JP2013141437A - 変異グリコシドハイドロラーゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】液体洗剤に対する溶解性が向上したグリコシドハイドロラーゼを提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有する親グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、特定のアミノ酸配列の43位、69位、77位、85位、86位、141位、144位、148位、173位、234位、256位、259位、271位、278位、285位、311位、327位、329位、331位、342位、345位、348位、367位、370位、381位及び383位から選ばれる位置又はこれらに相当する位置のアミノ酸残基から選ばれる1以上のアミノ酸残基が、他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列からなる変異グリコシドハイドロラーゼ。
【選択図】なし

Description

本発明は、変異グリコシドハイドロラーゼに関する。
プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、クチナーゼ、リケナーゼ等の複数の酵素を洗浄補助剤として洗剤に配合することは以前から検討又は実施されている。グリコシドハイドロラーゼの一つであるセルラーゼは、木綿単繊維の非晶質領域に作用し、単繊維内の皮脂汚れ等を効果的に除去するため、衣料用洗剤に配合するのに適している。
衣料用洗剤等の洗剤用酵素として優れた効果を発揮する酵素として、Bacillus sp.KSM−N257株由来のアルカリセルラーゼが開発され、特許出願されている(特許文献1及び2)。
上記KSM−N257株由来のアルカリセルラーゼは、グリコシドハイドロラーゼのファミリー8(GHファミリー8)に属する酵素である。当該ファミリーのグルコシドハイドロラーゼは、β−1,4グルカン、キシラン、キトサン、リケナン等のβ−1,4結合を切断することを特徴とする一群の酵素群である。上記KSM−N257株由来の酵素も、カルボキシメチルセルロースや結晶性セルロース等のセルロース分解活性以外にリケナン分解活性も有する、グリコシドハイドロラーゼである。
当該KSM−N257株由来の酵素(以下、N257グリコシドハイドロラーゼ)については、同じGHファミリー8に属するセルラーゼであるBacillus circulans由来のセルラーゼ(非特許文献1)やBacillus sp.KSM−330株由来のセルラーゼ(非特許文献2)とのアミノ酸配列の比較や、酵素タンパク質結晶のX線解析により、触媒部位のアミノ酸及び保存アミノ酸の解析が行われている(非特許文献3)。
洗剤はその形態により、粉末洗剤と液体洗剤に分類することが出来る。液体洗剤は、粉末洗剤に比べて溶解性に優れ、また、汚れ部分に原液を直接塗布出来るメリットもある。さらに最近では、使用量が従来の液体洗剤の半分程度でよい液体洗剤(いわゆる、濃縮液体洗剤)も市販されている。濃縮液体洗剤は、容器が小さく収納に場所をとらないことや、洗濯時間を短縮し、水の使用量を節約できるという利点も有している。
液体洗剤が常に一定の洗浄活性を発揮するためには、液体洗剤に配合された酵素が活性を維持し、且つ液体洗剤中において均一状態で安定に存在する必要がある。そして、洗剤の酵素洗浄力を高めるためには、洗剤に酵素をできるだけ多く配合することが望ましい。
しかし、液体洗剤への酵素の安定的な配合に関しては、技術的な困難さがあることが広く知られている。元来、液体中で常温保存すること自体がタンパク質の変性を招きやすい上に、液体洗剤には界面活性剤、脂肪酸、溶剤等が含有され、pHも弱アルカリ性であり、酵素にとって極めて厳しい条件になっている。また、タンパク質である酵素は、同じく洗剤中に配合されたプロテアーゼにより消化される可能性があり、このことが液体洗剤中での安定保存を更に困難なものにしている。さらに、濃縮液体洗剤の場合、従来の液体洗剤と比べて界面活性剤濃度が高く、水分含有量が少ないため、多量の酵素を溶解させることは難しいという問題がある。
液体洗剤中での酵素活性の安定保存のための技術として、カルシウムイオン、ホウ砂、ホウ酸、ホウ素化合物、ギ酸などのカルボン酸、ポリオール等の酵素安定化剤を加えることは公知である。また、プロテアーゼの活性を阻害することにより、自己消化の問題を解決すべく検討もなされており、4−置換フェニルボロン酸や、ある種のペプチドアルデヒド及びホウ素組成物によるプロテアーゼの可逆的阻害による液体洗剤中の酵素の安定化法が報告されている。また、酵素活性自体を洗剤中でより安定的に存在できるように改変することも試みられており、例えば、至適pHが上昇した又は比活性が向上したアルカリセルラーゼ変異体や、界面活性剤又は漂白剤を含むアルカリ水溶液で安定なエンド−β−1,4−グルカナーゼ活性を有する酵素が開発されている。
他方、液体洗剤に対する酵素の溶解性を向上させるための技術は、これまで開発されていなかった。
特開2001−309781号公報 特開2002−85078号公報
Bueno ら、Nucleic Acids Research, 18, 4248, 1990 Ozakiら、J. Gen. Microbiol., 137, 41-48, 1991 Hakamadaら、Biochimica et Biophysica Acta, 1570, 174-180, 2002
本発明は、液体洗剤に対する溶解性が向上した変異グリコシドハイドロラーゼを提供することに関する。本発明はまた、当該変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤組成物を提供することに関する。
本発明者は、Bacillus sp.KSM−N257株由来のグリコシドハイドロラーゼ(以下、本明細書においてN257グリコシドハイドロラーゼと称する)のアミノ酸配列上の特定のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換することによって、当該酵素の液体洗剤に対する溶解性が向上することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
(1)配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有するグリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の表1(i)記載の位置又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が、当該表1(ii)記載のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列からなる、変異グリコシドハイドロラーゼ。
Figure 2013141437
(2)上記同一性が90%以上である(1)記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(3)配列番号2で示されるアミノ酸配列の93位に相当する位置におけるアミノ酸残基がグルタミン酸であり、且つ配列番号2で示されるアミノ酸配列の154位に相当する位置におけるアミノ酸残基がアスパラギン酸である、(1)又は(2)記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(4)配列番号2で示されるアミノ酸配列の表2(i)記載の位置に相当する位置におけるアミノ酸残基が、当該表2(ii)記載のアミノ酸残基である、(3)記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
Figure 2013141437
(5)上記1以上のアミノ酸残基が、(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基を含む、(1)〜(4)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(6)上記1以上のアミノ酸残基が、(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる2以上のアミノ酸残基を含む、(1)〜(5)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(7)上記(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が、下記アミノ酸残基に置換されている、(1)〜(6)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(G)144位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(L)259位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(Q)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
(R)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
(T)342位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(V)348位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(W)367位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
(X)370位又はこれに相当する位置:イソロイシン
(Y)381位又はこれに相当する位置:チロシン
(8)セルラーゼ活性、リケナーゼ活性及びキシラナーゼ活性のいずれか1以上を有する、(1)〜(7)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
