JP2013132395A - 遊技機用の識別ラベルおよびこれを用いた遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】識別ラベルは、赤外線を透過可能なフィルム部102と、このフィルム部の裏側に設けられた接着部104と、フィルム部102と接着部104との間に形成された識別部106とを備えている。識別部106は、照射された赤外線を受けて赤外線を発する識別材を有している。識別ラベルは、接着部104を貼り付けてパチンコ機の構成部材に取り付けられ、フィルム部102側から専用の検査装置で赤外線を照射して識別材から発せられた赤外線に基づいて検査が行われる。
【選択図】図9
Description
赤外線を透過可能なフィルム部(102)と、
前記フィルム部(102)における一方の面に設けられた接着部(104)と、
前記フィルム部(102)および前記接着部(104)の少なくとも一方に付与され、照射された赤外線を受けて赤外線を発する識別材とを備え、
前記接着部(104)を貼り付けて遊技機(10)の構成部材(70)に取り付けられ、前記フィルム部(102)側から赤外線を照射して前記識別材から発せられた赤外線に基づいて検査が行われることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、フィルム部側から赤外線を照射することで、正規の識別ラベルであれば、識別材が赤外線領域で発光するのに対し、不正品に交換されていれば、基準を満たす赤外線は発せられない。すなわち、識別材によって発せられる赤外線を検査することで、赤外線を照射した識別ラベルが正規品であるか否かを簡単に確認できる。しかも、赤外線または赤外線以外の光線をあてても、人の目で識別可能な態様で識別材が発光しないので、不正行為対策を行っていること自体が気づかれ難く、不正行為者の偽造を困難にすることができる。
請求項2に係る発明によれば、保護層は、例えばドライヤなどの熱源によって遊技機の設置環境で加わるはずもない所定温度以上に加熱されると外観が変化するので、識別ラベルや該識別ラベルの周辺に対して不正行為が行われた痕跡が残る。すなわち、不正行為の有無を見た目によって簡単に確認することができ、また識別ラベルを加熱により剥がしたり、識別ラベルを取り付けた構成部材に加熱により孔を開けたりするなどの不正行為を困難にし得る。
請求項3に係る発明によれば、呈色材による呈色変化と保護層の変形とを異なる温度で起こるように設定することで、不正行為者の加熱による不正行為の痕跡を、より幅広い温度範囲で残すことが可能である。
請求項4に係る発明によれば、検査時に識別材から発せられる赤外線により形成される情報パターンによって、正規品であるか否かを判別することができる。しかも、識別材の付与パターンが複雑になるので、不正行為者の偽造を困難にすることができる。
請求項5に係る発明によれば、呈色材の呈色変化により形成される情報パターンによって、正規品であるか否かを判別することができる。しかも、呈色材の付与パターンが複雑になるので、不正行為者の偽造を困難にすることができる。
請求項6に係る発明によれば、ホログラムによって識別ラベルの偽造をより行い難くし得ると共に、識別ラベルを剥離した際にホログラムが壊れ易いので、剥がした識別ラベルの再利用を防止できる。
前記請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技機用の識別ラベル(100)によって封じられた前記構成部材としての基板ケース(70)を備えたことを要旨とする。
請求項7に係る発明によれば、より高度な不正防止対策が必要とされる基板ケースを、識別ラベルによって適切に保護し得る。
図1および図2に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤30(図1参照)が着脱可能に保持された本体枠としての中枠14が開閉および着脱可能に組み付けられている。中枠14の前面側には、遊技盤30を透視保護するガラス板17を備えた装飾枠としての前枠16が開閉可能に組み付けられると共に、前枠16の下方にパチンコ球を貯留する下球皿20が開閉可能に組み付けられる。そして、前枠16の下部には、下球皿20の上側に位置して、パチンコ球Sを貯留する上球皿21が組み付けられており、前枠16の開閉に合わせて上球皿21も一体的に開閉するよう構成される。また、中枠14には、下球皿20の右側に位置するように回動操作可能なハンドル部材22が配設されており(図1参照)、該ハンドル部材22の回動操作によって中枠14の下部に設けられた球発射装置(図示せず)により上球皿21に貯留したパチンコ球が遊技盤30の遊技領域に向けて打ち出されるようになっている。
