JP2013117392A - 測位システム、測位方法、及びプログラム - Google Patents

測位システム、測位方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】トータルステーションと比して簡易な装置を用いて、リアルタイムで移動体の位置及び向きを計測できる測位システムを提供する。
【解決手段】杭打ち機1の位置及び向きを計測する測位システム10では、杭打ち機1に設定された所定の基準点に対して既定の位置関係をもって、且つ互いに既定の位置関係をもって杭打ち機1に設置された複数のターゲット30Aと、各ターゲット30Aの表面を光で走査することにより各ターゲット30Aの表面上における複数の計測点の位置情報を取得するLRF20とが備えられ、LRF20により取得された各ターゲット30Aの表面上における複数の計測点の位置情報に基づいて、各ターゲット30Aの中心位置が推定され、推定された複数のターゲット30の中心位置と、前記既定の位置関係とに基づいて、杭打ち機1の位置及び向きが推定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動体の位置及び向きを計測する測位システム、測位方法、及びプログラムに関する。
杭の打設施工をリアルタイムで打設位置を計測しながら行うためのシステムとして、追尾機能を有するトータルステーションとGPSとを使用したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のシステムでは、洋上クレーンで吊られた杭に複数の反射体を設置し、洋上に浮かべた複数のトータルステーションで視準して杭の中心位置を算出し、トータルステーションの位置をGPSで計測してその計測結果に基づいて杭の中心位置を補正する。
また、レーザ光を走査することにより、被計測体上の複数の計測点までの距離を計測するレーザレンジファインダ(光走査式測距装置)が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008―14877号公報 特開2007−225434号公報
特許文献1に記載のシステムでは、トータルステーションの計測精度は杭の打設位置の要求精度に対して十分に高いものの、GPSの計測精度は十分ではないことから、杭の打設位置の要求精度を満足できない可能性がある。また、トータルステーションやGPSは高額であることから、高コストなシステムになる。
また、上述のレーザレンジファインダは、被計測体の表面の複数の計測点までの距離を計測したり、被計測体のプロファイルデータを取得したりといった用途はあるものの、円柱状の杭の中心軸等の被計測体の輪郭に対する特徴点の位置を計測するという用途では使用されていない。
本発明は、上記事情に鑑み、トータルステーションやGPSと比して簡易な計測装置を用いて、リアルタイムで移動体の位置及び向きを計測できる測位システム、測位方法、及びプログラムを提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明に係る測位システムは、移動体の位置及び向きを計測する測位システムであって、前記移動体に設定された所定の基準点に対して既定の位置関係をもって、且つ互いに既定の位置関係をもって前記移動体に設置された複数の被計測体と、各被計測体の表面を光で走査することにより各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報を取得する光走査式測距装置と、前記光走査式測距装置により取得された各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報に基づいて、各被計測体の輪郭に対して所定の位置関係にある所定点の位置を推定する第1測位部と、前記第1測位部により推定された前記複数の被計測体の前記所定点の位置と、前記複数の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記複数の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出し、前記基準点の位置に基づいて前記移動体の位置を推定し、前記回転方向の位置に基づいて前記移動体の向きを推定する第2測位部と、を備える。
前記測位システムにおいて、4個以上の前記被計測体が前記移動体に設置され、少なくとも1個の前記被計測体が必ず前記光走査式測距装置の死角領域に位置するように設置されてもよく、前記第2測位部は、前記第1測位部により推定された2個の前記被計測体の前記所定点の位置と、前記2個の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記2個の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出してもよい。
前記測位システムにおいて、3個以上の前記被計測体が前記移動体に設置され、全ての前記被計測体が常に前記光走査式測距装置の死角領域に位置することがないように設置されてもよく、前記第2測位部は、前記第1測位部により推定された3個の前記被計測体の前記所定点の位置と、前記3個の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記3個の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出してもよい。
前記測位システムにおいて、前記複数の被計測体は、相互の距離が全て異なるように前記移動体に設置されてもよい。
前記測位システムにおいて、前記被計測体は円柱体で、前記所定点は、前記円柱体の中心軸上の点であってもよく、前記第1測位部は、最小二乗法又は最尤法を用いて、前記複数の計測点の位置を近似した円の方程式を求め、求めた円の方程式に基づいて、前記中心軸上の点の位置を推定してもよい。