(9)(1)〜(8)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子。
(10)(9)記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
(11)(10)記載の組換えベクターを含む形質転換体。
(12)(11)記載の形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼの製造方法。
(13)(1)〜(8)のいずれか1に記載の変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤組成物。
(14)配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有するグリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の表3(i)記載の位置又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基を、当該表3(ii)記載のアミノ酸残基に置換する工程を含む、グリコシドハイドロラーゼの液体洗剤への溶解性を向上させる方法。
Figure 2013141437
(15)液体洗剤が界面活性剤40〜90質量%を含有する濃縮液体洗剤である、(14)記載の方法。
本発明の変異グリコシドハイドロラーゼは、液体洗剤、とりわけ濃縮液体洗剤に対する溶解性が向上しており、これらの洗剤に安定的により多くの量を配合することが可能となる。よって、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼを配合した液体洗剤は、従来と比べてより高い酵素活性を有し、高い洗浄力を発揮することができる。
本明細書において、「アミノ酸残基」とは、タンパク質を構成する20種のアミノ酸残基、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr及びValを意味する。
本明細書において、「(アミノ酸配列間の)同一性」とは、2つのアミノ酸配列を整列(アラインメント)したときに両方の配列において同一のアミノ酸残基が存在する位置の数の全長アミノ酸残基数に対する割合(%)をいう。具体的には、リップマン−パーソン法(Lipman−Pearson法;Science,227,1435,(1985))によって計算され、遺伝情報処理ソフトウェアGenetyx−Win(Ver.5.1.1;ソフトウェア開発)のホモロジー解析(Search homology)プログラムを用いて、Unit size to compare(ktup)を2として解析を行なうことにより算出できる。
本発明の変異グリコシドハイドロラーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼにおいて、下記表4に示される位置のアミノ酸残基のいずれか1以上が、当該表に示される変異後のアミノ酸残基に置換されたものである。あるいは、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼは、配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列の親グリコシドハイドロラーゼにおいて、下記表4に示される位置に相当する位置のアミノ酸残基のいずれか1以上が、当該表に示される変異後のアミノ酸残基に置換されたものである。本発明の変異グリコシドハイドロラーゼは、グリコシドハイドロラーゼ活性を有し、且つ親グリコシドハイドロラーゼと比べて、液体洗剤、好ましくは濃縮液体洗剤に対する溶解性が向上している。
Figure 2013141437
本明細書における「親グリコシドハイドロラーゼ」とは、アミノ酸残基に所定の変異ががなされて変異グリコシドハイドロラーゼとなるグリコシドハイドロラーゼである。本発明の変異グリコシドハイドロラーゼの親グリコシドハイドロラーゼとしては、配列番号2で示されるアミノ酸配列又はそれと80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなるグリコシドハイドロラーゼが挙げられる。
本明細書における「グリコシドハイドロラーゼ活性」とは、β−1,4グルカン、キシラン、キトサン、リケナン等のβ−1,4結合を切断し得る活性であり、セルラーゼ活性、リケナーゼ活性、及びキシラナーゼ活性を含む。本明細書において、「グリコシドハイドロラーゼ活性」を有する酵素とは、セルラーゼ活性、リケナーゼ活性及びキシラナーゼ活性のいずれか1以上の活性を有する酵素であり得る。
配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼとしては、例えば、N257株〔バチルス エスピーKSM−N257株(FERM P−17473)〕由来のグリコシドハイドロラーゼが挙げられる(特許文献1及び2)。
配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼとしては、配列番号2で示されるアミノ酸配列とは異なるが、配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらにより好ましくは97%以上、なお好ましくは98%以上、さらになお好ましくは99%以上の配列同一性を有するグリコシドハイドロラーゼ、ならびに、配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1個〜数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたグリコシドハイドロラーゼが挙げられる。なお、本明細書において、1個〜数個とは、1〜40個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜10個を意味する。
配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるN257株〔バチルス エスピーKSM−N257株(FERM P−17473)〕由来のグリコシドハイドロラーゼの触媒活性に関与するアミノ酸は、93位のグルタミン酸及び154位のアスパラギン酸であることが確かめられている(非特許文献3)。よって、上記配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼにおいて、好ましくは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の93位に相当する位置のアミノ酸残基はグルタミン酸であり、且つ配列番号2で示されるアミノ酸配列の154位に相当する位置はアスパラギン酸である。
より好ましくは、上記配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼにおいて、配列番号2で示されるアミノ酸配列の下記表5(i)記載の位置に相当する位置のアミノ酸残基は、当該表5(ii)に記載のアミノ酸残基である。下記表5に示す位置のアミノ酸残基は、N257グリコシドハイドロラーゼとともに、非特許文献3に記載のGHファミリー8に属する他の酵素、すなわちGHファミリー8に属するバチルス サーキュランス由来のセルロース分解性キシラナーゼ(GenBank accession no.AAP22946、アミノ酸配列同一性97%)、パエニバチルス エスピーY412MC10由来のリケナーゼ(GenBank accession no.YP_003240630、アミノ酸配列同一性96%)、パエニバチルス エスピーHGF5由来のglycosy hydrolase family8 (GenBank accession no.ZP_08283397、アミノ酸配列同一性96%)、パエニバチルス ボルテックスV453由来のリケナーゼ(GenBank accession no.ZP_07897964、アミノ酸配列同一性93%)及びパエニバチルス ラクティス154由来のリケナーゼ(GenBank accession no.ZP_09002324、アミノ酸配列同一性83%)においても保存されているアミノ酸残基である。
Figure 2013141437
配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼの例としては、バチルス サーキュランス由来のセルロース分解性キシラナーゼ(GenBank accession no. AAP22946、アミノ酸配列同一性97%)、パエニバチルス エスピーY412MC10由来のリケナーゼ(GenBank accession no.YP_003240630、アミノ酸配列同一性96%)、パエニバチルス エスピーHGF5由来のglycosy hydrolase family8 (GenBank accession no.ZP_08283397、アミノ酸配列同一性96%)、パエニバチルス ボルテックスV453由来のリケナーゼ(GenBank accession no.ZP_07897964、アミノ酸配列同一性93%)及びパエニバチルス ラクティス154由来のリケナーゼ(GenBank accession no.ZP_09002324、アミノ酸配列同一性83%)等が挙げられる。
