JP2013125697A - リチウム粒子を含む組成物、電極及び電池 - Google Patents

リチウム粒子を含む組成物、電極及び電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電池にハンドリング性良くリチウムを導入することができる方法を提供する。
【解決手段】活物質及び電極複合材料の少なくとも一方と、リチウム粒子と、を含む組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム粒子を含む組成物、電極及び電池に関する。
近年、携帯電話・PDA・ノートパソコン等の高機能化に伴い、長時間使用が可能であり、且つ小型・軽量で、安全性の高い二次電池が強く要望されている。これらの機器には、エネルギー密度及び出力密度等に優れることから、リチウムイオン二次電池が使用されている。
リチウムイオン二次電池は、可燃性の有機溶媒を使用したものが多く、過充電時や乱用時に液漏れや発火の危険性がある。そのため、電池の高エネルギー密度化に伴い、安全性の確保が重要な課題とされてきた。
このような課題を解決する電池として、有機電解液に比べて化学的に安定でかつ漏液や発火の問題のない無機固体電解質を電解質として用いた全固体リチウムイオン電池の研究開発が鋭意行われている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、一般にリチウムイオン電池は、正極層、固体電解質及び負極を主な構成部材として有し、これらを積層した構造を有する。正極層に使用される正極活物質としては、リチウムを含んでいない活物質と、リチウムを含有した活物質が研究されている。
リチウムを含まない活物資としては、硫黄、金属硫化物(TiS、MoS、FeS、FeS、CuS、Ni等)、MnO、V等が挙げられる。
リチウムを含有した活物資としては、LiS、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、Li(NiCoMn)O(ここで、0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−YCo、LiCo1−YMn、LiNi1−YMn(ここで、0≦Y<1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−ZNi、LiMn2−ZCo(ここで、0<Z<2)、LiCoPO、LiFePOが挙げられる。
尚、負極活物質としては、炭素、ケイ素、スズ等が挙げられる。
正極活物質として、リチウムを含まない活物質、例えば、硫黄を使用する場合、硫黄と導電助剤と固体電解質とを混合して正極合材を作製するが、この正極合材には、充放電反応に寄与するリチウムが含まれていない。そのため、リチウム源を電気化学系内に導入する必要がある。リチウム源を導入する方法として、薄いリチウム箔を負極合材層や正極合材層に貼付することがなされている。
しかしながら、リチウム箔は柔らかいため、正極合材層や負極合材層全体に均等に貼り付けるのが非常に困難である。そのため、皺の発生や貼り付け面への空気進入等が生じる。また、ハンドリング性が非常に悪く、合材層との密着性も安定しないという問題があった。
また、リチウムイオン電池の高容量化に伴い、電池内で必要となるリチウム量は多くなるが、リチウム箔は厚くなると、さらにハンドリング性が悪くなる。そのため、特に固体電解質を含む電極の合材にリチウム箔を貼付する場合、さらに密着性が悪くなるという問題があった。
一方、LiSやLiCoO等、リチウムを含む材料を正極活物質として使用する場合、負極活物質として、例えば、黒鉛やハードカーボン等の炭素材料、シリコン、スズ等が用いられる。これら材料は、初期放電時に不可逆容量を有する。このため、あらかじめ不可逆容量分のリチウムを電気化学系内に導入しておく方法(以下、「プレドープ」という。)が検討されている。
リチウムのプレドープの方法の一つとして、リチウム箔を貼り付ける方法が挙げられるが、固体電解質を含む合材へのリチウム箔の貼付は上述したとおり困難である。
また、電池の製造において、構成部材を圧密化するための加圧工程が必要であるが、リチウム箔を使用した場合、リチウム箔が延伸するため、貼付面での層間剥離、圧力分散による圧密ムラ、電極エッジ部でのリチウム金属の回り込みと電極間短絡等の問題があった。この問題は、リチウム箔の膜厚が厚くなるに伴い顕著となる。
特開2002−109955号公報
本発明の目的は、電池セルを製造するときにハンドリング性良くリチウムを導入することができる方法を提供することである。
本発明によれば、以下の組成物等が提供される。
1.活物質及び電極複合材料の少なくとも一方と、リチウム粒子と、を含む組成物。
2.活物質及び電極複合材料の少なくとも一方と、リチウム粒子と、を含む電極。
3.上記1に記載の組成物を原料とする電極。
4.上記2又は3に記載の電極を含む電池。
5.リチウム粒子を含む層と、正極層と負極層と電解質層を備える電池。
本発明により、ハンドリング性良くリチウムを電池に導入することが可能になる。
本発明の組成物は、活物質及び電極複合材料の少なくとも一方と、リチウム粒子とを含む。
(1)リチウム粒子(粉末)
本願においてリチウム粒子とは、金属リチウムが微細に粉砕された粉末を意味する。リチウム粉末の形状は特に制限されず、球状、棒状、針状、板状、柱状、不定形状、燐片状、紡錘状等任意の構造をとりうる。
リチウム粒子の平均粒子径については、特に制限はないが、好ましくは0.1〜200μmであり、より好ましくは1〜50μmである。平均粒子径が1μm以上であれば、取り扱いが容易であるため好ましい。一方、平均粒子径が200μm以下であれば、電極の面内分散状態が良好になるという点で好ましい。
尚、リチウム粒子の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定(レーザ回折散乱法)により測定された値である。
リチウム粒子は、初回充放電時において生じる電極の不可逆容量を補う機能(プレドープ)や、正極にリチウムを添加する機能を有する。
リチウム粒子は、リチウム金属の単体であってもよいし、表面を安定化処理した粒子であってもよい。例えば、表面の安定化は、リチウム金属粒子の表面に皮膜を形成する方法がある。尚、皮膜を有するリチウム粒子の場合、リチウム粒子の平均粒子径は、安定化処理前(芯部)のリチウム粒子のみの平均粒子径を用いるものとする。
リチウム粒子の安定化処理としては、金属リチウム粉末の表面に環境安定性の良い物質、例えば、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)等の有機ゴム、EVA(エチレンビニルアルコール共重合樹脂)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PEO(ポリエーテル)等の有機樹脂や、LiCO、LiO等の金属炭酸塩や金属酸化物等の無機化合物等で被覆(コーティング)することが挙げられる。
安定化処理したリチウム粉末としては、FMC社製のLctroMaxPowder(SLMP)、アルドリッチ社製のリチウムパウダー(♯590584)、China Energy Lithium Co., Ltd.社製の不動態化リチウム粉末等がある。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
リチウム粒子を安定化処理することで、大気中やキシレン等の溶媒中でも安定化し、また、露点マイナス40℃程度のドライルームにおいてもリチウムの変質を防止できる。従って、反応性の高い金属リチウムが大気中や分散媒中の水分、又は溶媒と反応したり、失活することがない点で優れている。また、リチウム金属粒子の表面に絶縁性の皮膜が存在する場合は、リチウムと負極活物質が直接電気的に接触することを抑制できる。これにより、プレドープ時に、リチウムと負極活物質との間の過度な反応が抑制されるため、この反応により生じる発熱量を低減できる。その結果、バインダー等を融解させることがないため、負極の内部抵抗の上昇をさせることなく、不可逆容量分のリチウムを電池に補うことができる。
(2)活物質
活物質には、正極活物質と負極活物質がある。
正極活物質としては、リチウムイオンの挿入脱離が可能な物質、電池分野において正極活物質として公知のものが使用できる。
例えば、V、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、Li(NiCoMn)O(0<a<1、0<b<1、0<c<1、a+b+c=1)、LiNi1−YCo、LiCo1−YMn、LiNi1−YMn(0≦Y<1)、Li(NiCoMn)O(0<a<2、0<b<2、0<c<2、a+b+c=2)、LiMn2−ZNi、LiMn2−ZCo(0<Z<2)、LiCoPO、LiFePO、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V13)、LiCoO、LiNiO,LiMn、LiFePO、LiCoPO、LiMn1/3Ni1/3Co1/3、LiMn1.5Ni0.5等の酸化物が挙げられる。
