JP2013142551A - 電流分布検出装置及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】電流密度が低下した部位を特定することができる電流分布検出装置及び燃料電池システムを提供する.
【解決手段】平面状に広がった発電領域を有する発電体の周囲の磁力線の方向を検出する磁気センサー(P1)と、磁力線の基準方向及び現在方向に基づいて、発電体の電流密度の分布が良好状態であるか否かを判定する判定部(S12〜S14)と、を含む。
【選択図】図7
【解決手段】平面状に広がった発電領域を有する発電体の周囲の磁力線の方向を検出する磁気センサー(P1)と、磁力線の基準方向及び現在方向に基づいて、発電体の電流密度の分布が良好状態であるか否かを判定する判定部(S12〜S14)と、を含む。
【選択図】図7
Description
この発明は、電流分布検出装置及び燃料電池システムに関する。
特許文献1は、燃料電池における電流密度分布の検出方法を開示する。この検出方法は、燃料電池の外部に設けたセンサーによって磁束密度のx,y,z成分を検出する。そして磁束密度に基づいて電流密度分布を検出する。他にも関連する文献公知発明が特許文献2に記載されている。
しかしながら、電流密度分布が対称である場合には、磁束密度が同じ値になる。したがって、前述した特許文献1の検出方法では、電流密度が低下した部位を特定することができない可能性があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされた。本発明の目的は、電流密度が低下した部位を特定することができる電流分布検出装置及び燃料電池システムを提供することである。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。
本発明による電流分布検出装置のひとつの態様は、平面状に広がった発電領域を有する発電体の周囲の磁力線の方向を検出する磁気センサーを含む。そして、磁力線の基準方向及び現在方向に基づいて、発電体の電流密度の分布が良好状態であるか否かを判定する判定部をさらに含む。
この態様によれば、磁力線の方向に基づいて電流密度分布を検出する。電流密度分布が対称であっても、磁力線の方向が異なるので、この態様によれば、電流密度が低下した部位を特定することができる。
本発明の実施形態、本発明の利点については、添付された図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による電流分布検出装置を適用する積層電池の一例としての燃料電池を説明する図であり、図1(A)は外観斜視図、図1(B)は発電セルの構造を示す分解図である。
図1は、本発明による電流分布検出装置を適用する積層電池の一例としての燃料電池を説明する図であり、図1(A)は外観斜視図、図1(B)は発電セルの構造を示す分解図である。
図1(A)に示されるように、燃料電池スタック1は、積層された複数の発電セル10と、集電プレート20と、絶縁プレート30と、エンドプレート40と、4本のテンションロッド50とを備える。
発電セル10は、燃料電池の単位セルである。各発電セル10は、1ボルト(V)程度の起電圧を生じる。各発電セル10の構成の詳細については後述する。
集電プレート20は、積層された複数の発電セル10の外側にそれぞれ配置される。集電プレート20は、ガス不透過性の導電性部材、たとえば緻密質カーボンで形成される。集電プレート20は、正極端子211及び負極端子212を備える。燃料電池スタック1は、正極端子211及び負極端子212によって、各発電セル10で生じた電子e-が取り出されて出力する。
絶縁プレート30は、集電プレート20の外側にそれぞれ配置される。絶縁プレート30は、絶縁性の部材、たとえばゴムなどで形成される。
エンドプレート40は、絶縁プレート30の外側にそれぞれ配置される。エンドプレート40は、剛性のある金属材料、たとえば鋼などで形成される。
一方のエンドプレート40(図1(A)では、左手前のエンドプレート40)には、アノード供給口41aと、アノード排出口41bと、カソード供給口42aと、カソード排出口42bと、冷却水供給口43aと、冷却水排出口43bとが設けられている。本実施形態では、アノード供給口41a、冷却水供給口43a及びカソード排出口42bは図中右側に設けられている。またカソード供給口42a、冷却水排出口43b及びアノード排出口41bは図中左側に設けられている。
