JP2013140856A - キャリア付金属箔 - Google Patents

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雅之 高森
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Abstract

【課題】接着剤と金属箔の界面での剥離が可能なキャリア付き銅箔を提供する
【解決手段】合成樹脂製の板状キャリアと、該キャリアの少なくとも一方の面に、機械的に剥離可能に密着させた金属箔からなるキャリア付金属箔であって、板状キャリアと金属箔の間には、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤が介在するキャリア付金属箔。
【選択図】図2

Description

本発明は、プリント配線板に使用される片面若しくは2層以上の多層積層板又は極薄のコアレス基板の製造において用いられるキャリア付銅箔に関する。
多層積層体の代表的な例は、プリント回路板である。一般に、プリント回路板は、合成樹脂板、ガラス板、ガラス不織布、紙などの基材に合成樹脂を含浸させて得た「プリプレグ(Prepreg)」と称する誘電材を、基本的な構成材料としている。また、プリプレグと相対する側には電気伝導性を持った銅又は銅合金箔等のシートが接合されている。このように組み立てられた積層物を、一般にCCL(Copper Clad Laminate)材と呼んでいる。銅箔のプリプレグと接する面は、接合強度を高めるためにマット面とすることが通常である。銅又は銅合金箔の代わりに、アルミニウム、ニッケル、亜鉛などの箔を使用する場合もある。これらの厚さは5〜200μm程度である。この一般的に用いられるCCL(Copper Clad Laminate)材を図1に示す。
プリント基板の組み立て方法として、CAC(特許文献1参照)を使用する方法が知られている。例えば、4層基板の製造工程においては、厚さが0.2〜2mmのプレス面が平滑なステンレス製のプレス板(通称、「鏡面板」と言う。)の上に、銅箔、所定枚数のプリプレグ、次に内層コアと称するCCL材料に回路を形成したプリント回路基板、次にプリプレグ、銅箔、鏡面板の順に重ねることにより、1組の4層基板材料からなる組み立てユニットが完成する。次に、これらのユニット(通称「ページ」)を2〜10回程度繰り返して重ね、プレス組立体(通称「ブック」)を構成する。
その後、上記ブックを、ホットプレス機内の熱板上にセットし、所定の温度及び圧力で加圧成型することにより、積層板を製造する。4層以上の基板については、内層コアの層数を上げることで、同様の工程で生産することが可能である。この際、使用されるCACは、アルミニウムと銅箔の間に、接着剤が全面に塗布されている訳でなく、4辺の内側約10mm程度の位置に1mm程の幅で額縁状に塗工されている。このため、アルミニウムで銅箔を全面に亘って支持することが難しく、積層中に銅箔に皺が発生することがある。
また、CACの銅箔表面を鍍金又はエッチングする際に、これを薬液に投入することができない。これは、上記の通りCACに使用されている接着剤が隙間なく塗工されているわけではなく、アルミニウムと銅箔の間の所々に隙間があるため、そこから薬液が入り込むためである。
さらに、CACに使用されているアルミ板(JIS#5182)の線膨張係数は、23.8×10-6/℃と、基板の構成材料である銅箔(16.5×10-6/℃)及び重合後のプリプレグ(Cステージ:12〜18×10-6/℃)に比べて大きいことから、プレス前後の基板サイズが設計時のそれとは異なる現象(スケーリング変化)が起きる。これは厚さ方向の回路の位置ずれを招くことから、歩留り低下の一因となる問題がある。
プリント配線板に使用される各種材料の線膨張係数(常温)は、下記の通りである。アルミニウム板の線膨張係数が、他に突出して大きいことが分かる。
・銅箔:16.5(×10-6/℃)
・SUS304:17.3×10-6/℃
・SUS301:15.2×10-6/℃
・SUS630:11.6×10-6/℃
・プリプレグ(Cステージ):12〜18×10-6/℃
・アルミニウム板(JIS#5182):23.8×10-6/℃