上記以外の正極活物質としては、例えば、硫化物系では、単体硫黄(S)、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)、硫化リチウム(LiS)、セレン化ニオブ(NbSe)、有機ジスルフィド化合物、カーボンスルフィド化合物、硫黄、金属インジウム等が使用できる。好ましくは、高い理論容量を有するS、LiSである。
有機ジスルフィド化合物及びカーボンスルフィド化合物を以下に例示する。
Figure 2013125697
式(A)〜(C)において、Xはそれぞれ置換基であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜2の整数であり、p及びqはそれぞれ独立に1〜4の整数である。
式(D)において、Zはそれぞれ−S−又は−NH−であり、nは繰返数2〜300の整数である。
Figure 2013125697
負極活物質としては、リチウムイオンの挿入脱離が可能な物質、電池分野において負極活物質として公知のものが使用できる。
例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられる。また、これらを2種含む混合物でもよい。好ましくは、人造黒鉛である。
また、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素等の金属自体や他の元素、化合物と組合わせた合金を、負極材として用いることができる。なかでも、高い理論容量を有するケイ素、スズが好ましい。
(3)電極複合材料
電極複合材料は、活物質と他の物質を複合化させたものである。
他の物質は、イオン伝導性物質でもよく、導電物質でもよい。また、他の物質は、イオン伝導性物質と導電物質の両方でもよい。
複合材料としては、例えば、活物質と導電性物質を複合化したもの、活物質、導電性物質及びイオン伝導性物質を複合化したものを挙げることができる。
複合化としては、例えば、活物質を導電性物質の表面に蒸着させたもの、活物質を溶解させて導電性物質に表面と接触させてから固体化させたもの、活物質を導電性物質の存在下で合成して導電性物質と一体化させたもの、活物質と導電性物質をメカニカルミリング処理等の力学的な作用により一体化させたものが挙げられる。
活物質としては、上述した正極活物質及び負極活物質が使用できる。
導電性物質としては、電気伝導率が1.0×10S/m以上の物質が使用できる。好ましくは1.0×10S/m以上の物質であり、より好ましくは1.0×10S/m以上の物質である。
導電性物質は、細孔を有することが好ましい。細孔を有することにより、例えば、硫黄や硫黄系化合物を細孔内に含めることができ、硫黄等と導電性物質の接触面積を増やすことができると共に、硫黄等の比表面積を大きくすることができる。
導電性物質としては、炭素、金属粉末、金属化合物等が挙げられ、好ましくは炭素が挙げられる。本発明の電極材料が導電性物質として炭素を含む場合、炭素は、導電度が高く、且つ軽いために、質量当りのエネルギー密度が高い電池を得ることができる。
導電性物質の形状は特に限定されず、例えば、粒子状導電性物質、板状導電性物質、棒状導電性物質等が挙げられる。
板状導電性物質としては、グラフェン等が挙げられる。棒状導電性物質としては、カーボンナノチューブ等が挙げられる。粒子状導電性物質としては、表面積が大きく、細孔容量が大きく、かつ電子伝導性が高いケッチェンブラックや活性炭が挙げられる。
導電性物質は、細孔を有する多孔質炭素であることがより好ましい。
多孔質炭素としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック;黒鉛、炭素繊維、活性炭等の炭素が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
導電性物質は、好ましくは細孔を有する。導電性物質が細孔を有することで、例えば、硫黄及び/又は硫黄原子を含む化合物と複合化することができ、電極材料の電子伝導性を高めることができる。
導電性物質の細孔容量は0.5cc/g以上4.0cc/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.6cc/g以上3.95cc/g以下であり、特に好ましくは0.75cc/g以上3.9cc/g以下である。細孔容量が0.5cc/g未満の場合、導電性物質内部の硫黄系化合物含有量が少なくなるおそれがあり、電気容量が高いリチウムイオン電池を得ることが困難になるおそれがある。一方、導電性物質の細孔容量が4.0cc/g超の場合、硫黄系化合物と複合化しても電子伝導性が十分に確保できないおそれがある。
また、導電性物質の平均細孔直径は100nm以下であることが好ましく、より好ましくは1nm以上100nm以下であり、さらに好ましくは1nm以上18nm以下であり、特に好ましくは2nm以上17nm以下である。平均細孔直径が1nm未満の場合、細孔内に硫黄系化合物を含浸させることが困難となるおそれがある。一方、導電性物質の平均細孔直径が100nm超である場合、細孔内に含浸した硫黄系化合物が活物質として十分に機能しないおそれがある。
導電性物質の粒径は、1nm以上500μm以下が好ましく、5nm以上250μm以下がより好ましく、さらに好ましくは、10nm以上200μm以下である。
本発明の組成物には、上述したリチウム粒子と、活物質及び/又は複合材料の他に、固体電解質を含むことが好ましい。これにより、本組成物を用いて製造する電池のエネルギー密度を高くすることができる。
固体電解質としては、ポリマー系固体電解質、酸化物系固体電解質又は硫化物系固体電解質が挙げられる。本発明では、酸化物系固体電解質又は硫化物系固体電解質が好ましく、より好ましくは硫化物系固体電解質である。尚、本発明の組成物には、複数の固体電解質を用いてもよい。
ポリマー系固体電解質としては、特に制限はなく、特開2010−262860に開示されているように、フッ素樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレートやこれらの誘導体、共重合体等の、ポリマー電解質として用いられる材料が使用できる。
フッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、テトラフルオロエチレン(TFE)や、これらの誘導体等を構成単位として含むものが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のホモポリマーや、VdFとHFPとの共重合体(以下、この共重合体を「P(VdF−HFP)」と示す場合がある。)等の2元共重合体や3元共重合体、等が挙げられる。
酸化物系固体電解質には、LiN、LISICON類、Thio−LISICON類、La0.55Li0.35TiO等のペロブスカイト構造を有する結晶や、NASICON型構造を有するLiTi12、さらにこれら結晶化させた電解質等を用いることができる。
硫化物系固体電解質としては、下記式(1)に示す組成を有するものが好ましい
Li…(1)
式(1)において、MはB、Zn、Si、Cu、Ga及びGeから選択される元素を示す。
a〜dは各元素の組成比を示し、a:b:c:dは1〜12:0〜0.2:1:2〜9を満たす。
好ましくは、bは0であり、より好ましくは、a、c及びdの比(a:c:d)がa:c:d=1〜9:1:3〜7、さらに好ましくは、a:c:d=1.5〜4:1:3.25〜4.5である。
各元素の組成比は、硫化物系固体電解質を製造する際の原料化合物の配合量を調整することにより制御できる。
硫化物系固体電解質は、非結晶(ガラス化)であっても結晶化(ガラスセラミックス化)していてもよく、一部のみ結晶化していてもよい。ここで、結晶化させると、ガラスよりもイオン伝導度が高くなる場合があり、その場合には結晶化させることが好ましい。
結晶構造として、例えば、特開2002−109955に開示されているLiPS構造、Li構造、LiPS構造、LiSiS構造、LiSiS構造、特開2005−228570やWO2007/066539に開示されているLi11構造が好ましい。
ここで、Li11構造は、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、2θ=17.8±0.3deg,18.2±0.3deg,19.8±0.3deg,21.8±0.3deg,23.8±0.3deg,25.9±0.3deg,29.5±0.3deg,30.0±0.3degに回折ピークを有する。
上記結晶構造であれば、非晶体よりイオン伝導度が高くなるからである。
尚、硫化物系固体電解質の結晶化された部分は、1つの結晶構造のみからなっていてもよく、複数の結晶構造を有していてもよい。結晶構造としては、イオン伝導度が高いため、Li11が最も好ましい。
