JP2013091755A - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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隆行 永瀬
Ai Matsuura
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Abstract

【課題】ドライ性能−耐摩耗性−ウェット性能のバランスが向上したタイヤを作製することができるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】スチレンブタジエンゴムを60質量%以上含有するジエン系ゴム成分と、(a)フェノール系化合物、(b)テルペン系化合物および(c)芳香族ビニル系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジエン系ゴム成分および樹脂を含有するタイヤ用ゴム組成物に関し、特に空気入りタイヤのトレッドに使用する組成物に関する。
高性能ドライタイヤのドレッドゴム組成物には、グリップ性能、耐摩耗性能のバランス向上が強く要求されており、これらの性能を確保するため、従来から様々な工夫がなされている。その中で、レジンを配合することによりグリップ性能を向上させることは広く知られており、フェノール系レジンなどが好適に使われている(特許文献1)。
しかしながら、このようなドライグリップ性能に特化したゴム組成物は、ウェットグリップ性能は犠牲にする傾向にあるため、急な降雨による路面状況の変化には対応できないことも考えられる。ウェットグリップ性能を改善するために、これまでレジンとしてスチレンやα−メチルスチレンなどのオリゴマーや、テルペン系樹脂を添加することでウェットグリップ性能を向上させるような技術が知られている。
スチレンやα−メチルスチレンなどのオリゴマーは、ウェット性能は添加量に依存し、ウェットグリップ性能は向上するが添加量が多くなり過ぎ、破壊性能が低下するという問題点がある。また、テルペン系樹脂は最適な量では耐摩耗性の改善効果があるものの、ウェット性能の向上はスチレンやα−メチルスチレンなどのオリゴマー程の効果がなく不十分である。
そこで、これらの樹脂をブレンドすることで、ドライ性能−耐摩耗性−ウェット性能のバランスを向上することが考えられるが、それぞれの樹脂のポリマーへの相溶性が異なるために、それぞれの樹脂が均一にポリマーに分散することは困難であり、単純なブレンドで十分に性能向上をさせることはできていないのが現状である。
特開2005−350535号公報
本発明は、ドライ性能−耐摩耗性−ウェット性能のバランスが向上したタイヤを作製することができるタイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、スチレンブタジエンゴムを60質量%以上含有するジエン系ゴム成分と、(a)フェノール系化合物、(b)テルペン系化合物および(c)芳香族ビニル系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記フェノール系化合物(a)がフェノールおよび/またはアルキルフェノールであり、テルペン系化合物(b)が水酸基を持たない環状不飽和炭化水素であり、芳香族ビニル系化合物(c)がスチレンおよび/またはアルキル置換スチレンであることが好ましい。
前記テルペン系化合物(b)がα−ピネン、β−ピネン、3−カレン、D−リモネンおよびジペンテンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記樹脂の配合量が、前記ジエン系ゴム成分100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましい。
前記樹脂の構成成分の比率が、フェノール系化合物(a)>テルペン系化合物(b)≧芳香族ビニル系化合物(c)で、フェノール系化合物(a)が40〜60質量%、テルペン系化合物(b)および芳香族ビニル系化合物(c)が20〜30質量%であることが好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、さらに、カーボンブラック及び/又はシリカを含むことが好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、タイヤのキャップトレッドに使用されることが好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、加硫物のM300が100℃の雰囲気下で1.5〜6.0MPaであることが好ましい。
本発明は、前述のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明はまた、前述のゴム組成物を用いて作製した高性能ドライタイヤに関する。
本発明では、特定の樹脂を配合することにより、従来技術では達成できなかった、ドライグリップ性能とウェットグリップ性能のバランスを大幅に向上させて且つ、耐摩耗性も改善することで、高性能ドライタイヤ用トレッドゴム組成物に求められる性能を大幅に改善することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを60質量%以上含有するジエン系ゴム成分と、(a)フェノール系化合物、(b)テルペン系化合物および(c)芳香族ビニル系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有する。
本発明では、ジエン系ゴム成分としてスチレンブタジエンゴム(SBR)が使用される。SBRとしては、特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBR中のスチレン含有率は、25質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましい。25質量%未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該スチレン含有率は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。60質量%を超えると、耐摩耗性が低下するだけでなく、温度依存性が増大し、温度変化に対する性能変化が大きくなってしまう傾向がある。
