JP2013146469A - 歯科用インプラントのフィクスチャー表面性状 - Google Patents

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Abstract

【課題】オッセオインテグレーティッドインプラントのフィクスチャーに係り、歯槽骨との固定を堅固にすると共に、インプラントを長期的に安定でかつ安全に維持するためのフィクスチャー表面性状を提供する。
【解決手段】歯科用のインプラントにおいて、歯槽骨に埋入されるフィクスチャー18は、表面性状が異なる領域を備えていることを特徴とする。フィックスチャーの表面性状は、根尖部24側と頸部26側に分離した異なる表面性状領域を有し、表面性状に依存して、オッセオインテグレーションが促進される歯槽骨との結合状態が異なる。フィクスチャーの頸部26側は表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金であり、根尖部24側はハイドロキシアパタイトであることを特徴とする。頸部側の表面はアルカリ処理してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、喪失した歯を補綴するための人工的な歯科用インプラントに係り、歯の咀嚼機能による加圧に適応したインプラントのフィクスチャー表面性状に関する。
虫歯や歯周病により喪失した歯の機能再獲得のために、金属やセラミックス等の人工材料により置換して喪失した口腔機能を補う手段としては、義歯を歯根に埋めたり、完全に歯根まで喪失した場合は、健康な歯にブリッジをかけ義歯を置いたり等の治療手段がある。さらに現在、この歯科置換医療の先端的治療法の一つとして、口腔インプラント治療が実施されている。口腔インプラント治療とは、喪失歯部位の顎骨にチタン製人工歯根を植立する手段である。
喪失歯部位の顎骨、すなわち歯槽骨に人工歯根を埋入する場合、通常の金属等の人工材料では、歯槽骨の結合組織が人工材料を取り囲み排除しようとするため、動揺が徐々に大きくなり人工歯根としての機能を失っていった。
1952年スウェーデンのペル・イングヴァール・ブローネマルクが、チタンと骨が完全に結合する事を偶然発見し、その後、チタンがある一定の条件で骨に埋入された場合、チタンに対する骨の拒否反応は全くといってよいほど起こらず、そればかりかチタンの表面を覆う酸素の膜を通して強い結合が生まれることを明らかにした。そして1965年、初めて人工歯根としての臨床応用をスタートした。以来、口腔インプラント治療は飛躍的な進歩を遂げることとなった。結合組織を介在することなくチタンと骨が直接結合する骨結合方式は、骨を表すラテン語のオス(os)と結合を表す英語のインテグレーション(integration)が組み合わされ、オッセオインテグレーション(osseointegration)と呼ばれている。
オッセオインテグレーションは、骨と金属が直接結合する現象であり、チタン表面の酸化膜と骨との接触面に働く力が生体の分子を酸化膜へと結合させ、骨性癒着を生じさせる。したがって、インプラントの成功は、いかにオッセオインテグレーションを獲得するかが重要となっている。
無機物質である骨や歯は、ハイドロキシアバタイトを主成分としており、オッセオインテグレーションの成長を促すために、フィクスチャー表面にハイドロキシアバタイトをコーティングする方法が提案されている(例えば特許文献1等参照)。
インプラントが体内に埋入された場合、異物の体内埋入に対して生体では埋入部周辺生体内のマクロファージ、および異物検知細胞により検知活動が開始されるが、ハイドロキシアパタイト、あるいはインプラントの基体を構成する金属材料表面にハイドロキシアパタイトがコーティングされていると、これらが骨の組織組成に近いため異物検知細胞は生体組織として判定し、細胞および骨の結合が早期に進行するからであるとされている。
歯槽骨に埋入されているフィクスチャーの力学的安定性の面からの考察として、形状的な工夫もされている。この場合、過度の圧力は骨の吸収となるが、「骨の力学的要請度に応じて骨の造り替えを行って強度を変えていく。」と言うWolffの法則を基本としている。過度の圧力を避け、いかに構造的に適度の圧力に分散させるかの形状的な検討はいくつかの例がある。