前記遊技盤30には、遊技領域が前面に設けられるベニヤ板や透明なアクリル板からなる板状本体の後側に配設した裏ユニットとも呼ばれる設置部材32に、各種図柄を変動表示可能な図柄表示部を有する図柄表示装置34が配設されている(図2参照)。遊技盤30には、図柄表示装置34の図柄表示部に対応する位置に前後に開口する表示開口部(図示せず)が開設され、該表示開口部に所要の装飾を施したセンター役物とも称される装飾部材(図示せず)が臨むようになっている。また、遊技盤30の所要位置には、パチンコ球Sの入賞により図柄表示装置34の図柄を変動開始させる始動入賞装置や、大当りの発生時に開放する特別入賞装置(何れも図示せず)等が配設されている。
図3〜図7に示すように、主制御装置40は、パチンコ機10の全体を制御する主制御基板60を基板ケース70に収納して構成される。図7に示すように、主制御基板60は、長方形の板状体であって、所要の回路パターンが形成されると共に、半導体記憶装置(実施例ではCPUおよびRAMを内蔵した1チップ素子)62やICチップ64等の電子部品および複数のコネクタソケットが後面(実装面60a)に設置されている(図6では半導体記憶装置62とICチップ64のみ表示)。そして、コネクタソケットには、各種装置や他の制御装置46,48,50,52に接続する配線コネクタ(図示せず)が接続される。
図3〜図7に示すように、基板ケース70は、設置部材32側に配置されるベース部材72と、このベース部材72の後側に組付けられるカバー部材80とから基本的に構成され、ベース部材72とカバー部材80との間に画成される収納空間70aに主制御基板60が収納される。主制御基板60は、実装面60aをカバー部材80の後述する板状部81に対向させると共に、ROMソケット63やICチップ64等の電子部品の端子がハンダで固定される固定面60bをベース部材72の後述する板状部72aに対向させた姿勢で、基板ケース70の収納空間70aに収納されている(図5および図6参照)。また、基板ケース70は、収納空間70aに収納する主制御基板60の形状に合わせて長方形に形成され、長手を左右方向に延在させた姿勢で設置部材32の下部に着脱可能に取り付けられている(図2参照)。
前記ベース部材72は、透明な合成樹脂成形品であって、図6に示すように、主制御基板60の固定面60bに対向する長方形の板状部72aの上下および左の外周縁に、後方(カバー部材80側)へ向けて外壁部72bが立ち上がる略箱状に形成されている。ベース部材72には、上側の外壁部72bおよび下側の外壁部72bの内側に、所定間隔離間して夫々の外壁部72bと平行に内壁部72cが立設されて、上側の内外の壁部72b,72cの間および下側の内外の壁部72b,72cの間に、スライド溝73が夫々画成されている。また、ベース部材72では、右側の外周縁に内外の壁部72b,72cが形成されず、上下のスライド溝73,73の左端部が何れも開放している。
前記カバー部材80は、透明な合成樹脂成形品であって、図5〜図7に示すように、主制御基板60の実装面60aに対向する略長方形の板状部81の上下および左右の外周縁の夫々に、前方(ベース部材72側)へ向けて外壁部82が立ち上がる箱状に形成されている。カバー部材80の上下の外壁部82,82は、ベース部材72における上下のスライド溝73,73に夫々収容可能に設定されると共に、カバー部材80の左右の外壁部82,82は、ベース部材72の板状部72aの左右方向の幅寸法と略同一に設定されている。すなわち、基板ケース70では、ベース部材72の上下の外壁部72bの内側にカバー部材80の上下の外壁部82が臨む状態で、ベース部材72とカバー部材80とが組み付けられる。また、カバー部材80は、外壁部82に囲まれた内側に主制御基板60を収納して、該主制御基板60に挿通するピンやネジ等の固定部材により主制御基板60を保持するよう構成される(図6参照)。
前記基板ケース70の設置部材32への取付構造について簡単に説明する。基板ケース70は、ベース部材72における板状部72aの右側前面に設けられ、設置部材32の後面に設けた受部(図示せず)に引っ掛ける爪部72d(図4参照)と、カバー部材80における左側の外壁部82の上部に設けられ、設置部材32の後面に設けた位置決めピン(図示せず)が挿通される位置決め孔が形成された取付部94と、左側の外壁部82中央に設けた固定部95とを備えている。なお、固定部95には、ナイラッチ等の取着具96が装着されている(図3参照)。そして、基板ケース70は、設置部材32の受部に爪部72dを引っ掛けると共に、設置部材32の位置決めピンを取付部94の位置決め孔に挿入したもとで、固定部95に装着された取着具96を設置部材32に設けた図示しない保持孔に係合することで、設置部材32に対して着脱可能に組み付けられる。