ジエン系ゴム成分100質量%中のSBRの含有量は、60質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。60質量%未満であると、十分な耐熱性が得られない傾向がある。また、SBRの含有量の上限は特に限定されず、100質量%でもよい。
ジエン系ゴム成分として、SBR以外の他のゴム成分としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。ゴム成分は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、(a)フェノール系化合物、(b)テルペン系化合物および(c)芳香族ビニル系化合物を共重合して得られた樹脂が使用される。
フェノール系化合物(a)としては、フェノール性水酸基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール(アルコキシ基の炭素原子数はアルキル基と同様である。)、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を含有するハロゲン化フェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどの1価のフェノール類が挙げられる。なかでも、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性能をバランス良く改善できる点から、フェノール、o、m、p位の少なくとも1つがアルキル基で置換されたアルキルフェノールが好ましい。
アルキルフェノールにおけるアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5である。
アルキルフェノールの具体例としては、例えば、メチルフェノール、エチルフェノール、ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノール、ジノニルフェノールが挙げられ、o、m、p位のいずれが置換されたものでもよい。なかでも、t−ブチルフェノール、メチルフェノールが好ましい。
アルコキシフェノールとしては、前述のアルキルフェノールのアルキル基に対応するアルコキシ基で置換されたメトキシフェノールなどが挙げられる。
ハロゲン化フェノールとしては、例えば、クロロフェノール、ブロモフェノールが挙げられる。
不飽和炭化水素基含有フェノールとしては、1分子中に少なくとも1個のヒドロキシフェニル基を含み、かつフェニル基の水素原子のうちの少なくとも1個が不飽和炭化水素基で置換された化合物が挙げられる。不飽和炭化水素基における不飽和結合としては、二重結合、三重結合が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられる。不飽和置換基含有フェノールの具体例としては、イソプロペニルフェノール、ブテニルフェノールなどが挙げられる。これらのフェノール系化合物は単独でも又は2種以上を併用してもよい。
テルペン系化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物が挙げられる。テルペン系化合物は特に限定されないが、環状不飽和炭化水素が好ましく、また、水酸基を持たない化合物が好ましい。
テルペン系化合物の具体例としては、α−ピネン、β−ピネン、3−カレン(δ−3−カレン)、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。なかでも、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性能をバランス良く改善できる点から、α−ピネン、β−ピネン、3−カレン(δ−3−カレン)、ジペンテン、リモネンが好ましく、α−ピネン、β−ピネン、3−カレンがより好ましい。これらのテルペン系化合物は単独でも又は2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル系化合物としては、芳香環とビニル基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、スチレン;α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、t−ブチルスチレンなどのアルキル置換スチレンが挙げられる。また他に、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロヘキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレンなども挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせても用いてもよい。なかでも、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性能をバランス良く改善できる点から、スチレン、アルキル置換スチレンが好ましく、スチレン;α−メチルスチレンがより好ましい。これらの芳香族ビニル系化合物は単独でも又は2種以上を併用してもよい。
前記樹脂(100質量%)を構成する各共重合成分の配合比率(質量%)は、フェノール系化合物(a)>テルペン系化合物(b)≧芳香族ビニル系化合物(c)の関係を満足することが好ましい。フェノール系化合物量がテルペン系化合物量以下では、ドライグリップ性能が充分に発揮できない可能性があり、テルペン系化合物量が芳香族ビニル系化合物量未満であると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
