図1は、この発明の実施例に係る動力伝達装置の制御装置を全体的に示す概略図、図2は図1に示す油圧供給機構の油圧回路図である。
図1において、符号10はエンジン(内燃機関(駆動源))を示す。エンジン10は駆動輪(車輪)12を備えた車両14に搭載される(車両14は駆動輪12などで部分的に示す)。車両14は前輪駆動型(2WD)車両である。
エンジン10の吸気系に配置されたスロットルバルブ(図示せず)は車両運転席床面に配置されるアクセルペダルとの機械的な接続が絶たれ電動モータなどのアクチュエータからなるDBW(Drive By Wire)機構16に接続され、DBW機構16で開閉される。
スロットルバルブで調量された吸気はインテークマニホルド(図示せず)を通って流れ、各気筒の吸気ポート付近でインジェクタ20から噴射された燃料と混合して混合気を形成し、吸気バルブ(図示せず)が開弁されたとき、当該気筒の燃焼室(図示せず)に流入する。燃焼室において混合気は点火されて燃焼し、ピストンを駆動してクランクシャフト22を回転させた後、排気となってエンジン10の外部に放出される。
クランクシャフト22の回転は、トルクコンバータ24を介して無段変速機(Continuously Variable Transmission。以下「CVT」という)26に入力される。
即ち、クランクシャフト22はトルクコンバータ24のポンプ・インペラ24aに接続される一方、それに対向配置されて流体(作動油)を収受するタービン・ランナ24bはメインシャフト(入力軸)MSに接続される。
CVT26はメインシャフトMS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドライブプーリ26aと、メインシャフトMSに平行なカウンタシャフト(出力軸)CS、より正確にはその外周側シャフトに配置されたドリブンプーリ26bと、その間に掛け回される無端可撓部材からなる動力伝達要素、例えば金属製のベルト26cからなる。
ドライブプーリ26aは、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26a1と、メインシャフトMSの外周側シャフトに相対回転不能で固定プーリ半体26a1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26a2からなる。
ドリブンプーリ26bは、カウンタシャフトCSの外周側シャフトに相対回転不能で軸方向移動不能に配置された固定プーリ半体26b1と、カウンタシャフトCSに相対回転不能で固定プーリ半体26b1に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ半体26b2からなる。
CVT26は前後進切換機構28を介してエンジン10に接続される。前後進切換機構28は、車両14の前進方向への走行を可能にする前進クラッチ(摩擦係合要素)28aと、後進方向への走行を可能にする後進ブレーキクラッチ(摩擦係合要素)28bと、その間に配置されるプラネタリギヤ機構28cからなる。CVT26はエンジン10に前進クラッチ28aを介して接続される。
前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bが、より具体的には主として前進クラッチ28aが前記したトルクヒューズのクラッチ(摩擦係合要素)として機能する。
プラネタリギヤ機構28cにおいて、サンギヤ28c1はメインシャフトMSに固定されると共に、リングギヤ28c2は前進クラッチ28aを介してドライブプーリ26aの固定プーリ半体26a1に固定される。
サンギヤ28c1とリングギヤ28c2の間には、ピニオン28c3が配置される。ピニオン28c3は、キャリア28c4でサンギヤ28c1に連結される。キャリア28c4は、後進ブレーキクラッチ28bが作動させられると、それによって固定(ロック)される。
カウンタシャフトCSの回転はギヤを介してセカンダリシャフト(中間軸)SSから駆動輪12に伝えられる。即ち、カウンタシャフトCSの回転はギヤ30a,30bを介してセカンダリシャフトSSに伝えられ、その回転はギヤ30cを介してディファレンシャル32からドライブシャフト(駆動軸)34を介して左右の駆動輪(右側のみ示す)12に伝えられる。
駆動輪(前輪)12と従動輪(後輪。図示せず)からなる4個の車輪の付近にはディスクブレーキ36が配置されると共に、車両運転席床面にはブレーキペダル40が配置される。
前後進切換機構28において前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bの切換は、車両運転席に設けられたレンジセレクタ44を運転者が操作して例えばP,R,N,Dなどのレンジのいずれかを選択することで行われる。運転者のレンジセレクタ44の操作によるレンジ選択は油圧供給機構46(後述)のマニュアルバルブに伝えられる。
