JP2013141481A - ベルトループ縫い付け方法及びベルトループ付けミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルトループをループクランプの移動により折り返しながら、ベルトループの一端部を縫着する過程において、意図しないベルトループの弛みを解消して精度良くベルトループ付けを行う
【解決手段】ベルトループBの一端部(縫い目L1,L2,L3)と他端部(縫い目L4)とを生地に縫着するにあたり、一端部を生地Cに縫着する先行縫着制御(L1、L2、ステップS2−S10)と、他端部が未縫着のベルトループをループクランプ31により把持させた状態から、ループクランプを移動させてベルトループのループクランプによる把持位置より他端部側の部分B1を、ループ押さえ52の下降位置に配置し、ループ押さえを下降させて、当該部分をループ押さえによる押さえつけにより保持させ、この保持状態において、ループクランプをループ押さえ52から離れるように移動させて、その把持位置のベルトループに沿った一端部の既縫着部との距離を短くさせる。
【選択図】図12

Description

本発明は、ベルトループ縫い付け方法及びベルトループ付けミシンに関する。
従来のベルトループ付けミシンは、細長い布片であるベルトループの両端部のそれぞれを、先端が二叉状の二つのフォーク部材の先端部の間に挿通し、各フォーク部材を互いに逆回転させることで両端部を内側に折り返した状態でミシンの針落ち位置に供給し、生地への縫い付けを行っていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来のベルトループ付けミシンは、二つのフォーク部材でベルトループを供給することから、ベルトループの両端部についていずれも内側に折り返した状態で生地に縫着を行う、最も基本的な縫いつけしかすることができなかった。
そこで、より多彩なベルトループの縫着を可能とするために、昨今では、一つのフォーク部材とベルトループを挟持するループクランプとを備えるベルトループ付けミシンが案出されている(例えば、特許文献2参照)。例えば、ベルトループの一端部を略Z字状に折りたたんで縫いつける縫着の形状がある。かかるミシンでは、ループクランプが挟持した状態のベルトループの一端部で第一の縫着を行い、その第一の縫着部で折り返されるようにループクランプを移動させ、第一の縫着部からループクランプが移動した方向寄りの所定位置で第二の縫着を行い、今度はループクランプを逆方向に移動させることで第二の縫着部でベルトループを折り返し、折り返されたベルトループに対して第二の縫着部と第一の縫着部との間の位置で重ねて第三の縫着を行うことでZ字状に折り込まれた形状の縫着を可能としていた。
特開2003−311060号公報 特開2010−246742号公報
しかし、以上のようにベルトループをループクランプの移動により折り返しながら、ベルトループの一端部を縫着する従来のベルトループ付けミシンにおいては、次のような問題が生じることがある。
例えば、第二の縫着を行った後、ループクランプを逆方向に移動させることで第二の縫着部でベルトループを折り返した時、特許文献2の図8に示されるように、第二の縫着部から第一の縫着部の方へ弛み無く折り返させれば問題ないが、ループクランプを限界まで移動しても、図18(a)に示すように弛みが解消できずに第二の縫着部から第一の縫着部の反対側にベルトループが膨らんでしまうことがある。この場合にそのまま第三の縫着を行ってしまうと、図18(b)に示すように意図しない外側への弛みTが形成されてしまい、ループの形成に失敗してしまい見栄えも悪くなって商品価値を著しく損なうという問題が生じる。
そこで本発明は、ベルトループをループクランプの移動により折り返しながら、ベルトループの一端部を縫着する過程において、意図しないベルトループの弛みを解消して見栄えの良いベルトループの取り付けを行うことを目的とする。
請求項1記載の発明は、ベルトループの一端部と他端部とを生地に縫着するベルトループ縫い付け方法において、
前記一端部を少なくとも一箇所において生地に縫着した後、
前記他端部が未縫着のベルトループをループクランプが把持した状態から、前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記他端部側を保持する未縫着端保持ステップと、
前記未縫着端保持ステップによる前記ベルトループの保持状態において、前記ループクランプを移動させて、その把持位置の前記ベルトループに沿った前記一端部の既縫着部との距離を短くする把持位置移動ステップと、
前記把持位置移動ステップによる把持位置の移動の後、前記未縫着端保持ステップによる保持を解除する未縫着端解放ステップと、
を実行し、
その後、前記ループクランプを移動させて前記ベルトループを前記一端部の既縫着部から折り返し、前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記既縫着部側を前記生地に縫着して、前記一端部の追加の縫着を実行し、
その後、前記他端部の前記生地への縫着を実行することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、縫い針を上下動させる針上下動機構と、長手方向が所定方向に向けられた状態のベルトループを把持し且つ解放可能なループクランプと、下降動作により前記ベルトループを押さえつけるループ押さえと、前記ベルトループの縫着が行われる生地が載置される載置台と、前記生地を保持する布押さえと、前記ループクランプを前記載置台の載置面に沿った任意の位置に移動させるクランプ移動機構と、を備えたベルトループを生地に縫着するベルトループ付けミシンにおいて、
ベルトループの一端部と他端部とを生地に縫着するにあたり、
前記一端部を少なくとも一箇所において生地に縫着する先行縫着制御と、
