JP2013125926A - 電源ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】安価かつ簡易な構造で電源ケーブルに重畳するコモンモードノイズの放射を抑制する。
【解決手段】商用電源のコンセントに装着可能な電源コネクターに接続した活線を介して機器の電源回路に電源を供給する電源ケーブル20は、一方の端部が活線11と電源コネクター21において電気的に接続されている導電ライン15を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電源ケーブルに関する。
従来、機器に商用電力を引き入れる際、商用電源のコンセントと機器の電源回路は、2端子又はGND端子付きの3端子の電源ケーブルにより接続されている。最近の機器の電源回路では、電源効率を重視する関係で、回路方式として、商用電力を一旦整流素子で直流に変換し、スイッチング素子でチョップして任意の周波数に変換し、整流素子と受動素子を使って必要とする直流電力を得る、所謂スイッチング電源が多用されている。しかしながら、このスイッチング電源においては、スイッチング素子によるノイズが1次側となる商用電源側及び2次側の機器内部の回路に漏洩する課題があり、トランス、コイル、コンデンサーといった部品を用いて、その漏洩を一定の規定値以下に抑える設計がなされていた。
一般的に、電力は1対の電極線により伝送線路を形成して伝送され、1対の伝送路の電極線間ではそれぞれ相反する方向に電流が流れる。従って、それぞれの電極線により形成される磁界は相殺される関係となり、該伝送線路の外界への磁界は形成されず、即ち、外界に対して放射ノイズを起こすことはない。このような伝送形式はノーマルモードと呼ばれる。
一方、上記1対の電極線に対して同一方向(同位相)で流れる電流が存在し、この電流はコモンモードと呼ばれ、空間の浮遊容量によりノイズ源に戻ると解釈されている。スイッチング電源においてスイッチング素子により、ノーマルモードとコモンモードの双方のノイズが生成されおり、商用電源に接続する1次側では、機器と商用電源を接続する電源ケーブルがある程度の長さをもって具備されるため、特に機器から漏洩してくるコモンモード成分のノイズに対しては良好な放射器となる場合があることから、規制されたノイズ放射レベル以下に抑制できないことでEMC(Electro−Magnetic Compatibility)の問題が生じる。
この問題は電源ケーブルが2端子又はGND端子付きの3端子の場合であっても同様であって、電源ケーブルに同位相の高周波電流が重畳してしまうことが原因であり、電源回路の1次側の電源端子間に種々回路素子を挿入して対策を行なっても、一般的には対策効果を発揮させることは困難である。そのため、例えば特許文献1に開示されているように、電源ケーブルにフェライトコアを装荷する方法や、特許文献2に開示されるようにフィルターを挿入する方法で、コモンモードノイズの放射を抑制していた。
特開昭61−233905号公報 特開2007−104411号公報
しかしながら、いずれの方法もフェライト等の磁性体コアに2本の電源ラインを通過又は巻きつけることによりコモンモードノイズの高周波電流をチョークする方法であるが、いずれも効果を高めるためには磁性体コアによるインピーダンス値を高めるためにコア形状を大型にする必要があった。この方法は高価な部材(コア)となる上に、そのコアを装着する作業工程も追加される。更に、機器に接続する電源ケーブルの外観についても、大きな出っ張りができ、ユーザーに対しアピールされる機器の美観を大きく損ねるものとなっていた。また、商用電源に接続する電源回路の1次側では高電圧の上に高い電流値を通過させる必要があるため、フィルター等を構成する場合、電気信号を処理する部品とは異なり、電源用の耐大電力設計の部品を使用する必要があるが、そういった部品は一般的に高価であると共に、使用する部品が大きくなる。
