JP2013126697A - ワイヤカット放電加工方法およびワイヤカット放電加工装置 - Google Patents

ワイヤカット放電加工方法およびワイヤカット放電加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】特定の種類の電気的加工条件を補正して放電電流を増大させたときに変化するオフセットの値を調整する必要がある。
【解決手段】予め必要最低限の数の測定データに基づき近似法によって板厚とオフセットの変動幅の相関関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データを生成して記憶装置に記憶させておく。放電電流を増大するように特定の種類の電気的加工条件を補正したときに、変化するオフセットの変動幅をオフセット調整データから取得する。取得したオフセットの変動幅を所定の第1の定数で除して加工条件のオン時間の調整値を求める。除算で余りが発生したときは、余りの値を所定の第2の定数で除して加工条件のサーボ基準電圧の調整値を求める。調整値に基づいてオン時間とサーボ基準電圧を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、平均加工電流を増大するように特定の種類の電気的加工条件を補正したときに、オフセットの変動幅を得るワイヤカット放電加工方法に関する。特に、変化したオフセットの値を変化する前のオフセットの値に調整するワイヤカット放電加工方法およびワイヤカット放電加工装置に関する。
ワイヤカットは、ワイヤ電極を一方の電極とし、被加工物を他方の電極として被加工物を切断加工する放電加工方法である。ワイヤ電極と被加工物とで形成される加工間隙に間欠的に繰返し発生させる放電の放電エネルギが大きいほど、放電一発当たりの取り量が多くなる。放電一発毎の取り量が多いほど放電痕が大きくなるので加工面粗さが粗くなる。放電エネルギは、放電電流(加工電流)の電流密度に依存するので、放電電流の大きさによって加工面粗さが決まる。
放電電流の大きさは、放電電流パルスの波形におけるパルス幅とピーク電流値で表わすことができる。放電電流パルスのパルス幅は、単発放電の放電時間であり、加工間隙に電圧を印加してから放電が発生するまでの不特定の無負荷時間(放電待機時間)を無視すると、加工間隙に電圧パルスを印加するスイッチング素子のオン時間に相当する。放電一発毎の取り量は加工速度に直接影響を与えるから、加工面粗さまたは加工形状精度と加工速度とは相反する関係にある(特許文献1参照)。
そのため、ワイヤカットでは、1つの加工形状に対して放電電流を段階的に小さく変更していき、最終的に要求される所望の加工面粗さと加工形状精度を得ることができるように複数回の加工工程に分けて加工することによって加工効率を上げている。ワイヤカットにおける複数回の加工工程は、被加工物を所望の加工形状に切り出す荒加工工程(ファーストカット)と、荒加工工程で形成された加工形状の輪郭を整える中仕上げ加工工程と、加工面粗さを小さくする仕上げ加工工程と、所望の加工面粗さと加工形状精度を得る最終仕上げ加工工程に分類することができる。
ワイヤ電極は、一対のワイヤガイド間に所定のテンション(張力)が付与された状態で張架される。ワイヤ電極のテンションが高いほどワイヤ電極の振動の振幅が小さくなるので、加工形状精度が向上する。ワイヤ電極の材質と直径によってワイヤ電極の抗張力が決まっているが、ワイヤ電極に電流が流れるとワイヤ電極が電気抵抗になって発熱するためにワイヤ電極が引き延ばされて細くなり、ワイヤ電極の抗張力が低下する。
そのため、各加工工程においてワイヤ電極の抗張力の低下を予測して、設定された電気的加工条件で放電電流が供給されてもワイヤ電極が断線しない限界のテンションがワイヤ電極に付与される。ただし、荒加工工程における電気的加工条件は、最終的に要求される所望の加工面粗さと加工形状精度に制約を受けないので、荒加工工程では、最大の加工速度を得ることができるように、ワイヤ電極が断線しない範囲で放電電流を可能な限り大きくすることができる加工条件の組合せが設定される。
最終仕上げ加工工程における加工条件の組合せが最終的に要求される加工面粗さと加工形状精度に基づいて選定されると、荒加工工程と最終仕上げ加工工程における目標の加工面粗さを基準にしてカット数(加工工程数)が決定する。カット数が3回以上であるときは、1回以上の中仕上げ加工工程ないしは仕上げ加工工程の各加工工程における目標の加工面粗さと加工形状精度から各加工工程における加工条件の組合せが順次設定される(特許文献2参照)。
ワイヤ電極は、最終的に予定されている加工面(仕上げ加工面)から所定距離離れて配置される。ワイヤ電極を仕上げ加工面から離して位置させるオフセット(減寸)は、ワイヤ電極の半径と放電ギャップと取り代と安全代を含む残し代との総和である。放電ギャップは、主に加工間隙に供給する電圧に依存する。取り代は、単位時間における平均的な放電電流(以下、平均加工電流という)に依存する。したがって、各加工工程毎に加工条件の組合せが決まると、各加工工程のオフセットの値が決まる。
このように、荒加工工程では、限界のテンションに従って最大の放電エネルギで加工できる電気的加工条件が設定される。また、最終仕上げ加工工程における電気的加工条件は、所望の加工面粗さに従って実質的に決まっている。そして、各加工工程における電気的加工条件は、各加工工程における目標の加工面粗さと加工形状精度によって決められる。そのため、加工効率に優れるカット数と加工条件の組合せで加工するようにされていると言える。
