JP2013121917A - 焼成用セッター - Google Patents

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Shimon Ishimaru
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Abstract

【課題】圧電セラミックス等の対象物の性能の低下を抑え、載置面の劣化も抑制できる焼成用セッターを提供する。
【解決手段】焼成用セッター1は、焼成処理が行われるセラミックス成形体で形成された対象物100が載置される載置面10をもつセラミックス焼成体で形成される。焼成用セッター1は、載置面10側に設けられた凸状の突出係合部2と、突出係合部2に対応して焼成用セッター1の裏面12側に設けられた凹状部3とを有する。一の焼成用セッター1の突出係合部2と、この焼成用セッター1の上方にある別の焼成用セッター1の凹状部3との係合により上下方向に複数積層可能に構成される。セラミックス焼成体はセリウム酸化物を基材とする。このセリウム酸化物は、載置面10に載置されている対象物との化学的反応性が少ない。
【選択図】図1

Description

本発明は、セラミックス系の電子材料部品等の対象物を載せて焼成する際に用いられる焼成用セッターに関する。
圧電セラミックスの焼成を例にとって、従来技術について説明する。PZT(PbZrTiO)等を原料とする圧電セラミックスは、次のように形成されている。即ち、原料粉末を成形して未焼成のセラミックス成形体からなる対象物を形成し、この未焼成の対象物を焼成用セッターの載置面に載置する。そして、対象物を載置した焼成用セッターを焼成炉に装入し、焼成温度(例えば800〜1400℃)で所定時間加熱保持して焼成する。これによって、圧電セラミックスは製造される。上記した焼成用セッターは、未焼成のセラミックス成形体からなる対象物を載せるための載置面を有する焼成セラミックス体で形成されている。
産業界では、上記した対象物である圧電セラミックスを焼成するにあたり、圧電セラミックスを焼成する焼成温度はかなり高温であるため、対象物である圧電セラミックスとセッターの載置面との間において拡散、反応が発生するおそれがある。この場合、対象物である圧電セラミックスの性能が低下するおそれがある。更に、セッターの載置面も劣化するおそれがある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、圧電セラミックス等の対象物の性能の低下を抑え、載置面の劣化も抑制できる焼成用セッターを提供することを目的とする。
本発明に係る焼成用セッターは、焼成処理が行われる未焼成または半焼成のセラミックス成形体で形成された対象物が載置される載置面をもつセラミックス焼成体で形成された焼成用セッターであって、前記載置面側に設けられた凸状の突出係合部と、前記突出係合部に対応して前記焼成用セッターの裏面側に設けられた凹状部とを有し、一の前記焼成用セッターの前記突出係合部と前記一の焼成用セッターの上方にある別の前記焼成用セッターの前記凹状部との係合により上下方向に複数積層可能に構成され、且つ前記セラミックス焼成体はセリウム酸化物を基材とすることを特徴とする。このセリウム酸化物は、載置面に載置されている対象物との化学的反応性が少ないものである。殊に、酸化雰囲気において、載置面に載置されている対象物との化学的反応性が少ない。
セリウム酸化物を基材とするため、圧電セラミックス等の対象物と焼成用セッターの載置面との反応性が少なくなる。更に、焼成用セッターの載置面における劣化も抑制できる。
また、一の焼成用セッターの凸状の突出係合部と、他の焼成用セッターの凹状部との係合により、載置面に対象物を載せた状態で複数個の焼成用セッターを上下方向に安定して重ねることができる。このように複数の焼成用セッターを上下に重ねて使用すれば、上側の焼成用セッターで下側の焼成用セッターの載置面上の空間が蓋をされた状態になり、対象物の蒸散を抑制できる。
実施例1に係るセッターを積層した状態の要部を示す断面図である。 セッターの平均結晶粒径の測定形態を示す説明図である。 実施例3に係るセッターを積層した状態の要部を示す断面図である。 実施例5に係るセッターの圧密体を成形する状態の要部を示す断面図である。 参考例1に係るセッターを積層した状態を示す断面図である。