図5および6に示すように、基板ケース70は、ベース部材72とカバー部材80とに跨るように貼り付けられた2枚の識別ラベル100,100によって2箇所で封じられている。すなわち、より高度な不正防止対策が必要とされる基板ケース70を、識別ラベル100によって適切に保護することができる。実施例の基板ケース70では、該基板ケース70の上面略中央部において、ベース部材72における上側の外壁部72bおよびカバー部材80における上側の外壁部82に跨って第1の識別ラベル100が取り付けられると共に、該基板ケースの左側面において左方に突出する連結部77,91に跨って第2の識別ラベル100が取り付けられている。識別ラベル100は、取り付け箇所に合わせた形状とされたシート状物であって、実施例では矩形状に形成されている。複数の識別ラベル100によって基板ケース70等の構成部材を封じる場合、識別ラベル100の層構造および該層構造に由来する情報パターンが同じのものを用いても、該層構造および情報パターンが異なるものを用いてもよく、実施例では、同じ層構造および情報パターンを有する第1および第2識別ラベル100を採用しているので、以下にまとめて説明する。
前記フィルム部102は、透明な合成樹脂製の薄いシート状物であって、可撓性を有している。フィルム部102としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からなるポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等からなるポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられる。これらのフィルムは、一軸または二軸方向に延伸加工が施されたものであっても、延伸加工が施されていない未延伸のものの何れであってもよい。また、フィルム部102は、1層(実施例)または2層以上の複層で構成され、例えば2層以上で構成する場合は、同じ材質の層を重ね合わせても、異なる材質の層を重ね合わせてもよい。更に、フィルム部102は、表面処理を施したり、適宜の添加剤を加えることなどにより、帯電防止やその他の機能を有するものを採用できる。
前記接着部104としては、例えば、フェノール系樹脂、フラン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂またはその他の熱硬化性樹脂や、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミドまたはその他の熱可塑性樹脂や、ゴム系やデンプンなどの1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。また、接着部104は、常温固化型、溶剤揮発固化型、紫外線などの光線により固化する光硬化型、熱により硬化する熱硬化型の何れであってもよいが、加熱手段などの機器を用いることなく常温で接着可能なアクリル系等の粘着剤を採用するのが好ましい。
前記識別部106は、フィルム部102の裏面に付与された識別材を有し、赤外線の照射を受けて、目視できない赤外線波長域で発光(赤外線を発する)ようになっている。以下の説明において、識別部106に外部から照射される赤外線を「入射赤外線」といい、入射赤外線によって識別部106から発せられる赤外線を「励起赤外線」という。実施例の識別部106は、所定波長域の入射赤外線によって励起されて入射赤外線と異なる特定波長域で発光するよう構成され、例えば識別部106は、800nmの入射赤外線に励起されて、1000nmの励起赤外線を発するようになっている。識別材としては、ZnSを母体とし、Nd等の発光中心をド−プした蛍光体や、WO4、P4O12、Mo4O16等の酸化物にNd等をド−プした蛍光体や、Ndの一部をY、Sc、La、Ce等で置換した蛍光体等が用いられる。なお、識別部106は、蛍光体からなる識別材を付着させるバインダとして、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の樹脂を含んでいてもよく、このバインダは赤外線の透過を妨げるものではない。識別部106は、無色透明あるいは付与対象となるフィルム部102と同色とされて、識別ラベル100の外観に影響を与えないよう構成するのが望ましい。実施例では、識別部106が無色透明であって、識別ラベル100において識別部106が形成されている部位と識別部106が形成されていない部位との見分けが付かないようになっている。なお、識別部106は、入射赤外線が照射されると当該入射赤外線を反射や吸収等して、入射赤外線と異なる波長域の励起赤外線を返す構成であってもよい。識別ラベル100は、識別部106の表側に配置されたフィルム部102等が、表側から識別部106に照射される入射赤外線および識別部106で発光される励起赤外線の何れも変調することなく透過可能に構成される。