しかしながら、ワイヤ電極が必ず断線してしまう限界のテンションは、実験結果から推測することしかできない。そのため、加工の状態が総合的に見て比較的悪くワイヤ電極が断線しやすい状況を想定して、現実の限界のテンションに対して必要以上に安全値を見込んで放電エネルギの上限が決められているのが実情である。したがって、加工条件の組合せに基づいて安全なテンションを理論的に求めて、要求される加工形状精度を維持できる範囲でテンションを緩めることができるなら、より大きい放電電流を供給することができ、加工速度を向上させることが期待できる。
ワイヤ電極の断面積当たりの放電一発毎の放電電流とワイヤ電極に流れる電流の大きさに相応する限界のテンションとは、理論的に比例関係にある。ワイヤ電極の断面積当たりの放電一発毎の放電電流は、平均加工電流をワイヤ電極の断面積と単位時間当たりの放電回数との積で除した値に等しい。ワイヤ電極の直径と、放電の繰返し周波数と、平均加工電流は既知であるから、平均加工電流に対する限界のテンションを計測したデータを収集することによって理論的に安全なテンションを求めることができる。
収集したデータから測定した限界のテンションの平均的な点を通る所定の傾きの直線を理論的な平均加工電流に対する限界のテンションとすると、離散的に存在する測定した限界のテンションを示す全ての点を下回る同じ傾きの直線を理論的に安全なテンションと見做すことができる。なお、放電加工中におけるワイヤ電極の直径の変化と加工液噴流の供給状態を検出することができるので、加工状態に合わせて安全なテンションを設定することもできる。
そこで、導き出された平均加工電流と安全なテンションとの相関関係から初期に設定された加工条件の組合せに基づいて予め決められている限界のテンションより正確な安全なテンションを求めて、予め決められているテンションを変更して規定のテンションとして設定し直すようにする。そして、変更したテンションで供給できる平均加工電流の値を求めて平均加工電流を操作する電気的加工条件、具体的にはピーク電流値ないしはオン時間(放電電流パルスのパルス幅)を補正する。その結果、加工速度を高くして加工効率を向上させることができる。
変更したテンションは、安全なテンションとは言え、平均加工電流の値を大きくしているので、ワイヤ電極の予測できない断線の危険性が全くないわけではない。このとき、放電加工中にワイヤ電極が断線しそうになったときに一時的にテンションを緩めるようにすることもできる。例えば、平均加工電流と変化するワイヤ電極の直径と加工液噴流の状態を検出して、検出結果がワイヤ電極の断線のおそれを示すとき、現在の規定のテンションを一時的に緩める。その結果、ワイヤ電極のテンションを高めに設定しても、ワイヤ電極の断線を回避することができる。
特開平6−315833号公報 特開平2−53526号公報
加工条件の組合せに基づいて予め決められているテンションを変更し、設定し直した規定のテンションに合わせて平均加工電流を増大するように平均加工電流を操作する電気的加工条件を変更した場合、放電一発毎の取り量が増大する。取り量が増大すると加工間隙に介在する加工屑の大きさと量が変化するので、放電ギャップが拡大する傾向にある。また、単位時間当たりの加工除去距離が大きくなるので、取り代が大きくなる。その結果、オフセットの値が変化する。
特定の種類の電気的加工条件を補正した場合に変化するオフセットの値は、テストカットを行なって直接測定して得る必要がある。複数の加工条件の組合せに対応するオフセットの値のデータベースを用意しておき、データベースから該当するオフセットの値を抽出するようにすることができる。しかしながら、データベースを作成するためには膨大な数のテストカットが要求される。そのため、作業者の負担が増大し、作業効率は低下する。その結果、テンションを緩めて加工速度を上げるようにした利益を十分に享受することができなくなる。
また、変化したオフセットの値に合わせてワイヤ電極の相対移動軌跡を補正すると、放電エネルギに直接関係しない他の種類の加工条件も見直す必要がある。ある加工工程において加工条件の組合せ全体を変更した場合は、次の加工工程以降の各加工工程の加工条件の組合せも順次設定し直さなければならなくなる。各加工工程の加工条件の組合せを変更しないようにするためには、変化したオフセットの値を変化する前のオフセットの値になるように調整する必要がある。しかしながら、加工条件の組合せ全体を変更することなくオフセットの値を調整することは、経験豊富な熟練作業者であっても容易なことではない。
本発明は、上記課題に鑑みて、予め決められているワイヤ電極のテンションを変更し、設定し直した規定のテンションに対応して平均加工電流を増大させるように電気的加工条件を補正したときのオフセットの変動幅を容易に得ることができるワイヤカット放電加工方法を提供することを主たる目的とする。特に、特定の種類の電気的加工条件を補正するだけでオフセットの値を調整することができるワイヤカット放電加工方法およびワイヤカット放電加工装置を提供することを目的とする。
