の分散液が油性分散液である場合には、該粒子の分散性や長期保存安定性を一層高めることを目的として、上述したカップリング剤で該粒子の表面を処理して親油性にすることに加えて、該油性分散液中に、各種の界面活性剤(陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤)、又はチタンキレート、ジルコニウムキレート若しくはアルミニウムキレートなどの各種分散剤を配合することもできる。これらの分散剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。チタンキレートとしては、例えばチタンジイソプロポキシ ビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシ−ビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、チタンジイソプロポキシ−ビス(エチルアセトアセテート)、チタンジイソプロポキシ−ビス(トリエタノールアミネート)、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラクテート、チタンラクテートなどを用いることができる。ジルコニウムキレートとしては、例えばジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネートなどが挙げられる。
本発明の油性分散液は、有機化合物を媒体とし、親油性処理が施された複合酸化物の粒子のみを媒質とし、必要に応じて分散剤を含有する以外は他の粒子成分、例えば他の金属酸化物粒子を極力含んでいないことが望ましい。
本発明の分散液は、水性であるかそれとも油性であるかを問わず、可視光の波長領域(400〜800nm)において高透明性であることによっても特徴づけられる。詳細には、可視光の波長領域の一部である波長588nmにおける透過率が、光路長1cmのセルを用いて測定したとき好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上、一層好ましくは75%以上という高透明性のものである。このように透明性の高い分散液を用いて塗膜を形成すると、乾燥後の塗膜の透明性が極めて高くなる。したがって、本発明の分散液は、可視光の波長領域において高屈折率及び低アッベ数を有する透明膜の製造に非常に有用である。可視光の波長領域において高屈折率及び低アッベ数を有する透明膜は、例えばシート状レンズを始めとして、光学レンズの薄型化に寄与する。水性分散液の透明性は、例えば、後述する実施例に記載の方法によって測定することができる。
高透明性を有することに加え、本発明の分散液は、長期保存しても安定性が高いものである。例えば、室温下に1ヶ月間保存しても沈殿が生じない程度の安定性を有している。
更に本発明の分散液は、高屈折率を有する複合酸化物粉体を含んでいることに起因して、該分散液自体の屈折率も高いものとなる。詳細には、分散液の分散媒の屈折率をNDSとすると、複合酸化物粉体を、その濃度が5質量%になるように調製したときの分散液の屈折率が、NDS+1×10-5〜NDS+1×10-1であり、NDS+1×10-4〜NDS+2×10-2であることが好ましい。ここで言う屈折率とは波長588nmの光を用いたときのものである。分散液の屈折率は、例えば(株)島津デバイス製造社製 KPR−2000を用いて測定することができる。
ある濃度の分散液から、5質量%の分散液を調製するには、例えば分散媒を除去して乾燥した複合酸化物粉体を得、乾燥した該複合酸化物粉体を、除去した分散媒と同種の分散媒に再び分散させるときに濃度調整を行い、5質量%の分散液とすればよい。分散媒の除去には、例えば分散媒の沸点MP(℃)に対してMp−50℃〜Mp+100℃の温度で分散液を大気圧下に加熱する操作を行えばよい。
次に、本発明の複合酸化物粉体及び該粉体を含む分散液の好適な製造方法について説明する。先ず、複合酸化物粉体の製造方法について説明する。複合酸化物粉体は、塩基性水溶液に、原料となる金属元素及び/又は半金属元素の化合物を添加して、該水溶液中に、これらの元素を含む共沈物を生成させ、次いで、該共沈物を濾過分離して、乾燥した後、含酸素雰囲気で焼成することで得ることができる。