テンションロッド50は、エンドプレート40の四隅付近にそれぞれ配置される。燃料電池スタック1は内部に貫通した孔(不図示)が形成されている。この貫通孔にテンションロッド50が挿通される。テンションロッド50は、剛性のある金属材料、たとえば鋼などで形成される。テンションロッド50は、発電セル10同士の電気短絡を防止するため、表面には絶縁処理されている。このテンションロッド50にナット(奥にあるため図示されない)が螺合する。テンションロッド50とナットとが燃料電池スタック1を積層方向に締め付ける。
アノード供給口41aにアノードガスとしての水素を供給する方法としては、例えば水素ガスを水素貯蔵装置から直接供給する方法、又は水素を含有する燃料を改質して改質した水素含有ガスを供給する方法などがある。なお、水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどがある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリンなどがある。また、カソード供給口42aに供給するカソードガスとしては、一般的に空気が利用される。
図1(B)に示されるように、発電セル10は、膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;MEA)11の両面に、アノードセパレーター(アノードバイポーラープレート)12a及びカソードセパレーター(カソードバイポーラープレート)12bが配置される構造である。
MEA11は、イオン交換膜からなる電解質膜111の両面に電極触媒層112が形成される。この電極触媒層112の上にガス拡散層(Gas Diffusion Layer;GDL)113が形成される。
電極触媒層112は、たとえば白金が担持されたカーボンブラック粒子で形成される。
GDL113は、十分なガス拡散性及び導電性を有する部材、たとえばカーボン繊維で形成される。
アノード供給口41aから供給されたアノードガスは、このGDL113aを流れてアノード電極触媒層112(112a)と反応し、アノード排出口41bから排出される。
カソード供給口42aから供給されたカソードガスは、このGDL113bを流れてカソード電極触媒層112(112b)と反応し、カソード排出口42bから排出される。
アノードセパレーター12aは、GDL113a及びシール14aを介してMEA11の片面(図1(B)の裏面)に重ねられる。カソードセパレーター12bは、GDL113b及びシール14bを介してMEA11の片面(図1(B)の表面)に重ねられる。シール14(14a,14b)は、たとえばシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム(ethylene propylene diene monomer;EPDM)、フッ素ゴムなどのゴム状弾性材である。アノードセパレーター12a及びカソードセパレーター12bは、たとえばステンレスなどの金属製のセパレーター基体がプレス成型されて、一方の面に反応ガス流路が形成され、その反対面に反応ガス流路と交互に並ぶように冷却水流路が形成される。図1(B)に示すようにアノードセパレーター12a及びカソードセパレーター12bが重ねられて、冷却水流路が形成される。
MEA11、アノードセパレーター12a及びカソードセパレーター12bには、それぞれ孔41a,41b,42a,42b,43a,43bが形成されており、これらが重ねられて、アノード供給口(アノード供給マニホールド)41a、アノード排出口(アノード排出マニホールド)41b、カソード供給口(カソード供給マニホールド)42a、カソード排出口(カソード排出マニホールド)42b、冷却水供給口(冷却水供給マニホールド)43a及び冷却水排出口(冷却水排出マニホールド)43bが形成される。
図2は、燃料電池スタックにおける電解質膜の反応を説明する模式図である。
次に、図2を参照して、発明者らの技術思想について説明する。
上述のように、燃料電池スタック10は、反応ガス(カソードガスO2、アノードガスH2)が供給されて発電する。燃料電池スタック10は、電解質膜の両面にカソード電極触媒層及びアノード電極触媒層が形成された膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly;MEA)が数百枚積層されて構成される。なお図2(A)は1枚のMEAを示している。ここではMEAにカソードガスが供給されて(カソードイン)対角側から排出されながら(カソードアウト)、アノードガスが供給されて(アノードイン)対角側から排出される(アノードアウト)例が示されている。
各膜電極接合体(MEA)は、カソード電極触媒層及びアノード電極触媒層において以下の反応が、負荷に応じて進行して発電する。