前記他端部が未縫着のベルトループをループクランプにより把持させた状態から、前記クランプ移動機構により前記ループクランプを移動させて前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記他端部側の部分を、前記ループ押さえの下降位置に配置し、前記ループ押さえを下降させて、当該部分を前記ループ押さえによる押さえつけにより保持させる未縫着端保持制御と、
前記未縫着端保持制御による前記ベルトループの保持状態において、前記クランプ移動機構により前記ループクランプを移動させて、その把持位置の前記ベルトループに沿った前記一端部の既縫着部との距離を短くさせる把持位置移動制御と、
前記把持位置移動制御による把持位置の移動の後、前記ループ押さえを上昇させて前記未縫着端保持制御による保持を解除させる未縫着端解放制御と、
を実行し、
その後、前記クランプ移動機構により前記ループクランプを移動させて前記ベルトループを前記一端部の既縫着部から折り返し、前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記既縫着部側を前記生地に縫着させて、前記一端部の追加の縫着を行う折り返し縫着制御と、
その後、前記他端部の前記生地への縫着を行う他端部縫着制御と、
を実行することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記先行縫着制御の後、前記他端部が未縫着のベルトループをループクランプにより把持させた状態において、前記折り返し縫着及び前記他端部縫着制御に先立ち、前記未縫着端保持制御、前記把持位置移動制御及び前記未縫着端解放制御を実行するか、省略するかを選択する制御を実行することを特徴とする請求項2に記載のベルトループ付けミシンである。
請求項4記載の発明は、前記先行縫着制御により最後に形成された縫着部を、前記未縫着端保持制御において、前記ループ押さえの下降位置より前記ループクランプ側に移動させてから、前記ループ押さえを下降させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のベルトループ付けミシンである。
なお、ベルトループに関し、「一端部」は先に縫着される端部を示し、「他端部」は後に縫着される端部を示し、「一端部」の既に縫着された部位を「一端部の既縫着部」という。「先行縫着制御により最後に形成された縫着部」は、当該先行縫着制御が「一端部」を一箇所において生地に縫着する制御である場合は、先行縫着制御の終了時点における「一端部の既縫着部」と同一であり、当該先行縫着制御が「一端部」を二箇所以上において生地に縫着する制御である場合は、先行縫着制御の終了時点における「一端部の既縫着部」のうち最後に縫着された箇所に相当し、「一端部の既縫着部」と同一ではなく、「一端部の既縫着部」に含まれる。
請求項1記載の発明によれば、ベルトループのループクランプによる把持位置より未縫着の他端部側を保持しておくことで、ベルトループのループクランプによる把持位置を、未縫着の他端部よりベルトループに沿って一端部の既縫着部に近づくように移動させることができ、その後のベルトループをループクランプの移動により折り返しながら、ベルトループの一端部を縫着する過程において、意図しないベルトループの弛みを解消して精度良くベルトループ付けを行うことができる。
請求項2記載の発明によれば、ベルトループの縫着時に用いられるループ押さえによって、ベルトループのループクランプによる把持位置より未縫着の他端部側を保持しておくことで、ベルトループのループクランプによる把持位置を、未縫着の他端部よりベルトループに沿って一端部の既縫着部に近づくように移動させることができ、その後のベルトループをループクランプの移動により折り返しながら、ベルトループの一端部を縫着する過程において、意図しないベルトループの弛みを解消して精度良くベルトループ付けを行うことができる。ループ押さえを用いるので、把持位置を移動させるために機械構成を追加する必要がない。
請求項3記載の発明によれば、ベルトループを折り返した際にベルトループに意図しない弛みが生じるほどループクランプによる把持位置が一端部の既縫着部から離れていない場合に、不要である未縫着端保持制御、把持位置移動制御及び未縫着端解放制御を省略して効率よくベルトループ付けを行うことができる。
請求項4記載の発明によれば、先行縫着制御により最後に形成された縫着部が、ループ押さえの下降位置よりループクランプ側に移動するので、把持位置移動制御においてループクランプの可動範囲を大きくすることができ、確実にループクランプによる把持位置のベルトループに沿った一端部の既縫着部との距離を短くすることができる。
本発明の一実施形態に係るベルトループ付けミシンの全体を示す斜視図である。 ベルトループ付けミシンの制御系を示すブロック図である。 縫い針周辺の斜視図である。 Z形状の縫い付けを行う場合に設定される複数のパラメータを示した説明図である。 ベルトループの縫着形状の一例を示す斜視図である。 ベルトループの縫着形状の他の一例を示す斜視図である。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のフローの先頭の一部を示すフローチャートである。 図7に続く、本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のフローの一部を示すフローチャートである。 図8に続く、本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のフローの一部を示すフローチャートである。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のステップに対応したベルトループ等の側視模式図である。対応するステップの符号を併記した。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のステップに対応したベルトループ等の側視模式図である。対応するステップの符号を併記した。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のステップに対応したベルトループ等の側視模式図である。