フィクスチャーのルート部(根幹部)が基本的に円筒形状である場合、この形状は、適合されたインプラントの手術後の所望される主たる安定性を得られず、数年もすれば、緩くなってくる。これは、骨性癒着した部分に過度な力が加わり、骨の吸収を生ずるからであり、このため、ストレートな円筒形状は最も相応しい形状とはなっていないとして、ルート部が、主として放物線形状の外側輪郭(外形)を有する形状が提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
また、咀嚼機能は最大荷重がインプラントに垂直に加わるとして、インプラント底面部を水平とした形状の提案もある(例えば特許文献3等参照)。
自然の歯は帯結合の植立によって顎骨と結合している歯根膜を有し、咀嚼に対応する微小な可動性の機能を持っている。骨性癒着の歯は、この微小可動性機能がなく、繰り返しの加圧により必ず破損するため、人工歯根の植立後、本来の歯周靭帯のような線維組織が生成するような形状の人工歯根の提案も試みられている。ここで提案された人工歯根は、一端に歯冠部、反対端に根尖を有する円柱状であって、軸方向に沿って側面部に膨出部と陥凹部が交互に形成されることを特徴としている(例えば特許文献4等参照)。
また、人工歯根を、外筒と内部歯根の二重構造として、外筒と内部歯根を樹脂接着剤によって固着して、本来の歯周靭帯の機能をこの樹脂接着剤を緩衝材として代行させる方法の提案もある(例えば特許文献5等参照)。
この様に、従来からインプラントに於いては様々な取り組みがされているが、フィクスチャーと歯槽骨の結合性については、オッセオインテグレーションを利用して如何に強固に結合するかに焦点が当てられているのが現状である。
特開2006−314760号文献 特表2003−513684号文献 特開2006−269558号文献 特開平6−154246号文献 特開平7−213540号文献
オッセオインテグレーションを原理としたオッセオインテグレーティドインプラントは、歯の欠損から生ずる口腔機能を回復するための補綴治療である。歯槽骨にインプラントを埋入し、骨と直接結合する方式であり、オッセオインテグレーションの成立と維持が長期的な成功に必須である。このオッセオインテグレーションの成立には、インプラントの材料、形状、表面性状のインプラントに起因する要素と、骨の状態や荷重状態が重要な要素となる。
荷重状態は、成立したオッセオインテグレーションが長期に維持されるためには最も重要な要素と考えられている。荷重状態が不適切でインプラント周囲の歯槽骨に過度に荷重が集中する部分があると、その結果、骨の微小損傷により骨吸収が生じてオッセオインテグレーションが喪失するからである。
「骨の力学的要請度に応じて骨の造り替えを行って強度を変えていく。」と言うWolffの法則を基本としている歯は、その咀嚼機能や歯軋りなど、必然的にさまざまな方向からの荷重が加わると考えられ、食物を噛むという機能からすれば、荷重のコントロールはできず、インプラントを行った場合は、その物理的、形状的な効果により、荷重を集中させないで分散させる形状を中心に考えられてきた。
フィクスチャーの表面性状についても、歯槽骨と強固に結合させるためにオッセオインテグレーションを効率的に行うことを目的とした側面から考えられてきた。
このため、フィクスチャーの表面性状がインプラントの長期的な安定性、あるいは安全性についてどのようにすべきかについては、従来からほとんど報告された例が無いのが実情である。
本発明は、オッセオインテグレーティッドインプラントのフィクスチャーに係り、歯槽骨との固定を堅固にすると共に、インプラントを長期的に安定でかつ安全に維持するためのフィクスチャー表面性状を提供することを目的としている。
本発明は、歯科用のインプラントにおいて、歯槽骨に埋入されるフィクスチャーは、表面性状が異なる領域を備えていることを特徴とする。フィックスチャーの表面性状は、根尖部側と頸部側に分離した異なる表面性状領域を有し、表面性状に依存してオッセオインテグレーションが促進される歯槽骨との結合状態が異なることを特徴とする。