図2(B)に示すように、反応ガス(カソードガスO2)がカソード流路を流れるにつれて上式(1−1)の反応が進行し、水蒸気が生成される。するとカソード流路の下流側では相対湿度が高くなる。この結果、カソード側とアノード側との相対湿度差が大きくなる。この相対湿度差をドライビングフォースとして、水が逆拡散しアノード上流側が加湿される。この水分がさらにMEAからアノード流路に蒸発してアノード流路を流れる反応ガス(アノードガスH2)を加湿する。そしてアノード下流側に運ばれてアノード下流のMEAを加湿する。
このような反応は、膜電極接合体(MEA)のカソード電極触媒層及びアノード電極触媒層で全面的に生じ、全面的に発電する。
図3は、電流密度分布が良好な状態と不良な状態とを説明する図である。
このように、膜電極接合体(MEA)のカソード電極触媒層及びアノード電極触媒層で、全面的に発電反応が生じる。ただし、カソード電極触媒層及びアノード電極触媒層に、反応ガス(カソードガスO2、アノードガスH2)が十分に供給されていて発電面にガスが不足していない状態であって、かつカソード流路の水がセル内に滞留していない状態、すなわち、発電が安定している状態であっても、図3のラインAのように、膜電極接合体(MEA)のエリアによって発電電流の差は生じる。なおこのような発電が安定している状態を以下では、基準運転と称する。
燃料電池の運転状態によっては、アノード電極触媒層で反応ガス(アノードガスH2)が不足して、電解質膜の一部分での発電が促進されないことがある。反応ガス(アノードガスH2)が不足する場合とは、具体的には、アノード流路に生成水が詰まって(アノードフラッディング)、反応ガス(アノードガスH2)が発電面に到達しない場合や、カソード側から透過してきた窒素(N2)によってアノード流路の水素分圧が低下する場合がある。
アノード流路の出口側に生成水が滞留して、発電が促進されないにもかかわらず、電解質膜が良好な状態であることを前提に大きな電流を取り出すと、発電電流は、図3のラインBに示されるようになる。
入口側では、供給されているアノードガスH2で発電可能な電流よりも大きな発電が生じる。ここでは、アノード電極触媒層中のカーボンによって以下の反応が生じて電解質膜が劣化する。
この反応は不可逆である。このような反応を回避することが望まれる。反応を回避するには、電解質膜の一部分での発電が促進されていない状態を正確に検出し、そのような状態であれば、取り出し電流を制限したり、回復処理すればよい。ここに回復処理としては、たとえば、反応ガスの供給圧を上昇させて、燃料電池の発電反応時に生成された水分を除去する処理がある。
電解質膜の一部分での発電が促進されていない状態を検出するために、上述の特許文献1の手法が公知である。しかしながら、この手法は、装置(システム)が複雑であった。
図4は、本実施形態の基本コンセプトを説明する図である。
これに対して、本件発明者は、図4に示されるように、発電エリアを小さなセグメントに区分けし、各発電セグメントの真中を直線電流が流れることを想定した。直線電流が流れると、いわゆる右ねじの法則に従って周囲に磁界が発生する。図4に示されるように、#1セグメントで、紙面の手前から奥に直線電流Iが流れるときには、いわゆる右ねじの法則に従って右回りの磁界が発生する。直線電流Iから距離rの場所では、磁界の強さHは、次式で示される。他のセグメントでも、同様に右回りの磁界が発生する。
図5は、燃料電池の周囲に発生する磁界について説明する図である。
#1セグメントを流れる電流I1から距離r11だけ離れたポイントP1に発生する磁界H1について考える。このポイントP1には、#1セグメントを流れる電流I1によって磁界H1c1が発生する。さらにポイントP1には、#2セグメントを流れる電流I2によって磁界H1c2が発生する。さらにポイントP1には、#3セグメントを流れる電流I3によって磁界H1c3が発生する。さらにポイントP1には、#4セグメントを流れる電流I4によって磁界H1c4が発生する。さらにポイントP1には、#5セグメントを流れる電流I5によって磁界H1c5が発生する。さらにポイントP1には、#6セグメントを流れる電流I6によって磁界H1c6が発生する。さらにポイントP1には、#7セグメントを流れる電流I7によって磁界H1c7が発生する。さらにポイントP1には、#8セグメントを流れる電流I8によって磁界H1c8が発生する。これらの磁界H1c1〜H1c8を合成することで、ポイントP1の磁界H1が求まる。
図6は、ポイントP1に発生する磁界の演算手法について説明する図である。
具体的には、以下のようにして、磁界H1c1〜H1c8を合成して、ポイントP1の磁界H1を求める。
このポイントP1は、図6に示されるように、#1セグメントを流れる電流I1から距離r11だけ離れている。このため、電流I1によってポイントP1に発生する磁界H1c1は、次式のように定まる。
