JP2013127680A - 線形系係数推定方法、集積回路、タッチパネル装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ノイズ耐性の高い線形系係数推定方法を提供する。
【解決手段】線形系係数推定方法は、静電容量の線形和信号に重畳したノイズを、ノイズ除去分部4により線形和信号の振幅検出及び位相検出に基づいて除去するノイズ除去工程と、ノイズ除去工程によりノイズを除去された線形和信号に基づく信号と、N個のM次元ベクトルとの内積演算により静電容量の値を推定する推定工程とを包含する。
【選択図】図1
【解決手段】線形系係数推定方法は、静電容量の線形和信号に重畳したノイズを、ノイズ除去分部4により線形和信号の振幅検出及び位相検出に基づいて除去するノイズ除去工程と、ノイズ除去工程によりノイズを除去された線形和信号に基づく信号と、N個のM次元ベクトルとの内積演算により静電容量の値を推定する推定工程とを包含する。
【選択図】図1
Description
本発明は、N個のM次元ベクトルにより、M個の対象係数を並列駆動して対象係数のN個の線形和を得て、対象係数のN個の線形和信号とM個のN次元ベクトルとの内積演算によりM個の対象係数の値を推定する線形系係数推定方法、並びにこれを使用する集積回路、タッチパネル装置、及び電子機器に関する。
マトリックス状に分布した静電容量値を検出する装置、例えば、M本のドライブラインとN本のセンスラインとの間に形成される静電容量行列の静電容量値の分布を検出する容量検出装置が、特許文献1に開示されている。この容量検出装置は、指やペンでタッチパネルに触れると、触れられた静電容量の容量値が小さくなるので、小さくなった容量値の変化を検出して、指やペンのタッチを検出する。
図9は、従来のタッチパネル装置91の構成を示すブロック図である。図10は、タッチパネル装置91の動作を説明するための数式を示す図である。
タッチパネルシステム91は、タッチパネル92を備えている。タッチパネル92は、ドライブラインDL1〜DL4と、センスラインSL1〜SL4と、ドライブラインDL1〜DL4とセンスラインSL1〜SL4とが交差する位置に配置された静電容量C11〜C44とを有している。タッチパネルシステム91には、駆動部94が設けられている。駆動部94は、図10の式3に示される4行4列の符号系列に基づいてドライブラインDL1〜DL4を駆動する。符号系列の要素が「1」であれば、駆動部94は電源電圧VDDを印加し、要素が「0」であれば、ゼロボルトを印加する。
タッチパネルシステム91は、センスラインSL1〜SL4にそれぞれ対応する位置に配置された4個の増幅器98を有している。増幅器98は、駆動部94により駆動されたセンスラインに沿った静電容量の線形和Y1、Y2、Y3、Y4を受け取って増幅する。例えば、上記4行×4列の符号系列による4回の駆動のうちの最初の駆動では、駆動部94はドライブラインDL1に電源電圧VDDを印加し、残りのドライブラインDL2〜DL4にゼロボルトを印加する。すると、例えばセンスラインSL3からは、図10の式1で示される静電容量C31に対応する出力が測定値Y1として増幅器98に供給される。そして、2回目の駆動では、ドライブラインDL2に電源電圧VDDを印加し、残りのドライブラインDL1、DL3、DL4にゼロボルトを印加する。すると、センスラインSL3からは、図10の式2で示される静電容量C32に対応する出力が測定値Y2として増幅器98に供給される。
次に、3回目の駆動では、ドライブラインDL3に電源電圧VDDを印加し、残りのドライブラインにゼロボルトを印加する。その後、4回目の駆動では、ドライブラインDL4に電源電圧VDDを印加し、残りのドライブラインにゼロボルトを印加する。そうすると、図10の式3及び式4に示すように、測定値Y1、Y2、Y3、Y4そのものが、それぞれ静電容量値C1、C2、C3、C4と関連付けられる。しかしながら、上述した図9及び図10に示す構成では、1回の測定で1本のドライブラインと交差する容量データしか取得できず、ノイズ成分が小さくならず、静電容量の容量変化を正しく検出することが困難であるという問題がある。
この問題を解決するため、本願の出願人は、特願2011-117385において、N個のM次元ベクトルにより、M個の対象係数を並列駆動して対象係数のN個の線形和を得て、対象係数のN個の線形和とM個のN次元ベクトルとの内積演算によりM個の対象係数の値を推定する線形系係数推定方法を提案している。
図11は、従来の他のタッチパネル装置81の構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