対応するステップの符号を併記した。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のステップに対応したベルトループ等の側視模式図である。対応するステップの符号を併記した。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のステップに対応したベルトループ等の側視模式図である。対応するステップの符号を併記した。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のステップに対応したベルトループ等の側視模式図である。対応するステップの符号を併記した。 本発明の第一形態に係るベルトループ縫い付け制御のステップに対応したベルトループ等の側視模式図である。対応するステップの符号を併記した。 本発明の第二形態に係るベルトループ縫い付け制御のフローの第一形態に置き換わる部分を示すフローチャートである。 本発明の課題を説明するための、ベルトループ等の側視模式図である。
(縫製装置の概要)
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施の形態に係るベルトループ付けミシン10の全体を示す斜視図、図2は制御系を示すブロック図、図3は縫い針周辺の斜視図である。
ベルトループ付けミシン10は、縫い針11を上下動させる図示しない針上下動機構と、所定方向に向けられたベルトループBを挟持するループクランプ31を備えるクランプ機構30と、ベルトループBをクランプ機構30に供給するループ供給機構60と、ベルトループBの縫着が行われる生地Cが載置される載置台51と当該載置台51への下降動作によりベルトループBを押さえつけるループ押さえ52とを備えるループ押さえ機構50と、ベルトループBのループを緩める緩め部材66を備える緩め機構65と、生地Cを保持する布押さえ71を備える布押さえ機構70と、ミシンフレーム2と、図示しない釜機構と、上記各構成を制御する制御手段80とを備えている。
(ミシンフレーム)
ミシンフレーム2は、釜機構を内蔵したミシンベッド部2aと、ミシンベッド部2aの一端部から立設した縦胴部2bと、針上下動機構を内蔵したミシンアーム部2cとを備えている。そして、ミシンアーム部2cはミシンベッド部2aと同じ方向に延出されている。
以下の説明において、水平であってミシンベッド部2a及びミシンアーム部2cの長手方向に平行な方向をY軸方向、水平であってY軸方向に直交する方向をX軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向とし、説明の必要に応じて、Y軸方向における一端部側であってミシンアーム部2cの面部側を「手前側」、Y軸方向における他端部側であって縦胴部2b側を「奥側」いうものとする。
(針上下動機構及び釜機構)
針上下動機構は、ミシンアーム部2cの手前側端部の内部で上下動可能に支持されると共に縫い針を下端部に保持する針棒と、針棒の上下動の駆動源となるミシンモータ13と、ミシンモータ13により回転駆動を行う主軸と、主軸の回転駆動を上下動に変換して針棒に伝えるクランク機構とから構成されており、周知のものと同様である。
釜機構は、いわゆる半回転釜を用いた釜機構であり、ミシンベッド部2aの手前側端部の内側であって針落ち位置下部において回転可能に支持された半回転釜と、主軸に設けられた偏心カムと、偏心カムを一端部で支持するクランクロッドと、クランクロッドの他端部に連結されたアーム部により往復回動が付与される釜軸と、釜軸に支持されたドライバ
とを備え、周知のものと同様である。
(ループ供給機構)
ループ供給機構60は、クランプ機構30の手前側に配置されており、当該ループ供給機構60の手前側端部には、無端ベルト状の未切断ベルトループが取り込み口(図示略)を備えており、当該取り込み口から取り込まれた無端のベルトループを奥側に設けられた繰り出し口まで搬送する搬送ローラ61を回転駆動する繰り出しモータ62と、所定の長さで無端のベルトループを切断するカッタ63を駆動する切断用エアシリンダ64とを備えている。無端のベルトループが切り分けられてなる個々のベルトループBの長さは、繰り出しモータ61の駆動量を制御手段80が制御するにより決定される。
なお、クランプ機構30は、その手前側にベルトループBの図示しない受け取り口とX、Y軸方向への移動を行うための構成が設けられており、ループ供給機構60の繰り出し口に対して受け取り口が近接するよう移動を行い、ベルトループBの受け取りが行われる。
(クランプ機構)
クランプ機構30は、ミシンフレーム2に対して手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て右側に配置されている。以下の説明において、「右」というときには、X軸方向に平行な方向であって手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て右となる方向を示すものとし、単に「左」というときには、X軸方向に平行な方向であって手前側(面部側)から奥側を向いた状態で見て左となる方向を示すものとする。
クランプ機構30は、ベルトループBを挟持する上側クランプ31a及び下側クランプ31bからなるループクランプ31と、ループクランプ31を保持する保持ブロック32と、上側クランプに昇降動作を付与してベルトループBの把持状態と解放状態とを切り換えるクランプ用エアシリンダ33と、保持ブロック32をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向について移動可能に支持する支持台34と、保持ブロック32にX軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用X軸モータ35と、保持ブロック32にY軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用Y軸モータ36と、保持ブロック32にZ軸方向に沿った移動動作を付与するクランプ用Z軸エアシリンダ37とを備えている。