前記樹脂(100質量%)におけるフェノール系化合物(a)の共重合割合は、40〜60質量%が好ましく、50〜60質量%がより好ましい。40質量%未満では、ドライグリップ性能が充分に発揮できない可能性があり、60質量%を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
テルペン系化合物(b)の共重合割合は、20〜30質量%が好ましく、20〜25質量%がより好ましい。20質量%未満では、耐摩耗性の改善効果が得られにくくなり、30質量%を超えると、ドライグリップの向上効果が小さくなる傾向がある。
芳香族ビニル系化合物(c)の共重合割合は、20〜30質量%が好ましく、20〜25質量%がより好ましい。20質量%未満では、ウェットグリップ性能が充分に発揮できなくなり、30質量%を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
前記樹脂の軟化点は特に限定されないが、30〜180℃が好ましく、40〜160℃がより好ましく、50〜150℃がさらに好ましい。軟化点が30℃未満であれば、ドライグリップ性能の向上が小さくなり、180℃を超えると、ポリマーに混ざりにくくなり、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
前記樹脂の重量平均分子量Mwは特に限定されないが、300〜5000が好ましく、300〜3000がより好ましい。Mwが300未満では、ウェットグリップ性能の向上効果が小さくなり、5000を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、本明細書において、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
前記樹脂は、(a)、(b)及び(c)を公知の方法で共重合することにより合成できる。例えば、トルエンなどの有機溶媒中に、BFなどの触媒存在下において、フェノール系化合物、テルペン系化合物および芳香族ビニル系化合物を任意の順序で滴下し、所定の温度および時間反応させることにより調製できる。
樹脂の配合量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、3〜40質量部がより好ましく、5〜35質量部がさらに好ましい。1質量部未満では、全ての物性の改善効果が小さくなり、50質量部を超えると、耐摩耗性とウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。
本発明では、補強用充填剤として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用されるもののなかから任意に選択して用いることができ、なかでも、カーボンブラック、シリカが好ましく、カーボンブラックがより好ましい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、100m/g以上が好ましく、130m/g以上がより好ましく、150m/g以上がさらに好ましい。カーボンブラックのNSAが100m/g未満では、グリップ性能が低下する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、500m/g以下が好ましく、450m/g以下がより好ましい。カーボンブラックのNSAが500m/gをこえると、良好な分散が得られにくく、耐摩耗性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001に準拠して求められる。
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100重量部に対して70質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましい。カーボンブラックの配合量が70質量部未満では、グリップ性能が低下および耐摩耗性が低下する傾向がある。また、カーボンブラックの配合量は、200質量部以下が好ましく、180質量部以下がより好ましい。カーボンブラックの配合量が200質量部をこえると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、グリップ性能などの観点から、軟化剤を配合することが好ましい。
軟化剤としては特に限定されないが、鉱物油などのオイルが挙げられる。オイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどのプロセスオイルが挙げられる。
特に、耐久性とグリップ性能の性能バランスに優れるという点から、液状ジエン系重合体を、軟化剤の一部又は全部として使用することが好ましい。なお、本発明において、液状ジエン系重合体とは、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×10〜2.0×10であることが好ましく、1.5×10〜6.0×10であることがより好ましく、2.0×10〜2.0×10であることが更に好ましく、3.0×10〜1.5×10であることが特に好ましい。1.0×10未満では、破壊特性が低下し、十分な耐久性が確保できない恐れがある。一方、2.0×10を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化する恐れがある。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、耐久性とグリップ性能がバランスよく得られるという理由から、液状SBRを使用することが好ましい。これらの液状ジエン系重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状SBRのビニル含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。ビニル含量が10質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。該ビニル含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは75質量%以下である。ビニル含量が90質量%を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