前記の塩基性水溶液としては、例えば水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液や、アンモニア水、炭酸塩水溶液などを用いることができる。塩基性水溶液のpHは、反応温度において5.0以上、特に10.0以上に設定しておくことが好ましい。
前記の塩基性水溶液に添加する金属元素及び/又は半金属元素の化合物としては、例えばこれらの元素の酸化物、ハロゲン化物、水酸化物及び水溶性塩などを用いることができる。該元素が例えばビスマスである場合には、Bi23、Bi(OH)3、BiOCl、(BiO)2CO3、4BiNO3(OH)2・BiO(OH)、Bi(NO33・5H2O、Bi2(SO43、Bi(OOCCH33、BiCl3、BiBr3などを用いることができる。該元素が例えばSnである場合には、SnO2、Sn(II)Cl2、Sn(II)Cl2・2H2O、Sn(IV)Cl4、Sn(IV)Cl4・5H2O、Sn(OOCCH32、SnBr3、SnF2、SnSO4などを用いることができる。該元素が例えばSbである場合には、Sb23、Sb(III)Cl3、Sb(OOCCH33、SbBr3などを用いることができる。
前記の塩基性水溶液に添加する金属元素及び/又は半金属元素の化合物は、固体状態のまま、あるいは水などの溶媒に溶解させた状態で添加することができる。水に溶解させた状態で添加する場合、水への溶解が容易でない場合には、塩酸等の酸や、塩基を添加することで、溶解を促進させてもよい。
本製造方法においては、塩基性水溶液に、金属元素及び/又は半金属元素の化合物を添加することが重要である。この逆に、金属元素及び/又は半金属元素の化合物を含有する水溶液に、塩基性水溶液を添加した場合には、目的とする白色系の複合酸化物粉体を得ることが容易でない。
金属元素及び/又は半金属元素の化合物の塩基性水溶液への添加は、一括添加でもよく、所定の時間にわたって連続的に又は断続的に逐次添加してもよい。いずれの場合であっても、反応中の塩基性水溶液の温度は室温(20〜25℃)とすることができる。場合によっては、オートクレーブを用い、加熱下に反応を行うことができる。加熱温度は好ましくは50〜130℃、更に好ましくは60〜120℃とすることができる。加熱下に反応を行う場合には、反応系を密閉系とすることが好ましい。オートクレーブを用い、密閉系で加熱下に反応を行わせると、それによって目的とする複合酸化物が得られる。この方法によれば、非晶質の複合酸化物が得られやすい。
塩基性水溶液への金属元素及び/又は半金属元素の化合物の添加量は、0.2倍モル量から5倍モル量を添加することができる。
複合酸化物として、Bi及びSnを含む複合酸化物を製造する場合には、1モルのSnに対して、Biを0.5〜2.0モル、特に0.5〜1.5モル使用することが好ましい。複合酸化物として、Bi及びSbを含む複合酸化物を製造する場合には、1モルのSbに対して、Biを0.5〜2.0モル、特に0.5〜1.5モル使用することが好ましい。
金属元素及び/又は半金属元素の化合物を塩基性水溶液へ添加することで目的とする共沈物が生成したら、該共沈物を濾別し、水洗して乾燥させた後、焼成工程に付す。なお、上述したオートクレーブを用いて加熱下に反応を行った場合には、それによって目的とする複合酸化物が生成するので、この焼成工程を行うことは不要である。焼成工程は、一般に空気などの含酸素雰囲気下で行うことができる。焼成温度は、生成する複合酸化物の結晶状態や、粒径、BET比表面積に影響を及ぼす。具体的には、焼成温度を200℃以上550℃以下、更に好ましくは200℃以上450℃以下という比較的低温に設定することで、非晶質状態の複合酸化物を得ることができる。一方、焼成温度を550℃超1000℃以下、更に好ましくは550℃以上800℃以下という比較的高温に設定することで、結晶質状態の複合酸化物を得ることができる。また、高温で焼成すると、低温で焼成した場合に比べてBET比表面積を小さくすることができる。したがって、焼成温度をコントロールすることで、所望のBET比表面積を有し、水への分散性及び分散安定性が高く、かつ高透明性を有する水性分散液を調製し得る複合酸化物粉体を得ることができる。焼成時間は、低温での焼成の場合は、0.5〜12時間、特に1〜6時間とすることが好ましい。高温での焼成の場合も、0.5〜12時間、特に1〜6時間とすることが好ましい。