セリウム酸化物は融点が1950℃以上であり、しかも化学的に安定であり、酸化雰囲気中においても極めて安定である。更に硬度は高い。セリウム酸化物はCeOであるが、Ceが含有されていても良い。ここで、セリウム酸化物を100モル%とするとき、CeOは90%以上、95%以上、98%以上とすることができる。セッター全体を100質量%とすると、モル比で、セリウム酸化物(CeO)は80〜100%とすることができる。モル比で、Al、Cr、Fe、CaO、MgO、Mn、La、Nd、SiO、B、ZrO、TiO、Yのうちの少なくとも1種を0.1〜30%含むことができる。この場合、上記した化合物は焼結助剤としての役割が期待され、セッターの焼結性が確保される。
セッター全体を100質量%とすると、モル比で、セリウム酸化物(CeO)は85〜98%、90〜95%とすることができる。この場合、セッターに要請される性質等に応じて、モル比で、Al、Cr、Fe、CaO、MgO、Mn、La、Nd、SiO、B、ZrO、TiO、Yのうちの少なくとも1種の上限値を25%、20%、15%、10%、5%、3%、2%含むことができる。
載置面における平均結晶粒径が微細であると、結晶粒界の発生頻度が高まり、結晶粒界が載置面に表出する表出面積および/または表出確率が増加する。結晶粒界は、セリウム酸化物以外の組成を有することが多いため、対象物との反応が促進され、結晶粒界の成分が対象物に拡散し、対象物の本来の性能を低下させるおそれがある。ここで、載置面における平均結晶粒径としては、10〜300マイクロメートルの範囲内とすることができる。20〜200マイクロメートルの範囲内、30〜100マイクロメートルの範囲内とすることができる。あるいは、50〜300マイクロメートル、50〜200マイクロメートルの範囲内、50〜100マイクロメートルの範囲内とすることができる。
ここで、載置面における平均結晶粒径の上限値としては、300マイクロメートル、200マイクロメートル、100マイクロメートル、50マイクロメートルが例示される。上記した上限値のいずれかと組み合わせ得る平均結晶粒径の下限値としては、10マイクロメートル、20マイクロメートル、30マイクロメートル、40マイクロメートル、50マイクロメートルが例示される。なお、平均結晶粒径は出発原料の組成、出発原料の結晶粒径、焼成温度等によって調整できる。
載置面に載置される対象物としては、酸化物系でも、窒化物系でも、炭化物系でも、ホウ化物系でも良い。対象物を焼成する時の雰囲気は適宜洗濯でき、酸化性雰囲気、非酸化性雰囲気、真空雰囲気が例示されるが、酸化性雰囲気が好ましい。
[参考例1]
以下、本発明の参考例1について図5を参照して説明する。焼成用セッター1は、焼成処理が行われるセラミックス成形体で形成された対象物100が載置される載置面10および載置面10に背向する裏面12をもつ平板形状をなすセラミックス焼成体を基材としており、厚みは1〜3ミリメトールの範囲内とされている。載置面10および裏面12は平坦な平面状をなし、互いに平行とされている。焼成用セッター1は、積層可能な突出係合部2を有する。突出係合部2を利用して、対象物100を載置面10に載せてセッター1を多段に積層させることができる。焼成用セッター1は、セリウム酸化物(CeO)を基材としており、セッター圧密成形体を焼成してセッター焼結体を形成するときにおける焼成温度は1400〜1600℃、殊に1450〜1550℃である。焼成用セッター1の全体を100質量%とすると、モル比で、セリウム酸化物(CeO)は99.90%以上とされている。載置面10および裏面12は、研磨された研磨面とされているが、研磨されていない自然面でも良い。
載置面10における平均結晶粒径が微細であると、結晶粒界が載置面10に表出する表出面積および/または表出確率が増加する。結晶粒界は、セリウム酸化物以外の組成を有することが多いため、対象物100との反応が促進され、結晶粒界の成分が対象物に拡散し、対象物100の本来の性能を低下させるおそれがある。そこで、載置面10における平均結晶粒径は、10〜300マイクロメートルの範囲内に設定されている。殊に、10〜200マイクロメートルの範囲内、30〜100マイクロメートルの範囲内に設定されている。ここで、載置面10における平均結晶粒径の上限値としては、焼成用セッター1の用途などによって相違するものの、300マイクロメートル、200マイクロメートルが例示され、100マイクロメートル、50マイクロメートルが例示される。上記した上限値と組み合わせ得る平均結晶粒径の下限値としては、10マイクロメートル、20マイクロメートル、30マイクロメートル、40マイクロメートル、50マイクロメートルが例示される。なお、平均結晶粒径は出発原料の結晶粒径、焼成温度等によって調整できる。