フィクスチャーの頸部側は表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金であり、根尖部側はハイドロキシアパタイトであることを特徴とする。頸部側の表面はアルカリ処理してもよい。
また、フィクスチャーの頸部側は表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金であり、根尖部側の表面をアルカリ処理してもよい。
本発明による歯科用インプラントのフィクスチャーは、フィクスチャー全体を表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金として製造し、根尖部側にハイドロキシアパタイトをコーティングすること、又はアルカリ処理することで製造可能である。根尖部側にハイドロキシアパタイトをコーティングする場合は、骨との摩擦で剥がれる可能性もあることから、根尖部側の先端部は、ハイドロキシアパタイトのコーティングを避けるようにしてもよい。
本発明による歯科用インプラントのフィクスチャーにより、初期固定が十分にでき、咬合による荷重を分散させて骨の吸収を防ぐと共に、オッセオインテグレーションを促進して、長期に渡って安定なインプラントを行なうことができる効果を有する。
また、フィクスチャー全体を表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金として製造し、根尖部側にハイドロキシアパタイトをコーティングして製造可能であるため、従来市販されている歯科用インプラントを利用して、簡単に実現できる。
本発明によるインプラントのフィクスチャー表面性状を示す図。 本発明による他のインプラントのフィクスチャー表面性状を示す図 歯の構造を説明するための断面図。 インプラントを埋入した状態を説明する図。 有限要素用による解析モデルを示す図。 有限要素法を演算する場合の拘束条件を説明する図。 有限要素法を演算する場合の荷重条件を説明する図。 有限要素法による歯槽骨へのミーゼス応力解析結果を示す図。 歯槽骨へのミーゼス応力が10GPa以上となる部分を骨吸収部位として取り出した図。 解析回数と骨吸収部位の変化を示す図。 Wolffの法則を適用した場合の解析回数と骨吸収部位の変化を示す図。 歯槽骨とフィックスチャーの結合状態を説明するモデル図。
インプラントは代用歯として使用されるが、咀嚼による咬合作用により、上鵜構造からアバットメントを介してフィクスチャーに咬合力が加えられることになる。フィクスチャーは歯槽骨に埋入されているため、上鵜構造に加えられた荷重は、フィクスチャーから歯槽骨に伝わり、歯槽骨に応力が発現する。この応力が適当な値である場合は、Wolffの法則により歯槽骨の再生、強化が行われるが、過剰な咬合力を加えた場合は、骨の破壊や吸収を引き起こし、ついには破綻する。
このため、本発明では、従来から検討されているマクロ的な視点からのフィクスチャー形状に対して、ミクロ的な視点からの歯槽骨破綻防止に有効な表面性状に着目してなされたものである。
図1は、本発明によるフィクスチャーの表面性状を示している。図1において、フィクスチャー部10は、カラー部20とフィクスチャー18を示し、カラー部20ではオッセオインテグレーションは発現しない。フィクスチャー18には、埋入を補助するガイド突起22が設けられている。歯槽骨へは、根尖部24から頸部26まで埋め込まれる。図1でのフィクスチャー形状は一例であり、この他にどの様な形状のフィクスチャーであってもよい。
フィクスチャー部10の表面性状は、歯槽骨とのオッセインテグレーションによる結合機能により、オッセオインテグレーションが発現しない研磨部12と、オッセオインテグレーションが部分的に発現する金属表面部14と、オッセオインテグレーションが略全領域で発現するHA部16とからなっている。金属表面部14は、チタン又はチタン合金であり、表面が微小な凹凸状態となっている。また、HA部16はハイドロキシアパタイトであり、ハイドロキシアパタイトは、チタン又はチタン合金のフィクスチャーにコーティングにより被膜することができる。