このようにして得られた複合酸化物粉体は白色系のものであり、明度L*が、先に述べた値以上のものとなる。この複合酸化物粉体と水とを混合してスラリーとなし、ペイントシェイカー等のメディアミルによって湿式粉砕を行う。使用するビーズとしては、例えば直径0.1mm程度のジルコニアビーズやアルミナビーズ等が挙げられる。この場合、上述した各種の分散剤をスラリーに添加しpH調整等を行うなどして粉砕操作を行うことで、複合酸化物の粒子を単分散状態に近づけやすくなる。
湿式粉砕後、液とビーズとを分離し、更にメンブランフィルタによって粗粒を除去することで、目的とする水性分散液が得られる。このようにして得られた水性分散液は無色透明であり、可視光の透過率が高いものである。また、長期間保存しても沈殿の生じない安定なものである。
このようにして水性分散液が得られる。一方、油性分散液は、水性分散液から製造することができる。例えば、水性分散液中に、油性分散液の分散媒となる有機化合物を添加して溶媒置換の操作を行う。この操作を繰り返すことで、油性分散液を得ることができる。溶媒置換に先立ち、水性分散液中に各種のカップリング剤を添加することで、複合酸化物の粒子の表面に親油性処理を施すことができる。なお、複合酸化物の粒子の体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxは、カップリング剤を用いた親油性処理の前後で実質的に変化がないことを、本発明者は確認している。
このようにして得られた分散液は、それに含まれる複合酸化物が有する高屈折率及び低アッベ数や、水性分散液が有する可視光に対する透明性を利用して、各種の光学材料や電子材料に用いることができる。例えば、レンズ等の光学系部品、反射防止膜、赤外線透過膜等に用いることができる。具体的には、分散液を各種の基板、例えば透明基板やレンズ等の表面に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させることで、高透明性、高屈折率及び低波長分散性を有する薄膜を形成することができる。乾燥後の薄膜を、必要に応じて不活性雰囲気下、大気等の酸化性雰囲気下又は弱還元性雰囲気下(例えば爆発限界濃度以下の含水素雰囲気下)に焼成してもよい。この薄膜は、レンズの屈折率を更に高めるために、あるいは薄型レンズそのものとして有用である。更に本発明の分散液は、それに含まれる複合酸化物が樹脂中に分散されてなる樹脂レンズの原料としても好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。特に断らない限り、「%」は「質量%」を意味する。
〔実施例1〕
1)ビスマス−錫複合酸化物粉体の製造
(BiO)2CO3、SnCl4・5H2O、35%塩酸、水酸化ナトリウム及び純水を用いて、以下の表1に示す組成のA液及びB液を調製した。
Figure 2013147413
次いで、B液(pH=13.5)を室温で撹拌し、A液を送液ポンプにて10ml/minでB液中にフィードし、両液を反応させてビスマス−錫の共沈物からなる前駆体化合物を得た。得られた前駆体化合物を、純水にてリパルプ洗浄し、濾過後のケーキを120℃で6時間にわたり乾燥し、ビスマス−錫前駆体化合物粉体を得た。
このビスマス−錫前駆体化合物粉体10gを、大気中、400℃で4時間焼成し、ビスマス−錫複合酸化物粉体を得た。XRDで組成を確認したところ、非晶質のビスマス−錫複合酸化物であった。またBET比表面積及びCIE1976(L*、a*、b*)色空間で示される明度L*、蛍光X線分析(XRF)による組成比を測定した結果を、以下の表4に示す。
2)水性分散液の製造
50mlの樹脂製容器に、1)で得られた非晶質のビスマス−錫複合酸化物の粉末2.0gと、1%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(以下、「TMAH」と言う。)水溶液23gを入れてスラリーを得た。更に0.1mmΦのジルコニアビーズを100g入れ、容器を密閉した後、ペイントシェイカー(浅田鉄工製)にて3時間湿式粉砕した。最後に粉砕したスラリーを0.2μmのメンブレンフィルターに通して粗粒を除去し、目的とするビスマス−錫複合酸化物の水性分散液を得た。この水性分散液は、やや白みがかっているものの透明であった。また、この水性分散液のpH(25℃)は11.7であり、屈折率は1.347083であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.338804であった。なお、分散媒である水の屈折率NDSは1.333362である。複合酸化物の屈折率は2.56であった。更に、スペクトリス社製Zetasizerを用いて体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