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、安価かつ簡易な構造で電源ケーブルに重畳するコモンモードノイズの放射を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例にかかる電源ケーブルは、商用電源の接続部に装着可能な電源コネクターに接続した活線を介して機器の電源回路に電源を供給する電源ケーブルであって、一方の端部が前記活線と前記電源コネクターにおいて電気的に接続されている導電ラインを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、機器の電源回路でコモンモードノイズが発生し、電源ケーブルの活線に沿って機器の電源回路から電源ケーブルの電源コネクターに向かって伝播する場合、電源ケーブルに配置した前記導電ラインの一方の端部は、電源コネクターにおいて活線と電気的に接続しており、電源ケーブルにおいて導電ラインには活線を流れるコモンモードノイズの高周波電流の向きとは逆向きとなる(反平行の)高周波電流が流れる。このとき活線及び導電ラインより生じる放射電磁界は相殺する関係となり、コモンモードノイズの放射は抑制される。従って、電源ケーブルに導電ラインを設けることで、容易かつ安価にコモンモードノイズの放射を抑制できる。
[適用例2]
上記適用例にかかる電源ケーブルにおいて、前記活線は複数であり、複数の前記活線は前記電源コネクターにおいてそれぞれ異なる前記導電ラインの一方の端部と電気的に接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、機器の電源回路でコモンモードノイズが発生し、電源ケーブルの極性の異なる複数の活線に沿って機器の電源回路から電源ケーブルの電源コネクターに向かって伝播する場合、電源ケーブルに配置した複数の導電ラインはそれぞれその一方の端部は電源コネクターでそれぞれ複数の活線と電気的に接続しているため、電源ケーブルにおいて複数の導電ラインには複数の活線を流れるコモンモードノイズの高周波電流の向きとは逆向きとなる(反平行の)高周波電流が流れる。このとき複数の活線及び複数の導電ラインより生じる放射電磁界は相殺する関係となり、より良好にコモンモードノイズの放射を抑制できる。
[適用例3]
上記適用例にかかる電源ケーブルにおいて、前記導電ラインの他方の端部は、前記機器の前記電源回路と電気的に絶縁されていることを特徴とする。
このような構成によれば、従来の回路設計に対して新たな配慮をすることなく電源ケーブルを配置し、使用することができる。
[適用例4]
上記適用例にかかる電源ケーブルにおいて、前記導電ラインは前記活線に対して螺旋状に巻きつけられていることを特徴とする。
このような構成によれば、電源ケーブルに対して導電ラインの実効的な長さを長くすることができるため、機器より生じるコモンモードノイズのより低周波側のノイズを低減できる。
[適用例5]
上記適用例にかかる電源ケーブルにおいて、前記導電ラインは前記活線と一体となって、前記電源ケーブルの被覆内に納められていることを特徴とする。
このような構成によれば、機器と電源の接続部を接続する一本の電源ケーブルとして、従来の電源ケーブルと同様の使用方法で、且つ外観的にも変わらないため、従来通りに使用できる上に汎用的であり、多くの機器に適用が可能になる。
[適用例6]
本適用例にかかる電源ケーブルは、商用電源の接続部に装着可能な電源コネクターに接続した活線を介して機器の電源回路に電源を供給すると共に、機器にアース電位を与えるグランドラインを含んだ電源ケーブルであって、前記グランドラインの一方の端部が前記電源コネクターにおいて電気的に接続されている導電ラインを備えることを特徴とする。
このような構成によれば、機器よりコモンモードノイズが発生し、機器の筺体グランドから電源ケーブルのグランドラインに沿って電源ケーブルの電源コネクターに向かって伝播する場合、電源ケーブルに配置した前記導電ラインの一方の端部は電源コネクターにおいてグランドラインと電気的に接続しており、電源ケーブルにおいて導電ラインにはグランドラインを流れるコモンモードノイズの高周波電流の向きとは逆向きとなる(反平行の)高周波電流が流れる。このときグランドライン及び導電ラインより生じる放射電磁界は相殺する関係となり、コモンモードノイズの放射は抑制される。従って、電源ケーブルに導電ラインを設けることで、容易かつ安価にコモンモードノイズの放射を抑制できる。
[適用例7]