前記保護層108は、識別部106が形成されたフィルム部102を保護する層であり、フィルム部102と同様の合成樹脂で構成することができる。また、保護層108は、パチンコ機10の設置環境での温度よりも高い所定温度で外観が変化するよう構成されている。なお、「外観の変化」とは、保護層108における全部または一部の色彩の変化や、保護層108の収縮や展延や穴あきなどによる形状の変化等、目視により確認できる変化を指す。実施例の識別ラベル100では、前記所定温度よりも高い温度域で呈色する呈色材がフィルム部102と保護層108との間に付与されて呈色部109が形成されると共に、保護層108が前記所定温度よりも高い温度域で変形するよう構成されている。そして、呈色部109(呈色材)が呈色変化する温度(呈色温度)と、保護層108が変形する温度(変形温度)とが異なるように設定され、パチンコ機10の通常の設置環境において加わない温度が識別ラベル100または該識別ラベル100の周辺に付加された際に、呈色部109の呈色変化と保護層108の変形とが段階的に生じるようになっている。ここで、実施例では、保護層108が変形する温度域よりも呈色部109の呈色変化が低い温度域で起こるように設定され、見た目で判り易い変化を先に行わせ、不正行為の継続をためらわせるようになっている。呈色温度および変形温度は、ハンダゴテやドライヤ等の加熱手段によって加熱された場合を想定して例えば100℃以上に設定され、ホールなどでのパチンコ機の設置時だけでなく、パチンコ機の保管や搬送時などの通常使用時の環境で想定される温度変動の範囲(例えば40℃以下)において外観が変化しないようになっている。
前記呈色部109は、パチンコ機10の設置環境の温度よりも高い呈色温度の加熱により呈色するよう構成されており、この呈色部109の色彩の変化によって、識別ラベル100に不正な熱が加えられたか否かを目視により確認できるようになっている。ここで、呈色とは、加熱によって色が表れる発色や、加熱によって加熱前の色から他の色に変わる変色や、加熱によって加熱前の色が消える変色や、加熱によって加熱前と同じ色であっても色が濃くなったり薄くなったりする変色等、目視によって確認できる色彩の変化が起こることをいう。識別ラベル100は、呈色材を付与する領域と付与しない領域とを設けることで、複数の呈色部109が適宜のパターンで形成されている。すなわち、呈色材を全体に付与して識別ラベル全域を呈色部109としてもよいが、実施例では、複数の呈色部109の配置によって情報パターンを形成している。なお、呈色部109により形成される情報パターン(特に区別する場合は呈色情報パターンという)としては、文字、模様、図形、線や点等の配列などを選択することができる。図8に示すように、実施例の識別ラベル100は、該識別ラベル100の長手方向に亘って延在する2条の呈色部109,109を備え、両呈色部109,109は短手方向の両縁に形成されている。すなわち、識別ラベル100には、不正な温度が加えられた際に、該識別ラベル100の両縁に2条の色の変化が表れる呈色情報パターンが形成されている。なお、実施例の識別ラベル100では、識別部106と呈色部109との一部領域が厚み方向で重なるように配置されている。
前記ホログラム110は、可視光またはレーザー光により立体的な画像が表れるものであって、識別ラベル110の中央部に長手方向に離間して2つのホログラム110,110が識別部106と重ならないように形成されている。ホログラム110としては、平面ホログラムおよび体積ホログラムの何れも使用でき、具体例としては、レリーフホログラム、リップマンホログラム、フルネルホログラム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホログラム、レーザー再生ホログラム、白色光再生ホログラム、カラーホログラム、コンピュータホログラム、ホログラムディスプレイ、マルチプレックスホログラム、ホログラフィックステレオグラム、ホログラフィック回折格子などを採用可能である。実施例のホログラム110は、可視光によって画像が現れるものが好適であり、ホログラムの画像としては、文字、模様、図形、線や点等の配列などを選択することができる。なお、レインボーホログラム等の、金属箔などの反射層によって反射された光で画像を再生するものは、光の回折を起こす回折格子層の裏側に形成される反射層を含めてホログラム110という。
次に、識別ラベル100の適否を検査する検査装置120について説明する。図10および図11に示すように、検査装置120は、識別ラベル100に対して入射赤外線を照射する照射部122と、識別ラベル100の識別部106が発する励起赤外線を検知する検知部124と、この検知部124で検知された励起赤外線を予め設定された照合基準と照合する照合部126と、この照合部126の照合結果に基づいて所定の情報を外部に報知する報知部128とを備えている。また、検査装置120は、検査者が指先操作可能な操作部130を備え、この操作部130の操作によって照射部122による入射赤外線の照射または照射停止を操作し得るようになっている。なお、検査装置120では、識別ラベル100の表側(フィルム部102)から入射赤外線を照射して、識別ラベル100の識別部106から発せられた励起赤外線に基づいて検査が行われる。検査装置120は、ハウジング120aに収納された電池(図示せず)の電力によって、照射部122、検知部124、照合部126および報知部128を作動している。