前記の測定において、BET比表面積は、吸着ガスである窒素を30容量%、キャリアガスであるヘリウムを70容量%含有する窒素−ヘリウム混合ガスを用いて、BET比表面積測定装置((株)島津製作所製、マイクロメリィックス フローソーブII2300)により、JIS R 1626「ファインセラミック粉体の気体吸着BET法による比表面積測定方法」の6.2流動法の(3.5)一点法に従って測定した。
組成比は、蛍光X線分析法((株)リガク製、ZSX PrimusII)にて算出した。
明度L*は、分光測色計(コニカミノルタ製、CM−2600d)を用いてJIS Z 8729「U*V*W*系による物体色の表示方法」に従って直接粉体の明度を測定した。
体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxは、少量の金属酸化物粉を、純水10mlに入れて撹拌し、かつ超音波により分散させた。その後、得られた分散液を一部取り出して、粒度分布測定装置(スペクトリス(株)製、Zetasizer)にて粒度分布を測定し、体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを求めた。
水性分散液の透明率は、(株)日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4000、光路長1cmの石英セルを用い、波長588nmにおいて測定した。
屈折率は、特開2007−178921号公報の〔0073〕に記載の方法を用いて測定した。測定波長は、588nmとした。
〔実施例2〕
1)ビスマス−アンチモン複合酸化物粉体の製造
(BiO)2CO3、SbCl3、35%塩酸、水酸化ナトリウム及び純水を用いて、以下の表2に示す組成のA液及びB液を調製した。
Figure 2013147413
次いで、B液(pH=14.0)を室温で撹拌し、A液を送液ポンプにて10ml/minでB液中にフィードし、両液を反応させてビスマス−アンチモンの共沈物からなる前駆体化合物を得た。得られた前駆体化合物を、純水にてリパルプ洗浄し、濾過後のケーキを120℃で6時間にわたり乾燥し、ビスマス−アンチモン前駆体化合物粉体を得た。
このビスマス−アンチモン前駆体化合物粉体3gを、大気中、500℃で4時間焼成し、ビスマス−アンチモン複合酸化物粉体を得た。XRDで組成を確認したところ、非晶質のビスマス−アンチモン複合酸化物であった。またBET比表面積及びCIE1976(L*、a*、b*)色空間で示される明度L*、蛍光X線分析(XRF)による組成比を測定した結果を表4に示す。
2)水性分散液の製造
50mlの樹脂製容器に、1)で得られた非晶質のビスマス−アンチモン複合酸化物の粉末2.0gと、1%TMAH水溶液23gを入れてスラリーを得た。更に0.1mmΦのジルコニアビーズを100g入れ、容器を密閉した後、ペイントシェイカー(浅田鉄工製)にて3時間湿式粉砕した。最後に粉砕したスラリーを0.2μmのメンブレンフィルターに通して粗粒を除去し、目的とするビスマス−アンチモン複合酸化物の水性分散液を得た。この水性分散液は、やや白みがかっているものの透明であった。また、この水性分散液のpHは12.4であり、屈折率は1.344611であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.339209であった。複合酸化物の屈折率は2.61であった。更に、スペクトリス社製Zetasizerを用いて体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
〔実施例3〕
