JP2013100405A - 樹脂改質剤 - Google Patents

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【課題】非晶性樹脂や結晶性樹脂との相溶解性に優れ、それらの成形加工性、物性、柔軟性、耐衝撃性等を向上させる樹脂改質剤であって、殊に、加熱による着色を抑えることのできる、熱安定性に優れた樹脂改質剤を提供しようとするものである。
【解決手段】二糖と、一般式(I)
Figure 2013100405

(式中、R1〜R5は、独立に、水素原子、アルキル基およびアルコキシ基から選択される基である。但し、二糖がショ糖の場合は、R1〜R5の少なくとも一つがアルキル基またはアルコキシ基である。)
で示される芳香族モノカルボン酸とのエステルを含んでなる樹脂改質剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、非晶性樹脂や結晶性樹脂との相溶解性に優れ、それらの成形加工性、物性、柔軟性、耐衝撃性等を向上させる樹脂改質剤であって、殊に、加熱による着色を抑えることのできる、熱安定性に優れた樹脂改質剤に関する。
樹脂改質剤としては、ショ糖ベンゾエートが公知であり、非晶性樹脂、例えば、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの成形加工性、物性を向上させたり、結晶性ポリエステルの柔軟性、耐衝撃性を向上させることが知られている(特許文献1および2)。
しかしながら、ショ糖ベンゾエートは、ショ糖誘導体であるが故に、これを改質剤として添加した場合、これら樹脂からなる製品の色相や、色相の熱安定性に課題があった。すなわち、ショ糖ベンゾエートは、一般的に有機溶媒を使用して製造されるが、まずその製造過程における、有機溶媒を除去する加熱工程で、着色が起こる。そして、この着色の程度は、ショ糖ベンゾエート中のエステル化度(平均置換度)が低い成分の割合が増えるほど顕著となる傾向にある。また、仮に、特殊な処理設備(例えば薄膜蒸留装置)を用いて処理時間の短縮に努め、有機溶媒を除去する際のショ糖ベンゾエートの熱履歴を抑えることにより、可能な限り着色を抑制したとしても、ショ糖ベンゾエートを樹脂に添加した後に、該樹脂を加工、成形する際の熱履歴により、着色が起きてしまうという問題があった。
このため、ショ糖ベンゾエートは、光学的透明性が要求される樹脂の改質剤としては、決して満足のいくものではなく、これに代わる耐熱性の高い糖誘導体の開発が望まれていた。
特開昭52−81362号公報 特開昭62−15582号公報
本発明は、非晶性樹脂や結晶性樹脂との相溶解性に優れ、それらの成形加工性、物性、柔軟性、耐衝撃性等を向上させる樹脂改質剤であって、殊に、加熱による着色を抑えることのできる、熱安定性に優れた樹脂改質剤を提供しようとするものである。
本発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意研究を進めた結果、特定の二糖と特定の芳香族モノカルボン酸とのエステルを用いれば、ショ糖ベンゾエートと比較して、同等の熱履歴を受けた際の着色を抑制できることを見出し、更に検討を重ねて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1]二糖と、一般式(I)
Figure 2013100405
(式中、R1〜R5は、独立に、水素原子、アルキル基およびアルコキシ基から選択される基である。但し、二糖がショ糖の場合は、R1〜R5の少なくとも一つがアルキル基またはアルコキシ基である。)
で示される芳香族モノカルボン酸とのエステルを含んでなる樹脂改質剤、
[2]前記二糖が、ショ糖および/またはマルチトールである上記[1]記載の樹脂改質剤、
[3]ショ糖トルイル酸エステル、マルチトール安息香酸エステルおよび/またはマルチトールトルイル酸エステルを含んでなる樹脂改質剤、
に関する。
本発明の樹脂改質剤は、非晶性樹脂や結晶性樹脂との相溶解性に優れ、それらの成形加工性、物性、柔軟性、耐衝撃性等を向上させることができる一方、加熱による着色を抑えることができるという優れた特長を併せ持つ。したがって、光学的透明性が要求される樹脂の改質剤として用いることができる。
また、本発明の樹脂改質剤は、芳香族モノカルボン酸による、二糖のアルコール部分のエステル化の割合の平均値(以下、「平均エステル置換度」または「平均置換度」という。)が低くとも、熱安定性に優れた特性を示すという特長をも示すものである。
本発明の樹脂改質剤は、二糖と芳香族モノカルボン酸(I)とのエステルを含んでなるものである。
ここに、前記二糖としては、ピラノース構造またはフラノース構造の少なくとも1種を有する二糖が好ましく、たとえば、ショ糖(スクロース)、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、ガラクトスクロース、マルチトール、ラクチトールなどの非還元性の糖が好ましく、ショ糖またはマルチトールが好ましい。該二糖は、1種または2種以上を使用することができる。
