JP2013135178A - 積層電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層電子部品の反りを抑制する構成を提供する。
【解決手段】積層電子部品は、複数のセラミック層と複数の内部電極層とを交互に積層して構成される積層体と、積層体の積層方向における積層体の下面に、この下面を覆うように積層されるカバー層と、積層体の積層方向における積層体の上面に、この上面を覆うように積層されるカバー層とを備え、カバー層を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径は積層体を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径よりも大きく、カバー層を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径は、積層体を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径よりも小さい。
【選択図】図2

Description

本発明は、セラミック層と内部電極層とを交互に積層して構成される積層電子部品およびその製造方法に関する。
例えば積層セラミックコンデンサのように、複数のセラミック層と複数の内部電極層とを交互に積層して構成される積層電子部品は、一般に、表面に内部電極層を形成した複数枚のセラミックグリーンシートを積層して積層体を形成し、その積層体を焼成することにより製造される(例えば、特許文献1,2を参照)。
特開平3−52210号公報 特開2007−266223号公報
近年、積層電子部品の多層化が進み、積層電子部品の層数を多くするほど、積層体の焼成後において積層体の反りが大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、積層電子部品の反りを抑制する技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明は、複数のセラミック層と複数の内部電極層とを交互に積層して構成される積層体と、積層体の積層方向における積層体の下面に、この下面を覆うように積層されるセラミック層である第1カバー層と、積層体の積層方向における積層体の上面に、この上面を覆うように積層されるセラミック層である第2カバー層とを備える積層電子部品であって、第1カバー層を構成するセラミック粒子の粒径は、積層体を構成するセラミック粒子の粒径よりも大きく、第2カバー層を構成するセラミック粒子の粒径は、積層体を構成するセラミック粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする積層電子部品である。
このように構成された積層電子部品は、内部電極層となる内部導体パターンが印刷され、焼成後に積層体を構成する積層体用グリーンシートを複数形成する工程と、第1カバー層を構成するためのグリーンシートである第1カバー層用グリーンシートと、第2カバー層を構成するためのグリーンシートである第2カバー層用グリーンシートを形成する工程と、その後、第1カバー層用グリーンシート上に積層体用グリーンシートを1枚ずつ積み重ねて圧着することにより複数の積層体用グリーンシートを積層する工程と、さらに、積層体用グリーンシート上に第2カバー層用グリーンシートを積み重ねて圧着することにより第2カバー層用グリーンシートを積層する工程とにより製造することができる。
そして、本発明の積層電子部品では、第1カバー層を構成するセラミック粒子の粒径は、積層体を構成するセラミック粒子の粒径よりも大きく、積層体を構成するセラミック粒子の粒径は、第2カバー層を構成するセラミック粒子の粒径よりも大きい。
すなわち、第1カバー層を構成するセラミック粒子間の隙間は、積層体を構成するセラミック粒子間の隙間よりも広く、積層体を構成するセラミック粒子間の隙間は、第2カバー層を構成するセラミック粒子間の隙間よりも広い。
したがって、グリーンシートを積層する工程(以下、グリーンシート積層工程という)を行う前において、第1カバー層用グリーンシートを構成するセラミック粒子が第1カバー層用グリーンシート内に充填されている割合(以下、第1カバー層用グリーンシートの充填率という)は、積層体用グリーンシートを構成するセラミック粒子が積層体用グリーンシート内に充填されている割合(以下、積層体用グリーンシートの充填率という)よりも低い。また、グリーンシート積層工程を行う前において、積層体用グリーンシートの充填率は、第2カバー層用グリーンシートを構成するセラミック粒子が第2カバー層用グリーンシート内に充填されている割合(以下、第2カバー層用グリーンシートの充填率という)よりも低い。