また、本発明に係る測位システムは、移動体の位置及び向きを計測する測位方法であって、複数の被計測体を、前記移動体に設定した所定の基準点に対して既定の位置関係を有し、且つ互いに既定の位置関係を有するように前記移動体に設置するステップと、光走査式測距装置により各被計測体の表面を光で走査することで各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報を取得するステップと、前記光走査式測距装置により取得した各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報に基づいて、各被計測体の輪郭に対して所定の位置関係にある所定点の位置を推定するステップと、推定された前記複数の被計測体の前記所定点の位置と、前記複数の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記複数の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出し、前記基準点の位置に基づいて前記移動体の位置を推定し、前記回転方向の位置に基づいて前記移動体の向きを推定するステップと、を備える。
また、本発明に係るプログラムは、移動体に設定された所定の基準点に対して既定の位置関係をもって、且つ互いに既定の位置関係をもって前記移動体に設置された複数の被計測体と、各被計測体の表面を光で走査することにより各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報を取得する光走査式測距装置とを備え、前記移動体の位置及び向きを計測する測位システムに含まれるコンピュータに実行させるプログラムであって、前記光走査式測距装置により取得された各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報に基づいて、各被計測体の輪郭に対して所定の位置関係にある所定点の位置を推定する手順と、推定された前記複数の被計測体の前記所定点の位置と、前記複数の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記複数の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出し、前記基準点の位置に基づいて前記移動体の位置を推定し、前記回転方向の位置に基づいて前記移動体の向きを推定する手順と、を前記コンピュータに実行させる。
本発明によれば、トータルステーションやGPSと比して簡易な計測装置を用いて、リアルタイムで移動体の位置及び向きを計測できる。
一実施形態に係る測位システムの構成を示す斜視図である。 測位システムの機能ブロック図である。 各ターゲットの中心位置を算出する処理を説明するためのフローチャートである。 (A)は、カルマンフィルタによるノイズ除去を行っていない場合における円周面の片側のプロファイルの検出結果を示すグラフである。(B)は、カルマンフィルタによるノイズ除去を行った場合における円周面の片側のプロファイルの検出結果を示すグラフである。 一定距離法の原理を示す図である。 最小二乗法と最尤法とを用いて、クラスタの全データから円周面の中心位置を推定する方法の原理を示す図である。 LRFにより取得されたデータから、ターゲットの中心位置を推定した結果を示すグラフである。 LRFによりレーザ光を10回走査して取得すると共にノイズ成分を除去したデータから、ターゲットの中心位置を推定した結果を示すグラフである。 杭打ち機の位置及び向きを計測する原理を説明するための図である。 杭打ち機の位置及び向きを計測する原理を説明するための図である。 杭打ち機の位置及び向きを計測する原理を説明するための図である。 杭打ち機の位置及び向きを計測する原理を説明するための図である。 杭打ち機の位置及び向きを計測する処理を説明するためのフローチャートである。 X−Y座標を極座標に変換する方法を説明するための図である。 他の実施形態に係る測位システムの構成を示す図である。 杭打ち機の位置及び向きを計測する処理を説明するためのフローチャートである。 (A)は、他の実施形態に係る測位システムを示す側面図であり、(B)は、(A)のB−B矢視図である。 レーザポインタを用いて、鉛直軸の位置の初期設定や校正を行っている状態を示す斜視図である。 (A)は、回転台が停止した状態でLRFがレーザ光を1回走査した場合におけるターゲットの円周面上の計測点を示す図である。また、(B)は、本実施形態に係る高精度計測を実施した場合におけるターゲットの円周面上の計測点を示す図である。 (A)は、回転台を停止させた状態でLRFにレーザ光を10回走査させることにより取得した円周面上の計測点のデータから、ターゲットの中心位置を推定した結果を示すグラフである。また、(B)は、回転台を回転させながらLRFにレーザ光を10回走査させることにより取得した円周面上の計測点のデータから、ターゲットの中心位置を推定した結果を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る測位システム10の構成を示す図である。この図に示すように、測位システム10は、杭打ち機1の位置及び向き(鉛直軸周りの回転方向の位置)を計測するためのシステムであり、レーザレンジファインダ(以下、LRFという)20と、杭打ち機1に設置された4個のターゲット30とを備えている。
LRF20は、レーザ距離計を鉛直軸20Aの周りに回転させることによりレーザ光を水平方向に走査して、上記鉛直軸20Aから被計測体の輪郭上の複数の計測点までの距離を計測する水平ラインスキャンタイプの1軸の光走査式測距装置である。ここで、レーザ光の走査とは、レーザ光の射出角度を順次変化させることにより、レーザ光で受光面を所定方向に順次なぞることである。LRF20は、所定角度(例えば、0.25°)回転される毎に光源からレーザ光を射出し、反射されたレーザ光を受光部が受光して、鉛直軸20Aから被計測体の輪郭上の計測点までの距離を計測する。
3個のターゲット30は、杭打ち機1の機体上に設置されている。この3個のターゲット30は、半径rの円柱体であり、水準器36が取り付けられた軸体34の一端部に支持されている。ターゲット30と軸体34とは、それぞれの中心軸30E、34Aが同一直線上で並ぶように配されている。水準器36は、軸体34の姿勢が鉛直か否かを確認するための機器である。また、残りの1個のターゲット30は、半径rの円柱体であり、杭と同軸状に配置されている。
また、ターゲット30の円周面30Fは、レーザ光の乱反射を抑制するべく低輝度仕上げされている。これにより、鉛直軸20Aから円周面30F上の計測点までの距離を計測する際のノイズを低減できる。また、円周面30Fの色は、レーザ光の反射率を考慮して、黒等の暗色ではなく、白等の明色である。
