[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施例1について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、実施例1における遊技機(以下、適宜パチスロという)1の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段(例えば、後述のメインCPU31)は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述の副制御回路72)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述のスピーカ9L、9R、液晶表示装置5)は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[遊技状態の移行]
ここで、実施例1では、抽出された乱数値が同一であっても、遊技状態が異なる場合には、決定される内部当籤役が異なる場合がある。実施例1では、遊技状態としてRT(リプレイタイム)1遊技状態、RT2遊技状態、BB(ビッグボーナス)内部当たり状態、BB中RB遊技状態、MB(ミドルボーナス)遊技状態遊技状態を設けている。なお、以下では、RT1遊技状態を「一般遊技状態」とする場合がある。
本実施の形態では、各遊技状態に対応した内部抽籤テーブル(後に、参照する図7参照)が設けられており、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる確率がそれぞれ異なる。すなわち、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられるリプレイ(1)及びリプレイ(2)が内部当籤役として決定される確率がそれぞれ異なる。なお、リプレイ(1)が内部当籤すると、リプレイ1(図柄の組合せがリプレイ−リプレイ−リプレイのリプレイ役)の入賞作動フラグがオンになる。また、リプレイ(2)が内部当籤すると、リプレイ1、リプレイ2(図柄の組合せが白7−白7−チェリーのリプレイ役)及びリプレイ3(図柄の組合せが白7−白7−BARのリプレイ役)の入賞作動フラグがオンになる。
本実施の形態では、リプレイ(リプレイ(1)及びリプレイ(2)のうち、いずれかのリプレイ)が内部当籤役として決定される確率は、RT1遊技状態よりもRT2遊技状態の方が高く設定されている。すなわち、RT2遊技状態の方がRT1遊技状態よりも遊技者にとって、より有利な遊技状態であるといえる。
図2に示すように、パチスロ1では、BB遊技状態終了後にRT2遊技状態へ移行する。その後、RT2遊技状態において、ベルこぼし目(ベル1−チェリー−リプレイ又はベル1−チェリー−チェリー)が有効ラインに表示された場合には、遊技状態をRT1へ移行する。ここで、ベルこぼし目表示時は、有効ライン上段(有効ライン上の「上・上・上」)にベルが表示されるとともに、ベルこぼし目(ベル1−チェリー−リプレイ又はベル1−チェリー−チェリー)が有効ライン右下がり(有効ライン上の「上・中・下」)に同時に表示される。
ここで、「ベルの取りこぼし」について詳しく説明する。まず、ベルが内部当籤し、且つ押し順が正解の場合には、中リール中段にベルが表示され、ベルの払い出しが最も多くなる(表示としては、ベル図柄が有効ライン上の「上・中・下」に表示される)。一方、ベルが内部当籤し、且つ押し順が不正解の場合(すなわち、ベルを取りこぼした場合)には、有効ライン右下がり(有効ライン上の「上・中・下」)にベルこぼし目(ベル1−チェリー−リプレイ又はベル1−チェリー−チェリー)が表示されるとともに、有効ライン上の「上・上・上」にベルが表示され、ベルの払い出しが最も少なくなる。このベルの払い出しが最も少ない状態を、ベルを取りこぼした状態(ベル取りこぼし時)という。
また、RT1遊技状態において、スイカ役に対応する図柄の組み合わせ(スイカ−スイカ−スイカ)が有効ライン上に表示され、かつ、MBが非当籤である場合には、遊技状態をRT2遊技状態へ移行する。このため、RT1遊技状態において、スイカ役に対応する図柄の組み合わせ(スイカ−スイカ−スイカ)が有効ライン上に表示された場合であっても、スイカと一緒にMBが同時当籤している場合には、RT2遊技状態へ移行しない。
また、MBに内部当籤し、MBに対応する図柄の組み合わせ(赤7−赤7−BAR)が表示された場合には、MB遊技作動時におけるRT1、2のリプレイの当籤確率を引き継いでMB遊技状態へ移行する。ここで、MB遊技状態では、内部抽籤の結果に関わらず、メダルの付与に係る小役であるベル1〜7及びスイカが内部当籤役として決定される。つまり、MB遊技状態では、ベル1〜7及びスイカの入賞作動フラグが毎回のゲームでオンになり、内部抽籤テーブルを参照して、リプレイのみ内部当籤したか否かを抽籤で決定する。
そして、MB遊技状態では、リプレイ2、3を構成する図柄の組合せの一部(左リールおよび中リールが白7)と同一の図柄の組合せにより構成されるベル7(白7ベル)とが重複当籤する場合がある。MB遊技状態は、MB遊技作動時におけるRT1〜3のリプレイの当籤確率を引き継いでおり、引き継いだリプレイ当籤確率に応じて、白7ベルの表示確率が変動する。また、この白7ベルが停止表示された場合には、ARTゲーム数を上乗せする。このため、MB遊技状態において、再遊技役の当籤確率が高いほど、ARTゲーム数を増加させる可能性が高くなり、MB遊技状態のゲーム性を向上することができる。
ここで、実施例1に係るパチスロ1では、MB図柄を有効ライン上に表示した際に投入されたメダルの枚数に応じて、MB遊技中に使用する内部抽籤テーブル(図7参照)を選択する。具体的には、パチスロ1は、投入枚数が2枚(2枚掛け)でMB図柄を有効ライン上に揃えた場合には、MBが内部当籤した際の遊技状態(RT1遊技状態またはRT2遊技状態)に対応する内部抽籤テーブルであって、かつ、投入枚数「2」に対応する内部抽籤テーブルを選択する。また、パチスロ1は、投入枚数が3枚(3枚掛け)でMB図柄を有効ライン上に揃えた場合には、MBが内部当籤した際の遊技状態に対応する内部抽籤テーブルであって、かつ、投入枚数「3」に対応する内部抽籤テーブルを選択する。
例えば、図7の例を用いて説明すると、MBが内部当籤した際の遊技状態がRT2遊技状態である場合には、投入枚数「2」に対応する内部抽籤テーブルの方が投入枚数「3」に対応する内部抽籤テーブルよりも、リプレイの当籤確率が高く設定されている。特に、投入枚数「2」に対応する内部抽籤テーブルは、リプレイ(2)に当籤する確率が高く設定されているため、白7ベルの表示確率が高くなり、上述したように、ARTゲーム数が上乗せされる可能性が高くなるため、MB図柄を有効ライン上に表示させる際の投入枚数を変化させることで、遊技者にとって有利になるような状態を作りだすことができる。なお、MBが内部当籤した際の遊技状態がRT1遊技状態である場合には、投入枚数「2」に対応する内部抽籤テーブルであっても、投入枚数「3」に対応する内部抽籤テーブルであっても、リプレイの当籤確率は同じである。
このように、MB図柄を有効ライン上に表示させる際の投入枚数に応じて、MB遊技中の内部抽籤テーブルを変えて、リプレイの当籤確率を変化させるので、遊技者がMB図柄を揃える時のメダルの投入枚数を変えることで、遊技者にとって有利になるような状態を作りだすことができる。また、MB図柄は一種類であるが、MB図柄を有効ライン上に表示させる際の投入枚数に応じて、リプレイの当籤確率を変化させることができるので、MB図柄を複数種類用意することなく、MB遊技のゲーム性を多様化させることができる結果、MB遊技の遊技性を向上することが可能である。
[パチスロの構造]
次に、図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1は、リール3L、3C、3Rや回路基板等を収容する筐体となるキャビネット1aと、キャビネット1aの前面側に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2と、フロントドア2の前面側にパネル部となるフロントパネル8とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられる。各リール3L、3C、3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄が回転方向に沿って連続的に配置された帯状のシートを貼り付けて構成される。
フロントドア2は、ドア本体の部分であり、フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられる。液晶表示装置5は、フロントドア2の前面側であって、フロントドア2とフロントパネル8との間に設けられる。液晶表示装置5は、取付枠により、フロントドア2の上側の部分に固定される。
また、液晶表示装置5は、図柄表示領域21L、21C、21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に位置するように設けられる。図柄表示領域21L、21C、21Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背面側に設けられたリール3L、3C、3Rを透過することが可能な構成を備える。