そして、本発明の積層電子部品を上記の工程を用いて製造すると、第1カバー層用グリーンシートは積層体用グリーンシートよりも加圧回数が多くなるとともに、積層体用グリーンシートは第2カバー層用グリーンシートよりも加圧回数が多くなる。また、加圧回数が多くなるほど、グリーンシートの充填率が高くなる。
このため、グリーンシート積層工程後には、グリーンシート積層工程の前と比較して、第1カバー層用グリーンシートと積層体用グリーンシートとの間の充填率の差と、積層体用グリーンシートと第2カバー層用グリーンシートとの間の充填率の差が小さくなる。
これにより、グリーンシート積層工程後に焼成を行った場合に、第1カバー層用グリーンシートと積層体用グリーンシートとの間で収縮の度合いの差が小さくなるとともに、積層体用グリーンシートと第2カバー層用グリーンシートとの間で収縮の度合いの差が小さくなる。このため、第1カバー層と積層体と第2カバー層とが積層された積層電子部品において、焼成後の反りを抑制することができる。
また、本発明の積層電子部品において、積層電子部品は、積層体、第1カバー層、および第2カバー層を積層方向に沿って貫通する複数のビア導体を有するビアアレイ型積層セラミックコンデンサであるようにするとよい。
ビアアレイ型積層セラミックコンデンサは、直方体状に形成されることが多く、さらに、積層方向の長さ(コンデンサの厚さ)に対して、積層方向に直交する矩形状平面の短辺長さが大きい形状(すなわち、平板状)に形成されることが多い。つまり、ビアアレイ型積層セラミックコンデンサは焼成後の反りが発生し易い。このため、ビアアレイ型積層セラミックコンデンサに本発明を適用すると、反りの発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明の積層電子部品において、セラミック粒子は、チタン酸バリウムを主成分とするようにするとよい。チタン酸バリウムは、高誘電率を有するセラミック材料であるとともに成膜も比較的容易であるため、本発明のように、複数のセラミック層と複数の内部電極層とを交互に積層して構成される積層体を有する積層電子部品を製造するための材料として好適である。
また、上記目的を達成するためになされた本発明は、複数のセラミック層と複数の内部電極層とを交互に積層して構成される積層体と、積層体の積層方向における積層体の下面に、この下面を覆うように積層されるセラミック層である第1カバー層と、積層体の積層方向における積層体の上面に、この上面を覆うように積層されるセラミック層である第2カバー層とを備える積層電子部品の製造方法であって、内部電極層となる内部導体パターンが印刷され、焼成後に積層体を構成する積層体用グリーンシートを複数形成する工程と、第1カバー層を構成するためのグリーンシートである第1カバー層用グリーンシートと、第2カバー層を構成するためのグリーンシートである第2カバー層用グリーンシートを形成する工程と、第1カバー層用グリーンシート上に複数の積層体用グリーンシートを積層し、さらに、積層体用グリーンシート上に第2カバー層用グリーンシートを積層する工程とを有し、第1カバー層用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径は、積層体用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径よりも大きく、第2カバー層用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径は、積層体用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする積層電子部品の製造方法である。
この製造方法は、本発明の積層電子部品を製造する方法であり、当該方法を実行することで、本発明の積層電子部品と同様の効果を得ることができる。
また、本発明の製造方法において、積層電子部品は、積層体、第1カバー層、および第2カバー層を積層方向に沿って貫通する複数のビア導体を有するビアアレイ型積層セラミックコンデンサであって、第2カバー層用グリーンシートを積層する工程の後に、積層体、第1カバー層、および第2カバー層を積層方向に沿って貫通するビアホールを形成する工程と、焼成後にビア導体となるビアペーストをビアホールに充填する工程とを含むようにしてもよい。
この製造方法は、本発明のビアアレイ型積層セラミックコンデンサを製造する方法であり、当該方法を実行することで、本発明のビアアレイ型積層セラミックコンデンサと同様の効果を得ることができる。
積層電子部品1の斜視図および断面図である。 積層電子部品1の一部分を示す分解斜視図である。 反り量の測定位置を示す積層電子部品1の平面図である。