平均結晶粒径については、図2に示すように、電子顕微鏡写真(SEM)において一直線状をなす1本の対角線を規定して、対角線の長さをLマイクロメートルとし、その対角線を通る粒子の数をNとするとき、L/N=平均結晶粒径マイクロメートルとして求めた。
使用時には、焼成処理が行われる未焼成のセラミックス成形体(PZT等)で形成された対象物100を焼成用セッター1の載置面10に載せて状態で、大気雰囲気(酸化性雰囲気)中の焼成炉に装入し、対象物100を焼成させる。
(試験例)
試験例について説明を加える。先ず、質量比で、セリウム酸化物(CeO)の粉末を99.9質量部、分散剤(ポリカルボン酸系)を1質量部、有機系のバインダー(PVA)を1質量部、溶媒(蒸留水)20質量部を用意した。これらをボールミルにより所定時間(6時間)混練して混練物であるスラリーを形成した。この場合、粉砕用ボールをミル容量の1/3使用した。
次に、乾燥器としてスプレードライヤーを用い、スラリー供給速度を1リットル/時間とし、アトマイザーの回転数を10000rpm、加熱空気の入口温度150℃、加熱空気の出口温度90℃で造粒した。造粒されたサイズは平均で50マイクロメートルであった。次に、そのように造粒された粒子を金型のキャビティに投入して常温においてプレス(1tonf/cm)し、板状の圧密成形体(サイズ:130ミリメトール×130ミリメトール×2ミリメトール)を形成した。この場合、金型のキャビティの投影形状は120ミリメートル×120ミリメートルである。
次に、大気雰囲気において、圧密成形体を常温から500℃まで20℃/時間で昇温させた脱脂し、バインダを除去した。次に、大気雰囲気において、圧密成形体を500〜1500℃まで50℃/時間で昇温させた。その後、酸化雰囲気において圧密成形体を1500℃において2時間加熱保持して焼成し、焼成体を形成した。その後、焼成体を100℃/時間で常温附近まで冷却した。焼成用セッター1の載置面10における平均結晶粒径は、10〜50マイクロメートルの範囲内であった。
更に、比較例としては、従来より化学的安定性が高いとされているジルコニア(PSZ)を基材とする焼成用セッター1を形成した。参考例1に係る焼成用セッター1、比較例に係る焼成用セッター1について、高温領域における焼成用セッター1と対象物100との反応性を測定した。比較例では、ジルコニア(PSZ)の載置面10における平均結晶粒径は1マイクロメートルであった。そして、対象物100としてPZTを用い、大気雰囲気間焼成炉において対象物100を焼成用セッター1の載置面10に載置した状態で1000〜1200℃で5時間、対象物100(圧電セラミックス)を加熱して焼成させた。参考例1では、対象物100(圧電セラミックス)焼成回数が10回を超えたとしても、焼成用セッター1の載置面10の色変化は無かった。これに対して、比較例では、焼成回数が10回を超えると、焼成用セッター1の載置面10の色変化が認められた。これにより本参考例に係る焼成用セッター1は反応性が低いことがわかる。この場合、本参考例に係る焼成用セッター1はセリウム酸化物(CeO)を基材とするため、対象物100を高温領域において加熱して焼成させるときであっても、対象物100としての焼成用セッター1の載置面10との反応性が少なくなる。
以下、本発明の実施例1について図1を参照して説明する。本実施例は、参考例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。焼成用セッター1は、未焼成または半焼成のセラミックス成形体で形成された対象物100(例えばPZT成形体)が載置される平坦な載置面10と、載置面10に背向する平坦な裏面12とをもつ。焼成用セッター1は、対象物100を載置する載置面10をもつ焼結セラミックス体で形成された平板状をなしており、載置面10に設けられた凸状の突出係合部2(焼成用セッター1の積層方向における突出高さ:H1)と、焼成用セッター1の裏面12に設けられ他の焼成用セッター1の突出係合部22の先端部が嵌まって係合する凹状部3(深さ:M1)とを有する。突出係合部2及び凹状部3は、焼成用セッター1に複数個一体的に成形されており、互いに背向して背中合わせとなるように形成されている。突出係合部2は焼成用セッター1の長さ方向の縁部に複数個(少なくとも3個)形成されている。凹状部3も焼成用セッター1の長さ方向の縁部に複数個(少なくとも3個)形成されている。