つまり、図柄表示領域21L、21C、21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域21L、21C、21Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域21L、21C、21Rは、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、リール3L、3C、3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各図柄表示領域21L、21C、21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞ライン)として定義する。
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられる。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン11は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数(例えば、3枚)を決定するために設けられる。1ベットボタン12は、パチスロ1内部に預けられているメダルからメダル1枚の投入を決定するために設けられる。C/Pスイッチ13は、遊技者がゲームで獲得したメダルをクレジットするか、クレジットしたメダルを払い出すかを押下操作で切り換えるスイッチである。
スタートレバー6は、全てのリール3L、3C、3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L、7C、7Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するために設けられる。
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L、9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
[遊技機の機能構成]
次に、実施形態における遊技機1が有する機能構成について説明する。本実施形態における遊技機1は、キャビネット1aの内部上側位置に、主制御回路71、副制御回路72を構成する基板(副制御基板)、及びこれらと電気的に接続される周辺装置(各種デバイスなど)が設けられている。
図4は、パチスロの主制御回路の構成を示す図である。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32およびメインRAM33などを含む。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、各種のデータテーブル、副制御回路72に対して送信される各種制御指令(コマンドなど)のデータ等が記憶される。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36およびサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34および分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲(例えば、0〜65535)から1つの乱数を発生させる。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、各種のスイッチなどからの入力を受けて、ステッピングモータ49L、49C、49Rなどの周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L、7C、7Rが遊技者により、リール3L、3C、3Rの回転を停止させるために押下されたことを検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により、リール3L、3C、3Rの回転を開始させるために操作されたことを検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルを検出する。MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押下されたことを検出する。1ベットスイッチ12Sは、1ベットボタン12が遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押下されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R、7セグ表示器53およびホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L、3C、3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、回転速度がパルスの出力数に比例し、指定された角度で回転軸を停止させることが可能な構成を含む。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比のギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理する。メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理することにより、リール3L、3C、3Rの表面に配置された複数の図柄の各位置を管理する。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器53の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72には、液晶表示装置5、スピーカ9L、9R、ランプ14が接続されており、主制御回路71から送信されたコマンドに応じてこれらを制御する。また、副制御回路72は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM(図示せず)に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行うサブCPU(図示せず)を有する。
[図柄配置テーブル]
図5を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに図柄表示領域21L、21C、21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として図柄表示領域21L,21C,21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[図柄組合せテーブル]
図6を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞ラインに沿って各リール3L、3C、3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。図6は、図柄組合せテーブルを示す図である。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、入賞作動フラグと、格納領域種別と、払出枚数を示すデータと、を規定している。表示役は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。格納領域種別は、入賞作動フラグを格納する後述の表示役格納領域をメインCPU31が識別するために設けられたデータである。入賞作動フラグは、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてベル1〜7またはスイカのいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、予め定められた上限を限度に払い出される。なお、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
また、表示役としてリプレイ1〜3のいずれかが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBB1、BB2、MBのいずれかが決定されたとき、ボーナスゲームの作動がそれぞれ行われる。BB1、BB2のボーナスゲームは、300枚を超える払い出しで終了し、MBのボーナスゲームは、120枚を超える払い出しで終了する。BB1、BB2のボーナスゲーム終了後は、RT2遊技状態へ移行する。また、スイカに内部当籤し、かつ、有効ライン上にスイカが表示された場合にも、RT2遊技状態へ移行する。
また、ベル1〜6が内部当籤し、かつ、遊技者の停止操作の順序(押し順)が正解でない場合には、有効ライン上段(有効ライン上の「上・上・上」)にベルが表示されるとともに、ベルこぼし目(ベル1−チェリー−リプレイ又はベル1−チェリー−チェリー)が有効ライン右下がり(有効ライン上の「上・中・下」)に表示され、遊技状態をRT1遊技状態へ移行する。例えば、ベル1(ANY−ベル1−ANY)が内部当籤した場合に、押し順を正解すると、中リール中段にベル1の図柄が停止表示され、払い出し枚数3枚×3ラインで、払い出し枚数が「9」となる。一方、ベル1(ANY−ベル1−ANY)が内部当籤した場合に、押し順が不正解であれば、ベルこぼし目は右下がりに表示されるとともに、有効ライン上段にベルが表示され、払い出し枚数3枚×1ラインで、払い出し枚数が「3」となる。
[内部抽籤テーブル]
図7を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。図7は、内部抽籤テーブルを示す図である。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。
本実施の形態では、現在の遊技状態およびメダルの投入枚数に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
