JP2013143331A - アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池 - Google Patents

アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2013143331A
JP2013143331A JP2012004134A JP2012004134A JP2013143331A JP 2013143331 A JP2013143331 A JP 2013143331A JP 2012004134 A JP2012004134 A JP 2012004134A JP 2012004134 A JP2012004134 A JP 2012004134A JP 2013143331 A JP2013143331 A JP 2013143331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intermediate product
bottom wall
secondary battery
manufacturing
punch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012004134A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Shibaoka
浩行 柴岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Twicell Co Ltd
Original Assignee
FDK Twicell Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by FDK Twicell Co Ltd filed Critical FDK Twicell Co Ltd
Priority to JP2012004134A priority Critical patent/JP2013143331A/ja
Publication of JP2013143331A publication Critical patent/JP2013143331A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

【課題】外装缶の底壁の薄肉化による電池の高容量化と、内部圧力の上昇に伴う外装缶の底壁の膨れの発生を抑制することとを両立できるアルカリ二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】アルカリ二次電池の製造方法は、凸状に湾曲した下端部60を有する第1パンチ本体56を円板44の中央部分70に押し付けて、円板44の中央部分70を湾曲状に加工して薄肉化する底壁薄肉化プロセスと、凸状に湾曲した円板44に絞り加工を施すことにより第1中間製品50を形成する中間製品形成プロセスと、この第1中間製品50の湾曲している底部を第2パンチ本体78の下端面82と受け具76の上端面96との間に挟み込むことにより平坦化する平坦化プロセスと、底部が平坦化された第1中間製品に絞り加工を施す深絞りプロセスと、深絞りプロセスを経て得られた第2中間製品100に仕上げの絞り加工を施して外装缶10を形成する仕上げプロセスとを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池に関する。
アルカリ二次電池の一つとして、ニッケル水素二次電池が知られており、このニッケル水素二次電池は、ニッケルカドミウム二次電池に比べ環境安全性に優れることからさまざまな用途に使用されるようになっている。このようなさまざまな用途に使用されるニッケル水素二次電池に対しては、種々の特性の向上が望まれており、特に高容量化が望まれている。
ここで、一般的なニッケル水素二次電池は、負極端子を兼ねる外装缶内に、水酸化ニッケルを含む正極、水素吸蔵合金を含む負極及びセパレータからなる電極群を収容したのち、アルカリ電解液を注入し、この後、外装缶の上端開口を封口体で封口することにより製造されている。このようなニッケル水素二次電池において高容量化を図る手段の一つとして、外装缶の肉厚を薄くすることが挙げられる。詳しくは、電池の外装缶の肉厚を従来よりも薄くすると、その分だけ、外装缶の内部容積が増えるので、電極群のサイズアップが可能となり、電極群に含まれる正極及び負極の活物質の量を増やすことができ、電池の高容量化が図れる。
ここで、周壁を薄肉化する外装缶の製造方法としては、例えば、特許文献1に示される外装缶の製造方法が知られている。特許文献1の方法では、まず、鉄製のカップ状の素材を準備する。一方、それぞれ異なる径の絞り用貫通孔を有するダイスを複数個準備し、前記貫通孔の径が順次小さくなるようにこれらダイスを同軸線上に多段に配置する。そして、第1段目のダイスに前記素材を導入した後、この素材を前記外装缶の内径と略等しい外径のパンチで押して一気に最終段のダイスまで通過させる。これにより、所定内径を有する有底円筒状の外装缶が得られる。ここで、前記素材は、各ダイスを通過する過程で連続的に絞り−しごき加工が施される。この加工により、底壁の部分は、径が小さくなっていくだけで厚みはほぼ前記素材の厚みのままであるが、周壁の部分は、ダイスを通過する際に大きな力が加えられて連続的にしごかれるため厚みが前記素材の厚みよりも大幅に薄くなる。また、周壁は加工硬化を起こしているので高硬度化している。
ところで、近年、モバイル用の各種ポータブル機器の長時間駆動の要求から、ニッケル水素二次電池に対しては、更なる高容量化が望まれている。このため、電池の外装缶においても、内部容積をより増大させることが望まれており、周壁の薄肉化と併せて底壁の薄肉化も試みられている。
ここで、上記したような特許文献1の方法を採用して外装缶を製造する場合、底壁の薄肉化は、予め厚みの薄い母材からなるカップ状の素材を用いることで対応することが一般的に行われている。つまり、特許文献1の方法では、前記素材の厚みが、得られる外装缶の底壁部分の厚みにほぼ相当するからでる。
特公平07−099686号公報