図1に示すように、一の焼成用セッター1の凸状の突出係合部2と、他の焼成用セッター1の凹状部3との係合により、複数個の焼成用セッター1は、上下方向に積層できるようにされている。そしてPZT成形体等の対象物100を焼成用セッター1の載置面10に載せた状態で複数個の焼成用セッター1を上下方向に積層する。そして、焼成用セッター1上の対象物100を、大気雰囲気を有する焼成炉により高温領域に加熱して焼成処理する。上記したように複数の焼成用セッター1を上下に重ねて使用することにより、上側の焼成用セッター1で、下側の焼成用セッター1の載置面10上の空間200は、蓋をされた閉じた空間または閉じた空間に近くなるので、対象物100がPb等の蒸散しやすい元素を含むセラミックス成形体(例えば未焼成のPZT成形体)などであっても、その元素の蒸散量が抑えられる利点が期待される。即ち、載置面10上方の空間200が狭いので、対象物100を焼成する際に対象物100からの僅かの蒸散で、載置面10上方の空間200内は飽和蒸気圧に達し易く、それ以上の蒸散が抑制されるので、焼成後の対象物100(PZT)は組成変化が少なく、良好な圧電特性を示すのに有利となる。
本実施例では、突出係合部2の突出方向(つまり焼成用セッター1の積層方向)の先端部は、先端に向かうにつれて横断面積(つまり積層方向と直交する方向に沿った断面積)が小さくなるように設定されている。具体的には、突出係合部2は、先端(上端)に向かうにつれて幅狭となるように傾斜する外壁面20を有すると共に、外壁面20の先端に設けられ凸状の丸みを帯びる先端丸み部21を有する。外壁面20は、円錐形状または疑似円錐形状に沿った形状とされている。凹状部3は、焼成用セッター1において、突出係合部2の先端部に係合可能な底面視で円形状をなす凹状空間を有する平坦な凹底面3xを備えており、突出係合部2に背向して背中合わせとなるように形成されている。なお、突出係合部22の製造に際しては、突出係合部2となる部分を有するセッター本体となる圧密体を一体的に成形し、その後、焼成しても良い。あるいは、セッター本体となる圧密体と、突出係合部2となる圧密体とを予め個別に形成し、両者を一体的に加圧圧着し、その後、焼成しても良い。
また、突出係合部22の先端には先端丸み部21が形成されているため、突出係合部2の先端丸み部21と他の焼成用セッター1との接触面積を小さく抑えることができる。故に、対象物100を焼成する焼成処理の温度がかなり高温であり、仮に、突出係合部2と他の焼成用セッター1とが熱影響で結着するようなときであっても、焼成終了後に突出係合部2を他の焼成用セッター1から容易に分離させることができる。
なお、図1に示すように、凹状部の内径D1は突出係合部2の先端に形成されている先端丸み部21の外径D2よりもかなり大きいため、先端丸み部21を焼成用セッター1の載置面10の面方向(X1,X2方向を含む二次元方向)に沿って積極的に位置調整することができる。なお、本実施例によれば、突出係合部2及び凹状部3は互いに背向するように背中合わせで形成されているため、必要に応じて、焼成用セッター1を上下逆に反転させて積層させることもできる。
以下、本発明の実施例2について、図1を参照して説明する。本実施例は実施例1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。焼成用セッター1は、焼成処理が行われるセラミックス成形体で形成された対象物100が載置される載置面10及び裏面12をもつセラミックス焼成体を基材としている。セリウム酸化物(CeO)を基材とする。モル比で、Al、Cr、Fe、CaO、MgO、Mn、La、Nd、SiO、B、ZrO、TiO、Yのうちの少なくとも1種を0.1〜30%含む。焼結助剤として役割を期待できる。セッター圧密成形体を高温で焼成してセッター焼結体を形成するときにおける焼成温度は1450〜1550℃の範囲内である。焼成用セッター1の全体を100質量%とすると、モル比で、セリウム酸化物(CeO)は99.90%以上とされている。載置面10における平均結晶粒径は参考例1に準じることができる。
