JP2013126325A - 充電回路 - Google Patents

Abstract

【課題】充電回数増加時の充電量の低下を軽減した充電回路を提供する。
【解決手段】本発明は、二次電池４１を内蔵した電池パック４と、この電池パック４の二次電池４１を充電する充電器２とで構成される充電回路１であって、定電流充電動作後に定電圧充電動作を行わせて充電動作を制御し且つこの定電圧充電動作における充電電流が終止電流値に至ると前記充電動作を終了する制御を行う制御部３と、電池パック４に設けられ前記充電動作を行った充電回数を記憶する記憶部４２と、前記終止電流値を変更する値変更部５とを備え、値変更部５が、前記充電回数の増加に応じて前記終止電流値を小さい値に変更するものである。
【選択図】図１

Description

本発明は、二次電池を内蔵した電池パックを充電するための充電回路に関する。

従来から電動工具や携帯電話等の電気機器において、充放電可能な二次電池を内蔵した電池パックを、電源として備えたものがある。この電池パックは、充電器に取り付け、電池パックの二次電池と充電器の電源部とを電気的に接続することで、電源部で二次電池の充電を行うことができる。

そして、充電器を電池パックに取り付けることで形成される二次電池を電源部で充電するための充電回路として、例えば、特許文献１の充電回路等がある。このものでは、充電時の動作として、充電電流を略一定に保ち充電電圧を増加させる定電流充電動作と、充電電圧を略一定に保ち充電電流を低下させる定電圧充電動作とを有する。そして、この充電動作では、例えば、定電流充電動作時に充電電圧が設定値に達すると、定電圧充電動作に切り替え、定電圧充電動作時に充電電流値が終止電流値に達すると、充電完了として充電動作を停止する充電制御が行われる。

特開２００７−１４３２７９号公報

ところで、電池パックの二次電池は、充放電を繰り返した場合に、二次電池の内部抵抗の増加等の劣化現象を生じ易く、二次電池に劣化現象を生じると、定電流充電動作や定電圧充電動作の充電時間等に影響を与えることがある。例えば、二次電池にリチウムイオン電池を用いた場合を例示する。この場合、図６に示すように、充電動作を繰り返した寿命末期のものが初回の充電時等の寿命初期のものに比べて、定電流充電動作時に充電電圧が設定値に達するタイミングが、充電時間の開始側にシフトする。言い換えると、充電末期のものは、寿命初期のものに比べて、定電流充電動作の時間が短くなり易く、定電流充電動作での充電量が、寿命初期に比べて少ない状態で定電圧動作に切り替わり易い。

また、例えば、充電電流カーブ（図中Ｌ１参照）全体における充電電流の時間積分値を二次電池の充電可能な充電可能領域Ｅ１０とした場合、充電開始から終止電流値Ａ１０までの領域（時間積分値）が充電動作で充電する充電領域Ｅ１１となる。そして、充電可能領域Ｅ１０における残りの領域が、充電動作で充電しない非充電領域Ｅ１２となる。更に、終止電流値Ａ１０が一定であるため、寿命末期では、充電初期に比べて、充電可能領域Ｅ１０あたりの非充電領域Ｅ１２の割合が多くなる。そのため、充電末期では充電初期に比べて充電量が極端に少なくなり易いという問題がある。

そこで、本発明では、充電回数増加時の二次電池の劣化等の影響による充電量の低下を軽減して、充電動作を行う充電回路を提供する。

前記課題を解決するために本発明は、二次電池を内蔵した電池パックと、この電池パックの前記二次電池を充電する充電器とで構成される充電回路であって、定電流充電動作後に定電圧充電動作を行わせて充電動作を制御し且つこの定電圧充電動作における充電電流が終止電流値に至ると前記充電動作を終了する制御を行う制御部と、前記電池パックに設けられ前記充電動作を行った充電回数を記憶する記憶部と、前記終止電流値を変更する値変更部とを備え、前記値変更部が、前記充電回数の増加に応じて前記終止電流値を小さい値に変更するものであることを特徴とする。

この充電回路として、前記値変更部を前記充電器に設けたことが好ましい。

この充電回路として、前記値変更部を前記電池パックに設けたことが好ましい。

本発明は、充電回数増加時の充電量の低下を軽減し易くすることができるという効果を奏する。

実施形態の充電回路の回路図である。 充電動作の説明図であり、（ａ）が終止電流値での終了無の場合であり、（ｂ）が終止電流値での終了有の場合である。 充電電流カーブの説明図であり、（ａ）が寿命初期の二次電池の場合であり、（ｂ）が寿命末期の二次電池の場合である。 充電回数に応じた終止電流値の説明図である。 変形例の回路図である。 終止電流値一定の場合における充電回数の増加に伴う充電量の低下の説明図であり、（ａ）が寿命初期の二次電池の場合であり、（ｂ）が寿命末期の二次電池の場合である。