以下に本発明の実施形態を図面とともに説明する。
[積層電子部品1の構成]
図1(a)は本発明が適用された積層電子部品1の斜視図、図1(b)は図1のA−A断面部を示す図である。
積層電子部品1は、図1(a)に示すように、直方体状のビアアレイ型積層セラミックコンデンサであり、図1(b)に示すように、積層体2とカバー層3,4とビア導体5,6と表面電極7,8とから構成される。
積層体2は、例えばチタン酸バリウム等の誘電体セラミックを材料とする誘電体層(以下、セラミック層ともいう)21を介して第1内部電極層22と第2内部電極層23とが一部対向しない状態で積層方向SDに沿って交互に積層された構造を有している。なお図1(b)では、図示簡略化のために内部電極層22,23をそれぞれ5層程度交互に積み重ねたものを示しているが、実際には、内部電極層22,23をそれぞれ数十から数百層交互に積み重ねて積層体2が形成される。
カバー層3,4は、セラミック層21と同様に例えばチタン酸バリウム等の誘電体セラミックを材料とする誘電体層(セラミック層)である。積層体2の下面にカバー層3が積層されるとともに、積層体2の上面にカバー層4が積層され、これにより積層体2内の内部電極層22,23が湿気等から保護される。
ビア導体5は、積層された複数の内部電極層22を互いに電気的に接続するために積層体2とカバー層3,4を積層方向SDに沿って貫通する導体である。またビア導体6は、積層された複数の内部電極層23を互いに電気的に接続するために積層体2とカバー層3,4を積層方向SDに沿って貫通する導体である。そして、複数のビア導体5,6が、積層方向SDに直交する面に沿って、ビア導体5とビア導体6とが交互に配置されるようにして二次元格子状に配列されている。
表面電極7は、複数のビア導体5,6毎に設けられており、カバー層3の表面上において、ビア導体5,6の一端部に配置されている。また表面電極8は、複数のビア導体5,6毎に設けられており、カバー層4の表面上において、ビア導体5,6の他端部に配置されている。したがって表面電極7,8は、カバー層3,4の表面に沿って二次元格子状に配列されている(図1(a)を参照)。
このように構成された積層電子部品1は、表面電極7,8を介して、第1内部電極層22と第2内部電極層23との間にそれぞれ異なる大きさの電圧を印加することができる。これにより積層電子部品1は、内部電極層22,23の間に誘電体層21が挟まれてなる複数のコンデンサとして機能する。
[積層電子部品1の製造工程]
次に、本発明が適用された積層電子部品1の製造方法について説明する。図2は、積層電子部品1の製造工程を説明するために積層電子部品1の一部分を示す分解斜視図である。
(1)スラリーの調製
まず、チタン酸バリウム粉末と、MgO,CaO,SiO2,MnO2,Y23などが混合されている誘電体セラミック粒子粉末と、分散剤と、可塑剤とを、エタノールおよびトルエンの混合溶媒中で湿式混合した。その後、ブチラール系バインダを添加して更に混合することにより、グリーンシート用スラリーを調製した。
そして、セラミック層21を構成するグリーンシート用のスラリーには、平均粒径が0.25μmのチタン酸バリウム粉末が混合されている。また、カバー層3を構成するグリーンシート用のスラリーには、平均粒径が0.6μmのチタン酸バリウム粉末が混合されている。また、カバー層4を構成するグリーンシート用のスラリーには、平均粒径が0.1μmのチタン酸バリウム粉末が混合されている。
なお本実施形態において、チタン酸バリウム粉末の平均粒径は以下の方法で算出された値を採用している。まず、スラリーを乾燥させた後に、走査電子顕微鏡(SEM)を用いて、チタン酸バリウム粉末が300個程度入る視野でスラリーを撮影し、画像解析により、撮影された各チタン酸バリウム粉末の面積を算出する。そして、この面積の円相当径を粒径とし、撮影された各チタン酸バリウム粉末の粒径の平均値を平均粒径とした。
(2)グリーンシートの形成
調製したグリーンシート用スラリーを、ドクターブレード法などの汎用の方法により、所望の厚さとなるように塗工した。具体的には、セラミック層21用のグリーンシート(以下、セラミック層用グリーンシートという)は厚みが約5μm(焼成後の厚み約3μm)となるように、カバー層3,4用のグリーンシートは厚みが約30μm(焼成後の厚み約20μm)となるように、グリーンシートをシート状に形成した。
(3)内部電極用ペーストの調製
導電性粒子(平均粒径0.2μmのニッケル粉末)と共材粉末(平均粒径0.1μm(レーザ回折散乱法で測定)のチタン酸バリウム粉末)と有機ビヒクル成分とを、体積割合12%:3%:85%で湿式混合して、内部電極用ペースト(粘度は約11Pa・s)を得た。なお有機ビヒクルは、セルロース系樹脂と有機溶剤(テルピネオール、ブチルカルビトール系溶剤)とからなる。また本実施形態において、共材とは、グリーンシートを構成する材料と共通の成分を含む材料である。