また、芳香族モノカルボン酸(I)において、R1〜R5は、二糖がショ糖の場合には、その少なくとも一つがアルキル基であるものが好ましく、このうち、その一つ(好ましくは、R3)がアルキル基で残りが水素原子であるものが好ましい。一方、R1〜R5は、二糖がその他の糖である場合は、それぞれ、独立に水素原子またはアルキル基であるものが好ましく、全てが水素原子である安息香酸またはその一つ(好ましくは、R3)がアルキル基で残りが水素原子であるものがより好ましい。
本発明に係るエステルは、その平均置換度が低くとも熱安定性に優れた特徴を示すが、好ましい平均置換度の範囲としては、2.5〜7.9、好ましくは3.0〜7.9があげられる。平均置換度が2.5より低い場合には、未反応ショ糖の含有量が多くなり、工業的生産効率が悪くなる傾向があり、平均置換度が7.9より高い場合には、工業的生産が困難となる傾向がある。
本発明に係るエステルは常法により製造することができ、例えば、特開昭61−4839号記載の蔗糖ベンゾエートの製造方法に準じて、製造することができる。
すなわち、原料である二糖と芳香族モノカルボン酸の塩化物とを、親水性溶媒と水との混液中、アルカリ性化合物の存在下、エステル化反応に付すことにより製造することができる。親水性溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジオキサン、テトラハイドロフラン等のエーテル系溶媒、酢酸メチル等のエステル系溶媒、三級ブタノール等のアルコール系溶媒をいずれも好適に用いることができる。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
親水性溶媒と水との混合比率は、両者からなる均一液層の含水率が7〜80%となるようにすることが好ましい。なぜなら、これら親水性溶媒は、原料の一方である芳香族モノカルボン酸の塩化物や生成物であるエステルは溶解するものの、原料のもう一方である二糖は、単独では全く溶かさないかまたは反応効率の観点から実用に供さない程度にしか溶かさないところ、二糖の良溶媒である水を混合させることにより、該混液が実用に供する程度の二糖を溶解することができるようになるからである。したがって、親水性溶媒のこのような性質を利用することにより、二糖と芳香族モノカルボン酸塩化物の反応速度を律することができ、その結果、二糖/芳香族モノカルボン酸の塩化物の仕込み量(モル比)に応じて、置換度の異なるエステルを製造することができる。
反応の方法としては、親水性溶媒と水からなる混液に、二糖および芳香族モノカルボン酸塩化物を溶解または懸濁させ、芳香族モノカルボン酸塩化物と等量ないしは若干過剰のアルカリ性化合物を滴下するか、または混液に二糖とアルカリ性化合物を溶解または懸濁させ、芳香族モノカルボン酸塩化物を滴下するか、または混合溶媒に二糖を溶解または懸濁させ、芳香族モノカルボン酸塩化物とアルカリ性化合物とを同時または交互に滴下することができる。
反応温度は、−15℃〜100℃まで採用することができるが、より好ましくは、−10℃〜30℃である。ただし、全反応原料を滴下し終えた後は、反応の完結を促進させるため、高温域で加熱してもよい。
反応中のpHは弱アルカリ性に保つことが望ましい。一方、強アルカリ性下(例えば、反応温度等にもよるが、pH13以上など)では、芳香族モノカルボン酸の加水分解の副反応が著しいため、たとえば、pH8〜13程度で行うことが好ましい。
反応時間としては、原料同士の反応が十分反応を完結できる限り特に限定はない。具体的な時間は、原料化合物の量や種々の条件に依存するが、通常、1時間程度行えば十分である。
本改質剤を加える樹脂としては、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等の非晶性樹脂の他、結晶性ポリエステル樹脂などの結晶性樹脂が挙げられる。樹脂はその用途に応じて適宜選択することができる。また、樹脂に添加する本発明の改質剤は、樹脂の種類・用途に応じて、より相応しいものを適宜選択することができる。
ABS樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体、塩素化ポリエチレン、アクリル系ゴム(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等)と、アクリルニトリル、スチレン、アクリル酸、アクリル酸アマイド、2−クロロエチルビニルエーテル等との共重合体等ゴム状重合体に、アクリルニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、メタアクリル酸メチル等をグラフト重合させて得られるものが挙げられ、さらには、アクリルニトリル−ポリブタジエン−スチレン系のグラフト共重合体などが挙げられる。