なお、液状SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
液状SBRのスチレン含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。スチレン含量が10質量%未満であると、充分なグリップ性能が得られないおそれがある。該スチレン含量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。スチレン含量が60質量%を超えると、軟化点が高くなり、ゴムが硬くなり、グリップ性能が悪化するおそれがある。
なお、液状SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
本発明において、オイルの含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。2質量部未満では、添加による効果が得られないおそれがある。また、該オイルの含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは20質量部以下である。50質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
液状ジエン系重合体の含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは40質量部以上である。20質量部未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該液状ジエン系重合体の含有量は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。120質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
また、前記樹脂、オイル及び液状ジエン系重合体の合計含有量は、ジエン系ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは60質量部以上である。50質量部未満では、充分なグリップ性能が得られない傾向がある。また、該合計含有量は、好ましくは180質量部以下、より好ましくは130質量部以下、更に好ましくは100質量部以下である。180質量部を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、上記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、トレッド部に用いられることが好ましく、キャップトレッドに用いられることが特に好ましい。キャップトレッドに使用することで、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性の優れた性能バランスが得られる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物(加硫物)のM300は、100℃の雰囲気下で1.5〜6.0MPaが好ましく、1.8〜5.5MPaがより好ましい。1.5MPa未満であると、耐摩耗性が不足する傾向があり、6.0MPaを超えると、ドライグリップ性能およびウェットグリップ性能ともに、低下する傾向がある。ここで、M300とは、JIS K6251に準拠した300%モジュラスである。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
本発明の空気入りタイヤは、レースなどの競技用ドライタイヤ、特にドライ路面に使用される高性能ドライタイヤに好適に使用できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
製造例1〜4
<使用薬品>
レジンの合成に使用した薬品を以下に示す。
トルエン:関東化学(株)製
α−ピネン:東京化成工業(株)製
3−カレン:東京化成工業(株)製
p−tブチルフェノール:和光純薬工業(株)製
スチレン:東京化成工業(株)製
α−メチルスチレン:東京化成工業(株)製
三フッ化ホウ素(BF):東京化成工業(株)製
炭酸ナトリウム:東京化成工業(株)製
<合成方法>
温度計、攪拌装置、冷却器、Dean−Starkトラップを備えた三口フラスコを十分に窒素置換し、そこにトルエン200gを添加した。これにp−tブチルフェノールを40g添加し、攪拌、還流を2時間行った。触媒としてBFガスを1.2g添加し、α−ピネン170gを90分程度の時間で滴下し、その後スチレン40gを30分程度の時間で滴下し、40℃において60分間窒素下で攪拌しながら重合を行った。反応終了後、炭酸ナトリウム1.2gを100mlの水に溶解したものを添加して反応を停止させ、水洗を繰り返すことで触媒を除去した。減圧蒸留することでトルエン、未反応モノマーを除去し目的とするレジンAを得た。
α−ピネンの代わりに3−カレンを、スチレンの代わりにα−メチルスチレンを用い、表1の添加量に変更する他は、レジンAと同様の方法でレジンB〜Dを合成した。
合成したレジンの組成、軟化点、分子量を表1に示す。なお、分子量は以下の方法で測定した。
(重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の測定)
Mw、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
Figure 2013091755
実施例1〜7および比較例1〜5
<使用薬品>
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
スチレンブタジエンゴム SBR:Nipol9549(日本ゼオン株式会社製、スチレン含有率:45質量%、オイル分:50質量%)