ところで、ニッケル水素二次電池は、過充電時に正極から発生する酸素ガスを水素吸蔵合金負極が還元消費することにより電池の内部圧力を一定に保っている。しかしながら、充放電を繰り返していくと、水素吸蔵合金の劣化により酸素ガスを負極で十分に還元消費できなくなる。このため、ニッケル水素二次電池では、充放電のサイクル数が増えていくにしたがい、電池の内部圧力が上昇する傾向がある。
上記したような高容量化を図るために厚みの薄い素材からなる外装缶を用いた電池においては、内部圧力が上昇すると外装缶の底壁の部分が変形して外側に向かって膨れることがある。これは、前記素材を薄くしたことにより外装缶の底壁部分の強度が従来よりも低くなり、充分な耐圧強度を確保できなくなるためであると考えられる。このように外装缶の底壁部分が膨れると電池の長手方向の寸法が大きくなり、電池をポータブル機器等の電池室に収容できなくなるなどの不具合が生じる。
電池の内部圧力上昇に伴う外装缶の底壁部分の膨れを抑えるためには、底壁の強度を保持するため、底壁の厚みはなるべく厚くすることが好ましい。しかしながら、底壁の厚みを厚くすると電池の高容量化が妨げられてしまう。つまり、電池の高容量化と電池の底壁部分の膨れ抑制とは、両立させることが困難であった。
ここで、内部圧力上昇に伴う外装缶の底壁部分の膨れを抑える対策として、薄くても強度が高い母材を用いることも考えられるが、この場合、母材の加工そのものが困難となり、外装缶を製造できたとしても大幅な製造効率の低下を招き、製造コストの上昇などの弊害が生じるため、実用化はされていない。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、外装缶の底壁の薄肉化による電池の高容量化と、内部圧力の上昇に伴う外装缶の底壁の膨れの発生を抑制することとを両立できるアルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法を用いたアルカリ二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、有底円筒状の外装缶を製造する外装缶製造工程、前記外装缶に正極、負極及びセパレータからなる電極群を収納する電極群収納工程、前記電極群が収納された外装缶内にアルカリ電解液を注入する電解液注入工程及び前記アルカリ電解液の注入後に前記外装缶の開口を蓋板で封口する封口工程を備えたアルカリ二次電池の製造方法において、前記外装缶製造工程は、母材としての金属製の板材から前記外装缶の出発素材としての円板を打ち抜く打抜プロセスと、前記円板に絞り加工を施してカップ状の中間製品を形成する中間製品形成プロセスと、前記中間製品に絞り加工を施して縮径するとともに周壁を薄肉化する深絞りプロセスと、前記深絞りプロセスを経た前記中間製品に仕上げの絞り加工を施して前記外装缶を形成する仕上げプロセスとを含み、前記打抜プロセスと前記仕上げプロセスとの間にて、前記円板又は前記中間製品における前記外装缶の底壁となるべき缶底形成予定部を凸状に変形させて薄肉化する底壁薄肉化プロセス及び凸状に変形した前記缶底形成予定部を平坦化する平坦化プロセスを更に含むことを特徴とするアルカリ二次電池の製造方法が提供される(請求項1)。
ここで、前記底壁薄肉化プロセスは、凸状に湾曲した押圧面を有するパンチを前記円板の中央部分に押圧することにより凸状に湾曲した円板を形成し、前記中間製品形成プロセスは、凸状に湾曲した前記円板に絞り加工を施すことにより底部が湾曲しているカップ状の中間製品を形成し、前記平坦化プロセスは、前記中間製品の湾曲している底部を平坦な押圧面を有するパンチと平坦な受け面を有する受け具との間に挟み込むことにより平坦化することが好ましい(請求項2)。
また、前記母材には、硬度がビッカース硬度で80Hv〜120Hvの範囲にある鉄を主体とする板材を用い、前記底壁薄肉化プロセスでは、前記底壁の硬度がビッカース硬度で100Hv〜180Hvとなるべく加工硬化を起こさせ、前記深絞りプロセスでは、前記周壁の硬度がビッカース硬度で190〜210Hvとなるべく加工硬化を起こさせることが好ましい(請求項3)。
また、本発明によれば、上記した請求項1〜3の何れかに記載の製造方法を用いて製造したアルカリ二次電池が提供される(請求項4)。
ここで、前記外装缶の底壁の硬度は、前記外装缶の周壁の硬度に対して50%以上90%以下の範囲にある構成とすることが好ましい(請求項5)。
本発明に係るアルカリ二次電池の製造方法は、外装缶製造工程に底壁薄肉化プロセス及び平坦化プロセスを含んでいる。この底壁薄肉化プロセスは、外装缶の出発素材としての円板又は前記円板を絞り加工した中間製品における前記外装缶の底壁となるべき缶底形成予定部を凸状に変形させて薄肉化する工程である。一方、平坦化プロセスは、凸状に変形した前記缶底形成予定部を平坦化する工程である。このように、外装缶を製造する過程で、外装缶の底壁となるべき缶底形成予定部に加工を施すと、この缶底形成予定部は薄肉化されるとともに加工硬化を起こし、硬度が高められる。その結果、外装缶の底部は、薄肉化されるので、内部容積が増加し、その分電極群のサイズアップが可能となり、電池の高容量化が図れる。しかも、外装缶の底部は、硬度の向上にともない強度が増しているので、電池の内圧が上昇しても、底壁部が変形して膨れることは抑えられる。つまり、本発明の製造方法によれば、外装缶の底壁の薄肉化による電池の高容量化と、内部圧力の上昇に伴う外装缶の底壁の膨れの発生を抑制することとを両立できる。よって、本発明により提供される電池は、高容量であり、しかも、充放電サイクル時の缶底部の膨れが抑制されるため、高品質なものとなる。
また、本発明では、硬度が比較的低い母材を用い、外装缶を形成する過程で、周壁とともに底壁の加工を行い、周壁及び底壁に加工硬化を起こさせるので、最終的に得られる外装缶の硬度は高いにもかかわらず、外装缶の製造は比較的容易に行え、製造効率の低下を招くことはない。
本発明の一実施形態に係るニッケル水素二次電池を部分的に破断して示した斜視図である。 外装缶の出発素材としての円板を打ち抜く態様を示す断面図である。 円板を第1中間製品に加工する態様を示す断面図である。 第1中間製品の底部を平坦化する態様を示す断面図である。 第1中間製品に絞り加工を施し、第2中間製品を製造する態様を示す断面図である。 第2中間製品に絞り加工を施す態様を示す断面図である。 第2中間製品を外装缶に加工する態様を示す断面図である。
以下、本発明が適用されるニッケル水素二次電池(以下、単に電池と称する)2について図面を参照して説明する。