燃料電池スタックの長辺と平行にx軸を取り、短辺と平行にy軸を取る。そして#1セグメントを流れる電流I1の中心とポイントP1とを結んだ直線がx軸となす角をα11とする。このとき磁界H1c1のx成分及びy成分は、次式のように定まる。
またポイントP1は、#2セグメントを流れる電流I2から距離r12だけ離れている。このため、電流I2によってポイントP1に発生する磁界H1c2も同様に定まる。以下各セグメントを流れる電流によってポイントP1に発生する磁界H1c3〜H1c8も同様に定まる。これらを成分ごとに足し合わせると、ポイントP1の磁界H1のx成分y成分が次式のように求まる。
そしてx軸から磁界の回転方向(図6では左回り)に、磁界の方向となす角θ1は、磁界H1のx成分H1x及びy成分H1yとで次式のように表される。
これを変形すると、次式が得られる。
したがって、次式の関係が導かれる。
また、各セグメントを流れる電流I1〜I8の総計が燃料電池の発電電流Iである。以上の関係を行列式で示すと以下になる。
したがって、ポイントP1の磁界の方向θ1と総電流Iが判れば、各セグメントを流れる電流I1〜I8が判る。
図7は、電流分布検出装置におけるコントローラーの具体的な制御内容を説明するフローチャートである。
ステップS11においてコントローラーは、各セグメントごとに現在電流と基準電流とを比較する。なお各セグメントにおける現在電流は、ポイントP1の現在の磁界の方向θ1と現在の総電流Iが上式に適用されて求められる。また基準電流とは、燃料電池が基準状態で運転されているときの電流であり、燃料電池が基準状態で運転されているときのポイントP1の磁界の方向θ1と総電流Iが上式に適用されてあらかじめ求められている。そして、コントローラーは、各セグメントごとに現在電流と基準電流とを比較する。
ステップS12においてコントローラーは、各セグメントごとに比較した現在電流と基準電流と差が基準値よりも大きいか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS13へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS14へ処理を移行する。なお基準値は、あらかじめ実験等を通じて設定されている。
なおアノード流路に生成水が詰まるアノードフラッディングでは、アノード流路の出口側で電流が落ち込む。そこで、ステップS11では、特にアノード流路の出口側のセグメントの現在電流と基準電流とを差をとり、ステップS12では、その差(落ち込み量)が基準値よりも大きいか否かを判定してもよい。
また、ステップS11では、各セグメントごとに現在電流と基準電流との差を求め、ステップS12では、それらの差の二乗平均値が基準値よりも大きいか否かを判定してもよい。
さらに、ステップS11では、各セグメントごとに現在電流と基準電流との差を求め、ステップS12では、それらの差の累積値が基準値よりも大きいか否かを判定してもよい。
ステップS13においてコントローラーは、電流密度の分布が良好であることを判定する。
ステップS14においてコントローラーは、電流密度の分布が不良であることを判定する。
図8は、作用効果を説明する図である。
次に図8を参照して本実施形態の作用効果について説明する。
アノードガスの濃度が出口側で低い場合には、図8(A−1)に示されるように、アノードガス出口側の電流密度が低くなる。
またカソードガスの濃度が出口側で低い場合には、図8(A−2)に示されるように、カソードガス出口側の電流密度が低くなる。
比較形態のように、単に磁束密度に基づいて電流密度分布を検出しても、図8(B−1)(B−2)のように電流密度分布が対称であれば、磁束密度が同じ値になる。したがって、電流密度が低下した部位を特定することができない。
これに対して、本実施形態では、磁力線の方向に基づいて電流密度分布を検出する。このようにすれば、図8(C−1)(C−2)のように電流密度分布が対称であっても、磁力線の方向が異なる。したがって、電流密度が低下した部位を特定することができる。これについてさらに補足すると、アノードガスやカソードガスの濃度が、出口側で高くなるということは、通常あり得ない。したがって、通常起こりうるのは、アノードガスもカソードガスも濃度差がない場合や、アノードガスは濃度差がないがカソードガスは出口濃度が低い場合や、カソードガスは濃度差がないがアノードガスは出口濃度が低い場合である。アノードガスもカソードガスも出口濃度が低い場合というのは、異常状態が二重発生する場合なので、そのような状態になる前に、いずれか一方の濃度が出口で低い状態になる。本実施形態によれば、磁力線の方向に基づいて電流密度分布を検出することで、通常起こりうる3パターンを検出できるのである。