本発明を、添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。

図１には、実施形態の充電回路１を示してあり、二次電池４１を内蔵した電池パック４と、装着された電池パック４の二次電池４１を充電する充電器２とで構成される。そして、充電回路１を形成する充電器２の内部回路１ａと電池パック４の内部回路１ｂとは、端子７を介して電気的に接続してある。以下、電気的な接続を、単に接続と記載する。

充電器２は、商用電源等の外部電源８に接続された電源部２１を備えており、電源部２１は、例えば、外部電源８からの電力を整流する整流ブロックとなっており、整流ブロックで整流した電力は充電用トランス２２に印加される。そして、充電器２は、この電力を充電用トランス２２から端子７を介して二次電池４１（電池パック４の内部回路１ｂ）に供給することで、二次電池４１の充電を行う。更に、電源部２１と充電用トランス２２の間には、充電用トランス２２への給電の入り切りや、充電用トランス２２へ流れる電流を調整する電流出力回路部２３が設けてあり、電流出力回路部２３は制御部３（詳細は後述する）に制御される。

また、電源部２１には、制御用電源部２４が設けてあり、制御用電源部２４で調整された電力は制御用トランス２５を介して制御部３に供給される。そして、制御部３を有する制御用トランス２５の二次側の回路には、演算増幅器等の周辺回路部２６と、制御部３に電力を安定出力するための電圧変換部２７と、電池パック４の着脱を検知するためのフォトカプラ等の検知部２８とが設けてある。

二次電池４１を有した電池パック４には、定電圧充電動作用の定電圧制御素子４３と、記憶部４２とが設けてある。記憶部４２は記憶情報として、充電器２に装着した電池パック４の定格電圧や終止電流値の初期値等の構成を制御部３に識別させるための識別情報と、充電動作を行った回数である充電回数を有した寿命情報とを記憶している。

制御部３は、充電動作の制御（充電制御）を行う際に、充電器２に装着された電池パック４の記憶部４２から、記憶情報（識別情報及び寿命情報）を取得し、記憶部４２の記憶情報及び定電圧制御素子４３を用いて充電制御を行う。

この充電制御は、図２（ａ）に示すように、充電電流（図中Ｌ１参照）を略一定で充電電圧（図中制御電圧Ｌ２参照）を増加させる定電流充電動作（図中ＡＣ１参照）で充電を開始する。そして、この定電流充電動作において、充電電圧が所定の設定値に達すると、充電電圧を略一体に保ちながら充電電流を徐々に低下させる定電圧充電動作（図中ＡＣ２参照）に切り替える。更に、図２（ｂ）に示すように、この定電圧充電動作に切り替えて充電を継続した状態で、低下させた充電電流が終止電流値（図中Ａ０参照）に達すると、二次電池４１の充電が完了したと判断して、充電動作を終了する。

また、制御部３は、充電制御に用いる終止電流値を、充電回数の増加に応じて、終止電流値の初期値に比べて小さい値に変更する値変更部５としての機能を有する。

制御部３の値変更部５としての機能は、充電動作を行う際に、記憶部４２から取得した終止電流値の初期値（識別情報）及び寿命情報の充電回数を用いて、今回の充電動作（今回の充電回数）に応じた終止電流値を得る情報処理を行う機能となっている。この情報処理として、例えば、図４に示すように、充電回数が所定の回数（図４では１００回）に達する毎に、充電制御に用いる終止電流値を小さい値に変更する処理となっている。

そして、処理結果である前記情報処理によって得た終止電流値は、情報処理を行った際の充電動作（今回の充電動作）における定電圧充電動作の終止電流値に用いられる。例えば、図３に示すように、二次電池４１が寿命初期に比べて充電回数の多い寿命末期に達すると、寿命初期の終止電流値（図中Ａ１参照）に比べて小さくした寿命末期の終止電流値（図中Ａ２参照）を用いて前記充電制御を行う。

このように、充電回数に応じて終止電流値を小さくしたことで、終止電流値一定では非充電領域となる領域（図６中のＥ１２参照）の一部が、図３（ｂ）に示すように、充電領域Ｅ１の一部（増加領域Ｅ３）になる。そのため、終止電流値一定の場合に比べて、充電可能領域Ｅ０あたりの非充電領域Ｅ２の割合を低減することができ、充電量を増やし易くすることができる。そして、充電量を増やし易くしたことで、充電回数の増加（二次電池４１の劣化）に伴う充電量の低下を軽減して、充電回数に応じた充電制御を行い易くすることができ、電池パック４の電源としての利便性を向上し易くすることができる。