上記適用例にかかる電源ケーブルにおいて、前記電源回路に接続された前記活線は、前記電源コネクターにおいて、前記導電ラインとは異なる導電ラインの一方の端部と電気的に接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、機器の電源回路でコモンモードノイズが発生し、電源ケーブルの活線に沿って機器の電源回路から電源ケーブルの電源コネクターに向かって伝播する場合、電源ケーブルに配置した前記導電ラインの一方の端部は電源コネクターにおいて活線と電気的に接続しており、電源ケーブルにおいて導電ラインには活線を流れるコモンモードノイズの高周波電流の向きとは逆向きとなる(反平行の)高周波電流が流れる。このとき活線及び導電ラインより生じる放射電磁界は相殺する関係となり、コモンモードノイズの放射は、抑制される。従って、機器の筺体側からコモンモードノイズが生じる場合と電源回路側からコモンモードノイズが生じる場合の双方に対応して、容易かつ安価にコモンモードノイズの放射を抑制できる。
本発明の実施形態1に係る電源ケーブルの構造を示す図。 本発明の実施形態1に係る電源ケーブルにおけるシミュレーションモデルの構造を示す図。 本発明の実施形態1に係る電源ケーブルにおける放射効率を示す図。 本発明の実施形態2に係る電源ケーブルの構造を示す図。 本発明の実施形態2に係る電源ケーブルにおける放射効率示す図。 本発明の実施形態3に係る電源ケーブルの構成を示す図。 本発明の実施形態4に係る電源ケーブルの構成を示す図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明にかかる電源ケーブル20の構造、及び電源ケーブル20と機器との接続状況を示した図である。パーソナルコンピューターやプリンターといった電子機器100は、機器内に実装された電源回路10により、外部の商用電力を機器内で必要とする電源電圧に変換して使用している。
電源回路10の1次側には、50Hz又は60Hzの周波数で100V又は200Vといった電圧の商用電力が活線11、活線12を使った電源ケーブル20を介して供給される。電源回路10の方式には幾つか方法があるが、一般的には商用電力を一旦整流素子により直流に変換した後、スイッチング素子を用いて商用電源よりも高い周波数の交流に変換し、その後段でトランスを使って任意の電圧を変換し、整流して目的の直流電力を得ている。その際、スイッチング素子の動作時の周波数(スイッチング周波数)及びその高調波がノイズとなって電源回路10の1次側及び2次側に漏洩するため、ノイズフィルター等を用いてそのノイズの漏洩を阻止している。
電源回路10の1次側では、通常、活線11、活線12におけるノーマルモード及びコモンモードのノイズを除去するためにトランスやコイルを用いた対策がなされるが、特にコモンモードノイズに関しては、その低減が難しく、コモンモードトランスと共にフェライトコアなどを電源ケーブル20に装着することでコモンモードノイズの低減を図っている。本実施形態1の電源ケーブル20では、活線11、活線12に沿って配置された第1の導電ライン15を有しており、第1の導電ライン15の一方の端部は、電源ケーブル20の商用電源の接続部(コンセント)に装着可能な電源コネクター21において活線11と電気的に接続されている。
尚、第1の導電ライン15の他方の端部は、電源回路10の付近まで活線11に沿わせ且つ延伸させた状態とすることが好ましく、また電源回路10とは電気的に絶縁した状態であることが好ましい。これにより、電源回路10よりコモンモードノイズが発生し、電源ケーブル20に沿って伝播する場合、活線11及び活線12には同位相のコモンモードノイズの高周波電流がそれぞれ流れる。これに対し、第1の導電ライン15には電源コネクター21から電源回路10に向かってコモンモードノイズの高周波電流が流れるため、電源ケーブル20において、活線11と第1の導電ライン15とは互いに逆方向に高周波電流が流れる関係となる。この結果、活線11と、第1の導電ライン15より生じる放射電磁界は相殺する関係となり、第1の導電ライン15がないときのコモンモードノイズの放射レベルに比較し、その放射レベルは低減される。
特に、電源ケーブル20の長さがコモンモードノイズの実効波長の1/4波長、又は、1/2波長に近づいた場合、電源ケーブル20の長さによるコモンモードノイズの波長共振により空間にノイズが放射される場合がある。しかしながら、コモンモードノイズの伝播方向の高周波電流の流れに対し、第1の導電ライン15には反対方向に該高周波電流が流れるかたちとなるため、放射電磁界は相殺することができ、結果として電源ケーブル20から放射される放射電磁界を抑制することができる。