本発明のワイヤカット放電加工方法は、上記課題を解決するために、所定の加工条件の組合せに対応するオフセットの値と平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正して変化したオフセットの値とのオフセットの変動幅を測定して得た必要最低限の数のオフセットの変動幅の測定データに基づいて近似法を用いて被加工物の板厚とオフセットの変動幅との相関関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データを生成する工程と、平均加工電流の値を増大するように特定の種類の電気的加工条件を補正する工程と、特定の種類の電気的加工条件を補正したときの被加工物の板厚に対するオフセットの変動幅をオフセット調整データから得る工程と、を含んでなるようにされる。
特に、オフセット調整データから得たオフセットの変動幅を所定の第1の定数で除して加工条件のオン時間の調整値を求めるとともに除算で発生した余りの値を所定の第2の定数で除して加工条件のサーボ基準電圧の調整値を求める工程と、各調整値に基づいて特定の種類の電気的加工条件を補正した後の初期に設定された加工条件の組合せのうちのオン時間とサーボ基準電圧を変更する工程と、を含んでなるようにされる。また、オフセット調整データが特定の演算式のデータでなることが望ましい。
本発明のワイヤカット放電加工装置は、加工情報を入力する入力装置と、ワイヤ電極の材質と直径、被加工物の材質、および加工液噴流の供給状態毎に所定の加工条件の組合せに対応するオフセットの値と平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正して変化したオフセットの値とのオフセットの変動幅を測定して得た必要最低限の数のオフセットの変動幅の測定データに基づいて近似法を用いて生成された被加工物の板厚とオフセットの変動幅との相関関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データを記憶する記憶装置と、初期に設定された加工条件の組合せに基づいて予め決められたテンションを変更して設定し直した規定のテンションに対応して平均加工電流を増大するように特定の種類の電気的加工条件を補正して加工情報に従って被加工物の板厚に対するオフセットの変動幅をオフセット調整データから取得し取得したオフセットの変動幅を所定の第1の定数で割って加工条件のオン時間の調整値を求めるとともにその除算で発生した余りの値を所定の第2の定数で割って加工条件のサーボ基準電圧の調整値を求めて各調整値に基づいて特定の種類の電気的加工条件を補正した後の初期に設定された加工条件の組合せのうちのオン時間とサーボ基準電圧を変更する演算装置と、を含んでなるようにされる。
本発明は、必要最低限の数の測定データに基づいて被加工物の板厚とオフセットの変動幅との相対関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データを得ることができるので、平均加工電流を増大するために特定の種類の電気的加工条件を補正したときに、テストカットを行なって変化したオフセットの値を測定する必要がない。また、予め膨大な数の測定データを収集して所定の加工条件の組合せに対応するオフセットの値のデータベースを用意する必要がない。そのため、作業者の負担が増大することなく、作業効率が低下しない。
特に、オフセット調整データから取得したオフセットの変動幅と所定の定数から加工条件のオン時間とサーボ基準電圧の調整値を得るときは、熟練作業者ではなくても、オフセットの値を調整できる特定の種類の電気的加工条件を容易に適する値に変更することができる。そして、加工条件の組合せ全体を変更することなく特定の種類の電気的加工条件だけを変更してオフセットの値を調整することができ、加工条件の組合せ全体を設定し直す必要がない。そのため、作業者の負担が増大することなく、作業効率が低下しない。
本発明のワイヤカット放電加工方法の概容を示すフローチャートである。 あるワイヤ電極の材質と直径、被加工物の材質、加工液噴流の供給状態に対応する被加工物の板厚とオフセットの変動幅との関係を示すグラフである。 ある加工におけるオン時間の変化量とオフセットの変動幅との関係を示すグラフである。 ある加工におけるサーボ基準電圧の変化量とオフセットの変動幅との関係を示すグラフである。 本発明のワイヤカット放電加工装置の概容を示すブロック図である。
図1に本発明のワイヤカット放電加工方法の実施の形態が示される。図2は、記憶装置に記憶されているある被加工物の板厚とオフセットの変動幅との相関関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データの一例を示す。図3および図4は、オン時間およびサーボ基準電圧の変化量とオフセットの変動幅との関係を示す。以下に、図面を用いて本発明の代表的な実施例を説明する。
作業者は、加工情報を入力する(S1)。具体的に、作業者は、所望の加工面粗さと加工形状精度のような最終的に要求される加工結果に関する情報を制御装置に入力する。また、作業者は、ワイヤ電極の材質と直径あるいは被加工物の材質のような加工に制約を与える情報を制御装置に入力する。以下、要求される加工結果に関する情報を加工要求情報という。また、加工に制約を与える情報を加工制約情報という。そして、加工要求情報と加工制約情報を合わせて加工情報と総称する。