なおアノードガスは濃度差がないがカソードガスは出口濃度が低い場合よりも、カソードガスは濃度差がないがアノードガスは出口濃度が低い場合のほうが、起こる可能性が高い。すなわちカソードガス出口側の電流密度が低くなるよりも、アノードガス出口側の電流密度が低くなる可能性が高い。そこで磁界の方向を検出するセンサーをひとつだけ使用するのであれば、アノードガス出口近くに設置するとよい。電流密度の変化を最も検出しやすいからである。ただし、他の場所に設置しても相応の効果が得られる。
(第2実施形態)
図9は、本発明による電流分布検出装置の第2実施形態における制御フローを示す図である。
図9は、本発明による電流分布検出装置の第2実施形態における制御フローを示す図である。
なお以下では前述と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態のように、各セグメントを流れる電流を求めて、各セグメントごとに現在電流と基準電流とを比較すれば、正確に判定することができる。しかしながらもっと簡易的な手法もある。以下では、具体的な内容を説明する。
ステップS21においてコントローラーは、現在の磁力線の方向と、燃料電池が基準状態で運転されているときの磁力線の方向(以下「磁力線の基準方向」と称する)と、を比較する。
ステップS22においてコントローラーは、両者の差が基準値よりも大きいか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS23へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS24へ処理を移行する。なお基準値は、あらかじめ実験等を通じて設定されている。
ステップS23においてコントローラーは、電流密度の分布が良好であることを判定する。
ステップS24においてコントローラーは、電流密度の分布が不良であることを判定する。
このような本実施形態によれば、第1実施形態に比べて簡易に実行できる。
(第3実施形態)
図10は、本発明による電流分布検出装置の第3実施形態を説明する図である。
図10は、本発明による電流分布検出装置の第3実施形態を説明する図である。
本実施形態では、磁気センサーをふたつ使用する。そして、ひとつを燃料電池の横辺側に設け、もうひとつを縦辺側に設ける。
このようにすれば、電流密度分布を2次元で推定することができる。したがって、特に、低アスペクトで複雑な流路(たとえばサーペンタイン流路)を持つ燃料電池でも電流密度分布が良好であるのか否かを検出できるのである。
(第4実施形態)
図11は、本発明による電流分布検出装置の第4実施形態を説明する図である。
図11は、本発明による電流分布検出装置の第4実施形態を説明する図である。
第1実施形態では、磁界の方向を検出する磁気センサーをひとつだけ用いる場合で説明したが、この第4実施形態では、図11に示されるように、ポイントP2〜P7についてもセンサーを用いる。
ポイントP2〜P7に発生する磁界H2〜H7のx成分y成分についても、上述したのと同様の関係式が得られ、以下の行列式が得られる。
なお直線電流から距離rや角度αは、固定値であるので、纏めてA,Bとおいた。
上式から明らかなように、ポイントP1〜P7の磁界の方向θ1〜θ7と総電流Iが判れば、各セグメントを流れる電流I1〜I8が判る。そして本実施形態によれば、第1実施形態に比べて、正確に検出することができるのである。
(第5実施形態)
図12は、本発明による電流分布検出装置の第5実施形態における制御フローを示す図である。
図12は、本発明による電流分布検出装置の第5実施形態における制御フローを示す図である。
磁気センサーで検出された磁力線の方向は、地磁気の影響を受けている可能性がある。特に検査対象の燃料電池が車両などの移動体に搭載されている場合には、測定タイミングによって地磁気の影響が異なることがある。
そこで本実施形態では、カーナビゲーションシステムによって得られる情報(外部情報:GPS,車載情報:加速度センサー,ジャイロ,車輪の回転,電子地図情報等との組み合わせ)によって、測定地点における地磁気の大きさ(Hg)を求める。この地磁気の大きさを、x成分(Hgx)、y成分(Hgy)に分解し、測定点における磁力線の方向(θk)を示す式に追加する。すなわち次式のようにする。
θ2〜θ7についても同様にする。そして、このように補正したθ1〜θ7を使用することで、移動体の地磁気に対する向きにかかわらず、電流密度分布が良好な状態であるか否かを一層精度よく求めることができる。
(第6実施形態;燃料電池システム)
図13は、本発明による燃料電池システムの制御フローを示す図である。