レンジセレクタ44を介して例えばD,S,Lレンジが選択されると、それに応じてマニュアルバルブのスプールが移動し、後進ブレーキクラッチ28bのピストン室から作動油(油圧)が排出される一方、前進クラッチ28aのピストン室に油圧が供給されて前進クラッチ28aが係合される。
前進クラッチ28aが係合されると、全ギヤがメインシャフトMSと一体に回転し、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSと同方向(前進方向)に駆動され、よって車両14は前進方向に走行する。
Rレンジが選択されると、前進クラッチ28aのピストン室から作動油が排出される一方、後進ブレーキクラッチ28bのピストン室に油圧が供給されて後進ブレーキクラッチ28bが作動する。従ってキャリア28c4が固定されてリングギヤ28c2はサンギヤ28c1とは逆方向に駆動され、ドライブプーリ26aはメインシャフトMSとは逆方向(後進方向)に駆動され、車両14は後進方向に走行する。
PあるいはNレンジが選択されると、両方のピストン室から作動油が排出されて前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bが共に開放され、前後進切換機構28を介しての動力伝達が断たれ、エンジン10とCVT26のドライブプーリ26aとの間の動力伝達が遮断される。
図2は油圧供給機構46の油圧回路図である。
図示の如く、油圧供給機構46には油圧ポンプ46aが設けられる。油圧ポンプ46aはギヤポンプからなり、エンジン(E)10によって駆動され、リザーバ46bに貯留された作動油を汲み上げてPH制御バルブ(PH REG VLV)46cに圧送する。
PH制御バルブ46cの出力(PH圧(ライン圧))は、一方では油路46dから第1、第2のレギュレータバルブ(DR REG VLV, DN REG VLV)46e,46fを介してCVT26のドライブプーリ26aの可動プーリ半体26a2のピストン室(DR)26a21とドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室(DN)26b21に接続されると共に、他方では油路46gを介してCRバルブ(CR VLV)46hに接続される。
CRバルブ46hはPH圧を減圧してCR圧(制御圧)を生成し、油路46iから第1、第2、第3の(電磁)リニアソレノイドバルブ46j,46k,46l(LS-DR, LS-DN, LS-CPC)に供給する。
第1、第2のリニアソレノイドバルブ46j,46kはそのソレノイドの励磁に応じて決定される出力圧を第1、第2のレギュレータバルブ46e,46fに作用させ、よって油路46dから送られるPH圧の作動油を可動プーリ半体26a2,26b2のピストン室26a21,26b21に供給し、それに応じてプーリ側圧を発生させる。
従って、可動プーリ半体26a2,26b2を軸方向に移動させるプーリ側圧が発生させられてドライブプーリ26aとドリブンプーリ26bのプーリ幅が変化し、ベルト26cの巻掛け半径が変化する。このように、プーリの側圧を調整することで、駆動輪12に伝達するレシオ(変速比)を無段階に変化させることができ、エンジン10の回転(回転駆動力)を任意の値に変速することができる。
CRバルブ46hの出力(CR圧)は油路46mを介してCRシフトバルブ(CR SFT VLV)46nにも接続され、そこから前記したマニュアルバルブ(MAN VLV。符号46oで示す)を介して前後進切換機構28の前進クラッチ28aのピストン室(FWD)28a1と後進ブレーキクラッチ28bのピストン室(RVS)28b1に接続される。
マニュアルバルブ46oは、前記した如く、運転者によって操作(選択)されたレンジセレクタ44の位置に応じてCRシフトバルブ46nの出力を前進クラッチ28aと後進ブレーキクラッチ28bのピストン室28a1,28b1のいずれかに接続する。
また、PH制御バルブ46cの出力は、油路46pを介してTCレギュレータバルブ(TC REG VLV)46qに送られ、TCレギュレータバルブ46qの出力はLCコントロールバルブ(LC CTL VLV)46rを介してLCシフトバルブ(LC SFT VLV)46sに接続される。
LCシフトバルブ46sの出力は一方ではトルクコンバータ24のロックアップクラッチ24cのピストン室24c1に接続されると共に、他方ではその背面側の室24c2に接続される。
LCシフトバルブ46sを介して作動油がピストン室24c1に供給される一方、背面側の室24c2から排出されると、ロックアップクラッチ24cが係合(オン)され、背面側の室24c2に供給される一方、ピストン室24c1から排出されると、解放(オフ)される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、ピストン室24c1と背面側の室24c2に供給される作動油の量によって決定される。
CRバルブ46hの出力は油路46tを介してLCコントロールバルブ46rとLCシフトバルブ46sに接続されると共に、油路46tには第4のリニアソレノイドバルブ(LS−LC)46uが介挿される。ロックアップクラッチ24cのスリップ量は、第4のリニアソレノイドバルブ46uのソレノイドの励磁・非励磁によって調整(制御)される。