ビスマス−錫前駆体化合物粉体の焼成条件を、600℃、4時間に変更した以外は実施例1と同様にしてビスマス−錫複合酸化物粉体を得た。XRDで組成を確認したところ、結晶質のビスマス−錫複合酸化物であった。またBET比表面積及びCIE1976(L*、a*、b*)色空間で示される明度L*、蛍光X線分析(XRF)による組成比を測定した結果を表4に示す。このビスマス−錫複合酸化物を用い、実施例1と同様にして水性分散液を調製した。この水性分散液はやや褐色がかった透明であった。また、この水性分散液のpHは11.1であり、屈折率は1.345920であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.338682であった。複合酸化物の屈折率は2.52あった。更に、実施例1と同様にして体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
〔実施例4〕
実施例1において、1%TMAH水溶液23gの代わりに、1%ジイソプロピルアミン(以下、「DIPA」と言う。)水溶液23gを用いた以外は、実施例1と同様にして水性分散液を調製した。この水性分散液は、やや白みがかっているものの透明であった。また、この水性分散液のpHは10.5であり、屈折率は1.348029であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.338624であった。複合酸化物の屈折率は2.51であった。更に、実施例1と同様にして体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
〔実施例5〕
実施例1において、1%TMAH水溶液23gの代わりに、1%トリエチルアミン(以下、「TEA」と言う。)水溶液23gを用いた以外は、実施例1と同様にして水性分散液を調製した。この水性分散液は、やや白みがかっているものの透明であった。また、この水性分散液のpHは10.4であり、屈折率は1.352461であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.338423であった。複合酸化物の屈折率は2.45であった。更に、実施例1と同様にして体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
〔実施例6〕
実施例1において、1%TMAH水溶液23gの代わりに、1%酢酸水溶液23gを用いた以外は、実施例1と同様にして水性分散液を調製した。この水性分散液は、やや白みがかっているものの透明であった。また、この水性分散液のpHは3.3であり、屈折率は1.346470であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.338680であった。複合酸化物の屈折率は2.52であった。更に、実施例1と同様にして体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
〔実施例7〕
1)ビスマス−錫複合酸化物スラリーの製造
実施例1と同様にしてビスマス−錫前駆体化合物を調製後、これをリパルプ洗浄し、得られたケーキを乾燥せずに、10%のスラリーを調製した。このスラリーをオートクレーブに入れ、密閉系で80℃にて4時間にわたり加熱して反応を行った。このようにして、液中にビスマス−錫複合酸化物の粒子を生成させた。得られたビスマス−錫複合酸化物スラリーを120℃で乾燥し、XRDで組成を確認したところ、非晶質のビスマス−錫複合酸化物であった。BET比表面積及びCIE1976(L*、a*、b*)色空間で示される明度L*、蛍光X線分析(XRF)による組成比を測定した結果を表4に示す。
2)水性分散液の製造
50mlの樹脂製容器に、1)で得られた、10%ビスマス−錫複合酸化物スラリー20gと15%TMAH水溶液1.3gを入れてスラリーを得た。その後は実施例1と同様にして水性分散液を得た。この水性分散液は、やや白みがかっているものの透明であり、pHは11.1であり、屈折率は1.346876であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.338785であった。複合酸化物の屈折率は2.55であった。また、スペクトリス社製Zetasizerを用いて体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
〔実施例8〕