このうち、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなる親グリコシドハイドロラーゼが有する次の何れかの酵素学的性質を有するものが、親グリコシドハイドロラーゼとしてより好ましい。1)等電点電気泳動法により測定された等電点が9.3である。2)カルボキシメチルセルロースを液化型で良好に分解する。3)基質特異性:カルボキシメチルセルース、リケナン、結晶性セルロース又はセロトリオース以上のセロオリゴ糖及を分解し、還元糖を生成する。4)最適反応pH:少なくともpH5〜10で作用し、最適pHは8.5である。5)最適反応温度:グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH8.5)で反応を行った場合、最適反応温度は55℃である。6)安定pH範囲:30℃、60分間で処理した場合、pH5〜11の範囲で安定である。7)耐熱性:トリス−塩酸緩衝液(pH7.0)中、15分間の処理において、55℃まで安定である。8)分子量:SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による推定分子量は、43kDaである。
本発明の変異グリコシドハイドロラーゼにおいては、置換されている位置は、好ましくは、配列番号2で示されるアミノ酸配列の144位、259位、327位、329位、342位、348位、367位、370位及び381位、又は配列番号2で示されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有するアミノ酸配列における上記位置に相当する位置からなる群より選ばれる位置のいずれか1以上を少なくとも含む。より好ましくは、置換される位置は、少なくとも上記に挙げた位置のいずれか2以上を含む。さらに好ましくは、置換される位置は、少なくとも上記に挙げた位置のいずれか3以上を含む。
上記144位、259位、327位、329位、342位、348位、367位、370位及び381位ならびにそれらに相当する位置の単置換、二重又は多重置換に加えて、さらに表4に示した他の位置のアミノ酸残基が置換されていてもよい。
置換後のアミノ酸残基は、144位又はこれに相当する位置についてはイソロイシンが好ましく、259位又はこれに相当する位置についてはフェニルアラニンが好ましく、327位又はこれに相当する位置についてはトリプトファンが好ましく、329位又はこれに相当する位置についてはトリプトファンが好ましく、342位又はこれに相当する位置についてはフェニルアラニンが好ましく、348位又はこれに相当する位置についてはイソロイシンが好ましく、367位又はこれに相当する位置についてはフェニルアラニンが好ましく、370位又はこれに相当する位置についてはイソロイシンが好ましく、381位又はこれに相当する位置についてはチロシンが好ましい。
本明細書において、「相当する位置のアミノ酸残基」の特定は、公知のアルゴリズムを用いて、目的アミノ酸配列を参照配列(配列番号2で示されるアミノ酸配列)と比較し、各グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列中に存在する保存アミノ酸残基に最大の相同性を与えるように配列を整列(アラインメント)させることにより行なうことができる。グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列をこのような方法で整列させることにより、アミノ酸配列中にある挿入、欠失にかかわらず、相同アミノ酸残基の各グリコシドハイドロラーゼにおける配列中の位置を決めることが可能である。アラインメントは、例えば、上述のリップマン−パーソン法等に基づいて手作業で行うこともできるが、Clustal Wマルチプルアラインメントプログラム(Thompson,J.D.et al,(1994)Nucleic Acids Res.22,p.4673−4680)をデフォルト設定で用いることにより行うことができる。Clustal Wは、例えば、欧州バイオインフォマティクス研究所(European Bioinformatics Institute:EBI,[www.ebi.ac.uk/index.html])や、国立遺伝学研究所が運営する日本DNAデータバンク(DDBJ,[www.ddbj.nig.ac.jp/Welcome−j.html])のウェブサイトから利用することができる。
当業者であれば、上記で得られたアラインメントを、必要に応じて最適なアラインメントとなるようにさらに微調整することできる。そのような最適アラインメントは、アミノ酸配列の類似性や挿入されるギャップの頻度等を考慮して決定するのが好ましい。ここでアミノ酸配列の類似性とは、2つのアミノ酸配列をアラインメントしたときにその両方の配列に同一又は類似のアミノ酸残基が存在する位置の数の全長アミノ酸残基数に対する割合(%)をいう。類似のアミノ酸残基とは、タンパク質を構成する20種のアミノ酸のうち、極性や電荷の点で互いに類似した性質を有しており、いわゆる保存的置換を生じるようなアミノ酸残基を意味する。そのような類似のアミノ酸残基からなるグループは当業者にはよく知られており、例えば、アルギニン及びリジン;グルタミン酸及びアスパラギン酸;セリン及びトレオニン;グルタミン及びアスパラギン;バリン、ロイシン及びイソロイシン等がそれぞれ挙げられるが、これらに限定されない。
上述のアラインメントにより参照配列の任意の位置に対応する位置にアラインされた目的アミノ酸配列のアミノ酸残基の位置は、当該任意の位置に「相当する位置」とみなされ、当該アミノ酸残基は「相当する位置のアミノ酸残基」と称される。
すなわち、上記方法を用いることにより、例えば、上述したグリコシドハイドロラーゼであるセルロース分解性キシラナーゼ(GenBank:AAP22946)において、配列番号2における(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、及び(Y)381位の各位置に相当する位置は、それぞれ、144位のグルタミン残基、259位のアスパラギン残基、327位のアラニン残基、329位のセリン残基、342位のアスパラギン残基、348位のトレオニン残基、367位のセリン残基、及び381位のアスパラギン残基というように特定することができる。
N257グリコシドハイドロラーゼ(配列番号2)のアミノ酸配列の(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位に相当する位置及びアミノ酸残基の具体例を、上記で例示したセルロース分解性キシラナーゼを含め、先述したアミノ酸配列において配列番号2と80%以上の同一性を有するパエニバチルス エスピーY412MC10由来のリケナーゼ(GenBank:YP_003240630)、パエニバチルス エスピーHGF5由来のglycosy hydrolase family8(GenBank:ZP_08283397)、パエニバチルス ボルテックスV453由来のリケナーゼ(GenBank:ZP_07897964)、及びパエニバチルス ラクティス154由来のリケナーゼ(GenBank:ZP_09002324)について示す(表6)。
Figure 2013141437
斯くして特定される「相当する位置」は、アミノ酸配列において高い同一性を有し、且つグリコシドハイドロラーゼであるタンパク質同士の間では、その三次元構造中で同等の位置に存在すると考えられる。したがって、相当する位置に存在するアミノ酸残基の変異は、グリコシドハイドロラーゼの特異的機能に対して互いに類似した効果を及ぼすと推定される。
本発明の変異グリコシドハイドロラーゼにおいて、表4に記載のアミノ酸残基の置換は、天然に生じたものであっても、人工的に導入したものであってもよい。さらに、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼは、表4に記載された位置のアミノ酸残基の置換に加えて、その液体洗剤に対する溶解性向上効果を妨げない限り、且つそのグリコシドハイドロラーゼ活性を損なわない限り、他の任意の位置における変異(例えば、欠失、置換、付加、挿入)を有していてもよい。当該任意の位置における変異もまた、天然に生じたものであっても、人工的に導入したものであってもよい。
本発明のグリコシドハイドロラーゼのアミノ酸残基を置換する手段としては、当技術分野で公知の各種変異導入技術を使用することができる。例えば、親グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列をコードするグリコシドハイドロラーゼ遺伝子(以下、親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子)内の置換対象のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列を、置換後のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列に変異させ、更にその変異遺伝子から変異グリコシドハイドロラーゼを発現させることにより、置換対象のアミノ酸残基が所望のアミノ酸残基に置換された変異グリコシドハイドロラーゼを得ることができる。
親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子への目的の変異の導入は、例えば基本的には、親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を鋳型DNAとして用いるPCR増幅や各種DNAポリメラーゼによる複製反応に基づき、当業者に周知の様々な部位特異的変異導入法を用いて行うことができる。部位特異的変異導入法は、例えば、インバースPCR法やアニーリング法など(村松ら編、「改訂第4版 新遺伝子工学ハンドブック」、羊土社、p.82−88)の任意の手法により行うことができる。必要に応じてStratagene社のQuickChange II Site−Directed Mutagenesis Kitや、QuickChange Multi Site−Directed Mutagenesis Kit等の各種の市販の部位特異的変異導入用キットを使用することもできる。