図7の例では、投入枚数が「2」枚に対応する各遊技状態用内部抽籤テーブルと、投入枚数が「3」枚に対応する各遊技状態用内部抽籤テーブルとが設けられている。また、遊技状態として、RT1遊技状態である「RT1」、RT2遊技状態である「RT2」、BBが内部当籤した状態である「BB内部当籤中」、またはBB遊技中のRB遊技状態である「各BB中のRB」それぞれに対応する内部抽籤テーブルが設けられている。
図7に示すように、遊技状態がRT2遊技状態である場合には、投入枚数「2」に対応する内部抽籤テーブルの方が投入枚数「3」に対応する内部抽籤テーブルよりも、リプレイ(リプレイ(1)及びリプレイ(2)の当籤確率が高く設定されている。また、遊技状態がRT2遊技状態であって、投入枚数「3」に対応する内部抽籤テーブルは、リプレイ(2)に当籤する確率が高く設定されているため、白7ベルの表示確率が高くなり、上述したように、ARTゲーム数が上乗せされる可能性が高くなるため、MB図柄を有効ライン上に表示させる際の投入枚数を変化させることで、遊技者にとって有利になるような状態を作りだすことができる。なお、遊技状態がRT1遊技状態、BB内部当籤中、各BB中のRBである場合には、投入枚数「2」に対応する内部抽籤テーブルであっても、投入枚数「3」に対応する内部抽籤テーブルであっても、リプレイ・小役の当籤確率は同じである。
[内部当籤役決定テーブル]
図8及び図9を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞ラインに沿って表示を許可する各リール3L、3C、3Lの図柄の組合せを識別するデータである。なお、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図8は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルであり、メダルの払い出しに係る内部当籤役と再遊技の作動に係る内部当籤役とを規定している。図9は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルであり、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
例えば、図8に示すように、リプレイ(1)が内部当籤役として決定された場合には、リプレイ1の入賞作動フラグがオンになる。また、リプレイ(2)が内部当籤役として決定された場合には、リプレイ1〜3の入賞作動フラグをオンになる。また、例えば、ベル(5択)1−2−3(1)が内部当籤役として決定された場合には、ベル1〜ベル3の入賞作動フラグがオンになる。
また、ベル(5択)は、押し順が正解した場合には、ベルが入賞し、押し順が不正解だった場合には、ベルこぼし目が表示される。例えば、ベル(5択)1−2−3(1)が内部当籤役として決定された場合には、左リール3L→中リール3C→右リール3Rの順で停止操作が行われれば、押し順が正解となり、それ以外の停止操作が行われれば、押し順が不正解となる。
また、図9に示すように、ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役として、BB1(単独)、BB2(単独)、MB(単独)、MB+スイカ、MB+全ベルが規定されている。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
図10を参照して、メインCPU31が内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルを示す情報及び抽籤回数を示す情報を規定している。
遊技状態は、内部当籤役が決定される内部抽籤処理において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否か等により区別される状態である。抽籤回数は、サンプリング回路37により抽出された一の乱数値(抽籤用乱数値)から後述の抽籤値をメインCPU31が減算する最大の回数である。
図10に示すように、MB遊技状態では、全ての小役の入賞作動フラグがオンとなり、かつ、抽籤回数が「2」回であるため、リプレイ(1)及びリプレイ(2)のみ内部抽籤を行う。また、RB1、2遊技状態では、抽籤回数が「1」回であって、毎ゲームで「全ベル」に内部当籤する。
[引込優先順位テーブル]
図11を参照して、優先順位テーブルについて説明する。本実施の形態では、リール3L、3C、3Rの回転中に図柄位置毎に表示してよい図柄であるか否か判定されるところ、優先順位テーブルは、引込み範囲内に表示してよい図柄が複数ある場合にどの図柄を優先して引き込むか決定する際に用いられる。
優先順位テーブルは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組合せ間の引込みの優先順位を示す引込データを規定している。引込優先順位データは、引込みの優先順位に対応する全リプレイ、全小役、BB及びMBの各々をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。引き込みは、基本的に、最大滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組合せを構成する図柄を入賞ラインに沿って表示するように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させることをいう。
ここで、MB遊技状態において、リプレイ(2)が当籤した場合に、引込優先順位テーブルを用いて、ベル7(白7ベル)を優先して引き込むように制御する処理について説明する。前述したように、MB遊技状態では、ベル1〜7及びスイカの内部当籤役格納領域が毎回のゲームでオンになり、内部抽籤テーブルを参照して、リプレイのみ内部当籤したか否かを抽籤で決定する。
また、MB遊技状態では、引込優先順位テーブル番号「01」の引込優先順位テーブルが使用される。ここでは、リプレイ(2)が当籤し、中リールにチェリー−白7−スイカ(図柄位置9〜7)が表示されたタイミングで7Cストップボタンが押下された場合を例に説明する。この場合に、図柄「白7」に対応する役が「リプレイ2、3」及び「ベル7」であるため、両者の引き込み順位データ「008H」と「006H」とを加算し、「014H」とする。また、滑り駒数4個以内にベル1(図柄位置5)があり、図柄「ベル1」に対応する小役であるベル1、2の引き込み順位データが「009H」である。ここで、引き込み順位データ「014H」と「009H」を比較し、「014H」の方が値が高いので、図柄「ベル1」よりも図柄「白7」を優先して表示されるように停止制御する。なお、残りのリールに関しては、後述する表示役格納領域と図柄コード格納処理によって、白7を表示可能な範囲内で停止操作された場合、表示可能に制御される。
[メインRAMに設けられる格納領域の構成]
次に、図12〜図18を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。なお、各種格納領域は、メインRAM33に設けるとともに副制御回路72のサブRAMにも設けることとしてもよい。
[内部当籤役格納領域]
図12は、内部当籤役(当たり要求フラグ)を示すデータが格納される内部当籤役格納領域1、内部当籤役格納領域2を示す。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。
[持越役格納領域]
図13は、持越役に係るデータが格納される持越役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてBBが決定された場合には、持越役格納領域のビット0に「1」が格納される。ここで、持越役は、後述の内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが入賞ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
[遊技状態フラグ格納領域]
図14は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。遊技状態フラグの値は、メインCPU31が現在の遊技状態を識別するために用いられる。例えば、RT0遊技状態である場合には、ビット0に「1」が格納される。ここで、遊技状態フラグ格納領域に格納された遊技状態フラグを示すデータに応じて、前述した図7に示す内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。例えば、ビット0に「1」が格納された場合には、RT0用の内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。
[MB作動時掛け枚数格納領域]
図15は、MB作動時におけるメダルの掛け枚数が格納されるMB作動時掛け枚数格納領域を示す。例えば、MB図柄を有効ライン上に表示してMBが作動した際に、遊技者が投入したメダルの枚数が「3」である場合には、ビット1を「1」に更新し、遊技者が投入したメダルの枚数が「2」である場合には、ビット0を「1」に更新する。MB作動時掛け枚数格納領域に格納されたデータは、MB遊技中において、内部抽籤テーブルをセットする際に、メインCPU31に読み出されるデータである。
[押下順序格納領域]