前記識別ラベル100は、メーカー以外の設備が整っていない環境(例えばホール等)では識別ラベル100と同じものを製作することが難しく、識別ラベル100の複製は容易ではない。しかも、識別ラベル100に形成されたホログラム110は、高度な設備および技術を有する専門メーカーでしか形成することが困難であるので、識別ラベル100の複製をより難しくすることができる。また、識別ラベル100は、単一の構成ではなく、フィルム部102、保護層108、呈色部109、識別部106、ホログラム110および接着部104を組み合わせた複層構造であるので、識別ラベル100を複製することが一層行い難くなっている。そして、基板ケース70等の構成部材において外側から目視できる位置に識別ラベル100を取り付ければ、不正行為に対する牽制となる。
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限らず、種々の変更が可能である。
(1)実施例では、識別ラベルが設けられる構成部材として制御装置の基板ケースを例に挙げたが、パチンコ機を構成する構成部材の何れに識別ラベルを取り付けてもよい。例えば主制御基板以外の統括制御基板や払出制御基板などの制御基板自体や該制御基板を収納した基板ケース、あるいは払出制御装置や入賞装置等のパチンコ球の払い出しに関係する装置など、不正行為者によって取り換え等の不正な攻撃を受ける可能性がある構成部材に識別ラベルを取り付けると特に有効である。なお、基板ケースに収納された主制御基板に識別ラベルを貼り付けて、基板ケースの外側から検査装置で検査を行うのであれば、識別ラベルに対向するベース部材またはカバー部材が赤外線を透過可能に構成される。
(2)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
図12(a)に示す変更例1の識別ラベル141は、フィルム部102と、このフィルム部102の裏側に形成された接着部104と、フィルム部102および接着部104の間に層状に付与された識別部106とから構成されている。
図12(b)に示す変更例2の識別ラベル142は、フィルム部102と、このフィルム部102の裏側に形成された接着部104と、フィルム部102の内部に層状に付与された識別部106とから構成されている。なお、フィルム部102は、識別部106を挟んだ複層構造であってもよい。
図12(c)に示す変更例3の識別ラベル143は、フィルム部102と、このフィルム部102の裏側に形成された接着部104と、フィルム部102を構成する合成樹脂中に分散された識別材とから構成されている。すなわち、変更例3では、フィルム部102が識別部としても機能する。
図12(d)に示す変更例4の識別ラベル144は、フィルム部102と、このフィルム部102の裏側に形成された接着部104と、この接着部104を構成する合成樹脂中に分散された識別材とから構成されている。すなわち、変更例4では、接着部104が識別部としても機能する。
(7)フィルム部102と接着部104との間や、その他の層間の一部領域または全部領域に弱接着層を設けることで、識別ラベルを剥離しようとした際に、弱接着層で層が剥離して識別ラベルが層間で壊れる構成であってもよい。
(9)呈色部109による呈色情報パターンは、実施例の構成に限定されず、文字、一次元あるいは二次元コード、または模様等の所定のパターンで設けることができる。
(11)検査装置は、内蔵された電池の残量を確認できるようにしてもよい。図15に示すように、変更例の検査装置150は、ハウジング120aに収納された電池154の電力によって、照射部122、検知部124、照合部126、報知部128およびライト152を作動している。そして、検査装置150は、ハウジング120aに設けられた確認ボタン156をON操作することで、電池154の残量を表示し得る残量表示部158を備えている。残量表示部158は、LEDなどの発光体による発光によって電池154の残量を表している。例えば残量表示部158は、電池154が十分ある場合は青で発光して、電池154の残りが少なくなると赤で発光する態様や、電池154が十分ある場合は点灯し、電池154の残りが少なくなると点滅する態様などで電池154の残量を表す。なお、確認ボタン156を操作しない限り、残量表示部158は作動しないようになっている。
(12)残量表示部として、報知手段128を用いてもよい。例えば確認ボタン156をON操作した際の報知手段128の発光手段128aの発光態様によって電池154の残量を表したり、確認ボタン156をON操作した際に報知手段128の音出力手段128bによって出力される音で電池154の残量を表してもよい。