親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子への部位特異的変異導入は、最も一般的には、導入すべきヌクレオチド変異を含む変異プライマーを用いて行うことができる。そのような変異プライマーは、親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子内の置換対象のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列を含む領域にアニーリングし、かつその置換対象のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列(コドン)に代えて置換後のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列(コドン)を有する塩基配列を含むように設計すればよい。置換対象及び置換後のアミノ酸残基をコードするヌクレオチド配列(コドン)は、当業者であれば通常の教科書等に基づいて適宜認識し選択することができる。
本発明ではまた、導入すべきヌクレオチド変異を含む相補的な2つの変異プライマーを別々に用いて変異部位の上流側及び下流側をそれぞれ増幅したDNA断片を、SOE(splicing by overlap extension)−PCR(Horton R.M.et al.,Gene(1989)77(1),p.61−68)により1つに連結する方法を用いることもできる。このSOE−PCR法を用いた変異導入手順については、後述の実施例にも詳述している。
親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含む鋳型DNAは、上述したバチルス エスピーKSM−N257(FERM P-17473)、バチルス サーキュランス、パエニバチルスエスピーY412MC10、パエニバチルス エスピーHGF5、パエニバチルス ボルテックスV453、パエニバチルス ラクティス154、又はそれらの変異株から、常法によりゲノムDNAを抽出するか、又はRNAを抽出し逆転写によりcDNAを合成することによって、調製することができる。あるいは、親グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列に基づいて、対応するヌクレオチド配列を合成して鋳型DNAとして用いてもよい。
上記バチルス属菌株からのゲノムDNAの調製は、例えば、Pitcher et al.,Lett.Appl.Microbiol.,1989,8:p.151−156に記載の方法などを用いて行うことができる。親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含む鋳型DNAは、調製したcDNA又はゲノムDNAから切り出した親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含むDNA断片を任意のベクター中に挿入した形で調製してもよい。
プライマーは、ホスホロアミダイト法(Nucleic Acids Research,17,7059−7071,1989)等の周知のオリゴヌクレオチド合成法により作製することができる。そのようなプライマー合成は、例えば市販のオリゴヌクレオチド合成装置(ABI社製など)を用いて作製することもできる。変異プライマーを含むプライマーセットを使用し、親グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を鋳型DNAとして上記のような部位特異的変異導入を行うことにより、目的の変異が導入された変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を得ることができる。本発明はこのようにして得られる変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子にも関する。なお本発明において「変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子」とは、変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子のアミノ酸配列をコードする任意の核酸断片(DNA、mRNA、及び人工核酸等を含む)を意味する。本発明に係る「遺伝子」は、オープンリーディングフレームに加えて非翻訳領域(UTR)などの他の塩基配列を含んでもよい。
得られた変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を常法により任意のベクター中に挿入し連結することにより、組換えベクターを作製することができる。本発明で用いるベクターは特に限定されず、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、ウイルス、YACベクター、シャトルベクター等の任意のベクターであってよい。そのようなベクターとしては、限定するものではないが、細菌内、とりわけバチルス属細菌内で増幅可能なベクターがより好ましく、バチルス属細菌内で導入遺伝子の発現を誘導可能な発現ベクターであることが更に好ましい。中でも、バチルス属細菌と他の生物のいずれでも複製可能なベクターであるシャトルベクターは、変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を組換え生産する上で特に好適に用いることができる。好ましいベクターの例としては、限定するものではないが、pHY300PLK(大腸菌と枯草菌の両方を形質転換可能な発現ベクター;Ishikawa,H.and Shibahara,H.,Jpn.J.Genet,(1985)60,p.235−243)、pAC3(Moriyama,H.et al.,Nucleic Acids Res.(1988)16,p.8732)等のシャトルベクター、pUB110(Gryczan,T.J.et al.,J.Bacteriol.(1978)134,p.318−329)、pTA10607(Bron,S.et al.,Plasmid,18(1987)p.8−15)等のバチルス属細菌の形質転換に利用可能なプラスミド、分泌シグナルを組換えタンパク質に付与可能な分泌ベクター(山根他,「枯草菌分泌ベクターによる融合タンパク質」澱粉科学,34.(1987),p.163−170)等が挙げられる。また大腸菌由来のプラスミド(例えばpET22b(+)、pBR322、pBR325、pUC118、pUC119、pUC18、pUC19、pBluescript等)を用いることもできる。
変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を組換え生産する目的では、ベクターは発現ベクターであることが好ましい。発現ベクターは、転写プロモーター、ターミネーター、リボソーム結合部位などの宿主生物における発現に必須な各種エレメントの他、選択マーカー遺伝子やポリリンカー、エンハンサーなどのシスエレメント、ポリA付加シグナル、リボソーム結合配列(SD配列)等の有用な配列を必要に応じて含み得る。
変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含む組換えベクターを用いて、形質転換体を作製することができる。本発明では、本発明に係る変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含む組換えベクター(具体的には組換え発現ベクター)を宿主細胞に導入することにより形質転換体(形質転換細胞)を作製し、それを組換えタンパク質の発現が誘導される条件下で培養することにより、変異グリコシドハイドロラーゼを産生させることができる。
組換えベクターを導入する宿主細胞としては、大腸菌や枯草菌等の細菌、酵母細胞を始めとする微生物の他、昆虫細胞、動物細胞(例えば、哺乳動物細胞)、植物細胞等の任意の細胞を使用することができる。本発明においては、特に、枯草菌等のバチルス属細菌を使用することが好ましい。
形質転換には、例えば、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、パーテイクルガン法、PEG法等の周知の形質転換技術を適用することができる。例えばバチルス属細菌に適用可能な形質転換法としては、コンピテントセル形質転換法(Bott.K.F.and Wilson,G.A.,J.Bacteriol.(1967)93,1925)、エレクトロポレーション法(Brigidi.P.et al.,FEMS Microbiol.Lett.(1990)55,135)、プロトプラスト形質転換法(Chang,S.and Cohen,S.N.,Mol.Gen.Genet.,(1979)168,p.111−115)、Tris−PEG法(Takahashi W.et al.,J.Bacteriol.(1983)156,p.1130−1134)などが挙げられる。
組換えタンパク質生産のための上記形質転換体の培養は、当業者には一般的な方法に従って行うことができる。例えば、大腸菌や酵母細胞等の微生物宿主に基づく形質転換体を培養する培地としては、宿主微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。培地には、薬剤選択マーカーの種類に対応してアンピシリンやテトラサイクリン等を添加してもよい。プロモーターとして誘導性のものを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例えば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した細菌等を培養するときにはイソプロピル−1−チオ−β−D−ガラクトシド(IPTG)等を、trpプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養するときにはインドール酢酸(IAA)等を培地に添加することができる。培養条件は特に限定されないが、好ましくは形質転換に用いる宿主生物に適した条件下で行われる。例えば、組換えタンパク質を生産するための枯草菌形質転換体の培養には、例えば、LB培地、2×YT培地、2×L−マルトース培地、又はCSL発酵培地等を用いることができる。