図2は、測位システム10の機能ブロック図である。この図に示すように、測位システム10は、LRF20に無線LANや通信ケーブル等により接続された計算処理用のコンピュータ12と、杭打ち機1の操縦室に設置され、杭打ち機1の位置及び向き並びに杭の打設位置Pが表示されるモニタ18とを備えている。このコンピュータ12は、計算処理用のプログラムを記憶した不揮発性メモリ等の記憶部14と、当該プログラムを揮発性メモリ等に読み出して計算処理を実行する情報処理部(CPU)40と、LRF20からの距離情報を入力する入力部(入力インターフェース)16とを備える。
情報処理部40は、各ターゲット30の中心位置を算出する第1測位部41と、複数のターゲット30の中心位置に基づいて杭打ち機1の位置及び向き(鉛直軸周りの回転方向の位置)を算出する第2測位部401と、杭打ち機1の位置及び向きを、モニタ18に表示させる表示制御部402を備えている。上記プログラムは、情報処理部40の各部の機能を実現させる。第1測位部41は、分別部42と、クラスタリング部44と、ノイズ除去部46と、推定部48と、判定部49とを備える。
図3は、各ターゲット30の中心位置を算出する処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示すように、入力部16が、LRF20から距離情報を取得すると(ステップ1)、分別部42が、LRF20から距離情報が送信された計測点のうち、前景領域としての円周面30F上の計測点と、背景領域としての円周面30Fの周辺領域における計測点とを背景差分法により分別する(ステップ2)。
また、クラスタリング部44は、分別部42により前景領域に属すると判断された計測点に対して、最短距離法を用いてユーグリッド距離に基づいたクラスタリングを行う(ステップ3)。
また、ノイズ除去部46は、カルマンフィルタを用いて、クラスタリング部44によりクラスタリングされた多数の計測点のデータに含まれるノイズ成分を除去する(ステップ4)。なお、当該ノイズ成分の除去方法の詳細については後述する。
また、推定部48は、一定距離法や最小二条法や最尤法等の推定手法を用いて、クラスタリング部44によりクラスタリングされノイズ除去部46によりノイズ成分を除去された多数の計測点から、ターゲット30の中心位置を推定する(ステップ5)。なお、推定部48による中心位置の推定は、予め入力されたターゲット30の円周面30Fのプロファイルデータに基づいて最小二乗法等の推定手法を用いて行われるものであり、ニュートン法による繰り返し計算によって収束値を得るものである。なお、推定部48による中心位置の推定については、詳細に後述する。
また、判定部49は、推定部48がニュートン法による繰り返し計算によって算出した値が、収束値未満になっているか否かを判定し、収束値未満であれば中心点を確定し、収束値以上であれば再度計算を繰り返す(ステップ6、7)。
図4(A)は、カルマンフィルタによるノイズ除去を行っていない場合における円周面30Fの片側のプロファイルの検出結果を示すグラフである。また、図4(B)は、カルマンフィルタによるノイズ除去を行った場合における円周面30Fのプロファイルの片側の検出結果を示すグラフである。
ここで、円周面30Fの片側の円弧部の両端で反射された鏡面成分の光は、LRF20まで戻らず、当該円弧部の両端で反射された乱反射成分の光のみが、LRF20に戻る。このため、LRF20が検出する反射光の信号雑音比(S/N比)が高くなる。従って、カルマンフィルタによるノイズ除去を行っていない場合には、円周面30F上の多数の計測点までの距離の検出精度が悪化し、図4(A)に示すように、円周面30Fの円弧部の両端の形状が崩れる。
そこで、反射光強度フィルタをカルマンフィルタとして用い、反射光強度が所定値より低いデータをノイズ成分として除去した。これにより、円周面30F上の多数の計測点までの距離の計測精度を向上でき、図4(B)に示すように、円周面30Fの円弧部の両端の形状の崩れを抑制でき、より正確な円周面30Fのプロファイルデータを得ることができる。
次に、推定部48によるターゲット30の中心位置の推定方法の詳細について説明する。
まず、一定距離法について説明する。図5は、一定距離法の原理を示す図である。このグラフに示すように、一定距離法では、クラスタリング部44によりクラスタリングされた多数の計測点(図中黒丸で示す)の中心(クラスタ中心)の位置(xcl,ycl)を求める。そして、鉛直軸20Aとクラスタ中心とを結ぶ直線Lに沿ってクラスタ中心から鉛直軸20Aの反対側へ距離dだけずらした位置を、円周面30Fの中心点(xobj,yobj)とみなす。
ここで、LRF20の計測精度を理由として、LRF20の計測データに基づいて導出されるクラスタ中心点(xcl,ycl)は、円周面30Fの中心と一致しない。そこで、円周面30Fの半径rに基づいて上述のパラメータdを定め、鉛直軸20Aとクラスタ中心とを結ぶ直線Lに沿ってクラスタ中心から鉛直軸20Aの反対側へ距離dだけずらした位置を、円周面30Fの中心点(xobj,yobj)とみなしている。
円周面30Fの中心点(xobj,yobj)は、下記(式1)で表される。なお、βは、鉛直軸20Aとクラスタ中心とを結ぶ直線LとX軸(但しx≧0)との角度である。
ここで、一定距離法は、既知である被計測体の輪郭のプロファイルに応じてパラメータdを設定して被計測体の輪郭に対して所定の位置関係にある所定点(以下、特徴点と称する)を推定するという手法であり、様々な形状の被計測物の特徴点を推定できるという利便性を有する。しかし、一定距離法は、クラスタ中心のデータとパラメータdとに基づき、被計測体の特徴点のおおよその位置を推定するという手法である。このため、一定距離法は、推定の精度の面では、クラスタの全てのデータを利用して被計測体の特徴点を推定する、最小二乗法や最尤法等の手法と比して劣る。
そこで、図6に示すように、最小二乗法と最尤法とを用いて、クラスタの全データ(x,y),α=1,…,Nから円周面30Fの中心位置を推定する。ここで、円周面30Fの計測領域である円弧部のプロファイルを数式化すると、下記(式2)で表される円の方程式になる。このため、クラスタの全データ(x,y),α=1,…,Nから円の方程式のパラメータ(a,b,r)を推定する。なお、a,bは、それぞれターゲット30の中心点の2次元平面におけるX座標、Y座標であり、rは、ターゲット30の半径である。
まず、最小二乗法について説明する。
円の最小二乗法は、下記(式3)で表される誤差の二乗和JLSを最小化するパラメータa,b,rを推定する手法である。