図3に示すように、ループクランプ31は、保持ブロック32の左端に設けられ、下側クランプ31bは保持ブロック32に固定装備され、上側クランプ31aは下側クランプ31bの真上において上下動可能に支持されている。また、上側クランプ31aはその先端部下面に凹状の保持部が形成されており、この保持部に嵌合するようにベルトループBの保持が行われる。ベルトループBは、保持部に嵌合保持されることにより、その長手方向をY軸方向に沿わせた状態で保持が行われる。
クランプ用エアシリンダ33は、保持ブロック32上に装備されており、そのプランジャの進退動作により上側クランプ31aの上昇解放動作と下降保持動作とを切り換えることを可能としている。なお、クランプ用エアシリンダ33によりベルトループBの把持圧は、ベルトループBがY軸方向に沿ったある程度の張力を受けると引き抜くことが可能な程度に調節されている。
保持ブロック32は、例えば、X、Y、Z軸方向の各方向に沿った滑動を可能とするスライドガイドを組み合わせて支持台34に支持されており、これらの方向への移動を可能としている。そして、クランプ用X、Y軸モータ35,36及びクランプ用Z軸シリンダ37の協働により、X−Y平面に沿った任意の位置にループクランプ31を移動させることができ、例えば、ベルトループBの受け取り位置から縫製の実行位置への搬送や、ベルトループBの複数箇所に縫着縫製が行われる場合に各縫製間でのベルトループBのY軸方向に沿った移動動作の付与等が行われる。即ち、クランプ機構30は、「クランプ移動機構」として機能することとなる。
また、保持ブロック32には、ループクランプ31に対してY軸方向に沿って隣接してフォーク部材38(図3では図示略)が併設されている。
フォーク部材38は、X軸方向に沿って延出された基部の先端部(左端部)からさらに二本の棒状体が左方に延出されて二叉状に形成されており、当該二本の棒状体の間にベルトループBを通して基部をX軸回りに回転させることにより、ベルトループBの端部を折り返すことを可能としている。かかるフォーク部材38は、X軸方向に沿って進退移動可能に保持ブロック32に支持されており、前進時にループクランプ31と並ぶ位置となり、後退時にはループクランプ31より右方に退避するようにフォーク用エアシリンダ40によって進退動作が付与される。また、フォーク部材38のX軸回りの回転動作はロータリーアクチュエータ41により付与される。
(緩め機構)
緩め機構65は、ミシンベッド部2a上に設置されたベース65aと、ベース65aからY軸方向に進退移動する送り軸65bと、送り軸65bの先端部に保持された移動ベース65cと、緩め部材66とを備える。緩め部材66は移動ベース65cの右端部にZ軸回りの所定角度範囲で回動可能に取り付けられている。ベース65aに緩めモータ68が搭載されており、緩めモータ68の作動により、送り軸65bがその軸方向、すなわち、Y軸方向に進退移動し、これに伴い送り軸65bに支持された移動ベース65c及び緩め部材66がY軸方向に進退移動する。移動ベース65cに、緩め部材用エアシリンダ67が搭載されており、緩め部材用エアシリンダ67の作動により、緩め部材66がZ軸回りの所定角度範囲で回動する。緩め部材66がその回動により、ベルトループBから離れた待機領域と、ベルトループBに接触し押し込んでベルトループBを緩める作業領域とに亘って動作可能である。
また、緩めモータ68によりY軸方向への移動動作を付与されると、ベルトループの長手方向への緩め量が制御されるようになっている。
(ループ押さえ機構)
ループ押さえ機構50の載置台51は、ミシンベッド部2aの上部にX軸方向及びY軸方向に移動可能に支持されている。そして、載置台51の上面はX−Y平面に平行な水平面であり、縫製時には生地Cが載置される。また、載置台51は、針棒の真下に位置し、針落ち位置には縫い針11が挿入される針穴が形成されている。
そして、ループ押さえ機構50は、載置台51をX軸方向に任意に移動させる生地用X軸モータ53と、載置台51をY軸方向に任意に移動させる生地用Y軸モータ54とを備えており、これら各モータ53,54はいずれもパルスモータであり、各々の出力軸にはエンコーダ55,56が装備されている。生地用X軸モータ53及びY軸モータ54は、毎針の針落ちに同期して、縫製パターンに定められた所定の針落ち位置に針落ちが行われるようにベルトループB及び生地Cの位置決めを行うために、各エンコーダ55,56の出力に基づくフィードバック制御が行われる。
また、載置台51の奥側の端部には、ループ押さえ52を上下動可能に支持する昇降フレーム58が立設されており、載置台51とループ押さえ52とは、X軸及びY軸方向について、一体的に移動を行うこととなる。また、ループ押さえ52の昇降は、ループ押さえ用エアシリンダ57により行われ、下降によりベルトループB及び生地Cを上方から下方に押圧保持し、上昇によりベルトループB及び生地Cを解放する。
ループ押さえ52は、その下部には一般的なベルトループBの幅より若干幅の広い略矩形状の枠体52aを備えている。ベルトループ付けミシン10では、ベルトループBの縫着縫製において、ベルトループBの幅方向に沿った縫いが一乃至複数回実施されるので、ループ押さえ52の枠体52aは、ベルトループBの幅方向に沿った一回分の縫いが網羅できる大きさに設定されている。
ループ押さえ機構50は、上記構成により、載置台51上でループ押さえ52が保持したベルトループB及び生地CをX−Y平面に沿った任意の位置に移動位置決めすることが
できる移動機構として機能する。
(布押さえ機構)
布押さえ機構70の布押さえ71は、平面視略C字状の枠体であり、載置台51より小さく、ループ押さえ52の枠体52aよりも大きく設定されている。この布押さえ71は、載置台51の上面においてループ押さえ52の枠体52aの周囲を囲むように配置されているが、載置台51とは別に支持体72によってミシンベッド部2aにY軸方向に沿って移動可能且つ昇降可能に支持されている。布押さえ71の昇降動作は、布押さえ用エアシリンダ73により行われ、下降により生地Cを上方から下方に押圧保持し、上昇により生地Cを解放する。