図2は、図1で説明した本発明によるフィクスチャーの表面性状に対して、根尖部の先端はコーティングによる被膜をしない表面性状とし、金属表面は、金属表面部14−1と金属表面部14−2の2か所設けている。ハイドロキシアパタイトのコーティングは、プラズマ溶射や半導体技術を応用した薄膜コーティングで行われるが、根尖部の先端はインプラントの埋入時に、骨との摩擦力が特に大きく、この摩擦抵抗によりコーティング膜が剥がれる可能性もあるからである。この場合においても本発明の効果が得られる。
この様に、本発明によるフィクスチャー表面性状は、オッセオインテグレーションが部分的に発現する領域とオッセオインテグレーションが略全領域で発現する領域を有していることを特徴としている。
以下、本発明のフィクスチャー表面性状がインプラント治療に効果的である理由について述べる。
図3は、歯の構造30を示す断面である。図3において、歯そのものは、表面に出ている部分である歯冠と歯茎に隠れている部分である歯根に分かれているが、その構造は、エナメル質32、象牙質36、歯髄38とセメント質34からなっている。歯茎は、歯肉40、付着歯肉42、歯槽骨44と歯根膜46からなっている。
歯の一番外側の部分はエナメル質32で、歯冠の表面部分はほとんどエナメル質である。エナメル質は硬いリン酸カルシウムというもので作られている。エナメル質は2〜3ミリ程度の厚みがあり、歯の表面に行くほど硬く、中に行くほど軟らかい構造になっている。セメント質34は、歯のエナメル質32の内側にあり、歯が表面に出ている部分ではエナメル質32の内側、歯茎の中に入っている部分では一番外側にある。セメント質34の内側にある象牙質36を保護する役割も担っている。歯髄38は、血管と神経が通っており、根管48で血管や神経に繋がっている。
歯は歯茎によって口の中に固定されており、歯周には歯槽骨44があり、歯槽突起とも言われ、頭蓋骨に歯をはめ込むはめ込み口の役割を果たしている。歯根膜46は歯と歯槽骨44を結合させているものであり、神経や毛細血管なども含まれている。歯肉40と付着歯肉42は、歯と歯槽骨44をつないでいる部分を保護している組織であり、神経や血管が通っている歯根膜48を保護している。
図4は、インプラントを埋入した状態を示す図である。インプラント50は、歯の外形となる歯冠52と歯槽骨44に埋め込まれるフィクスチャー18、及び、歯冠52とフィックスチャー18を結合するアバットメント54から構成されている。アバットメント54は、フィクスチャー18にネジ込む構造としているのが一般的であり、歯冠52は、アバットメント54に接着剤で接着されている。
インプラント50は、歯槽骨44に開けられた空洞にガイド突起を利用してねじ込まれ、フィクスチャー18と歯槽骨44が接触した状態で埋入されている。インプラント表面は、オッセオインテグレーションの発現による生体との結合が可能なチタンやチタン合金であり、オッセオインテグレーションを促進するために、表面に微細な凹凸が形成されている。最近では、ハイドロキシアパタイトも用いられており、ハイドロキシアパタイトでは、全表面領域に渡ってオッセオインテグレーションが発現し、より強固なインプラントの固定が可能となっている。
図4で示したインプラント50の埋入状態から明らかなように、図3に示した実際の歯の構造と異なるのは、歯髄38が無いのは勿論のこと、歯根膜46が無いことである。歯根膜46は歯周靭帯とも呼ばれる線維性結合組織で,歯槽骨44とセメント質34の間に介在し,歯を顎骨内に固定するとともに,自身は石灰化することなく咬合力や外力に代表されるメカニカルストレスが顎骨に直接加わらないように緩衝する役割も果たしている。
そして、コラーゲン線維を代表とする線維成分と細胞成分のほか,血管,神経も存在しており,種々の外的刺激を感受する(痛覚,圧覚)感覚装置としての役割,歯周組織の恒常性維持の役割も担っているが、実際にインプラントを埋入して使用している人の感覚では、全く天然歯と変わらないと感じている人がほとんどであり、現在ではインプラント50に歯根膜44がないことを問題視することは少なくなっている。
このため、インプラントは咀嚼による咬合作用により、上鵜構造からアバットメントを介してフィクスチャーに伝わる咬合力であるメカニカルストレスが主要課題とされている。
次に、メカニカルストレスに対して埋入されたインプラントから歯槽骨にかかる応力を有限要素法により解析し、歯槽骨の破綻について考察する。
