JP2013136146A - 研磨用具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 対象物の清掃研磨面に十分な量の水分を常時供給しながら清掃研磨作業を行うことができ、研磨作用を発揮する微粒子の塊によって清掃研磨面に付着した汚れなどの夾雑物を除去することができると共に、微粒子がスポンジ基材から脱落しにくい研磨用具を提供する。
【解決手段】 吸水性を有する連続気孔型スポンジでなる基材と、この基材に固定されてその基材の表面に間隔を隔てて散在する多数の研磨砥粒塊と、を備える。個々の研磨砥粒塊がバインダによって結合された多数の研磨砥粒の集合体でなり、その研磨砥粒塊が基材の表面から膨出されて正面視ドット形状に形成されている。研磨砥粒塊に金属粒子を含ませてもよい。基材の裏面は、その全体が、上記連続気孔型スポンジの吸水性に基づく吸水面として形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、研磨用具、特にスポンジのような樹脂発泡体の表面に、研磨砥粒を保持させてなる研磨用具に関する。さらに詳しくは、清掃研磨面に付着した汚れなどの夾雑物を、水を供給しながら除去するのに適した研磨用具に関する。
家庭内のキッチンシンク、バス、トイレなどの設備や備品、自動車や電車やバスなどの車両窓ガラス、その他陶磁器などに付着した汚れを除去することに用いることのできる研磨用具が従来より種々提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。
上掲の各特許文献のうち、特許文献1によると、手で持ちやすい大きさの吸水性のない独立気泡型スポンジと、吸水性のあるシート状の連続気孔型スポンジと、微粒子の砥材を付着させた研磨布紙シートと、をこの順に重ねて一体化させたクリーニング用具が提案されている。また、この特許文献1では、研磨布紙シートが通水用の多数の孔又はスリットを備えること、砥材にダイヤモンドの微粒子を用いること、などについても言及されている。そして、このクリーニング用具によると、独立気泡型スポンジを手に持ち、研磨布紙シートに水をつけて清掃対象面に擦り付けると、研磨布紙シート上の砥材で研磨対象面(清掃研磨面)が研磨されて汚れが落ち、連続気孔型スポンジのクッション作用により清掃研磨面を損傷する危険が少なく、連続気孔型スポンジの保水作用によって、清掃研磨作業を連続的に行う場合でも水をつけ直す回数が少なくて済む、とされている。さらに、連続気孔型スポンジの多数の孔又はスリットを通して連続気孔型スポンジと清掃研磨面との間で水が行き来するので、連続気孔型スポンジの保水性が十分に生かされる、とも説明されている。
特許文献2には、手で持ちやすいサイズにカットした独立気泡型スポンジの表面に研磨布紙シートを貼着一体化したガラス等のクリーニング用具が提案されている。そして、このものによると、研磨布紙シートによって水に濡れたガラス表面(清掃研磨面)を研磨すると、ガラス表面に付着して結晶化した金属元素等の汚れが除去される、とされている。また、このクリーニング用具の反対側のスポンジ面をガラス表面に押し付けてガラス表面の水分を掻き取ったり、ガラス表面の水分を薄い水膜にして乾きやすい状態にすることができる、とされている。
特許文献3には、研磨効果を持つ微粒子を単独で又は結合材と共にスポンジに固定させた研磨材入りスポンジからなる洗浄材が提案されている。この洗浄材によると、使用中に被洗浄物に接触している表層の微粒子だけが洗浄に作用し、被洗浄物に接触していないスポンジ内部からの脱落により余分な微粒子が発生することがないので、微粒子による洗浄効果を保ちながら、洗浄後の微粒子による汚染を回避することができる、とされている。また、スポンジには、連続あるいは独立した気孔を内部に有するポリビニルアセタール系スポンジが用いられ、微粒子には酸化セリウムが採用されている。
特許文献4には、アルミノシリケート研磨材粒子を固着させた不織布でなる研磨材料を、スポンジ基材に接着することによって構成した研磨材料についての記載がある。
実用新案登録第3166009号公報 特開平6−154127号公報 特開平10−130634号公報 特開2005−206675号公報
上掲の各特許文献によって提案されている研磨用具のうち、特許文献1、同文献2、同文献4に記載されているものは、布紙や不織布といったシート体の一面全体に研磨材としての微粒子を満遍無く一様に散在させている点で共通し、また、微粒子を満遍無く散在させたシート体をスポンジでなる基材の片面の全体又は略全体に貼着させているという点でも共通している。また、スポンジでなる基材に含ませた水を清掃研磨面へ補給しながら、研磨材の微粒子を散在させた上記シート体の一面で清掃研磨面を擦るという作業を通じて、その清掃研磨面を清掃研磨するという点でも共通している。
これに対し、特許文献3によって提案されている研磨用具は、基材としてのスポンジの表層部分及び内層部分に研磨効果を持つ微粒子を固定させている、という点で、特許文献1、同文献2、同文献4に記載されているものとは相違している。その反面で、基材としてのスポンジの一面では、そのスポンジの表層部分に固定されている微粒子が一面全体に亘って露出していて、そのようなスポンジの一面で清掃研磨面を擦ることによって、その清掃研磨面を清掃研磨するという点では、特許文献1、同文献2、同文献4に記載されているものと共通しているということが云える。
しかしながら、特許文献1、同文献2、同文献3及び同文献4に共通する清掃研磨作用、すなわち、研磨材の微粒子が散在しているシート体又はスポンジの一面で清掃研磨面を擦るという作業を通じて発揮される清掃研磨作用では、汚れの掻取り作用が個々の極小の微粒子だけによって発揮されるに過ぎないため、十分な掻取り作用が発揮されずに汚れが清掃研磨面に残りやすかったり、脱落した微粒子が作業後の清掃研磨面に残留しやすかったりするという問題があった。
また、ガラスなどの清掃研磨面に微粒子を擦り付けて清掃研磨するときには、清掃研磨面に十分な量の水分を常時供給することが、清掃研磨面の傷付きを抑制したり汚れを効率よく除去したりする上で有効である。しかしながら、特許文献1、同文献2、同文献3及び同文献4のように、シート体やスポンジの一面に微粒子を一様に散在させてあると、シート体やスポンジの表面に存在している通水孔が微粒子によって塞がれてしまうことになる。特に、清掃研磨作用を高めるためにシート体やスポンジの一面に微粒子を高密度で散在させたものでは、シート体やスポンジの表面に存在している通水孔の大部分が微粒子によって塞がれてしまうことなるので、シート体やスポンジから清掃研磨面に十分な量の水分が連続的に供給されにくくなり、清掃研磨面が傷付きやすくなったり汚れが除去されにくくなったりする懸念がある。
さらに、作業後に清掃研磨面に残った水分を除去することに関して、特許文献2のように、独立気泡のスポンジ面を清掃研磨面に押し付けて水分を掻き取ったり、清掃研磨面の水分を薄い水膜にして乾きやすい状態にする、というものでは、水分が乾いたときに、水分中に不可避的に残留した汚れや微粒子がどうしても清掃研磨面に残ってしまうことになる。この点を解決するためには、吸水性に富む布や不織布を別途用いて、清掃研磨面に残った水分を拭き取って除去するという作業を行うことが必要になる。
本発明は以上の状況を改善することを意図してなされたものであって、対象物の清掃研磨面に十分な量の水分を常時供給しながら清掃研磨作業を行うことができ、しかも、研磨作用を発揮する微粒子だけでなく、微粒子の塊によって清掃研磨面に付着した汚れなどの夾雑物を除去することができる研磨用具を提供することを目的とする。