本発明が適用される電池としては特に限定されないが、例えば、図1に示すAAサイズの円筒型電池2に本発明を適用した場合を例に説明する。
この電池2は、図1から明らかなように、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備えている。この外装缶10内には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)とともに電極群22が収容されている。外装缶10は導電性を有し、その底壁35は負極端子として機能する。外装缶10の開口内には、導電性を有する円板形状の蓋板14及びこの蓋板14を囲むリング形状の絶縁パッキン12が配置され、絶縁パッキン12は外装缶10の開口縁36をかしめ加工することにより外装缶10の開口縁36に固定されている。即ち、蓋板14及び絶縁パッキン12は互いに協働して外装缶10の開口を気密に閉塞している。
ここで、蓋板14は中央に中央貫通孔16を有し、そして、蓋板14の外面上には中央貫通孔16を塞ぐゴム製の弁体18が配置されている。更に、蓋板14の外面上には、弁体18を覆うようにしてフランジ付き円筒形状の正極端子20が固定され、正極端子20は弁体18を蓋板14に向けて押圧している。なお、この正極端子20には、図示しないガス抜き孔が開口されている。
通常時、中央貫通孔16は弁体18によって気密に閉じられている。一方、外装缶10内にガスが発生し、その内圧が高まれば、弁体18は内圧によって圧縮され、中央貫通孔16を開き、この結果、外装缶10内から中央貫通孔16及び正極端子20のガス抜き孔を介してガスが放出される。つまり、中央貫通孔16、弁体18及び正極端子20は電池のための安全弁を形成している。
電極群22は、それぞれ帯状の正極24、負極26及びセパレータ28からなり、これらは正極24と負極26との間に絶縁性樹脂からなるセパレータ28が挟み込まれた状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ28を介して正極24及び負極26が互い重ね合わされている。ここで、正極24は、多孔質構造を有する導電性の正極基板と、正極基板の空孔内に保持された正極合剤とからなる。この正極合剤には、水酸化ニッケルが含まれている。また、負極26は、帯状をなす導電性の負極基板(芯体)を有し、この負極基板に水素吸蔵合金を含む負極合剤が保持されている。
電極群22の最外周は負極26の一部(最外周部)により形成され、外装缶10の周壁内面と接触している。即ち、負極26と外装缶10とは互いに電気的に接続されている。
そして、外装缶10内には、電極群22の一端と蓋板14との間に正極リード30が配置され、正極リード30の両端は正極24の内端及び蓋板14にそれぞれ接続されている。従って、蓋板14の正極端子20と正極24とは、正極リード30及び蓋板14を介して互いに電気的に接続されている。なお、蓋板14と電極群22との間には円形の絶縁部材32が配置され、正極リード30は絶縁部材32に設けられたスリットを通して延びている。また、電極群22と外装缶10の底部との間にも円形の絶縁部材34が配置されている。
このような電池2を製造するにあたり、まずは、外装缶10が準備される。
本発明に係る外装缶10は、以下のようにして製造される。
まず、母材として金属材料からなる板材48が準備される。この板材48としては、特に限定されるものではないが、鉄を主体とする材料からなる板材が好適に用いられ、例えば、冷間圧延鋼板等を用いることができる。好ましくは、絞り加工に適したJIS G 3141に規定されるSPCD材からなる鋼板が挙げられる。そして、この鋼板としては、予めニッケルめっきが施されたものを用いることがより好ましい。ここで、母材の硬度は、ビッカース硬度で80Hv〜120Hvの範囲のものを用いることが好ましい。母材硬度が80Hvより低いと、所定の強度を得ることができず、120Hvを超えると加工が困難となり所定の外装缶を製造することが困難となり、製造効率の低下を招くからである。また、母材としては、厚みが0.15〜0.50mmのものを用いることが好ましい。
準備された板材48は、図2に示すように、プレス機械(図示せず)に装着された打抜ダイス40及び打抜パンチ42により打ち抜き加工が施される。これにより、外装缶10の出発素材としての円板44が得られる。詳しくは、図2(a)に示すように、所定内径の貫通孔46を有する打抜ダイス40と、前記貫通孔46に挿通可能な所定外径を有する打抜パンチ42との間に板材48が配置される。これら打抜ダイス40の貫通孔46の内径と打抜パンチ42の外径は、所定の外径を有する円板44が得られるように、適切な寸法に設定されている。次いで、図2(b)に示すように、プレス機械を操作することにより、打抜パンチ42を降下させて打抜ダイス40の貫通孔46に挿通させていく。この過程で板材48から所定の円板44が打ち抜かれる。
このようにして得られた円板44は、次いで、浅いカップ状の中間製品(以下、第1中間製品という)50に加工される。この第1中間製品50を製造する工程では、図3(a)に示すように、同一軸線上に配置され、互いに対向するようにプレス機械(図示せず)に装着された第1絞りダイス52及び第1絞りパンチ54が用いられる。
第1絞りパンチ54は、第1パンチ本体56と、この第1パンチ本体56の周囲に配置された第1しわ押さえ部材58とを備えている。
第1パンチ本体56は、打抜パンチ42よりも外径が小さい円柱状をなしており、第1絞りダイス52側の下端部60は湾曲状に突出している。この第1パンチ本体56は、プレス機械の駆動装置により、上下に移動可能である。
第1しわ押さえ部材58は、第1パンチ本体56の外周を囲むリング状をなしている。この第1しわ押さえ部材58は、第1絞りダイス52側の下端62が平坦面となっている。この第1しわ押さえ部材58は、第1パンチ本体56の軸線方向に沿った方向に摺動可能であり、図示しない制御装置により第1絞りダイス52に向かう方向へ所定のしわ押さえ力をかけることができる。
一方、第1絞りダイス52は、固定されており、その中央に第1パンチ本体56を受け入れ可能な受入穴64を有している。この受入穴64は、第1パンチ本体56の外径よりも僅かに大きい内径寸法を有しており、底部66は、第1パンチ本体56の下端部60と合致するように湾曲状に凹んでいる。