加工情報が与えられたら、制御装置は、加工情報に基いて予め記憶装置に記憶されている加工条件のデータベースの中からカット数と加工情報に適する各加工工程における加工条件の組合せを検索して抽出する。制御装置は、選択した各加工工程における加工条件の組合せを表示装置に表示する。加工条件の組合せは、加工条件列として加工条件表の形式で表示装置に表示される。表示装置に表示される加工条件表の実施例は、図3と図4に示されている。カット数と各加工工程における加工条件の組合せを決定する基本的なプロセスは、従来の技術と同じである。
作業者は、制御装置が提示した加工条件の組合せに合意するときは、加工に適用する加工条件の組合せとして設定する(S2)。初期に設定された加工条件の組合せは、NCプログラムの中に含めて記憶装置に保存することができる。作業者は、表示装置に表示される加工条件列における特定の種類の加工条件のパラメータの値を変更することによって制御装置が加工条件のデータベースから選定した加工条件の組合せを修正することができる。
荒加工工程においては、基本的にワイヤ電極の抗張力を基準にして限界のテンションを決めることができる。ワイヤ電極の抗張力は、ワイヤ電極の材質と直径に依存する。そのため、限界のテンションでワイヤ電極が確実に断線しない最大の平均加工電流を供給できる電気的加工条件を選択することができる。
各加工工程で加工条件の組合せが決まると各加工工程における放電電流パルスの大きさが決まるので、各加工工程毎に加工条件の組合せに基づいてワイヤ電極が断線することがない付与できる最大の限界のテンションとして予め決められているテンションを設定する。ただし、ワイヤ電極のテンションは、結果的に加工条件の組合せの中に含まれていて、加工条件表が表示されるときに同時に表示される。したがって、実用上は、荒加工工程を含めて全ての加工工程で初期の加工条件の組合せが設定されるときに、同時にテンションが設定される(S3)。
加工条件の組合せが決まると、オフセットの値が決まる。加工条件のデータベースに存在する所定の加工条件の組合せに対応する適するオフセットの値は、実際に加工を行なって得た加工データに基づいて予め記憶装置に記憶されている。そこで、各加工工程毎に初期に設定された加工条件の組合せに対応する適するオフセットの値を記憶装置から取得する(S4)。なお、取得したオフセットの値は、実測値に基づいているので、使用する機械に固有のワイヤ電極の振動の振幅のような不確定要素を含んでいる。ただし、最終仕上げ加工工程におけるオフセットでは、安全代が残し代であるので、残し代は実質的に0である。
設定されているテンションは、初期に設定された加工条件の組合せに基づいて予め決められている。少なくとも荒加工工程では、加工の状態が比較的悪くワイヤ電極が断線しやすい状況を想定して必要以上に安全値を見込んだ限界のテンションを基準に供給できる最大の平均加工電流に基づいて電気的加工条件が決められている。そこで、平均加工電流と限界のテンションとの相関関係を示すデータから初期に設定された加工条件の組合せに基づいてより大きな平均加工電流を供給できる安全なテンションを求める。そして、予め決められたテンションを変更して規定のテンションとして設定し直す(S5)。
平均加工電流と安全なテンションとの相対関係を示すデータは、予め記憶装置に記憶されている。蓄積している多数の離散的なデータの平均的な点を通る所定の傾きの直線を理論的な限界のテンションと見做し、離散的なデータを下回る同じ傾きの直線を理論的に安全なテンションとする。安全なテンションのデータは、実際に放電加工して加工結果を得るたびに蓄積して進化させることができる。
規定のテンションが与えられたら、少なくとも荒加工工程において規定のテンションで可能な限り大きい平均加工電流に増大するように平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正する(S6)。具体的には、加工条件の組合せとして設定されている複数の種類の加工条件のうち、放電電流パルスの大きさを決める電気的加工条件のパラメータの値を平均加工電流が大きくなるように所定のオーバライドの値でオーバライドする。
オーバライドする電気的加工条件の基準となるパラメータの値は、予め決められている。そして、予め決められている基準のパラメータの値をオーバライドの値で100%とする。したがって、記憶装置に記憶されている初期に設定された加工条件の組合せの設定値自体を変更するのではなく、特定の種類の電気的加工条件だけを制御装置のところで変更して出力する。
初期に設定された加工条件の組合せのうち、放電電流パルスを大きくして平均加工電流を増大させる操作をする電気的加工条件は、ピーク電流値またはオン時間である。ただし、ピーク電流値だけを大きくする場合は、尖頭電流の衝撃による断線の危険性が高くなる。オン時間だけを操作する場合は、放電の繰返し周波数が低下する。したがって、ピーク電流値とオン時間を平均的に大きくする。
放電電流パルスを大きくすることによって平均加工電流を増大する場合は、加工面粗さに影響を与えるため、最終仕上げ加工工程で採用することはできない。また、加工面粗さを小さくする仕上げ加工工程では、カット数が増えるおそれがあるので、注意が必要である。もっとも、仕上げ加工工程以降で向上できる加工速度は、それほど大きくない。実施の形態のワイヤカット放電加工方法では、基本的に荒加工工程と中仕上げ加工工程で実施することを想定している。ただし、テンションが高いほど加工形状精度が向上するから、仕上げ加工工程で初期に設定したテンションを変更して強くすることは、依然として有利である。