また、本発明は、金属粒子の作用によって耐用寿命(ライフ)を向上させることのできる研磨用具を提供することを目的とする。
本発明に係る研磨用具は、吸水性を有する基材と、この基材に固定されてその基材の表面に間隔を隔てて散在する多数の研磨砥粒塊と、を備えている。そして、個々の上記研磨砥粒塊がバインダによって結合された多数の研磨砥粒の集合体でなり、その研磨砥粒塊が上記基材の表面から膨出されて正面視ドット形状に形成されていると共に、上記基材の裏面は、その全体が、上記基材の吸水性に基づく吸水面として形成されている。
この構成を備えた研磨用具では、基材の吸水性により、その基材に水分を含ませることが可能であり、しかも、水分を基材から清掃研磨面に常時供給させながら清掃研磨作業を行うことができる。特に、多数の研磨砥粒塊の相互間に位置している基材の気孔から十分な量の水分を供給させることができる。そのため、清掃研磨面に供給される水分によって研磨時に発生する摩擦熱が冷却されるという作用が発揮されるだけでなく、水分が潤滑剤として作用して研磨用具を清掃研磨面でスムーズに動かしやすくなり、さらに、研磨時に発生するスラッジが連続的に洗い流される。また、研磨後には、基材の裏面の全体によって形成されている吸水面を用いて清掃研磨面に残った水分を吸収させたり、水分と共に残留した汚れなどの夾雑物や研磨で発生したスラッジを取り除いたりすることができるので、清掃研磨面に夾雑物やスラッジを含む水が残ったまま放置されるという事態を抑制することが可能になる。清掃研磨面への水分の常時供給作用や摩擦熱の冷却作用、水分による潤滑作用、スラッジの連続的な洗い流し作用、研磨後の水分吸収作用などの上記作用は、基材として、骨格構造によって連続気孔を形成している素材を採用することによって顕著に発揮されることが判っている。
特に、この研磨用具では、基材の表面に間隔を隔てて多数の研磨砥粒塊が散在していて、個々の上記研磨砥粒塊がバインダによって結合された多数の研磨砥粒の集合体でなり、その研磨砥粒塊が基材の表面から膨出されて正面視ドット形状に形成されていることにより、清掃研磨面に付着している汚れや夾雑物を除去する作用が、微細な研磨砥粒によって発揮されるだけでなく、微細な研磨砥粒の集合体でなる研磨砥粒塊によっても発揮されるので、汚れなどの夾雑物や研磨で発生したスラッジの除去作用が高度に発揮され、併せて、研磨砥粒が基材から脱落するという事態が抑制されるという優れた作用が発揮されることになる。なお、基材の表面に散在している多数の研磨砥粒塊は、研磨用具の研磨層を形成している。
本発明では、上記基材が手に持つことのできるサイズを備えた柔軟なポリビニルホルマール樹脂であり、かつ、その基材の厚さが、1〜30mm、好ましくは5〜20mmである、という構成を採用することが可能である。ここで、基材としてのポリビニルホルマール樹脂に、骨格構造によって連続気孔を形成しているものを採用することが特に好ましいが、本発明では、基材が、骨格構造によって連続気孔を形成しているポリビニルホルマール樹脂であることに限定されるものではない。上記構成であれば、作業者が基材を手で掴んで清掃研磨作業を容易に行うことができることは勿論、基材を電動ツール(オービタルサンダー)に取り付けて研磨作業を行うことも可能である。さらに、基材がポリビニルホルマール樹脂であるので、基材に一定の剛性を付与して容易に屈曲しない状態にしたり、基材に柔軟性を付与して容易に変形する状態にしたりすることが可能であり、後者の場合には、研磨用具を、複雑な形状を有する清掃研磨面に容易に馴染ませて清掃研磨作業を行うことができ、狭い場所であっても作業を容易に行うことができるだけでなく、作業中には、基材の表面に固定されている研磨砥粒塊を清掃研磨面に一様に接触させて研磨することが可能になるという利点がある。特に、基材の厚さが1〜30mmであって、基材が柔軟性を備えていると、基材の屈曲柔軟性が十分に発揮され、清掃研磨面形状に基材が好適に追従する。この作用は、基材の厚さが5〜20mmである場合に顕著に発揮される。
本発明では、上記基材が手に持つことのできるサイズを備えた人工皮革であり、かつ、その基材の厚さが、0.5〜5mm、好ましくは1〜2mmであってもよい。人工皮革には、たとえばウレタンレザーが含まれる。また、不織布層を有するものや不織布層を有しないものが含まれる。この構成によっても、基材が上記したポリビニルホルマール樹脂である場合と同様に、作業者が基材を手で掴んで清掃研磨作業を容易に行うことができることは勿論、基材を電動ツール(オービタルサンダー)に取り付けて研磨作業を行うことも可能である。また、0.5〜5mm、好ましくは1〜2mmの厚さの人工皮革は、きわめて柔軟性に富むために、その柔軟性を利用して、研磨用具を、複雑な形状を有する清掃研磨面に容易に馴染ませて清掃研磨作業を行うことができ、狭い場所であっても作業を容易に行うことができるだけでなく、作業中には、基材の表面に固定されている研磨砥粒塊を清掃研磨面に一様に接触させて研磨することが可能になるという利点がある。特に、基材の厚さが0.5〜5mmであると、基材の柔軟性が十分に発揮され、清掃研磨面形状に基材が好適に追従する。この作用は、基材の厚さが1〜2mmである場合に特に顕著に発揮される。
本発明の研磨用具では、上記研磨砥粒塊の正面視ドット形状が円形又は多角形である、という構成を採用することが可能である。研磨砥粒塊の正面視ドット形状には、正円形、楕円形、長円形といった円形、三角形、四角形、菱形、星形といった多角形が含まれる。特に、菱形や星形を選択しておくと、その形状自体に備わっている先尖り部のエッジによって、対象物の表目に付着している汚れなどの夾雑物の掻取り作用が良好に発揮されるので、それだけ清掃研磨効率が向上する。
本発明の研磨用具では、上記研磨砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、炭酸カルシウム、ケイ酸塩鉱物、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、種子粉体、メラミン樹脂、から選ばれる無機粒子又は有機粒子のうちの少なくとも1種類以上でなり、上記バインダが、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂から選ばれる熱硬化性樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂のうちの少なくとも1種類以上からなる、という構成を採用することが可能である。ここで、ケイ酸塩鉱物にはカオリンが含まれる。
特に、研磨砥粒として、モース硬度2〜2.5のケイ酸塩鉱物の1種であるカオリンの粒子を用いると、カオリン粒子自体の自己崩壊性が都合よく発揮される。そのため、研磨時に研磨砥粒が清掃研磨面を傷付けてスクラッチを入れるということが抑制される。また、カオリンは他の研磨砥粒に比べて比重が小さいためにバインダ中に分散しやすく、研磨砥粒塊のドットをスクリーン印刷で形成する工程においても砥粒の沈降が生じにくい。その結果、組成の安定した研磨砥粒塊を形成しやすく、そのことが、研磨性能の安定性を向上させることに役立つ。