ついで、第1中間製品50の製造手順について説明する。図3(a)は、第1絞りパンチ54が上昇位置にある状態を示している。このとき、第1パンチ本体56は、第1しわ押さえ部材58の中に収まっており、その下端部60は、第1しわ押さえ部材58の下端面62よりも上側に位置している。ここで、第1絞りダイス52の上の所定位置に円板44が供給される。なお、この円板44には、焼き付き防止のための油が予め塗布されている。
その後、図3(b)に示すように、第1パンチ本体56及び第1しわ押さえ部材58は、第1絞りダイス52に向かって移動し、第1しわ押さえ部材58と第1絞りダイス52の上端面68により、円板44の周縁部が挟持される。このとき、第1しわ押さえ部材58により、円板44に対し、図3中矢印F1で示される所定のしわ押さえ力が加えられている。
次に、第1パンチ本体56が第1しわ押さえ部材58の中を移動していき、更に下がっていくと、図3(c)に示すように、第1絞りダイス52の受入穴64に入り込んでいく。これにともない、第1絞りダイス52と第1しわ押さえ部材58に挟持されている円板44は、変形していく。このとき、第1パンチ本体56の下端部60は、湾曲状に突出しているので、その形状に沿って円板44は変形していく。つまり、外装缶10の底壁35となるべき円板44の中央部分70が丸みを帯びて受入穴64内に突き出していく。このとき、円板44の中央部分70は、引き伸ばされ、厚みが薄くなるとともに加工硬化を起こし、硬度が高められる。
一方、円板44の周縁部72は、第1しわ押さえ部材58と第1絞りダイス52により押さえられているものの、厳密には表面に塗布された油の膜により僅かずつ滑りながら第1絞りダイス52の受入穴64内へ押し込まれていく。このように受入穴64内へ押し込まれていくことにより、徐々に周壁59が形成されていく。ここで、周壁59となる円板44の周縁部72は、受入穴64に押し込まれていく過程で、しごかれていき、厚みが薄くなるとともに加工硬化を起こし、硬度が高められる。
そして、図3(d)に示すように、第1パンチ本体56の下端部60が、第1絞りダイス52の受入穴64の底部66に到達すると、第1パンチ本体56と第1絞りダイス52の受入穴64との間に形成される隙間に適合した第1中間製品50が得られる。この第1中間製品50は、底壁51が丸みを帯びて突出した浅いカップ状をなしている。本発明においては、丸みを帯びた第1パンチ本体56で絞り加工を施すことにより、外装缶10の底壁35となるべき部分と周壁38となるべき部分の両方に加工硬化を起こさせることが可能である。
次に、第1中間製品50は、その丸みを帯びた底壁51を平坦な状態に再加工されるとともに、更に絞り加工が施される。
第1中間製品50の底壁51を平坦な状態に再加工する工程につき、図4を基に以下に詳しく説明する。
この工程では、図4(a)に示すように、同一軸線上に配置され、互いに対向するようにプレス機械(図示せず)に装着された第2絞りパンチ74及び第2絞りダイス76が用いられる。
第2絞りパンチ74は、第2パンチ本体78と、この第2パンチ本体78の周囲に配置された第2しわ押さえ部材80とを備えている。
第2パンチ本体78は、第1パンチ本体56よりも外径が小さい円柱状をなしており、平坦な下端面82を有している。そして、この第2パンチ本体78は、プレス機械の駆動装置により、上下に移動可能である。
第2しわ押さえ部材80は、第2パンチ本体78の外周を囲むようなリング状をなしている。この第2しわ押さえ部材80は、外径が第1中間製品50の内径と略同じであり、第2絞りダイス76側の下端が先細りとなるテーパー部81を有している。また、この第2しわ押さえ部材80は、第2パンチ本体78の軸線方向に沿った方向に摺動可能であるとともに、図示しない制御装置により第2絞りダイス76に向かう方向へ所定のしわ押さえ力をかけることができる。
一方、第2絞りダイス76は、第2ダイス本体84と、この第2ダイス本体84に収容されている受け具86とを備えている。
第2ダイス本体84は、固定されており、その中央に貫通孔88を備えている。この貫通孔88は、第2パンチ本体78を受入可能な内径寸法を有しているストレート部90と、このストレート部90と連続し、第2絞りパンチ74に向かって内径寸法が漸増する拡径部92とを含んでいる。
拡径部92は、上記した第2しわ押さえ部材80のテーパー部81と合致する形状をなしており、第2しわ押さえ部材80と協働して第1中間製品50を挟持することができる。
ストレート部90には、ストレート部90内を上下動可能な受け具86が挿入されている。この受け具86は、ストレート部90の内径とほぼ同径の円柱状をなすヘッド94を備えている。このヘッド94の上端面96は、平坦であり、第2パンチ本体78の下端面82と適合する。一方、このヘッド94の下端には駆動軸98が接続されており、この駆動軸98は、図示しない駆動装置に連結されている。駆動装置は、図示しない制御装置により制御されており、受け具86をストレート部90内の所定位置に固定することができるとともに、第2パンチ本体72の上下動に同期したタイミングで受け具86を上下動させることもできる。
ついで、第1中間製品50の底壁51を平坦化する手順について説明する。図4(a)に示すように、第2絞りパンチ74と第2絞りダイス76との間に第1中間製品50が供給される。そして、図4(b)に示すように、第1中間製品50の開口端53側から第2パンチ本体78及び第2しわ押さえ部材80が挿入され、第2絞りパンチ74の先端部75に第1中間製品50が嵌められた状態となる。このとき、第2しわ押さえ部材80のテーパー部81と第1中間製品50の底壁51の周縁部55はほぼ合致しているが、第2パンチ本体80の下端面82と第1中間製品50の底壁51の中央部57との間には、隙間があいている。そして、第1中間製品50の底壁51の中央部57の下面は、受け具86のヘッド94の上端面96に当接している。ここで、受け具86は、第2ダイス本体84の拡径部92とストレート部90との境界にヘッド94の上端面96が位置するように固定されている。この状態から、第2パンチ本体78及び第2しわ押さえ部材80が、第2絞りダイス76に向かって移動し、第1中間製品50に押圧力を加える。その結果、図4(c)に示すように、第1中間製品50の底壁51の中央部57は、第2パンチ本体78と受け具86のヘッド94とに挟まれて変形し平坦状となる。それとともに、第1中間製品50の底壁51の周縁部55は、第2しわ押さえ部材80と第2ダイス本体84の拡径部92とに挟まれて変形し、第2しわ押さえ部材80のテーパー部81及び第2ダイス本体84の拡径部92に適合した形状となる。