さらに、油圧ポンプ46aの下流でPH制御バルブ46cの上流に相当する位置には電動モータ46vに接続されるEOP(Electric Oil Pump。電動油圧ポンプ)46wがチェックバルブ46xを介して接続される。
EOP46wも油圧ポンプ46aと同様にギヤポンプからなり、電動モータ46vで駆動され、リザーバ46bに貯留された作動油を汲み上げてPH制御バルブ(PH REG VLV)46cに圧送する。
この明細書において動力伝達装置(符号48で示す)は、トルクコンバータ24とCVT26と前後進切換機構28とからなる。
図1の説明に戻ると、エンジン10のカム軸(図示せず)付近などの適宜位置にはクランク角センサ50が設けられ、ピストンの所定クランク角度位置ごとにエンジン回転数NEを示す信号を出力する。吸気系においてスロットルバルブの下流の適宜位置には絶対圧センサ52が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAに比例した信号を出力する。
DBW機構16のアクチュエータにはスロットル開度センサ54が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットルバルブの開度THに比例した信号を出力する。
また前記したアクセルペダル(符号56で示す)の付近にはアクセル開度センサ56aが設けられて運転者のアクセルペダル操作量に相当するアクセル開度APに比例する信号を出力すると共に、ブレーキペダル40の付近にはブレーキスイッチ40aが設けられて運転者のブレーキペダル40の操作に応じてオン信号を出力する。
さらに、エンジン10の冷却水通路(図示せず)の付近には水温センサ(図示せず)が設けられ、エンジン冷却水温TW、換言すればエンジン10の温度に応じた出力を生じる。
上記したクランク角センサ50などの出力は、エンジンコントローラ66に送られる。エンジンコントローラ66はCPU,ROM,RAM,I/Oなどからなるマイクロコンピュータを備え、それらセンサ出力に基づいて目標スロットル開度を決定してDBW機構16の動作を制御すると共に、燃料噴射量を決定してインジェクタ20を駆動する。
メインシャフトMSにはNTセンサ(回転数センサ)70が設けられ、タービン・ランナ24bの回転数、具体的にはメインシャフトMSの回転数NT、より具体的には変速機入力軸回転数(と前進クラッチ28aの入力軸回転数)を示すパルス信号を出力する。
CVT26のドライブプーリ26aの付近の適宜位置にはNDRセンサ(回転数センサ)72が設けられてドライブプーリ26aの回転数NDR、換言すれば前進クラッチ28aの出力軸回転数に応じたパルス信号を出力する。
ドリブンプーリ26bの付近の適宜位置にはNDNセンサ(回転数センサ)74が設けられてドリブンプーリ26bの回転数NDN、具体的にはカウンタシャフトCSの回転数、より具体的には変速機出力軸回転数を示すパルス信号を出力する。
またセカンダリシャフトSSのギヤ30bの付近にはVセンサ(回転数センサ)76が設けられてセカンダリシャフトSSの回転数と回転方向を示すパルス信号(具体的には車速Vを示すパルス信号)を出力する。駆動輪12と従動輪(図示せず)からなる4個の車輪の付近にはそれぞれ車輪速センサ80が設けられ、車輪の回転速度を示す車輪速に比例するパルス信号を出力する。
図1の説明に戻ると、前記したレンジセレクタ44の付近にはレンジセレクタスイッチ44aが設けられ、運転者によって選択されたR,N,Dなどのレンジに応じた信号を出力する。
図2に示す如く、油圧供給機構46においてCVT26のドリブンプーリ26bに通じる油路には油圧センサ82が配置されてドリブンプーリ26bの可動プーリ半体26b2のピストン室26b21に供給される油圧に応じた信号を出力する。リザーバ46bには油温センサ84が配置されて油温(作動油ATFの温度TATF)に応じた信号を出力する。
上記したNTセンサ70などの出力は、図示しないその他のセンサの出力も含め、シフトコントローラ90に送られる。シフトコントローラ90もCPU,ROM,RAM,I/Oなどからなるマイクロコンピュータを備えると共に、エンジンコントローラ66と通信自在に構成される。
シフトコントローラ90は、それら検出値に基づき、油圧供給機構46の第4のリニアソレノイドバルブ46uなどの電磁ソレノイドを励磁・非励磁して前後進切換機構28とCVT26とトルクコンバータ24の動作を制御すると共に、油圧供給機構46の電動モータ46vに通電してEOP46wの動作を制御する。
図3はシフトコントローラ90の上記した動作のうち、前後進切換機構28の前進クラッチ28aの制御(より具体的には供給油圧の制御)を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは所定時間、例えば10msecごとに実行される。以下、前進クラッチ28aを単に「クラッチ」という。