図16は、停止操作の順序を示すデータが格納される押下順序格納領域を示す。例えば、第1停止操作に左のストップボタン7Lが操作された場合には、ビット0及び1に「1」が格納される。その後、第2停止操作として中のストップボタン7Cが操作されると、「1」が格納されているビット0及び1のうち、ビット1を「0」に更新し、ビット0を「1」のまま維持する。
[作動ストップボタン格納領域]
図17は、今回押されたストップボタン7L、7C、7R、いわゆる作動ストップボタンを示すデータが格納される作動ストップボタン格納領域を示す。なお、作動ストップボタン格納領域には、押す操作が有効なストップボタン7L、7C、7R、いわゆる有効ストップボタンを示すデータも格納される。本実施形態では、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット0〜2に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン7L、7C、7Rを識別する。また、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット4〜6に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン7L、7C、7Rを識別する。
[引込優先順位データ格納領域]
図18は、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される引込優先順位データ格納領域を示す。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域により構成される。各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L、3C、3Rの図柄位置データのそれぞれについて、優先引込順位データを格納する。優先引込順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が入賞ラインの何れかに沿って表示されるかを示すデータである。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図19〜図31を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図19を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否か、設定変更が適切に行われたか否かを判定し、判定結果に応じた初期化処理を行う。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(ステップS2)。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等に格納されるデータをクリアする。そして、メインCPU31は、後で図20を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。
次に、メインCPU31は、抽籤用乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。このステップS4の処理で抽出された抽籤用乱数値は、内部抽籤処理(後述の図21)において使用される。続いて、メインCPU31は、後で図21を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納するリール停止初期設定処理(後に図22を用いて詳述)を行う(ステップS6)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(ステップS7)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御基板72に送信される。これにより、副制御基板72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行う(ステップS8)。この処理では、メインCPU31は、前回の遊技開始から所定の時間(例えば、4.1秒)経過するまで待機する。続いて、メインCPU31は、リール回転開始処理を行う(ステップS9)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
そして、メインCPU31は、引込優先順位格納処理(後に図23を用いて詳述)を行う(ステップS10)。この処理では、内部抽籤処理の結果に基づいて、回転中の各リールの図柄位置毎に、停止許可の場合には、その引込優先順位データを格納し、また、停止不許可の場合(すなわち、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、停止禁止を格納する。
次に、メインCPU31は、後で図26を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS11)。続いて、メインCPU31は、入賞検索処理を行う(ステップS12)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの停止後に有効ラインに沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU31は、ステップS12において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(ステップS13)。続いて、メインCPU31は、表示コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納された表示コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御基板72に送信される(ステップS14)。
続いて、メインCPU31は、後で図29を参照して説明するRT制御処理を行う(ステップS15)。この処理では、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。
続いて、メインCPU31は、後で図30を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS16)。この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。続いて、メインCPU31は、後で図31を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い(ステップS17)、次にステップS2の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合に再遊技の作動を行う。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図20を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値があるか否か、すなわち、「0」であるか否かを判別する(ステップS31)。ここで、自動投入カウンタの値が「0」とは、前遊技にてリプレイが非当籤であることを示している。このとき、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち「0」以外である場合には、メインCPU31は、続いて、自動投入処理を行い(ステップS32)、ステップS39に移る。
具体的には、メインCPU31は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。なお、自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタであり、投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。自動投入カウンタ及び投入枚数カウンタは、メインRAM33の所定の領域に格納される。
他方、自動投入枚数カウンタの値がない、すなわち「0」である場合には、メインCPU31は、メダル受付を許可し(ステップS33)、続いて、ステップS34の処理を行う。
ステップS34では、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する。本実施形態では、メインCPU31は、全ての遊技状態において、投入枚数の最大値を「3」とセットする。
続いて、メインCPU31は、メダル受付が許可されているか否かを判別する(ステップS35)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS36の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS39の処理を行う。
ステップS36では、メインCPU31は、メダル投入チェック処理を行う。この処理では、メインCPU31は、メダルセンサ42Sからの入力をチェックする。続いて、メインCPU31は、メダル投入コマンド送信処理を行う(ステップS37)。この処理では、メインCPU31は、メダル投入コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納されたメダル投入コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御基板72に送信される。