平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件だけを補正した場合、初期の加工条件の組合せに対応するオフセットの値が変化する。オフセットの値の変化に合わせて加工条件の組合せ全体を変更してしまうと、次の加工工程以降の加工条件の組合せを設定し直す必要がある。そこで、特定の種類の電気的加工条件だけを変更することによってオフセットの値を調整するようにする。ただし、十数%加工速度を速くする程度では、加工結果に影響を与えるほどオフセットの値が変化するわけではない。そのため、実施の形態では、20%以上加工速度を速くした場合にオフセットの値を求めるようにしている。
特定の種類の電気的加工条件を補正した場合に変化するオフセットの値は、離散的であるため、基本的にテストカットによって測定して得ることが要求される。しかし、オフセットの値が変化する毎にテストカットを行なうことは作業負担が大きい。そこで、予め被加工物の板厚とオフセットの変動幅との相関関係を示す連続するデータでなる複数のオフセット調整データを記憶装置に記憶させて用意しておく。ただし、本発明でいうオフセットの変動幅とは、ある加工条件の組合せに対応するオフセットの値と平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正して変化したオフセットの値とのオフセットの寸法差をいう。
オフセット調整データは、加工制約情報、具体的に、ワイヤ電極の材質と直径、被加工物の材質、および加工液噴流の供給状態毎に必要である。実施の形態では、ワイヤ電極の材質は黄銅で直径が0.10mm、0.15mm、0.20mm、0.25mm、0.30mmの5種類と、被加工物の材質が鉄、超硬、アルミニウム、銅の4種類と、加工液噴流の供給状態が、「密着」、「片浮き」、「両浮き」の3種類とで、組合せで合計60種類のオフセット調整データを備える。
このことから、オフセットの値を調整するときは、加工条件の組合せを選定するときに作業者が入力して制御装置に与えている加工制約情報を記憶装置から読み出して取得し、複数のオフセット調整データの中から与えられている加工制約情報に一致するオフセット調整データを選定して取り出す(S7)。
オフセット調整データは、基本的に所定の加工条件の組合せに対応するオフセットの変動幅を測定した離散的な測定データを骨格として構成される。オフセット調整データの骨格となる測定データを基礎データという。実施の形態のオフセット調整データは、演算式のデータである。
演算式は、適用される近似法に従う近似式である。オフセット調整データは、信用ある演算式を成立させるために必要最低限の数の基礎データから所定の近似法を用いて得る。具体的に、板厚tからオフセットの変動幅hを求める基本の演算式は、数1に示される。演算式におけるa,b,c,dは、それぞれ係数であって実験データから得る。演算式は、基礎データの離散する状態によってより高次になることがある。数1に示される三次式の場合、必要最低限の測定データの数は、およそ4個である。
Figure 2013126697
図2に、ある加工条件の組合せにおける被加工物の板厚tとオフセットの変動幅hとの相関関係を示す連続するデータに相当する演算式と連続するデータをグラフで表わした具体的な一例が示されている。実施の形態のワイヤカット放電加工方法は、オフセット調整データからオフセットの変動幅を得るので、変化したオフセットの値を測定する必要がない。また、実施の形態のオフセット調整データは、基礎データに基づいて近似法を用いて生成された連続するデータであるので、膨大なテストカットを行なってデータベースを作成する必要がない。
特に、実施の形態のオフセット調整データは演算式のデータであるので、新しく得た測定データを基礎データとして順次追加するだけで精度を高めて進化させることができる。また、演算式のデータは、記憶装置において占有する記憶領域が小さく、基礎データが追加されても占有する記憶領域が殆ど拡大しない。また、データを検索して抽出する必要がない。そのため、演算装置と記憶装置にかかる負担が小さく、データを取得するために要する時間が短い優れた利点がある。
オフセット調整データを選択したら、平均加工電流を増大するために特定の種類の電気的加工条件を補正したときの被加工物の板厚tに対応するオフセットの変動幅hをオフセット調整データから取得する(S8)。実施の形態では、オーバライドの値で電気的加工条件を補正しているので、オーバライド100%のときのオフセットの変動幅として取得する。したがって、オーバライドの値が100%以外のときは、そのときのオーバライドの値によって取得したオフセットの変動幅に予め定められている比率を乗じて適用するオフセットの変動幅とする。
オフセットの変動幅が判明したら、オフセットを調整できる特定の種類の電気的加工条件を変更する。ここで、数1に示されるオフセットの変動幅hと特定の種類の電気的な加工条件との間には、数2で示す関係がある。ただし、ONxは電気的加工条件であるオン時間のパラメータの値、SVxは電気的加工条件であるサーボ基準電圧のパラメータの値、αは第1の定数、βは第2の定数、γとrはそれぞれ端数を示す。