以下説明すると、S10においてスロットル開度センサ54の出力からスロットルバルブがオフ、即ち、スロットルバルブが全閉(より正確には全閉相当値)にあるか否か、換言すれば運転者によってパニックブレーキが操作される可能性がある所定運転状態にあるか否か判断する。
パニックブレーキとは運転者によって規定値以上の踏力でディスクブレーキ36が操作されて駆動輪12などの車輪がロックされる可能性がある、いわゆる急ブレーキを意味する。
S10で否定されるときはS12に進み、駆動輪12などの車輪がスキッド(横滑り)しているか否か、換言すれば低摩擦路面を走行している可能性がある所定運転状態にあるか否か判定する。この判断は、4個の車輪速センサ80の出力から駆動輪12と従動輪からなる4個の車輪の車両前後方向の滑り比と左右方向の滑り比のいずれかが所定範囲の外にあるか否か判断することで行う。
S12でも否定されるときは、運転者によってパニックブレーキが操作される可能性あるいは車両が低摩擦路面を走行している可能性がないと判断してS14に進み、クラッチ28aのクラッチ圧算出用摩擦係数μとして後述する学習値の下限値、換言すればばらつきの低い値、例えば0.08などの値(第1の値)を設定する。
次いでS16に進み、設定されたクラッチ圧算出用摩擦係数μなどに基づいてクラッチ28aにスリップが発生しないようにクラッチ圧(クラッチ28aへの目標供給油圧)を算出する。
それに伴い、図示しないルーチンにおいて図2に示す第3のリニアソレノイドバルブ46lが励磁・消磁されてクラッチ28aのピストン室28a1の供給油圧が算出されたクラッチ圧となるように制御される。
クラッチ圧は以下のように算出される。
クラッチ圧=クラッチ入力トルク/(μ×ピストン面積×クラッチ面数×クラッチ有効径)
上記で、クラッチ入力トルクはエンジントルク、即ち、エンジン回転数NEと吸気管内絶対圧PBAなどの負荷からマップ検索して得られる値にトルクコンバータ24の増幅率を乗じて算出されるエンジン10から出力されるエンジントルク相当値を意味する。ピストン面積、クラッチ面数(プレート枚数)、クラッチ有効径はクラッチ28aの仕様で決定される固定値である。
他方、S10で肯定されて運転者によってパニックブレーキが操作される可能性があると判断されるときはS18に進む。S12で肯定されて低摩擦路面を走行している可能性があると判断されるときも同様である。
S18においては、クラッチ圧算出用摩擦係数μとして最新の学習値(後述)、例えば0.20などの値(第2の値)を設定する。これにより、設定されたクラッチ圧算出用摩擦係数μなどに基づいて同様にクラッチ圧が算出され、算出されたクラッチ圧に基づいて油圧供給が制御される。
先の式から明らかなようにクラッチ圧は摩擦係数μが高くなるほど低くなるように算出されることから、パニックブレーキが操作される可能性あるいは低摩擦路面を走行している可能性があると判断されるときは摩擦係数μとして第1の値より高い第2の値が設定されることで、クラッチ圧を低い値に制御することができる。
次いでS20に進んでモード選択処理を行う。これについては後述するが、この実施例においては、クラッチ圧を低い値に制御することでクラッチ28aがスリップし易くなることから、それを防止するためと、クラッチスリップ中の発熱量を抑制するためと、クラッチ28aの摩擦係数μを精度良く学習して実際の値に即した値を求めるためとから、クラッチ28aのスリップ率が目標スリップ率(1%程度)となるようにクラッチ圧をフィードバック(F/B)制御するモードを備える。
また、それ以外にも、フィードバック制御に至るまでの移行モードあるいはクラッチ28aの過度の昇温が予測されるような場合に固定値で制御する固定値モードを備える。S20において後述するようにそのうちのいずれかのモードを選択する。
次いでS22に進んで上記したクラッチ圧算出用摩擦係数μの値を学習する。この学習は今回値と前回値の加重平均値を算出することで行うが、これについては特許文献1に記載されているために説明を省略する。
図4はモード選択処理のサブ・ルーチン・フロー・チャート、図5は図4の処理を説明するタイム・チャートである。
以下説明すると、S100において熱量判定を行う。
図6はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS200において今回(図3フロー・チャートの今回実行時)上記したフィードバック制御か否か判断し、肯定されるときはS202に進み、前回(図3フロー・チャートの前回実行時)フィードバック制御か否か判断する。
S202で否定されるときはS204に進み、熱量の初回計算を行う。初回計算において熱量の累積値があるときはリセット(零に)する。熱量は以下のように算出される。
熱量=クラッチ入力トルク×クラッチ差回転×制御周期
上記でクラッチ入力トルクは前記したエンジントルク相当値である。クラッチ差回転はクラッチ28aの入力軸回転数NTから出力軸回転数NDRを減算することで算出される。制御周期は図3フロー・チャートの実行周期(例えば10msec)である。