以下、本発明の実施例3について図3を参照して説明する。実施例3は、実施例1,2と基本的には同様の構成、作用効果を有する。焼成用セッター1は、平らなシート形状またはフィルム形状をなしており、可撓性を有しており、焼成処理が行われるセラミックス成形体で形成された対象物100が載置される載置面10及び裏面12をもつセラミックス焼成体を基材としている。セリウム酸化物(CeO)を基材とする。焼結助剤として、モル比で、Al、Cr、Fe、CaO、MgO、Mn、La、Nd、SiO、B、ZrO、TiO、Yのうちの少なくとも1種を0.1〜30%含む。
載置面10における平均結晶粒径は、参考例1に準じることができ、2〜30マイクロメートルの範囲内、殊に、6〜20マイクロメートルの範囲内とすることができる。焼成用セッター1の厚みt1は対象物100の厚みt2よりも薄く設定されている。但し、場合によっては、焼成用セッター1の厚みt1は対象物100の厚みt2よりも厚く設定されている。当然ながら、焼成用セッター1の厚みt1は平均結晶粒径よりも大きいものである。
700〜1700℃附近において焼成用セッター1の熱伝導度は、0.03cal/cm・sec・℃以下、殊に0.02cal/cm・sec・℃以下と低くされている。このように焼成用セッター1の熱伝導度が低い場合、焼成用セッター1の厚みが厚いと、焼成用セッター1の均熱化に時間を必要とし、昇温過程時に、焼成用セッター1の載置面10において温度ムラが発生するおそれがある。この場合、焼成用セッター1の載置面10に載せた対象物100を焼成するとき、対象物100の温度ムラが誘発され、対象物100の更なる高品質化には限界がある。
そこで、本実施例によれば、焼成用セッター1の厚みを10〜300マイクロメートルの範囲内、20〜200マイクロメートルの範囲内、殊に30〜150マイクロメートルの範囲内に薄く設定している。このような焼成用セッター1は、ドクタブレード法によりブレードの先端とスラリー搬送面との間の隙間を小さくさせることにより形成できる。このように焼成用セッター1の厚みが薄いため、材料コストを低減できる他に、対象物100を焼成用セッター1の載置面10に載せて対象物100を焼成させるとき、焼成用セッター1において温度ムラが抑制され易くなり、ひいては対象物100の温度ムラが抑制され易くなり、対象物100の更なる高品質化を図り得る。更に焼成用セッター1の厚みが極薄であるため、焼成用セッター1は高い可撓性を有する。このため対象物100の形状に馴染ませつつ、対象物100の表面と焼成用セッター1の載置面10とを密着させるのに効果的である。なお、焼成用セッター1の熱伝導度は、焼成用セッター1の組成、気孔サイズまたは気孔率等によって調整でき、700〜1700℃附近において焼成用セッター1の熱伝導度は0.005cal/cm・sec・℃以下と低くすることもできる。
以下、本発明の実施例4について図1〜図3を参照して説明する。本実施例は、実施例1,2,3と基本的には同様の構成、作用効果を有する。焼成用セッター1の平坦な載置面10に載せて焼成させる対象物100が酸化物系である。この場合、対象物100を焼成用セッター1の載置面10に載せて焼成させるとき、対象物100の表面と焼成用セッター1の載置面10とが密着していると、対象物100が焼成雰囲気中の空気に接触するのが制約され、対象物100において酸素不足となる部位が発生するおそれがある。この点、本実施例によれば、焼成用セッター1は、対象物100の焼成温度に相当する高温領域において酸素イオン伝導性が高いため、焼成用セッター1において酸素イオンの拡散が期待され、対象物100において酸素不足となる部位が低減される。このため、酸化物系である対象物100の焼成品質を高めることに貢献できる。
以下、本発明の実施例5について図4を参照して説明する。本実施例は、実施例1〜4と基本的には同様の構成、作用効果を有する。焼成用セッター1となる圧密成形体は、プレス型40による加圧成型される。プレス型40は、成形キャビティ41をもつ雌型42と、成形キャビティ41に装入される雄型43とを有する。市販の出発原料等のため、セリウム酸化物は緻密体になりにくい傾向がある。そこで、雌型42の成形キャビティ41の底面41a、雄型43のうち底面41aに対面する加圧面43aは、粗面化処理され、凹凸状の粗面とされている。圧密成形体を加圧成形させるとき、凹凸により空気の排出性が高くなり、圧密成形体の圧縮性および密度比を高めるのに有利であり、ひいては焼成用セッター1の緻密化を図り得、焼成用セッター1の強度を更に高めることもできる。