硫化物系固体電解質の結晶化度(非晶体よりイオン伝導度が高い結晶構造の結晶化度)は、50%以上が好ましく、より好ましくは、60%以上である。
硫化物系固体電解質の結晶化度が50%未満の場合は、結晶化によりイオン伝導度を高くするという効果が少なくなるためである。
結晶化度は、NMRスペクトル装置を用いることにより測定できる。具体的には、硫化物系固体電解質の固体31P−NMRスペクトルを測定し、得られたスペクトルについて、70−120ppmに観測される共鳴線を、非線形最少二乗法を用いたガウス曲線に分離し、各曲線の面積比を求めることにより測定できる。
硫化物系固体電解質の製造方法について、硫化物系固体電解質の原料には、LiS(硫化リチウム)、P(三硫化二リン)(五硫化二リン)、SiS(硫化珪素)、LiSiO(オルト珪酸リチウム)、Al(硫化アルミニウム)、単体リン(P)、単体の硫黄(S)、シリコン(Si)、GeS(硫化ゲルマニウム)、B(三硫化二砒素)、LiPO(リン酸リチウム)、LiGeO(ゲルマン酸リチウム)、LiBO(メタホウ酸リチウム)、LiAlO(リチウムアルミネート)等を用いることができる。
好ましい硫化物系固体電解質の原料は、LiS及びPである。
以下、硫化物系固体電解質の原料として、LiS及びPを用いた硫化物系固体電解質について説明する。
硫化リチウムは、特に制限なく工業的に入手可能なものが使用できるが、高純度のものが好ましい。硫化リチウムは、例えば、特開平7−330312号、特開平9−283156号、特開2010−163356、特願2009−238952に記載の方法により製造することができる。
具体的に、炭化水素系有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを70℃〜300℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成できる(特開2010−163356)。
また、水溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを10℃〜100℃で反応させて、水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を脱硫化水素化することにより硫化リチウムを合成できる(特願2009−238952)。
硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下であり、かつN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以下である。硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、溶融急冷法やメカニカルミリング法で得られる固体電解質は、ガラス状電解質(完全非晶質)となる。一方、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%を越えると、得られる電解質は、最初から結晶化物となるおそれがある。
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウムイオン電池のサイクル性能を低下させることがない。このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高イオン伝導性電解質が得られる。
上述した特開平7−330312号及び特開平9−283156号に基づいて硫化リチウムを製造した場合、硫化リチウムが硫黄酸化物のリチウム塩等を含むため、精製することが好ましい。
一方、特開2010−163356に記載の硫化リチウムの製法で製造した硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩等の含有量が非常に少ないため、精製せずに用いても良い。
好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号に記載された精製法等が挙げられる。具体的には、上記のようにして得られた硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。
五硫化二リンは、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
硫化リチウムと五硫化二リンの割合(モル比)は、通常50:50〜90:10、好ましくは65:35〜78:22である。特に好ましくは、LiS:P=67:33〜77:23(モル比)である。
硫化物系ガラス固体電解質の製造方法としては、溶融急冷法、メカニカルミリング法(MM法)、有機溶媒中で原料を反応させるスラリー法等がある。
(a)溶融急冷法
溶融急冷法は、例えば、特開平6−279049、WO2005/119706に記載されている。具体的には、PとLiSを所定量乳鉢にて混合しペレット状にしたものを、カーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。所定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは、800℃〜900℃である。
反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは、1〜12時間である。
上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は、通常1〜10000K/sec程度、好ましくは10〜10000K/secである。
(b)メカニカルミリング法(MM法)
MM法は、例えば、特開平11−134937、特開2004−348972、特開2004−348973に記載されている。
具体的には、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、例えば、各種ボールミル等を使用して所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
上記原料を用いたMM法は、室温で反応を行うことができる。そのため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス固体電解質を得ることができるという利点がある。
また、MM法では、ガラス固体電解質の製造と同時に、ガラス固体電解質を微粉末化できるという利点もある。
MM法は回転ボールミル、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル等種々の形式を用いることができる。
MM法の条件としては、例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
また、特開2010−90003に記載されているように、ボールミルのボールは異なる径のボールを混合して使用してもよい。
また、特開2009−110920や特開2009−211950に記載されているように、原料に有機溶媒を添加してスラリー状にし、このスラリーをMM処理してもよい。
また、特開2010−30889に記載のようにMM処理の際のミル内の温度を調整してもよい。
MM処理時の原料温度が60℃以上160℃以下になるようにすることが好ましい。
(c)スラリー法
スラリー法は、WO2004/093099、WO2009/047977に記載されている。
具体的には、所定量のP粒子とLiS粒子を有機溶媒中で所定時間反応させることにより、硫化物系ガラス固体電解質が得られる。
ここで、特開2010−140893に記載されているように、反応を進行させるため、原料を含むスラリーをビーズミルと反応容器との間で循環させながら反応させてもよい。
また、WO2009/047977に記載されているように、原料の硫化リチウムを予め粉砕しておくと効率的に反応を進行させることができる。
また、特願2010−270191に記載されているように、原料の硫化リチウムの比表面積を大きくするために溶解パラメーターが9.0以上の極性溶媒(例えば、メタノール、ジエチルカーネート、アセトニトリル)に所定時間浸漬してもよい。
反応温度は、好ましくは20℃以上80℃以下、より好ましくは、20℃以上60℃以下である。
反応時間は、好ましくは1時間以上16時間以下、より好ましくは、2時間以上14時間以下である。
原料である硫化リチウムと五硫化二リンが、有機溶媒の添加により溶液又はスラリー状になる程度であることが好ましい。通常、有機溶媒1リットルに対する原料(合計量)の添加量は0.001kg以上1kg以下程度となる。好ましくは0.005kg以上0.5kg以下、特に好ましくは0.01kg以上0.3kg以下である。
有機溶媒としては特に制限はないが、非プロトン性有機溶媒が特に好ましい。