タッチパネル装置81は、タッチパネル92と集積回路83とを備えている。集積回路83は、ドライブラインDL1〜DLMを駆動する駆動部94と、センスラインSLに対応する位置に配置された増幅器86とを有している。増幅器86は、駆動部94により駆動された静電容量のセンスラインSLに沿った下記の(式5)により示される線形和Sを受け取って増幅する。
N個のM次元ベクトルをDi,jとした。内積演算によって推定される対象係数Aは、
で与えられる。ここで、N個のベクトルがそれぞれ互いに直交であるとすれば、同一ベクトルの内積は1、異なるベクトルの内積は0になるので、
となる。
しかしながら、図11に示す従来の構成では、センスラインにノイズNoが重畳される場合、線形和Sは、
となる。内積演算によって推定される対象係数Aは、
となり、ノイズとベクトルとの内積に応じた誤りが、対象係数の推定値に生じるという課題がある。
本発明の目的は、線形和信号に重畳したノイズとベクトルとの内積に応じた誤りを軽減することができ、ノイズ耐性の高い線形系係数推定方法、並びにこれを使用した集積回路、タッチパネル装置、及び電子機器を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る線形系係数推定方法は、N個のM次元ベクトルにより、M個の対象係数を並列駆動して前記対象係数のN個の線形和を得て、前記対象係数のN個の線形和信号とM個のN次元ベクトルとの内積演算により前記M個の対象係数の値を推定する線形系係数推定方法であって、前記対象係数のN個の線形和信号に重畳したノイズを、前記N個の線形和信号の振幅検出及び位相検出に基づいて除去するノイズ除去工程と、前記ノイズ除去工程によりノイズを除去されたN個の線形和信号に基づく信号と、前記M個のN次元ベクトルとの内積演算により前記M個の対象係数の値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする。
この特徴により、対象係数のN個の線形和信号に重畳したノイズを、N個の線形和信号の振幅検出及び位相検出に基づいて除去し、ノイズを除去されたN個の線形和信号に基づく信号と、N個のM次元ベクトルとの内積演算によりM個の対象係数の値を推定する。このため、内積演算による推定の前に、線形和信号に重畳したノイズを除去することができる。従って、線形和信号に重畳したノイズとM個のN次元ベクトルとの内積に応じた誤りを軽減することができ、ノイズ耐性の高い線形系係数推定方法を提供することができる。
本発明に係る線形系係数推定方法では、前記対象係数のN個の線形和信号に重畳したノイズが存在する期間であるか否かを判定するノイズ有無判定工程をさらに包含し、前記ノイズ有無判定工程により前記ノイズが存在する期間であると判定されたときは前記ノイズ除去工程を実行し、前記ノイズが存在しない期間であると判定されたときは、前記対象係数のN個の線形和信号に基づく信号と、前記N個のM次元ベクトルとの内積演算により前記M個の対象係数の値を推定することが好ましい。
上記構成により、ノイズが存在しない場合にはノイズ除去処理を行わないため、低消費電力の線形系係数推定方法を提供することができる。また、ノイズが存在しない場合にはノイズ除去処理を行わないため、ノイズ除去処理に伴う信号誤りを軽減することができ、ノイズ耐性の高い線形系係数推定方法を提供することができる。
本発明に係る線形系係数推定方法では、前記ノイズ有無判定工程は、前記線形和信号の振幅に基づいて、前記ノイズが存在する期間であるか否かを判定することが好ましい。
上記構成により、外部より判定の基準を設定する必要がなく容易にノイズ除去処理を行うことが可能な線形系係数推定方法を提供することができる。
本発明に係る線形系係数推定方法では、前記線形和信号の振幅を、ローパスフィルタを含む振幅検出部により検出することが好ましい。
上記構成により、ノイズが線形和信号に対して低速である場合、振幅情報に含まれる線形和信号の情報を軽減することができるため、ノイズ除去処理に伴う信号誤りを軽減することができ、ノイズ耐性の高い線形系係数推定方法を提供することができる。
本発明に係る線形系係数推定方法では、前記線形和信号の振幅を、包絡線検波器を含む振幅検出部により検出することが好ましい。
上記構成により、線形和信号に急峻に振幅が変化するノイズが重畳される場合、振幅情報を即座に更新することができるため、ノイズ除去処理に伴う信号誤りを軽減することができ、ノイズ耐性の高い線形系係数推定方法を提供することができる。