ここで、本実施形態では、ターゲット30の半径rが既知であるため、推定するパラメータはa,bの2つとなり、上記(式3)は下記(式4)で表される非線形方程式となる。
そこで、非線形方程式の反復解法としてニュートン・ラフソン法を用いて、パラメータa、bを推定する。その際、ニュートン・ラフソン法の初期値uの設定が重要となるが、本実施形態では、上記(式1)で表される一定距離法の推定値(xobj,yobj)をニュートン・ラフソン法の初期値uに設定する。
ニュートン・ラフソン法の手順として、まず、初期値uを代入した関数JLS(u)を2次近似した下に凸の曲面の最小値を与える点u=(a,b)を求める。次のステップでは、この点uを代入した関数JLS(u)を2次近似した曲面の最小値uを求める。そして、最終的にこれをuiが収束するまで繰り返す。uiが収束すれば、そのuiがJLS(u)の最小値を与える点である。
i=(ai,bi)を代入した関数JLS(ai,bi)を2次近似した下に凸の曲面の最小値ui+1=(ai+1,bi+1)は下記(式5)で表される。
ここで上記(式5)の右辺の1次微分を含む勾配gLS,iは、下記(式6)(式7)で表される。
また、上記(式5)の右辺の2次微分を含むヘッセ行列HLS,iは、下記(式8)(式9)(式10)で表される。
即ち、ニュートン・ラフソン法を用いた半径rが既知の円の最小二乗法の手順では、最初のステップにおいて、初期値u=(a,b)を上記(式5)〜(式10)に代入し、ヘッセ行列の初期値HLS,0と勾配の初期値gLS,0とを算出し、関数JLS(u)を2次近似した下に凸の曲面の最小値を与える点u=(a,b)を算出する。そして、次のステップでは、u=(a,b)を上記(式5)〜(式10)に代入し、ヘッセ行列HLS,1と勾配gLS,1とを算出し、関数JLS(u)を2次近似した下に凸の曲面の最小値を与える点u=(a,b)を算出する。そして、このステップを、最終的にuiが収束するまで繰り返す。
次に、最尤法について説明する。
円の最尤法は、下記(式11)で表されるJMLを最小化するパラメータa,b,rを推定する手法である。
ここで、本実施形態では、ターゲット30の半径rが既知であるため、推定するパラメータはa,bの2つとなり、上記(式11)は下記(式12)で表される非線形方程式となる。
そこで、最小二乗法の場合と同様、非線形方程式の反復解法としてニュートン・ラフソン法を用いて、パラメータa、bを推定する。その際、上記(式1)で表される一定距離法の推定値(xobj,yobj)をニュートン・ラフソン法の初期値uに設定する。
ニュートン・ラフソン法の手順として、まず、初期値uを代入した関数JML(u)を2次近似した下の凸の曲面の最小値を与える点u=(a,b)を求める。次のステップでは、この点uを代入した関数JML(u)を2次近似した曲面の最小値uを求める。そして、最終的にこれをuiが収束するまで繰り返す。uiが収束すれば、そのuiがJLS(u)の最小値を与える点である。
ここで、上記(式12)は、分子が2乗和であり、分母も(xα−a)+(yα−b)であるため、下に凸の関数である。従って、ui=(ai,bi)を代入した関数JML(ai,bi)を2次近似した曲面の最小値ui+1=(ai+1,bi+1)は下記(式13)で表される。
ここで上記(式13)の勾配gML,iは、下記(式14)(式15)で表される。
但し、A(ai,bi)は下記(式16)で表される。
また、上記(式13)のヘッセ行列HML,iは、下記(式17)(式18)(式19)で表される。
即ち、ニュートン・ラフソン法を用いた半径rが既知の円の最尤法の手順では、最初のステップにおいて、初期値u=(a,b)を上記(式13)〜(式19)に代入し、ヘッセ行列の初期値HLS,0と勾配の初期値gLS,0とを算出し、関数JLS(u)を2次近似した下に凸の曲面の最小値を与える点u=(a,b)を算出する。そして、次のステップでは、u=(a,b)を上記(式13)〜(式19)に代入し、ヘッセ行列HML,1と勾配gML,1とを算出し、関数JLS(u)を2次近似した下に凸の曲面の最小値を与える点u=(a,b)を算出する。そして、このステップを、最終的にuiが収束するまで繰り返す。
図7は、上述の3つの解析方法を用いて、LRF20により取得されたデータから、ターゲット30の中心位置を推定した結果を示すグラフである。このグラフにおいて、一定距離法を用いた推定結果は実線で示し、最小二乗法を用いた推定結果は破線で示し、最尤法を用いた推定結果は鎖線で示している。また、横軸は鉛直軸20Aからターゲット30の中心軸30Eまでの距離(mm)であり、縦軸は推定された中心位置の誤差(mm)である。
本実験では、屋外でLRF20を用いて半径r=250mmのターゲット30の円周面30Fに対してレーザ光を1回走査することにより、円周面30F上の計測点のデータ(x,y),α=1,…,Nを取得し、取得した全データからターゲット30の中心位置を推定した。また、本実験では、赤外光に対しても反射率が高い白色の画用紙を円周面30Fに貼り付けた。また、本実験では、ノイズ除去部46のカルマンフィルタをOFFにしており、多数の計測点のデータは、反射光強度が所定値より小さいノイズ成分を含んでいる。
図7のグラフに示すように、最小二乗法と最尤法とを用いてターゲット30の中心位置を推定した結果が、一定距離法を用いてターゲット30の中心位置を推定した結果と比して良好であった。また、ターゲット30の中心位置が鉛直軸20Aから30m先に位置する場合において、最小二乗法による推定値の誤差が約3.5cm、最尤法による推定値の誤差が約2.5cmであった。
ここで、本実施形態では、ターゲット30の半径rが既知であることから、最小二乗法と最尤法とを用いて推定するパラメータは、a、bの2つに減っている。これにより、ターゲット30の中心位置を推定する精度が向上されている。
図8は、上述の実験とは異なる条件で行った実験の結果を示すグラフである。本実験において上述の実験と異なる点は、LRF20によりターゲット30の円周面30Fに対してレーザ光を10回走査した点と、ノイズ除去部46のカルマンフィルタをONにして多数の計測点のデータから反射光強度が所定値より小さいノイズ成分を除去した点とである。
図8のグラフに示すように、最小二乗法と最尤法とを用いてターゲット30の中心位置を推定した値は、鉛直軸20Aから計測点までの距離と比例関係にあり、図7のグラフに示す推定値と比して安定していることがわかる。