非プロトン性有機溶媒としては、非プロトンの非極性有機溶媒(例えば、炭化水素系有機溶媒)、非プロトン性の極性有機化合物(たとえば、アミド化合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機イオウ化合物,環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として、又は、混合溶媒として、好適に使用することができる。
炭化水素系有機溶媒としては、溶媒である炭化水素系溶媒としては、飽和炭化水素、不飽和炭化水素又は芳香族炭化水素が使用できる。
飽和炭化水素としては、ヘキサン、ペンタン、2−エチルヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン等が挙げられる。
不飽和炭化水素しては、ヘキセン、ヘプテン、シクロヘキセン等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、デカリン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
これらのうち、特にトルエン、キシレンが好ましい。
炭化水素系溶媒は、あらかじめ脱水されていることが好ましい。具体的には、水分含有量として100重量ppm以下が好ましく、特に30重量ppm以下であることが好ましい。
尚、必要に応じて炭化水素系溶媒に他の溶媒を添加してもよい。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール、ブタノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類等、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
上記溶融急冷法、MM法及びスラリー法の温度条件、処理時間、仕込み料等の製造条件は、使用設備等に合わせて適宜調整することができる。
硫化物系固体電解質(ガラスセラミックス)の製造方法は、特開2005−228570、WO2007/066539、特開2002−109955に開示されている。
具体的には、上記で得られた硫化物系固体電解質(ガラス)を所定の温度で熱処理し、硫化物系結晶化ガラス(ガラスセラミックス)を生成させる。
また、加熱は、露点−40℃以下の環境下で行うことが好ましく、より好ましくは露点−60℃以下の環境下で行うことが好ましい。
また、加熱時の圧力は、常圧であってもよく、減圧下であってもよい。
また、雰囲気は、空気であってもよく、不活性雰囲気下であってもよい。
さらに特開2010−186744に記載されているように溶媒中で加熱してもよい。
Li11構造のガラスセラミックスを生成させる熱処理温度は、好ましくは180℃以上330℃以下、より好ましくは、200℃以上320℃以下、特に好ましくは、210℃以上310℃以下である。180℃より低いと結晶化度の高い結晶化ガラスが得られにくい場合があり、330℃より高いと結晶化度の低い結晶化ガラスが生じるおそれがある。
熱処理時間は、180℃以上210℃以下の温度の場合は、3時間以上240時間以下が好ましく、特に4時間以上230時間以下が好ましい。また、210℃より高く330℃以下の温度の場合は、0.1時間以上240時間以下が好ましく、特に0.2時間以上235時間以下が好ましく、さらに、0.3時間以上230時間以下が好ましい。
熱処理時間が0.1時間より短いと、結晶化度の高い結晶化ガラスが得られにくい場合があり、240時間より長いと、結晶化度の低い結晶化ガラスが生じるおそれがある。
LiPS結晶構造、Li結晶構造、LiPS結晶構造、LiSiS結晶構造及びLiSiS結晶構造の製造は、公知の方法でよい。
例えば、特開2002−109955に開示されている方法により上記結晶構造を有する結晶化ガラスを製造することができる。
固体電解質の形状は特に制限はなく、粒子状であってもシート状であってもよい。
粒子状である場合、固体電解質の平均粒径は、0.01〜100μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜50μmである。
尚、固体電解質粒子の平均粒径とは、体積基準平均粒径(MeanVolumeDiameterという。)である。本発明の固体電解質粒子の測定方法は、レーザー回折式粒度分布測定方法により行うことが好ましい。
ここで、レーザー回折式粒度分布測定方法は、組成物を乾燥せずに粒度分布を測定することができ、組成物中の粒子群にレーザーを照射してその散乱光を解析することで粒度分布を測定することができる。
本発明では、乾燥した固体電解質粒子を用いて該イオン伝導性物質の平均粒径を測定する。
レーザー回折式粒度分布測定装置がMalvernInstrumentsLtd社製マスターサイザー2000である場合の測定例は以下の通りである。
まず、装置の分散槽に脱水処理されたトルエン(和光純薬製、製品名:特級)110mlを入れ、さらに分散剤として脱水処理されたターシャリーブチルアルコール(和光純薬製、特級)を6%添加する。
上記混合物を十分混合した後、「乾燥した固体電解質粒子」を添加して粒子径を測定する。「乾燥した固体電解質粒子」の添加量は、マスターサイザー2000で規定されている操作画面で、粒子濃度に対応するレーザー散乱強度が規定の範囲内(10〜20%)に収まるように加減して加える。この範囲を超えると多重散乱が発生し、正確な粒子径分布を求めることができなくなるおそれがある。また、この範囲より少ないとSN比が悪くなり、正確な測定ができないおそれがある。マスターサイザー2000では、「乾燥した固体電解質粒子」の添加量に基き、レーザー散乱強度が表示されるので、上記レーザー散乱強度に入る添加量を見つけるとよい。
「乾燥した固体電解質粒子」の添加量はイオン伝導性物質の種類等により最適量は異なるが、概ね0.01g〜0.05g程度である。
本発明の組成物には、必要に応じて導電助剤、バインダー、溶媒等を配合してもよい。
導電助剤としては、デンカブラックやケッチェンブラック等のカーボンブラック系や、導電性酸化物粒子、銀粒子、導電ポリマー等が挙げられる。
バインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、又は2種以上の混合物として用いることができる。
また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。
バインダーを使用することにより、集電体や電解質層との密着性が向上する。
溶媒としては、固体電解質に悪影響を与えないものであれば、特に制限は無く、例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、オクタン、ゴム揮発油等の脂肪族炭化水素溶剤;ミネラルスピリット、高沸点石油溶剤(インキオイル)、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、ソルベントナフサ、テトラリン、ジペンテン等の芳香族炭化水素溶剤;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状炭酸エステル系溶剤;プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボンート、ビニルエチレンカーボネート等の環状炭酸エステル系溶剤;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテル系溶剤;1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等の鎖状エーテル系溶剤;メチルアセテート、エチルアセテート、メチルジフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセテート、メチルプロピネート、エチルプロピネート、メチルホルメート、エチルホルメート等のエステル系溶剤;γーブチロラクトン、γーバレロラクトン等のラクトン系溶剤;トリメチルフホスフェート、トリエチルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル系溶剤;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセテート等のアミド系溶剤;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンサルトン、エチレンスルフィト等の硫黄系溶剤;アセトニトリル、イソブチロニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶剤;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセルソルブ)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のグリコールエーテル系溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルセロソルブアセテート)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(ブチルカルビトールアセテート)等のグリコールエーテルエステル系溶剤、フルオロベンゼン、トリフルオロベンゼン、フロリナート等のフッ素系溶剤等が挙げられる。