ABS樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリ塩化ビニル樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、塩化ビニル単独重合樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル単量体と共重合し得るすべての単量体のうち1つ以上とランダム共重合あるいはブロック共重合して得られる塩化ビニル共重合樹脂(例えば酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等)、また上記の樹脂に水酸基などの官能基をグラフトさせて得られる樹脂やこうした官能基と反応性化合物を反応せしめグラフト結合させたものを挙げあることができる。ポリ塩化ビニル樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールビフェニルアラルキルエポキシ樹脂等のアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
不飽和ポリエステル樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸またはその無水物とグリコールの付加反応または脱水縮合反応によって合成されるものである。また飽和ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸またはその無水物あるいはカルボン酸と反応するジシクロペンタジエンなども併用することができる。α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸の例としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびこれらジカルボン酸の無水物が挙げられる。これらα,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と併用されるジカルボン酸の例としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フタル酸無水物、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸などが挙げられる。これらの中で、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸としてフマル酸、及びジカルボン酸としてイソフタル酸を併用することが好ましい。不飽和ポリエステル樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート、ポリ−1,4−ブチレンジフェニル−4,4’−ジカルボキシレート、ポリエチレンオキシベンゾエート、ポリ−1,3−プロピレンテレフタレート、ポリ−1,6−ヘキシレンテレフタレートなどの結晶性ポリエステルが挙げられ、このうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナノフタレートが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、これら樹脂には、必要に応じて、衝撃強度改質剤、安定剤、滑剤、充填剤、顔料、発泡剤、紫外線安定剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明の樹脂改質剤の樹脂への配合割合は、樹脂100部に対して、1〜40部が好ましく、1〜30部がさらに好ましい。1部未満では、目的とする性能が得られない傾向があり、40部より多い場合には、長期保存などによるブリードアウトの可能性が高くなる。
本明細書において、単に「部」というときは、「重量部」を意味する。
本明細書において、「平均置換度」は、プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)によって求めた値である。
実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
1.合成
実施例1
<マルチトール安息香酸エステル(平均置換度6.5)>
撹拌棒、温度計、冷却コンデンサー、滴下漏斗、およびpHメーターに接続したpH電極を備えた5つ口フラスコに、マルチトール30.0部と水70.0部を仕込み溶解した後、水浴で10℃以下に冷却しながら、塩化ベンゾイル79.0部を含むシクロヘキサノン100部を徐々に加え、均一に溶かした。20℃以下の温度を保ちながら、48%苛性ソーダ水溶液50.1部を、滴下漏斗よりpHが10〜11に保たれるような速度で加えた。滴下は1時間以内で終了した。その後、水浴を取り去り、20〜30℃の室温で、1時間撹拌を続け熟成して反応を完結させた。その後、若干量の炭酸ソーダを加え加熱して、微量に残っている塩化ベンゾイルを安息香酸ソーダに変換した。そして溶媒をロータリーエバポレーターにより除去することにより、マルチトール安息香酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、6.5であった。