図5は、インプラント50による歯槽骨44への応力解析を行うための有限要素法による解析モデル60を示している。ここでは、インプラントの歯槽骨44に埋入される部分であるフィクスチャー形状と応力との関係を明らかにすることを目的としており、フィクスチャーにアバットメントを加えたインプラントモデルとしている。また、フィクスチャーと歯槽骨は完全に接合されているものとした。図1において、歯槽骨44におけるメッシュは、インプラントの近辺の応力を詳細に解析するために、他の部位よりも要素分割を細かくしたメッシュとした。また、X軸、Y軸、Z軸は図5に示した。
解析モデル60は、解析の計算時間を短縮させるため、中心から切断した1/2を対象としている。さらに、解析を容易にするために、フィクスチャー形状は、根尖部を半円形状とした円筒型としてモデル化した。
図6は、有限要素法での解析を行うための拘束条件である。拘束条件は、歯槽骨44の遠心面を全拘束、近心面を対象型拘束としている。
図7は、有限要素法での解析を行うための荷重条件である。荷重条件は、鉛直下方45度へ総荷重100Nをアバット上面へ等分布荷重とした。これにより、水平方向及び垂直方向への荷重成分は、70.9Nとなる。
インプラント50の物性値は、フィクスチャー材料であるチタンとして、ヤング率Eを116、ポアソン比を0.3とした。歯槽骨44の物性値は、Micshの骨質分類のD3から、ヤング率Eを0.203、ポアソン比を0.4とした。
図8は、有限要素法により上記条件で解析した結果であり、歯槽骨にかかるミーゼス応力を示している。主に、フィクスチャー頸部周辺縁部と根尖部周辺に集中し、最大14.22GPaであり、最小は歯槽骨底部の0.073GPaであった。
歯槽骨の破綻、即ち骨吸収は、生理的に許容できる範囲内であれば起こらないが、生理的に許容できる範囲を少しでも超えた場合は、骨吸収が起きることは認識されている。この歯槽骨が生理的に許容できる範囲は一般的に認められた値は存在しないが、臨床経験上、10GPa程度が現実的に無理のない妥当な値であると考えられる。
従って、図9に示すように、歯槽骨へのミーゼス応力66が10GPaを超えた部位を骨吸収が起きた骨吸収部位68として、この要素部分を取り除いて繰り返し解析を行った。実際の解析は、1回目の解析結果でミーゼス応力が10GPaを超えた要素を抽出して、抽出した歯槽骨要素のヤング率Eを0.203から0.00001として、他の条件を変えずに2回目の解析を行い、同様な方法で繰り返し解析を行った。
図10は、繰り返し解析を行った結果を示している。図10では、ミーゼス応力が10GPaを超えた骨吸収要素数を解析回数に応じて表示している。ミーゼス応力が10GPaを超えた骨吸収要素、解析回数が多くなるに従い、フィクスチャー頸部周辺縁部と根尖部周辺部を中心に増加し、7回目では骨吸収部位は完全に繋がり、インプラントが破綻してしまうという結果となった。
現実には、埋入したインプラントが100%必ず失敗するという現象は起きておらず、「骨の力学的要請度に応じて骨の造り替えを行って強度を変えていく。」と言うWolffの法則を適用する必要があると考えられる。Wolffの法則を適用する場合において、解析的には、前述の解析手法と同様に、まず1回目の解析結果から、歯槽骨44においてミーゼス応力が10GPaを超えた要素を抽出した。これらの抽出した要素の物性値のヤング率Eを、0.203から、10%に脆弱化した値である0.0203とし、他の条件を変えずに2回目の解析を行った。
さらに2回目の解析結果から、ミーゼス応力が10GPaを超える要素のヤング率Eを0.203から、20%に脆弱化した値である0.0406とし、他の条件を変えずに3回目の解析を行った。3回目の解析ではミーゼス応力が10GPaを超える要素のヤング率Eを0.203から、30%に脆弱化した値である0.0609とし、他の条件を変えずに4回目の解析を行い、同様な手法で、8回目まで解析を行った。
図11は、Wolffの法則を適用した場合の解析回数と骨吸収部位72を示した解析結果である。解析回数に対して使用したヤング率Eも示している。この解析結果から、フィクスチャー頸部の周囲辺縁部と根尖部の周辺縁部に発生した骨吸収部は、解析操作を重ねるに従い減少し、8回目の操作で骨吸収部はゼロとなり、インプラントは破綻することなく骨吸収部は収束し、安定化する結果となった。歯槽骨周辺の応力集中は、次第に深部に移動し分散した。