他方、S202で肯定されるときはS206に進み、算出された熱量を累積(加算)し、S208に進み、許容熱量を選択する。許容熱量は油温センサ84から検出される油温(作動油ATFの温度)TATFから予め設定されたテーブルを検索して選択する。油温から選択するのは許容値が油温が高いほど低い値となるためである。
次いでS210に進み、S206で算出された熱量(熱量累積値)がS208で選択された許容熱量を超えるか否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS212に進み、冷却時間を設定し、S214に進み、熱量超過フラグのビットを1にセットする。冷却時間は固定値とするが、油温に応じて可変に設定しても良い。
一方、S200で否定されるときはS216に進み、算出された熱量をリセットし、S218に進み、既定単位時間を減算することで冷却時間が経過したか否か判断する。S218で否定されるときは以降の処理をスキップすると共に、肯定されるときはS220に進み、熱量超過フラグのビットを0にリセットする。
図6フロー・チャートの処理において熱量超過フラグのビットが1にセットされることは後述するようにフィードバック制御が禁止されることを、0にリセットされることはフィードバック制御が禁止されないことを意味する。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS102に進み、禁止領域判定を行う。
図7はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS300において差回転(グリップ時の推定差回転)が許容回転数以上か否か判断する。
これについて説明すると、先に述べた如く、走行路面が低摩擦路面から高摩擦路面に変化すると、駆動輪12などの車輪が走行路面を急グリップしてクラッチ28aのスリップ量が急増し、過度に昇温するおそれがある。
そこでこの実施例においては、駆動輪12などの車輪が走行路面でスキッドした後に走行路面をグリップしたと仮定したときのクラッチ28aの入力側と出力側の差回転を推定し、推定された差回転が許容回転数以上であるとき、フィードバック制御(スリップ制御)を禁止してクラッチ28aを係合させるようにその動作を制御することでグリップが発生したとしてもクラッチ28aの過度の昇温を防止するように構成した。
車両14は前輪駆動の2WD型であることから、グリップ時の推定差回転は以下のように算出される。
グリップ時の推定差回転=クラッチ28aの入力軸回転数NT−グリップ時の推定NDR
グリップ時の推定NDRは車輪が走行路面をグリップしたと仮定したときのクラッチ28aの出力軸回転数(ドライブプーリ26aの回転数)NDRの推定値を意味し、以下のように算出される。
グリップ時の推定NDR=後輪回転数×ファイナルレシオ×プーリレシオ
このようにグリップ時の推定差回転(以下「差回転」という)はクラッチ28aの入力軸回転数NTから車速センサ80から検出される後輪(従動輪)の回転数とプーリレシオなどの積を減算して算出される。この差回転は駆動輪12などの車輪が走行路面でスキッドした後に走行路面にグリップしたと仮定したときのクラッチ28aの入力側と出力側の差である予測的な値である。
図8は入力トルクに対する差回転の特性を示す説明図、図9は差回転に対する許容入力トルクの特性を示す説明図である。
図8に示す如く、許容回転数は固定値であり、差回転の限界値付近に設定される。差回転がこのような限界値付近に設定される許容回転数以上のときはクラッチ28aが過度に昇温するおそれが高い運転領域にあると判断されるため、S302に進み、制御禁止フラグ、より具体的にはフィードバック制御を禁止するフラグのビットを1にセットする。
尚、許容回転は図示のように高低2種の値からなるヒステリシス特性を備え、S300の判断において差回転を例えば高い方の値と比較し、肯定された後は低い値未満とならない限り、否定されないこととする。
一方、S300で否定されるときはS304に進み、算出された差回転と検出された油温TATFから図8と図9にそれぞれ示す許容入力トルクマップのHi(高)側の特性を検索し、S306に進み、算出された差回転と検出された油温TATFから図8と図9にそれぞれ示す許容入力トルクマップのLo(低)側の特性を検索する。
次いでS308に進み、ドライブプーリ26aの入力トルクが検索された許容入力トルク(TQMJMPINHHあるいはTQMJMPINHL)以上か否か判断する。
ドライブプーリ26aの入力トルクは、前記したエンジントルクにトルクコンバータ24の増幅率を乗じてエンジン10から出力されるトルクを算出し、算出値をドライブプーリ26aの入力トルクと置き換えることで求める。
S308で肯定されるときはS302に進む一方、否定されるときはS310に進み、制御禁止フラグのビットを0にセットする。S310において制御禁止フラグのビットを0にリセットすることはフィードバック制御が禁止されない、換言すれば許可されることを意味する。