本発明では、上記研磨砥粒塊が、30〜70wt%、好ましくは40〜60wt%の研磨砥粒を含んでいることが望ましい。ここで、30〜70wt%及び40〜60wt%は、研磨砥粒にカオリンを選定した場合の数値範囲を示したものであって、研磨砥粒塊に対する研磨砥粒の重量百分率を意味している。この場合、研磨砥粒が、30wt%より少ないと研磨力が不足しがちになり、70wt%よりも多いと研磨砥粒塊が脆くなって研磨中に研磨砥粒塊の破片が発生しやすくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られにくくなる。研磨砥粒が30〜70wt%の範囲に収まっていると、研磨中に研磨砥粒塊が崩壊してその破片が発生したりすることが少なくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られる。この作用は、特に、研磨砥粒が40〜60wt%であるときに顕著に発揮される。なお、研磨砥粒にカオリンを選定した場合の上記重量百分率に相応する体積百分率は5〜40vol%、好ましくは10〜30vol%となる。そして、さらに好ましい範囲は20〜25vol%である。
基材が連続気孔型の上記ポリビニルホルマール樹脂のスポンジでなり、その連続気孔型スポンジの気孔径が30〜200μm、好ましくは60〜130μmであり、気孔率が80〜95%、好ましくは89〜91%であることが望ましい。本発明の研磨用具では、基材を構成しているポリビニルホルマール樹脂で作られた連続気孔型スポンジの気孔に、研磨砥粒塊のバインダが入り込むことによる錨効果(アンカリング)によって、研磨砥粒塊と基材の表面との接合力が高められている。そして、連続気孔型スポンジの気孔径が30μmよりも小さいと、気孔にバインダが入り込みにくくなってそれだけ結合力が弱まるおそれがある。逆に、連続気孔型スポンジの気孔径が200μmよりも大きいと、研磨砥粒塊の塗布効率が低下してドット形状の研磨砥粒塊を形成しにくくなる。連続気孔型スポンジの気孔径が30〜200μmの範囲に収まっていると、塗布効率の低下をきたすことなく上記錨効果による接合力が高まるようになり、研磨時に研磨砥粒塊が脱落するという事態が起こりにくくなる。この作用は、気孔径が60〜130μmである場合に顕著に発揮される。
気孔率が80%よりも少ないと、基材の弾力性や保水性が低くなりすぎ使用感が損なわれ、気孔率が95%よりも多いと、耐久性や研磨砥粒の塗布性が低下する。気孔率が80〜95%の範囲に収まっていると、適度の弾力性や保水性が得られ、耐久性や研磨砥粒の塗布性の低下も抑制される。この作用は、特に気孔率が89〜91%であると顕著に発揮される。上記気孔率は、乾燥機で十分に乾燥させた直方体の上記基材を乾式自動密度計によって測定し、その基材の見掛け体積と真体積とから次式(1)によって算出される値である。
気孔率(%)=〔(見掛け体積−真体積)/見掛け体積〕×100・・・(1)
本発明の研磨用具では、上記研磨砥粒塊の数が、4〜12個/cm、好ましくは6〜8個/cmであることが望ましい。研磨砥粒塊の数が4個/cmより少ないと、基材を屈曲させた場合に研磨砥粒塊そのものにひび割れを生じる可能性が大きくなる。また、研磨砥粒塊の数が12個/cmより多いと、研磨砥粒塊の配列密度が細かくなりすぎ、研磨砥粒塊をドット形状に形成することが困難になる。研磨砥粒塊の数を、4〜12個/cmの範囲に収めると、基材が屈曲しても研磨砥粒にひび割れが生じにくく、しかも、研磨砥粒塊を容易にドット形状に形成することが可能である。この作用は、研磨砥粒塊の数が6〜8個/cmである場合に顕著に発揮される。なお、研磨砥粒塊のドットの幅寸法(L)と高さ(D)との比(L/D)は、0.1〜1の範囲が好ましい。L/Dが0.1より小さいと研磨砥粒塊が形崩れしやすく、1より大きいと研磨安定性が損なわれやすい。L/Dのさらに好ましい範囲は0.2〜0.5である。
本発明の研磨用具では、基材の表面に散在された多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が、基材表面積の30〜80%、好ましくは50〜60%であることが望ましい。多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が基材表面積の30%よりも少ないと、十分な研磨効率が得られず、80%よりも多いと、研磨砥粒塊自体が破壊しやすくなり、基材の屈曲性が阻害されやすくなる。多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が基材表面積の30〜80%の範囲に収まっていると、研磨砥粒塊が破壊しにくく、基材の屈曲耐久性も向上する。
本発明の研磨用具では、上記研磨砥粒塊が、上記研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいてもよい。研磨砥粒塊に含まれる金属粒子は、フィラーや骨材としての作用を発揮して研磨砥粒塊の強度を高めることに役立つだけでなく、軟質の金属粒子を採用することによって、研磨作業時に研磨砥粒塊の表面で金属粒子が圧潰延伸してその研磨砥粒塊を覆う金属面を形成し、その金属面に研磨砥粒が担持されて研磨作用を発揮ものと推測される。そのため、研磨作業に伴う研磨砥粒の消失が抑制され、当該研磨用具の耐用寿命(ライフ)が向上する。この作用は、上記金属粒子が、銅粒子及び錫粒子から選ばれた1種類以上からなる、という構成を採用することによって顕著に発揮される。
上記研磨砥粒塊が上記研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいる本発明の研磨用具では、基材の表面に散在された多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が基材表面積の80%よりも少ないと、十分なライフ向上効果が得られず、90%よりも多いと、研磨砥粒塊自体が破壊しやすくなり、基材1の屈曲性が阻害されやすくなる。多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が基材表面積の80〜90%の範囲に収まっていると、ライフ向上効果が得やすくなり、基材の屈曲耐久性も向上する。
上記研磨砥粒塊が上記研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいる本発明の研磨用具では、個々の上記研磨砥粒塊の最大サイズが1〜1.5mmであることが望ましい。このことは、ドット形状の研磨砥粒塊を形成することを技術的に容易にすることに役立つ。なお、個々の上記研磨砥粒塊の最大サイズは、1〜1.5mmの範囲内でできるだけ細かい形状であることが望ましい。
上記研磨砥粒塊が上記研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいる本発明の研磨用具では、上記研磨砥粒塊の数が、50個/cm以上であることが望ましい。この研磨砥粒塊の数は、上記した研磨砥粒塊の最大サイズに応じて自ずと設定される。
上記研磨砥粒塊が上記研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいる本発明の研磨用具では、上記研磨砥粒塊が、5〜50wt%、好ましくは5〜30wt%の研磨砥粒を含んでいることが望ましい。ここで、研磨砥粒が5wt%より少ないと研磨力が不足しがちになり、50wt%よりも多いと研磨砥粒塊が脆くなって研磨中に研磨砥粒塊の破片が発生しやすくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られにくくなる。研磨砥粒が5〜50wt%の範囲に収まっていると、金属粒子が含まれているとしても、研磨中に研磨砥粒塊が崩壊してその破片が発生したりすることが少なくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られる。この作用は、特に、研磨砥粒が5〜30wt%であるときに顕著に発揮される。