この結果より、歯槽骨の物性値が一様だと、荷重に対する歯槽骨の応力は必ずフィクスチャー頸部に接する周囲辺縁部と根尖部周辺に応力集中が発生し、この応力を回避するために、生体は応力集中部位の骨質を脆弱化する適応反応が起こる。これにより、フィクスチャーに接する部分を歯槽骨本来の物性値よりも脆弱化し、その周辺部に応力集中を回避して分散させている。
以上、インプラントのフィクスチャーと歯槽骨が完全に結合しているとの条件で、マクロ的な観点から応力集中と歯槽骨の脆弱化によりインプラントの破綻が防止できていることを考察したが、ミクロな観点から表面性状との関係を述べる。表面性状は、オッセオインテグレーションが不完全であり、部分的な隙間がフィクスチャーと歯槽骨との間に存在している場合についてである。
図12は、表面性状との関係を考察するために、ミクロな観点からのフィクスチャーと歯槽骨との結合関係をモデル化した図である。図12(A)は、フィクスチャー18と歯槽骨44が完全に結合している場合の完全結合モデル、図12(B)は、フィクスチャー18と歯槽骨44が不完全な状態で部分的に結合している場合の部分結合モデルである。
荷重はフィクスチャー18を介して歯槽骨44に加えられる。完全結合モデルの場合は、フィクスチャー18での咬合力に対して図12の下方に荷重が加わり、歯槽骨44では応力として逆方向に力が作用する。荷重は、フィクスチャー18と歯槽骨44が完全結合状態であり、歯槽骨44の表面全体に加わり、応力も歯槽骨44全体に発生する。フィクスチャー18からの左右方向の荷重に対しても、歯槽骨44の表面全全体に加わり、歯槽骨44では応力として逆方向に力が作用する。
一方、部分結合モデルでは、図12における下方への荷重は、部分的に結合している領域だけである。図11におけるフィクスチャー18の右方向への荷重は、結合部分に加わると同時に、歯槽骨44は完全な固体ではないため、結合部分が押されて結合していない隙間部分に一部の荷重がかかるものと考えられる。フィクスチャー18からの左方向への荷重は、結合部分に加わるが、隙間部分は結合していないため、応力は働かない。
この様な応力の発生状態では、結合部分に応力が集中するが、結合していない部分に存在する隙間により、フィクスチャーの変位は大きくなるが、マクロ的な応力は分散するものと考えられる。この部分結合モデルに、前述したWolffの法則を適用した場合の解析結果を適用して考えると、結合した部分に応力が集中して歯槽骨が脆弱化されることになり、フィクスチャーからの荷重を分散した応力に変換する歯槽膜の代用機能を果たすことでインプラントの破綻を防止することができると考えられる。
しかしながら、フィクスチャー全体が部分結合モデルの状態となると、歯槽膜の代用機能を果たすとしてもその結合力は弱く、フィクスチャーと歯槽骨との固定状態が不完全となり、返ってインプラントの安定性が弱くなり、予知性の低いインプラントとなる。従って、フィクスチャーにおいて、完全結合モデルとなる領域で十分な固定を行い、部分結合モデルとなる領域で応力の集中を分散させることでより予知性の高いインプラントとすることができる。
さらに考慮すべきは、フィクスチャー頸部の周囲辺縁部の応力集中を避けることが望ましいことである。フィクスチャーの埋入モデルでは、フィクスチャー頸部の周辺縁部に応力が集中するが、応力集中を深部、即ち根尖部側に移動させることで、応力集中を分散させ、辺縁部歯槽骨を守ることができる。応力集中の移動は、図12に示した完全結合モデルと部分結合モデルを組み合わせた境界部がその機能を果たす。完全結合モデル部は、応力が全体的に発生し、物性値がそのまま寄与するが、部分結合モデル部では、微小な部分での破綻及び微小な隙間の存在により歯槽骨の軟化を生じ、荷重に対して変位し易くなる。このために、部分結合モデルと完全結合モデルとの境界に応力が集中するためである。
以上の考察から、フィクスチャーの表面性状は、カラー部側であるフィクスチャー頸部側を部分結合モデルとなる表面性状とし、根尖部側を完全結合モデルとなる表面性状とすることが良いことが分かる。