(4)ビア導体用ペーストの調製
導電性粒子(平均粒径2.5μmのニッケル粉末)と共材粉末(平均粒径0.5μmのチタン酸バリウム粉末)と有機ビヒクル成分とを、体積割合40%:16%:44%で湿式混合して、ビア導体用ペースト(粘度は約2500Pa・s)を得た。
(5)表面電極用ペーストの作製
走査電子顕微鏡(SEM)で測定された粒径が0.4〜10.0μmのニッケル粉末と所定量の共材粉末を含んでいる表面電極用ペーストを作製する。共材には、チタン酸バリウム粉末と、チタン酸バリウムを主材とする誘電体磁器組成物(MgO,CaO,SiO2,MnO2,Y23等の希土類を主に含んでいる)の粉末を使用した。
表面電極用ペーストは、80.0質量%の無機固形分と20.0質量%の有機ビヒクルとを含んでいる。無機固形分とは、ニッケル粉末と共材粉末とを指している。有機ビヒクルは、セルロース系樹脂と、有機溶剤(テルピネオール、ブチルカルビトール系溶剤)とからなる。
なお表面電極用ペーストは、三本ロールで混練することにより、印刷時の粘度が約100Pa・sとなるように調整される。
(6)未焼成積層体形成工程
上記(1)で得られたセラミック層21用グリーンシートの表面に、上記(3)で得られた内部電極用ペーストをスクリーン印刷により印刷した。なお、積層体2におけるクリアランスホールの口径は約400μmとした。
その後、図2に示すように、カバー層3用のグリーンシート31(以下、第1カバー層用グリーンシート31という)を3枚積層した後に、3枚積層後のグリーンシート31上に、印刷済みのセラミック層用グリーンシート32を1枚ずつ積み重ねて圧着(70℃、30Mpa)することにより、数十から数百枚のセラミック層用グリーンシート32を積層する。
さらに、数十から数百枚積層されたセラミック層用グリーンシート32上にカバー層4用のグリーンシート33(以下、第2カバー層用グリーンシート33という)を3枚積層して未焼成積層体(グリーンボディ)を得た。
(7)ビアホール形成工程
上記(6)で得られた未焼成積層体に、レーザ成形機を用いて、口径約120μmのビアホールを450〜700μmピッチで穿孔した。
(8)未焼成ビア導体形成工程
上記(7)で得られた未焼成積層体のビアホール内に、上記(4)で得られたビア導体用ペーストをスクリーン印刷により充填して、未焼成ビア電極を形成した。
(9)高圧圧着工程
上記(8)で得られた積層体を圧着(80℃、100PMa)した。
(10)未焼成表面電極形成工程
上記(9)で得られた未焼成積層体をスクリーン印刷装置にセットし、メッシュマスクを、未焼成積層体の上に重ね合わせるようにして配置する。このメッシュマスクは、表面電極を形成すべき箇所にメッシュ部が形成されている。そして、メッシュマスクの上面に、上記(5)で得られた表面電極用ペーストを供給し、スキージの移動によって表面電極用ペーストを刷り込む。これにより、メッシュ部に表面電極パターンが形成される。その後、メッシュマスクを未焼成積層体から引き離すとともに、未焼成積層体をスクリーン印刷装置から取り外し、取り外した未焼成積層体を乾燥することにより、表面電極パターンをある程度固化させる。
(11)焼成工程
上記(10)で得られた未焼成積層体を、大気中300℃で15時間脱脂した後、還元雰囲気中1300℃で焼成することにより、焼成積層体を得た。その後、焼成積層体を個片に分割して、100個のビアアレイ型積層セラミックコンデンサを得た。
[反り量測定]
次に、本実施形態の積層電子部品1が奏する効果を確認するために行われた反り量測定について説明する。図3は、反り量の測定位置を説明するための積層電子部品1の平面図である。
なお、この反り量測定では、上記(1)〜(11)の製造工程で得られた焼成積層体を実施例1とした。
一方、セラミック層21およびカバー層3,4を構成するグリーンシート用のスラリーに平均粒径が0.25μmのチタン酸バリウム粉末が混合されている点以外は上記(1)〜(11)と同じ製造工程で製造された焼成積層体を従来例1とした。
以下に、本実施形態における反り量測定方法を示す。まず、上記(11)で得られた焼成積層体を、外形寸法10×5mm□の個片に分割し、各個片の反り量を測定した。詳しくは、各個片につき、図3に示すように、縦横2.2mm間隔で15点(3行×5列)の測定箇所MPの高さをレーザで測定し、個片の傾きによる影響をなくすために、最小二乗法により決定された仮想平面に垂直な方向において最下点から最上点までの距離を反り量と定義した。