(BiO)2CO3、SnCl4・5H2O、35%塩酸、水酸化ナトリウム及び純水を用いて、以下の表3に示す組成のA液及びB液(pH=13.5)を調製した。これらの液を用い、実施例1と同様にしてビスマス−錫複合酸化物粉体を得た。XRDで組成を確認したところ、非晶質のビスマス−錫複合酸化物であった。またBET比表面積及びCIE1976(L*、a*、b*)色空間で示される明度L*、蛍光X線分析(XRF)による組成比を測定した結果を、以下の表4に示す。
Figure 2013147413
得られたビスマス−錫複合酸化物を用い、実施例7と同様にして水性分散液を調製した。この水性分散液は、やや白みがかっているものの透明であり、pHは10.9であり、屈折率は1.346572であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した水性分散液の屈折率は1.338781であった。複合酸化物の屈折率は2.55であった。また、マルバーン社製ゼータサイザーを用いて体積換算平均粒径D50及び体積換算最大粒径Dmaxを測定した。その結果を表5に示す。この水性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
〔比較例1〕
本比較例は、特許文献1の〔0041〕に記載の実施例に相当するものである。50.8gのBi23 粉末及び49.2gのSnO2粉末を、水中で1.5時間一緒に粉砕して完全混合し、その後105℃で乾燥させた。乾燥粉末を、1070℃で7時間かけて焼成した。得られた生成物を粉砕したところ淡褐色であった。X線回折により、この生成物には、Bi2Sn27相及びSnO2相が存在することが確認された。また、体積換算平均粒径は7μmであった。この生成物を用い、実施例1と同様にして水性分散液を調製した。しかし、粒子径が大きいことに起因して、透明な分散液は得られなかった。また保存安定性についても、同様に粒子径が大きいことから、すぐに沈殿が確認された。また屈折率は測定できなかった。
〔比較例2〕
本比較例は、特許文献2の実施例8に相当するものである。スズ(IV)−t−ブトキシド3.30gと、トリエタノールアミン2.38gとを混合した。これに水76mlを加え100℃で24時間加熱した。クエン酸ビスマス(純度99.99%)38.2g、トリエタノールアミン38.6gを水280mlに溶解し、これに、前記スズ(IV)−t−ブトキシド溶液全量と4N−KOH溶液80mlを添加して反応溶液とし、加温して溶液の温度を40℃とした。更に90℃に加温して5時間撹拌を継続した後、常温まで冷却した。得られた黄色の沈殿物を濾過、精製した。沈殿物を乾燥させて得られた粒子のXRDを測定したところBi12SnO20の結晶構造が得られた。更に、粒子のSEM観察では体積換算平均粒径が約4μmであることが確認された。得られた粒子を用い、実施例1と同様にして水性分散液を調製した。しかし、粒子径が大きいことから、透明な分散液は得られなかった。また保存安定性についても同様に粒子径が大きいことから、すぐに沈殿が確認された。また屈折率は測定できなかった。
Figure 2013147413
Figure 2013147413
〔実施例9〕
本実施例では油性分散液を製造した。実施例7の2)で得られた水性分散液15.0gと、シランカップリング剤KBM−903(信越化学工業製)0.15gを、30mlの樹脂製容器に入れて容器を密閉した。この容器をペイントシェイカー(浅田鉄工製)に設置して内容物を10分間混合して、粒子の表面をシラン化合物で被覆する親油性処理を行った。複合酸化物の表面を被覆するシラン化合物の量は、複合酸化物重量に対して10.0%であった。この水性分散液を、有機分散媒としての1−メトキシ−2−プロパノールと溶媒置換した。溶媒置換によって得られた油性分散液15g(固形分濃度10%)と、0.3mmΦのジルコニアビーズ50gを30mlの樹脂製容器に入れて容器を密閉した。この容器をペイントシェイカー(浅田鉄工製)に設置して内容物を2時間混合した。次いで分散液を固液分離した後、0.1mmΦのジルコニアビーズ50gに入れ替えて更にペイントシェイカー(浅田鉄工製)で2時間湿式粉砕した。最後に、粉砕したスラリーを0.2μmのメンブレンフィルターに通して粗粒を除去し、目的とするビスマス−錫酸化物の油性分散液を得た。この油性分散液は透明であり、屈折率は1.412856であった。また、複合酸化物粉体の濃度が5%になるように調製した油性分散液の屈折率は1.406305であった。なお、分散媒である1−メトキシ−2−プロパノールの屈折率NDSは1.401114である。スペクトリス(株)製Zetasizerを用いて体積換算の平均粒子径D50及び最大粒子径Dmaxを測定した。その結果を表6に示す。この油性分散液を常温(25℃)で1ヶ月保存して保存安定性を調べたところ、沈殿の生成は確認されず、高分散状態が維持されていることが確認された。