カーボンブラック:シースト9 SAF(東海カーボン株式会社製、NSA:142m/g)
液状SBR:RAICON100(サートマー社製、スチレン含量:20質量%、ビニル含量:70質量%)
プロセスオイル:ダイアナプロセスAH−24(出光興産株式会社製)
レジンA〜D:製造例1〜4で合成
レジンE:Kristalex3085(α−メチルスチレン、イーストマンケミカル社製)
レジンF:YSレジンPX1250(テルペン樹脂、ヤスハラケミカル株式会社製)
レジンG:Koresin(p−tブチルフェノール BASF社製)
酸化亜鉛:酸化亜鉛(三井金属鉱業株式会社製)
ステアリン酸:ステアリン酸「椿」(日油株式会社製)
老化防止剤:アンチゲン6C(住友化学株式会社製)
ワックス:サンノックN(大内新興化学工業株式会社製)
硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄株式会社製)
加硫促進剤CZ:ノクセラーCZ(大内新興化学工業株式会社製)
<ゴム組成物の製造法>
表2に示す配合処方にしたがって、神戸製鋼製1.7Lバンバリーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
<タイヤの製造法>
得られた未加硫ゴム組成物を使用して、トレッド形状に成形し、他のタイヤ部材と貼り合わせて加硫し、サイズ195/65R15の試験用タイヤ(高性能ドライタイヤ)を作製した。
<評価方法>
(ドライグリップ性能)
得られた試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、ドライアスファルト路面のテストコースで、10周の実車走行を行なった。その際における、操舵時のコントロールの安定性をテストドライバーが評価し、比較例1を100として指数表示をした。数値が大きいほどドライ路面におけるグリップ性能が高いことを示す。
(耐摩耗性能)
引張り特性について、JIS K6251に基づいて、100℃雰囲気下、引張6号形ダンベル状試験片(加硫ゴム組成物)で物性試験を行い、モジュラス(M300)を測定した。また下記計算式により、各配合(加硫物)のM300を指数表示した。なお、M300が大きいほど、耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性能指数)=各配合のM300/比較例1のM300×100
(ウェットグリップ性能)
作製した試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着し、水を撒いて湿潤路面としたテストコースで、速度70km/hで制動し、タイヤに制動をかけてから停車するまでの走行距離(制動距離)を測定した。制動距離の逆数の値を比較例1を100として、それぞれ指数表示した。数値が大きいほどウェットグリップ性能が高いことを示す。
Figure 2013091755
表2の結果から、α−メチルスチレンやテルペンのレジンを配合した比較例2〜3では、ウェットグリップ性能は良好であるものの、ドライグリップ性能が悪化し、比較例2では耐摩耗性も大幅に低下した。p−tブチルフェノールのレジンを配合した比較例4では、ドライグリップ性能は良好であるものの、耐摩耗性やウェットグリップ性能が大幅に悪化した。また、これらをブレンドした比較例5でも性能バランスはかなり悪かった。
一方、フェノール系化合物とテルペン系化合物と芳香族ビニル系化合物との共重合樹脂を配合することで、ドライグリップ性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性が同時に改善され、これらの性能バランスを顕著に改善できることが明らかとなった。

Claims (10)

  1. スチレンブタジエンゴムを60質量%以上含有するジエン系ゴム成分と、(a)フェノール系化合物、(b)テルペン系化合物および(c)芳香族ビニル系化合物を共重合して得られた樹脂とを含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. フェノール系化合物(a)がフェノールおよび/またはアルキルフェノールであり、テルペン系化合物(b)が水酸基を持たない環状不飽和炭化水素であり、芳香族ビニル系化合物(c)がスチレンおよび/またはアルキル置換スチレンである請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. テルペン系化合物(b)がα−ピネン、β−ピネン、3−カレン、D−リモネンおよびジペンテンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 樹脂の配合量が、ジエン系ゴム成分100質量部に対して1〜50質量部である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 樹脂の構成成分の比率が、フェノール系化合物(a)>テルペン系化合物(b)≧芳香族ビニル系化合物(c)で、フェノール系化合物(a)が40〜60質量%、テルペン系化合物(b)および芳香族ビニル系化合物(c)が20〜30質量%である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. さらに、カーボンブラック及び/又はシリカを含む請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. タイヤのキャップトレッドに使用される請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 加硫物のM300が、100℃の雰囲気下で1.5〜6.0MPaである請求項1〜7のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した高性能ドライタイヤ。
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