また、布押さえ71のY軸方向移動は、第二の生地用Y軸モータ74を駆動源として行われる。この第二の生地用Y軸モータ74は、パルスモータであり、布押さえ71による生地CのY軸方向移動量は任意に制御することが可能である。
布押さえ機構70は、上記構成により、載置台51上で布押さえ71が保持した生地CをベルトループBの向けられた方向(Y軸方向)に沿った任意の位置に移動位置決めすることができる移動機構として機能する。
(ベルトループ付けミシンの制御系)
制御手段80は、各種の処理及び制御を行うCPU81と、ベルトループ付けミシン10の動作制御を実行する動作制御プログラム及び設定情報が書き込まれているROM82と、CPU81の処理において各種データを格納するワークエリアとしてのRAM83と、各種の設定データを記録するEEPROM84とを備えている。
また、制御手段80は、各種の制御対象及びエンコーダ55,56とCPU81とを接続するためのI/Oインターフェイス85を備えている。即ち、かかるI/Oインターフェイス85を介してミシンモータ13,クランプ用エアシリンダ33,クランプ用X軸モータ35,クランプ用Y軸モータ36,クランプ用Z軸エアシリンダ37,ロータリーアクチュエータ41,フォーク用エアシリンダ40,緩めエアシリンダ67,緩めモータ68,布押さえ用エアシリンダ73,第二の生地用Y軸モータ74,切断用エアシリンダ64,繰り出しモータ62,生地用X軸モータ53,生地用Y軸モータ54,ループ押さえ用エアシリンダ57,エンコーダ55及び56がCPU81に接続される。なお、各エアシリンダ33,37,40,42,57,64,73は、いずれも当該各エアシリンダに対する吸排気を行う図示しない電磁バルブを介してその作動が制御されている。
また、上述したように、制御手段80には、各種の設定を入力するためのタッチパネル87と設定情報の表示を行う表示パネル88を備える操作手段86と、縫製の開始を入力するスタートスイッチ89とがI/Oインターフェイス85を介して接続されている。
ベルトループ付けミシン10では、ベルトループの縫着の形状として、両端部を互いに内側に折り返す最も基本形状の他に、端部を折り返さずに延ばしたままとする縫着形状、ベルトループの一端部を略Z字状に折りたたんで縫いつける縫着形状などがある。
かかる縫着形状(以下、Z形状とする)の縫い付けを行う場合には、図4に示すように、複数のパラメータの設定が必要であり、操作手段86のタッチパネル87によりその入力が行われる。ここでパラメータについて説明する。
Z形状の縫いは、縫い目L1,L2,L3,L4の順番で形成される。これに対してパラメータとして、縫い目L1−L2の距離m1、縫い目L2−L3の距離m2、縫い目L3−L4の距離m3の値が操作手段86により設定される。なお、図5に、図4に対応する縫着形状のベルトループBの斜視図を、図6に縫い目L4が形成される端部を折り返さずに延ばしたままとする縫着形状のベルトループBの斜視図を示した。図5及び図6に示す縫着形状において縫い目L3を省略することも選択できる。
また、この他に、Z形状の縫い付けを行うためのパラメータとして、各縫い目L1〜L4について、いずれの縫いパターン(縫いの種類のこと、例えば、縫い目ごとに、閂止め縫い、しつけ縫い等のいずれで行うかを選択して設定する)で縫いを行うかの設定、ベルトループBの長さ、幅等の設定も操作手段86により行われる。
これらのパラメータの設定内容は、EEPROM84に記録され、縫製制御の際に参照される。なお、選択された各縫い目の縫いパターンを形成するために必要となる制御パラメータ(閂止め縫いやしつけ縫いを行うために必要となる一針ごと動作量や動作の順番等)は規定のパラメータが予めROM82又はEEPROM84に設定されており、その値が参照されることとなる。
なお、上述した各種のパラメータの設定は一例に過ぎず、これらについては、例えば、固定値が予め定められており、それが参照されるものとしても良い。また、距離m2の数値そのものを操作手段86により入力する必要はなく、加減乗除の演算により距離m2を算出することが可能となる他の距離を設定することにより実質的に距離m2の取得を可能としても良い(例えば、縫い目L1−L2の距離と縫い目L1−L3の距離とを設定するようにすれば、これらの値の減算処理により距離m2を求めることができる)。
(ベルトループ縫い付け制御(方法)の第一形態)
ここで、本発明の把持位置移動制御(把持位置移動ステップ)が特に必要となる上述したZ形状の縫い付けの縫製を例に、制御手段80のCPU81が所定のプログラムに従って実行する把持位置移動制御(把持位置移動ステップ)を含んだベルトループ縫い付け制御(ベルトループ縫い付け方法)について図7から図9のフローチャート及び各ステップに対応する模式図を参照して説明する。
ミシン10にベルトループBを縫い付ける生地Cがセットされて、スタートスイッチ89が押される(ステップS1、図10(a))と、CPU81は、布押さえ71を下降させて生地Cを押える(ステップS2、図10(b))。
次に、CPU81は、あらかじめベルトループBを把持して待機していたループクランプ31をX方向左に前進させてベルトループBを縫着位置に供給する(ステップS3、図10(c))。
次に、CPU81は、ループクランプ31を下降させる(ステップS4、図10(d))。
次に、CPU81は、ループ押さえ52を下降させ、生地C及びベルトループBを押える(ステップS5、図11(a))。
次に、CPU81は、ループクランプ31を上昇させ、その後、手前側に移動させる(ステップS6、図11(b))、なお、このループクランプ31の移動時には、CPU81は、クランプ用エアシリンダ33を制御してループクランプ31によるベルトループBの把持圧を弱めさせ、ループクランプ31の移動に伴ってループクランプ31の把持位置がベルトループBに沿って滑るようにする。