Figure 2013126697
数2に示される関係から、具体的に、オフセット調整データから取得したオフセットの変動幅を所定の第1の定数で除して電気的加工条件のオン時間の調整値を求める(S9)。ただし、オン時間の調整値は、加工条件のパラメータの値であって整数である。したがって、演算の解の整数値をオン時間の調整値とする。オフセットの変動幅をhとしたときのオン時間の調整値ONxを求める演算式が数3に示される。なお、数3で示される除算で生じる余りrは、数2に示される端数に相当する。
Figure 2013126697
第1の定数αは、加工制約条件によって異なる。第1の定数αは、実験で求める。第1の定数αは、正確には加工工程で変動する。しかし、同一の加工制約条件であるなら、第1の定数αが固定されていても、算出されるパラメータの調整値は誤差の範囲で収まるため、一定とする。図3に、実験で求めたオン時間のパラメータの値の変化量(調整値)とオフセットの変動幅との関係の一実施例が示される。なお、図3に示される加工条件表における数値はパラメータの値であって、ある機械において固有の値であるが、実数値の表示は省略する。
理論的にオン時間のパラメータの値の変化量とオフセットの変動幅とは比例関係にあるので、実験で得た離散的な複数のデータに基づいて相関関係を一次式で近似することができる。例えば、図3に示される実施例の場合は、演算式の傾きが4.1μmであることが判明した。したがって、図3に示される実施例の場合は、第1の定数αを4.1μmとする。
パラメータの値が整数であるため、数3で示される除算では殆どの場合で余りrが生じる。したがって、余りが大きいときは、オン時間だけでオフセットを調整しきれないことを示している。そこで、数2に示される関係から、数3の演算式で示される除算で生じた余りの値を所定の第2の定数で除して電気的加工条件のサーボ基準電圧の調整値を求める(S10)。ただし、サーボ基準電圧の調整値は、加工条件のパラメータの値であって整数である。したがって、演算の解の整数値をサーボ基準電圧の調整値とする。余りがrであるときのサーボ基準電圧の調整値SVxを求める演算式が数4に示される。
Figure 2013126697
第2の定数βは、加工制約条件によって異なる。第2の定数βは、実験で求める。第2の定数βは、正確には加工工程で変動する。しかし、同一の加工制約条件であるなら、第2の定数βが固定されていても、算出されるパラメータの調整値は誤差の範囲で収まるため、一定とする。図4に、実験で求めたサーボ基準電圧のパラメータの値の変化量(調整値)とオフセットの変動幅との関係の一実施例が示される。なお、図4に示される加工条件表における数値はパラメータの値であって、ある機械において固有の値であるが、実数値の表示は省略する。
理論的にサーボ基準電圧のパラメータの値の変化量とオフセットの変動幅とは比例関係にあるので、実験で得た離散的な複数のデータに基づいて相関関係を一次式で近似することができる。例えば、図4に示される実施例の場合は、近似式の傾きが1.4μmであることが判明した。したがって、図4に示される実施例の場合は、第2の定数βを1.4μmとする。
具体的に、ある特定のワイヤカット放電加工機において、黄銅のワイヤ電極の直径が0.2mmで、被加工物の材質が鉄、加工液噴流の供給状態が「密着」であるときに、板厚40mmでオーバライドの値100%で平均加工電流を増大させて加工を行なったときのオフセットの変動幅は、数5で示すとおりである。
Figure 2013126697
オフセットの変動幅が4.765μmであるとき、第1の定数αを4.1μmとすると、オン時間の調整値ONxは、数3に基づいて得ることができる。具体的に、数6に示されるとおり、オン時間の調整値ONxは、パラメータの値で1である。
Figure 2013126697
したがって、数6に示される除算で生じた余りが0.665μmであるとき、第2の定数βが1.4μmあるとすると、サーボ基準電圧の調整値SVxは、数4に基づいて得ることができる。具体的に、数7に示されるとおり、サーボ基準電圧の調整値SVxは、パラメータの値で0である。調整値が0であるということは、サーボ基準電圧は補正しないということである。言い換えると、数4の除算で生じる余りは、オフセットを調整する必要がない僅かな誤差である。
Figure 2013126697
オン時間の調整値とサーボ基準電圧の調整値が求められたら、各調整値に基づいて平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正した後の初期に設定された加工条件の組合せのうちのオン時間とサーボ基準電圧のパラメータの値を変更する(S11)。加工が終了したら、変更したり補正した電気的加工条件を元に戻して初期に設定された加工条件の組合せを記憶装置に記憶させる。
以上に示されるように、平均加工電流を増大させるために平均加工電圧を操作する特定の種類の電気的加工条件だけを補正してオフセットの値が変化した場合に、加工条件の組合せ全体を変更して設定し直すことなく、容易に変化する前のオフセットの値に調整することができる。オフセットの値を調整することができる。