このようにして、第1中間製品50の底壁51は、再度加工され、平坦な形状となる。
次に、底壁51が平坦化された第1中間製品50に対し、絞り加工を施す。この絞り加工は、図4(c)のように、第2しわ押さえ部材80と第2ダイス本体84の拡径部92とにより第1中間製品50を押さえた状態のまま、図5(a)に示すように、第2パンチ本体78を下方へ移動させて第2ダイス本体84の貫通孔88内に挿入させていくことにより行われる。なお、受け具86は、第2パンチ本体78の下方への移動に同期して同じく下方へ移動する。また、第2しわ押さえ部材80により、第1中間製品50に対し、図5(a)中矢印F2で示される所定のしわ押さえ力が加えられている。
このように、第2パンチ本体78が第2ダイス本体84の中に入っていくのに合わせて第1中間製品50も変形しながら第2ダイス本体84の中に入っていく。この過程で、第1中間製品50は、その直径が小さくなっていくとともに、周壁59の部分がしごかれて伸ばされていく。その結果、図5(b)に示すように、第1中間製品50は、周壁59の高さが高くなったカップ状の第2中間製品100となる。
次に、第2中間製品100を更に深く絞り、目的とする外装缶10を得るために深絞り加工を施す。
この深絞り加工を行う工程につき、図6,7を基に以下に詳しく説明する。
この工程では、図6(a)に示すように、同一軸線上に配置され、互いに対向するようにプレス機械(図示せず)に装着された第3絞りパンチ102及び第3絞りダイス104が用いられる。
第3絞りパンチ102は、第3パンチ本体106と、この第3パンチ本体106の周囲に配置された第3しわ押さえ部材108とを備えている。
第3パンチ本体106は、第2パンチ本体78よりも外径が小さい円柱状をなしている。この第3パンチ本体106の外径は、外装缶10の内径と略同じ寸法に設定されている。そして、この第3パンチ本体106の下端面110は平坦状となっている。この第3パンチ本体106は、プレス機械の駆動装置により、上下に移動可能である。
第3しわ押さえ部材108は、第3パンチ本体106の外周を囲むようなリング状をなしている。この第3しわ押さえ部材108は、外径が第2中間製品100の内径と略同じであり、第3絞りダイス104側の下端が先細りとなるテーパー部112を有している。また、この第3しわ押さえ部材108は、第3パンチ本体106の軸線方向に沿った方向に摺動可能であるとともに、図示しない制御装置により第3絞りダイス104に向かう方向へ所定のしわ押さえ力をかけることができる。
一方、第3絞りダイス104は、固定されており、その中央に貫通孔114を備えている。この貫通孔114は、第3絞りパンチ106を受入可能な内径寸法を有しているストレート部105と、このストレート部105と連続し、第3絞りパンチ102に向かって内径寸法が漸増する拡径部107とを含んでいる。
ストレート部105は、外装缶10の外径寸法とほぼ同じ寸法に設定されている。
拡径部107は、上記した第3しわ押さえ部材108のテーパー部112と合致する形状をなしており、第3しわ押さえ部材108と協働して第2中間製品100を挟持することができる。
ついで、深絞りを行う手順について説明する。まず、図6(a)に示すように、第2中間製品100の開口端111側から第3パンチ本体106及び第3しわ押さえ部材108が挿入され、第3絞りパンチ102の先端部103に第2中間製品100が嵌められた状態となる。この状態から、第3パンチ本体106及び第3しわ押さえ部材108が、第3絞りダイス104に向かって移動し、第2中間製品100に押圧力を加える。その結果、図6(b)に示すように、第2中間製品100の底壁116の周縁部118は、第3しわ押さえ部材108と第3絞りダイス104の拡径部107とに挟まれて変形し、第3しわ押さえ部材108のテーパー部112及び第3絞りダイス104の拡径部107に適合した形状となる。ここで、第3しわ押さえ部材108は、図示しない制御装置により、第3絞りダイス104の方向へ働く力(図6中矢印F3で示す)が加えられた状態となっている。このため、第2中間製品100は、第3しわ押さえ部材108及び第3絞りダイス104の拡径部107により押さえられている。この状態から、図6(c)に示すように、第3パンチ本体106を移動させて第3絞りダイス104の貫通孔114内に挿入させていくと、それにともない、第2中間製品100は、変形して貫通孔114内に入っていく。この過程で、第2中間製品100は、その直径が小さくなっていくとともに、周壁120の部分がしごかれて伸ばされていく。第3パンチ本体106を更に移動させると、図7(a)に示すように、第2中間製品100は、貫通孔114内に全体が押し込まれて、周壁120が所定長さに引き伸ばされて、外装缶10となる。そして、図7(b)に示すように、第3パンチ本体106を第3絞りダイス104から引き抜くことにより、外装缶10を取り出す。取り出された外装缶10は、高さを規定の寸法に揃えるため、開口端部11が適宜切断され、その後洗浄される。
このようにして得られた外装缶10は、周壁38の部分だけではなく、底壁35の部分も製造過程において加工(引き伸ばし及び平坦化)が行われているので、加工硬化を起こしており、強度が高められている。
ここで、底壁35については、その硬度が、ビッカース硬度で、100Hv〜180Hvとなる加工硬化を起こす程度の加工を施すことが好ましい。硬度が100Hvより低いと、缶底部の強度が十分ではなく、電池の内部圧力上昇にともなう缶底部の膨れが発生し易くなるからである。一方、180Hvを超えるほどの加工硬化を起こさせるには、加工の度合いが高くなりすぎ、外装缶の加工が困難となるからである。また、周壁38については、その硬度がビッカース硬度で、190Hv〜210Hvとなる加工硬化を起こす程度の加工を施すことが好ましい。硬度が190Hvより低いと、周壁部の強度が十分ではないからである。一方、210Hvを超えるほどの加工硬化を起こさせるには、加工の度合いが高くなりすぎ、外装缶の加工が困難となるからである。更に、外装缶10の底壁35の硬度が、外装缶10の周壁38の硬度に対して50%以上90%以下の範囲にあることが好ましい。周壁の硬度に対する底壁の硬度の比が50%より低いと底壁の強度が十分ではなく、90%を超えると外装缶の加工が困難となるからである。