以上説明したように、本発明に係る研磨用具は、吸水性を有する連続気孔型スポンジでなる基材に水分を含ませた後、多数の研磨砥粒塊の相互間に位置している基材の連続気孔の開口から十分な量の水分を清掃研磨面に常時供給させながら清掃研磨作業を行うことができるので、清掃研磨面の温度上昇を抑制しながら研磨用具を清掃研磨面でスムーズに動かすことができる。その上、研磨時に発生する研磨砥粒塊の破片や研磨砥粒などを含むスラッジを連続的に洗い流すことが可能になり、研磨後には、基材の吸水面を用いて清掃研磨面に残った水分を、その水分に含まれている汚れなどの夾雑物や研磨砥粒塊の破片などを含むスラッジと共に吸収させて容易に取り除くことが可能である。そのため、研磨用具を繰り返し頻繁に水に浸けたり、別途用意した布や不織布で残った水分を拭き取ったりする作業を行わずに、清掃研磨作業を容易にかつ迅速に行うことが可能になる。
また、本発明に係る研磨用具では、基材の表面に間隔を隔てて散在する個々の研磨砥粒塊が、基材の表面から膨出されて正面視ドット形状に形成され、かつ、バインダによって結合された多数の研磨砥粒の集合体でなるので、清掃研磨面に付着している汚れなどの夾雑物を除去する作用が向上し、研磨砥粒から基材が脱落して清掃研磨面に残るという事態も抑制される。
特に、基材が手に持つことのできるサイズを備えた柔軟なポリビニルホルマール樹脂又は人工皮革から選ばれ、かつ、その基材の厚さが、1〜30mm、好ましくは5〜20mmである、という構成を採用しておくと、研磨用具を、複雑な形状を有する清掃研磨面に容易に馴染ませて清掃研磨作業を容易に行うことができるだけでなく、狭い場所であっても作業を容易に行うことができるようになる。
さらに、本発明の研磨用具は、基材としての連続気孔型スポンジの表面に一定のパターンで研磨砥粒塊をスクリーン印刷するという簡単な工程を経て製作することができ、その製作工程中に基材に通水孔を形成したりする必要もないので安価に提供することができるという効果も奏される。
また、本発明では、研磨砥粒塊が、研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいるという構成を採用する場合において、銅粒子や錫粒子といった軟質の金属粒子を採用すると、研磨作業時に、軟質の金属粒子が研磨砥粒塊を覆う金属面を形成し、その金属面に研磨砥粒が担持されるようになる。そのため、研磨作業に伴う研磨砥粒の消失が抑制され、当該研磨用具の耐用寿命(ライフ)が向上するという卓越した効果が発揮される。
本発明に係る研磨用具を説明的に示した斜視図である。 研磨砥粒塊の配列パターンと平面視形状とを例示した説明図である。 図2の要部の拡大図である。 研磨砥粒塊の側面視形状を示した説明図である。 研磨砥粒塊の他の側面視形状を示した説明図である。 研磨用具を説明的に示した側面図である。 研磨砥粒塊の他の配列パターンと他の平面視形状とを例示した説明図である。 研磨砥粒塊のさらに他の配列パターンとさらに他の平面視形状とを例示した説明図である。
図1は本発明に係る研磨用具を説明的に示した斜視図、図2は研磨砥粒塊の配列パターンと平面視形状とを例示した説明図、図3は図2の要部の拡大図、図4は研磨砥粒塊の側面視形状を示した説明図、図5は研磨砥粒塊の他の側面視形状を示した説明図、図6は研磨用具を説明的に示した側面図、図7は研磨砥粒塊の他の配列パターンと他の平面視形状とを例示した説明図、図8は研磨砥粒塊のさらに他の配列パターンとさらに他の平面視形状とを例示した説明図である。
本発明に係る研磨用具は、図1のように、基材1の表面に多数の研磨砥粒塊2を散在させた配列で固定させてなり、研磨砥粒塊2は相互に間隔を隔てて配置されていて、その研磨砥粒塊2の相互間では基材1の表面が露出している。
基材1には、ポリビニルホルマール(PVFM)でなる硬質又は柔軟な連続気孔型スポンジが採用されていて、その正面視形状は図2のように正面視矩形に形成されている。また、基材1に人工皮革を用いることも可能である。基材1は清掃研磨を行う作業者が手に持つことのできるサイズを備えている。この種の基材1は、それ自体に備わっている連続気孔が毛細管現象による吸収性を発揮するので、基材1を水に浸けると、その基材1が水分を吸収する。水分の吸収は、基材1の表面や裏面、側面などの外面で開口している連続気孔に対して行われる。また、その柔軟性を利用して基材1を絞ったり押し付けたりして圧縮すると、基材1に吸収されている基材1の表面又は裏面で開口している連続気孔から水分が外部に絞り出される。したがって、この実施形態に係る基材1の裏面や側面は、吸水面12,13(図1又は図6参照)として作用する。
図6に説明的に示したように、個々の研磨砥粒塊2は、バインダ22によって結合された多数の研磨砥粒21の集合体でなる。
研磨用具の製作手順の一例を次に説明する。連続気孔型スポンジでなる基材1の表面に、多数の透孔を散在させたマスキングシートを重ね合わせ、その上から研磨砥粒21を含むバインダ22をスクリーン印刷する。この工程を行うと、正面視ドット形状の研磨砥粒塊2が、基材1の表面の多数の箇所で固定される。こうして基材1に固定された研磨砥粒塊2は、図4又は図5のように基材1の表面から膨出している。図4に示した研磨砥粒塊2は側面視ドーム形状を呈するように形成され、図5に示した研磨砥粒塊2は側面視矩形状を呈するように形成されているけれども、研磨砥粒塊2の側面視形状はこれらに限定されない。また、研磨砥粒塊2の正面視ドット形状は、図2又は図3のように正円形であっても、図7又は図8のように菱形であってもよい。また、その他の楕円形、長円形であっても、星形や矩形などの多角形であってもよい。さらに、種々のドット形状の研磨砥粒塊を混在させても、異なる大きさのドット形状の研磨砥粒塊を混在させてもよい。また、研磨砥粒塊2の正面視ドット形状は、図2や図7のように全体に亘って研磨砥粒を含むものであっても、図8のように中央部に空所23を有するものであってもよい。
基材1の表面に固定されている研磨砥粒塊2のバインダ22は、基材1の表面で開口している連続気孔の内部に侵入して基材1と接合している。そのため、錨効果(アンカリング効果)によって研磨砥粒塊2が基材1に強固に一体化している。
研磨砥粒塊2には、研磨砥粒21と共に、銅粒子や錫粒子などの比較的軟質の金属粒子を含ませることも可能である。
研磨砥粒塊2は基材1の表面だけに形成されていて、裏面には形成されていない。そのため、基材1の表面では、その連続気孔の開口が相隣接する研磨砥粒塊2の相互間に位置し、基材1の裏面では、その連続気孔の開口が裏面の全体に亘って満遍なく存在している。研磨砥粒塊2は、基材1の表面にランダムに散在していても、一定の配列パターンに従って散在していてもよい。たとえば、図2の事例では、研磨砥粒塊2が縦横に千鳥配列されている。また、図7や図8の事例では、研磨砥粒塊2が一定の規則に従って規則正しく配列されている。
以上のように構成された研磨用具で清掃研磨面を清掃研磨するときには、たとえば、作業者が基材1を手で掴み、基材1の表面の研磨砥粒塊2を清掃研磨面に接触させて擦り合わせる。この場合に、事前に研磨用具全体を水に浸けて基材1に水分を吸収させておく。
このような清掃研磨作業を行うと、清掃研磨中には、基材1の連続気孔の開口から水分が清掃研磨面に常時供給される。そのため、清掃研磨面で発生する摩擦熱が冷却されるだけでなく、水分が潤滑剤として作用して研磨用具が清掃研磨面上でスムーズに動くようになる。その上、清掃研磨中に発生するスラッジ、具体的には清掃研磨面に付着した汚れなどの夾雑物や研磨砥粒塊2から出た研磨砥粒などが連続的に洗い流される。また、清掃研磨作業が終了したときには、基材1の吸水面12,13を清掃研磨面に押し付けたり清掃研磨面上で動かしたりすると、基材1に残留水分が吸収される。そのため、別途に布や不織布を用いて残留水分を拭き取ったりするという手間がかからない。残留水分を基材1に吸収させて拭き取ると、その残留水分に含まれている汚れなどの夾雑物や研磨砥粒塊2から出た破片や研磨砥粒なども同時に除去される。