溶媒を使用することにより、塗布により電極層を形成することができる。
尚、本発明の組成物は、上述したリチウム粒子と、活物質及び/又は複合材料、及び任意に固体電解質、導電助剤、バインダー及び溶媒から選択される1つ以上から実質的になっていてもよく、また、これらの成分のみからなっていてもよい。「実質的になる」とは、上記組成物が、主にリチウム粒子と、活物質及び/又は複合材料、及び任意に固体電解質、導電助剤、バインダー及び溶媒からなることであり、これらの成分の他に公知の添加剤を含み得ることである。
本発明の組成物において、リチウム粒子と溶媒を除く組成物全体に占める活物質と電極複合材料の配合量の合計は、20質量%〜100質量%である。好ましくは、30質量%〜90質量%であり、特に好ましくは40質量%〜85質量%である。
活物質と電極複合材料が少ないと、活物質の性能を十分に発揮できない場合がある。一方、多すぎると、電池としてのエネルギー密度が低下する場合がある。
リチウム粒子の配合量は、合材(電極層)に含まれる活物質の量[g]と理論容量[Ah・g−1]により定まる。ここで、リチウム粒子自体を活物質として機能させることを目的として配合するのではない。
例えば、正極と負極の両方にリチウム供給源でない活物質を用いて全固体電池を製造する場合には、{(正極に含まれる活物質の理論容量)×(正極に含まれる活物質の量)}と{(負極に含まれる活物質の理論容量)×(負極に含まれる活物質の量)}のうち、少ない方の値をリチウム粒子の理論容量で割った値がリチウム粒子の配合量として理想となる。
しかし、活物質の理論容量の全てを使用しない場合には、利用する活物質の容量をリチウム粒子の理論容量で割った量であってもよい。尚、下記するようにリチウム粒子の配合量の上限は、リチウム粒子の全てのリチウムが活物質に吸蔵されることがないので、下記のリチウム粒子の配合量の上限が好ましい。
・リチウム粒子の配合量
{(正極に含まれる活物質の理論容量)×(正極に含まれる活物質の量)}と{(負極に含まれる活物質の理論容量)×(負極に含まれる活物質の量)}のうち、少ない方の値をリチウム粒子の理論容量で割った値(以下、「X1」という。)の5倍以下
X1は、より好ましくは3倍以下、更に好ましくは、1.5倍以下である。
X1の下限は、特に制限されないが、例えば、0.01倍以上、0.02倍以上、0.03倍以上、0.1倍、0.2倍を挙げることができる。
リチウム粒子の配合量の上限は、特に制限はなく、組成物の用途に合わせて調整することができる。
例えば、正極にリチウムを含まない活物質を使用したリチウムイオン電池の場合、リチウム粒子の配合量は、対極となる負極容量の5倍以下、好ましくは3倍以下、さらに好ましくは1.5倍以下、最も好ましくは1.2倍以下の容量に相当する量である。
尚、負極容量は下記式で得られる。
負極容量=「負極に含まれる負極活物質の理論容量[Ah・g−1]」×「負極に含まれる負極活物質の重量(g)」
例えば、負極の容量がX2だとすると、リチウム粒子の配合量は、X2/リチウム粒子の理論容量となる。
リチウム粒子の理論容量は2000〜3863mAh/gであり、好ましくは2500〜3800mAh/gである。
リチウム粒子の理論容量が高いということは、リチウム粒子に含まれるリチウム金属の含有量が多いということである。
配合するリチウム粒子の量を減らすという観点からは、リチウム粒子の理論容量が高いほうが良い。
一方、上記したように、リチウム粒子の安定化を図るためには、リチウム粒子の理論容量が「リチウム金属の理論容量」より少し低い方がよい。例えば、リチウム金属粒子の表面に皮膜を形成する場合には、この皮膜の理論容量は、0またはリチウム金属の理論容量より低いため、上記したように「リチウム金属の理論容量」より少し低くなる。
本発明の組成物からなる層は、リチウムイオン電池の正極側及び負極側のどちらに形成してもよい。
正極にリチウムを含む活物質を使用したリチウムイオン電池の場合、リチウム粒子の配合量は、対極となる負極の初期不可逆容量の10倍以下、好ましくは5倍以下、さらに好ましくは1.5倍以下の容量に相当する量である。初期不可逆容量はリチウム粒子を含まない電池を作製することで測定可能である。
尚、本発明の組成物からなる層は、リチウムイオン電池の正極側及び負極側のどちらに形成してもよい。
リチウム粒子と溶媒を除く組成物全体に占める、他の含有物質の配合量は、0質量%〜80質量%である。好ましくは、0.1質量%〜60質量%であり、特に好ましくは0.5質量%〜55質量%である。
尚、他の含有物質は、上述した固体電解質やバインダー等を意味する。
固体電解質の配合量は、リチウム粒子と溶媒を除く組成物全体に対して0質量%〜80質量%が好ましく、さらに好ましくは、10質量%〜70質量%であり、特に好ましくは15質量%〜60質量%である。
溶媒の使用量は、溶媒を除く組成物全体を100質量部とした場合、20質量部〜90質量部が好ましく、特に、30質量部〜80質量部が好ましい。
本発明の組成物は、リチウムイオン電池にリチウムを導入する材料として好適に使用できる。また、各種電池の電極の材料にも使用できる。
次に、本発明の電極について説明する。
本発明の電極は、リチウム粒子と、活物質及び複合材料の少なくとも一方を含む。リチウム粒子、活物質及び複合材料に関しては、上述した本発明の組成物で使用するものと同じである。
本発明の電極からリチウム粒子を除いた成分全体に占める、活物質と電極複合材料の配合量は、20質量%〜100質量%である。好ましくは、30質量%〜90質量%であり、特に好ましくは40質量%〜85質量%である。活物質と電極複合材料が少ないと、活物質の性能を十分に発揮させることができないおそれがある。一方、多すぎると、電池としてのエネルギー密度が低下してしまう。
本発明の電極には、上述したリチウム粒子と、活物質及び/又は複合材料の他に、固体電解質やバインダー等を含んでいてもよい。
本発明の電極からリチウム粒子を除いた成分全体に占める、固体電解質の配合量は、0質量%〜80質量%である。好ましくは、10質量%〜70質量%であり、特に好ましくは15質量%〜60質量%である。
本発明の電極からリチウム粒子を除いた成分全体に占める、バインダーの配合量は、0質量%〜20質量%である。好ましくは、0.5質量%〜15質量%であり、特に好ましくは1質量%〜10質量%である。
本発明の電極には、理論容量が2000〜3863mAh/gとなる量のリチウム粒子を含むことが好ましく、特に、2500〜3800mAh/g相当のリチウム粒子を含むことが好ましい。
より具体的に、正極活物質にリチウムを含まない活物質を使用する場合のリチウム粒子の配合量は、対極となる負極容量の5倍以下、好ましくは3倍以下、さらに好ましくは1.5倍以下、最も好ましくは1.2倍以下の容量に相当する量である。
正極活物質にリチウムを含む活物質を使用する場合のリチウム粒子の配合量は、対極となる負極の初期不可逆容量の10倍以下、好ましくは5倍以下、さらに好ましくは1.5倍以下の容量に相当する量である。初期不可逆容量はリチウム粒子を含まない電池を作製することで測定可能である。
本発明の電極は、例えば、上述した本発明の組成物を使用することにより製造することができる。
本発明の電池は、上述した本発明の組成物から得られる層又は本発明の電極を有していればよく、他の構成部材については、本技術分野において公知のものが使用できる。
例えば、本発明の電極を使用したリチウムイオン電池の場合、集電体、正極層、固体電解質層及び負極層を備える電池が例示できる。正極層及び負極層の少なくとも一方が本発明の電極であればよい。
正極層としては、正極活物質を含む電極を使用する。負極層としては、負極活物質を含む電極を使用する。正極層及び負極層の一方には、リチウム粒子を含まない公知の電極を使用してもよい。
集電体としては、公知の集電体を用いることができる。例えば、Au、Pt、Al、Tiや、Cu等のように硫化物系固体電解質と反応するものをAu等で被覆した層が使用できる。
固体電解質層としては、上述した本発明の組成物で使用する固体電解質、例えば、ポリマー系固体電解質、酸化物系固体電解質又は硫化物系固体電解質が使用できる。
固体電解質層は、バインダーを含んでいてもよく、また、複数種の固体電解質を使用してもよい。
リチウム粒子を含む層、即ち、本発明の組成物を使用して形成した層を電極以外の部材として有するリチウムイオン電池の場合、リチウム粒子を含む層は電気化学系内に金属リチウムを導入するために形成される。具体的に、リチウム粒子を含む層は正極層の正極活物質がリチウムを含まない場合にリチウムを導入する目的や、プレドープを目的に使用される。
集電体、正極層、固体電解質層及び負極層については、上述したとおり、公知の材料を使用できる。