次に、本実施形態1における効果について電磁界シミュレーターを用いて検討を行ったので説明する。図2はシミュレーションモデルの構造を示す。電源ケーブル20は長さを3mとし、その内部において活線11、活線12及び第1の導電ライン15はそれぞれ断面が2mm×2mmの銅線に0.5mm厚みの樹脂(誘電率4.5)で被覆されており、該3本のラインは活線11の両脇に活線12と第1の導電ライン15をそれぞれ隣接配置された構造とした。銅線の断面形状についてはシミュレーション空間における分割生成させるセル構造を単純化するために矩形にしている。
また、ノイズ源となる信号源60については活線11に信号源60の一方の極を接続し、信号源60の他方の極を活線11に対して垂直に設定したシミュレーション空間のグランド壁50に接続して、活線11にノイズとなる信号を励振させた。尚、活線11と前記信号源60の付近において高周波短絡コンデンサーを介して活線11と活線12とを接続させることにより、活線11と活線12には同位相の高周波電流が流れるようにし、擬似的に活線11と活線12にコモンモードノイズが流れるようにした。
一方、第1の導電ライン15の信号源側となる先端部は開放状態であり、その反対側の先端部は活線11と短絡された状態としている。また、本シミュレーション空間については、図2に示すように、グランド壁50以外の壁面はそれぞれ電界吸収壁55とした。このモデルにより、電源ケーブル20の信号源60が電源回路10側となり、その反対側が商用電源のコンセントに挿抜される電源コネクター21側とすることができる。
しかしながら、本来であれば電源ケーブル20の商用電源のコンセントとなる側については適当な負荷抵抗を設定すべきであるが、この検証では、電源ケーブル20からの放射電磁界レベルが最悪の条件となると考えられる開放状態とした。これは、基本的に整合する負荷条件では、そもそも電源ケーブル20における電界放射の問題は起きず、また、任意の抵抗であれば、基本的に不整合がありながらもノイズのエネルギーの損失も生じながらの電磁界の放射となる。従って、最も条件が厳しいのは、エネルギーの損失が最も小さいと考えられる開放状態であると仮定した。
図3は、上記シミュレーションにおける放射電磁界の状況について、第1の導電ライン15を設けない一般的な従来の形態と、実施形態1の形態とを比較検討した結果である。尚、周波数帯は電源ケーブル20からの放射ノイズが問題となりやすい50MHzから100MHzの帯域とした。このシミュレーションの結果から以下のことが言える。
1.電源ケーブル20に第1の導電ライン15を設けない状態では、その長手方向に沿った方向に主たる偏波を持つ電磁波は、電源ケーブル20の長手方向と垂直になる空間に対して放出される。
2.本実施形態1の状態となる第1の導電ライン15を設けた状態では、電源ケーブル20の放射電磁界の状況は、上記1.の状態と比較して、放射効率が図示した帯域において低減できていることが示されている。
以上から、本実施形態1によれば、機器の電源回路10から電源ケーブル20を介して商用電源のソケットに向かうコモンモードノイズの放射電磁界レベルを低減させることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について、電源ケーブル20の構成を示す図4を参照して説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同じ部分については、同一符号を付してその説明を省略する。本実施形態2では、電源ケーブル20では、更に、第2の導電ライン16を備える。
この第2の導電ライン16の一方の端部は、電源ケーブル20の商用電源のコンセントと接続する電源コネクター21において活線12と電気的に接続させている。尚、第2の導電ライン16の他方の端部は、電源回路10の付近まで活線11又は12に沿わせ且つ延伸させた状態とすることが好ましく、また電源回路10とは電気的に絶縁した状態であることが好ましい。
この構成において、電源回路10よりコモンモードノイズが発生し、電源ケーブル20に沿って伝播する場合、活線11及び活線12には同位相のコモンモードノイズの高周波電流がそれぞれ流れる。これに対し、第1の導電ライン15及び第2の導電ライン16には電源コネクター21から電源回路10に向かって前記高周波電流が流れるため、電源ケーブル20において、活線11と第1の導電ライン15、並びに、活線12と第2の導電ライン16には互いに逆方向に高周波電流が流れる関係となる。