研磨清掃作業では、研磨砥粒塊2に含まれる研磨砥粒の微粒子だけでなく、研磨砥粒塊2自体も清掃研磨面に付着した汚れなどの夾雑物を掻き取って除去することに役立つ。特に、この実施形態の研磨用具では、個々の研磨砥粒塊2がバインダ22によって結合された多数の研磨砥粒21の集合体でなるので、微細な研磨砥粒によって夾雑物を掻き取る場合に比べて優れた除去作用が得られる。特に、研磨砥粒塊2が図7や図8のような正面視菱形のドット形状に形成されていると、正面視菱形の先尖り部が夾雑物を掻き取るために除去作用が格段に向上する。また、清掃研磨面への水分の供給は、基材1の表面で相隣接する研磨砥粒塊2の相互間で開口している連続気孔を通じて行われる。そのため、研磨砥粒塊2にじゃまされずに十分な量の水分が常時供給される。
この実施形態の研磨用具では、基材1と研磨砥粒塊2の固定が、上記した錨効果によって強固に結合されているので、清掃研磨作業中に研磨砥粒塊2が基材1から脱落したり、研磨砥粒塊2の形状が崩れて研磨砥粒が大量に発生するという事態は起こりにくい。したがって、上記した夾雑物の除去作用が効率よく行われるだけでなく、残留水分中に含まれる研磨砥粒も最低限度に抑えられる。
上記した研磨用具において、その正面視形状を矩形に形成する場合には、基材1が手に持つことのできるサイズを備えていて、その基材1の厚さが1〜30mmであることが望まれる。基材1がこの範囲の厚さであれば、作業者が基材1を手で掴んで清掃研磨作業を容易に行うことができることは勿論、PVFM樹脂の柔軟性を活用して複雑な形状を有する清掃研磨面を無理なく清掃研磨することが可能になる。また、狭い場所での清掃研磨作業を容易に行うことにも役立つ。なお、基材1をオービタルサンダーと呼ばれる回転機械に取り付けて研磨作業を行うことも可能である。ここで、基材1の厚さを、特に5〜20mmに定めておくと、複雑な形状を有する清掃研磨面を楽に清掃研磨したり、狭い場所での清掃研磨作業を楽に無理なく行ったりすることができるという作用が顕著に発揮される。
研磨砥粒塊2に含まれる研磨砥粒21には、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、炭酸カルシウム、ケイ酸塩鉱物、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、種子粉体、メラミン樹脂、から選ばれる無機粒子又は有機粒子のうちの少なくとも1種類以上を用いることができる。すなわち、これらの無機粒子又は有機粒子を単独で用いても、異なる種類の無機粒子又は有機粒子を組み合わせて用いてもよい。研磨砥粒21は清掃研磨面の硬度に応じて適宜適切な無機粒子又は有機粒子を選択すべきであり、そのようにすることによって、清掃研磨面の傷付きなどを防ぐことが可能になる。
研磨砥粒塊2に、研磨砥粒21に金属粒子を含ませる場合には、金属粒子として、銅粒子や錫粒子を単独で、又は、両者を混ぜて含ませることが可能である。
研磨砥粒21として、モース硬度2〜2.5のケイ酸塩鉱物の1種であるカオリンの粒子を選択すると、次に説明する利点が得られる。すなわち、カオリン粒子はそれ自体が自己崩壊性を備えている。そのため、清掃研磨作業中に研磨砥粒塊2が崩れて研磨砥粒(カオリン粒子)21が清掃研磨面上へ流出しても、研磨砥粒21の自己崩壊性によってその研磨砥粒が微細な粉体に変化してしまうので、清掃研磨面を傷付けてスクラッチを入れるということが抑制される。また、カオリンは他の研磨砥粒に比べて比重が小さいためにバインダ中に分散しやすいため、組成の安定した研磨砥粒塊を形成しやすく、そのことが、研磨性能の安定性を向上させることに役立つ。
また、研磨砥粒塊2に研磨砥粒21と共に金属粒子を含ませると、研磨作業時に、軟質の金属粒子が研磨砥粒塊2を覆う金属面を形成し、その金属面に研磨砥粒21が担持されるようになる。そのため、研磨作業に伴う研磨砥粒21の消失が抑制され、当該研磨用具の耐用寿命(ライフ)が向上すると考えられる。
研磨砥粒塊2に含まれるバインダ22には、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂から選ばれる熱硬化性樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂のうちの少なくとも1種類以上を用いることができる。これらの熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂をバインダ22に採用して研磨砥粒21を混ぜ込むと、場合によっては、研磨砥粒塊2の内部に気泡が閉じ込められてしまうことがある。しかし、そのように気泡が閉じ込められていても、その気泡が清掃研磨作業に悪影響を及ぼすことはない。なお、図6には研磨砥粒塊2に閉じ込められた気泡を符合24で説明的に示してある。
個々の研磨砥粒塊2は、研磨砥粒塊2に対する重量百分率で、30〜70wt%の研磨砥粒21を含んでいることが望ましい。研磨砥粒21の含有量が30wt%より少ないと研磨力が不足しがちになり、70wt%よりも多いと研磨砥粒塊2が脆くなって清掃研磨中に研磨砥粒塊の破片が発生しやすくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られにくくなる。研磨砥粒が30〜70wt%の範囲に収まっていると、清掃研磨中に研磨砥粒塊が崩壊してその破片が発生したりすることが少なくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られる。この作用は、特に、研磨砥粒が40〜60wt%であるときに顕著に発揮される。
また、基材1の表面に固定された多数の研磨砥粒塊2の全体の表面積は、研磨砥粒塊2が金属粒子を含んでいない場合には、基材1の表面積の30〜80%であることが望ましい。研磨砥粒塊2の全体の表面積が、基材1の表面積の30%よりも少ないと十分な研磨効率が得られず、80%よりも多いと基材1からの水分の供給率が低くなりすぎたり、基材1の屈曲性や耐久性が悪くなったりする。多数の研磨砥粒塊2の全体の表面積が基材1の表面積の30〜80%の範囲に収まっていると、十分な量の水分を清掃研磨面に常時供給させながら高い研磨効率を維持させることが可能になる。この作用は、多数の研磨砥粒塊2の全体の表面積が基材1の表面積の50〜60%である場合に顕著に発揮される。
研磨砥粒塊2が金属粒子を含んでいる場合には、基材1の表面に散在された多数の研磨砥粒塊2の全体の表面積が、基材表面積の80〜90%であることが望ましい。多数の研磨砥粒塊2の全体の表面積が基材表面積の80%よりも少ないと、十分なライフ向上効果が得られず、90%よりも多いと、研磨砥粒塊自体が破壊しやすくなり、基材1の屈曲性が阻害されやすくなる。多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が基材表面積の十分なライフ向上効果が得られず、90%よりも多いと、研磨砥粒塊自体が破壊しやすくなり、基材1の屈曲性が阻害されやすくなる。多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が基材表面積の80〜90%の範囲に収まっていると、ライフ向上効果が得やすくなり、基材の屈曲耐久性も向上する。