部分結合モデルとなるフィクスチャーの表面性状を実現するためには、チタン又はチタン合金の表面と歯槽骨のオッセオインテグレーション現象を利用できる。チタン又はチタン合金の表面と歯槽骨のオッセオインテグレーションは、骨とフィクスチャー間に微小な隙間が存在することは広く認識されているところであり、結合部の顕微鏡の写真でも確認されている。
チタン又はチタン合金の表面は、微細な凹凸を形成してもよいし、さらにアルカリ処理がされていてもよい。チタン又はチタン合金の表面に微細な凹凸を形成するためには、高濃度の塩酸、硫酸、リン酸、フッ酸、硝酸またはこれらの混合酸を使用して表面処理する。また、アルカリ処理は、フィクスチャーを水酸化ナトリウムのアルカリ液に浸潰した後加温処理する。これにより、フィクスチャー表面にチタン酸ナトリウムを含む薄層が形成され、アバタイト形成機能を有するようになる。
完全結合モデルのとなるフィクスチャーの表面性状を実現するためには、ハイドロキシアパタイトの表面とする。ハイドロキシアパタイトは積極的に骨と結合しようとする生体活性材料であり、リン酸カルシウムでできた歯や骨を構成する成分である。エナメル質の97%、象牙質の70%がハイドロキシアパタイトで構成されているといわれている。
ハイドロキシアパタイトと歯槽骨との結合は、バイオインテグレーションといわれ、歯槽骨との間にはカルシウムが沈着し生化学的に結合する。ハイドロキシアパタイトと歯槽骨はカルシウムブリッジによって直接結合している。ハイドロキシアパタイト表面のほぼ全領域での結合が促進され、チタンより骨生成速度が早く歯槽骨と直接結合する。
これは、ハイドロキシアパタイト表面の結晶性リン酸カルシウムに歯槽骨の無機質成分がエピタキシャル成長し易く、リン酸カルシウムの溶解がおこり、局部的なカルシウムイオン濃度が高まるために、骨芽細胞を活性化させるコラーゲンの分泌が高まり、骨芽細胞を伝導するタンパク質が多量に吸着するためであると考えられている。骨性タンパクはリン酸カルシウムとの吸着性を向上させ、細胞が作り出した新生骨はハイドロアパタイトが主成分であるために、インプラント表面のハイドロアパタイトと結晶学的に連続性をなし、歯槽骨とインプラントが直接結合することになる。
しかしながら、ハイドロキシアパタイトの生体親和性は、口腔内細菌の細菌も付着し易すく、炎症の原因となるばかりでなく、細菌が酸を産出するため、低pH環境ではリン酸カルシウムを主成分とするハイドロキシアパタイトが溶解する場合がある。特に金属表面にコーティングされたハイドロキシアパタイトは、コーティング膜の溶解、剥離といった問題を生ずる。
インプラント周囲のpHの低下は、フィクスチャー頸部へのプラーク付着による細菌の存在が、ポケット内の酸性化を促進したり、細菌により炎症を起こした時に生じ易くなったりすると考えられる。このため、ハイドロキシアパタイトを表面コーティングしたHAインプラントでは、歯槽骨とインプラントが密着していないと骨形成が行われる前に上皮侵入が生じ結果として線維性被包による脱落の可能性があるため、チャンネリングドリル形成での精密性が要求される。
さらに、周囲骨の炎症部位の存在を精査することはもちろん、細菌の侵入を防ぐために、フィクスチャーのコーティングしたハイドロキシアパタイト部分を完全に歯槽骨中に埋入させた状態とするために、高度な技術を要した。
本発明では、完全結合モデルとなる表面性状は、フィクスチャーの根尖部側であり、この部分にハイドロキシアパタイトのコーティング部分が存在する。このため、フィクスチャーの頸部側から離れているため、完全にフィクスチャー部が埋入状態とはならなくてもプラーク付着が無く、細菌の侵入も極めて少なくなる。この効果により、インプラントの長期安定性も得られることになる。
なお、部分結合モデルとなる領域を、微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金表面とし、完全結合モデルとなる領域に、微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金表面にアルカリ処理を施して実現してもよい。
本発明は、図1及び図2に示したように、歯科用のインプラントにおいて、歯槽骨に埋入されるフィクスチャーは、表面性状が異なる領域を備え、根尖部側と頸部側に分離した異なる表面性状性領域を有し、表面性状に依存してオッセオインテグレーションが促進される歯槽骨との結合状態が異なることを特徴としている。