続いて、メインCPU31は、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判別する(ステップS38)。例えば、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が「2」または「3」であるか否かを判別する。本実施例では、遊技開始可能枚数として、2枚または3枚が設定されている。これは、メダルの投入枚数が2枚または3枚で、遊技を開始させることが可能であることを意味している。このとき、投入枚数カウンタの値が「2」または「3」である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS39の処理を行い、投入枚数カウンタの値が「2」または「3」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS35の処理を行う。
ステップS39では、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する。具体的には、メインCPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ6Sからの入力がある場合には、メインCPU31は、メダル受付を禁止し(ステップS40)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。他方、スタートスイッチ6Sからの入力がない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS35の処理を行う。
[内部抽籤処理]
図21を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、MB遊技中であるか判定する(ステップS41)。具体的には、メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンであるか否かを判定する。この結果、MB遊技状態フラグがオンである場合には、MB作動時掛け枚数格納領域に応じた内部抽籤テーブルをセットし(ステップS42)、ステップS44に移る。
また、メインCPU31は、MB遊技状態フラグがオンでない場合には、遊技状態と掛け枚数に応じた内部抽籤テーブルをセットし(ステップS43)、ステップS44に移る。続いて、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(ステップS44)。
次に、メインCPU31は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(ステップS45)。続いて、メインCPU31は、減算結果が「0」未満(負)であるか否かを判別する(ステップS46)。このとき、減算結果が負である場合には、メインCPU31は、当籤番号に対応する小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得し(ステップS50)、続いて、ステップS51の処理を行う。他方、減算結果が負でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS47の処理を行う。
ステップS47では、メインCPU31は、乱数値を更新するとともに当籤番号を更新する。具体的には、メインCPU31は、乱数値をステップS45で減算した後の値に更新するとともに、未だチェックしていない当籤番号に更新する。続いて、メインCPU31は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(ステップS48)。このとき、全ての当籤番号をチェックした場合には、メインCPU31は、データポインタに「0」をセットし(ステップS49)、ステップS51に移る。他方、全ての当籤番号をチェックしていない場合には、メインCPU31は、ステップS45に移る。
ステップS51では、メインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した当たり内部当籤役に対応する内部当籤役格納領域に格納する(ステップS52)。
続いて、メインCPU31は、持越役格納領域が「0」であるか判別する(ステップS53)。この結果、持越役格納領域が「0」である場合には、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS54)。
続いて、メインCPU31は、取得した当たり内部当籤役に対応する内部当籤役格納領域に格納し(ステップS55)、ステップS56に移る。他方、持越役格納領域が「0」でない場合には、メインCPU31は、ステップS56に移る。ステップS56では、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新し(ステップS56)、内部抽籤処理を終了する。
[リール停止初期設定処理]
図22を参照して、メインCPU31が内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納する処理の手順を示したリール停止初期設定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、回胴停止用番号選択テーブルを参照し、内部当籤役に基づいて回胴停止用番号を取得する(ステップS57)。なお、回胴停止用番号選択テーブルとは、データポインタに対応する回胴停止用番号に対応付けて、停止制御に用いる各種情報が規定されているテーブルである。続いて、メインCPU31は、リール停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(ステップS58)。例えば、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号等を取得する。
そして、メインCPU31は、図柄コード格納領域に回転中の識別子を格納する(ステップS59)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットをオンする。その後、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS60)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納される。
[引込優先順位格納処理]
図23を参照して、内部抽籤処理の結果に基づいて、回転中の各リールの図柄位置毎に、停止許可の場合には、その引込優先順位データを格納し、また、停止不許可の場合(すなわち、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、停止禁止を格納する処理の手順を示した引込優先順位格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数として格納する(ステップS61)。続いて、メインCPU31は、検索対象リール決定処理を行う(ステップS62)。この処理では、回転中のリール3L、3C、3Rのうちより左側のリールから順に検索対象リールと決定する。
次に、メインCPU31は、後で図24を参照して説明する引込優先順位テーブル選択処理を行う(ステップS63)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数に「21」、検索図柄位置に「0」をセットする(ステップS64)。次に、メインCPU31は、後で図25を参照して説明する図柄コード格納処理を行う(ステップS65)。
次に、メインCPU31は、ステップS65において取得された図柄コードと図柄コード格納領域とに基づいて、表示役格納領域を更新する(ステップS66)。続いて、メインCPU31は、引込優先順位データ取得処理を行う(ステップS67)。この処理では、メインCPU31は、表示役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役であって、内部当籤役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役について、ステップS63で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。
次に、メインCPU31は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(ステップS68)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数を「1」減算し、検索図柄位置を「1」加算する(ステップS69)。
次に、メインCPU31は、図柄チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS70)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、ステップS71の処理を行い、NOのときは、ステップS65の処理を行う。この処理では、図柄位置「0」〜「20」の全ての検索が行われたかを判別している。ステップS71では、メインCPU31は、検索回数分検索したか否か判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を終了し、NOのときは、ステップ62の処理を行う。この処理では、全リールについて検索が行われたかを判別している。
[引込優先順位テーブル選択処理]
図24を参照して、引込優先順位を選択するための引込優先順位テーブルを選択する引込優先順位テーブル選択処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号がセットされているか否か判別する(ステップS72)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップ73の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