そこで、本出願人は、特許文献2において、合成樹脂製の板状キャリアと、該キャリアの少なくとも一方の面に、機械的に剥離可能に密着させた金属箔からなるキャリア付金属箔を提案した。そして、板状キャリアと金属箔の剥離強度は、1g/cm〜1kg/cmであることが望ましいことを示した。当該キャリア付金属箔によれば、合成樹脂で銅箔を全面に亘って支持するので、積層中に銅箔に皺の発生を防止できる。また、このキャリア付金属箔は、金属箔と合成樹脂が隙間なく密着しているので、金属箔表面を鍍金又はエッチングする際に、これを鍍金又はエッチング用の薬液に投入することが可能となる。さらに、合成樹脂の線膨張係数は、基板の構成材料である銅箔及び重合後のプリプレグと同等のレベルにあることから、回路の位置ずれを招くことがないので、不良品発生が少なくなり、歩留りを向上させることができるという優れた効果を有する。
特許第3100983号公報 特開2009−272589号公報
特許文献2に記載のキャリア付き銅箔は、プリント回路板の製造工程を簡素化及び歩留まりアップにより製造コスト削減に大きく貢献する画期的な発明であるが、板状キャリアと金属箔の一時的な密着及びその後の剥離を考慮した接着剤については言及がなく、改良の余地が残されている。例えば、金属箔と合成樹脂を接着剤で密着させた場合、接着剤と合成樹脂の界面で剥離し、金属箔側に接着剤が残存する場合があった。金属箔側は後に回路形成のためにエッチング等の処理に付されるため、接着剤が残存することは好ましいことではない。そこで、本発明は板状キャリアと金属箔を剥離可能に密着させるのに有用な接着剤に関する条件を探求し、接着剤と金属箔の界面での剥離が可能なキャリア付き銅箔を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねたところ、板状キャリアと金属箔を剥離可能に密着させる際には、接着剤中に含まれる主剤と硬化剤の割合を特定の範囲に調整することが、剥離後の金属箔上の接着剤残りを低減する上で優れていることを見出した。
上記の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、合成樹脂製の板状キャリアと、該キャリアの少なくとも一方の面に、機械的に剥離可能に密着させた金属箔からなるキャリア付金属箔であって、板状キャリアと金属箔の間には、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤が介在するキャリア付金属箔である。
本発明に係るキャリア付金属箔の一実施形態においては、主剤に対する硬化剤の配合量が0.5〜0.99当量である。
本発明に係るキャリア付金属箔の別の一実施形態においては、接着剤の厚みが0.1〜2μmである。
本発明に係るキャリア付金属箔の更に別の一実施形態においては、接着剤がエポキシ樹脂系接着剤である。
本発明に係るキャリア付金属箔の更に別の一実施形態においては、合成樹脂が、プリプレグである。
本発明は別の一側面において、金属箔表面に主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤を塗工する工程と、
金属箔の接着剤を塗工した面に対して、Bステージの合成樹脂製の板状キャリアをホットプレス積層する工程と、
を含むキャリア付金属箔の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、金属箔とCステージの合成樹脂製の板状キャリアとを、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤を介して積層する工程を含むキャリア付金属箔の製造方法である。
本発明に係るキャリア付き金属箔の製造方法の一実施形態においては、主剤に対する硬化剤の配合量が0.5〜0.99当量である。
本発明に係るキャリア付き金属箔の製造方法の別の一実施形態においては、接着剤の厚みを0.1〜2μmとして塗工する。
本発明に係るキャリア付き金属箔の製造方法の別の一実施形態においては、接着剤がエポキシ接着剤である。