本発明に係る変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子は、無細胞翻訳系を使用して変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子又はその転写産物から発現させてもよい。「無細胞翻訳系」とは、宿主となる細胞を機械的に破壊して得た懸濁液にタンパク質の翻訳に必要なアミノ酸等の試薬を加えて、in vitro転写翻訳系又はin vitro翻訳系を構成したものである。発現された変異グリコシドハイドロラーゼは、タンパク質精製に用いられる一般的な方法、例えば遠心分離、硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、培養液、細胞破砕液、又は無細胞翻訳系から取得することができる。しかし遠心分離や限外濾過型フィルター等を用いて分離又は濃縮したその培養上清や溶菌液上清等の溶液は、粗酵素液としてそのまま使用することもできる。発現された変異グリコシドハイドロラーゼが細胞内から分泌されない場合には、その細胞を破砕してからタンパク質の分離精製を行えばよい。
なお本発明において用いるmRNAの調製、cDNAの作製、PCR、RT−PCR、ライブラリーの作製、ベクター中へのライゲーション、細胞の形質転換、DNAの塩基配列の決定、核酸化学合成、タンパク質のN末端側のアミノ酸配列決定、突然変異誘発、タンパク質の抽出等の実験は、通常の実験書に記載の方法によって行うことができる。そのような実験書としては、例えば、SambrookらのMolecular Cloning,A laboratory manual,(2001)3rd Ed.,Sambrook,J.&Russell,DW.Cold Spring Harbor Laboratory Pressを挙げることができる。特に、枯草菌の遺伝子組換え実験については例えば、吉川博文著“7.2 枯草菌系”「続生化学実験講座1.遺伝子研究法II」,(1986)東京化学同人社(東京),p.150−169等の枯草菌の遺伝子操作に関する一般的な実験書を参照することができる。
斯くして、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼを得ることができる。従って、本発明はまた、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子をコードする遺伝子(ポリヌクレオチド)、当該遺伝子を含むベクター、及び当該ベクターを含む形質転換体、ならびに当該形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子の製造方法を提供する。
本発明の変異グリコシドハイドロラーゼ遺伝子は、アルカリセルラーゼ活性、リケナーゼ活性又はキシラナーゼ活性のいずれか1以上の活性を有し、且つ親グリコシドハイドロラーゼと比べて、液体洗剤、好ましくは濃縮液体洗剤に対する溶解性が向上している。よって、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼは、各種液体洗剤配合用酵素、好ましくは、濃縮液体洗剤配合用酵素として有用である。本発明の変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤は、従来と比べてより多くのグリコシドハイドロラーゼを含有することが可能になるので、従来と比べてより高いグリコシドハイドロラーゼ活性を有することができ、結果としてより強力な酵素洗浄力を発揮することができる。従って、本願発明はまた、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤組成物を提供する。
本発明の液体洗剤組成物における本発明の変異グリコシドハイドロラーゼの含有量は、組成物の0.0001質量%から5質量%、好ましくは0.0001質量%から2質量%であり、均一に溶解又は分散可能な範囲で異なる活性を有する酵素を配合することもできる。
本発明の液体洗剤組成物は、本発明のグリコシドハイドロラーゼに加えて、界面活性剤及び水等を含有する。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び陽イオン性界面活性剤等の任意の界面活性剤を1種で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、以下が挙げられる:
1O−(AO)m−H(R1=C8−C22炭化水素、AO=C2−C5オキシアルキレン基、m=16〜35)〔特開2010−275468号公報〕;
1O−(EO)l−(AO)m−(EO)n−H(R1=C8−C18炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=3〜30、m=1〜5、l+n=14〜50)〔特開2011−63784号公報〕;
1O−(EO)m/(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=10〜30、n=0〜5、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−189551号公報〕;
1(CO)lO−(EO)m/(AO)n−R2(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=0〜1、m=14〜50、n=1〜5、R2=水素(l=0)又はC1−C3アルキル基、EO及びAOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−229385号公報〕;
1O−(EO)m−(AO)n−H(R1=C8−C22炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、m=15〜30、n=1〜5)〔特開2010−229387号公報〕;
1O−(AO)m/(Gly)n−H及び/又はR2−COO−(AO)p/(Gly)q−H(R1=C8−C22炭化水素基、R2=C7−C21炭化水素基、AO=C2−C3オキシアルキレン基、Gly=グリセロール基、m=0〜5、n=2〜10、p=0〜5、q=2〜10、AO及びGlyはランダム又はブロック結合)〔特開2010−254881号公報〕;
1−COO−(PO)m/(EO)n−R2(R1=C7−C21炭化水素基,COO=カルボニルオキシ基、R2=C1−C3アルキル基、PO=オキシプロピレン基、EO=オキシエチレン基、m=0.3〜5、n=8〜25、PO及びEOはランダム又はブロック結合)〔特開2010−265333号公報〕;
1O−(EO)l−(AO)m−(EO)n−H(R1=C8−C18炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、AO=C3−C5オキシアルキレン基、l=3〜30、m=1=5、l+n=14〜50)〔特開2010−265445号公報〕;
1O−(EO)l−(PO)m−(EO)n−H(R1=C8−C20炭化水素、EO=C2オキシアルキレン基、PO=オキシプロピレン基、l>=1、n>=1、0<m<l+n、EO及びPOはブロック結合)〔WO98/24865〕;
1O−(EO)m−(PO)n−H(R1=C10−C16のアルキル基又はアルケニル基、EO=エチレンオキシド基、PO=プロピレンオキシド基、m=5〜15、n=1〜3)〔特開平8−157867号公報〕;
1(CO)−(EO)m−OR2(R1=C11−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、R2=C1−C3アルキル基、EO=エチレンオキシド基、m=10〜20)〔特開2008−7706号公報、特開2009−7451号公報、特開2009−155594号公報、特開2009−155606号公報〕;
1(CO)−(AO)m−OR2(R1=C9−C13直鎖又は分岐状アルキル基又はアルケニル基、AO=C2−C4オキシアルキレン基、R2=C1−C3アルキル基、m=5〜30)〔特開2009−144002号公報、特開2009−173858号公報、特開2010−189612号公報〕;
ならびに、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸アルカノールグルカミド、アルキルポリグルコシド等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、例えば、カルボキシレート型陰イオン界面活性剤、スルホン酸型又は硫酸エステル型陰イオン界面活性剤、非石鹸系アニオン界面活性剤、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はその塩、、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、脂肪酸石鹸、リン酸エステル塩系界面活性剤、アシルアラニネート、アシルタウレート、アルキルエーテルカルボン酸、アルコール硫酸エステル等が挙げられる。好ましくは炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する第4級アンモニウム型界面活性剤、炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する3級アミンが挙げられる。
陽イオン界面活性剤としては、例えば長鎖アルキル基を有する第4級アンモニウム塩、長鎖アルキル基を1つ有する3級アミン、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。両性イオン活性剤としては、アルキル酢酸ベタイン、アルカノールアミドプロピル酢酸ベタイン、アルキルイミダゾリン、アルキルアラニン等、、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。好ましくは炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン又はカルボベタインを挙げることができる。