基材1としてのPVFM樹脂でなる連続気孔型スポンジの気孔径は30〜200μmであることが望ましい。気孔径が30μmよりも小さいと、気孔にバインダ22が入り込みにくくなってそれだけ結合力が弱まるおそれがある。気孔径が200μmよりも大きいと、連続気孔に入り込むバインダ22の量が多くなりすぎて塗布効率が低下し、ドット形状の研磨砥粒塊2を形成しにくくなる。気孔径が30〜200μmの範囲に収まっていると、塗布効率の低下をきたすことなく上記した錨効果による接合力が高まり、清掃研磨作業中に研磨砥粒塊2が脱落するという事態が起こりにくくなる。この作用は、気孔径が60〜130μmである場合に顕著に発揮される。
基材1としてのPVFM樹脂でなる連続気孔型スポンジの気孔率は80〜95%であることが望ましい。気孔率は、上記した式(1)によって算出される値である。気孔率が80%よりも少ないと、基材1の弾力性や保水性が低くなりすぎて使用感が損なわれ、気孔率が95%よりも多いと、耐久性や研磨砥粒の塗布性が低下する。気孔率が89〜91%の範囲に収まっていると、適度の弾力性や保水性が得られ、耐久性や研磨砥粒の塗布性の低下も抑制される。
研磨砥粒塊2が金属粒子を含んでいない場合には、基材1の表面に固定される研磨砥粒塊2の数は4〜12個/cmであることが望ましい。研磨砥粒塊2の数が4個/cmより少ないと、基材1を屈曲させた場合に研磨砥粒塊2そのものにひび割れを生じる可能性が大きくなる。また、研磨砥粒塊2の数が12個/cmより多いと、研磨砥粒塊2の配列密度が細かくなりすぎ、研磨砥粒塊2をドット形状に形成することが困難になる。研磨砥粒塊2の数を4〜12個/cmの範囲に収めると、基材1が屈曲しても研磨砥粒塊2にひび割れが生じにくく、しかも、研磨砥粒塊2を容易にドット形状に形成することが可能である。この作用は、研磨砥粒塊2の数が6〜8個/cmである場合に顕著に発揮される。
研磨砥粒塊2が金属粒子を含んでいる場合には、上記研磨砥粒塊2の数が、50個/cm以上であることが望ましい。この研磨砥粒塊2の数は、研磨砥粒塊の最大サイズに応じて自ずと設定される。
研磨砥粒塊2が研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいる場合には、研磨砥粒塊2が、5〜50wt%、好ましくは5〜30wt%の研磨砥粒を含んでいることが望ましい。研磨砥粒が5wt%より少ないと研磨力が不足しがちになり、50wt%よりも多いと研磨砥粒塊が脆くなって研磨中に研磨砥粒塊の破片が発生しやすくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られにくくなる。研磨砥粒が5〜50wt%の範囲に収まっていると、金属粒子が含まれているとしても、研磨中に研磨砥粒塊2が崩壊してその破片が発生したりすることが少なくなり、十分な研磨力や研磨持続力が得られる。この作用は、特に、研磨砥粒が5〜30wt%であるときに顕著に発揮されることが判っている。
実施例1
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてカオリン10gを混ぜ、PVFM樹脂のスポンジ(PVFMスポンジ)でなる基材の表面に、基材の表面積に対するバインダの表面積(以下「砥石面積」と略する)が50%になるように塗布した後、60℃で乾燥固化させた。得られた研磨材でキッチンシンクを清掃研磨したところ、水の供給が少なくても汚れが良好に落ちた。
実施例2
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてカオリン10gを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が30%になるように塗布した後、60℃で乾燥固化させた。得られた研磨材でキッチンシンクを清掃研磨したところ、水の供給が少なくても汚れが良好に落ちた。
実施例3
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒として人工ダイヤモンド粒子4g、さらに金属粒子として銅粒子61gを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が80%になるように約1mmφのドット状に形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材で、スポンジ部に水を含ませた状態でうろこ状の汚れが付着したガラスを清掃研磨したところ、水の供給が少なくても汚れが良好に落ちた。
また、金属粒子によるライフ向上効果を検証するため、電動ツールに貼付のうえ、ガラス面を1.25m/15minにてトラバースしたところ、4mを処理した時点でも研磨砥粒塊は十分に残存していた。
実施例4
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてアルミナ粒子(♯2000)を12g、さらに金属粒子として錫粒子40gを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が80%になるように約1mmφのドット状に形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材で、スポンジ部に水を含ませた状態でキッチンシンクを清掃研磨したところ、水の供給が少なくても汚れが良好に落ちた。
実施例5
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてアルミナ粒子(♯800)を12g、さらに金属粒子として錫粒子40gを混ぜ、人工皮革からなる基材(厚さ1.4mm)の表面に、砥石面積が80%になるように約1mmφのドット状に形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材で、クロームメッキされた蛇口を清掃研磨したところ汚れが良好に落ちた。また、狭い隙間にも挿入可能であり、清掃が容易であった。
比較例1
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてカオリン10gを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が100%になるように塗布した後、60℃で乾燥固化させた。得られた研磨材は屈曲性・耐久性がなく、折り曲げると研磨砥粒塊の表面にひび割れが生じる、などの不具合が発生した。細かい部分の研磨に不向きであった。
比較例2
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてカオリン10gを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が20%になるように塗布した後、60℃で乾燥固化させた。得られた研磨材の屈曲性・耐久性はあったが、研磨力(研磨性能)は実施例1と比較すると劣っていた。
比較例3
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてカオリン10gを混ぜ、250μmの気孔径を持ったPVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が50%になるように塗布した後、60℃で乾燥固化させた。得られた研磨材はドット高さが低く、研磨力(研磨性能)は実施例1と比較すると劣っていた。
比較例4
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてカオリン10gを混ぜ、ウレタン独立気泡型スポンジでなる基材の表面に、砥石面積が50%になるように塗布した後、60℃で乾燥固化させた。得られた研磨材の研磨力(研磨性能)に問題はなかったが、清掃研磨面のスラッジの拭き取り性能が劣っていた。
