JP2013113059A - 車両用リッドロック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リッドロック装置は、電動モータを作動させて、ロックシャフトをハウジングに対し進退させ、車両ボデーに設けられたリッドと係脱させる。ロックシャフトの後端には、合成樹脂材料にて一体成形された緊急用ツール7が接続されている。緊急用ツール7は、シャフト係合部71によってロックシャフトに接続されている。クランプ8は車両のインナパネルに固定され、緊急用ツール7に設けられたハンドル部72は、クランプ8に対して移動可能に取り付けられている。電動モータによるロックシャフトの戻し作動ができなくなった場合、操作者がクランプ8に取り付けられたままのハンドル部72を引っ張ってロックシャフトを牽引し、リッドとの係合を解消させる。
【選択図】図5
Description
一方、給油時には電動モータによりウォームホイールを駆動し、ウォームホイールと係合した移動部材を引き戻してリッド体との係合を解除している(アンロック状態)。
牽引手段は、合成樹脂材料にて一体に形成された緊急用プルコードで、その一端部が移動部材の後端に接続されているとともに、他端部に操作者が把持するハンドル部が形成されている。普段、ハンドル部は車両のインナパネルの係合穴に、スナップフィットファスナー等により取り付けられおり、上述した緊急時には、リッド体との係合を解除させるために操作者によって係合穴から取り外され、移動部材を引き戻す方向に牽引される。また、移動部材を引き戻す操作を完了した後は、操作者が、再び、ハンドル部を係合穴に嵌め込んで格納している。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、緊急時に移動部材を引き戻すための操作の容易な車両用リッドロック装置を提供することにある。
ここで、「車両の室内側部材」とは、車両のアウタパネルよりも車室内側のボデー部材をすべて含んでいる(アウタパネルは含まず、インナパネルおよびトリム等を含んでいる)。
さらに、ループ状に形成されていることにより、ハンドルの剛性を向上させることができる。
また、操作部における室内側部材の側に位置する部位が、室内側部材から離れる形状に形成されていることにより、操作部がクランプ部材により直接に保持されていなくても、振動等によって室内側部材に干渉することを防ぐことができる。
図1乃至図13に基づき、本発明の実施形態1によるリッドロック装置1について説明する。尚、特に断らなければ、図2における右方をリッドロック装置1の前方とし、左方を後方として説明する。さらに、図1における上方を、リッドロック装置1の上方として説明する。
リッドロック装置1(車両用リッドロック装置に該当する)は、車両ボデー9に設けられ、内部に給油口(図示せず)が収容されたリッドボックス91を開閉するリッド92(リッド体に該当する)と係合して、リッド92を開放不能とするものである(図4示)。
ウォームホイール5は、枢支孔51がボデー21から突出したホイール軸211に嵌合することにより、ボデー21に対してホイール軸211回りに回転可能に取り付けられる。ウォームホイール5の外周面には、歯部(図示せず)が形成されており、上述したウォーム4の歯部と噛合している。
図2に示したように、ロックシャフト6には、連動孔62がロックシャフト6の厚み方向に掘り下げられるように形成されている。連動孔62には、上述したウォームホイール5に形成された係合柱52が挿入されている。
また、ロックシャフト6の後端(図2において左端)には、後述する緊急用ツール7(操作用牽引部材に該当する)の一端部が取り付けられる連結部63(移動部材の他端に該当する)が、ロックシャフト6の軸に対して垂直方向に突出するように形成されている。連結部63の詳細については、後述する。
このため、ウォームホイール5の係合柱52と連動孔62において係合したロックシャフト6が、ハウジング2に対し軸方向(図3において右方)に移動し、ロック部61がハウジング2外に突出する(図2示:ロック位置)。この時、ロック部61はリッドボックス91内に突出し、リッド92と係合して開放不能な状態に保持する(図4示)。尚、図4は、リッドロック装置1の前端部について、図2における上方より見た状態を示している。
シャフト係合部71は概ね平板状に形成されており、スライド孔711が厚み方向に貫通している。スライド孔711は、緊急用ツール7の長手方向(緊急用ツール7の牽引方向)に延びた長円状に形成されている(図5示)。
図2に示したように、基部631は、連結部63の突出方向に対する垂直断面が略四角形状を呈しており、その外径は、緊急用ツール7のスライド孔711を通り抜け不能な大きさに形成されている。
また、抜止部633の当該断面形状は、その横方向寸法(図2において上下方向寸法)がスライド孔711の幅寸法よりも大きく形成されており、その先端部において、横方向の周縁に一対の斜面が形成されている(図7示)。
また、スライド部721は平板状に形成され、後述するクランプ8の押圧片83が当接するように、その外周面上には、矩形状を呈する所定深さの凹部721aが設けられている(図9および図12示)。凹部721aは、スライド部721上において、ハンドル部72の牽引方向に延びるように形成されている。
クランプ8をインナパネル93に取り付ける際、取付部81を係合孔931に挿入する。係合孔931により押圧された係合片811は、半径方向に撓んで係合孔931を通過するとともに、押え部812がインナパネル93に当接する。これにより、押え部812がインナパネル93を平面方向(図12における右方)に押圧するため、係合片811が抜け止めとなって、取付部81がインナパネル93に固定される。
また、押圧片83は弾性力を有し、支持部82の端部822から下方に延びており、緊急用ツール7のスライド部721を、支持部82(図12における右方)に向けて押圧可能に形成されている。