このような凹凸の大きさを調整することにより、焼成用セッター1の気孔サイズおよび/または気孔率を調整し、焼成用セッター1の熱伝導率を調整することも期待できる。従って圧密成形体を焼成した焼成用セッター1において、載置面10および裏面12には多数の凹凸を有する凹凸部18が形成される。焼成用セッター1の凹凸部18の表面粗さは、焼成用セッター1の厚みにもよるが、Raで、10〜300マイクロメートル、20〜200マイクロメートル、20〜100マイクロメートルにできる。焼成用セッター1の厚みは、1〜10ミリメートル程度、2〜5ミリメートル程度にできる。
以下、実施例6について説明する。本実施例は、前記した各実施例と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を参照して説明する。セリウム酸化物は酸化雰囲気中では化学的に極めて安定しているものの、熱衝撃抵抗性は必ずしも充分ではない。また、セリウム酸化物(CeO)は500〜1900℃において比抵抗が低下し、電気伝導体となり易い。このため焼成用セッター1の一端部に一方の電極を設置すると共に、焼成用セッター1の他端部に他方の電極を設置した状態で、酸化性雰囲気において、電極間に通電して焼成用セッター1を発熱させることができる。このため、対象物100を載せた焼成用セッター1を焼成炉に装入して対象物100を焼成させるにあたり、焼成用セッター1自体を通電加熱で所定温度附近まで予熱できるため、焼成用セッター1における熱衝撃を緩和できる。ある程度の温度に予熱した焼成用セッター1の載置面10に対象物100を載せて、酸化性雰囲気をもつ焼成炉において焼成されることもできる。なお文献(焼結セラミックス詳論4,ファインセラミックス,548頁,技報堂出版,昭和51年1月25日第1刷)によれば、セリア加圧体の比抵抗は空気中において500℃で5×10Ω・cmとされ、1200℃で240Ω・cmとされている。
以下、実施例7について説明する。本実施例は、前記した各実施例と基本的には同様の構成、作用効果を有するため、図1〜図4を参照して説明する。本実施例の焼成用セッター1は、多数の細孔を有する多孔質体とされている。気孔率は適宜設定できるが、体積比で、1〜10%とされている。CeOを基材とする圧密成形体を1950℃附近において焼成して焼成用セッター1を形成するとき、CeO が部分解離してCeと遊離酸素となることがある。この場合、逃げた酸素が気孔の原因となることがある。この場合、焼成用セッター1に対象物100を載せて対象物100を焼成させるとき、対象物100等から排出されるガスの排出性を向上させることを期待できる。
(その他)本発明は、上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。例えば、700〜1700℃附近において、焼成用セッター1の熱伝導度を0.01cal/cm・sec・℃以下としてもよい。
図中、1は焼成用セッター、2は突出係合部、3は凹状部、10は載置面、12は裏面、100は対象物を示す。

Claims (4)

  1. 焼成処理が行われる未焼成または半焼成のセラミックス成形体で形成された対象物が載置される載置面をもつセラミックス焼成体で形成された焼成用セッターであって、
    前記載置面側に設けられた凸状の突出係合部と、前記突出係合部に対応して前記焼成用セッターの裏面側に設けられた凹状部とを有し、一の前記焼成用セッターの前記突出係合部と前記一の焼成用セッターの上方にある別の前記焼成用セッターの前記凹状部との係合により上下方向に複数積層可能に構成され、
    且つ前記セラミックス焼成体はセリウム酸化物を基材とすることを特徴とする焼成用セッター。
  2. 請求項1において、モル比で、Al、Cr、Fe、CaO、MgO、Mn、La、Nd、SiOのうちの少なくとも1種を0.1〜30%含むことを特徴とする焼成用セッター。
  3. 請求項1または2において、前記載置面における平均結晶粒径は、10〜300マイクロメートルの範囲内であることを特徴とする焼成用セッター。
  4. 請求項1〜3のうちの一項において、700〜1700℃附近において熱伝導度は0.03cal/cm・sec・℃以下とされていることを特徴とする焼成用セッター。
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