本発明に係る集積回路は、本発明に係る線形系係数推定方法を使用することを特徴とする。
本発明に係るタッチパネル装置は、本発明に係る線形系係数推定方法を使用することを特徴とする。
本発明に係る電子機器は、本発明に係る線形系係数推定方法を使用することを特徴とする。
本発明に係る線形系係数推定方法は、対象係数のN個の線形和信号に重畳したノイズを、N個の線形和信号の振幅検出及び位相検出に基づいて除去し、ノイズを除去されたN個の線形和信号に基づく信号と、N個のM次元ベクトルとの内積演算によりM個の対象係数の値を推定するので、線形和信号に重畳したノイズとM個のN次元ベクトルとの内積に応じた誤りを軽減することができ、ノイズ耐性の高い線形系係数推定方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施の形態1)
(タッチパネル装置1の構成)
図1は、実施の形態1に係るタッチパネル装置1の構成を示すブロック図である。タッチパネル装置1は、タッチパネル2を備えている。タッチパネル2は、ドライブラインDL1〜DLMと、センスラインSLと、ドライブラインDL1〜DLMとセンスラインSLとが交差する位置に配置された静電容量とを有している。タッチパネル装置1には、集積回路3が設けられている。集積回路3は、N個のM次元ベクトルにより、ドライブラインDL1〜DLMに対応するM個の静電容量を並列駆動する駆動部7を有している。
(タッチパネル装置1の構成)
図1は、実施の形態1に係るタッチパネル装置1の構成を示すブロック図である。タッチパネル装置1は、タッチパネル2を備えている。タッチパネル2は、ドライブラインDL1〜DLMと、センスラインSLと、ドライブラインDL1〜DLMとセンスラインSLとが交差する位置に配置された静電容量とを有している。タッチパネル装置1には、集積回路3が設けられている。集積回路3は、N個のM次元ベクトルにより、ドライブラインDL1〜DLMに対応するM個の静電容量を並列駆動する駆動部7を有している。
集積回路3には、増幅器5が設けられている。増幅器5に並列に静電容量Cfが設けられており、静電容量Cfの一方の端子は、増幅器5の非反転入力端子に接続されており、静電容量Cfの他方の端子は、増幅器5の出力に接続されている。増幅器5は、駆動部7によって駆動されたM個の静電容量の線形和信号を増幅してノイズ除去部4に供給する。
ノイズ除去部4は、静電容量のN個の線形和信号に重畳したノイズを、N個の線形和信号の振幅検出及び位相検出に基づいて除去する。
集積回路3は、推定部6を有している。推定部6は、ノイズ除去部4によりノイズを除去されたN個の線形和信号に基づく信号と、M個のN次元ベクトルとの内積演算によりM個の静電容量の値を推定する。
(ノイズ除去部4の構成)
図2は、タッチパネル装置1に設けられたノイズ除去部4の構成を示すブロック図である。ノイズ除去部4は、振幅検出部8と位相検出部9とを有している。振幅検出部8は、絶対値検出器10とローパスフィルタ11とを有している。絶対値検出器10は、増幅器5から入力された信号の絶対値を検出する。ローパスフィルタ11は、絶対値検出器10により検出された絶対値をフィルタリングする。位相検出部9は、しきい値判定器12を有している。しきい値判定器12は、入力信号がゼロより大きければ”1”を出力し、ゼロより小さければ”−1”を出力する。
図2は、タッチパネル装置1に設けられたノイズ除去部4の構成を示すブロック図である。ノイズ除去部4は、振幅検出部8と位相検出部9とを有している。振幅検出部8は、絶対値検出器10とローパスフィルタ11とを有している。絶対値検出器10は、増幅器5から入力された信号の絶対値を検出する。ローパスフィルタ11は、絶対値検出器10により検出された絶対値をフィルタリングする。位相検出部9は、しきい値判定器12を有している。しきい値判定器12は、入力信号がゼロより大きければ”1”を出力し、ゼロより小さければ”−1”を出力する。
ノイズ除去部4には、乗算器17と減算器18とが設けられている。乗算器17は、振幅検出部8に設けられたローパスフィルタ11からの出力と、位相検出部9に設けられたしきい値判定器12からの出力とを乗算して減算器18に供給する。減算器18は、乗算器17からの乗算結果を入力信号から減算して推定部6に供給する。
(ノイズ除去部4の動作)
図3(a)〜(g)は、ノイズ除去部4の動作を説明するための波形図である。図3(a)〜(g)に示される波形図の横軸は時間の経過を表すタイムステップであり、縦軸はフルスケール電圧で正規化した信号の振幅を示す。