フィクスチャーの頸部側は表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金であり、根尖部側はハイドロキシアパタイトであることを特徴とする。頸部側の表面はアルカリ処理してもよい。表面性状の異なる境界部には、応力を集中させることができるので、予知性と関係ない部分に意図して応力を集中させ、その部分の歯槽骨の適応反応を期待することができる。例えば、図8の解析結果からすれば、フィクスチャーの中央部近辺と考えられるから、表面性状の異なる境界部を、根尖部からフィクスチャーの1/3〜2/3の位置とすることが好ましい。
また、フィクスチャーの頸部側は表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金であり、根尖部側の表面をアルカリ処理してもよい。
本発明による歯科用インプラントのフィクスチャーは、フィクスチャー全体を表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金として製造し、根尖部側にハイドロキシアパタイトをコーティングすること、又はアルカリ処理することで製造可能である。このために、従来製造されているインプラントを利用して、根尖部側をハイドロキシアパタイトでコーティングする、あるいは根尖部側をアルカリ処理することで容易に実現される。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に、上記の実施形態よる限定は受けない。
10,26 フィクスチャー部
12 研磨部
14,14−1,14−2 金属表面部
16 HA部
18 フィクスチャー
20 カラー部
22 ガイド突起
24 根尖部
30 歯の断面
32 エナメル質
34 セメント質
36 象牙質
38 歯髄
40 歯肉
42 付着歯肉
44 歯槽骨
46 歯根膜
48 根管
50 インプラント
52 歯冠
54 アバットメント
60 解析モデル
62 拘束条件
64 荷重条件
66 歯槽骨へのミーゼス応力
68 骨吸収部位
70、72 解析回数と骨吸収部位

Claims (7)

  1. 歯科用のインプラントにおいて、
    歯槽骨に埋入されるフィクスチャーは、表面性状が異なる領域を備えていること、
    を特徴とするインプラント。
  2. 請求項1に記載のインプラントにおいて、
    前記フィクスチャーの表面性状は、根尖部側と頸部側に分離した異なる表面性状性領域を有し、表面性状に依存してオッセオインテグレーションが促進される歯槽骨との結合状態が異なること、
    を特徴とするインプラント。
  3. 請求項2に記載のインプラントにおいて、
    前記フィクスチャーの頸部側は表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金であり、根尖部側はハイドロキシアパタイトであること、
    を特徴とするインプラント。
  4. 請求項3に記載のインプラントにおいて、
    前記頸部側の表面はアルカリ処理されていること、
    を特徴とするインプラント。
  5. 請求項2に記載のインプラントにおいて、
    前記フィクスチャーの頸部側は表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金であり、根尖部側はアルカリ処理されていること、
    を特徴とするインプラント。
  6. 請求項3に記載のインプラントにおいて、
    前記フィクスチャー全体を表面に微細な凹凸を有するチタン又はチタン合金で構成し、根尖部側にハイドロキシアパタイトが被膜されていること、
    を特徴とするインプラント。
  7. 請求項6に記載のインプラントにおいて、
    前記根尖部側に被膜されているハイドロキシアパタイトは、根尖部側の先端部は、ハイドロキシアパタイトの被膜がされていないこと、
    を特徴とするインプラント。

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