この結果、活線11及び活線12と、第1の導電ライン15及び第2の導電ライン16より生じる放射電磁界は相殺する関係となり、第1の実施の形態に比べ、第2の導電ライン16により反平行の高周波電流を流せる関係を増やすことができるので、放射電磁界の相殺がより良好に作用し、コモンモードノイズの放射レベルはより良好に低減される。
次に、本実施形態2における効果について、実施形態1と同様に電磁界シミュレーターを用いて検討したので説明する。尚、シミュレーションモデルについては基本的に実施形態1と同様の様態を採用し、図2と同様であるが、第2の導電ライン16を断面が2mm×2mmの銅線に0.5mm厚みの樹脂(誘電率4.5)の被覆をした構成とし、第1の導電ライン15と第2の導電ライン16で活線11と活線12を挟み込むように隣接配置した。第1の導電ライン15及び第2の導電ライン16は信号源60側となる一方の先端部はそれぞれ開放状態であり、その反対側となる他方の先端部は活線11及び活線12にそれぞれと短絡接続された状態としている。
図5は、上記シミュレーションにおける放射電磁界の状況について、第1の導電ライン15、第2の導電ライン16を設けない一般的な従来の形態と、実施形態2とを比較検討した結果である。尚、周波数帯は電源ケーブル20からの放射ノイズが問題となりやすい50MHzから100MHzの帯域とした。この検討の結果以下のことが言える。
1.電源ケーブル20に第1の導電ライン15及び第2の導電ライン16を設けない状態は、その長手方向に沿った方向に主たる偏波を持つ電磁波が電源ケーブル20の長手方向と垂直になる空間に対して放出される。
2.本実施形態2の状態となる第1の導電ライン15及び第2の導電ライン16を設けた状態では、第1の導電ライン15のみを設けた場合以上に電源ケーブル20の放射電磁界の状況は1.の状態と比較して、放射効率が低減できたことが示されている。
以上から、本実施形態2によれば、機器の電源回路10から電源ケーブル20を介して商用電源のソケットに向かうコモンモードノイズの放射電磁界レベルをより低減させることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について、電源ケーブル20の構成を示す図6を参照して説明する。実施形態3では、電源ケーブル20は活線11、活線12及びグランドライン13に加え、第3の導電ライン17を備える。
グランドライン13は、電源回路10のグランド電位を電子機器100が有する筺体グランドと電気的に接続している場合において、そのグランド電位を地上のアース電位に取るためのラインである。また、第3の導電ライン17の一方の端部は、電源ケーブル20の商用電源のコンセントと接続する電源コネクター21において前記グランドライン13と電気的に接続されている。尚、第3の導電ライン17の他方の端部は電源回路10及び電子機器100の筺体グランドの付近までグランドライン13に沿わせ且つ延伸させた状態とすることが好ましく、また、電源回路10及び電子機器100の筺体グランドとは電気的に絶縁した状態であることが好ましい。
電源回路10のグランドと電子機器100の筺体グランドとを接続している場合であって、電源回路10のグランド及び電子機器100の筺体グランドよりコモンモードノイズの高周波電流が流れてしまう場合がある。このような場合、電源ケーブル20のグランドライン13に沿ってコモンモードノイズの高周波電流が流れる。これに対し、第3の導電ライン17は電源コネクター21から電子機器100に向かって前記高周波電流が流れるため、電源ケーブル20において、グランドライン13と第3の導電ライン17とは互いに逆方向に高周波電流が流れる関係となる。
この結果、グランドライン13と、第3の導電ライン17より生じる放射電磁界は相殺する関係となり、第3の導電ライン17がないときのコモンモードノイズの放射レベルに比較し、その放射レベルは低減される。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4について、電源ケーブル20の構成を示す図7を参照して説明する。実施形態4では、電源ケーブル20は活線11、活線12及びグランドライン13に加え、第1の導電ライン15、第2の導電ライン16及び第3の導電ライン17を備える。
第1の導電ライン15の一方の端部は、電源ケーブル20の商用電源のコンセントと接続する電源コネクター21においてグランドライン13と電気的に接続している。また、第1の導電ライン15とは異なる導電ラインである第2の導電ライン16及び第3の導電ライン17の一方の端部は、電源ケーブル20の商用電源のコンセントと接続する電源コネクター21において活線12及び活線11とそれぞれ電気的に接続している。