これは、レーザ光を1回のみ走査して取得されたデータからターゲット30の中心位置を推定した場合には、推定結果に及ぶノイズの影響が大きくなるのに対し、レーザ光を複数回走査して取得されたデータからターゲット30の中心位置を推定した場合には、ノイズに対してロバストな推定が可能であるためと考えられる。また、反射強度フィルタとしてのカルマンフィルタを用いたことにより、図4(B)に示すように、円周面30Fの円弧部の両端の形状の崩れを抑制でき、より正確な円周面30Fのプロファイルデータを得ることができるためと考えられる。
以上説明したように、本実施形態に係る測位システム10によれば、トータルステーションと比して低価であるLRF20を用いてターゲット30の中心位置を計測できる。また、本実施形態に係る測位システム10によれば、LRF20のレーザ光の走査範囲内に存するターゲット30であればその中心位置を計測できる。これにより、リアルタイムでターゲット30の中心位置を計測することができ、また、移動するターゲット30の中心位置を計測することもでき、さらには、LRF20によるレーザ光の一連の走査中に、複数のターゲット30の中心位置を計測することもできる。
図9〜図12は、杭打ち機1の位置及び向きを計測する原理を説明するための図である。これらの図に示すように、4個のターゲット30A〜30Dを杭打ち機1の所定位置に設置する。ターゲット30Aは、杭打ち機1の前方に杭と同軸状に設置し、ターゲット30Bは、杭打ち機1の左側部に設置する。また、ターゲット30Cは、杭打ち機1の右側部に設置し、ターゲット30Dは、杭打ち機1の右後部に設置する。
ここで、4個のターゲット30A〜30Dは、予め相対的な位置関係を決めて設置されている。即ち、所定の基準点O(本実施形態では、平面視にて略矩形状の杭打ち機1の機体の4角の点とターゲット30Aの中心点とからなる五角形の図心)を原点とする各ターゲット30A〜30Dの位置座標と、ターゲット30A〜30Dの相互間の距離とを予め設定している。そして、これらのデータが、コンピュータ12の記憶部14(図2参照)に記憶されており、第2測位部401はこれらのデータに基づいて処理を行う。
また、ターゲット30A〜30Dは、杭打ち機1の全高よりも低い高さに設置されており、ターゲット30A〜30Dの何れか1個は、LRF20のレーザ光Lが杭打ち機1で遮られて位置を検出できない死角領域に位置する。例えば、図中実線で示すように、杭打ち機1の前部がLRF20と対向してターゲット30Aを真ん中に置いてその両側にターゲット30B,30Dが位置する状態では、ターゲット30Cが死角領域に位置する。また、図中鎖線で示すように、杭打ち機1の右側部がLRF20と対向してターゲット30Dを真ん中に置いてその両側にターゲット30A,30Dが位置する状態では、ターゲット30Bが死角領域に位置する。
杭打ち機1の位置及び向きを計測する際には、LRF20のレーザ光Lを図中反時計周り方向に走査させる。このため、杭打ち機1が図9に示す状態にあるときは、ターゲット30B,30A,30Dの中心位置が、30B→30A→30Dの順序で検出される。また、杭打ち機1が図10に示す状態にあるときは、ターゲット30A,30D,30Cの中心位置が、30A→30D→30Cの順序で検出される。
また、ターゲット30A〜30Dの相互間の距離LAB,LAC,LAD,LBC,LBD,LCDは、相互に異なる大きさに設定されている。これにより、ターゲット30A〜30Dの中心点の位置座標からターゲット30A〜30Dの相互間の距離LAB,LAC,LAD,LBC,LBD,LCDを算出すれば、その距離に対応する2個のターゲット30を判別することができる。
ここで、2個のターゲット30のLRF20を中心とした反時計回り方向の位置が入れ替わる場合、何れか一方のターゲット30は、LRF20の死角領域に位置する。例えば、図9に示すように、LRF20を中心とした反時計回り方向にターゲット30B、ターゲット30Aの順序で並んでいたものが、図10に示すようにその順序が逆になった場合には、ターゲット30BがLRF20の死角領域に位置する。即ち、LRF20で検出される2個のターゲット30のLRF20を中心とした反時計回り方向の位置関係は決まっている。このため、当該位置関係に基づいて、LRF20で検出された2個のターゲット30を判別することができる。
なお、距離LAB,LAC,LAD,LBC,LBD,LCDの測定値には誤差が生じるところ、この誤差により距離LAB,LAC,LAD,LBC,LBD,LCDの相対的な大小関係が変わることがないように、この誤差よりも距離LAB,LAC,LAD,LBC,LBD,LCDの各々の差が大きくなるように、これらの各距離を設定している。
また、図11に示すように、杭打ち機1の位置及び向きを計測する際には、計測領域に設定された座標系(原点O(0,0))における基準点Oの位置座標(XP1,YP1)を計測し、基準点O(XP1,YP1)を原点とする極座標系におけるターゲット30Aの中心点A(XA1,YA1)の角度(以下、偏角という)θを計測する。ここで、偏角θは、基準点Oとターゲット30Aの中心点Aとを結ぶ直線のX軸に対する角度である。
ここで、図12に示すように、2個のターゲット30がLRF20に対して前後に重なる場合があるが、その場合には、LRF20は、重なった2個のターゲット30のうちの前方のものと、その左側のターゲット30とを検出する。
図13は、杭打ち機1の位置及び向きを計測する処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示すように、まず、LRF20でレーザ光を走査し、ターゲット30A〜30Dの何れか2個の中心点の位置座標を検出する(ステップ11)。この際、第1測位部41は、レーザ光を反時計回り方向に走査するLRF20により1、2番目に検出されたターゲット30の中心点の位置座標を算出する。例えば、図9に示す状態では、ターゲット30B,30Aの中心点の位置座標が算出され、図10に示す状態では、ターゲット30A,30Dの中心点の位置座標が算出される。
次に、第2測位部401が、第1測位部41により算出された2個のターゲット30の中心点間距離を算出し(ステップ12)、記憶部14に記憶されている既知のデータLAB,LAC,LAD,LBC,LBD,LCDと比較して、対応する2個のターゲット30を判別する(ステップ13)。例えば、図9に示す状態では、既知のデータとしてLABが抽出され、ターゲット30B,30Aが判別される。また、図10に示す状態では、既知のデータとしてLADが抽出され、ターゲット30A,30Dが判別される。