次に、CPU81は、ミシン10を縫製動作させ、縫い目L1を形成する第一縫着を実行し、第一縫着の実行後、ループ押さえ52を上昇させる(ステップS7、図11(c))。
次に、CPU81は、ループクランプ31をループ押さえ52の下方をくぐりつつ前記第一縫着が行なわれた縫い目L1上方を通過するようにして、ループ押さえ52の枠体52aより奥側に移動させるとともに、生地押さえ71を手前側へ移動させ、これによりベルトループBを縫い目L1から奥側に折り返すとともに、縫い目L2を形成する生地C上の第二縫着の位置を針落ち位置に配置する(ステップS8、図11(d))。なお、CPU81は、遅くとも本ステップ実行前にステップS6で弱めさせたループクランプ31による把持圧を元に戻させる。
次に、CPU81は、ループ押さえ52を下降させ、生地C及びベルトループBを押える(ステップS9、図12(a))。
次に、CPU81は、ミシン10を縫製動作させ、縫い目L2を形成する第二縫着を実行し、第二縫着の実行後、ループ押さえ52を上昇させる(ステップS10、図12(b))。
なお、以上により、ベルトループBの一端部を生地Cに縫着する先行縫着制御が終了する。縫い目L2が形成された第二縫着部は、先行縫着制御により最後に形成された縫着部に相当する。
少なくとも現段階で、一端部が生地Cに縫着され他端部が未縫着のベルトループBをループクランプ31により把持させた状態にある。
CPU81は、かかる状態から未縫着端保持制御(未縫着端保持ステップ)を実行する。すなわち、CPU81は、クランプ移動機構によりループクランプ31を手前側へ移動させてベルトループBのループクランプ31による把持位置より未縫着の他端部側の部分B1を、ループ押さえ52の下降位置に配置し(ステップS11、図12(c))、ループ押さえ52を下降させて、当該部分B1をループ押さえ52による押さえつけにより保持させる(ステップ12、図12(d))。また、CPU81は、この未縫着端保持制御(S11)において布押さえ71を制御して、先行縫着制御により最後に形成された第二縫着部(縫い目L2)を、ループ押さえ52の下降位置より奥側に移動させてから、ループ押さえ52を下降させる。
第二縫着部(縫い目L2)上で、未縫着部B1をループ押さえ52で押さえてしまうと、次の把持位置移動制御において、ループクランプ31の把持位置と第二縫着部(縫い目L2)とのベルトループBに沿った距離を、ベルトループBの第二縫着部(縫い目L2)から延出する部分の半分の長さより小さくすることは不可能である。しかし、第二縫着部(縫い目L2)を、ループ押さえ52の下降位置より奥側に移動させてから、ループ押さえ52を下降させる、すなわち、ループ押さえ52による押さえ位置より、奥側に第二縫着部(縫い目L2)を移動しておくことで、次の把持位置移動制御において、ループクランプ31の把持位置と第二縫着部(縫い目L2)とのベルトループBに沿った距離を、より小さくすることが可能となる。かかる第二縫着部(縫い目L2)の移動は、ループクランプ31からベルトループBを引いてしまって未縫着部B1のループクランプ31からの延出長さが、ループ押さえ52によって未縫着部B1を押さえつけられなくなる程度までに短くならないことを条件に行う。
次に、CPU81は、把持位置移動制御(把持位置移動ステップ)を実行する。すなわち、CPU81は、未縫着端保持制御によるベルトループBの保持状態において、ループクランプ31はベルトループBの把持を解放すると共にクランプ移動機構によりループクランプ31を奥側へ移動させ再度ベルトループBを把持することで、その把持位置と、縫い目L1及びL2が形成された部位である一端部の既縫着部とのベルトループBに沿った距離を短くさせる(ステップS13、図13(a))。
次に、CPU81は、未縫着端解放制御(未縫着端解放ステップ)を実行する。すなわち、CPU81は、ループ押さえ52を上昇させて未縫着端保持制御による保持を解除させる(ステップS14、図13(b))。このとき、図12(c)と図13(b)とを比較すればわかるように、本ステップ後の図13(b)において、未縫着部B1のループクランプ31からの延出長さが長くなっている。その分、ループクランプ31による把持位置と第二縫着部(縫い目L2)とのベルトループBに沿った距離は短くなっている。
次に、CPU81は、ループクランプ31をループ押さえ52より手前側に移動させるとともに、生地押さえ71を手前側へ移動させ、これによりベルトループBを縫い目L2から手前側に折り返すとともに、縫い目L3を形成する生地C上の第三縫着の位置を針落ち位置に配置する(ステップS15、図13(c))。この移動の際、ループクランプ31の把持圧は弱められており、ベルトループBを適当な張力で折り返しつつ、未縫着の他端部がループクランプ31の把持を外れて脱落させない程度に把持位置がベルトループBに沿ってループクランプ31の未縫着端側にずれる。
ループクランプ31を縫い目L2から離れて手前側に移動できる移動量には、機械的に限界がある。ステップS10の次にステップS15以降を実行した場合に、ループクランプ31を手前側の限界位置まで移動しても、縫い目L2から正しく手前側に折り返すために必要な引っ張り量を満たさず、図18(b)に示すように縫い目L2の奥側に意図しない弛みTが形成されてループ形成に失敗してしまうことが生じ得る。この場合にも、ステップS11からステップS14を実行することで、ループクランプ31による把持位置と第二縫着部(縫い目L2)とのベルトループBに沿った距離が短くなっている分、必要な引っ張り量が減少しているため、図13(c)(d)に示すように縫い目L2から手前側に正しく折り返すことができる。正しく折り返すとは、ベルトループBのループクランプ31による把持位置と折り返し点となる縫い目(ここでは縫い目L2)との間の部分に許容できない弛み、膨らみが生じないことを意味する。
次に、CPU81は、ループクランプ31を下降させる(ステップS16、図13(d))。