図13は、本発明による燃料電池システムの制御フローを示す図である。
本実施形態では、電流密度の分布の不良が検出されているときには、電流密度の分布が良好になるように、燃料電池の運転を制御する(ステップS61)。
具体的には、供給ガスの流量及び圧力、運転温度並びに負荷のうち少なくともひとつを調整することで、燃料電池の運転を制御する。
このようにすることで、本実施形態によれば、より安定した燃料電池システムの運転を実現できるのである。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
たとえば、上記実施形態では、発電エリアを8つのセグメントに区分けする場合を例示した。しかしながら、この数は任意である。上記の行列式をその数に応じたものに修正することで、セグメント毎の電流を測定できるのである。
また上記実施形態では、平面状に広がった発電領域を有する発電体の一例として燃料電池を示した。しかしながらこれには限られない。リチウムイオン電池などであってもよい。
また上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
1 燃料電池(発電体)
P1 磁気センサー
ステップS12〜S14,S22〜S24 判定部
ステップS51 補正部
ステップS61 調整部
P1 磁気センサー
ステップS12〜S14,S22〜S24 判定部
ステップS51 補正部
ステップS61 調整部
Claims (8)
- 平面状に広がった発電領域を有する発電体の周囲の磁力線の方向を検出する磁気センサーと、
前記磁力線の基準方向及び現在方向に基づいて、前記発電体の電流密度の分布が良好状態であるか否かを判定する判定部と、
を含む電流分布検出装置。 - 請求項1に記載の電流分布検出装置において、
前記判定部は、前記磁力線の基準方向に基づいて演算された電流密度と、前記磁力線の現在方向に基づいて演算された電流密度と、の差が、基準値よりも大であれば、前記発電体の電流密度の分布が不良状態であると判定する、
電流分布検出装置。 - 請求項1に記載の電流分布検出装置において、
前記判定部は、前記磁力線の現在方向と基準方向との差が基準値よりも大であれば、前記発電体の電流密度の分布が不良状態であると判定する、
電流分布検出装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電流分布検出装置において、
前記発電体は、燃料電池であり、
前記磁気センサーは、前記燃料電池のアノードガス出口の近傍に設けられる、
電流分布検出装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電流分布検出装置において、
前記磁気センサーは、複数個であり、前記発電体の同一面に沿って並べられ、
前記判定部は、各磁気センサーで検出された磁力線の基準方向及び現在方向に基づいて、前記発電体の電流密度の分布が良好状態であるか否かを判定する、
電流分布検出装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電流分布検出装置において、
前記磁気センサーは、少なくともふたつであり、前記発電体の連続するふたつの面に設けられ、
前記判定部は、各磁気センサーで検出された磁力線の基準方向及び現在方向に基づいて、前記発電体の電流密度の分布が良好状態であるか否かを判定する、
電流分布検出装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電流分布検出装置において、
前記磁気センサーで検出された磁力線の方向から地磁気の影響の考慮して補正する補正部をさらに含み、
前記判定部は、補正された磁力線の基準方向及び現在方向に基づいて、前記発電体の電流密度の分布が良好状態であるか否かを判定する、
電流分布検出装置。 - 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の電流分布検出装置を使用する燃料電池システムであって、
発電体である燃料電池の電流密度の分布が不良状態であるときには、良好状態になるように、供給ガスの流量及び圧力、運転温度並びに負荷のうち少なくともひとつを調整する調整部を含む、
燃料電池システム。
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JP2012001553A JP2013142551A (ja) | 2012-01-06 | 2012-01-06 | 電流分布検出装置及び燃料電池システム |
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