ここで、上述したように、LRF20で検出された2個のターゲット30のLRF20を中心とした反時計回り方向の位置関係は決まっており、この位置関係が記憶部14に記憶されている。そして、第2測位部401は、記憶部14に記憶されているターゲット30A〜30Dの位置関係の情報に基づいて、LRF20で検出された2個のターゲット30を判別する。
次に、第2測位部401は、2個のターゲット30の中心点の位置から基準点Oの位置座標(XP1,YP1)を算出する(ステップ14)。ここで、各ターゲット30と基準点Oとの位置関係は予め決められてその情報が記憶部14に記憶されており、第2測位部401は、各ターゲット30と基準点Oとの位置関係の情報に基づいて、基準点Oの位置座標(XP1,YP1)を算出する。
次に、図14に示すように、第2測位部401は、原点をO(0,0)とするX−Y座標を、基準点Oが原点O(0,0)に一致する極座標に変換する(ステップ15)。そして、第2測位部401は、2個のターゲット30の中心点の位置からターゲット30Aの中心点Aの位置座標(XA1−XP1,YA1−YP1 )を算出し、下記式20に基づいて、ターゲット30Aの中心点Aの偏角θを算出する(ステップ16)。
ここで、第2測位部401は、ターゲット30Aの中心点Aが上記極座標の第2〜4象限に位置する場合には、上記式20のθをそれぞれ、−θ、π−θ、π+θに変換して偏角θを算出する。なお、第2測位部401は、XA1−XP1≧0,YA1−YP1>0の場合に中心点Aが第1象限に位置すると判定し、XA1−XP1<0,YA1−YP1≧0の場合に中心点Aが第2象限に位置すると判定する。また、第2測位部401は、XA1−XP1≦0,YA1−YP1<0の場合に中心点Aが第3象限に位置すると判定し、XA1−XP1>0,YA1−YP1≦0の場合に中心点Aが第4象限に位置すると判定する。
次に、表示制御部402が、第2測位部401により算出された基準点Oの位置座標及びターゲット30Aの偏角θに基づいて、杭打ち機1の位置及び向きをモニタ18に表示させる(ステップ17)。ここで、杭の打設位置Pの情報が予め、コンピュータ12の記憶部14(図2参照)に記憶されており、表示制御部402は、杭打ち機1の位置及び向きと共に杭の打設位置Pをモニタ18に表示させる(図2参照)。なお、杭打ち機1が打設位置Pに近づいたことを音や音声で知らせるようにしてもよい。例えば、杭打ち機1が打設位置Pに近づくほど音の周波数が上がったり、距離を音声で知らせたりしてもよい。
以上のステップ11〜17が繰り返し実行されることにより、モニタ18に表示された杭打ち機1の位置及び向きがリアルタイムで更新されることで、杭打ち機1のオペレータは、リアルタイムで杭打ち機1の位置や向きを確認しながら、杭を所定の打設位置まで移動させることができる。
図15は、他の実施形態に係る測位システム100の構成を示す図である。この測位システム100は、LRF20と、杭打ち機1に設置された4個のターゲット30とを備えている。ここで、LRF20及び4個のターゲット30は、杭打ち機1の全高よりも高い位置に設置されており、4個のターゲット30がLRF20の死角領域に位置することはない。
ここで、本実施形態では2個のターゲット30のLRF20を中心とした反時計回り方向の位置関係が入れ替わる場合があり、この場合、4個のターゲット30のうちの特定の2個のターゲット30を検出したことは判別できるものの、その2個のターゲット30の各々が何れのターゲット30であるのかは判別できない。例えば、図9に示す状態と図10に示す状態とでは、ターゲット30A,30Bの上記位置関係が入れ替わるため、検出した2個のターゲットがターゲット30A,30Bであることは判別できるものの、そのうちのどちらがターゲット30Aであるのかは判別できない。
そのため、3個のターゲット30については位置関係が決まっていることから、3個のターゲット30の中心点の位置を検出して当該3個のターゲット30の中心点間距離を算出し、3個のターゲット30の中心点間距離から3個のターゲット30を判別する。
図16は、本実施形態における杭打ち機1の位置及び向きを計測する処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートに示すように、まず、LRF20でレーザ光を走査し、第1測位部41にターゲット30A〜30Dの何れか3個の中心位置を算出させる(ステップ101)。ここで、第1測位部41は、レーザ光を反時計回り方向に走査するLRF20により1〜3番目に検出されたターゲット30の中心位置を算出する。例えば、図9に示す状態では、ターゲット30B,30A,30Cの中心位置が算出され、図10に示す状態では、ターゲット30A,30D,30Bの中心位置が算出される。
次に、第2測位部401が、第1測位部41により算出された3個のターゲット30の中心点間距離を算出し(ステップ102)、記憶部14に記憶されている既知のデータLAB,LAC,LAD,LBC,LBD,LCDと比較して、対応する3個のターゲット30を判別する(ステップ103)。例えば、図9に示す状態では、既知のデータとしてLAB,LBC,LACが抽出され、ターゲット30B,30A,30Cが判別される。また、図10に示す状態では、既知のデータとしてLAD,LAB,LBDが抽出され、ターゲット30A,30D,30Bが判別される。
次に、第2測位部401は、3個のターゲット30の中心点の位置から基準点Oの位置座標(XP1,YP1)を算出する(ステップ104)。ここで、各ターゲット30と基準点Oとの位置関係は予め決められてその情報が記憶部14に記憶されており、第2測位部401は、各ターゲット30と基準点Oとの位置関係の情報に基づいて、基準点Oの位置座標(XP1,YP1)を算出する。
次に、図14に示すように、第2測位部401は、基準点Oが原点O(0,0)に一致する極座標に変換する(ステップ105)。そして、第2測位部401は、3個のターゲット30の中心点の位置からターゲット30Aの中心点Aの位置座標(XA1−XP1,YA1−YP1 )を算出し、上記式20に基づいて、ターゲット30Aの中心点Aの偏角θを算出する(ステップ106)。なお、上記実施形態と同様、第2測位部401は、中心点Aが位置する象限に応じてθを変換する。
次に、表示制御部402が、第2測位部401により算出された基準点Oの位置座標及びターゲット30Aの偏角θに基づいて、杭打ち機1の位置及び向きをモニタ18に表示させる(ステップ107)。