70 基板ケース(構成部材)
100 識別ラベル
102 フィルム部
104 接着部
108 保護層
110 ホログラム
Claims (7)
- 赤外線を透過可能なフィルム部と、
前記フィルム部における一方の面に設けられた接着部と、
前記フィルム部および前記接着部の少なくとも一方に付与され、照射された赤外線を受けて赤外線を発する識別材とを備え、
前記接着部を貼り付けて遊技機の構成部材に取り付けられ、前記フィルム部側から赤外線を照射して前記識別材から発せられた赤外線に基づいて検査が行われる
ことを特徴とする遊技機用の識別ラベル。 - 前記識別材は、合成樹脂製の前記フィルム部からなる保護層または該フィルム部とは別の合成樹脂からなる保護層で覆われ、該保護層は、遊技機の設置環境での温度よりも高い所定温度で外観が変化するよう構成された請求項1記載の遊技機用の識別ラベル。
- 前記保護層は、前記所定温度よりも高い温度域で呈色する呈色材が付与されると共に、前記所定温度よりも高い温度域で変形するよう構成され、該呈色材が呈色変化する温度と該保護層が変形する温度とが異なるように設定された請求項2記載の遊技機用の識別ラベル。
- 前記識別材が、該識別材から発せられる赤外線により情報パターンを形成するように付与された請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機用の識別ラベル。
- 前記呈色材が、該呈色材の呈色変化により情報パターンを形成するように付与された請求項3記載の遊技機用の識別ラベル。
- 前記フィルム部と前記接着部との間にホログラムを備え、該ホログラムの全部または一部は、該フィルム部側への接合力よりも該接着部側に強く接合される請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技機用の識別ラベル。
- 前記請求項1〜6の何れか一項に記載の遊技機用の識別ラベルによって封じられた前記構成部材としての基板ケースを備えた
ことを特徴とする遊技機。
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JP2011284403A Active JP5718804B2 (ja) | 2011-12-26 | 2011-12-26 | 遊技機用の識別ラベルおよびこれを用いた遊技機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015047310A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 株式会社ニューギン | 遊技機 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09253279A (ja) * | 1996-03-25 | 1997-09-30 | Sankyo Kk | 遊技機の基板収納ボックス |
JP2000029391A (ja) * | 1998-07-14 | 2000-01-28 | Kobayashi Kirokushi Co Ltd | 真贋判別用ラベル、これを貼付したromおよびromの真贋判別方法 |
JP2008185674A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用icラベル |
-
2011
- 2011-12-26 JP JP2011284403A patent/JP5718804B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09253279A (ja) * | 1996-03-25 | 1997-09-30 | Sankyo Kk | 遊技機の基板収納ボックス |
JP2000029391A (ja) * | 1998-07-14 | 2000-01-28 | Kobayashi Kirokushi Co Ltd | 真贋判別用ラベル、これを貼付したromおよびromの真贋判別方法 |
JP2008185674A (ja) * | 2007-01-29 | 2008-08-14 | Toppan Printing Co Ltd | 偽造防止用icラベル |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015047310A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 株式会社ニューギン | 遊技機 |
JP2017225555A (ja) * | 2016-06-21 | 2017-12-28 | 株式会社サンセイアールアンドディ | 遊技機 |
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