本発明に係るキャリア付き金属箔の製造方法の別の一実施形態においては、合成樹脂が、プリプレグである。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係るキャリア付き金属箔の金属箔側に、プリプレグ、内層コア、プリプレグを順に積層し、その上に金属箔側がプリプレグと接触するようにしてキャリア付金属箔を順に重ねる工程を含むビルドアップ基板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、合成樹脂板の両面に銅箔を接着させたキャリア付金属箔の両側にビルドアップ層を積層した後、キャリア付金属箔から両面の金属箔を剥離する工程を含むビルドアップ基板の製造方法である。
本発明は更に別の一側面において、上記方法によりビルドアップ基板を製造する工程を含むプリント回路板の製造方法である。
本発明によって、剥離後の金属箔上の接着剤残りが低減された実用性の高いキャリア付き銅箔が提供される。
CCLの一構成例を示す。 本発明に係るキャリア付金属箔の一構成例を示す。 本発明に係るキャリア付銅箔(合成樹脂板の片面に銅箔が接合した形態)を利用した多層CCLの組み立て例を示す。 本発明に係るキャリア付銅箔(合成樹脂板の両面に銅箔が接合した形態)を利用した多層CCLの組み立て例を示す。
本発明に係るキャリア付金属箔の一実施形態においては、合成樹脂製の板状キャリアと、該キャリアの少なくとも一方の面に、機械的に剥離可能に密着させた金属箔とで構成される。板状キャリアと金属箔の間には、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤が介在する。本発明に係るキャリア付金属箔の一構成例を図2に示す。図2には、合成樹脂製の板状キャリアの両面に、金属箔を剥離可能に密着させたキャリア付金属箔が示されている。
構造的には、図1に示したCCLと類似しているが、本発明のキャリア付金属箔では、金属箔と樹脂が最終的に分離されるもので、機械的に容易に剥離できる構造を有する。この点、CCLは剥離させるものではないので、構造と機能は、全く異なるものである。
<金属箔>
金属箔としては、銅又は銅合金箔が代表的なものであるが、アルミニウム、ニッケル、亜鉛などの箔を使用することもできる。銅又は銅合金箔の場合、電解箔又は圧延箔を使用することができる。金属箔は、限定的ではないが、プリント回路基板の配線としての使用を考えると、5〜120μmの厚みを有するのが一般的である。
<合成樹脂>
板状キャリアとなる合成樹脂としては、特に制限はないが、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。また、プリプレグを使用することもできる。プリプレグ(Cステージ)の線膨張係数は12〜18(×10-6/℃)と、基板の構成材料である銅箔の16.5(×10-6/℃)、またはSUSプレス板の17.3(×10-6/℃)とほぼ等しいことから、プレス前後の基板サイズが設計時のそれとは異なる現象(スケーリング変化)による回路の位置ずれが発生し難い点で有利である。さらに、これらのメリットの相乗効果として多層の極薄コアレス基板の生産も可能になる。ここで使用するプリプレグは、回路基板を構成するプリプレグと同じ物であっても異なる物であってもよい。
また、合成樹脂の熱膨張率が、金属箔の熱膨張率の+10%、−30%以内であることが望ましい。これによって、金属箔と合成樹脂との熱膨張差に起因する回路の位置ずれを効果的に防止することができ、不良品発生を減少させ、歩留りを向上させることができる。
板状キャリアの厚みは特に制限はなく、リジッドでもフレキシブルでもよいが、厚すぎるとホットプレス中の熱分布に悪影響がでる一方で、薄すぎると撓んでしまい製造工程を流れなくなることから、50〜900μmが好ましく、100〜400μmがより好ましい。
<接着剤>
