JP2013140703A - 放出光拡散層及びそれを用いた導光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】放出光拡散層13、15は導光板11の光放射側に配置され、光透過性のマトリックスと、マトリックスに分散されるナノ中空シリカ粒子とを含む。ナノ中空シリカ粒子はその一次粒子径が500nm以下であり、壁厚が30nm以下であり、かつ空隙率が40%以上である。ナノ中空シリカ粒子はマトリックスにおいて凝集しており、その二次凝集粒子径が1500nm以下である。
【選択図】図2
Description
尚、本明細書における「導光板」は板状物に限定されないことは当業者であれば理解される。
したがって、本発明の放出光拡散層を導光板の光放出側に配置させれば、輝度が大きく、輝度ムラの少ない導光装置となる。本発明の「導光装置」は光源、導光板及び放出光拡散層を含む装置であればよく、具体的には、液晶TV用、広告用、看板用、照明用、自動車のメーターパネル用などに用いることができる。
ナノ中空シリカ粒子の二次凝集粒子径は1500nm以下であり、好ましいのは500nm以上1500nm以下、さらに好ましいのは700nm以上1000nm以下である。二次凝集粒子径が500nm未満では光の散乱や反射が起こり難くなる。また、二次凝集粒子径が1500nmを超えると光の透過性が悪くなり、導光板の光放射面での輝度が低下する。
導光装置本体10は導光板11を備えており、導光板11は、図2に示すように、無色透明のアクリル樹脂等からなる導光板本体11aと、導光板本体11aの光放射面と反対側の面(以後「裏側面」という)にドット印刷された光分配層11bとから構成されている。光分配層11bには、ナノ中空シリカ粒子を含ませてもよいし、含ませなくてもよい。光分配層11bにはシリカヒューム等の光散乱微粒子を添加できる。光分配層11bは、後述する光透過性樹脂溶液組成物をスクリーン印刷等によって印刷することにより形成することができる。導光板11の裏側面にはアルミ板からなる反射層12が積層されている。ここで、積層とは、密着されている場合のみならず、単に各層が重ねられて接着していない場合(すなわち層間に僅かな空隙を有する場合)も含む。図2では、光分配層11bはドット印刷されているが、これに限定されるものではなく、目的に応じて好適な印刷パターンを採用でき、塗布、スピンコート等印刷以外の方法で形成してもいいし、導光板本体11aと別体のシートとすることもできる。
導光板11の裏側面には反射部材12が積層されている。反射部材12は反射層12aに厚さ3〜10μmの反射光拡散層12bが積層された構造となっている。この反射光拡散層12bは、反射層12aに、光透過性樹脂溶液組成物をスクリーン印刷等によって印刷することにより形成することができる。
第1放出光拡散層13を導光板本体11aと別シートとせず、導光板本体11aへ印刷、その他のデポジション法により形成することもできる。
前述した光透過性樹脂溶液組成物は、溶剤に溶解した光透過性のマトリックスにナノ中空シリカ粒子が分散されてなる粘性液である。なお、ナノ中空シリカ粒子だけでは、光拡散性が足りない場合には、光拡散用のメジウムを添加してもよい。この場合の光拡散用のメジウムは、透明なものが好ましい。こうであれば、第1及び第2放出光拡散層13、15における光の減衰が少なくなるからである。また、印刷に適する粘度やチクソトロピー性を付与するための増粘剤等を加えもよい。
通常推奨されるのは以下の範囲である。
ナノ中空シリカ粒子:
10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜30重量%、さらに好ましくは20重量%〜25重量%。
ナノ中空シリカ粒子以外の光拡散粒子:
20重量%〜80重量%、好ましくは30重量%〜60重量%、さらに好ましくは40重量%〜50重量%。
なお、本明細書において、光とは可視光の他、赤外線や紫外線をも含む。
(1)第1工程において、透過型電子顕微鏡法による一次粒子径が20〜200nmの炭酸カルシウムを水系にて調製し、静的光拡散法による粒子径が20〜700nmになるように熟成させた後、脱水して含水ケーキの状態とし、
(2)第2工程において、(1)の含水ケーキをアルコール中に分散させ、アンモニア水、水、シリコンアルコキシドを、シリコンアルコキシド/アルコールの体積比を0.002〜0.1、アンモニア水に含有されるNH3を、シリコンアルコキシド1モルに対して、4〜15モル、水をシリコンアルコキシド1モルに対して、25〜200モルとなるように添加することにより、シリカでコーティングされた炭酸カルシウムを調製した後、アルコール及び水による洗浄を行い、再び含水ケーキとし、