図3(a)〜(g)は、ノイズ除去部4の動作を説明するための波形図である。図3(a)〜(g)に示される波形図の横軸は時間の経過を表すタイムステップであり、縦軸はフルスケール電圧で正規化した信号の振幅を示す。
図3(a)には、ノイズが重畳される前のセンスラインSLから出力される線形和信号S1が示されている。図3(b)には、センスラインSLから出力される線形和信号に重畳される矩形波状のノイズS2が示されている。図3(c)は、矩形波状のノイズS2が、センスラインSLから出力される線形和信号S1に重畳されて増幅器5からノイズ除去部4に入力される入力信号S3を示している。
図3(d)には、ノイズ除去部4に設けられた振幅検出部8からの出力信号S4が示されている。図3(e)には、ノイズ除去部4に設けられた位相検出部9からの出力信号S5が示されている。図3(f)は、振幅検出部8からの出力信号S4と位相検出部9からの出力信号S5とを乗算した信号S6が示されている。図3(g)には、ノイズ除去部4に設けられた減算器18からの出力信号S7が示されている。
ノイズ除去部4への入力信号である図3(c)に示す入力信号S3と、ノイズ除去部4からの出力信号である図3(g)に示す出力信号S7とを比較すると、図3(g)の出力信号S7は、図3(c)の信号S3に比べてノイズの振幅を小さくすることができている。
実施の形態1に係るタッチパネル装置1は、線形和信号に対してしきい値判定器12によりしきい値判定を行うことで、位相情報を取得する。このため、位相情報を少ないハードウェアで取得することができる。
(実施の形態2)
(タッチパネル装置1aの構成)
図4は、実施の形態2に係るタッチパネル装置1aの構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
(タッチパネル装置1aの構成)
図4は、実施の形態2に係るタッチパネル装置1aの構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
タッチパネル装置1aは、タッチパネル2と集積回路3aとを備えている。集積回路3aには、ノイズ有無判定部19とノイズ除去部4aとが設けられている。
ノイズ有無判定部19は、増幅器5からの出力信号を受け取り、静電容量のN個の線形和信号に重畳したノイズが存在する期間であるか否かを判定する。ノイズが存在する期間であると判定したときは、ノイズ有無判定部19は、増幅器5から受け取った出力信号をノイズ除去部4aに供給し、ノイズが存在しない期間であると判定したときは、増幅器5から受け取った出力信号を推定部6に供給する。
(ノイズ除去部4aの構成)
図5(a)は、タッチパネル装置1aに設けられたノイズ除去部4aの構成を示すブロック図である。ノイズ除去部4aは、振幅検出部8aと位相検出部9aとノイズ検出部13とを有している。振幅検出部8aは、絶対値検出器10と包絡線出力器14とを有している。絶対値検出器10は、ノイズ有無判定部19(図4)からの入力信号の絶対値を検出する。包絡線出力器14は、絶対値検出器10により検出された絶対値の包絡線を出力する。位相検出部9aは、しきい値判定器12aを有している。しきい値判定器12aは、入力信号がゼロより大きければ”1”を出力し、ゼロより小さければ”−1”を出力する。
図5(a)は、タッチパネル装置1aに設けられたノイズ除去部4aの構成を示すブロック図である。ノイズ除去部4aは、振幅検出部8aと位相検出部9aとノイズ検出部13とを有している。振幅検出部8aは、絶対値検出器10と包絡線出力器14とを有している。絶対値検出器10は、ノイズ有無判定部19(図4)からの入力信号の絶対値を検出する。包絡線出力器14は、絶対値検出器10により検出された絶対値の包絡線を出力する。位相検出部9aは、しきい値判定器12aを有している。しきい値判定器12aは、入力信号がゼロより大きければ”1”を出力し、ゼロより小さければ”−1”を出力する。
ノイズ検出部13は、絶対値検出器15としきい値判定器16とを有する。絶対値検出器15は、ノイズ有無判定部19からの入力信号の絶対値を検出する。しきい値判定器16は、入力信号振幅がしきい値以上であればノイズが存在すると判定し”1”を出力し、しきい値未満であればノイズ無と判定し”0”を出力する。
ノイズ除去部4aには、乗算器17a・17bと減算器18aとが設けられている。乗算器17aは、位相検出部9aからの出力信号とノイズ検出部13からの出力信号とを乗算して乗算器17bに供給する。乗算器17bは、乗算器17aの乗算結果と振幅検出部8aからの出力信号とを乗算して減算器18aに供給する。減算器18aは、乗算器17bの乗算結果を、ノイズ有無判定部19からの入力信号から減算して推定部6に出力する。