図5に、図1に示されるワイヤカット放電加工方法を実現するワイヤカット放電加工装置の代表的な具体例が示される。ワイヤ電極1と被加工物2は、所定の加工間隙を隔てて対向配置される。ワイヤ電極1は、基本的に水平に設置された被加工物2に対して垂直の方向に所定のテンションを付与された状態で張架される。
供給装置3は、新しいワイヤ電極1を常に加工間隙に供給する手段である。供給装置3は、主にリール31と、サーボプーリ32と、送出ローラ33と、でなる。ワイヤ電極1を巻き回したボビン34は、リール31に装填される。リール31は、パウダブレーキを具備し、ボビン34の空転を防止してバックテンションを与える。サーボプーリ32は、ワイヤ電極1の振動を吸収してテンションの変動を防止する。送出ローラ33は、サーボモータ35で回転制御される。
回収装置4は、放電加工に供されたことによって荒れて消耗した使用済のワイヤ電極1を加工間隙から回収する手段である。回収装置4は、主に巻取ローラ41と、搬送装置42と、アイドリングローラ43と、でなる。巻取ローラ41は、モータ44によって定速で回転する駆動ローラと従動するピンチローラでなる。巻取ローラ41は、使用済のワイヤ電極1を巻き取って排出する。搬送装置42は、ワイヤ電極1を搬送パイプの中に導入してアスピレータで吸引して巻取ローラ41まで搬送する。アイドリングローラは、ワイヤ電極1を搬送装置42に導く方向転換プーリである。
張力制御装置5は、主に送出ローラ33と、巻取ローラ41と、張力検出器51と、サーボ制御装置52と、を含んでなる。ワイヤ電極1は、巻取りローラ44が定速で回転することによって送出ローラ33と巻取ローラ44との間を定速で走行する。ワイヤ電極1が走行する速度をワイヤスピード(送行速度)という。ワイヤスピードは、加工条件の組合せとして予め設定される。
送出ローラ33は、テンションローラを兼用する。送出ローラ33は、巻取ローラ41に対して意図的に所定の速度差を発生させることによってワイヤ電極1にテンションを付与する。ワイヤ電極1のテンションは、張力検出器51で検出される。サーボ制御装置52は、張力検出器51の検出信号と制御装置6から出力される規定のテンションを示す指令信号とに基づいてワイヤ電極1のテンションが常に規定のテンションに維持されるように送出モータ33のトルクを制御する。
ガイドアッセンブリ7は、被加工物2を挟んで上下に設けられる。ガイドアッセンブリ7には、ワイヤ電極1を案内するワイヤガイド71が収容されている。また、ガイドアッセンブリ7には、通電体72と加工液噴流ノズル73が一体的に組み込まれている。通電体72は、ワイヤ電極1に接触してワイヤ電極1に給電する。加工液噴流ノズル73は、加工間隙に加工液噴流を供給する。
上下の加工液噴流ノズル73の噴出口が被加工物2の上下面に密接に配置されているときの加工液噴流の供給状態を「密着」という。上下一方の加工液噴流ノズル73の噴出口が被加工物2から離れて設置されているときを「片浮き」という。また、上下の加工液噴流ノズル73の噴出口が被加工物2から離れて設置されているときを「両浮き」という。
加工電源装置8は、少なくとも図示しない直流電源とスイッチング素子を含んでなる。直流電源の一方の極が上下通電体72に接続し、他方の極が被加工物2に接続する。スイッチング素子が導通すると、直流電源の電圧が加工間隙に印加される。加工間隙に電圧が印加されてから不特定の無負荷時間後にギャップが絶縁破壊されて加工間隙に放電が発生する。放電電流は、ワイヤ電極1を通して加工間隙に流れる。
制御装置6は、演算装置61と、入力装置62と、記憶装置63と、表示装置64と、を備えている。制御装置6は、数値制御装置の機能を含んでいるが、詳細な説明を省略する。制御装置6は、サーボ制御装置52に規定のテンションを示す指令信号を送る。制御装置6は、電気的加工条件に従って加工電源装置6を制御する指令信号を送る。制御装置6は、図示しないモータドライバを通して巻取ローラ44に設定されたワイヤスピードに従う速度の指令信号を送る。
入力装置62は、加工情報を入力する手段である。具体的に、作業者が入力装置62から加工要求情報として加工面粗さと加工形状精度を入力することができる。また、作業者が入力装置62から加工制約情報としてワイヤ電極1の材質と直径、被加工物2の材質と板厚、および加工液噴流の供給状態を入力することができる。ただし、被加工物2の板厚と加工液噴流の供給状態は、入力装置62を通さずに、図示しない検出装置またはNCプログラムから情報を得て演算装置62に与えることができる。
記憶装置63は、入力装置62から入力される加工情報を記憶する。記憶装置63には、予め加工条件のデータベースが記憶されている。加工条件の組合わせは、加工条件表の形式で表示装置64に表示される。記憶装置63は、設定された加工条件の組合せを記憶しておくことができる。記憶装置63は、平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正するオーバライドの値を記憶する。
記憶装置63は、ワイヤ電極1の材質と直径、被加工物2の材質、および加工液噴流の供給状態毎に実際に測定して得た必要最低限の数のオフセットの変動幅の測定データである基礎データに基づいて近似法を用いて生成された被加工物2の板厚とオフセットの変動幅との相関関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データを記憶する。実施の形態における記憶装置63は、オフセット調整データを演算式のデータで記憶している。