以下、リチウム粒子を含む層を有するリチウムイオン電池の層構成の例を示す。尚、例示した構成には、集電体等、必要に応じて公知の層を追加できる。
・リチウム粒子を含む層を1層形成したリチウムイオン電池の層構成例
1. 正極層/リチウム粒子を含む層/電解質層/負極層
2. 正極層/電解質層/リチウム粒子を含む層/負極層
3. リチウム粒子を含む層/正極層/電解質層/負極層
4. 正極層/電解質層/負極層/リチウム粒子を含む層
リチウム粒子を含む層は複数形成してもよい。以下に、リチウム粒子を含む層を2層形成した構成の例を示す。
・リチウム粒子を含む層を2層形成したリチウムイオン電池の層構成例
5. リチウム粒子を含む層/正極層/リチウム粒子を含む層/電解質層/負極層
6. リチウム粒子を含む層/正極層/電解質層/リチウム粒子を含む層/負極層
7. 正極層/リチウム粒子を含む層/電解質層/負極層/リチウム粒子を含む層
8. 正極層/電解質層/リチウム粒子を含む層/負極層/リチウム粒子を含む層
尚、正極層又は負極層には、本発明の電極(リチウム粒子を含む電極)を使用してもよい。また、各層の製造方法は、公知であり、特に制限されない。例えば、電極は電極合材スラリーを塗布乾燥して製造できる。
[固体電解質の製造]
製造例1
(1)硫化リチウム(LiS)の製造
硫化リチウムは、特開平7−330312号公報の第1の態様(2工程法)の方法に従って製造した。具体的に、撹拌翼のついた10リットルオートクレーブに、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。
続いて、この反応液を窒素気流下(200cc/分)で昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に、反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥し、精製硫化リチウムを得た。
得られた精製硫化リチウムの不純物含有量をイオンクロマトグラフ法により測定したところ、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)及びチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物の総含有量が0.13質量%であり、N−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は0.07質量%であった。
(3)LiS:P[モル比]=70:30である固体電解質の製造
上記で製造したLiSとP(アルドリッチ製)をモル比で70:30となるように混合し、得られた混合物約1gを直径10mmのアルミナ製ボール10個と共に45mLのアルミナ製容器に入れ密閉した。
密閉したアルミナ容器を、遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)にて、窒素中、室温(25℃)にて、回転速度を370rpmとし、20時間メカニカルミリング処理することで、白黄色の粉末であるリチウム・リン系硫化物ガラス固体電解質を得た。さらに、解砕処理を行い、粗粒子をふるいで除去した。このときの回収率は83%であった。
得られた固体電解質ガラス粒子のガラス転移温度をDSC(示差走査熱量測定)により測定したところ、220℃であった。また、固体電解質ガラス粒子のX線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)を行った結果、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。
得られた固体電解質ガラス粒子をグローブボックス内Ar雰囲気下でSUS製チューブに密閉し、300℃、2時間の加熱処理を施し、LiS:P[モル比]=70:30である電解質ガラスセラミックス(硫化物系固体電解質:平均粒径14.52μm)を得た。このガラスセラミックス粒子のX線回折測定では、2θ=17.8、18.2、19.8、21.8、23.8、25.9、29.5、30.0degにピークが観測された。
このガラスセラミックス粒子のイオン伝導度は、1.3×10−3S/cmであった。イオン伝導度は交流インピーダンス法により測定した結果から、算出した。
製造例2
製造例1(2)で製造したLiSとP(アルドリッチ製)をモル比で75:25となるように混合し、300℃で2時間の加熱処理を実施しなかった他は製造例1と同様にして、固体電解質ガラス粒子を製造した。(平均粒径15μm)。
尚、固体電解質ガラス粒子の回収率は82%であり、X線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)では、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。また、得られたガラス粒子のイオン伝導度は、0.3×10−3S/cmであった。
製造例3
製造例1(2)で製造したLiSとP(アルドリッチ製)をモル比で80:20となるように混合し、300℃で2時間の加熱処理を実施しなかった他は製造例1と同様にして、固体電解質ガラス粒子を製造した(平均粒径35μm)。
尚、固体電解質ガラス粒子の回収率は87%であり、X線回折測定(CuKα:λ=1.5418Å)では、原料LiSのピークは観測されず、固体電解質ガラスに起因するハローパターンであった。また、得られたガラス粒子のイオン伝導度は、1.7×10−4S/cmであった。
実施例1
(1)硫黄と多孔質炭素の複合体の製造
硫黄(アルドリッチ製、純度99.998%)0.700gと多孔質炭素(ケッチェンブラック(KB)EC600JD、ライオン社製)0.300gを乳鉢で混合した後、混合物を密閉性のステンレス容器に入れ、電気炉にて加熱処理した。加熱条件は室温から10℃/分にて150℃まで昇温し、150℃で6時間保持した後、300℃まで10℃/分で昇温し、2.75時間保持、その後自然冷却し、複合体を得た。
(2)リチウム粒子を含む正極材料(組成物)の作製
上記(1)で製造した複合体0.5gと、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末0.5gをミルポットに入れ、遊星型ボールミル(フリッチュ製:型番P−7)でアルゴン中、室温(25℃)にて、回転速度を370rpmとし、10時間メカニカルミリング処理した。
処理後、ミルポットから混合物0.5gを取り出し、リチウム粒子0.152gと乳鉢で混合することで正極材料を得た。
(3)負極材料の作製
Si粉末(高純度化学研究所製,99.9%,D50径:4.5μm)0.700gと製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末0.300gを混合し、負極材料を得た。
(4)リチウムイオン電池の製造
製造例1で製造した硫化物系固体電解質60mgを直径10mmのプラスティック製の円筒に投入し、加圧成型し、固体電解質層を形成した。
その後、上記(2)で作製した正極材料を円筒に9.0mg投入し再び加圧成型し、固体電解質層と正極の積層体を形成した。
固体電解質層の、正極が形成されていない面側に、上記(3)で作製した負極材料を円筒に4.3mg投入して再び加圧成型し、正極、固体電解質層及び負極の三層構造を有するリチウムイオン電池を作製した。
実施例2
(1)正極材料の作製
実施例1(2)において、メカニカルミリング処理後にリチウム粒子と混合しなかった他は、同様にして正極材料を得た。
(2)リチウム粒子を含む負極材料(組成物)の作製
Si粉末(高純度化学研究所製,99.9%,D50径:4.5μm)0.700gと製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末0.300gとリチウム粒子0.304gを乳鉢で混合することで負極材料を得た。
(3)リチウムイオン電池の製造
上記(1)で作製した正極材料6.9mg、及び上記(2)で作製した負極材料を6.4mg使用した他は、実施例1(4)と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
実施例3
(1)正極材料の作製
製造例1(2)で得られた硫化リチウム1.0gとデンカブラック(DB、電気化学工業製)0.300gと製造例1で製造した硫化物系固体電解質1.0gをミルポットに入れ、遊星型ボールミル(フリッチュ製:型番P−7)でアルゴン中、室温(25℃)にて、回転速度を370rpmとし、10時間メカニカルミリング処理して正極材料を作製した。
(2)リチウム粒子を含む負極材料(組成物)の作製
Si粉末(高純度化学研究所製,99.9%,D50径:4.5μm)0.700gと製造例1(Li7P3S11)で製造した硫化物系固体電解質粉末0.300gとリチウム粒子0.122gを混合し、負極材料を得た。
(3)リチウムイオン電池の製造
上記(1)で作製した正極材料7.9mg、及び上記(2)で作製した負極材料を4.8mg使用した他は、実施例1(4)と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