ステップS73では、メインCPU31は、押下順序格納領域、作動ストップボタン格納領域を参照し、対応する引込優先順位テーブル番号をセットし(ステップS73)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
[図柄コード格納処理]
図25を参照して、セットした検索図柄位置に基づく図柄コードを取得する図柄コード格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効ラインデータをセットする(ステップS74)。本実施形態では、有効ラインが4ラインであるため、4ライン(「上段−上段−上段、中段−中段−中段、上段−中段−下段、下段−中段−上段)がセットされる。続いて、メインCPU31は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(ステップS75)、図柄コード格納処理を終了する。
[リール停止制御処理]
図26を参照して、メインCPU31が内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L、3C、3Rの回転を停止させる処理の手順を示したリール停止制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効なストップボタン7L、7C、7Rが押されたか否かを判別する(ステップS81)。このとき、有効なストップボタン7L、7C、7Rが押された場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS82の処理を行う。他方、有効なストップボタン7L、7C、7Rが押されていない場合には、メインCPU31は、再び、ステップS81の処理を行う。
ステップS82では、メインCPU31は、押下順序格納領域及び作動ストップボタン格納領域を更新する。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を「1」減算する(ステップS83)。続いて、メインCPU31は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(ステップS84)。
続いて、ステップS85において、メインCPU31は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する。次に、メインCPU31は、後に図27を参照して説明する滑り駒数決定処理を行う(ステップS86)。この処理では、メインCPU31は、停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する。
続いて、メインCPU31は、リール停止コマンド送信処理を行う(ステップS87)。この処理では、メインCPU31は、リール停止コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。リール停止コマンドは、作動ストップボタン等についての情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御基板72に送信される。これにより、副制御基板72は、停止操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数とに基づいて、検索対象リールの停止予定位置を決定し、格納する(ステップS88)。続いて、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットし(ステップS89)、図25で説明した図柄コード格納処理を行う(ステップS90)。そして、メインCPU31は、ステップS90において取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(ステップS91)。
続いて、メインCPU31は、特定の停止位置であった場合に、リール停止制御情報群を更新する制御変更処理行う(ステップS92)。次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」であるか否か判別する(ステップS93)。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」でない場合(第3停止時でない場合)には、メインCPU31は、図23で説明した引込優先順位格納処理を行い(ステップS94)、次に、ステップS81の処理を行う。
すなわち、パチスロ1では、次のリール3L、3C、3Rの回転を停止する処理が行われる前に、未だに回転しているリール3L、3C、3Rの各図柄位置について引込優先順位データを格納する処理が行われる。他方、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、メインCPU31は、第3停止時の停止制御が終了したと判別し、リール停止制御処理を終了する。また、ボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、そのままリール停止制御処理を終了する。
[滑り駒数決定処理]
図27を参照して、メインCPU31が停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する処理の手順を示した滑り駒数決定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ランダム用ラインマスク変更有効ビットがオンであるか否か判別する(ステップS95)。この判別がYESのときは、ステップS97に移行し、NOのときは、メインCPU31は、ステップS96の処理を行う。
ステップS96では、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じたラインマスクデータをセットする処理を行う。そして、メインCPU31は、第1停止時(ストップボタン未作動カウンタの値が2)であるか否かを判別する(ステップS97)。このとき、第1停止時である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS99の処理を行い、第1停止時でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS98の処理を行う。
ステップS98では、メインCPU31は、第2・第3停止処理を行い、ステップS100の処理を行う。ステップS99では、メインCPU31は、第1停止処理を行い、ステップS100の処理を行う。ステップ100では、後で図28を参照して説明する優先引込制御処理を行う(ステップS100)。
[優先引込制御処理]
図28を参照して、メインCPU31が滑り駒数を決定する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じた引込優先順位データ格納領域をセットする(ステップS101)。続いて、メインCPU31は、停止開始位置を取得する(ステップS102)。
次に、メインCPU31は、MB遊技中であるか判別する(ステップS103)。この結果、メインCPU31は、MB遊技中であると判別した場合には、ステップS106の処理を行い、MB遊技中でないと判別した場合には、S104の処理を行う。
ステップS104では、メインCPU31は、滑り駒数決定データに応じた優先順序テーブルをセットする。そして、メインCPU31は、優先順序の初期値及びチェック回数に5をセットし(ステップS105)、ステップS108の処理を行う。
ステップS106では、メインCPU31は、滑り駒数決定データに応じたMB遊技状態用優先順序テーブルをセットする。そして、メインCPU31は、優先順序の初期値に「5」をセットし、チェック回数に「2」をセットする(ステップS107)。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定データを、滑り駒数としてセットする(ステップS108)。続いて、メインCPU31は、停止開始位置及び優先順序に基づいて、停止検索位置を抽出する(ステップS109)。次に、メインCPU31は、停止検索位置の引込優先順位データを取得する(ステップS110)。
続いて、メインCPU31は、先に取得された引込優先順位データ以上であるか否かを判別する(ステップS111)。このとき、先に取得した優先引込順位データ以上である場合には、メインCPU31は、滑り駒数を更新し(ステップS112)、続いて、ステップS113の処理を行う。他方、先に取得した優先引込順位データ未満である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS113の処理を行う。
ステップS113では、メインCPU31は、優先順序及びチェック回数を「1」減算する。続いて、メインCPU31は、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS114)。このとき、チェック回数が「0」である場合には、メインCPU31は、更新された滑り駒数をセットし(ステップS115)、優先引込制御処理を終了する。他方、チェック回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS109の処理を行う。
[RT制御処理]