Figure 2013147413

Claims (22)

  1. 周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物粉体であって、CIE1976(L*a*b*)色空間で示される明度L*の値が70以上であることを特徴とする複合酸化物粉体。
  2. BET比表面積が15〜150m2/gである。請求項1に記載の複合酸化物粉体。
  3. 前記複合酸化物は非晶質である請求項1又は2に記載の複合酸化物粉体。
  4. 前記金属元素及び前記半金属元素が、周期表の第5周期及び第6周期からなる群より選択されるものである、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の複合酸化物粉体。
  5. 前記複合酸化物が、周期表の第14族から選択される1種以上の金属元素と、第15族から選択される1種以上の金属元素又は半金属元素とを含む、請求項4に記載の複合酸化物粉体。
  6. 前記複合酸化物が、Sn及びBiを含む、請求項5に記載の複合酸化物粉体。
  7. 前記複合酸化物におけるBiとSnとのモル比Bi/Snが0.5〜2である、請求項6に記載の複合酸化物粉体。
  8. 前記複合酸化物が、周期表の第15族から選択される1種の金属元素及び1種の半金属元素を含む、請求項4に記載の複合酸化物粉体。
  9. 前記複合酸化物が、Sb及びBiを含む、請求項8に記載の複合酸化物粉体。
  10. 周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物粉体を含む水性分散液であって、該複合酸化物粉体を、その濃度が5質量%になるように調製したときの水性分散液の屈折率がNDS+1×10-5〜NDS+1×10-1(式中、NDSは分散媒の屈折率を表す)である水性分散液。
  11. 前記複合酸化物の粒子の体積換算平均粒径D50が1〜50nmであり、かつ体積換算最大粒径Dmaxが100nm以下である請求項10に記載の水性分散液。
  12. 前記複合酸化物が非晶質である請求項10又は11に記載の水性分散液。
  13. pHが2.0〜6.5又は8.0〜13.0である請求項10ないし12のいずれか一項に記載の水性分散液。
  14. 前記複合酸化物粉体の濃度が5〜50質量%である、請求項10ないし13のいずれか一項に記載の水性分散液。
  15. 波長588nmにおける透過率が、65%以上である請求項10ないし14のいずれか一項に記載の水性分散液。
  16. 周期表の第14族及び第15族からなる群より選択される2種以上の金属元素又は半金属元素を含む複合酸化物粉体を含む油性分散液であって、該複合酸化物の粒子はその表面に親油性処理が施されており、親油性処理が施されている該複合酸化物粉体を、その濃度が5質量%になるように調製したときの油性分散液の屈折率がNDS+1×10-5〜NDS+1×10-1(式中、NDSは分散媒の屈折率を表す)である油性分散液。
  17. 前記複合酸化物の粒子の体積換算平均粒径D50が1〜50nmであり、かつ体積換算最大粒径Dmaxが100nm以下である請求項16に記載の油性分散液。
  18. 前記複合酸化物が非晶質である請求項16又は17に記載の油性分散液。
  19. 前記複合酸化物粉体の濃度が5〜50質量%である、請求項16ないし18のいずれか一項に記載の油性分散液。
  20. 波長588nmにおける透過率が、65%以上である請求項16ないし19のいずれか一項に記載の油性分散液。
  21. 前記複合酸化物の粒子の表面が有機金属化合物によって被覆されていることで親油性処理が施されている16ないし20のいずれか一項に記載の油性分散液。
  22. 油性分散媒が多価アルコール誘導体又はモノアルコール誘導体である請求項16ないし21のいずれか一項に記載の油性分散液。
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