次に、このような定義のもとで行われた実施例1および従来例1の測定結果を表1および表2に示す。なお、100個全ての個片の反り量が50μm未満の試料を「合格」、100個全ての個片の反り量が30μm未満の試料を「特に優れる」と判定した。
実施例1では、表1に示すように、100個全ての個片で反り量が30μm未満であり、「特に優れる」と判定された。
一方、従来例1では、表2に示すように、多くの個片で反り量が50μm以上であり、「不合格」と判定された。
このように構成された積層電子部品1は、複数のセラミック層21と複数の内部電極層22,23とを交互に積層して構成される積層体2と、積層体2の積層方向SDにおける積層体2の下面に、この下面を覆うように積層されるカバー層3と、積層体2の積層方向SDにおける積層体2の上面に、この上面を覆うように積層されるカバー層4とを備え、カバー層3を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径は積層体2を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径よりも大きく、カバー層4を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径は、積層体2を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径よりも小さい。
このように構成された積層電子部品1は、内部電極層22,23となる内部導体パターンが印刷され、焼成後に積層体2を構成するセラミック層用グリーンシート32を複数形成する工程と、カバー層3を構成するための第1カバー層用グリーンシート31と、カバー層4を構成するための第2カバー層用グリーンシート33を形成する工程と、その後、第1カバー層用グリーンシート31上にセラミック層用グリーンシート32を1枚ずつ積み重ねて圧着することにより複数のセラミック層用グリーンシート32を積層する工程と、さらに、セラミック層用グリーンシート32上に第2カバー層用グリーンシート33を積み重ねて圧着することにより第2カバー層用グリーンシート33を積層する工程とにより製造することができる。
また、積層電子部品1では、カバー層3を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径は、積層体2を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径よりも大きく、積層体2を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径は、カバー層4を構成するチタン酸バリウム粉末の粒径よりも大きい。
すなわち、カバー層3を構成するチタン酸バリウム粉末間の隙間は、積層体2を構成するチタン酸バリウム粉末間の隙間よりも広く、積層体を構成するチタン酸バリウム粉末間の隙間は、カバー層4を構成するチタン酸バリウム粉末間の隙間よりも広い。
したがって、グリーンシートを積層する工程(以下、グリーンシート積層工程という)を行う前において、第1カバー層用グリーンシート31を構成するチタン酸バリウム粉末が第1カバー層用グリーンシート31内に充填されている割合(以下、第1カバー層用グリーンシートの充填率という)は、セラミック層用グリーンシート32を構成するチタン酸バリウム粉末がセラミック層用グリーンシート32内に充填されている割合(以下、積層体用グリーンシートの充填率という)よりも低い。また、グリーンシート積層工程を行う前において、セラミック層用グリーンシート32の充填率は、第2カバー層用グリーンシート33を構成するチタン酸バリウム粉末が第2カバー層用グリーンシート33内に充填されている割合(以下、第2カバー層用グリーンシートの充填率という)よりも低い。
そして、積層電子部品1を上記の工程を用いて製造すると、第1カバー層用グリーンシート31はセラミック層用グリーンシート32よりも加圧回数が多くなるとともに、セラミック層用グリーンシート32は第2カバー層用グリーンシート33よりも加圧回数が多くなる。また、加圧回数が多くなるほど、グリーンシートの充填率が高くなる。
このため、グリーンシート積層工程後には、グリーンシート積層工程の前と比較して、第1カバー層用グリーンシート31とセラミック層用グリーンシート32との間の充填率の差と、セラミック層用グリーンシート32と第2カバー層用グリーンシート33との間の充填率の差が小さくなる。
これにより、グリーンシート積層工程後に焼成を行った場合に、第1カバー層用グリーンシート31とセラミック層用グリーンシート32との間で収縮の度合いの差が小さくなるとともに、セラミック層用グリーンシート32と第2カバー層用グリーンシート33との間で収縮の度合いの差が小さくなる。このため、カバー層3と積層体2とカバー層4とが積層された積層電子部品1において、焼成後の反りを抑制することができる。