実施例4
(1)リチウム粒子を含む正極材料(組成物)の作製
製造例1(2)で得られた硫化リチウム1.0gとデンカブラック(DB、電気化学工業製)0.300gと製造例1で製造した硫化物系固体電解質1.0gをミルポットに入れ、遊星型ボールミル(フリッチュ製:型番P−7)でアルゴン中、室温(25℃)にて、回転速度を370rpmとし、10時間メカニカルミリング処理した。
その後、ミルポットから混合物1.15gを取り出し、リチウム粒子0.061gと乳鉢で混合することで正極材料を得た。
(2)負極材料の作製
Si粉末(高純度化学研究所製,99.9%,D50径:4.5μm)0.700gと製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末0.300gとを混合し、負極材料を得た。
(3)リチウムイオン電池の製造
上記(1)で作製した正極材料8.4mg、及び上記(2)で作製した負極材料を4.3mg使用した他は、実施例1(4)と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
実施例5
(1)リチウム粒子を含む正極材料(組成物)の作製
LiNi0.80Co0.15Al0.05粒子70mgと製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末30mgと、リチウム粒子1.098mgとを乳鉢で混合し正極材料を作製した。
(2)負極材料の作製
黒鉛60mgと製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末40mgを乳鉢で混合し負極材料を作製した。
(3)リチウムイオン電池の製造
上記(1)で作製した正極材料14.432mg、及び上記(2)で作製した負極材料を12.1mg使用した他は、実施例1(4)と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
実施例6
(1)正極材料の作製
LiNi0.80Co0.15Al0.05粒子70mgと製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末30mgとを乳鉢で混合し正極材料を作製した。
(2)リチウム粒子を含む負極材料の作製
黒鉛60mgと製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末40mgとリチウム粒子1.098mgとを乳鉢で混合し負極材料を作製した。
(3)リチウムイオン電池の製造
上記(1)で作製した正極材料14.3mg、及び上記(2)で作製した負極材料を12.232mg使用した他は、実施例1(4)と同様にしてリチウムイオン電池を作製した。
実施例7
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質(ガラスセラミックス)粉末に代えて製造例2で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例8
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例2で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例2と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例9
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例2で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例3と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例10
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例2で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例4と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例11
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例2で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例5と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例12
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例2で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例6と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例13
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質(ガラスセラミックス)粉末に代えて製造例3で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例1と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例14
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例3で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例2と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例15
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例3で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例3と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例16
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例3で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例4と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例17
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例3で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例5と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例18
正極材料及び負極材料の作製において、製造例1で製造した硫化物系固体電解質粉末に代えて製造例3で製造した硫化物系固体電解質粉末を用いた他は、実施例6と同様にリチウムイオン電池を作製した。
実施例1〜18で作製したリチウムイオン電池について、充放電の電流密度0.500mA/cm、充放電温度25℃で定電流充放電試験を行った。
尚、実施例1〜2、7〜8、13〜14については充放電電位範囲を0.6−2.65Vとし、実施例3〜4、9〜10、15〜16については充放電電位範囲を0.5−3.3Vとし、実施例5〜6、11〜12、17〜18については充放電電位範囲を2.5−4.2Vとした。
初期放電容量の結果を表1に示す。尚、放電容量は、いずれも正極活物質1g換算の容量で示した。
製造例1及び2の固体電解質を用いた場合、それぞれの活物質の理論容量近くまで放電が可能であった。また、製造例3の固体電解質でも作動が確認された。
Figure 2013125697
[電極複合材料の製造]
製造例4
以下の複合体(A−1)〜(A−4)を製造した。
(A−1)硫黄/炭素/固体電解質の複合体
硫黄粉末70重量部、ケッチェンブラック粉末(EC600JD、ライオン社製)30重量部をプレミキシングした後、実施例1(1)と同条件にて加熱処理を行い硫黄/炭素複合体を得た。
次に、この硫黄/炭素複合体50重量部、製造例1で作製した硫化物系固体電解質粉末50重量部を直径10mmのジルコニアボールと混ぜ合わせ、遊星型ボールミル(伊藤製作所社製LP−4)で、220rpm、10時間メカニカルミリング処理を行い、硫黄/炭素/固体電解質複合体を得た。
(A−2)硫黄/炭素/固体電解質の複合体の製造
固体電解質粉末を製造例2で作製した固体電解質(75:25)に変更した他は、(A−1)と同様にして硫黄/炭素/固体電解質複合体を得た。
(A−3)LiS/炭素/固体電解質の複合体