図29を参照して、RT制御処理について説明する。図29に示すように、メインCPU31は、BB1またはBB2が内部当籤しているか否か判別する(ステップS121)。この結果、メインCPU31は、BB1またはBB2が内部当籤している場合には、遊技状態をBB内部当籤役中に更新し(ステップS122)、RT制御処理を終了する。また、メインCPU31は、BB1またはBB2が内部当籤していない場合には、MB非当籤であって、且つ、表示役がスイカ(RT2移行図柄)であるか否か判別する(ステップS123)。
この結果、メインCPU31は、MB非当籤であって、且つ、表示役がスイカである場合には、遊技状態をRT2遊技状態に更新し(ステップS124)、RT制御処理を終了する。また、メインCPU31は、MB非当籤でない、又は、表示役がスイカでない場合には、BB1終了時フラグがオンであるか否か判別する(ステップS125)。この結果、メインCPU31は、BB1終了時フラグがオンである場合には、遊技状態をRT2に更新し(ステップS126)、RT制御処理を終了する。また、メインCPU31は、BB1終了時フラグがオンでない場合には、BB2終了時フラグがオンであるか否か判別する(ステップS127)。
この結果、メインCPU31は、BB2終了時フラグがオンである場合には、遊技状態をRT2に更新し(ステップS126)、RT制御処理を終了する。また、メインCPU31は、BB2終了時フラグがオンでない場合には、ベルのこぼし目が表示されたか否かを判別する(ステップS129)。この結果、ベルのこぼし目が表示された場合には、メインCPU31は、遊技状態をRT1に更新して(ステップS130)、RT制御処理を終了する。また、ベルのこぼし目が表示されなかった場合には、メインCPU31は、そのままRT制御処理を終了する。
[ボーナス終了チェック処理]
図30を参照して、メインCPU31がボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、BBまたはMB終了時フラグがオンならオフに更新し(ステップS141)、BB1またはBB2作動中であるか、すなわち、BB中RB遊技状態フラグがオンであるか否か判別する(ステップS142)。この結果、BB1またはBB2作動中である場合には、メインCPU31は、ステップS143の処理を行い、また、BB1またはBB2作動中でない場合には、ステップS146の処理を行う。
ステップS143では、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいか否かを判別する。この結果、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さくない場合には、ボーナス終了チェック処理を終了する。また、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さい場合には、BB中RB遊技状態フラグをオフにするBB終了処理を行い(ステップS144)、BB1またはBB2終了時フラグをオンにして(ステップS145)、ステップS150の処理を行う。
ステップS146では、メインCPU31は、MB作動中であるか、すなわち、MB遊技状態フラグがオンであるか否か判別する。この結果、メインCPU31は、MB作動中でない場合には、ボーナス終了チェック処理を終了する。また、メインCPU31は、MB作動中である場合には、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいか否かを判別する(ステップS147)。この結果、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さくない場合には、ボーナス終了チェック処理を終了する。
また、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さい場合には、MB遊技状態フラグをオフにするMB終了処理を行い(ステップS148)、MB終了時フラグをオンにする(ステップS149)。
そして、メインCPU31は、ボーナス終了時コマンドデータを副制御基板72に送信するボーナス終了時コマンド送信処理を行い(ステップS150)、ボーナス終了時の初期化処理を行って(ステップS151)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
[ボーナス作動チェック処理]
図31を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。初めに、メインCPU31は、MB図柄が表示されたか否か、すなわち、MBが入賞したか否かを判別する(ステップS161)。この結果、MB図柄が表示された場合には、掛け枚数が3枚であるか否かを判別し(ステップS162)、掛け枚数が3枚である場合には、MB作動時掛け枚数格納領域のビット1をオンにする(ステップS163)。また、掛け枚数が3枚でない場合、すなわち掛け枚数が2枚である場合には、MB作動時掛け枚数格納領域のビット0をオンにする(ステップS164)。つまり、メインCPU31は、MB作動時の掛け数をMB作動時掛け枚数格納領域に格納する。
そして、メインCPU31は、MB作動処理を行う(ステップS165)。MB作動処理では、MB遊技状態フラグをオンにするとともに、ボーナス終了枚数カウンタに120をセットする。
そして、メインCPU31は、持越役格納領域の値をクリアにし(ステップS166)、ボーナス開始コマンド送信処理を行って(ステップS167)、ボーナス作動チェック処理を終了する。また、ステップS161において、MB図柄が表示されなかった場合には、メインCPU31は、BB1またはBB2図柄が表示されたか否かを判別する(ステップS168)。この結果、BB1またはBB2図柄が表示された場合には、メインCPU31は、ステップS169の処理を行い、BB作動中でない場合には、ステップS172の処理を行う。
ステップS169では、メインCPU31は、BB中RB遊技状態フラグをオンにし、ボーナス終了枚数カウンタに300をセットするBB中RB作動処理を行う(ステップS169)。そして、メインCPU31は、持越役格納領域の値をクリアし(ステップS170)、副制御基板72にボーナス開始コマンドを送信するボーナス開始コマンド送信処理を行って(ステップS171)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
また、BB1またはBB2図柄が表示されていない場合には、リプレイが入賞したか否かを判別する(ステップS172)。この結果、リプレイが入賞した場合には、メインCPU31は、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(ステップS173)、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、リプレイが入賞しなかった場合には、メインCPU31は、そのままボーナス作動チェック処理を終了する。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1172msec)]
図32を参照して、メインCPU31が所定の時間(例えば、1.1172ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS201)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS202)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ14S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU31は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御基板72に送信される。これにより、スタートレバー6やストップボタン7L、7C、7Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU31は、タイマ更新処理を行う(ステップS203)。次に、メインCPU31は、コマンドデータ送信処理を行う(ステップS204)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御基板72へ送信する。続いて、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS205)。例えば、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS206)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(ステップS207)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[副制御基板のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
次に、図33〜図37を参照して、副制御回路72により実行されるプログラムの内容について説明する。
初めに、サブCPUは、初期化処理を行い(ステップS301)、ステップS302に移る。この処理では、サブCPUは、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(Vertical Synchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含んで構成される。