(3)第3工程において、(2)の含水ケーキを水に分散させ、酸を添加して、液の酸濃度を0.1〜3モル/Lとすることにより炭酸カルシウムを溶解させることにより、緻密なシリカ殻からなる高分散の中空状粒子である。
このサイドライト式導光装置では、LED光源20によって導光体11の側面から照射された光が導光板本体11aの中を境界面で反射しながら進行するとともに、光分配層11b中の光散乱粒子によって散乱し、その一部が裏面側に進行する。こうして裏面側に抜けた光は、反射層12で反射され、導光体11側に戻される。そして導光板11内を反射及び/又は屈折し、光放射面側に抜け出た光が第1放出光拡散層13によって拡散し、輝度ムラが改善されて集光層14に入る。この集光層14では、放射光を屈折作用により正面に集光させ、正面輝度を向上させる機能を果たす。そして、第2放出光拡散層15によって拡散し、輝度ムラが改善されて正面側に輝度が高く、輝度ムラの少ない光が放射される。
また、放出光拡散層13及び放出光拡散層15の高い光透過性によって光のロスも少なくなる。
したがって、放出光拡散層13及び放出光拡散層15の存在により、輝度が大きく、輝度ムラの少ない光が放射される。
図3に示すように、A4版/5mm厚のアクリル樹脂性の導光板20の半面Aに中実SiO2粒子(ミノグループ製SR931白色メジウムインキ)を用いてスクリーン印刷にて導光パターンをスクリーン印刷し、残りの反面Bにミノグループ製SR930透明メジウムインキにナノ中空シリカ(GRANDEX製NanoBalloon XP200一次粒子径200nm/二次粒子径1000nm、壁厚約10nm)を20重量パーセント混合したインキを用い、スクリーン印刷にて導光パターンを印刷してこれを光分配層とした。
比較例1では、実施例1における拡散シート23の代わりに、麗光製ルイルライト(同じ膜厚=0.2mm)を用いた。その他については実施例1の導光装置と同じであり、説明を省略する。
実施例1及び比較例1の導光装置について、LED光源を点灯させた場合の光放射面の輝度を場所ごとに測定した。輝度測定ポイントは図5に示すとおり等間隔に2列8か所とした。輝度の測定にはコニカミノルタセンシンク゛株式会社CA-1500Wを用いた。比較例1における結果を表2に、実施例1における結果を表3にそれぞれ示す。
また、B領域(すなわち光分配層の光拡散粒子が透明メジウム+ナノ中空シリカの領域)においては、比較例1で平均輝度1081cd/m2であったのに対し、実施例1では平均輝度が1141cd/m2と約5.5%の輝度向上が確認された。
以上結果から、A、Bいずれの領域であっても、実施例1のほうが比較例1よりも輝度が高いことが分かる。特に、光分配層にナノ中空シリカが存在するB領域において、輝度向上の効果が優れていることが分かった。すなわち、ナノ中空シリカを含有する実施例1の放出光拡散層を用いた導光装置は、光分配層にもナノ中空シリカを含有する場合において、特に高い輝度(約24%の輝度向上)が得られることが分かった。
上記の実施例では放出光拡散層にナノ中空シリカを配合する例を説明してきた。放出光拡散層以外の要素は周知、汎用されている部材、材料を利用できることは言うまでもない。なお、反射光拡散層、光分配層の少なくとも一つへこの発明で規定するようにナノ中空シリカを配合することができる。
2以上の放出光拡散層を備える装置においては、少なく1つの放出光拡散層へこの発明で規定するようにナノ中空シリカを配合することが好ましい。
放出光拡散層や集光層の枚数や重ねる順番については、上記に限るものではなく、集光層にプリズムレンズとマイクロレンズとを併せて使用したり、放出光拡散層、マイクロレンズ及びプリズムレンズを複数枚組み合わせたり、光放出面から各層を置く順番を変える等、自由な組み合わせが許される。
11、20…導光板(11a…導光板本体、11b…光分配層)
13…第1放出光拡散層(13a…フィルム、13b…光散乱粒子含有層)
15…第2放出光拡散層(15a…フィルム、15b…光散乱粒子含有層)
12…反射層、22…反射シート
Claims (2)
- 導光板の光放射側に配置される放出光拡散層であって、
光透過性のマトリックスと、
該マトリックスに分散されるナノ中空シリカ粒子であって、該ナノ中空シリカ粒子はその一次粒子径が500nm以下であり、壁厚が30nm以下であり、かつ空隙率が40%以上であり、前記マトリックスにおいて凝集しており、その二次凝集粒子径が1500nm以下であるナノ中空シリカ粒子と、を含む放出光拡散層。 - 請求項1に記載の放出光拡散層を含む導光装置。
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