(ノイズ有無判定部19の構成)
図5(b)は、ノイズ有無判定部19の構成を示すブロック図である。ノイズ有無判定部19は、絶対値検出器21としきい値判定器22とスイッチ23とを有する。絶対値検出器21は、入力信号の絶対値を検出する。しきい値判定器22は、入力信号振幅がしきい値以上であれば、ノイズが存在すると判定し、”1”を出力し、しきい値未満であればノイズ無と判定し、”0”を出力する。スイッチ23は、しきい値判定器22の出力信号が、”1”であれば入力信号をノイズ除去部4aに出力し、しきい値判定器22の出力信号が”0”であれば入力信号を推定部6に出力する。
図5(b)は、ノイズ有無判定部19の構成を示すブロック図である。ノイズ有無判定部19は、絶対値検出器21としきい値判定器22とスイッチ23とを有する。絶対値検出器21は、入力信号の絶対値を検出する。しきい値判定器22は、入力信号振幅がしきい値以上であれば、ノイズが存在すると判定し、”1”を出力し、しきい値未満であればノイズ無と判定し、”0”を出力する。スイッチ23は、しきい値判定器22の出力信号が、”1”であれば入力信号をノイズ除去部4aに出力し、しきい値判定器22の出力信号が”0”であれば入力信号を推定部6に出力する。
(ノイズ除去部4aの動作)
図6(a)〜(h)は、ノイズ除去部4aの動作を説明するための波形図である。波形図の横軸は時間の経過を表すタイムステップであり、縦軸はフルスケール電圧で正規化した信号の振幅を示す。
図6(a)〜(h)は、ノイズ除去部4aの動作を説明するための波形図である。波形図の横軸は時間の経過を表すタイムステップであり、縦軸はフルスケール電圧で正規化した信号の振幅を示す。
図6(a)には、ノイズが重畳される前のセンスラインSLから出力される線形和信号S8が示されている。図6(b)には、センスラインSLから出力される線形和信号に重畳されるインパルス状のノイズS9が示されている。図6(c)は、インパルス状のノイズS9が、センスラインSLから出力される線形和信号S8に重畳されて増幅器5からノイズ有無判定部19を通ってノイズ除去部4aに入力される入力信号S10を示している。
図6(d)には、ノイズ除去部4aに設けられた振幅検出部8aからの出力信号S11が示されている。図6(e)には、ノイズ除去部4aに設けられた位相検出部9aからの出力信号S12が示されている。図6(f)は、振幅検出部8aからの出力信号S11と、位相検出部9aからの出力信号S12及びノイズ検出部13の出力信号S14(図6(g))を乗算した信号と、を乗算した信号S13が示されている。
図6(g)は、ノイズ検出部13の出力信号S14を示している。図6(h)は、ノイズ除去部4aに設けられた減算器18aからの出力信号S15を示している。
ノイズ除去部4aへの入力信号である図6(c)に示す入力信号S10と、ノイズ除去部4aからの出力信号である図6(h)に示す出力信号S15とを比較すると、図6(h)の出力信号S15は、図6(c)の入力信号S10に比べてノイズの振幅を小さくすることができている。
振幅検出部及び位相検出部の構成は、図2及び図5に示した構成に限定されない。例えば、入力信号の絶対値のピーク値を保持し、一定時間ごとにリセットするように振幅検出部を構成してもよい。
実施の形態1では、矩形波のノイズの例を示したが、図6(b)に示すようなインパルス状のノイズが重畳される場合も考えられる。この場合、インパルス状のノイズが存在する期間と存在しない期間とがあり、ノイズが存在しない期間はノイズ除去を行う必要がない。また、ノイズが存在しない期間にノイズ除去処理を行うと、不要信号を減算することになるためエラーが発生する。そこで、ノイズ有無判定部19を設け、インパルス状のノイズが存在しない期間はノイズ除去処理を止めることで、低消費電力化と、ノイズ除去処理に伴い発生するエラーの軽減化とが可能である。また、バーストノイズもノイズが存在する期間、ノイズが存在しない期間があるノイズであり、ノイズが存在しない期間はノイズ除去を行う必要がない。
(実施の形態3)
(タッチパネル装置1bの構成)
図7は、実施の形態3に係るタッチパネル装置1bの構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
(タッチパネル装置1bの構成)
図7は、実施の形態3に係るタッチパネル装置1bの構成を示すブロック図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は繰り返さない。