また、外装缶10における底壁35と周壁38との厚みの関係は、底壁部厚み>周壁部厚みの関係となっていることが好ましい。
以上のようにして得られた外装缶10には、正極24、負極26及びセパレータ28が巻回されてなる電極群22が収容されたのち、アルカリ電解液が注液される。その後、外装缶10の開口縁36に絶縁パッキンを介して蓋板14がかしめ固定され、外装缶10が封口されることにより電池2が得られる。
本発明によれば、外装缶の底壁の硬度が高められることで、外装缶の底部の強度が高くなるため、充放電サイクルを繰り返した際の電池内圧上昇による底壁部の膨れの発生は抑制され、電池の高品質化が図れる。しかも、底壁の薄肉化が図れるので、それにともなう電池の高容量化にも貢献する。
なお、本発明は、ニッケル水素二次電池に限定されるものではなく、他の電池に採用することもできる。
1.電池の製造
(実施例1)
(1)外装缶の作製
トランスファープレス機(図示せず)に、図2に示す打抜パンチ42と打抜ダイス40との対、図3に示す第1絞りパンチ54と第1絞りダイス52との対、図4に示す第2絞りパンチ74と第2絞りダイス76との対及び図6に示す第3絞りパンチ102と第3絞りダイス104との対を並列に装着した。このようなトランスファープレス機に母材としての鋼板(板材48)を供給して、各パンチ及びダイスの対の部分で打抜加工、底壁部分の薄肉化並びに平坦化の加工及び絞り加工を順次行い、底壁の厚みが0.250mmの外装缶10を作製した。
ここで、母材としては、JIS 3141に規定されるSPCD材からなる鋼板を準備した。この鋼板は、板厚が0.255mm、硬度がビッカース硬さで80Hvである。
(2)正極の作製
水酸化ニッケル粒子100重量部に、10重量部の水酸化コバルト、40重量部のHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)のディスバージョン液及び0.3重量部の酸化亜鉛(正極添加材)を混合して正極合剤スラリーを調製し、この正極合剤スラリーを正極基板としての発泡ニッケルシートに塗着及び充填した。正極合剤スラリーが付着した発泡ニッケルシートを乾燥後、ロール圧延して裁断し、正極24を得た。
(3)負極の作製
希土類−Mg−Ni系水素吸蔵合金の粉末100重量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム0.4重量部、カルボキシメチルセルロース0.1重量部、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスバージョン(固形分50重量%)1.0重量部(固形分換算)、カーボンブラック1.0重量部、および水30重量部を添加して混練し、負極合剤スラリーを調製した。
この負極合剤スラリーを負極基板としての鉄製の孔あき板の両面に均等、且つ、厚さが一定となるように塗布した。なお、この孔あき板は60μmの厚みを有し、その表面にはニッケルめっきが施されている。
スラリーの乾燥後、水素吸蔵合金の粉末が付着した孔あき板を更にロール圧延して裁断し、負極1枚あたりの水素吸蔵合金量が9.0gとなるAAサイズ用の負極26を作成した。
(4)ニッケル水素二次電池の組み立て
得られた正極24及び負極26をこれらの間にセパレータ28を挟んだ状態で渦巻状に巻回し、電極群22を作製した。ここでの電極群22の作製に使用したセパレータ28はポリプロピレン繊維製不織布から成り、その厚みは0.1mm(目付量40g/m2)であった。
有底円筒形状の外装缶10内に上記電極群22を収納するとともに、リチウム、カリウムを含有した30重量%の水酸化ナトリウム水溶液から成る8N(規定度)のアルカリ電解液を注液した。この後、蓋板14等で外装缶10の開口を塞ぎ、公称容量が2000mAhのAAサイズのニッケル水素二次電池2を組み立てた。
(実施例2〜7)
外装缶の母材として、厚みが表1に示す値である鋼板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして外装缶を作製し、得られた外装缶を用いて実施例1の電池と同様なニッケル水素二次電池を組み立てた。
(実施例8〜14)
外装缶の母材として、硬度が100Hvであり、且つ、厚みが表2に示す値である鋼板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして外装缶を作製し、得られた外装缶を用いて実施例1の電池と同様なニッケル水素二次電池を組み立てた。
(実施例15〜21)
外装缶の母材として、硬度が120Hvであり、且つ、厚みが表3に示す値である鋼板を用いたこと以外は、実施例1と同様にして外装缶を作製し、得られた外装缶を用いて実施例1と同様なニッケル水素二次電池を組み立てた。
(比較例1〜4)
外装缶の母材として、厚みが0.250mmであり、且つ、硬度が表1〜3に示す値である鋼板を用い、底壁部分の薄肉化並びに平坦化の加工を施さないことにより底壁厚みを母材厚みのままとするとともに底壁硬度を母材硬度のままとしたこと以外は、実施例1と同様にして外装缶を作製し、得られた外装缶を用いて実施例1と同様なニッケル水素二次電池を組み立てた。
2.外装缶及びニッケル水素二次電池の評価
(1)外装缶について
母材の厚みに対する加工後の底壁の厚みの比を厚み変化率として表1〜3に示した。
底壁の部分及び周壁の部分のビッカース硬度を測定し、その結果を表1〜3に示した。また、これらの値から底壁の硬度と周壁の硬度の比を求め、底壁/周壁比として表1〜3に示した。
また、規定通りの外装缶10が製造できた場合を「可」とし、規定通りの外装缶10が製造できなかった場合を「不可」として、外装缶の製造の可不可も表1〜3に示した。
(2)ニッケル水素二次電池について
100サイクル後の電池の底壁部分の膨れ量を以下のようにして求めた。
実施例及び比較例の電池に対し、温度25℃の下にて、0.1Cの充電電流で16時間の充電を行った後に、0.2Cの放電電流で電池電圧が0.5Vになるまで放電させる初期活性化処理を2回繰り返した。