ステップS302では、演出制御タスクを起動し、ステップS303に移る。演出制御タスクについては、後に図34を参照して説明するが、サブCPUに対して2ms毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージをサブCPUが受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージをサブCPUが受け取ったことに応じて、サブCPUは、各種ランプの点灯状態を制御する処理や、スピーカ9L、9Rからの出音状態を制御する処理を行う。
ステップS303では、主基板通信タスクを起動し、処理を打ち切る。主基板通信タスクについては、後に図35を参照して説明するが、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置5で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置5から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
[演出制御タスク]
図34を参照して、演出制御タスクについて説明する。初めに、サブCPUは、制御用データが更新されたか判別する(ステップS311)。この結果、サブCPUは、制御用データが更新された場合には、制御用データ出力処理を行い(ステップS312)、ステップS311に移り、制御用データが更新されなかった場合には、そのままステップS311に戻る。
[主基板通信タスク]
図35を参照して、サブCPUにより行われる主基板通信タスクについて説明する。初めに、サブCPUは、通信メッセンジャーキューの初期化を行い(ステップS321)、ステップS322に移る。ステップS322では、コマンド受信のチェックを行い、ステップS323に移る。ステップS323では、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、ステップS324に移り、NOのときは、ステップS322に移る。
ステップS324では、受信したコマンドのパラメータから内部当籤役、遊技状態、設定値、RTゲーム数カウンタの値等の遊技情報を作成、格納し、ステップS325に移る。ステップS325では、後に図36を参照して説明するコマンド解析処理を行い、ステップS322に移る。
[コマンド解析処理]
図36を参照して、サブCPUにより行われるコマンド解析処理について説明する。初めに、サブCPUは、初期化コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS331)。初期化コマンド受信時である場合には、サブCPUは、初期化コマンド受信時処理を行い(ステップS332)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、設定値の情報を取得する。また、初期状態で滞在する演出ステージの種別等を決定する。
他方、初期化コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS333)。メダル投入コマンド受信時である場合には、サブCPUは、メダル投入コマンド受信時処理を行い(ステップS334)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタやクレジットカウンタの値の情報を取得する。
他方、メダル投入コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS335)。スタートコマンド受信時である場合には、サブCPUは、後で図44を参照して説明するスタートコマンド受信時処理を行い(ステップS336)、コマンド解析処理を終了する。
他方、スタートコマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS337)。リール回転開始コマンド受信時である場合には、サブCPUは、リール回転開始コマンド受信時処理を行い(ステップS338)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、リール3L、3C、3Rの回転に伴う演出を行う。
他方、リール回転開始コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS339)。リール停止コマンド受信時である場合には、サブCPUは、リール停止コマンド受信時処理を行い(ステップS340)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、停止操作に応じた演出を行う。
他方、リール停止コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS341)。表示コマンド受信時である場合には、サブCPUは、表示コマンド受信時処理を行い(ステップS342)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、表示役や払い出し枚数の情報を取得する。
他方、表示コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS343)。ボーナス開始コマンド受信時である場合には、サブCPUは、ボーナス開始コマンド受信時処理を行い(ステップS344)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、ボーナス開始時用の演出を行う。
他方、ボーナス開始コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS345)。ボーナス終了コマンド受信時である場合には、サブCPUは、ボーナス終了コマンド受信時処理を行い(ステップS346)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、ボーナス終了時用の演出を行う。
他方、ボーナス終了コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、続いて、入力状態コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS347)。入力状態コマンド受信時である場合には、サブCPUは、入力状態コマンド受信時処理を行い(ステップS348)、コマンド解析処理を終了する。なお、この処理では、例えば、遊技者に操作されたスタートレバー6やストップボタン7L,7C,7Rの種別を取得する。他方、入力状態コマンド受信時でない場合には、サブCPUは、コマンド解析処理を終了する。
[スタートコマンド受信時処理]
図37を参照して、サブCPUにより行われるスタートコマンド受信時処理について説明する。初めに、サブCPUは、遊技状態がMB遊技状態であるか否かを判別する(ステップS351)。遊技状態がMB遊技状態である場合には、サブCPUは、ステップS352の処理に移り、遊技状態がMBでない場合には、ステップS355の処理に移る。
ステップS352では、サブCPUは、当籤役がリプレイ(2)であるか判別する。この結果、当籤役がリプレイ(2)である場合には、サブCPUは、報知演出処理を行い(ステップS353)、ATフラグをオンにして(ステップS354)、スタートコマンド受信時処理を終了する。報知演出処理では、MB中にリプレイ(2)が当籤した場合、白ベルの入賞が許容されるため、サブCPUは、「白7を狙え!」等の演出を発生させる。他方、当籤役がリプレイ(2)でない場合には、サブCPUは、ステップS355の処理に移る。
ステップS355では、サブCPUは、当籤役がAT抽籤役であるか否か判別する。この結果、当籤役がAT抽籤役でない場合には、ステップS358の処理に移る。また、当籤役がAT抽籤役である場合には、サブCPUは、ATに当籤したか否かを判別する(ステップS356)。この結果、ATに当籤していないと判別した場合には、サブCPUは、ステップS358の処理に移る。また、ATに当籤したと判別した場合には、サブCPUは、ATフラグをオンにして(ステップS357)、スタートコマンド受信時処理を終了する。なお、ART中にさらにATが当籤した場合は、ATを上乗せするようにしてもよい。
ステップS358では、サブCPUは、残りAT回数が0以上であるか否か判別する。この結果、残りAT回数が0以上でない場合には、サブCPUは、スタートコマンド受信時処理を終了する。また、残りAT回数が0以上である場合には、サブCPUは、当籤役が押し順ベルであるか否か判別する(ステップS359)。この結果、当籤役が押し順ベルでない場合には、サブCPUは、スタートコマンド受信時処理を終了する。また、当籤役が押し順ベルである場合には、サブCPUは、正解の押し順を報知する押し順ナビ演出処理を行い(ステップS360)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
[実施例1の効果]
以上、説明したように、実施例1では、パチスロ1は、MB役に対応するMB図柄(赤7−赤7−BAR)が停止表示された際に投入された遊技媒体の枚数に対応する内部抽籤テーブルを参照して、MB遊技中におけるリプレイの抽籤を行う。このため、遊技者がMB図柄を揃える時のメダルの投入枚数を変えることで、遊技者にとって有利になるような状態を作りだすことができ、ボーナス遊技の遊技性を向上させることが可能である。
また、実施例1によれば、MB図柄は一種類であるが、MB図柄を有効ライン上に表示させる際の投入枚数に応じて、リプレイの当籤確率を変化させることができるので、MB図柄を複数種類用意することなく、MB遊技中のゲーム性を多様化させることができる結果、ボーナス遊技の遊技性を向上することが可能である。