本発明においては、板状キャリアと金属箔を機械的に剥離可能に密着させるために、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤を使用する。このような構成を採用したことで、板状キャリアと金属箔を剥離したときに、金属箔と接着剤の界面で剥離し易くなる。この場合、接着剤は板状キャリア側に付着した状態で剥離することとなるので、金属箔の表面から接着剤を除去する手間が省力可能である。理論によって本発明が限定されることを意図するものではないが、この現象は、硬化剤不足により重合を免れた主剤の官能基が合成樹脂と反応することで強固に接合することにより発現すると考えられる。つまり、接着剤が合成樹脂側に強固に接合することで金属側の接着強度よりも勝るため、剥離の際には接着剤が金属箔界面から剥離し、合成樹脂側に残留することになると考えられる。
主剤に対する硬化剤の配合比を小さくすることは、剥離性を良くする点や、剥離を金属箔と接着剤の間で生じさせる点では好ましいが、あまりにも硬化剤の配合比を小さくすると今度は接着剤の硬化不足によって、板状キャリアと金属箔を仮接着する上で不都合が生じる。そこで、主剤に対する硬化剤の配合量は、好ましくは0.5〜0.99当量であり、より好ましくは0.70〜0.80当量である。
本発明において、主剤に対する硬化剤の配合量は、理論当量(主剤1モルに対して、硬化剤を何モル配合するか)から算出する。
本発明で使用可能な接着剤の種類には特に制限はないが、例えば、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリビニルブチラール系、メラミン樹脂系、及びユリア樹脂系の接着剤が挙げられる。これらの中では、ホットプレス時の圧力に耐えるという観点や、ビルドアップ時のヒートサイクルにおいて剥離性に変化がないという理由によりエポキシ樹脂系、ポリビニルブチラール系、ユリア樹脂系の接着剤が好ましい。
エポキシ樹脂系接着剤の場合、主剤としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、可撓性エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、高分子型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が使用される。硬化剤としては、アミン、ポリアミド樹脂、イミダゾール系、ポリメルカプタン、三フッ化ホウ素、ジシアンジアミド等が使用される。
ウレタン樹脂系接着剤の場合、主剤としては、ウレタンプレポリマー等が使用される。硬化剤としては、ポリオール等が使用される。
ポリビニルブチラール系接着剤の場合、主剤としては、ポリビニルアルコール等が使用される。硬化剤としては、ブチルアルデヒド等が使用される。
メラミン樹脂系接着剤の場合、主剤としては、シアヌリル酸アミド等が使用される。硬化剤としては、ホルムアルデヒド等が使用される。
ユリア樹脂系接着剤の場合、主剤としては、尿素等が使用される。硬化剤としては、塩化アンモニウム等が使用される。
<その他>
CCLでは、合成樹脂と銅箔のピール強度が高いことが望まれるので、例えば、電解銅箔のマット面(M面)を合成樹脂との接着面とし、粗化処理等の表面処理を施すによって化学的および物理的アンカー効果によるピールアップが図られている。また、合成樹脂側においても、金属箔との接着力をアップするために各種バインダーが添加される等している。一方、本発明においてはCCLとは異なり、金属箔と合成樹脂は最終的に剥離する必要があるので、過度にピール強度が高いのは不利である。
そこで、本発明に係るキャリア付き金属箔の好ましい一実施形態においては、金属箔として電解銅箔を使用し、そのS面を合成樹脂との接着面とする。また、本発明に係るキャリア付き金属箔の好ましい一実施形態においては、金属箔の合成樹脂との接着面に対しては、粗化処理等ピールアップのための表面処理は行わない。また、本発明に係るキャリア付き金属箔の好ましい一実施形態においては、合成樹脂中には、金属箔との接着力をアップするためのバインダーは添加されていない。
板状キャリアと金属箔とは、プリント回路板作製過程で行われるめっき又はエッチング等の工程において剥離しない程度の密着性が必要であるが、いずれ機械的に剥がさなければならないので過度に密着性が高いのも不都合である。そのため、両者のピール強度は、1g/cm〜1kg/cm以下であることが望ましく、10〜100g/cmがより望ましい。