本発明の液体洗剤組成物は、好ましくは濃縮液体洗剤組成物である。
本明細書において、「濃縮液体洗剤」とは、界面活性剤を40質量%以上、水を60質量%未満含有する液体洗剤を意味し得る。好ましくは、界面活性剤を40〜90質量%、水を5質量%以上60質量%未満含有する液体洗剤であり得、より好ましくは、界面活性剤を45〜90質量%、水を5質量%以上55質量%未満含有する液体洗剤であり得、さらに好ましくは、界面活性剤を50〜75質量%、水を5〜50質量%未満含有する液体洗剤であり得る。
上記のような「濃縮液体洗剤」の例としては、使用量が従来の半分程度又はそれ以下でよい液体洗剤、例えば、衣料用液体洗剤であれば、水槽式洗濯機で水30Lに対する標準使用量が7〜13g又はそれ以下と表示されているものを挙げることができる。
本発明の液体洗剤組成物は、さらに、液体洗剤に通常使用される成分、例えば、水溶性ポリマー、水混和性有機溶剤、アルカリ剤、キレート剤、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼ以外の他の酵素、酵素安定化剤、蛍光剤、再汚染防止剤及び分散剤、色移り防止剤、仕上げ剤、過酸化水素等の漂白剤、酸化防止剤、pH調製剤、緩衝剤、防腐剤、香料、塩、アルコール、糖類等を含み得る。
水溶性ポリマーとしては、例えば、(i)炭素数2〜5のエポキシド由来の重合単位を含んで構成されるポリエーテル鎖部分と(ii)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の重合単位を含んで構成されるポリマー鎖部分とを有し、(i)又は(ii)はいずれかが幹鎖となり、他方が枝鎖となったグラフト構造を有する高分子化合物(特開2010−275468号公報)、ならびにアルキレンテレフタレート単位及び/又はアルキレンイソフタレート単位と、オキシアルキレン単位及び/又はポリオキシアルキレン単位を有する水溶性ポリマー(特開2009−155606号公報)等が挙げられる。
水混和性有機溶剤としては、例えばアルカノール類、のアルキレングリコール類やグリセリン、ポリアルキレングリコール類、(ポリ)アルキレングリコール(モノ又はジ)アルキルエーテル類、アルキルグリセリルエーテル類、(ポリ)アルキレングリコールの芳香族エーテル類が挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、又はヘキシレングリコールなどの炭素数2〜6のアルキレングリコール類やグリセリン、又はポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等が好ましい。本発明の液体洗剤組成物における当該水混和性有機溶剤の含有量は、1〜40質量%、好ましくは1〜35質量%である。
アルカリ剤としては、例えばC2−C4のアルカノールを1〜3個有するアルカノールアミンとして、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、又はポリオキシアルキレンアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等が挙げられる。モノエタノールアミン、トリエタノールアミンが好ましい。本発明の液体洗剤組成物における当該アルカリ剤の含有量は、0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%である。
キレート剤としては、例えばニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらのアルカリ金属または低級アミン塩等が挙げられる。本発明の液体洗剤組成物における当該キレート剤の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜4質量%である。
有機酸又はその塩としては、例えば、飽和脂肪酸、、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、またはそれらの塩などの多価カルボン酸類;クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸、p−ヒドロキシ安息香酸、安息香酸又はそれらの塩等のヒドロキシカルボン酸類が挙げられ、なかでもクエン酸又はその塩が特に好ましい。本発明の液体洗剤組成物における当該有機酸又はその塩の含有量は、0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%である。
再汚染防止剤及び分散剤としては、例えばポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース、重量平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、及び特開昭59−62614号公報の請求項1〜21(1頁3欄5行〜3頁4欄14行)記載のポリマーなどの再汚染防止剤及び分散剤を挙げることができるが、配合に適さない場合は除外してもよい。
色移り防止剤としては、例えばポリビニルピロリドンが挙げられ、含有量は0.01〜10質量%が好ましい。
漂白剤としては、例えば過酸化水素、過炭酸塩、過硼酸塩などの漂白剤は1〜10質量%配合するのが好ましい。漂白剤を使用するときは、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)や特開平6−316700号公報記載などの漂白活性化剤(アクチベーター)を0.01〜10質量%配合することができる。
蛍光剤としては、例えばビフェニル型蛍光剤(チノパールCBS−Xなど)やスチルベン型蛍光剤(DM型蛍光染料など)が挙げられる。蛍光剤は0.001〜2質量%配合するのが好ましい。
本発明の変異グリコシドハイドロラーゼ以外の他の酵素としては、例えば、プロテアーゼ、他のセルラーゼ、他のリケナーゼ、他のβ−グルカナーゼ、ヘミセルラーゼ、リパーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、キシログルカナーゼ、他のキシラナーゼ、ペクチンアセチルエステラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ラムノガラクツロナーゼ、ペクチンリアーゼ、マンナナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、セロビオヒドロラーゼ、及びトランスグルタミナーゼ等を始めとする加水分解酵素、並びにそれらのうち2種以上の混合物が挙げられる。
その他成分として、例えばホウ素化合物、カルシウムイオン源(カルシウムイオン供給化合物)、ビヒドロキシ化合物、蟻酸等の酵素安定化剤、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)などの可溶化剤、オクタン、デカン、ドデカン、トリデカンなどのパラフィン類、デセン、ドデセンなどのオレフィン類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化アルキル類、D−リモネンなどのテルペン類などの水非混和性有機溶剤、色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤等を配合しても良い。
本発明の液体洗剤組成物の好ましい組成として、特開2010−189551、特開2010−265333又は特開2010−275468の実施例に記載の組成が挙げられる。例えば、特開2010−275468の実施例1に記載の液体洗剤組成物は、界面活性剤を66%(非イオン界面活性剤46%、陰イオン界面活性剤を20%)、水溶性ポリマー(ポリエチレングリコール(エチレンオキシド平均付加モル数25)アリルエーテル/アクリル酸=75/25(質量比)共重合体)を3%、水混和性有機溶剤(ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール)を14%、アルカリ剤(モノエタノールアミン)を5%、イオン交換水11%及び色素、香料等を配合した組成物に酵素を配合することにより、調製することができる。
例えば下記市販液体洗剤組成物は、界面活性剤を40%以上含有する濃縮液体洗剤であるが、製品表示ラベルに記載の成分を以下に示す。
組成物A(アタックNeo;花王株式会社製):界面活性剤(非イオン系界面活性剤、陰イオン活性剤:直鎖アルキルベンゼン系、脂肪酸系)74質量%、安定化剤(ブリルカルビトール)、アルカリ剤、分散剤、酵素、
組成物B(NANOX;ライオン株式会社製):界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩)55質量%、安定化剤、酵素。
本発明の液体洗剤組成物は、限定するものではないが、好ましくは衣料用、又は布製品(シーツ、カーテン、カーペット、壁クロス等)用のものである。本発明に係る液体洗剤組成物は、本発明の変異グリコシドハイドロラーゼ含有することにより、酵素を従来品と比べて多量に含有することができることから、高い酵素洗浄力を発揮することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1 N257グリコシドハイドロラーゼの調製
液体洗剤に対する酵素の溶解性評価方法について、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)KSM−N257株(FERMP−17473)由来のN257グリコシドハイドロラーゼを例として以下に示す。