次に、CPU81は、ループ押さえ52を下降させ、生地C及びベルトループBを押える(ステップS17、図14(a))。
次に、CPU81は、ミシン10を縫製動作させ、縫い目L3を形成する第三縫着を実行し、第三縫着の実行後、ループ押さえ52を上昇させる(ステップS18、図14(b))。なお、本形態における第三縫着は、ベルトループの一端部の追加の縫着に相当し、ステップS15からステップS18は、折り返し縫着制御のステップに相当する。
次に、CPU81は、ループクランプ31を上昇させ、奥側へ移動させてベルトループBを曲げる(ステップS19、図14(c))。
次に、CPU81は、ベルトループBの曲げられた部分に緩め部材66を入れる(ステップS20、図14(d))。
次に、CPU81は、布押さえ71を制御して生地Cを奥側へ移動させるとともに、緩め部材66も一緒に奥側へ移動させ、また同時にループクランプ31を手前側へ移動させ、これにより、ベルトループBを規定のループ長さに調整するとともに、縫い目L4を形成する生地C上の第四縫着の位置を針落ち位置に配置する(ステップS21、図15(a))。
次に、CPU81は、ループクランプ31を下降させる(ステップS22、図15(b))。
次に、CPU81は、ループ押さえ52を下降させ、生地C及びベルトループBを押える(ステップS23、図15(c))。
次に、CPU81は、緩め部材66をベルトループBから抜き出して待機させ、ループクランプ31を上昇させてベルトループBを解放させて、X方向右に後退させる(ステップS24、図15(d))。
次に、CPU81は、ミシン10を縫製動作させ、縫い目L4を形成する第四縫着を実行し、第四縫着の実行後、ループ押さえ52を上昇させる(ステップS25、図16(a))。
なお、第四縫着は、ベルトループBの他端部の生地Cへの縫着を行う他端部縫着制御のステップに相当する。
次に、CPU81は、布押さえ71を上昇させ、生地Cを解放してベルトループ付けを終了する(ステップS26、図16(b))。
以上説明した第1形態のベルトループ付けにあっては、図6に示した形態のベルトループが形成される。本発明は、後に縫着される他端部の形態には拘泥されないので、図5に示した形態のベルトループを縫製する場合にも、以上説明した未縫着端保持制御、把持位置移動制御及び未縫着端解放制御が有効であることは勿論である。また、以上説明した第1形態のベルトループ付けにあっては、第二縫着と第三縫着の間に、未縫着端保持制御、把持位置移動制御及び未縫着端解放制御を適用したが、未縫着端保持制御、把持位置移動制御及び未縫着端解放制御を第一縫着と第二縫着の間に適用してもよい。かかる適用は、ステップS7とS8の過程でループ押さえ52を一端下降させることで可能である。
(ベルトループ縫い付け制御(方法)の第二形態)
次に、本発明のベルトループ縫い付け制御(ベルトループ縫い付け方法)の第二形態について図17のフローチャートを参照して説明する。
上述したように、第1形態においてステップS10の次にステップS15以降を実行した場合に、ループクランプ31を手前側の限界位置まで移動しても、縫い目L2から正しく手前側に折り返すために必要な引っ張り量を満たさず、図18(b)に示すように縫い目L2の奥側に弛みTが形成されてループ形成に失敗してしまうことが生じ得る。
しかし、ステップS10の完了時において既に、ループクランプ31による把持位置と第二縫着部(縫い目L2)とのベルトループBに沿った距離が十分に短い場合には、ステップS10の次にステップS15以降を実行しても、ベルトループBを縫い目L2から正しく手前側に折り返すことができる。
そこで、第二形態においては、ステップS10とステップS15との間で、ステップS11からステップS14を実行するか否かを選択する制御を導入する。
第二形態におけるフローは、第1形態におけるステップS10の後に、図17に示す分岐ステップT1が挿入される点で第1形態とは異なる。第1形態におけるステップS1―S10は同様に実施する。分岐ステップT1でYESの場合、第1形態と同様にステップS11以降を実施する。分岐ステップT1でNOの場合、ステップS11―S14を実行せず、ステップS15以降を第1形態と同様に実施する。
このように分岐ステップT1においては、ループクランプ31による把持位置を第二縫着部(縫い目L2)側にずらすか否かの選択を行う。すなわち、上述した把持位置移動制御を実行するか否かを選択する。
把持位置移動制御を実行する必要があるか否かの判定は、形成するベルトループの縫着時各パラメータとベルトループ付けミシンの各部寸法などの規格から、ベルトループBを正しく折り返すために必要な引っ張り量と、ループクランプ31の最大移動量との比較・演算などをすることにより行うことができる。すなわち、仮にループクランプ31の移動限界を無視してベルトループBを正しく折り返した状態を想定したときのループクランプ31による把持位置が、ループクランプ31の移動限界を超えるものであるか否かによって判定することができる。ループクランプ31の移動限界を超える場合は、把持位置移動制御が必要となるため分岐ステップT1でYESを選択し、第1形態と同様にステップS11以降を実施する。ループクランプ31の移動限界を超えない場合は、分岐ステップT1でNOを選択し、ステップS11―S14を実行せず、ステップS15以降を第1形態と同様に実施する。
ベルトループBを正しく折り返した状態を想定したときのループクランプ31による把持位置は、ステップS10の完了時の図12(b)に示す状態において、縫い目L2からループクランプ31による把持位置までのベルトループBの長さにより計算することができる。実際に折り返して状態を確認する場合には、実際にはループクランプ31は移動限界を超えることができないため、図18(a)のように、許容できない弛み、膨らみが生じるか否かによって確認できる。