尚、第1の導電ライン15、第2の導電ライン16、及び第3の導電ライン17のそれぞれの他方の端部は、電源回路10の付近まで活線11又は活線12又はグランドライン13に沿わせ且つ延伸させた状態とすることが好ましく、また、電源回路10及び電子機器100の筺体グランドとは電気的に絶縁した状態であることが好ましい。
このような構造によれば、上記の如く、コモンモードノイズの高周波電流の反平行の関係からノイズの放射レベルを低減することができる。即ち、電源ケーブル20からのノイズ放射に対して、活線11、活線12に沿って流れたコモンモードノイズの高周波電流、又はグランドライン13に沿って流れたコモンモードノイズの高周波電流の双方に対して対策が可能な電源ケーブル20とすることができる。
尚、電源ケーブル20を起因とする放射電界の問題は、電源ケーブルの長さに依存する傾向があり、電源ケーブル20の長さが、ノイズの周波数帯でその実効波長の1/4よりも短いとき(放射ノイズがより低い周波帯である場合)であっても、その周波数帯のノイズが放射される場合がある。このようなときは、前記第1の導電ライン15又は第2の導電ライン16又は第3の導電ライン17でそれぞれのラインの実効的な長さを長くするために、活線11、活線12又はグランドライン13を束の芯にして周囲に螺旋状に前記第1の導電ライン15又は第2の導電ライン16又は第3の導電ライン17を巻きつける構造にしても良い。
また、前記電源ケーブル20は、前記第1の導電ライン15、第2の導電ライン16または第3の導電ライン17をケーブル全体の被覆材料等で一体化したケーブルとして形成されることが好ましい。このような形態にすることにより、従来と同様に、一本の電源ケーブとして機器に使用できると共に、従来の機器で電源ケーブル20からのノイズ放射に対して未対策の機器であっても容易に適用が可能である。
また、前記活線の本数は2本以上であっても良く、例えば3相交流のための活線などであっても良い。
10…電源回路、11…活線、12…活線、13…グランドライン、15…第1の導電ライン、16…第2の導電ライン、17…第3の導電ライン、20…電源ケーブル、21…電源コネクター、50…グランド壁、55…電界吸収壁、60…信号源、100…電子機器。

Claims (7)

  1. 商用電源の接続部に装着可能な電源コネクターに接続した活線を介して機器の電源回路に電源を供給する電源ケーブルであって、
    一方の端部が前記活線と前記電源コネクターにおいて電気的に接続されている導電ラインを備えることを特徴とする電源ケーブル。
  2. 請求項1に記載の電源ケーブルにおいて、
    前記活線は複数であり、複数の前記活線は前記電源コネクターにおいてそれぞれ異なる前記導電ラインの一方の端部と電気的に接続されていることを特徴とする電源ケーブル。
  3. 請求項1乃至2のいずれかに記載の電源ケーブルにおいて、
    前記導電ラインの他方の端部は、前記機器の前記電源回路と電気的に絶縁されていることを特徴とする電源ケーブル。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源ケーブルにおいて、
    前記導電ラインは前記活線に対して螺旋状に巻きつけられていることを特徴とする電源ケーブル。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電源ケーブルにおいて、
    前記導電ラインは前記活線と一体となって、前記電源ケーブルの被覆内に納められていることを特徴とする電源ケーブル。
  6. 商用電源の接続部に装着可能な電源コネクターに接続した活線を介して機器の電源回路に電源を供給すると共に、機器にアース電位を与えるグランドラインを含んだ電源ケーブルであって、
    前記グランドラインの一方の端部が前記電源コネクターにおいて電気的に接続されている導電ラインを備えることを特徴とする電源ケーブル。
  7. 請求項6に記載の電源ケーブルにおいて、
    前記電源回路に接続された前記活線は、前記電源コネクターにおいて、前記導電ラインとは異なる導電ラインの一方の端部と電気的に接続されていることを特徴とする電源ケーブル。
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