N257グリコシドハイドロラーゼ(配列番号2)をコードする遺伝子(配列番号1)[以下、N257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子とも称する;塩基配列はGenBankアクセッション番号AB059267に基づき入手可能;Hakamada et al., Biochim. Biophys. Acta., 1570, (2002) p.174-180]におけるN257グリコシドハイドロラーゼのN末端アミノ酸(配列番号2の31番目のアラニン)からターミネーター配列までをコードする核酸断片を増幅した。さらに、S237セルラーゼをコードする遺伝子(配列番号3)[以下、S237セルラーゼ遺伝子とも称する;塩基配列はGenBankアクセッション番号AB18420に基づき入手可能;Hakamada et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 64(11), (2000) p.2281-2289;特開2000−210081号公報]のプロモーター及びシグナル配列の核酸断片を増幅した。
SOE−PCRにて2つの核酸断片を連結し、シャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト本社;Ishiwa, H. & Shibahara, H., Jpn. J. Genet. (1985) 60, p.235-243)に導入することでN257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子を含む発現プラスミドを作製した。
詳細には、初めにバチルス・エスピー(Bacillus sp.)KSM−S237株からゲノムDNAを常法により抽出し、これを鋳型DNAとして、表3に示すプライマーS237UB1 FW(配列番号4)とS237−PS RV(配列番号5)からなるプライマーセットを用いて、S237セルラーゼをコードする遺伝子(配列番号3)のプロモーター及びシグナル配列を含むDNA断片を増幅した。DNA断片の増幅は、GeneAmp PCRシステム(アプライドバイオシステムズ)を使用し、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ)と付属の試薬類を用いて、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行った。PCRの反応液は、適宜希釈した鋳型DNAを1μL、センスプライマー及びアンチセンスプライマーを各々20pmol、及びPyrobest DNAポリメラーゼを2.5U混合し、水を加えて反応液総量を50μLにして調製した。PCR反応は、98℃で10秒間、55℃で30秒間及び72℃で1〜5分間(目的増幅産物に応じて調整したが、目安は1kb当たり1分間)の3段階の温度変化を30サイクル繰り返した後、72℃で5分間反応させる条件で行った。
次に、バチルス サーキュランス(Bacillus circulans)KSM−N257株からゲノムDNAを常法により抽出し、これを鋳型DNAとして、表3に示すN257mat−Qster FW(配列番号6)とN257−Cryter RV(配列番号7)からなるプライマーセットを用いて、上述のDNA断片の増幅と同様の方法にて、N257グリコシドハイドロラーゼの構造遺伝子及びターミネーターの遺伝子の配列(配列番号2の31番目のアラニンからターミネーター配列までをコードする核酸断片)を増幅した。
得られたS237セルラーゼのプロモーター及びシグナル配列とN257の構造遺伝子及びターミネーターとを含むDNA断片を、表7に示すS237UB1 FwとN257−Cryter Rvからなるプライマーセットを用いて、SOE−PCRによって増幅した。
Figure 2013141437
シャトルベクターpHY300PLK(ヤクルト本社;Ishiwa, H. & Shibahara, H., Jpn. J. Genet. (1985) 60, p.235-243)をSmaIにて制限酵素処理し、これに増幅断片を挿入し、組換えプラスミドpHY−N257を構築した。プラスミド中に挿入されたN257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子断片については、3100DNAシーケンサー(Applied Biosystems)を用いて配列決定することにより、S237セルラーゼをコードする遺伝子(配列番号3)のプロモーター及びシグナル配列と配列番号2の31番目のアラニンからターミネーター配列が連結した塩基配列を有することを確認した。次いでプロトプラスト形質転換法により、枯草菌(Bacillus subtilis Marburg No.168株(Nature, 390, (1997) p.249))を組換えプラスミドpHY−N257を用いて形質転換した。
プロトプラスト形質転換法では、まず、枯草菌株(Bacillus subtilis Marburg No.168株:Nature, 390, 1997, p.249)を、50mLのLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)中で37℃にて約2時間振盪培養し、600nmにおける吸光度が0.4となった時点で、室温で遠心分離(7000rpm、15分間)により菌体を集めた。集めた菌体を5mLのSMMP[0.5Mシュークロース、20mMマレイン酸二ナトリウム、20mM塩化マグネシウム6水塩、35%(w/v)Antibiotic Medium 3(Difco)]に懸濁後、SMMP溶液に溶解した500μLのリゾチーム溶液(30mg/mL)を加え、37℃で1時間保温して菌体をプロトプラスト化した。保温終了後、室温で遠心分離(2800rpm、15分間)によりプロトプラストを集め、5mLのSMMPに懸濁しプロトプラスト溶液を調製した。0.5mLのプロトプラスト溶液に、10μLのプラスミド溶液(N257グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子を含むプラスミドベクターを含む)と1.5mLの40%(w/v)ポリエチレングリコール(PEG8000、Sigma)を加え、緩やかに攪拌して室温で2分間放置した後、直ちに5mLのSMMP溶液を混和し、室温で遠心分離(2800rpm、15分間)によりプロトプラストを集め、1mLのSMMP溶液に再懸濁した。プロトプラスト懸濁液を、37℃で90分間振盪(120rpm)した後、テトラサイクリン(15μg/mL、Sigma)を含むDM3再生寒天培地[0.8%(w/v)寒天(和光純薬)、0.5%コハク酸2ナトリウム6水塩、0.5%カザミノ酸テクニカル(Difco)、0.5%酵母エキス、0.35%リン酸1カリウム、0.15%リン酸2カリウム、0.5%グルコース、0.4%塩化マグネシウム6水塩、0.01%牛血清アルブミン(Sigma)、0.5%カルボキメチルセルロース、0.005%トリパンブルー(Merck)及びアミノ酸混液(トリプトファン、ロイシン、メチオニン各10μg/mL)]上に塗布し、30℃で72時間培養して、生育したコロニーを形質転換体として分離した。
得られた形質転換体を10mLのLB培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、1%NaCl)で30℃にて一夜振盪培養を行い、更にこの培養液0.05mLを50 mLの2×L−マルトース培地(2%トリプトン、1%酵母エキス、1%NaCl、7.5%マルトース、7.5ppm硫酸マンガン4−5水和物、15ppmテトラサイクリン)に接種し、30℃にて3日間振盪培養を行った。培養によって得られたN257グリコシドハイドロラーゼを含む培養液を遠心分離し、培養上清を得た。SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて、培養上清に含まれる蛋白質がN257グリコシドハイドロラーゼであることを確認した。必要に応じてゲル濾過カラムEconopack 10−DG(バイオラッド)にて脱塩精製を行なった。
参考例2 酵素溶解性評価法
(1)グリコシドハイドロラーゼ蛋白量測定方法
培養上清中または脱塩精製サンプル中のグリコシドハイドロラーゼ蛋白量の測定は、プロテインアッセイラピッドキット(和光純薬工業)を用いて以下の通り行なった。すなわち、96穴プレートの各ウェルに、同キットの発色液250μLを加え、さらに適宜希釈した酵素サンプル10μLを混和し、室温で30分間撹拌したのち、マイクロプレートリーダーVersaMax(Molecular Device社)を用いて660nmにおける吸光度を測定した。同キット付属の牛胸腺アルブミン(BSA)標準液を用いて同時に作製した検量線から、グリコシドハイドロラーゼタンパク濃度(mg/mL BSA相当)を算出した。
(2)グリコシドハイドロラーゼの液体洗剤への溶解性評価
親グリコシドハイドロラーゼ、又は変異グリコシドハイドロラーゼを含む培養上清を用いて、液体洗剤への溶解性を評価した。すなわち、96穴プレートの各ウェルに150μLの液体洗剤(例えば組成物C;公開特許公報2010−275468の実施例1に記載)を添加し、そこに各種タンパク濃度のグリコシドハイドロラーゼを含む培養上清6.5μLを加え、十分に攪拌した。室温で2時間放置の後、マイクロプレートリーダーVersaMax(Molecular Device社)にて、650nmにおける吸光度を測定した。ブランクとして、培養上清の代わりにイオン交換水を加えた際の吸光度を差引いた値を算出し、これを濁度(ΔOD650nm)としてグリコシドハイドロラーゼの溶解性の指標とした。
以上の方法により得られたΔOD650nm値に基づき、次式によって各変異体における親グリコシドハイドロラーゼ(WT)との相対濁度を算出した。

相対濁度(%)=(各変異体の濁度/各変異体の濃度)/(親グリコシドハイドロラーゼの濁度/親グリコシドハイドロラーゼの濃度)×100
実施例1 グリコシドハイドロラーゼ変異体の作製
本発明のグリコシドハイドロラーゼ変異体の作製方法を、野生型(親)N257グリコシドハイドロラーゼ成熟酵素領域のアミノ酸配列(配列番号2)における43番目のセリン(S43)をトリプトファンに変異させた変異体「S43W」の作製方法を例として以下に示す。