初期活性化処理済みの電池に対し、25℃の雰囲気下にて、1.0Cの充電電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電し、その後、30分間放置した。
ついで、同一の雰囲気下にて1.0Cの放電電流で電池電圧が0.8Vになるまで放電した後、30分間放置した。
上記充放電のサイクルを1サイクルとし、斯かるサイクルを100回繰り返した。そして、100サイクル後の電池の全長を測定した。この100サイクル後の電池の全長から、初期活性化処理前に予め測定していた電池の全長(50.2mm)を差し引いた値を100サイクル後の缶底膨れ量として表1〜3に示した。
Figure 2013143331
Figure 2013143331
Figure 2013143331
(3)表1〜3の結果について
表1〜3より以下のことが明らかである。
まず、外装缶の底壁の硬度が高くなるほど、充放電サイクルを100回繰り返した後の缶底の膨れ量は小さくなっている。底壁の部分が加工硬化を起こし、それに伴い強度が増しているので、電池の内圧が上昇して圧力がかかっても十分耐えられているためと考えられる。
また、母材の硬度が140Hvを超えるものを使用すると、鋼板の加工が困難となり、規定の外装缶を製造することができなくなる。このことから、母材の硬度を予め高めておくことは、あまり有効ではなく、外装缶に加工していく過程で底壁部分の硬度を高めることが有効であるといえる。ここで、母材の硬度は、80Hv〜120Hvの範囲に設定することが好ましいといえる。
また、このように、外装缶に加工していく過程で、母材の厚みを薄くしながら缶底部を成形することが底壁部分の硬度を上昇させる上で有効であるが、母材からの厚み変化率が89%よりも低くなる、つまり、加工後の底壁の厚みが母材の厚みに対して89%の厚みよりも薄くなる加工が施されると規定通りの外装缶の作製が困難となることがわかる。このことから、母材からの厚みの変化率が89%を下回るような大幅な薄肉化は、有効ではないといえる。
更に、本実施例では、底壁の厚みを0.25mmに固定しているが、他の厚みにして実施しても同様の効果が得られると考えられる。
ここで、本発明の外装缶では、周壁の薄肉化とともに底壁も薄肉化しているので、得られる電池の容量は高くなると考えられる。
2 ニッケル水素二次電池
10 外装缶
22 電極群
24 正極
26 負極
28 セパレータ
35 底壁
38 周壁
40 打抜ダイス
42 打抜パンチ
44 円板
50 第1中間製品
52 第1絞りダイス
54 第1絞りパンチ
74 第2絞りパンチ
76 第2絞りダイス
100 第2中間製品
102 第3絞りパンチ
104 第3絞りダイス

Claims (5)

  1. 有底円筒状の外装缶を製造する外装缶製造工程、前記外装缶に正極、負極及びセパレータからなる電極群を収納する電極群収納工程、前記電極群が収納された外装缶内にアルカリ電解液を注入する電解液注入工程及び前記アルカリ電解液の注入後に前記外装缶の開口を蓋板で封口する封口工程を備えたアルカリ二次電池の製造方法において、
    前記外装缶製造工程は、
    母材としての金属製の板材から前記外装缶の出発素材としての円板を打ち抜く打抜プロセスと、
    前記円板に絞り加工を施してカップ状の中間製品を形成する中間製品形成プロセスと、
    前記中間製品に絞り加工を施して縮径するとともに周壁を薄肉化する深絞りプロセスと、
    前記深絞りプロセスを経た前記中間製品に仕上げの絞り加工を施して前記外装缶を形成する仕上げプロセスと
    を含み、
    前記打抜プロセスと前記仕上げプロセスとの間にて、前記円板又は前記中間製品における前記外装缶の底壁となるべき缶底形成予定部を凸状に変形させて薄肉化する底壁薄肉化プロセス及び凸状に変形した前記缶底形成予定部を平坦化する平坦化プロセスを更に含む
    ことを特徴とするアルカリ二次電池の製造方法。
  2. 前記底壁薄肉化プロセスは、
    凸状に湾曲した押圧面を有するパンチを前記円板の中央部分に押圧することにより凸状に湾曲した円板を形成し、
    前記中間製品形成プロセスは、
    凸状に湾曲した前記円板に絞り加工を施すことにより底部が湾曲しているカップ状の中間製品を形成し、
    前記平坦化プロセスは、
    前記中間製品の湾曲している底部を平坦な押圧面を有するパンチと平坦な受け面を有する受け具との間に挟み込むことにより平坦化する
    ことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
  3. 前記母材には、硬度がビッカース硬度で80Hv〜120Hvの範囲にある鉄を主体とする板材を用い、
    前記底壁薄肉化プロセスでは、前記底壁の硬度がビッカース硬度で100Hv〜180Hvとなるべく加工硬化を起こさせ、
    前記深絞りプロセスでは、前記周壁の硬度がビッカース硬度で190〜210Hvとなるべく加工硬化を起こさせることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の製造方法を用いて製造したアルカリ二次電池。
  5. 前記外装缶の底壁の硬度は、前記外装缶の周壁の硬度に対して50%以上90%以下の範囲にあることを特徴とする請求項4に記載のアルカリ二次電池。
JP2012004134A 2012-01-12 2012-01-12 アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池 Pending JP2013143331A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004134A JP2013143331A (ja) 2012-01-12 2012-01-12 アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004134A JP2013143331A (ja) 2012-01-12 2012-01-12 アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013143331A true JP2013143331A (ja) 2013-07-22

Family