具体的には例えば、CPU81は分岐ステップT1において、縫製作業を一時停止し、操作手段86を介して「把持位置移動」の要否の入力要求を行う。作業者がベルトループBの保持状態を目視確認して、「把持位置移動」の要否を操作手段86に入力する。CPU81は、「把持位置移動」の「要」が入力されれば、分岐ステップT1におけるYESを選択し、「把持位置移動」の「不要」が入力されれば、分岐ステップT1におけるNOを選択して処理を実行する。
作業者の目視確認を補助するために、CPU81は分岐ステップT1における一時停止の際に、図18(a)に示すようにループクランプ31を折り返し側の移動限界まで移動させて停止させることとしてもよい。図18(a)に示すようにベルトループBに許容できない弛み、膨らみがあれば、作業者は容易に判定できて「把持位置移動」の「要」を入力し、これを受けてCPU81はステップS11以降を実行する。図13(c)のようにベルトループBに許容できない弛み、膨らみがなければ、作業者は容易に判定できて「把持位置移動」の「不要」を入力し、これを受けてCPU81はステップS16以降を実行する。
以上のような作業者が行う視覚的認識と「把持位置移動」の要否判定を作業者に代わって行う手段を、ベルトループBの保持状態を検出するセンサー又はカメラと、検出された情報に基づき必要な引っ張り量と最大移動量との比較演算を行う演算手段とによってミシン10に構成して実施してもよいことは勿論である。
このような第二形態のフローによれば、ステップS11―S14が不要な場合に、これを実行せず省略し、縫製時間を短縮して効率よくベルトループ付けを行うことができる。
10 ベルトループ付けミシン
11 縫い針
30 クランプ機構(クランプ移動機構)
31 ループクランプ
38 フォーク部材
50 第一の移動機構
51 載置台
52 ループ押さえ
70 布押さえ機構(第二の移動機構)
71 布押さえ
74 第二の生地用Y軸モータ(布送りモータ)
B ベルトループ
C 生地

Claims (4)

  1. ベルトループの一端部と他端部とを生地に縫着するベルトループ縫い付け方法において、
    前記一端部を少なくとも一箇所において生地に縫着した後、
    前記他端部が未縫着のベルトループをループクランプが把持した状態から、前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記他端部側を保持する未縫着端保持ステップと、
    前記未縫着端保持ステップによる前記ベルトループの保持状態において、前記ループクランプを移動させて、その把持位置の前記ベルトループに沿った前記一端部の既縫着部との距離を短くする把持位置移動ステップと、
    前記把持位置移動ステップによる把持位置の移動の後、前記未縫着端保持ステップによる保持を解除する未縫着端解放ステップと、
    を実行し、
    その後、前記ループクランプを移動させて前記ベルトループを前記一端部の既縫着部から折り返し、前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記既縫着部側を前記生地に縫着して、前記一端部の追加の縫着を実行し、
    その後、前記他端部の前記生地への縫着を実行することを特徴とするベルトループ縫い付け方法。
  2. 縫い針を上下動させる針上下動機構と、長手方向が所定方向に向けられた状態のベルトループを把持し且つ解放可能なループクランプと、下降動作により前記ベルトループを押さえつけるループ押さえと、前記ベルトループの縫着が行われる生地が載置される載置台と、前記生地を保持する布押さえと、前記ループクランプを前記載置台の載置面に沿った任意の位置に移動させるクランプ移動機構と、を備えたベルトループを生地に縫着するベルトループ付けミシンにおいて、
    ベルトループの一端部と他端部とを生地に縫着するにあたり、
    前記一端部を少なくとも一箇所において生地に縫着する先行縫着制御と、
    前記他端部が未縫着のベルトループをループクランプにより把持させた状態から、前記クランプ移動機構により前記ループクランプを移動させて前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記他端部側の部分を、前記ループ押さえの下降位置に配置し、前記ループ押さえを下降させて、当該部分を前記ループ押さえによる押さえつけにより保持させる未縫着端保持制御と、
    前記未縫着端保持制御による前記ベルトループの保持状態において、前記クランプ移動機構により前記ループクランプを移動させて、その把持位置の前記ベルトループに沿った前記一端部の既縫着部との距離を短くさせる把持位置移動制御と、
    前記把持位置移動制御による把持位置の移動の後、前記ループ押さえを上昇させて前記未縫着端保持制御による保持を解除させる未縫着端解放制御と、
    を実行し、
    その後、前記クランプ移動機構により前記ループクランプを移動させて前記ベルトループを前記一端部の既縫着部から折り返し、前記ベルトループの前記ループクランプによる把持位置より前記既縫着部側を前記生地に縫着させて、前記一端部の追加の縫着を行う折り返し縫着制御と、
    その後、前記他端部の前記生地への縫着を行う他端部縫着制御と、
    を実行することを特徴とするベルトループ付けミシン。
  3. 前記先行縫着制御の後、前記他端部が未縫着のベルトループをループクランプにより把持させた状態において、前記折り返し縫着及び前記他端部縫着制御に先立ち、前記未縫着端保持制御、前記把持位置移動制御及び前記未縫着端解放制御を実行するか、省略するかを選択する制御を実行することを特徴とする請求項2に記載のベルトループ付けミシン。
  4. 前記先行縫着制御により最後に形成された縫着部を、前記未縫着端保持制御において、前記ループ押さえの下降位置より前記ループクランプ側に移動させてから、前記ループ押さえを下降させることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のベルトループ付けミシン。
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