以上のステップ101〜107が繰り返し実行されることにより、モニタ18に表示された杭打ち機1の位置及び向きがリアルタイムで更新されることで、杭打ち機1のオペレータは、リアルタイムで杭打ち機1の位置や向きを確認しながら、杭を所定の打設位置まで移動させることができる。
図17(A)は、他の実施形態に係る測位システム100を示す側面図であり、図17(B)は、図17(A)のB−B矢視図である。これらの図に示すように、測位システム100は、LRF20と、LRF20を鉛直軸20Aの周りに回転自在に支持し、回転駆動する回転台50と、回転台50を鉛直軸20Aの周りに及び水平軸の周りに回転自在に支持する調整台60と、調整台60を支持する三脚70と、三脚70に支持された日除けカバー72と、LRF20の上部に取り付けられたレーザポインタ80とを備えている。
日除けカバー72は、回転台50と調整台60との間に挟み込まれた底板72Aと、LRF20の背面側に配された側板72Bと、LRF20の上側に配された天板72Cとが一体で形成されてなる。この日除けカバー72の天板72Cは、LRF20、レーザポインタ80への日光の直射を防いでいる。
回転台50は、底板72A上に設置された駆動部52と、駆動部52により鉛直軸20A周りに回転自在に支持されると共に回転駆動される回転テーブル54とを備えている。回転テーブル54上には、LRF20が設置されており、回転テーブル54とLRF20とが一体となって鉛直軸20Aの周りに回転する。
調整台60は、パンチルト台であり、鉛直軸20Aの周りに360°回転可能、水平軸の周りにも回転可能であり、回転台50とLRF20とレーザポインタ80との鉛直軸20A周りの角度、及び水平軸周りの角度を調整可能である。また、レーザポインタ80は、LRF20が走査方向の中央部に射出するレーザ光Lfに対して平行に、基準位置検出用のレーザ光Lpを射出する。即ち、調整台60を鉛直軸20Aの周りに回転させることにより、レーザポインタ80が射出するレーザ光Lpの光軸と、LRF20によるレーザ光Lfの走査範囲とを、鉛直軸20Aの周りに調整できる。また、調整台60を水平軸の周りに回転させることにより、レーザポインタ80が射出するレーザ光LpとLRF20が射出するレーザ光Lfを水平軸の周りに調整できる。
図18は、レーザポインタ80を用いて、鉛直軸20Aの設置位置や設置角度の初期設定や校正を行っている状態を示す斜視図である。この図に示すように、所定の基準位置に再帰性反射材82が前面に取り付けられたターゲット84を設置し、レーザポインタ80から再帰性反射材に向けてレーザ光Lpを射出させる。再帰性反射材82は、入射光を光源の方向に反射する性質を有する。この再帰性反射材82で反射されたレーザ光Lpの輝度に応じて、LRF20のターゲット84に対する相対位置を検出し、三脚70の位置を調整したり、調整台60によりLRF20のパン角度及びチルト角度を調整したりする。
図19(A)は、回転台50が停止した状態でLRF20がレーザ光を1回走査した場合におけるターゲット30の円周面30F上の計測点を示す図である。この図に「+」でプロットしたように、円周面30F上の計測点は、LRF20の角度分解能θ°に応じた間隔を空けて離散する。
図19(B)は、回転台50を回転させながらLRF20がレーザ光を複数回走査した場合におけるターゲット30の円周面30F上の計測点を示す図である。この計測では、LRF20がレーザ光を複数回走査し、その間、駆動部52が、レーザ光が1回走査される毎に、LRF20の角度分解能θ°(例えば、0.25°)よりも微小な角度θ°(例えば、0.015°)ずつ、回転テーブル54を回転させる。これにより、図19(B)に示すように、LRF20の角度分解能θ°よりも高分解能であるデータを取得でき、より正確な円周面30Fのプロファイルデータを取得できる。従って、ターゲット30の中心位置の推定をより高精度に行うことができる。
図20(A)は、回転台50を停止させた状態でLRF20にレーザ光を10回走査させることにより取得した円周面30F上の計測点のデータから、ターゲット30の中心位置を推定した結果を示すグラフである。また、図20(B)は、回転台50を回転させながらLRF20にレーザ光を10回走査させることにより取得した円周面30F上の計測点のデータから、ターゲット30の中心位置を推定した結果を示すグラフである。これらのグラフにおいて、一定距離法を用いた推定結果は実線で示し、最小二乗法を用いた推定結果は破線で示し、最尤法を用いた推定結果は鎖線で示している。また、横軸は鉛直軸20Aからターゲット30の中心軸30Eまでの距離(mm)であり、縦軸は推定されたターゲット30の中心位置の誤差(mm)である。
図20(A)のグラフに示すように、回転台50を停止させた状態でLRF20にレーザ光を10回走査させることにより取得した円周面30F上の計測点のデータから、最小二乗法と最尤法とにより、ターゲット30の中心位置を推定した場合における誤差の平均値は、15.3mmであった。一方、図20(B)のグラフに示すように、回転台50を回転させながらLRF20にレーザ光を10回走査させることにより取得した円周面30F上の計測点のデータから、最小二乗法と最尤法とにより、ターゲット30の中心位置を推定した場合における誤差の平均値は、8.3mmであった。これにより、本実施形態に係る円周面30F上の計測点のデータの取得方法を用いた場合、ターゲット30の中心位置をより高精度に推定できることがわかる。
なお、上記実施形態では、被計測体を、円柱体であり上記特徴点が中心軸30Eであるターゲット30とした。しかし、例えば、断面が多角形の角柱体や角錐体であり特徴点がその中心軸であるものや、球体であり特徴点が中心点であるもの、直方体や立方体であり特徴点がその中心点であるもの等、輪郭上の計測点から特徴点を推定可能であるものであれば、被計測体として採用可能である。
また、被計測体としての円柱体の断面は真円には限られず楕円でもよく、最小二乗法又は最尤法を用いて、複数の計測点の位置を近似した円の方程式は、上述した半径rの真円の方程式には限られず楕円の方程式であってもよい。また、解析方法は、上記実施形態で挙げた一定距離法、最小二乗法、及び最尤法に限られるものではない。
また、杭打ち機1の位置及び向きを計測する測位システム10、100を例に挙げて本発明を説明したが、掘削機やクレーン等の他の移動体の位置及び向きを計測する測位システムにも本発明を適用できる。