このように図8と図9に示す如く、フィードバック制御は、ドライブプーリ26aの入力トルクが許容入力トルク以上のときは禁止され、それ未満のときは許可される。尚、図7の処理は実際値に基づく処理ではなく、車輪がスキッドした後にグリップしたと仮定したときのクラッチ28aの入力側と出力側の差である予測的な差回転に基づく、フィードフォワード的あるいは予防的な処理である。
尚、許容入力トルクとして高低2種の値TQMJMPINHHあるいはTQMJMPINHLを用いてヒステリシスを設けるのは制御ハンチング防止のためであり、従って例えば許可領域から禁止領域への移行は高い方の値TQMJMPINHHを用いる一方、禁止領域から許可領域への移行は低い方の値TQMJMPINHLを用いる。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS104に進み、検出された油温TATFが禁止油温以上か、あるいは熱量超過(図6フロー・チャートで熱量超過フラグのビットが1にセットされた)か、あるいは禁止領域(図7フロー・チャートで制御禁止フラグのビットが1にセットされた)か否か判断する。S104で3つの条件のうちの少なくとも1つで肯定されるときはS106に進み、固定値モード(後述)を選択する。
他方、S104で否定されるときはS108に進み、クラッチ28aにスリップが発生したか否か判断する。クラッチ28aのスリップに関し、スリップ率はNTセンサ70とNDRセンサ72から検出される回転数の比、スリップ量はそれら回転数の差で算出される。
S108で肯定されるときはS110に進み、F/B(フィードバック制御)モードを選択する。
図10はS110のフィードバック制御のサブ・ルーチン・フロー・チャートである。図11は図5と同様のモードごとの処理を示すタイム・チャート、図12はそのうちのフィードバック制御を示すタイム・チャートである。
図10の処理を説明すると、S400において伝達トルクベースクラッチ圧PMCLCMDBを算出する。この伝達トルクベースクラッチ圧は以下のように算出される。
伝達トルクベースクラッチ圧PMCLCMDB=クラッチ伝達トルク/(μ×係数)
上式でクラッチ伝達トルクは前記したエンジントルクと等価であり、係数はクラッチ28aのピストン諸元に基づく定数である。図11の末尾にベースクラッチ圧PMCLCMDBを示す。
次いでS402に進み、クラッチ圧F/B量を算出する。即ち、フィードバック制御のP項PMCLACFBPとI項PMCLACFBIを適宜なPI制御則を用いて算出し、S404に進み、伝達トルクベースクラッチ圧PMCLCMDBにP項PMCLACFBPとI項PMCLACFBIを加算してクラッチ目標圧ベース値PMCLACCBを算出する。
次いでS406に進み、クラッチ28aのスリップ量が規定量以上か否か判断する。クラッチ28aのスリップ量はNTセンサ70から検出される回転数からNDRセンサ72から検出される回転数を減算して差を求めることで算出される。
先に図7フロー・チャートの処理において車輪がスキッドした後にグリップしたと仮定したときのクラッチ28aの入力側と出力側の推定差回転を予測的に算出したが、S406においてはそのスキッド後に車輪グリップが実際に生じたか否かを判断することから、規定量もその事象の発生を検知するに足る比較的大きな値を選択して設定する。
S406で否定されてスキッド後に車輪グリップが生じたと判断されないときはS408に進み、S404で算出されたクラッチ圧目標ベース値PMCLACCBをそのままクラッチ圧PMCLACCとして算出する。次いでS410に進み、トルク協調実施フラグのビットが0にリセットされる。
他方、S406で肯定されてスキッド後に車輪グリップが生じたと判断されるときはS412に進み、クラッチ圧PMCLACCを下記に示すように算出する。
クラッチ圧PMCLACC=min(PMCLACCB,PMCLACC+#DPMCLACC)
即ち、車輪グリップが生じないときのクラッチ圧と、それに微小量#DPMMCLACCを加算して得た和のうちの小さい方とする。換言すれば、検出されたクラッチ28aのスリップ量が規定量以上のとき、クラッチ28aのクラッチ圧(係合力)の増加を制限する。
次いでS414に進み、クラッチ圧F/B制御のI項を再計算する。即ち、S414で微小量#DPMMCLACCが加算された和が選択された場合、S402のI項の算出の元となったベース値そのものではないことから、I項を算出し直す。次いでS416に進み、トルク協調フラグのビットを1にセットする。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS112に進み、算出されたクラッチ圧PMCLACCをクラッチ圧出力値PMCLCMDと置き換える。
これにより、図示しないルーチンにおいて図2に示す第3のリニアソレノイドバルブ46lが励磁・消磁されてクラッチ28aのピストン室28a1の供給油圧がそのクラッチ圧となるように制御される。