比較例5
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒として人工ダイヤモンド粒子4g、さらに実施例3の金属粒子に代えてゼオライトを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が80%になるように約1mmφのドット状に形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材で、スポンジ部に水を含ませた状態でうろこ状の汚れが付着したガラスを清掃研磨したところ、水の供給が少なくても汚れが良好に落ちた。
ただし、ライフ向上効果を検証するため、電動ツール(オービタルサンダー)に貼付のうえ、ガラス面を1.25m/15minにてトラバースしたところ、4mを処理した時点で研磨砥粒塊は磨滅消失した。
比較例6
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてアルミナ粒子(♯2000)を12g、さらに金属粒子として錫粒子40gを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が100%になるように塗布形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材は屈曲性がなく、折り曲げると研磨材面にひび割れを生じるなどの不具合が発生した。
比較例7
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒としてアルミナ粒子(♯2000)を12g、さらに金属粒子として錫粒子40gを混ぜ、PVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が20%になるように塗布形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材の屈曲性や耐久性はあったが、研磨力(研磨性能)は、実施例4に比べて劣っていた。
比較例8
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒として人工ダイヤモンド粒子4g、さらに金属粒子として銅粒子61gを混ぜ、250μmの気孔径を備えたPVFMスポンジでなる基材の表面に、砥石面積が80%になるように塗布形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材は、ドット高さが低く、研磨力(研磨性能)は、実施例3に比べて劣っていた。
比較例9
エポキシ樹脂10g、硬化剤2g、研磨砥粒として人工ダイヤモンド粒子4g、さらに金属粒子として銅粒子61gを混ぜ、ウレタン独立気泡型スポンジでなる基材の表面に、砥石面積が80%になるように塗布形成させた後、60℃で乾燥させ、さらに80℃で反応させた。得られた研磨材は、研磨力(研磨性能)を有するものの、スポンジ基材との固着力が乏しく、ドット状の研磨砥粒塊が脱落しやすいほか、スポンジ部が吸水性を有していないことから清掃研磨面のスラッジの拭取り性能が劣っていた。
表1には、実施例1〜5、比較例1〜9についての研磨砥粒塊に含まれるエポキシ樹脂、硬化剤、研磨砥粒の含有量、金属粒子の含有量、砥石面積、基材の種類などを掲げ、表2には実施例1〜5、比較例1〜9についての評価結果を掲げた。
表1
┌────┬─────┬───┬───┬────┬────┬─────────┐
│ │エポキシ │硬化剤│砥 粒│金属粒子│砥石面積│ 基 材 │
│ │樹脂(g)│(g)│(g)│ (g) │ (%) │ (g) │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│実施例1│ 10 │ 2 │ 10 │ 0 │ 50 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│実施例2│ 10 │ 2 │ 10 │ 0 │ 30 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│実施例3│ 10 │ 2 │ 4 │ 61 │ 80 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│実施例4│ 10 │ 2 │ 12 │ 40 │ 80 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│実施例5│ 10 │ 2 │ 12 │ 40 │ 80 │人工皮革 │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例1│ 10 │ 2 │ 10 │ 0 │ 100 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例2│ 10 │ 2 │ 10 │ 0 │ 20 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例3│ 10 │ 2 │ 10 │ 0 │ 50 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径250μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例4│ 10 │ 2 │ 10 │ 0 │ 50 │ウレタン独立気泡 │
│ │ │ │ │ │ │型スポンジ │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例5│ 10 │ 2 │ 4 │ 0 │ 80 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例6│ 10 │ 2 │ 12 │ 40 │ 100 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例7│ 10 │ 2 │ 12 │ 40 │ 20 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径100μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例8│ 10 │ 2 │ 4 │ 61 │ 80 │PVFMスポンジ │
│ │ │ │ │ │ │気孔径250μm │
├────┼─────┼───┼───┼────┼────┼─────────┤
│比較例9│ 10 │ 2 │ 4 │ 61 │ 80 │ウレタン独立気泡 │
│ │ │ │ │ │ │型スポンジ │
└────┴─────┴───┴───┴────┴────┴─────────┘
表2
┌────┬────────────────────────────────┐
│ │ 評価結果 │
├────┼────────────────────────────────┤
│実施例1│良好 │
├────┼────────────────────────────────┤
│実施例2│良好 │
├────┼────────────────────────────────┤
│実施例3│良好 │
├────┼────────────────────────────────┤
│実施例4│良好 │
├────┼────────────────────────────────┤