タッチパネル装置1bは、タッチパネル2と集積回路3bとを備えている。集積回路3bは、ノイズ判定部20を有している。ノイズ判定部20は、増幅器5から線形和信号を受けとり、線形和信号に重畳されたノイズが、矩形波ノイズであるか、インパルス状ノイズであるかを判定する。線形和信号に重畳されたノイズが矩形波ノイズであると判定したときは、ノイズ判定部20は、線形和信号をノイズ除去部4に供給する。
線形和信号に重畳されたノイズがインパルス状ノイズであると判定したときは、ノイズ判定部20は、線形和信号をノイズ有無判定部19に供給する。
ノイズ有無判定部19は、ノイズ判定部20から線形和信号を受け取り、線形和信号に重畳したインパルス状ノイズが存在する期間であるか否かを判定する。インパルス状ノイズが存在する期間であると判定したときは、ノイズ有無判定部19は、線形和信号をノイズ除去部4aに供給し、インパルス状ノイズが存在しない期間であると判定したときは、線形和信号を推定部6に供給する。
このように、ノイズ除去部4・4aを並列に設け、線形和信号に重畳されるノイズの種類に応じてノイズ除去部4・4aを切り替えて使用するように構成してもよい。
(実施の形態4)
(携帯電話機57の構成)
図8は、実施の形態4に係る携帯電話機57の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態に係るタッチパネル装置1・1a・1bを搭載した電子機器の例として、携帯電話機57の例を示す。
(携帯電話機57の構成)
図8は、実施の形態4に係る携帯電話機57の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態に係るタッチパネル装置1・1a・1bを搭載した電子機器の例として、携帯電話機57の例を示す。
携帯電話機57は、CPU60と、RAM62と、ROM61と、カメラ63と、マイクロフォン64と、スピーカ65と、操作キー66と、表示パネル58と、表示制御回路59と、タッチパネル装置1とを備えている。各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
CPU60は、携帯電話機57の動作を制御する。CPU60は、たとえばROM61に格納されたプログラムを実行する。操作キー66は、携帯電話機57のユーザによる指示の入力を受ける。RAM62は、CPU60によるプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー66を介して入力されたデータを揮発的に格納する。ROM61は、データを不揮発的に格納する。
また、ROM61は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)やフラッシュメモリなどの書込みおよび消去が可能なROMである。なお、図8には示していないが、携帯電話機57が、他の電子機器に有線により接続するためのインターフェイス(IF)を備える構成としてもよい。
カメラ63は、ユーザの操作キー66の操作に応じて、被写体を撮影する。なお、撮影された被写体の画像データは、RAM62や外部メモリ(たとえば、メモリカード)に格納される。マイクロフォン64は、ユーザの音声の入力を受付ける。携帯電話機57は、当該入力された音声(アナログデータ)をデジタル化する。そして、携帯電話機57は、通信相手(たとえば、他の携帯電話機)にデジタル化した音声を送る。スピーカ65は、たとえば、RAM62に記憶された音楽データなどに基づく音を出力する。
タッチパネル装置1、タッチパネル2と集積回路3とを有している。CPU60は、タッチパネル装置1の動作を制御する。CPU60は、例えばROM61に記憶されたプログラムを実行する。RAM62は、CPU60によるプログラムの実行により生成されたデータを揮発的に格納する。ROM61は、データを不揮発的に格納する。
表示パネル58は、表示制御回路59により、ROM61、RAM62に格納されている画像を表示する。表示パネル58は、タッチパネル2に重ねられているか、タッチパネル2を内蔵している。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、N個のM次元ベクトルにより、M個の対象係数を並列駆動して対象係数のN個の線形和を得て、対象係数のN個の線形和信号とM個のN次元ベクトルとの内積演算によりM個の対象係数の値を推定する線形系係数推定方法、並びにこれを使用する集積回路、タッチパネル装置、及び電子機器に利用することができる。
1 タッチパネル装置
2 タッチパネル
3 集積回路