他方、S108で否定されるときはS114に進み、μ移行完了か否か判断し、否定されるときはS116に進み、μ移行モードを選択する。即ち、駆動輪12などの車輪のスキッドが検知されたとき(図3フロー・チャートのS12)、クラッチ圧(クラッチ28aへの供給油圧(係合力))を図5に示すように減少させる。
具体的には、S118においてクラッチ圧出力値PMCLCMDが伝達トルクベースクラッチ圧PMCLCMDBまで低下するようにクラッチ28aの供給油圧が制御されるが、その処理(「μ移行」という)が完了したか否か判断する。
また、S114で肯定されるときはS120に進み、前回フィードバック制御モードであったか否か判断し、肯定されるときはS110に進む一方、否定されるときはS122に進み、μ移行完了から所定時間t1(図5に示す)が経過したか否か判断する。
即ち、S116(S118)のμ移行モードにあってはクラッチ圧が急速に減少させられることから、油圧の応答を待つために所定時間t1の間、待機する。
また、S122で否定されるときはS116に進む一方、肯定される(スリップが発生しない)ときはS124に進んで徐々減圧モードを選択し、S126に進み、クラッチ圧出力値PMCLCMDが所定クラッチ圧PMCLCMDBまで低下するように、図5に示す如く、クラッチ圧を徐々に減少する。これも油圧の応答遅れを待機するためである。
図12は図4フロー・チャートのフィードバック制御において図10フロー・チャートの処理と平行して実行される処理を示すフロー・チャートである。
以下説明すると、S500においてトルク協調実施フラグのビットが1にセットされているか否か判断し、肯定されるときはS502に進み、クラッチ係合推定イナーシャトルクを算出する。
このクラッチ係合推定イナーシャトルクはクラッチ28aの係合のために吸収すべきエンジン10とCVT26の推定イナーシャトルクを意味し、以下のように算出する。
クラッチ係合推定イナーシャトルク=エンジンイナーシャ×(NT−NDR)/係合時間Δt
上式において係合時間Δtはクラッチ28aを係合させるまでに要する時間を意味し、クラッチ28aの特性などから適宜設定される。
即ち、イナーシャトルクはタービン回転数NTとドライブプーリ26aの回転数NDRの差回転と係合時間で決まるため、このように設定する。
次いでS504に進み、前記したエンジントルクから算出されたクラッチ係合推定イナーシャトルクを減算し、低下させるべき要求トルクを算出し、S506に進み、算出された要求トルクをエンジンコントローラ66に出力する。
エンジンコントローラ66は図示しないルーチンにおいてDBW機構16を動作させ、入力した要求トルクに相当する値だけエンジン10の出力トルクを減少させる。尚、S500で否定されるときはS508に進み、エンジンコントローラ66へのトルク減少要求はなされない。
図13は図4フロー・チャートのS106の固定値モードのサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S600においてクラッチ28aにスリップが発生したか否か判断する。
図4から明らかな如く、固定値モードはクラッチ28aが過度に昇温する可能性がある運転状態においてフィードフォワード的あるいは予防的に行われる制御であることから、クラッチ圧を増加してクラッチ28aを強固に係合してスリップを全く生じさせないようにクラッチ28aの動作が制御される。
従ってS600の判断においてクラッチ28aのスリップが全く発生していなければ否定されてS602に進み、固定値モードに移行して初回(図13フロー・チャートの最初のループ)か否か判断する。
S602で肯定されるときはS604に進み、クラッチ圧出力値PMCLCMD(より正確にはその前回値)から前回伝達トルクベースクラッチ圧PMCLCMDBOを減算して係合必要加算圧PMACFADD(図11の末尾に示す)を算出する。一方、否定されるときはS604をスキップする。
次いでS606に進み、車輪のスリップ比とCVT26のレシオ(変速比)から予め設定されたマップ(特性)を検索して係合マージン圧PMACFMAを算出する。車輪のスリップ比は具体的には(前輪車輪速−後輪車輪速)/前輪車輪速で算出される。
係合マージン圧はクラッチ28aを確実に係合させるためのマージン(余裕分)を意味する。クラッチ28aの係合に要求される圧力、換言すれば車輪に作用するグリップ力は車輪の摩擦係数と車重の積で表わされるが、その力は車輪のスリップ比とレシオに依存するため、係合マージン圧は予め設定されたマップを検索して算出される。
図11から明らかな如く、固定値モードはフィードバック制御モードの間にクラッチ28aが過度に昇温する可能性が生じたときに移行するモードであるが、クラッチ圧はフィードバック制御までは減少(低下)させられると共に、フィードバック制御ではクラッチ28aの劣化や動作状態に応じた実際の摩擦係数を求めるべく、スリップ率1%が安定したときに、学習が行われる。
それに対し、固定値モードにあっては、図11の末尾に示す如く、クラッチ圧は増加(上昇)させられると共に、スリップ率も0%となるようにクラッチ28aは完全に係合(直結)される。S606ではクラッチ圧の増加に際してクラッチ28aが全くスリップしないように係合マージン圧が算出される。