ピール強度の調整は、接着剤の厚みによっても行うことができる。一般には、接着剤の厚みが小さくなるとピール強度は低くなる傾向にあり、接着剤の厚みが大きくなるとピール強度は高くなる傾向にある。また、接着剤の厚みが大きくなると、離型性は安定するが、剥離時に接着剤が脆性破壊により金属箔表面に残留する可能性が生じる。よって、適切なピール強度、及び剥離時に金属箔側に接着剤を残さないという観点からは、接着剤の厚みは0.1〜100μmとするのが好ましく、0.5〜10μmとするのがより好ましく、0.8〜5μmとするのが更に好ましい。
<キャリア付金属箔の製法>
本発明に係るキャリア付金属箔は例えば以下の方法で作製可能である。
第一の方法は、金属箔表面に主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤を塗工する工程と、金属箔の接着剤を塗工した面に対して、Bステージの合成樹脂製の板状キャリアをホットプレス積層する工程とを含む。ホットプレスの条件としては、プリプレグの場合、圧力30〜40kg/cm2、温度170〜240℃でホットプレスすることが好ましい。
また、第二の方法は、金属箔とCステージの合成樹脂製の板状キャリアとを、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤を介して積層する工程を含む。接着剤は、板状キャリア側に塗工する場合、金属箔側に塗工する場合、及びこれら両側に塗工する場合があるが、何れの方法であっても、剥離は接着剤が金属箔との界面で生じる。
<キャリア付金属箔を利用したCCLの製法>
本発明に係るキャリア付金属箔を利用した4層CCLの製法を例示的に説明する。ここで使用するキャリア付金属箔は、合成樹脂板11cの片面に銅箔11aを接着させたキャリア付銅箔11である。このキャリア付銅箔上11に、所望枚数のプリプレグ12、次に内層コア13と称する2層プリント回路基板、次にプリプレグ12、さらにキャリア付銅箔11を順に重ねることで1組の4層CCLの組み立てユニットが完成する。次に、このユニット14(通称「ページ」と言う)を10回程度繰り返し、プレス組み立て物15(通称「ブック」と言う)を構成する(図3)。その後、このブック15を積層金型10で挟んでホットプレス機にセットし、所定の温度及び圧力で加圧成型することにより多数の4層CCLを同時に製造することができる。積層金型10としては例えばステンレス製プレートを使用することができる。プレートは、限定的ではないが、例えば1〜10mm程度の厚板を使用することができる。4層以上のCCLについても、一般的には内層コアの層数を上げることで、同様の工程で生産することが可能である。
別法として、合成樹脂板の両面に銅箔を接着させたキャリア付銅箔11を利用したコアレスビルドアップ基板の製法を例示的に説明する。この方法では、キャリア付き銅箔11の両側にビルドアップ層16を必要数積層した後、キャリア付銅箔11から両面の銅箔を剥離する(図4参照)。
このようにして作製されたコアレスビルドアップ基板に対しては、めっき工程及び/又はエッチング工程経て表面に回路を形成し、さらにキャリア樹脂と銅箔の間で、剥離分離させることで多層ビルドアップ配線板が完成する。更に、プリント配線板に電子部品類を搭載することで、プリント回路板が完成する。
以下に本発明の実施例を比較例と共に示すが、これらの実施例は本発明及びその利点をよりよく理解するために提供するものであり、発明が限定されることを意図するものではない。
<実施例1>
1)銅箔に接着剤を塗工する工程
グラビアコート機を用いて銅箔表面に接着剤として2液性/熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤を塗工した。この際、厚さを1μmに設定した。その後、200℃×60秒の加熱処理により接着剤を乾燥させた。
エポキシ樹脂系接着剤は以下の成分を混合して作製した。主剤の合計モル量に対する硬化剤の合計モル量の比を0.80とした。
<主剤>
ビスフェノールA及びエピクロルヒドリンの1:1(モル比)の組み合わせ
<硬化剤>
トリエチルアミン及びポリメルカプタンの1:1(モル比)の組み合わせ
2)剥離可能なキャリア付銅箔を作製する工程