以上説明した実施形態において、カバー層3は本発明における第1カバー層、カバー層4は本発明における第2カバー層、チタン酸バリウム粉末は本発明におけるセラミック粒子、セラミック層用グリーンシート32は本発明における積層体用グリーンシートである。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態では、本発明をビアアレイ型積層セラミックコンデンサに適用したものを示したが、セラミック層と内部電極層とを交互に積層して構成される積層電子部品であればよく、例えば、チップインダクタ、チップ抵抗、セラミックフィルタ等に本発明を適用するようにしてもよい。
1…積層電子部品、2…積層体、3,4…カバー層、5,6…ビア導体、7,8…表面電極、21…セラミック層、22…第1内部電極層、23…第2内部電極層、31…第1カバー層用グリーンシート、32…セラミック層用グリーンシート、33…第2カバー層用グリーンシート

Claims (5)

  1. 複数のセラミック層と複数の内部電極層とを交互に積層して構成される積層体と、
    前記積層体の積層方向における前記積層体の下面に、この下面を覆うように積層されるセラミック層である第1カバー層と、
    前記積層体の積層方向における前記積層体の上面に、この上面を覆うように積層されるセラミック層である第2カバー層と
    を備える積層電子部品であって、
    前記第1カバー層を構成するセラミック粒子の粒径は、前記積層体を構成するセラミック粒子の粒径よりも大きく、
    前記第2カバー層を構成するセラミック粒子の粒径は、前記積層体を構成するセラミック粒子の粒径よりも小さい
    ことを特徴とする積層電子部品。
  2. 前記積層電子部品は、前記積層体、前記第1カバー層、および前記第2カバー層を前記積層方向に沿って貫通する複数のビア導体を有するビアアレイ型積層セラミックコンデンサである
    ことを特徴とする請求項1に記載の積層電子部品。
  3. 前記セラミック粒子は、チタン酸バリウムを主成分とする
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層電子部品。
  4. 複数のセラミック層と複数の内部電極層とを交互に積層して構成される積層体と、
    前記積層体の積層方向における前記積層体の下面に、この下面を覆うように積層されるセラミック層である第1カバー層と、
    前記積層体の積層方向における前記積層体の上面に、この上面を覆うように積層されるセラミック層である第2カバー層と
    を備える積層電子部品の製造方法であって、
    前記内部電極層となる内部導体パターンが印刷され、焼成後に前記積層体を構成する積層体用グリーンシートを複数形成する工程と、
    前記第1カバー層を構成するためのグリーンシートである第1カバー層用グリーンシートと、前記第2カバー層を構成するためのグリーンシートである第2カバー層用グリーンシートを形成する工程と、
    前記第1カバー層用グリーンシート上に複数の前記積層体用グリーンシートを積層し、さらに、前記積層体用グリーンシート上に前記第2カバー層用グリーンシートを積層する工程とを有し、
    前記第1カバー層用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径は、前記積層体用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径よりも大きく、
    前記第2カバー層用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径は、前記積層体用グリーンシートを構成するセラミック粒子の粒径よりも小さい
    ことを特徴とする積層電子部品の製造方法。
  5. 前記積層電子部品は、前記積層体、前記第1カバー層、および前記第2カバー層を前記積層方向に沿って貫通する複数のビア導体を有するビアアレイ型積層セラミックコンデンサであって、
    前記第2カバー層用グリーンシートを積層する工程の後に、前記積層体、前記第1カバー層、および前記第2カバー層を前記積層方向に沿って貫通するビアホールを形成する工程と、
    焼成後に前記ビア導体となるビアペーストを前記ビアホールに充填する工程とを含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の積層電子部品の製造方法。
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