ID=49039787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012004134A Pending JP2013143331A (ja) 2012-01-12 2012-01-12 アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013143331A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016186185A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 日新製鋼株式会社 金属屋根材及びその製造方法並びに屋根葺き構造及び屋根葺き方法
DE102016223194A1 (de) 2016-11-23 2018-05-24 Robert Bosch Gmbh Batteriezelle umfassend mindestens eine galvanische Zelle, Batterie und Verfahren zum Herstellen einer Batteriezelle
JP2018141369A (ja) * 2018-06-26 2018-09-13 日新製鋼株式会社 金属屋根材及びその製造方法並びに屋根葺き構造及び屋根葺き方法
WO2022163326A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 大和製罐株式会社 角形電池缶の製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016186185A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 日新製鋼株式会社 金属屋根材及びその製造方法並びに屋根葺き構造及び屋根葺き方法
DE102016223194A1 (de) 2016-11-23 2018-05-24 Robert Bosch Gmbh Batteriezelle umfassend mindestens eine galvanische Zelle, Batterie und Verfahren zum Herstellen einer Batteriezelle
DE102016223194B4 (de) 2016-11-23 2018-07-26 Robert Bosch Gmbh Batteriezelle umfassend mindestens eine galvanische Zelle, Batterie und Verfahren zum Herstellen einer Batteriezelle
CN109964337A (zh) * 2016-11-23 2019-07-02 罗伯特·博世有限公司 包括至少一个原电池的电池组电池、电池组和用于制造电池组电池的方法
CN109964337B (zh) * 2016-11-23 2021-12-07 罗伯特·博世有限公司 包括至少一个原电池的电池组电池、电池组和用于制造电池组电池的方法
US11699826B2 (en) 2016-11-23 2023-07-11 Robert Bosch Gmbh Battery cell comprising at least one galvanic cell, battery, and method for producing a battery cell
JP2018141369A (ja) * 2018-06-26 2018-09-13 日新製鋼株式会社 金属屋根材及びその製造方法並びに屋根葺き構造及び屋根葺き方法
WO2022163326A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 大和製罐株式会社 角形電池缶の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6526799B2 (en) Method of forming a casing for an electrochemical cell
JP3604879B2 (ja) 電池の製造方法
JP4491208B2 (ja) 電池缶およびその製造方法ならびに電池
WO2007010741A1 (ja) 電池缶およびその製造方法
EP2051313A1 (en) Battery can and battery using the same
JPS60180058A (ja) 電池及びその缶の製造法
JP2013143331A (ja) アルカリ二次電池の製造方法及びこの製造方法により製造したアルカリ二次電池
JP5355012B2 (ja) 電池缶及びアルカリ電池
JP2007329080A (ja) 電池缶及びその製造方法
CN110100327B (zh) 碱性二次电池
CN112970134A (zh) 用于碱性二次电池的正极以及包括该正极的碱性二次电池
JPH11144715A (ja) 二次電池の電極製造方法
JP4654669B2 (ja) ニッケル水素蓄電池およびその負極の製造方法
JP5551560B2 (ja) 円筒形電池
US9614195B2 (en) Energy storage device and manufacturing method of the same
WO2021192978A1 (ja) アルカリ蓄電池
JP5366489B2 (ja) 電池缶及び筒型電池
US20160093841A1 (en) Energy storage device and manufacturing method of the same
JP3540459B2 (ja) 電池及びその製造方法
EP4383369A2 (en) Negative electrode for zinc battery and method for manufacturing same
JP2009076420A (ja) 電池用缶、それを用いた電池および電池用缶の製造方法
JP2007026716A (ja) アルカリ乾電池
CN100389514C (zh) 碱性蓄电池镍正极片的制备方法
JPH04349340A (ja) 円筒形電池の製造方法
JP2018163841A (ja) 電池用缶の製造方法、この製造方法により製造された電池用缶、この電池用缶を備えた電池及びこの電池の製造方法