その後、Bステージのプリプレグ板の表裏に上記接着剤を塗工した銅箔を積層し、ホットプレス機によりラミネートすることで、本発明の剥離可能なキャリア付銅箔を作成した。ラミネートは、180℃×1時間の加熱条件として行った。
得られたキャリア付銅箔から片面の銅箔を剥離する際のピール強度を50mm/分の剥離速度、引き剥がし角度は90°(サンプル大きさは幅10mm×長さ150mmとした。銅箔はエッチングせず、銅箔の幅10mmで測定している。それ以外の条件はJIS C 6471に準拠した。)の条件で測定したところ、20g/cmであった。この結果、剥離後の接着剤はプリプレグ側に残り、剥離後の銅箔表面には残留していないことが確認できた。
3)本発明品を用いて多層基板を作成する工程
次に、銅箔を片面にのみ積層した他は上記と同一条件で作製したキャリア付き銅箔の銅箔側上に、2枚のプリプレグ、次に内層コアと称する2層プリント回路基板、次にプリプレグ、最後に上記と同一条件で作製したキャリア付き銅箔を順に接着剤を介して図3のように重ねることで1枚の4層基板の材料組み立てユニット(ページ)を完成した。以降はこのページを10回繰り返して上下に重ね、プレス組み立て物(ブック)を作製した。但し、剥離性を試験する関係上、最後のページの一番上に積層されるキャリア付き銅箔のみ、銅箔を両面に積層したものを使用した。その後、このブックをホットプレス機にセットし180℃の温度及び30kg/cm2の圧力で加圧成型することにより10枚の4層基板を製造した。
プレス加工工程の終了後に、得られた10枚の4層CCLの最上層を構成するキャリア付銅箔から外表面の銅箔を剥離する際のピール強度を50mm/分の剥離速度、引き剥がし角度は90°(サンプル大きさは幅10mm×長さ150mmとした。銅箔はエッチングせず、銅箔の幅10mmで測定している。それ以外の条件はJIS C 6471に準拠した。)の条件で測定したところ、30g/cmであった。この結果、剥離後の接着剤はプリプレグ側に残り、剥離後の銅箔表面には残留していないことが確認できた。
上記の結果から、圧力及びヒートサイクルに因る接着剤の変質は生じず、剥離性に変化が無いことも確認できた。
<実施例2>
1)Cステージプリプレグに接着剤を塗工する工程
グラビアコート機を用いてCステージプリプレグの表面に接着剤として2液性/熱硬化型エポキシ系接着剤を塗工した。この際、厚さを2μmに設定した。乾燥は実施例1と同様の条件で行った。エポキシ樹脂系接着剤は以下の成分を混合して作製した。主剤の合計モル量に対する硬化剤の合計モル量の比は0.50とした。
<主剤>
o-クレゾールノボラック樹脂及びグリシジルエステル型エポキシ樹脂の1:1(モル比)の組み合わせ
<硬化剤>
三フッ化ホウ素及びジシアンジアミドの1:1(モル比)の組み合わせ
2)剥離可能なキャリア付銅箔を作製する工程
その後、接着剤が塗工されたプリプレグ板の表裏に銅箔をホットプレス機によりラミネートすることで、本発明の剥離可能なキャリア付銅箔を作成した。ラミネートは、200℃×1時間の加熱条件として行った。
得られたキャリア付銅箔から片面の銅箔を剥離する際のピール強度を50mm/分の剥離速度、引き剥がし角度は90°(サンプル大きさは幅10mm×長さ150mmとした。銅箔はエッチングせず、銅箔の幅10mmで測定している。それ以外の条件はJIS C 6471に準拠した。)の条件で測定したところ、40g/cmであった。この結果、剥離後の接着剤はプリプレグ側に残り、剥離後の銅箔表面には残留していないことが確認できた。
3)本発明品を用いて基板を作成する工程
次に、実施例1と同様の条件で、10枚の4層基板を製造し、得られた4層CCLの最上層を構成するキャリア付銅箔から外表面の銅箔を剥離する際のピール強度を50mm/分の剥離速度、引き剥がし角度は90°(サンプル大きさは幅10mm×長さ150mmとした。銅箔はエッチングせず、銅箔の幅10mmで測定している。それ以外の条件はJIS C 6471に準拠した。)の条件で測定したところ、50g/cmであった。この結果、剥離後の接着剤はプリプレグ側に残り、剥離後の銅箔表面には残留していないことが確認できた。
上記の結果から、圧力及びヒートサイクルに因る接着剤の変質は生じず、剥離性に変化が無いことも確認できた。
<比較例1>
1)銅箔に接着剤を塗工する工程