また、充電器２には、充電動作等を外部に報知する報知部２９がさらに設けてある。報知部２９は制御部３に制御されており、外部電源８との接続状態や、開始や終了等の充電動作や、充電器２や電池パック４の異常状態等を外部に報知する。

以下、図５に示す変形例を説明する。なお、図１に示す例と同様の構成の重複する説明等は省略し、差異点を主に説明する。

この例では、図５に示すように、電池パック４に値変更部５が設けてあり、電池パック４側で充電回数に応じて値を変更した終止電流値が、端子７から充電器２の内部回路１ａ（制御部３）に入力される。

具体的には、電池パック４が、値変更部５として電池内制御部４５を備える。電池内制御部４５は、充電器２に接続された際に、記憶部４２から記憶情報を取得し、この記憶情報から、充電回数に応じて終止電流値を小さい値に変更する。そして、電池内制御部４５は、この結果（値を変更した終止電流値）の情報を電流制御素子４６を介して制御部３に出力する。制御部３は、この終止電流値が入力されると、この終止電流値を、今回の充電動作における終止電流値に用いて、充電制御を行う。

このように、値変更部５を電池パック４に設けたことで、電池パック４側で終止電流値を電池パック４の寿命（充電回数）に応じて小さくした値に変更することができ、且つこの終止電流値を用いて制御部３が充電制御を行うことができる。そのため、充電回数の増加に応じた充電量の低下を軽減して、この充電回数に応じた充電制御を行い易くなり、電池パック４の電源としての利便性を向上し易くすることができる。

そして、電池パック４側で終止電流値を変更したことで、充電器２側で終止電流値を変更する情報処理を行わなくても、充電回数に応じた終止電流値での充電制御を行うことができる。そのため、例えば、制御部３が値変更部５としての機能を有しないもの等の値変更部５を備えない充電器２を用いた場合であっても、充電量の低下を軽減して充電回数に応じた充電制御を行うことができる。

なお、本発明は実施形態や変形例の構成のみに限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、実施形態や変形例において適宜の設計変更を行うことが可能である。例えば、制御部３と値変更部５とを各々別部材で構成して充電器２に設けた構成であってもよい。この場合、値変更部５は記憶部４２から記憶情報を取得して、この記憶情報から充電回数に応じて終止電流値を小さい値に変更した後、この変更した終止電流値を制御部３に出力する構成になる。また例えば、終止電流値変更の情報処理は、二次電池４１の寿命初期での充電時間と略同じ充電時間における充電電流の値を、充電回数に応じた終止電流値とする処理であってもよい。この場合、充電動作は、充電回数増加後も、充電時間が寿命初期の場合と略同じ充電時間にすることができる。

また例えば、記憶部４２が、図４に示すような充電回数毎の終止電流値のテーブル情報を記憶し、値変更部５が記憶部４２からこのテーブル情報と充電回数とを取得して、この取得した情報から終止電流値を充電回数に応じた値に変更するものであってもよい。この場合、値変更部５が終止電流値の初期値（識別情報）を用いなくても終止電流値を決定する（小さい値に変更する）ことができるため、値変更部５が初期値を取得しない構成や、記憶部４２が初期値や識別情報を記憶していない構成等であってもよい。また例えば、充電器２は、外部電源８から給電される電源部２１を備えたものに限らず、発電機等の内部電源を電源部２１として備え、この内部電源（電源部２１）の電力で二次電池４１を充電するものであってもよい。

１ 充電回路
２ 充電器
３ 制御部
４ 電池パック
４１ 二次電池
４２ 記憶部
５ 値変更部

Claims (3)

1. 二次電池を内蔵した電池パックと、この電池パックの前記二次電池を充電する充電器とで構成される充電回路であって、
   定電流充電動作後に定電圧充電動作を行って充電動作を制御し且つこの定電圧充電動作における充電電流が終止電流値に至ると前記充電動作を終了する制御を行う制御部と、
   前記電池パックに設けられ前記充電動作を行った充電回数を記憶する記憶部と、
   前記終止電流値を変更する値変更部とを備え、
   前記値変更部が、前記充電回数の増加に応じて前記終止電流値を小さい値に変更するものであることを特徴とする充電回路。
2. 前記値変更部を前記充電器に設けたことを特徴とする請求項１に記載の充電回路。
3. 前記値変更部を前記電池パックに設けたことを特徴とする請求項１に記載の充電回路。
   

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