実施例2
<マルチトール安息香酸エステル(平均置換度3.2)>
マルチトール30.0部および塩化ベンゾイル39.0部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、マルチトール安息香酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、3.2であった。
実施例3
<ショ糖トルイル酸エステル(平均置換度6.3)>
マルチトールに代えてショ糖30.0部および塩化ベンゾイルに代えてトルイル酸クロライド85.3部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、ショ糖トルイル酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、6.3であった。
実施例4
<ショ糖トルイル酸エステル(平均置換度4.7)>
マルチトールに代えてショ糖30.0部および塩化ベンゾイルに代えてトルイル酸クロライド63.6部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、ショ糖トルイル酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、4.7であった。
実施例5
<マルチトールトルイル酸エステル(平均置換度7.6)>
マルチトール30.0部および塩化ベンゾイルに代えてトルイル酸クロライド102.3部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、マルチトールトルイル酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、7.6であった。
比較例1
<ショ糖安息香酸エステル(平均置換度7.3)>
ショ糖30.0部および塩化ベンゾイル部89.9部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、ショ糖安息香酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、7.3であった。
比較例2
<ショ糖安息香酸エステル(平均置換度6.0)>
ショ糖30.0部および塩化ベンゾイル73.9部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、ショ糖安息香酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、6.0であった。
比較例3
<ショ糖安息香酸エステル(平均置換度4.8)>
ショ糖30.0部および塩化ベンゾイル部59.1部を用いた以外は、実施例1と同様に処理して、ショ糖安息香酸エステルを得た。平均置換度を1H−NMRによって求めたところ、4.8であった。
2.評価
<色相>
試験管に、上記実施例および比較例で得た各エステル5gを入れ、130℃のオイルバス中で15時間加熱した。加熱前後の各サンプルについて、JIS K2421記載の方法に準じて、その色相を判定した。すなわち、各サンプルをトルエンで50%に希釈し、該希釈液の色相が、肉眼で比べた場合において、同じと判断されるAPHA標準液の数値(ハーゼン色数:APHA)を記録した。
結果を表1に示す。
Figure 2013100405
表1に記載のとおり、本発明の実施例1〜5においては、130℃で15時間加熱した後も、色相(APHA)に変化が見られず、高い熱安定性を示した。この点、平均置換度の比較的低い実施例2や実施例4においても同じであった。これに対し、比較例1〜3においては、加熱前後において、色相の大きな変化が観察され、しかも平均置換度が低くなるにつれ、変化が大きくなる傾向が観察された。
本発明の樹脂改質剤は、非晶性樹脂や結晶性樹脂との相溶解性に優れ、それらの成形加工性、物性、柔軟性、耐衝撃性等を向上させることができる一方、加熱による着色を抑えることができるという優れた特長を併せ持つので、樹脂、特に光学的透明性が要求される樹脂の改質剤として、有用である。

Claims (3)

  1. 二糖と、一般式(I)
    Figure 2013100405
    (式中、R1〜R5は、独立に、水素原子、アルキル基およびアルコキシ基から選択される基である。但し、二糖がショ糖の場合は、R1〜R5の少なくとも一つがアルキル基またはアルコキシ基である。)
    で示される芳香族モノカルボン酸とのエステルを含んでなる樹脂改質剤。
  2. 前記二糖が、ショ糖および/またはマルチトールである請求項1記載の樹脂改質剤。
  3. ショ糖トルイル酸エステル、マルチトール安息香酸エステルおよび/またはマルチトールトルイル酸エステルを含んでなる樹脂改質剤。
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