グラビアコート機を用いて銅箔表面に接着剤として2液性/熱硬化型エポキシ樹脂系接着剤を塗工した。この際、厚さを2μm程度に設定した。乾燥は実施例1と同様の条件で行った。エポキシ樹脂系接着剤は以下の成分を混合して作製した。主剤の合計モル量に対する硬化剤の合計モル量の比は2.00とした。
<主剤>
o-クレゾールノボラック樹脂及びエピクロルヒドリンの1:1(モル比)の組み合わせ
<硬化剤>
三フッ化ホウ素及びポリメルカプタンの1:1(モル比)の組み合わせ
2)キャリア付銅箔を作製する工程
Bステージのプリプレグ板の表裏に上記接着剤を塗工した銅箔を積層し、ホットプレス機によりラミネートすることで、本発明のキャリア付銅箔を作成した。ラミネートは、200℃×1時間の加熱条件として行った。
得られたキャリア付銅箔から片面の銅箔を剥離する際のピール強度を50mm/分の剥離速度、引き剥がし角度は90°(サンプル大きさは幅10mm×長さ150mmとした。銅箔はエッチングせず、銅箔の幅10mmで測定している。それ以外の条件はJIS C 6471に準拠した。)の条件で測定したところ、200g/cmであった。しかしながら、剥離後の接着剤はプリプレグには残らず、銅箔側に残留していることが確認できた。
上記の結果から、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量より大きいと、剥離性が悪くなることが確認できた。
10 積層金型
11 キャリア付き金属箔
11a 金属箔
11b 接着剤
11c 合成樹脂
12 プリプレグ
13 内層コア
14 ページ
15 ブック
16 ビルドアップ層

Claims (14)

  1. 合成樹脂製の板状キャリアと、該キャリアの少なくとも一方の面に、機械的に剥離可能に密着させた金属箔からなるキャリア付金属箔であって、板状キャリアと金属箔の間には、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤が介在するキャリア付金属箔。
  2. 主剤に対する硬化剤の配合量が0.5〜0.99当量である請求項1に記載のキャリア付金属箔。
  3. 接着剤の厚みが0.1〜2μmである請求項1又は2に記載のキャリア付金属箔。
  4. 接着剤がエポキシ樹脂系接着剤である請求項1〜3の何れか一項に記載のキャリア付金属箔。
  5. 合成樹脂が、プリプレグである請求項1〜4の何れか一項に記載のキャリア付金属箔。
  6. 金属箔表面に主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤を塗工する工程と、
    金属箔の接着剤を塗工した面に対して、Bステージの合成樹脂製の板状キャリアをホットプレス積層する工程と、
    を含むキャリア付金属箔の製造方法。
  7. 金属箔とCステージの合成樹脂製の板状キャリアとを、主剤に対する硬化剤の配合量を1当量未満とした接着剤を介して積層する工程を含むキャリア付金属箔の製造方法。
  8. 主剤に対する硬化剤の配合量が0.5〜0.99当量である請求項6又は7に記載のキャリア付金属箔の製造方法。
  9. 接着剤の厚みを0.1〜2μmとして塗工する請求項6〜8の何れか一項に記載のキャリア付金属箔の製造方法。
  10. 接着剤がエポキシ接着剤である請求項6〜9の何れか一項に記載のキャリア付金属箔の製造方法。
  11. 合成樹脂が、プリプレグである請求項6〜10の何れか一項に記載のキャリア付金属箔の製造方法。
  12. 請求項1〜5の何れか一項に記載のキャリア付き金属箔の金属箔側に、プリプレグ、内層コア、プリプレグを順に積層し、その上に金属箔側がプリプレグと接触するようにしてキャリア付金属箔を順に重ねる工程を含むビルドアップ基板の製造方法。
  13. 合成樹脂板の両面に銅箔を接着させたキャリア付金属箔の両側にビルドアップ層を積層した後、キャリア付金属箔から両面の金属箔を剥離する工程を含むビルドアップ基板の製造方法。
  14. 請求項12又は13に記載の方法によりビルドアップ基板を製造する工程を含むプリント回路板の製造方法。
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