図13フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS608に進み、ベースクラッチ圧PMCLCMDBと係合必要加算圧PMACFADDと係合マージン圧PMACFMAを加算して固定値モードクラッチ圧PMACCFIXを算出する。
他方、S600の判断においてクラッチ28aのスリップが少しでも発生、例えばスリップ率において1%程度でも発生していれば肯定されてS610に進み、クラッチ圧出力値PMCLCMD(より正確にはその前回値)から前回伝達トルクベースクラッチ圧PMCLCMDBOを減算する一方、微小値#DPMACFADDを加算して係合必要加算圧PMACFADDを算出する。即ち、固定値モードにおいてクラッチ28aのスリップが発生したときは係合必要加算圧を微小値#DPMACFADDを単位としてさらに増加する。
次いでS612に進み、係合マージン圧PMACFMAを零にリセットする。この処理により、クラッチ28aが完全に係合される最下限油圧を知ることができる。
図4フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS128に進み、算出された固定値モードクラッチ圧PMACCFIXをクラッチ圧出力値PMCLCMDと置き換える。
これに伴い、図示しないルーチンにおいて図2に示す第3のリニアソレノイドバルブ46lが励磁・消磁されてクラッチ28aのピストン室28a1の供給油圧がそのクラッチ圧となるように制御されることは他のモードの場合と同様である。
上記した如く、この実施例にあっては車両14に搭載される駆動源(エンジン)10からの回転駆動力を車輪(駆動輪12)に伝達する無段変速機(CVT)26と、前記駆動源と前記車輪の間に前記自動変速機と直列に配置されるクラッチ(摩擦係合要素)28aとを備えた動力伝達装置48において、前記車輪のスキッドを検知するスキッド検知手段(シフトコントローラ90,S12)と、前記摩擦係合要素のスリップ量を検出するスリップ量検出手段(シフトコントローラ90,S20,S406)と、前記摩擦係合要素の係合動作を制御する摩擦係合要素制御手段(シフトコントローラ,S20,S412,S408)とを備えると共に、前記摩擦係合要素制御手段は、前記車輪のスキッドが検知されたとき、前記摩擦係合要素の係合力を減少させ(シフトコントローラ、S12,S20,S100からS104,S108からS128)、次いで前記減少させた係合力を増加させるとき、前記検出された摩擦係合要素のスリップ量が規定量以上の場合、前記摩擦係合要素の係合力の増加を制限する(シフトコントローラ、S20,S406,412,414,416)如く構成したので、車輪(駆動輪12)のスキッド検知を介して低摩擦路面の走行が検知された後、走行路面が高摩擦路面に変化し、車輪が走行路面を急グリップしてクラッチ(摩擦係合要素)28aのスリップ量が急増したとしても、減少させたクラッチ28aの係合力(供給圧)を増加させることでクラッチ28aのスリップをある程度抑制できると共に、クラッチ28aのスリップ量が規定量以上のときはクラッチ28aの係合力の増加(上昇)を制限することで係合ショックの発生を回避することができる。
また、前記摩擦係合要素制御手段は、前記摩擦係合要素(クラッチ)28aの係合のために吸収すべき前記駆動源(エンジン)10のイナーシャトルクを推定するイナーシャトルク推定手段(シフトコントローラ、S20,S502)と、前記推定されたイナーシャトルクに基づいて前記駆動源の回転駆動力を低下させる駆動力低下手段(シフトコントローラ、S20,S504,S506)とを備える如く構成したので、上記した効果に加え、クラッチ(摩擦係合要素)28aのスリップを一層確実に抑制することができ、よってスリップの抑制と係合ショックの抑制とを一層良く両立させることができる。
また、前記摩擦係合要素制御手段は、前記摩擦係合要素(クラッチ)28aの発熱量を推定する発熱量推定手段(シフトコントローラ、S20,S100,S200からS220)を備えると共に、前記推定された発熱量が許容熱量を超えるとき、前記摩擦係合要素の係合力を係合方向に向けて増加させる(シフトコントローラ、S20,S104,S106,S600からS612)如く構成したので、上記した効果に加え、クラッチ28aの過度の昇温を防止することができる。
尚、上記において摩擦係合要素としてクラッチ(前進クラッチ28aあるいは後進ブレーキクラッチ28b)を開示したが、それに限られるものではなく、類似した構造を有するものであればどのようなものでも良い。
また、車両14は前輪駆動型(2WD)車両としたが、四輪駆動型(4WD)であっても良い。
また、駆動源としてエンジン(内燃機関)10を開示したが、電動モータあるいはエンジンと電動モータのハイブリッドであっても良い。
また、CVTとしてベルト式のCVT26を開示したが、それに限られるものではなく、トロイダル式あるいはチェーン式であっても良い。