1 杭打ち機(移動体)、10 測位システム、12 コンピュータ、14 記憶部、16 入力部、18 モニタ、20 LRF、20A 鉛直軸、30(30A〜30D) ターゲット(被計測体)、30E 中心軸、30F 円周面、34 軸体、34A 中心軸、36 水準器、40 情報処理部、41 第1測位部、42 分別部、44 クラスタリング部、46 ノイズ除去部、48 推定部、49 判定部、50 回転台、52 駆動部、54 回転テーブル、60 調整台、70 三脚、72 日除けカバー、72A 底板、72B 側板、72C 天板、80 レーザポインタ、82 再帰性反射材、84 ターゲット、100 測位システム、401 第2測位部、402 表示制御部

Claims (7)

  1. 移動体の位置及び向きを計測する測位システムであって、
    前記移動体に設定された所定の基準点に対して既定の位置関係をもって、且つ互いに既定の位置関係をもって前記移動体に設置された複数の被計測体と、
    各被計測体の表面を光で走査することにより各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報を取得する光走査式測距装置と、
    前記光走査式測距装置により取得された各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報に基づいて、各被計測体の輪郭に対して所定の位置関係にある所定点の位置を推定する第1測位部と、
    前記第1測位部により推定された前記複数の被計測体の前記所定点の位置と、前記複数の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記複数の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出し、前記基準点の位置に基づいて前記移動体の位置を推定し、前記回転方向の位置に基づいて前記移動体の向きを推定する第2測位部と、
    を備える測位システム。
  2. 4個以上の前記被計測体が前記移動体に設置され、1個の前記被計測体が必ず前記光走査式測距装置の死角領域に位置するように設置され、
    前記第2測位部は、前記第1測位部により推定された2個の前記被計測体の前記所定点の位置と、前記2個の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記2個の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出する請求項1に記載の測位システム。
  3. 3個以上の前記被計測体が前記移動体に設置され、全ての前記被計測体が常に前記光走査式測距装置の死角領域に位置することがないように設置され、
    前記第2測位部は、前記第1測位部により推定された3個の前記被計測体の前記所定点の位置と、前記3個の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記3個の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出する請求項1に記載の測位システム。
  4. 前記複数の被計測体は、相互の距離が全て異なるように前記移動体に設置されている請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の測位システム。
  5. 前記被計測体は円柱体であり、前記所定点は、前記円柱体の中心軸上の点であり、
    前記第1測位部は、最小二乗法又は最尤法を用いて、前記複数の計測点の位置を近似した円の方程式を求め、求めた円の方程式に基づいて、前記中心軸上の点の位置を推定する請求項1から請求項4までの何れか1項に記載の測位システム。
  6. 移動体の位置及び向きを計測する測位方法であって、
    複数の被計測体を、前記移動体に設定した所定の基準点に対して既定の位置関係を有し、且つ互いに既定の位置関係を有するように前記移動体に設置するステップと、
    光走査式測距装置により各被計測体の表面を光で走査することで各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報を取得するステップと、
    前記光走査式測距装置により取得した各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報に基づいて、各被計測体の輪郭に対して所定の位置関係にある所定点の位置を推定するステップと、
    推定された前記複数の被計測体の前記所定点の位置と、前記複数の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記複数の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出し、前記基準点の位置に基づいて前記移動体の位置を推定し、前記回転方向の位置に基づいて前記移動体の向きを推定するステップと、
    を備える測位方法。
  7. 移動体に設定された所定の基準点に対して既定の位置関係をもって、且つ互いに既定の位置関係をもって前記移動体に設置された複数の被計測体と、各被計測体の表面を光で走査することにより各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報を取得する光走査式測距装置とを備え、前記移動体の位置及び向きを計測する測位システムに含まれるコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記光走査式測距装置により取得された各被計測体の表面上における複数の計測点の位置情報に基づいて、各被計測体の輪郭に対して所定の位置関係にある所定点の位置を推定する手順と、
    推定された前記複数の被計測体の前記所定点の位置と、前記複数の被計測体と前記所定の基準点との既定の位置関係と、前記複数の被計測体の互いの既定の位置関係とに基づいて、前記基準点の位置と、前記移動体の前記基準点を中心とする回転方向の位置とを算出し、前記基準点の位置に基づいて前記移動体の位置を推定し、前記回転方向の位置に基づいて前記移動体の向きを推定する手順と、
    を前記コンピュータに実行させるプログラム。
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