製造例1(2)で作製した硫化リチウム100重量部、デンカブラック(電気化学工業製)30重量部、製造例1で作製した硫化物系固体電解質100重量部を、直径10mmのジルコニアボールと混ぜ合わせ、遊星型ボールミル(伊藤製作所社製LP−4)で、220rpm、20時間メカニカルミリング処理を行い、硫化リチウム/炭素/固体電解質複合体を得た。
(A−4)LiS/炭素/固体電解質の複合体
固体電解質粉末を製造例2で作製した固体電解質(75:25)に変更した他は、(A−3)と同様にして硫化リチウム/炭素/固体電解質複合体を得た。
[電極複合材料を含有する正極合材スラリーの製造]
製造例5
以下の正極合材スラリー(B−1)〜(B−4)を製造した。
(B−1)硫黄系正極合材スラリー
製造例4で作製した複合体(A−1)100重量部、PVDF−HFP(20)樹脂溶液(イソブチロニトリル溶媒に「Kynar2500−20(アルケマ製)」を5wt%溶解)106重量部を、T.K.フィルミクス56−50型(プライミクス社製)を用いて、周速30m/sで30秒間分散処理を行い、正極合材スラリーを製造した。
(B−2)硫黄系正極合材スラリー
複合体(A−1)を複合体(A−2)に変更した他は、複合体(B−1)と同様してスラリーを製造した。
(B−3)LiS系正極合材スラリー
複合体(A−1)を複合体(A−3)に変更した他は、複合体(B−1)と同様してスラリーを製造した。
(B−4)LiS系正極合材スラリー
複合体(A−1)を複合体(A−4)に変更した他は、複合体(B−1)と同様してスラリーを製造した。
実施例19
リチウム粒子含有硫黄系正極合材スラリー(B−5)の製造
複合体(A−1)100重量部、リチウム粉末30.4重量部、PVDF−HFP(20)樹脂溶液(イソブチロニトリル溶媒に「Kynar2500−20」を5wt%溶解)106重量部を、T.K.フィルミクス56−50型(プライミクス社製)を用いて、周速30m/sで60秒間分散処理を行い、正極合材スラリーを製造した。
実施例20
リチウム粒子含有LiS系正極合材スラリー(B−6)の製造
複合体(A−1)を複合体(A−3)に変更した他は、複合体(B−5)と同様してスラリーを製造した。
[負極合材スラリーの製造]
製造例6
以下のシリコン系負極合材スラリー(C−1)を製造した。
Si粉末70重量部、製造例1で作製した硫化物系固体電解質粉末30重量部、PVDF−HFP(15)樹脂溶液(イソブチロニトリル溶媒に「Kynar2751−00(アルケマ製)」を3wt%溶解)100重量部を混合し、遊星型ボールミルを用いて、220rpm、2時間分散処理して負極合材スラリーを製造した。
実施例21
リチウム粒子含有シリコン系負極合材スラリー(C−2)の製造
負極合材スラリー(C−1)100重量部、リチウム粉末12.9重量部、イソブチロニトリル溶媒10重量部を混合し、T.K.フィルミクス56−50型(プライミクス社製)を用いて、周速20m/sで10秒間分散処理して負極合材スラリーを製造した。
実施例22
リチウム粒子含有シリコン系負極合材スラリー(C−3)の製造
負極合材スラリー(C−1)100重量部、リチウム粉末5.2重量部、イソブチロニトリル溶媒5重量部を混合し、T.K.フィルミクス56−50型(プライミクス社製)を用いて、周速20m/sで10秒間分散処理して負極合材スラリーを製造した。
[固体電解質スラリーの製造]
製造例7
固体電解質スラリー(D−1)を製造した。具体的に、遊星ボールミル容器に製造例1で作製した硫化物系固体電解質を40質量部、トルエンを60質量部投入し、直径10mmのジルコニアボールを入れて、200rpmで2時間分散処理を行い、固体電解質スラリーとした。
[アルミ集電体の作製の製造]
製造例8
アンダーコート層付きアルミ集電体(E−1)を作製した。具体的に、ドクターブレード(塗布幅:150mm、塗布厚:50μm)を用いて、アルミ箔(幅:200mm、厚み:30μm)に導電性塗料(日本黒鉛社製、商品名:バニーハイトUCC−2)を塗布し、150℃、2時間、減圧乾燥して、厚み5μmのアンダーコート層を形成した。
[電極シートの作製]
(正極合材シートの作製)
製造例9
ドクターブレード(塗布幅:50mm、塗布厚:250μm)を用いて、アンダーコート層付きアルミ集電体(E−1)に、正極合材スラリー(B−1)を塗布後、100℃で6時間減圧乾燥し、正極合材シートを得た。正極合材の目付け量は、9.7mg/cmであった。ここで、目付け量とは単位面積当たりの正極合材を構成する材料全ての量を表す。
製造例10、11
正極合材スラリーをそれぞれ(B−2)又は(B−3)に変更した以外は、製造例9と同様の方法を用いて正極合材シートを作製した。それぞれの正極合材の目付け量は、9.7g/cm、11.1g/cmであった。
実施例23
正極合材スラリーを(B−5)に変更した以外は、製造例9と同様の方法を用いて正極合材シートを作製した。正極合材の目付け量は、12.6mg/cmであった。
(負極合材シートの作製)
製造例12
ドクターブレード(塗布幅:50mm、塗布厚:250μm)を用いて、アンダーコート層付きアルミ集電体(E−1)に、負極合材スラリー(C−1)を塗布後、100℃で6時間減圧乾燥し、負極合材シートを得た。負極合材の目付け量は、6.0g/cmであった。
実施例24、25
負極合材スラリーをそれぞれ(C−2)又は(C−3)に変更した以外は、製造例12と同様の方法を用いて負極合材シートを作製した。それぞれの負極合材の目付け量は、9.0g/cm、6.7g/cmであった。
[リチウムイオン二次電池の製造]
実施例26
実施例24で作製した負極合材シートの上に、20×20mmの開口部を設けたPETシート(厚み:200μm)を載せ、硫化物系固体電解質スラリー(D−1)を流し込んで、スキージヘラでならし、風乾した。その後、PETシートを除去し、100℃で2時間減圧乾燥後、負極層及び固体電解質層からなる二層シートを作製した。
この二層シート、及び製造例9で作製した正極合材シートを、それぞれ20×20mmの大きさに切り出し後、電解質層を挟み込むようにして貼り合せ、油圧プレス機を用いて、500MPaの圧力で一体成形した。その後、各集電体に電極タブを取り付け、アルミラミネートフィルムで封止し、電池セルを形成した。得られた電池では、内部短絡が無かった。
実施例27
正極合材シートを実施例23の電極シートに、負極合材シートを製造例12に記載の電極シートに変更した以外は、実施例26と同様の方法で電池セルを作製した。
実施例28
正極合材シートを製造例10に記載の電極シートに、負極合材シートを実施例24に記載の電極シートに変更した以外は、実施例26と同様の方法で電池セルを作製した。
実施例29
正極合材シートを製造例11に記載の電極シートに、負極合材シートを実施例25に記載の電極シートに変更した以外は、実施例26と同様の方法で電池セルを作製した。
比較例1
集電体の裏側から電極にリチウムをドープさせるために多孔質集電体として銅パンチングシート(開口孔:500μm、開口率:30%、厚み:30μm)を用いた。ドクターブレード(塗布幅:50mm、塗布厚:250μm)を用いて、前述のパンチングシート上に、負極合材スラリー(C−1)を塗布後、100℃で6時間減圧乾燥し、負極合材シートを得た。負極合材の目付け量は、6.8g/cmであった。
さらに、20×20mmの開口部を設けたPETシート(厚み:200μm)を負極合材層側に載せ、硫化物系固体電解質スラリー(D−1)を流し込んで、スキージヘラでならし、風乾後した。その後、PETシートを除去し、100℃で2時間減圧乾燥後、負極層及び固体電解質層からなる二層シートを作製した。
上述の二層シート、製造例9で作製した正極合材シートを、それぞれ20×20mmの大きさに切り出し後、電解質層を挟み込むようにして貼り合せた後、油圧プレス機を用いて、500MPaの圧力で一体成形した。
次に、リチウム箔を負極合材層とは反対側のパンチングシートに貼り、プレス機により10MPaで貼り合せた。しかしながら、リチウム箔が剥離したため、電池セルを形成できなかった。
比較例2
リチウム貼り合せ時のプレス圧力を300MPaに変更した以外は、比較例1と同様の方法により電池セルの形成を試みた。しかしながら、短絡が生じたため、電池セルを形成できなかった。
本発明の組成物は、各種電池、特に、リチウムイオン電池の材料に好適である。具体的には、正極、負極、及びその周辺にリチウムを導入する材料として使用できる。

Claims (5)

  1. 活物質及び電極複合材料の少なくとも一方と、
    リチウム粒子と、
    を含む組成物。
  2. 活物質及び電極複合材料の少なくとも一方と、
    リチウム粒子と、
    を含む電極。
  3. 請求項1に記載の組成物を原料とする電極。
  4. 請求項2又は3に記載の電極を含む電池。
  5. リチウム粒子を含む層と、正極層と負極層と電解質層を備える電池。
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