緊急用ツール7がクランプ8に取り付けられた状態において、シャフト係合部71とハンドル部72とを繋いでいる接続部73は、車両ボデー9のインナパネル93とアウタパネル(図示せず)との間を通って配置される。接続部73は、操作者による引張り荷重に抗するように、所定の強度を備えている。
リッド92は図示しないスプリングによって、リッドボックス91を閉鎖する方向に付勢されており、給油が終了した後に、再びロックシャフト6をロック位置に移動させる必要はない。
また、ハンドル部72がインナパネル93に直接に取り付けられていないため、車両振動等による異音等の発生を防止することができる。
また、ハンドル部72がループ状に形成されていることにより、操作者が掴み損なうことなく容易にハンドル部72を把持することができる。
さらに、ループ状に形成されていることにより、ハンドル部72の剛性を向上させることができる。
また、操作部722aにおけるインナパネル93の側に位置する部位が、インナパネル93から離れるように傾斜していることにより、操作部722aがクランプ8により直接に保持されていなくても、振動等によってインナパネル93に干渉することを防ぐことができる。
また、クランプ8の押圧片83が凹部721aと係合するため、スライド部721は上下方向にがたつかずに水平方向に移動することができる。
また、図12に示すように、支持部82の内径寸法がスライド部721の幅寸法(図12における上下方向の寸法)に対して余裕があるため、スライド部721がクランプ8に対して所定の自由度を有しており、ハンドル部72のスムーズな移動を可能にすることができる。
また、スライド部721は平板状に形成され、押圧片83がスライド部721を厚み方向に押圧することにより、スライド部721が傾くことがなくクランプ8により安定して保持される。
図14および図15に基づき、本発明の実施形態2によるクランプ8Aの構成について、実施形態1の場合との相違点を中心に説明する。説明中において、図15の上方をクランプ8Aの上方とし、図15の下方をクランプ8Aの下方として説明する。尚、図14および図15において、緊急用ツール7は実施形態1による緊急用ツール7と同一の構成である。
また、押圧片86は弾性力を有し、支持部85の内周面から下方に延びており、スライド部721の凹部721aを支持部85に向けて押圧可能に形成されている。クランプ8Aにおける、その他の構成については実施形態1によるクランプ8と同様である。
また、図15に示したように、クランプ8Aは、支持部85および押圧片86によって、スライド部721の周囲を包囲するように保持しているため、スライド部721を安定して保持することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
クランプ8は、必ずしも車両のトランクを形成するインナパネル93に固定されている必要はなく、車両ボデーのその他の部位を形成するインナパネルに取り付けられていてもよいし、あるいは、トリム等のインナパネル93以外の室内側部材に固定されていてもよい。
また、スライド孔711をロックシャフト6の後端部に形成し、連結部63を緊急用ツール7のシャフト係合部71に形成してもよい。
また、操作部722aのインナパネル93の側に位置する部位を、上方から見て矩形状(図16示)あるいは湾曲した形状(図17示)とし、インナパネル93から離れるように形成してもよい。
また、駆動アクチュエータとして、電動モータ3に代えてソレノイドアクチュエータを用いてもよい。
Claims (7)
- ハウジング内に収容された駆動用アクチュエータと、
前記ハウジング内に移動可能に支持され、一端が前記ハウジングより突出して車両ボデーに設けられたリッド体と係合することにより、前記リッド体を開放不能にするとともに、前記駆動用アクチュエータの作動により後退し、前記リッド体との係合が解除される移動部材と、
一側の端部が前記移動部材の他端と接続されるとともに、他側の端部には操作者が把持するハンドルが形成され、前記ハンドルが牽引されることにより、前記移動部材の前記一端を前記ハウジング内に向かって後退させて、前記リッド体との係合を解除する操作用牽引部材と、
車両の室内側部材に固定され、前記ハンドルを前記室内側部材に取り付けるクランプ部材と、
を備える車両用リッドロック装置であって、
前記ハンドルは、前記クランプ部材に対し牽引方向に相対移動可能に連結されている車両用リッドロック装置。 - 前記ハンドルは、前記室内側部材から離れる方向に突出するように取り付けられる請求項1記載の車両用リッドロック装置。
- 前記ハンドルは、
前記クランプ部材に取り付けられ、前記ハンドルの牽引方向に延びる延在部と、
前記延在部の両端部を接続する枠部材と、
を有することにより、ループ状に形成されている請求項2記載の車両用リッドロック装置。 - 前記枠部材は、前記延在部の牽引方向側の端部から牽引方向に突出した操作部を有しており、
前記操作部における前記室内側部材の側に位置する部位は、前記室内側部材から離れる形状に形成されている請求項3記載の車両用リッドロック装置。 - 前記クランプ部材は、
前記室内側部材に固定される取付部と、
前記取付部に接続されるとともに前記延在部を保持する支持部と、
弾性力を有し、前記延在部を前記支持部に向けて押圧する押圧片と、
を有する請求項3または4に記載の車両用リッドロック装置。 - 前記延在部は平板状に形成され、
前記押圧片は、前記延在部を厚み方向に押圧する請求項5記載の車両用リッドロック装置。 - 前記操作用牽引部材が操作されていない場合、前記移動部材は、前記操作用牽引部材の前記一側の端部に対して相対移動可能である請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の車両用リッドロック装置。
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