│実施例5│良好 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例1│研磨砥粒塊に部分的ひび割れが発生。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例2│研磨力が小さい。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例3│研磨砥粒塊をドット状に形成することが困難で研磨力が低い。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例4│研磨後のスラッジ洗浄が困難。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例5│研磨持続性能が劣る。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例6│研磨層にひび割れが発生した。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例7│研磨力が劣る。 │
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例8│ドット状の研磨砥粒塊を高く膨出させることが困難で、研磨力も劣る。│
├────┼────────────────────────────────┤
│比較例9│ドット状の研磨砥粒塊が剥離しやすい。スラッジ清掃性が劣る。 │
└────┴────────────────────────────────┘
本発明に係る研磨用具では、その用途に応じて研磨砥粒塊2の組成を変更しておくことも可能である。たとえば、研磨砥粒塊2が、研磨砥粒21と共に金属粒子を含んでいる研磨用具において、鏡やガラスのうろこ状の水垢落しとしての用途には、基材1に、厚さ10mm程度のポリビニルホルマール(PVFM)スポンジを採用し、そのPVFMスポンジの表面に、ダイヤモンド粒子(研磨粒子)と銅粒子(金属粒子)とエポキシ樹脂とを6:83:11の含有比率で含む研磨砥粒塊2を形成したものを用いることが可能である。この場合の研磨用具の縦横サイズは、たとえば75×45mmが適切である。また、ステンレスシンク周りの錆落しや水垢落しとしての用途には、基材1に、厚さ10mm程度のPVFMスポンジを採用し、そのPVFMスポンジの表面に、アルミナ粒子(研磨粒子)と錫粒子(金属粒子)とエポキシ樹脂とを20:66:14の含有比率で含む研磨砥粒塊2を形成したものを用いることが可能である。この場合の研磨用具の縦横サイズは、たとえば75×45mmが適切である。さらに、水道蛇口周りの水垢落し汚れ落しとしての用途には、基材1に、厚さ1.4mm程度の人工皮革を採用し、その人工皮革の表面に、アルミナ粒子(研磨粒子)と錫粒子(金属粒子)とエポキシ樹脂とを20:66:14の含有比率で含む研磨砥粒塊2を形成したものを用いることが可能である。この場合の研磨用具の縦横サイズは、たとえば120×40mm程度の細長い帯状の形状を採用しておくことが適切である。基材1に人工皮革を用いた細長い帯状の研磨用具は、当該研磨用具の中間部を被研磨箇所に巻き付け状に重ねた状態で、その研磨用具の両端を手でつかんで往復移動させるといった作業を容易に行うことができる。
1 基材
2 研磨砥粒塊
12 吸水面
21 研磨砥粒
22 バインダ

Claims (16)

  1. 吸水性を有する基材と、この基材に固定されてその基材の表面に間隔を隔てて散在する多数の研磨砥粒塊と、を備え、
    個々の上記研磨砥粒塊がバインダによって結合された多数の研磨砥粒の集合体でなり、その研磨砥粒塊が上記基材の表面から膨出されて正面視ドット形状に形成されていると共に、上記基材の裏面は、その全体が、上記基材の吸水性に基づく吸水面として形成されていることを特徴とする研磨用具。
  2. 上記基材が手に持つことのできるサイズを備えたポリビニルホルマール樹脂であり、かつ、その基材の厚さが、1〜30mm、好ましくは5〜20mmである請求項1に記載した研磨用具。
  3. 上記基材が手に持つことのできるサイズを備えた人工皮革であり、かつ、その基材の厚さが、0.5〜5mm、好ましくは1〜2mmである請求項1に記載した研磨用具。
  4. 上記研磨砥粒塊の正面視ドット形状が多角形である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した研磨用具。
  5. 上記研磨砥粒が、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、炭酸カルシウム、ケイ酸塩鉱物、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、種子粉体、メラミン樹脂、から選ばれる無機粒子又は有機粒子のうちの少なくとも1種類以上でなり、
    上記バインダが、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂から選ばれる熱硬化性樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、フッ素樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂のうちの少なくとも1種類以上からなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載した研磨用具。
  6. 上記研磨砥粒が、モース硬度2〜2.5のケイ酸塩鉱物の1種であるカオリンの粒子である請求項5に記載した研磨用具。
  7. 上記研磨砥粒塊が、30〜70wt%、好ましくは40〜60wt%の研磨砥粒を含む請求項6に記載した研磨用具。
  8. 基材が連続気孔型の上記ポリビニルホルマール樹脂のスポンジでなり、その連続気孔型スポンジの気孔径が30〜200μm、好ましくは60〜130μmであり、気孔率が80〜95%、好ましくは89〜91%である請求項1、請求項2、請求項4ないし請求項7のいずれか1項に記載した研磨用具。
  9. 上記研磨砥粒塊の数が、4〜12個/cm、好ましくは6〜8個/cmである請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載した研磨用具。
  10. 基材の表面に散在された多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が、基材表面積の30〜80%、好ましくは50〜60%である請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載した研磨用具。
  11. 上記研磨砥粒塊が、上記研磨砥粒と共に金属粒子を含んでいる請求項1ないし請求項6、請求項8のいずれか1項に記載した研磨用具。
  12. 上記金属粒子が、銅粒子及び錫粒子から選ばれた1種類以上からなる請求項11に記載した研磨用具。
  13. 基材の表面に散在された多数の研磨砥粒塊の全体の表面積が、基材表面積の80〜90%である請求項11又は請求項12に記載した研磨用具。
  14. 個々の上記研磨砥粒塊の最大サイズが1〜1.5mmである請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載した研磨用具。
  15. 上記研磨砥粒塊の数が、50個/cm以上である請求項11ないし請求項14のいずれか1項に記載した研磨用具。
  16. 上記研磨砥粒塊が、5〜50wt%、好ましくは5〜30wt%の研磨砥粒を含む請求項11ないし請求項15のいずれか1項に記載した研磨用具。
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