演算装置61は、作業者の指示によって安全なテンションを求めて、初期に設定された加工条件の組合せに基づいて予め決められたテンションを変更し、規定のテンションとして設定し直す。言い換えると、初期に設定されている限界のテンションを緩める。このとき、演算装置61は、設定し直した規定のテンションに対応して平均加工電流を増大するように特定の種類の電気的加工条件を補正する。
演算装置61は、初期に設定された加工条件を変更したとき、加工情報に従って被加工物2の板厚に対するオフセットの変動幅を記憶装置63に記憶されているオフセット調整データから取得する。演算装置61は、取得したオフセットの変動幅を所定の第1の定数で除して加工条件のオン時間の調整値を求める。また、演算装置61は、オフセットの変動幅を第1の定数で除算したときに発生した余りの値を所定の第2の定数で除して加工条件のサーボ基準電圧の調整値を求める。
演算装置61は、オン時間の調整値とサーボ基準電圧の調整値に基づいて平均加工電流を増大するために特定の種類の電気的加工条件を補正した後の初期に設定された加工条件の組合せのうちのオン時間とサーボ基準電圧のパラメータの値を変更する。
本発明のワイヤカット放電加工方法およびワイヤカット放電加工装置は、すでに説明されている代表的な実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で実施の形態を変形して実施することができる。また、本発明は、既知のワイヤカット放電加工方法およびワイヤカット放電加工装置と組み合わせて実施することができる。
本発明は、放電加工に適用される。特に、本発明は、ワイヤカットにおいて作業者の負担が増大せず、作業効率を低下させることなく、加工速度を向上させる。本発明は、ワイヤカットによる金型の製造または部品の製造における技術の進歩に貢献する。
1 ワイヤ電極
2 被加工物
3 供給装置
33 送出ローラ(テンションローラ)
35 サーボモータ
4 回収装置
41 巻取ローラ
44 モータ
5 張力制御装置
51 張力検出器
52 サーボ制御装置
6 制御装置
61 演算装置
62 入力装置
63 記憶装置
64 表示装置
7 ガイドアッセンブリ
72 通電体
8 加工電源装置

Claims (4)

  1. 所定の加工条件の組合せに対応するオフセットの値と平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正して変化したオフセットの値とのオフセットの変動幅を測定して得た必要最低限の数の前記オフセットの変動幅の測定データに基づいて近似法を用いて被加工物の板厚と前記オフセットの変動幅との相関関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データを生成する工程と、平均加工電流の値を増大するように前記特定の種類の電気的加工条件を補正する工程と、前記特定の種類の電気的加工条件を補正したときの被加工物の板厚に対する前記オフセットの変動幅を前記オフセット調整データから得る工程と、を含んでなるワイヤカット放電加工方法。
  2. 前記オフセット調整データから得た前記オフセットの変動幅を所定の第1の定数で除して加工条件のオン時間の調整値を求めるとともに前記除算で発生した余りの値を所定の第2の定数で除して加工条件のサーボ基準電圧の調整値を求める工程と、前記調整値に基づいて前記特定の種類の電気的加工条件を補正した後の前記初期に設定された加工条件の組合せのうちの前記オン時間と前記サーボ基準電圧を変更する工程と、を含んでなる請求項1に記載のワイヤカット放電加工方法。
  3. 前記オフセット調整データが特定の演算式のデータでなることを特徴とする請求項1に記載のワイヤカット放電加工方法。
  4. 加工情報を入力する入力装置と、ワイヤ電極の材質と直径、被加工物の材質、および加工液噴流の供給状態毎に所定の加工条件の組合せに対応するオフセットの値と平均加工電流を操作する特定の種類の電気的加工条件を補正して変化したオフセットの値とのオフセットの変動幅を測定して得た必要最低限の数の前記オフセットの変動幅の測定データに基づいて近似法を用いて生成された被加工物の板厚と前記オフセットの変動幅との相関関係を示す連続するデータでなるオフセット調整データを記憶する記憶装置と、初期に設定された加工条件の組合せに基づいて予め決められたテンションを変更して設定し直した規定のテンションに対応して平均加工電流を増大するように前記特定の種類の電気的加工条件を補正して前記加工情報に従って被加工物の板厚に対する前記オフセットの変動幅を前記オフセット調整データから取得し前記取得した前記オフセットの変動幅を所定の第1の定数で割って加工条件のオン時間の調整値を求めるとともにその除算で発生した余りの値を所定の第2の定数で割って加工条件のサーボ基準電圧の調整値を求めて前記調整値に基づいて前記特定の種類の電気的加工条件を補正した後の前記初期に設定された加工条件の組合せのうちの前記オン時間と前記サーボ基準電圧を変更する演算装置と、を含んでなるワイヤカット放電加工装置。
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