4 ノイズ除去部
5 増幅器
6 推定部
7 駆動部
8 振幅検出部
9 位相検出部
10 絶対値検出器
11 ローパスフィルタ
12 しきい値判定器
13 ノイズ検出部
14 包絡線出力器
15 絶対値検出器
16 しきい値判定器
17 乗算器
18 減算器
19 ノイズ有無判定部
20 ノイズ判定部
57 携帯電話機
2 タッチパネル
3 集積回路
4 ノイズ除去部
5 増幅器
6 推定部
7 駆動部
8 振幅検出部
9 位相検出部
10 絶対値検出器
11 ローパスフィルタ
12 しきい値判定器
13 ノイズ検出部
14 包絡線出力器
15 絶対値検出器
16 しきい値判定器
17 乗算器
18 減算器
19 ノイズ有無判定部
20 ノイズ判定部
57 携帯電話機
Claims (8)
- N個のM次元ベクトルにより、M個の対象係数を並列駆動して前記対象係数のN個の線形和を得て、前記対象係数のN個の線形和信号とM個のN次元ベクトルとの内積演算により前記M個の対象係数の値を推定する線形系係数推定方法であって、
前記対象係数のN個の線形和信号に重畳したノイズを、前記N個の線形和信号の振幅検出及び位相検出に基づいて除去するノイズ除去工程と、
前記ノイズ除去工程によりノイズを除去されたN個の線形和信号に基づく信号と、前記M個のN次元ベクトルとの内積演算により前記M個の対象係数の値を推定する推定工程とを包含することを特徴とする線形系係数推定方法。 - 前記対象係数のN個の線形和信号に重畳したノイズが存在する期間であるか否かを判定するノイズ有無判定工程をさらに包含し、
前記ノイズ有無判定工程により前記ノイズが存在する期間であると判定されたときは前記ノイズ除去工程を実行し、前記ノイズが存在しない期間であると判定されたときは、前記対象係数のN個の線形和信号に基づく信号と、前記N個のM次元ベクトルとの内積演算により前記M個の対象係数の値を推定する請求項1記載の線形系係数推定方法。 - 前記ノイズ有無判定工程は、前記線形和信号の振幅に基づいて、前記ノイズが存在する期間であるか否かを判定する請求項2記載の線形系係数推定方法。
- 前記線形和信号の振幅を、ローパスフィルタを含む振幅検出部により検出する請求項1記載の線形系係数推定方法。
- 前記線形和信号の振幅を、包絡線検波器を含む振幅検出部により検出する請求項1記載の線形系係数推定方法。
- 請求項1記載の線形系係数推定方法を使用することを特徴とする集積回路。
- 請求項1記載の線形系係数推定方法を使用することを特徴とするタッチパネル装置。
- 請求項1記載の線形系係数推定方法を使用することを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011276447A JP2013127680A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 線形系係数推定方法、集積回路、タッチパネル装置、及び電子機器 |
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JP2011276447A Pending JP2013127680A (ja) | 2011-12-16 | 2011-12-16 | 線形系係数推定方法、集積回路、タッチパネル装置、及び電子機器 |
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JP (1) | JP2013127680A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021086538A (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 株式会社アスコ | タッチパネル装置およびタッチパネル装置の制御方法 |
-
2011
- 2011-12-16 JP JP2011276447A patent/JP2013127680A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2021086538A (ja) * | 2019-11-29 | 2021-06-03 | 株式会社アスコ | タッチパネル装置およびタッチパネル装置の制御方法 |
JP7283662B2 (ja) | 2019-11-29 | 2023-05-30 | 株式会社アスコ | タッチパネル装置およびタッチパネル装置の制御方法 |
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