十分に希釈したプラスミドpHY−N257(上記参考例1参照)を鋳型とし、表8−1に示したプライマーS43−RV(配列番号8)とS43W−FW(配列番号9)からなるプライマーセット、及びPrimeSTAR(登録商標)Mutagenesis Basal Kit(タカラバイオ)を用いて、インバースPCRを行った。詳細には、鋳型としてpHY−N257 100pg、各プライマー(フォワード、リバース)2μM、Kitに付属のPrimeSTAR MAX DNA polymerase 25μLを、滅菌水を用いて50μLに調製した。反応は、変性を98℃ 10秒、アニーリングを55℃ 5秒、伸長を72℃ 45秒で35サイクルにて行った。本PCRシステムでは、プラスミドを鋳型に5’側が15塩基オーバーラップしたプライマーを用いて、インバースPCRを行うことによって、オーバーラップ部分が5’側に突出したプラスミドの配列をすべて含むPCR産物を得ることができる。この増幅産物は形質転換可能な環状構造をとることが出来るため、この増幅産物を用いることで形質転換を直接行うことが出来る。本実施例では、フォワードプライマーのオーバーラップ配列直後の3’側の3塩基を目的のアミノ酸の塩基配列に変えることで、同じ位置のアミノ酸残基を置換する場合には、リバースプライマーを共用できるようにした。以上の方法により、N257グリコシドハイドロラーゼ遺伝子の43位のアミノ酸残基に対応する位置をトリプトファンに置換した変異を含むpHY−N257_S43Wを得た。
次いで、参考例1と同様に、組換えプラスミドpHY−N257_S43Wを枯草菌に導入し、得られた形質転換体を培養した。得られた培養物から遠心分離にて菌体を除いてタンパク質を含む培養上清を取得した。この組換えタンパク質は、N257グリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列(配列番号2)の43位のセリンがトリプトファンに置換された変異N257グリコシドハイドロラーゼ(以下、N257_S43Wとも称する)である。
同様に、S43−RV及びS43W−FWに代えて、下記表8−1〜8−4の「変異プライマーR」欄及び「変異プライマーF」欄に記載プライマーをそれぞれ用いて同様の操作を行うことで、下記表8−1〜8−4の「N257グリコシドハイドロラーゼ変異」欄記載の変異を有するN257グリコシドハイドロラーゼ変異体を含む培養上清を得た。
Figure 2013141437
Figure 2013141437
Figure 2013141437
Figure 2013141437
実施例2 グリコシドハイドロラーゼ変異体の溶解性評価
実施例1で得た変異グリコシドハイドロラーゼの培養上清中のタンパク濃度を参考例2(1)の方法にて求め、さらに参考例2(2)の方法にて、同培養上清を一定量加えた組成物Cにおける濁度から相対濁度(%)を求めた。
結果を表9に示す。いずれの変異グリコシドハイドロラーゼも、親グリコシドハイドロラーゼ(WT)に比較し、相対濁度が15%以上低下した。すなわち変異グリコシドハイドロラーゼは親グリコシドハイドロラーゼに比較し、溶解性が向上した。
Figure 2013141437
実施例3 多重変異体の溶解性評価
実施例2で見出された溶解性向上変異を多重化し、その効果を評価した。すなわち、実施例2で得られた溶解性が向上した変異グリコシドハイドロラーゼを産生する宿主菌からプラスミドを抽出し、このプラスミドを鋳型として実施例1と同様の方法を用いて、実施例2で見出された別の溶解性向上変異を導入し、二重変異体とした。3重変異体の作製は、同様の方法を用いて、2重変異体を産生する宿主菌からプラスミドを抽出し、このプラスミドを鋳型として実施例2で見出された別の溶解性向上変異を導入した。実施例2と同様の手順で、培養液上清中の各変異体の二重変異体及び三重変異体のタンパク濃度及び組成物Cにおける濁度を測定し、親グリコシドハイドロラーゼに対する相対濁度(%)を求めた。結果を表10、表11に示した。各表記載の二重変異体及び三重変異体は親グリコシドハイドロラーゼに比較し、溶解性が向上した。
Figure 2013141437
Figure 2013141437
実施例4 市販洗剤に対するグリコシドハイドロラーゼ変異体の溶解性評価
実施例2、3で用いた変異グリコシドハイドロラーゼを含む培養上清を用いて、同培養上清に含まれる変異グリコシドハイドロラーゼの市販濃縮液体洗剤〔組成物A;アタックNeo(花王)、及び組成物B;NANOX(ライオン)、各組成を表12に示す〕における相対濁度(%)を参考例2(2)の方法にて求めた。市販洗剤は、70℃で8時間恒温とした後に、評価に用いた。
結果を表13〜15に示す。変異グリコシドハイドロラーゼは、親グリコシドハイドロラーゼに比較し、溶解性が向上した。
Figure 2013141437
Figure 2013141437
Figure 2013141437
Figure 2013141437

Claims (15)

  1. 配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有するグリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の表1(i)記載の位置又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が、当該表1(ii)記載のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列からなる、変異グリコシドハイドロラーゼ。
    Figure 2013141437
  2. 前記同一性が90%以上である請求項1記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
  3. 配列番号2で示されるアミノ酸配列の93位に相当する位置におけるアミノ酸残基がグルタミン酸であり、且つ配列番号2で示されるアミノ酸配列の154位に相当する位置におけるアミノ酸残基がアスパラギン酸である、請求項1又は2記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
  4. 配列番号2で示されるアミノ酸配列の表2(i)記載の位置に相当する位置におけるアミノ酸残基が、当該表2(ii)記載のアミノ酸残基である、請求項3記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
    Figure 2013141437
  5. 前記1以上のアミノ酸残基が、(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基を含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
  6. 前記1以上のアミノ酸残基が、(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる2以上のアミノ酸残基を含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
  7. 前記(G)144位、(L)259位、(Q)327位、(R)329位、(T)342位、(V)348位、(W)367位、(X)370位及び(Y)381位、又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が、下記アミノ酸残基に置換されている、請求項1〜6のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
    (G)144位又はこれに相当する位置:イソロイシン
    (L)259位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
    (Q)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
    (R)327位又はこれに相当する位置:トリプトファン
    (T)342位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
    (V)348位又はこれに相当する位置:イソロイシン
    (W)367位又はこれに相当する位置:フェニルアラニン
    (X)370位又はこれに相当する位置:イソロイシン
    (Y)381位又はこれに相当する位置:チロシン
  8. セルラーゼ活性、リケナーゼ活性又はキシラナーゼ活性のいずれか1以上を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼをコードする遺伝子。
  10. 請求項9記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
  11. 請求項10記載の組換えベクターを含む形質転換体。
  12. 請求項11記載の形質転換体を用いる変異グリコシドハイドロラーゼの製造方法。
  13. 請求項1〜8のいずれか1項記載の変異グリコシドハイドロラーゼを含有する液体洗剤組成物。
  14. 配列番号2で示されるアミノ酸配列又は当該アミノ酸配列と80%以上の同一性を有するグリコシドハイドロラーゼのアミノ酸配列において、配列番号2で示されるアミノ酸配列の表3(i)記載の位置又はこれらに相当する位置におけるアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基を、当該表3(ii)記載のアミノ酸残基に置換する工程を含む、グリコシドハイドロラーゼの液体洗剤への溶解性を向上させる方法。
    Figure 2013141437
  15. 前記液体洗剤が界面活性剤40〜90質量%を含有する濃縮液体洗剤である、請求項14記載の方法。
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